JPH10162675A - 密封開閉器 - Google Patents

密封開閉器

Info

Publication number
JPH10162675A
JPH10162675A JP33158296A JP33158296A JPH10162675A JP H10162675 A JPH10162675 A JP H10162675A JP 33158296 A JP33158296 A JP 33158296A JP 33158296 A JP33158296 A JP 33158296A JP H10162675 A JPH10162675 A JP H10162675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealed
housing
contact portion
lubricant
switch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33158296A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ono
隆 大野
Takashi Imaguchi
孝志 今口
Kazuhiro Nobutoki
和弘 信時
Kazunori Tani
和憲 谷
Tomoyoshi Hayashi
友好 林
Michio Abe
道男 阿部
Shigenori Uda
成徳 宇田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd, Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP33158296A priority Critical patent/JPH10162675A/ja
Publication of JPH10162675A publication Critical patent/JPH10162675A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Contacts (AREA)
  • Switch Cases, Indication, And Locking (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 密封リレーや密封スイッチなどの密封開閉器
において接点の接触信頼性を高めることを課題とする。 【解決手段】 接点部1をハウジング4に密封して収容
した密封開閉器に関する。ハウジング4内を第一アミン
類からなる潤滑剤の雰囲気に形成する。第一アミン類は
有機ガス分子に優先して接点部1の表面に吸着し、接点
部1の表面を潤滑剤分子の膜で覆って接点部1の表面に
有機ガス分子が付着することを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジング内に接
点部を密封したリレーやスイッチなどの密封開閉器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】リレーにおいて、内部に外部から腐食性
ガスが侵入すると、リレー機構部の接点等が腐食性ガス
で悪影響を受けるために、リレー機構部をハウジング内
に密封することが行なわれている。しかしこのような密
封リレーにあって、リレー機構部の一部をなす電磁石ブ
ロックのコイル部は表面を樹脂等で処理されており、こ
のコイル部から有機ガスが発生すると、密封されたハウ
ジング内に有機ガスが充満し、電磁石ブロックの接点部
の接触面が有機ガスで腐食されるおそれがあり、また接
点開閉の際のアークで有機ガスが燃焼されて炭化物が接
点の表面に付着し、接点部の接触信頼性が低下するとい
う問題があった。このような有機ガスは、コイル部のみ
ならず、コイルボビンやハウジング等の樹脂成形品な
ど、リレーを構成する有機質材料から発生するおそれが
ある。
【0003】また、スイッチにおいても、外部から腐食
性ガスが侵入するとスイッチ機構部の接点部等が腐食性
ガスで悪影響を受けるために、スイッチ機構部をハウジ
ング内に密封することが行なわれている。しかしこのよ
うな密封スイッチにあっても、ハウジング等の樹脂成形
品などから有機ガスが発生すると、密封されたハウジン
グ内に有機ガスが充満し、スイッチ機構部の接点部の接
触面が有機ガスで腐食されるおそれがあり、また接点開
閉の際のアークで有機ガスが燃焼されて炭化物が接点の
表面に付着し、接点部の接触信頼性が低下するという問
題があった。
【0004】密封リレーや密封スイッチなど接点部をハ
ウジングに密封した密封開閉器におけるこのような問題
を解消するために、コイル部をはじめ、コイルボビンや
ハウジング等の材料としてガスが発生しないものを選定
することが試みられているが、この場合には材料が高コ
スト化するおそれがあり、しかもガスの発生を完全に防
止することは難しく、解決手段としてあまり有効なもの
ではない。
【0005】また、接点部の表面が清浄化されている状
態で直流電流を負荷すると、特に容量負荷で接点を開閉
する場合、接点部の表面の一点に開閉の際のアークポイ
ントが集中し、片方の接点が溶融あるいは蒸発して他方
の接点に移転していく転移現象が発生し、接点部の表面
に凹凸が発生すると共に転移現象の進行によって接点が
ロック状態になるロッキングが生じ、リレーやスイッチ
の動作不良が発生するおそれがあるという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
密封リレーや密封スイッチなどの密封開閉器においては
接点の接触信頼性に問題が発生する可能性があった。従
って本発明は、密封リレーや密封スイッチなどの密封開
閉器において接点の接触信頼性を高めることを課題とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、接点
部をハウジングに密封して収容した密封開閉器におい
て、ハウジング内を単数又は複数の−NH2 基を有する
第一アミン類からなる潤滑剤の雰囲気に形成して成るこ
とを特徴とするものである。請求項2の発明は、接点部
をハウジングに密封して収容した密封開閉器において、
ハウジング内を単数又は複数の−NH−結合を有する第
二アミン類からなる潤滑剤の雰囲気に形成して成ること
を特徴とするものである。
【0008】請求項3の発明は、接点部をハウジングに
密封して収容した密封開閉器において、ハウジング内を
単数又は複数の≡N結合を有する第三アミン類からなる
潤滑剤の雰囲気に形成して成ることを特徴とするもので
ある。請求項4の発明は、接点部をハウジングに密封し
て収容した密封開閉器において、ハウジング内をイミダ
ゾール類からなる潤滑剤の雰囲気に形成して成ることを
特徴とするものである。
【0009】また請求項5の発明は、上記イミダゾール
類として、2−エチル−4−メチルイミダゾールを用い
ることを特徴とするものである。請求項6の発明は、接
点部をハウジングに密封して収容した密封開閉器におい
て、ハウジング内をイミダゾリン類からなる潤滑剤の雰
囲気に形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】また請求項7の発明は、上記イミダゾリン
類として、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−
エチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリンか
ら選ばれるものを用いることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、接点部をハウジングに密封して収容
した密封開閉器において、ハウジング内をトリアゾール
からなる潤滑剤の雰囲気に形成して成ることを特徴とす
るものである。
【0011】請求項9の発明は、接点部及びコイル部を
有する電磁石ブロックをハウジングに密封して収容した
密封リレーであることを特徴とするものである。請求項
10の発明は、接点部等のスイッチ機構をハウジングに
密封して収容した密封スイッチであることを特徴とする
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1及び図2は密封リレーAの一例の構造を示す
ものである。鉄芯5の外周にはコイルボビン11にコイ
ル12を巻装して形成したコイル部2が設けてあり、略
コ字形に形成されるこの鉄芯5の両端の磁極部6の間に
永久磁石13が取り付けてある。この鉄芯5とコイル部
2と永久磁石13等から電磁石ブロック3が形成される
ものである。この電磁石ブロック3は固定接点端子15
a,共通接点端子15b及びコイル12に通電を行なう
コイル端子15cと共に合成樹脂のボディ14に一体成
形してあり、鉄芯5の両端の磁極部6はボディ14の両
端部の上面に突出させてある。また固定接点端子15a
に接続された固定接点1aがボディ14の両端部の上面
に突出させてあり、共通接点端子15cに接続された固
着片16がボディ14の中央部の上面に露出させてあ
る。
【0013】18はアマチュアであり、アマチュア18
の中央部にモールドした成形品20によってその両側に
接点ばね19を一体的に設けて、アマチュアブロック7
を形成するようにしてある。各接点ばね19の中央部に
はヒンジばね片19aが延設してあり、各接点ばね19
の両端の下面に可動接点1bが設けてある。そして成形
品20の下面には突条21が突設してあり、図2(c)
のようにこの突条21を揺動支点としてアマチュアブロ
ック7を電磁石ブロック3の永久磁石13の上に回動自
在に載置し、接点ばね19のヒンジばね片19aを上記
の固着片16に固着することによって、アマチュアブロ
ック7の取り付けを行なうと共に接点ばね19と共通接
点端子15bとを電気的に接続するようにしてある。こ
のようにアマチュアブロック7を取り付けると、固定接
点1aと可動接点1bが上下に対向し、この対向する固
定接点1aと可動接点1bとで接点部1が形成されるも
のである。
【0014】カバー22は合成樹脂成形品で下面が開口
する箱状に形成してあり、このカバー22内に上記のボ
ディ14をはめ込んで、接着等することによって、カバ
ー22とボディ14とで形成されるハウジング4内に電
磁石ブロック3やアマチュアブロック7などのリレー部
材を密封した密封リレーAを組み立てることができるも
のである。図中24は内部を封止するための孔であり、
塞がれものである。
【0015】次に上記の有極リレーとして形成される密
封リレーAの動作について簡単に説明する。まずコイル
12への通電が停止されている定常時には、永久磁石1
3の起磁力でヒンジばね片19aの延出位置をずらせた
側と反対側のアマチュア18の端部が磁極部6に吸着さ
れ、図2(b)に示すようにアマチュアブロック7は傾
いている。この状態では図2(b)の左側の接点部1は
閉じていると共に右側の接点部1は開いている。次にコ
イル12に通電を行なうとアマチュア18の他方の端部
が磁極部6に吸着されるようになり、アマチュアブロッ
ク7が回動して図2(b)の傾斜と反対側にアマチュア
ブロック7は傾き、図2(a)の左側の接点部1が開く
と共に右側の接点部1が閉じる。この状態はコイル12
に通電を行なっている間保持される。次に、コイル12
への通電を停止すると、ヒンジばね片19aのばね力で
永久磁石4によるアマチュア18と磁極部6との吸着力
に抗してアマチュア18は元の定常状態に復帰回動す
る。このようにして、アマチュアブロック7の回動に伴
って接点部1の固定接点1aと可動接点1bを接触開3
させて開閉を行なうことができるものである。
【0016】図3は密封スイッチBの一例を示すもので
ある。合成樹脂成形品で形成されるボディ30に共通端
子31、常開端子32、常閉端子33が同時成形で取り
付けてあり、共通端子31の上部には接点バネ34の基
部を取着してある。接点バネ34の先端の上下面にはそ
れぞれ可動接点1cが固着してあり、この上下の可動接
点1c,1cに対向するように固定接点1d,1fが常
閉端子33と常開端子32から延出した部分に設けてあ
る。これらの可動接点1cと固定接点1d,1dとで接
点部1が形成されるものであり、またこの接点部1と接
点バネ34によってスイッチ機構8が形成されるもので
ある。
【0017】カバー35は合成樹脂成形品で下面が開口
する箱状に形成されるものであり、接点バネ34を駆動
する押釦36がカバー35の挿通孔37に通して設けて
ある。この挿通孔37にはゴムキャップなどの弾性キャ
ップ38が取着してあり、挿通孔37を弾性キャップ3
8で密閉するようにしてある。39は押釦カバーであ
る。そしてこのカバー35をボディ30に被せて接着等
することによって、ボディ30とカバー35で形成され
るハウジング4内にスイッチ機構8を密封した密封スイ
ッチBを組み立てることができるものである。40は二
次成形で設けた防塵用の弾性材である。
【0018】そして上記のような密封リレーAや密封ス
イッチBなどの密封開閉器において、請求項1の発明で
は、密封したハウジング4内を単数又は複数の−NH2
基を有する第一アミン類による潤滑剤の気相雰囲気に形
成するようにしてある。この単数又は複数の−NH2
を有する第一アミン類としては、ベンゼン環を有しな
い、リニアーな炭素結合を有するか、側鎖を有する第一
アミン類を用いるものであり、1気圧下での沸点が10
0℃付近のものから250℃付近のものを使用状況に応
じて選定するのがよい。例えば、2−オクタンアミン
(1気圧下での沸点163〜164℃)、オクチルアミ
ン(1気圧下での沸点188℃)、ヘキシルアミン(7
62mmHgでの沸点130℃)、1,6−ヘキサンジ
アミン(10mmHgでの沸点81.5℃)などを例示
することができる。
【0019】また、請求項2の発明では、密封したハウ
ジング4内を単数又は複数の−NH−結合を有する第二
アミン類による潤滑剤の気相雰囲気に形成するようにし
てある。この単数又は複数の−NH−結合を有する第二
アミン類としては、ベンゼン環を有しない、リニアーな
炭素結合を有するか、側鎖を有する第一アミン類を用い
るものであり、1気圧下での沸点が100℃付近のもの
から250℃付近のものを使用状況に応じて選定するの
がよい。例えば、ジブチルアミン(1気圧下での沸点1
60℃)を例示することができる。
【0020】さらに、請求項3の発明では、密封したハ
ウジング4内を単数又は複数の≡N結合を有する第三ア
ミン類による潤滑剤の気相雰囲気に形成するようにして
ある。この単数又は複数の≡N結合を有する第三アミン
類としては、ベンゼン環を有しない、リニアーな炭素結
合を有するか、側鎖を有する第一アミン類を用いるもの
であり、1気圧下での沸点が100℃付近のものから2
50℃付近のものを使用状況に応じて選定するのがよ
い。例えば、トリプロピルアミン(1気圧下での沸点1
57℃)、トリブチルアミン(1気圧下での沸点212
℃)を例示することができる。
【0021】上記のように密封開閉器のハウジング4内
を第一アミン類、第二アミン類、第三アミン類による潤
滑剤の雰囲気にすることによって、接点部1の接触信頼
性を高めることができるものであり、そのメカニズムを
図4及び図5に基づいて説明する。図5はこのような潤
滑剤を用いないときの状態を示すものであり、接点部1
の開閉前は図5(a)のように、ハウジング4などを構
成する有機質材料から発生する有機ガス分子m1 や水分
子m2 が接点部1の表面に吸着しており、接点部1が開
閉される際の電流で、図5(b)のようにアークaが発
生すると、このアークaのエネルギーで接点部1の接触
ポイントに付着する有機ガス分子m1 が炭化され、図5
(c)のように接点部1の表面が炭化物cで覆われる。
このように接点部1の表面に炭化物cが生じることによ
って、接点部1の接触不良が生じて接触信頼性が低下す
る。
【0022】一方、上記のようにハウジング4内が第一
アミン類、第二アミン類、第三アミン類による潤滑剤の
雰囲気であると、有機ガス分子m1 や水分子m2 の他に
気相の潤滑剤分子m3 がハウジング4内に共存してお
り、これらの分子は接点材料が持っている表面エネルギ
ーや接点表面への水素結合や2次結合等の形で吸着する
が、分子自身が持っている極性の強弱によって吸着の強
さが異なる。そして第一アミン類、第二アミン類、第三
アミン類の潤滑剤分子m3 はその−NH2 基や−NH−
結合や≡N結合によって極性が強いために、優先的に接
点部1の表面に吸着し、図4(a)のように接点部1の
表面が潤滑剤分子m3 の膜で覆われるものであり、接点
部1の表面に有機ガス分子m1 が付着することを防ぐこ
とができる。次に接点部1の開閉の際にアークaが発生
して、接点部1の接触ポイントの表面に付着する潤滑剤
分子m3 にアークaのエネルギーが作用すると、第一ア
ミン類、第二アミン類、第三アミン類は燃焼効率が良
く、潤滑剤分子m3 は燃焼されて水と炭酸ガスと窒素ガ
ス等に分解し、ごく一部が低分子カーボンに分解される
だけであり、図4(b)のように接点部2の接触ポイン
トの表面から潤滑剤分子m3 が消失すると共に、接点部
1の接触ポイントの表面は潤滑剤分子m3 の燃焼で活性
化される。このように活性化された接点部1の接触ポイ
ントには、吸着力が高い潤滑剤分子m3 が優先的に吸着
し、図4(c)のように再び潤滑剤分子m 3 の膜で覆わ
れ、有機ガス分子m1 が吸着することを防ぐことができ
る。
【0023】このようにして、接点部1の表面に有機ガ
スが付着することを防止すると共に炭化物が接点部1の
表面に付着することを防止し、開閉時のアークによる接
点部1の接触不良の発生を防いで接点部1の接触信頼性
を高めることができるものである。しかも第一アミン
類、第二アミン類、第三アミン類は潤滑性が高く、接点
同士が微細な振動で擦り合わされた際に融着するステッ
キングが起こることを有効に防止することができるもの
である。さらに第一アミン類、第二アミン類、第三アミ
ン類は分子構造中にアミノ基を有するので、接点部1の
金属を腐食から守る防錆効果も高いものである。
【0024】また、上記のような密封リレーAや密封ス
イッチBなどの密封開閉器において、請求項4の発明で
は、密封したハウジング内をイミダゾール類による潤滑
剤の気相雰囲気に形成するようにしてある。このイミダ
ゾール類は、「化1」の複素環を有する化合物であり、
例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(1気圧
での融点44〜55℃)などを用いることができる。
【0025】
【化1】
【0026】また上記のような密封リレーAや密封スイ
ッチBなどの密封開閉器において、請求項6の発明で
は、密封したハウジング内をイミダゾリン類による潤滑
剤の気相雰囲気に形成するようにしてある。このイミダ
ゾリン類は、「化2」の複素環を有する化合物であり、
例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾリン(15m
mHgでの沸点111℃)、2−エチルイミダゾリン
(15mmHgでの沸点110℃)、2,4−ジメチル
イミダゾリン(15mmHgでの沸点108℃)などを
用いることができる。
【0027】
【化2】
【0028】また、上記のような密封リレーAや密封ス
イッチBなどの密封開閉器において、請求項8の発明で
は、密封したハウジング内をトリアゾールによる潤滑剤
の気相雰囲気に形成するようにしてある。このトリアゾ
ールとしては、1,2,3−ベンゾトリアゾール(1気
圧のでの融点93℃)などを用いることができる。イミ
ダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾールはその−N
H−結合や≡N結合によって極性が強く、第一アミン
類、第二アミン類、第三アミン類において既述した場合
と同様に、有機ガスに優先して接点部1の表面に吸着し
て膜を形成し、有機ガスの分子が接点部1の表面に付着
することを防止することができ、有機ガスからの接点部
1の保護効果を高く得ることができるものであり、しか
も燃焼効率が良く、炭化物が接点部1の表面に残るよう
なことがなくなり、接点部1の接触信頼性を向上させる
ことができるものである。このように、イミダゾール類
やイミダゾリン類、トリアゾールによる潤滑剤は既述の
第一アミン類、第二アミン類、第三アミン類と同様な効
果を有するものであり、しかもイミダゾール類やイミダ
ゾリン類、トリアゾールは潤滑性が高く、接点同士が微
細な振動で擦り合わされた際に融着するステッキングが
起こることを有効に防止することができるものである。
さらにイミダゾール類やイミダゾリン類、トリアゾール
は分子構造中にアミノ基を有するので、接点部1の金属
を腐食から守る防錆効果も高いものである。
【0029】そして、ハウジング4内を上記のような潤
滑剤の雰囲気に形成するには、潤滑剤をあらかじめ気体
状態にしてハウジング4内に充填することによって行な
うことができる。例えば潤滑剤を加熱してガス状にして
内部の空気を追い出しながらハウジング4内に圧入する
ことによって、気体状態の潤滑剤でハウジング4内を充
填することができる。このように気体状態にしてハウジ
ング4内に潤滑剤を充填することによって、ハウジング
4内の潤滑剤の濃度を均一にすることができ、ハウジン
グ4内で潤滑剤の濃度のバラツキによる接点部の接触信
頼性の向上等の効果のバラツキを低減することができる
ものである。
【0030】また上記の潤滑剤を液体状態でハウジング
4内に入れることによって、ハウジング4内を潤滑剤の
雰囲気に形成することもできる。例えば液状の潤滑剤を
ハウジング4のカバー22,35の内面に塗布すること
によって、ハウジング4内に潤滑剤を入れるようにする
ことができる。図6はカバー22,35の内面への潤滑
剤10の塗布の一例を示すものであり、接触ピン26の
下端に潤滑剤10を図6(a)のように付着させた後、
図6(b)(c)のようにカバー22の内面に潤滑剤1
0を接触ピン26から転写させて塗布を行なうようにし
てある。このように液体状態の潤滑剤をハウジング4内
に入れるようにすれば、潤滑剤はハウジング4内で徐々
に気化してハウジング4内に長期に亘って充満し、接点
部の接触信頼性の向上等の効果を長期間持続させること
ができるものである。
【0031】さらに上記の潤滑剤を固体状態でハウジン
グ4内に入れることによって、ハウジング4内を潤滑剤
の雰囲気に形成することもできる。固体状態の潤滑剤は
ハウジング4内の所要場所に配置し易く、ハウジング4
内への組み込みが容易になるものである。潤滑剤が液状
の場合には、スポンジ等の多孔質体に潤滑剤を含ませ
て、固体状態と同様な取り扱いができるようにしてもよ
い。
【0032】ここで、図1、図2に示すような鉄芯5の
磁極部6に当接・反発動作させるようにアマチュアブロ
ック7を回動支持して形成したリレー部材をハウジング
4に密封収容するようにした密封リレーAにあって、上
記のように潤滑剤を気体状態で、あるいは液体状態で、
あるいは固体状態で入れて、ハウジング4内を潤滑剤の
雰囲気にすると、気化された潤滑剤がアマチュアブロッ
ク7の支持部、例えば突条21に回り込み、潤滑剤の分
子の薄膜を生じさせてアマチュアブロック7の回動をス
ムーズに行なわせることができるものである。また鉄芯
5の磁極部6とアマチュア18との間にも気化された潤
滑剤の分子の薄膜が生じ、磁極部6とアマチュア18の
開閉による摩耗を低減することができるものである。
【0033】尚、上記の請求項1乃至7の潤滑剤を構成
する物質は、それぞれを単独で使用する他に、一種類以
上を併用することもできるものである。
【0034】
【発明の効果】上記のように、接点部をハウジングに密
封して収容した密封開閉器において、請求項1の発明は
ハウジング内を第一アミン類からなる潤滑剤の雰囲気に
形成し、請求項2の発明はハウジング内を第二アミン類
からなる潤滑剤の雰囲気に形成し、請求項3の発明はハ
ウジング内を第三アミン類からなる潤滑剤の雰囲気に形
成するようにしたので、第一アミン類、第二アミン類、
第三アミン類は極性が強く、有機ガスに優先して接点部
の表面に吸着し、有機ガスの分子が接点部の表面に付着
することを防止して、有機ガスからの接点部の保護効果
を高く得ることができるものであり、しかも燃焼効率が
良く炭化物が接点部の表面に残るようなことがなくな
り、接点部の接触信頼性を向上させることができるもの
である。またこれらの第一アミン類、第二アミン類、第
三アミン類は潤滑性が高く、接点同士が微細な振動で擦
り合わされた際に融着するステッキングが起こることを
有効に防止することができるものであり、さらにこれら
の第一アミン類、第二アミン類、第三アミン類は分子構
造中にアミノ基を有するので、接点部の金属を腐食から
守る防錆効果が高いものである。
【0035】また、接点部をハウジングに密封して収容
した密封開閉器において、請求項4の発明はハウジング
内をイミダゾール類からなる潤滑剤の雰囲気に形成し、
請求項6の発明はハウジング内をイミダゾリン類からな
る潤滑剤の雰囲気に形成し、請求項8の発明はハウジン
グ内をトリアゾールからなる潤滑剤の雰囲気に形成する
ようにしたので、イミダゾール類やイミダゾリン類やト
リアゾールは極性が強く、有機ガスに優先して接点部の
表面に吸着し、有機ガスの分子が接点部の表面に付着す
ることを防止して、有機ガスからの接点部の保護効果を
高く得ることができるものであり、しかも燃焼効率が良
く炭化物が接点部の表面に残るようなことがなくなり、
接点部の接触信頼性を向上させることができるものであ
る。またイミダゾール類やイミダゾリン類やトリアゾー
ルは潤滑性が高く、接点同士が微細な振動で擦り合わさ
れた際に融着するステッキングが起こることを有効に防
止することができるものであり、さらにイミダゾール類
やイミダゾリン類やトリアゾールは分子構造中にアミノ
基を有するので、接点部の金属を腐食から守る防錆効果
が高いものである。
【0036】また請求項8の発明は、接点部及びコイル
部を有する電磁石ブロックをハウジングに密封して収容
した密封リレーにおいて、ハウジング内を上記の潤滑剤
の雰囲気に形成するようにしたので、接点の接触信頼性
の高い密封リレーを得ることができるものである。また
請求項9の発明は、接点部等のスイッチ機構をハウジン
グに密封して収容した密封スイッチにおいて、ハウジン
グ内を上記の潤滑剤の雰囲気に形成するようにしたの
で、接点の接触信頼性の高い密封スイッチを得ることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密封リレーによる実施の形態の一例を
示す分解斜視図である。
【図2】本発明の密封リレーによる実施の形態の一例を
示すものであり、(a)はカバーを切断した正面図、
(b)はカバーと電磁石ブロックの一部を切断した正面
図、(c)は電磁石ブロックとアマチュアブロックの概
略正面図である。
【図3】本発明の密封スイッチによる実施の形態の一例
を示す断面図である。
【図4】本発明における接点開閉時の接点部の表面の状
態を示すものであり、(a),(b),(c)はそれぞ
れ概略図である。
【図5】従来における接点開閉時の接点部の表面の状態
を示すものであり、(a),(b),(c)はそれぞれ
概略図である。
【図6】カバーへの潤滑剤の塗布を示すものであり、
(a),(b),(c)は手順を示す概略図である。
【符号の説明】
1 接点部 2 コイル部 8 スイッチ機構 A 密封リレー B 密封スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 信時 和弘 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 谷 和憲 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 林 友好 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 阿部 道男 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 宇田 成徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接点部をハウジングに密封して収容した
    密封開閉器において、ハウジング内を単数又は複数の−
    NH2 基を有する第一アミン類からなる潤滑剤の雰囲気
    に形成して成ることを特徴とする密封開閉器。
  2. 【請求項2】 接点部をハウジングに密封して収容した
    密封開閉器において、ハウジング内を単数又は複数の−
    NH−結合を有する第二アミン類からなる潤滑剤の雰囲
    気に形成して成ることを特徴とする密封開閉器。
  3. 【請求項3】 接点部をハウジングに密封して収容した
    密封開閉器において、ハウジング内を単数又は複数の≡
    N結合を有する第三アミン類からなる潤滑剤の雰囲気に
    形成して成ることを特徴とする密封開閉器。
  4. 【請求項4】 接点部をハウジングに密封して収容した
    密封開閉器において、ハウジング内をイミダゾール類か
    らなる潤滑剤の雰囲気に形成して成ることを特徴とする
    密封開閉器。
  5. 【請求項5】 上記イミダゾール類として、2−エチル
    −4−メチルイミダゾールを用いることを特徴とする請
    求項4に記載の密封開閉器。
  6. 【請求項6】 接点部をハウジングに密封して収容した
    密封開閉器において、ハウジング内をイミダゾリン類か
    らなる潤滑剤の雰囲気に形成して成ることを特徴とする
    密封開閉器。
  7. 【請求項7】 上記イミダゾリン類として、2−エチル
    −4−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、
    2,4−ジメチルイミダゾリンから選ばれるものを用い
    ることを特徴とする請求項6に記載の密封開閉器。
  8. 【請求項8】 接点部をハウジングに密封して収容した
    密封開閉器において、ハウジング内をトリアゾールから
    なる潤滑剤の雰囲気に形成して成ることを特徴とする密
    封開閉器。
  9. 【請求項9】 接点部及びコイル部を有する電磁石ブロ
    ックをハウジングに密封して収容した密封リレーである
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の密
    封開閉器。
  10. 【請求項10】 接点部等のスイッチ機構をハウジング
    に密封して収容した密封スイッチであることを特徴とす
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の密封開閉器。
JP33158296A 1996-11-26 1996-11-26 密封開閉器 Pending JPH10162675A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33158296A JPH10162675A (ja) 1996-11-26 1996-11-26 密封開閉器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33158296A JPH10162675A (ja) 1996-11-26 1996-11-26 密封開閉器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10162675A true JPH10162675A (ja) 1998-06-19

Family

ID=18245272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33158296A Pending JPH10162675A (ja) 1996-11-26 1996-11-26 密封開閉器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10162675A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007207736A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Kimito Fujii 多箇所壁スイッチシステム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007207736A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Kimito Fujii 多箇所壁スイッチシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0538087A (ja) 小型直流モータ
JPH10162675A (ja) 密封開閉器
JPH04205744A (ja) 光磁気ディスク装置
JPH079325Y2 (ja) 密封型リレー
JPH10162672A (ja) 密封開閉器
JPH10162674A (ja) 密封開閉器
JPH10162670A (ja) 密封開閉器
JPH10162673A (ja) 密封開閉器
JPH1092252A (ja) 密封開閉器
JPH10162671A (ja) 密封開閉器
WO2022190767A1 (ja) 電磁継電器
HU9800122D0 (en) A high sensitive relay, method for coating surfaces of its contactact
JPH09293443A (ja) 有極リレー
JPS6139450Y2 (ja)
WO2022158144A1 (ja) 密閉型電磁接触器
JPS63158813A (ja) 電磁石用鉄心
JP3572156B2 (ja) 回転電機
JPH0628496B2 (ja) 直流モ−タ
JPS6199236A (ja) 電磁継電器
JPS58135521A (ja) スナツプスイツチ
JPH11260231A (ja) 有極電磁継電器における有極磁気回路
JP3013864U (ja) 回転支点型有極電磁石およびこれを組込んだ回転支点型有極リレー
JPH0834149B2 (ja) リレー
JPH0142455B2 (ja)
JPH09288957A (ja) 電磁リレー及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050726

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02