JPH10162431A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JPH10162431A
JPH10162431A JP8318184A JP31818496A JPH10162431A JP H10162431 A JPH10162431 A JP H10162431A JP 8318184 A JP8318184 A JP 8318184A JP 31818496 A JP31818496 A JP 31818496A JP H10162431 A JPH10162431 A JP H10162431A
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light
wavelength
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recording
layer
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JP8318184A
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Minoru Kikuchi
稔 菊地
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 480nmの波長の光及び780nmの波長
の光のいずれかを用いたときでも、良好な記録再生特性
を有する光ディスクを提供する。 【解決手段】 波長が780nmの光又は波長が480
nmの光のうちいずれの光に対しても、記録層5が結晶
状態のときの光吸収率よりも記録層5がアモルファス状
態のときの光吸収率のほうが小であり、且つ、記録層5
が結晶状態のときの反射率と記録層5がアモルファス状
態のときの反射率との差の絶対値が0.15以上であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶状態とアモル
ファス状態とを可逆的に変化する記録層を有する光ディ
スクに関し、特に、約780nm又は約480nmの波
長の光によって記録、再生及び消去することができる光
ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の照射によって情報信号の記
録、再生及び消去を行う光ディスクとして、光磁気ディ
スクや相変化型光ディスク等が知られている。この中で
も、相変化型光ディスクは、外部磁場を発生する手段を
必要としないために記録再生装置を小型化することがで
き、且つ、情報信号のオーバーライトが容易に行えるこ
とから注目を集めている。
【0003】これらの光ディスクは、いずれもポリカー
ボネート等のプラスチック又はガラス製の透明基板上に
記録層等が積層されてなるような構成を有する。この相
変化型光ディスクでは、所定のレーザ光を記録層に照射
することによって、照射された部分の記録層を構成する
材料が結晶状態及びアモルファス状態を可逆的に変化す
ることとなる。
【0004】具体的に、相変化型光ディスクでは、先
ず、初期化状態として、記録層が結晶状態とされる。そ
して、この相変化型光ディスクに情報信号を記録する
際、記録層に対して強いパワーを有するレーザ光を照射
する。これによって、このレーザ光が照射された部分
は、融点以上に昇温されることとなり、その後、冷却さ
れてアモルファス状態となる。
【0005】また、この相変化型光ディスクでは、記録
層に記録された情報信号を消去する際、記録時に照射し
たレーザ光よりも弱いレーザ光を照射することによっ
て、記録層の温度を融点以下、結晶化温度以上に昇温す
る。これによって、このレーザ光が照射された部分は、
前の状態に関係なく結晶状態となる。
【0006】さらに、この相変化型光ディスクでは、記
録層に記録された情報信号が再生される際、最も弱いレ
ーザ光が記録層に照射される。このとき、照射される部
分が結晶状態かアモルファス状態かによって、照射され
るレーザ光の反射率が変化する。これは、結晶状態の光
学定数とアモルファス状態の光学定数との違いに起因す
る。そして、この反射率を検出することによって、情報
信号を再生する。
【0007】一方、このような光ディスクにおいては、
記録層に記録用のレーザ光を照射し記録マークを形成す
る際、記録マークの中心に情報信号を持たせるマークポ
ジション記録方式と、記録マークの両端部に情報信号を
持たせるマークエッジ記録方式とがある。
【0008】上述したような、従来の相変化型光ディス
ク10は、図3に示すように、透明基板11と、第1の
誘電体層12と、記録層13と、第2の誘電体層14
と、反射層15と、保護層16とをこの順で積層してな
る。この相変化型光ディスク10において、記録層13
を構成する材料としては、Ge−Sb−Te系材料、A
g−In−Sb−Te系材料及びIn−Se系材料が挙
げられる。また、第1の誘電体層12及び第2の誘電体
層14は、記録層13の酸化防止及び多重干渉による信
号の増幅効果のために配される層であり、例えば、Zn
S−SiO2膜又はSiN膜からなる。さらに、反射層
15は、Al又はAu等からなる。これらいずれの層
も、真空蒸着法、スパッタリング法等の手法により成膜
される。さらにまた、保護層16は、紫外線硬化樹脂か
らなる。
【0009】ところで、このような相変化型の光ディス
ク10では、記録層13が結晶状態かアモルファス状態
かによって、記録層13の光吸収率が異なる。相変化型
の光ディスク10では、記録層13の光吸収率が異なる
と、レーザ光が照射される際に形成されるスポットの形
状が異なる。すなわち、この相変化型の光ディスク10
では、照射される部分が結晶状態かアモルファス状態か
によって、記録マークの形状が異なってしまうこととな
る。そして、このような相変化型の光ディスク10で
は、新たに情報信号の書き換えを行うと、記録マークの
形状にばらつきが生じるために、ジッターが増加するこ
ととなる。
【0010】相変化型の光ディスク10では、高密度記
録化を図る目的で上述したようなマークエッジ記録方式
が採用されると、上述したようにジッターが発生するた
め、正確に情報信号が記録再生されないといった問題点
があった。この問題点を解決するためには、結晶状態と
アモルファス状態といずれの場合でも光吸収率を等しく
することが必要である。具体的には、特開平1−149
238号公報に記載されているように、反射層15とし
て膜厚が20nmのAuを用いることによって、光吸収
率を等しくしていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな光ディスク10においては、780nmの波長のレ
ーザ光が用いられている。そして、より高密度記録化を
図るためには、記録マークを形成するレーザ光のスポッ
トサイズを小さくすることが考えられる。このスポット
サイズは、レーザ光の波長に比例して小さくなる。この
ため、現在、480nmの波長のレーザ光を用いる検討
が盛んに行われている。光ディスク10において、48
0nmの波長のレーザ光が用いられると、スポットサイ
ズは、780nmの波長のレーザ光の場合と比較して約
60%小さくなる。これは、記録密度が、従来より約
2.6倍向上することとなり、より高密度記録化が実現
されることとなる。
【0012】しかしながら、上述した相変化型の光ディ
スク10では、記録層13の結晶状態とアモルファス状
態とにおける光吸収率が波長依存性を有している。すな
わち、相変化型の光ディスク10では、780nmの波
長のレーザ光に対してジッタが増加しないように光吸収
率を最適化したとしても、他の波長のレーザ光に対して
記録再生に適した光吸収率を有するとは限らない。した
がって、特開平1−149238号公報に記載される光
ディスクは、780nmの波長のレーザ光と480nm
の波長のレーザ光とに対してジッタが増加しないように
光吸収率を最適化されたものではなかった。
【0013】従来の相変化型の光ディスク10におけ
る、照射されるレーザ光の波長と光吸収率との関係を図
4に示す。この図4において、記録層13が結晶状態の
ときの光吸収率をAaで示し、記録層13がアモルファ
ス状態のときの光吸収率をAcで示す。この図4から明
らかなように、780nmの波長のレーザ光では、Aa
とAcとの関係が最適化されているが、480nmの波
長のレーザ光では、AaとAcとの差が大きくなってい
る。このように、従来の相変化型の光ディスク10で
は、780nmの波長のレーザ光と480nmの波長の
レーザ光とで良好な光吸収率を示すような記録層13を
有していなかった。したがって、従来の相変化型の光デ
ィスク10は、短波長のレーザ光を用いることによっ
て、さらなる高密度記録化を達成することができなかっ
た。
【0014】また、上述したような相変化型の光ディス
ク10では、情報信号を再生する際、記録層13が結晶
状態のときの反射率(以下、Rcとする。)と、記録層
13がアモルファス状態のときの反射率(以下、Raと
する。)との差(以下、△Rとする。)を検出してい
た。したがって、この相変化型の光ディスク10では、
高いC/Nを達成するために、各反射率Rc、Raの差
△Rを大きくすることが必要である。
【0015】上述したように、相変化型の光ディスク1
0において、780nmの波長のレーザ光と480nm
の波長のレーザ光とを用いる場合、それぞれの波長にお
いて、反射率Rc及び反射率Raの差△Rを所望の値に
する必要がある。具体的には、高いC/Nを達成するた
めには、△Rの絶対値が0.15以上であることが好ま
しい。
【0016】従来の相変化型の光ディスク10におけ
る、照射されるレーザ光の波長と反射率との関係を図5
に示す。この図5から明らかなように、反射率Rcと反
射率Raとの差△Rは、780nmの波長のレーザ光を
用いた場合、0.15以上の値を取るが、480nmの
波長のレーザ光を用いた場合、0.15以下の値を取
る。このように、従来の相変化型の光ディスク10で
は、780nmの波長のレーザ光では良好なC/Nを達
成することができるが、480nmの波長のレーザ光で
はC/Nが低下してしまう。したがって、従来の相変化
型の光ディスク10は、短波長のレーザ光を用いること
によって、さらなる高密度記録化を達成した上で、良好
な記録再生特性を達成することができなかった。
【0017】そこで、本発明は、上述したような実情に
鑑みて提案されたものであり、480nmの波長の光及
び780nmの波長の光のいずれかを用いたときでも、
それぞれの波長に対して良好な記録再生特性を有する光
ディスクを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ディスク
は、結晶状態とアモルファス状態とを可逆的に変化する
記録層を備えた光ディスクであって、波長が780nm
の光又は波長が480nmの光のうちいずれの光に対し
ても、上記記録層が結晶状態のときの光吸収率よりも上
記記録層がアモルファス状態のときの光吸収率のほうが
小であり、且つ、上記記録層が結晶状態のときの反射率
と上記記録層がアモルファス状態のときの反射率との差
の絶対値が0.15以上である。
【0019】以上のように構成された本発明に係る光デ
ィスクでは、アモルファス状態と比較して融解潜熱の大
きい結晶状態のとき、記録層が大きな光吸収率を有する
ように構成されている。このため、この光ディスクで
は、レーザ光がアモルファス状態の領域又は結晶状態の
領域のいずれに照射された場合でも、レーザ光のスポッ
トサイズが変化することなく一定となる。したがって、
この光ディスクでは、780nm又は480nmの波長
の光のうちいずれの光が使用されても、ジッタが増加す
ることはない。
【0020】また、この光ディスクは、記録層がアモル
ファス状態のときと結晶状態のときとの反射率の差の絶
対値が0.15以上とされるために、高いC/Nを示す
こととなる。したがって、この光ディスクは、480n
mの波長の光及び780nmの波長の光のいずれかを用
いたときでも、良好な記録再生特性を有する。
【0021】また、本発明に係る光ディスクは、透明基
板上に形成された光吸収層と、この光吸収層上に形成さ
れた第1の誘電体層と、この第1の誘電体層上に形成さ
れた上記記録層と、上記記録層上に形成された第2の誘
電体層と、この第2の誘電体層上に形成された反射層と
を備えるような構成であって好適である。
【0022】以上のように構成された光ディスクでは、
記録層に照射される光の反射率及び光吸収率を所定の値
とするために、光吸収層が配されている。この光ディス
クでは、光吸収層が第1の誘電体層を介して記録層上に
積層されるため、照射された光が多重干渉を起こす。そ
して、この光吸収層は、多重干渉を起こした光を吸収す
る。このとき、光吸収層は、記録層が結晶状態かアモル
ファス状態かにより多重干渉の条件が異なるために、異
なる光量を吸収することができる。これにより、記録層
が結晶状態である場合には、記録層がアモルファス状態
である場合と比較して、より多くのレーザ光のエネルギ
ーが吸収されることになる。これにより、この光ディス
クでは、記録層の状態にかかわらず、均一なスポットサ
イズで記録マークが形成される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光ディスクの
具体的な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0024】本実施の形態に係る光ディスク1は、図1
に示すように、ポリカーボネート等からなる透明基板2
と、この透明基板2上に形成されてAl又はSiからな
る光吸収層3と、この光吸収層3上に形成されてZnS
−SiO2等からなる第1の誘電体層4と、この第1の
誘電体層4上に形成されてGeSbTe系材料からなる
記録層5と、この記録層5上に形成されてZnS−Si
2等からなる第2の誘電体層6と、この第2の誘電体
層6上に形成されてAl等からなる反射層7と、この反
射層7上に形成されて紫外線硬化樹脂からなる保護層8
とから構成されている。
【0025】以上のように構成された光ディスク1は、
記録再生装置に装着され、780nm又は480nmの
波長のレーザ光が照射されることにより、情報信号の記
録、消去及び再生が行われる。この光ディスクにおい
て、これらのレーザ光は、図2に示すように、透明基板
2側から記録層5に対して照射されて情報信号を記録、
消去及び再生する。この記録層5を構成するGeSbT
e系材料は、融点以上の温度に昇温された後に冷却され
るとアモルファス状態となり、これに対して、融点以下
で且つ結晶化温度以上に昇温された後に冷却されると結
晶状態となる。そして、この記録層5は、レーザ光が照
射される際、アモルファス状態であるか結晶状態である
かによって、異なった反射率Ra及びRcを示す。
【0026】この光ディスクは、780nm又は480
nmの波長のレーザ光のうちいずれかが照射される場合
でも、記録層5が結晶状態の場合の光吸収率(以下、A
cとする。)よりも記録層5がアモルファス状態の場合
の光吸収率(以下、Aaとする。)の方が小とされる。
すなわち、この光ディスク1は、Ac−Aa≧0なる関
係を有する。また、この光ディスクでは、記録層5が結
晶状態の場合の反射率(以下、Rcとする。)と記録層
5がアモルファス状態の場合の反射率(以下、Raとす
る。)との差の絶対値が0.15以上とされる。
【0027】この光ディスク1は、情報信号が記録され
る前の初期化状態において、記録層5が均一な結晶状態
となるように形成されている。この光ディスク1では、
情報信号を記録する際、記録層5に対して所定の強度を
有するレーザ光が照射される。このレーザ光は、記録層
5上の情報信号を書き込む領域に対して所定のスポット
サイズで照射される。そして、このレーザ光が所定のス
ポットサイズで照射された記録層5上の領域は、融点以
上の温度に昇温されることとなる。そして、その後、冷
却されることによって、この領域は、アモルファス状態
となる。このように、この光ディスク1では、情報信号
がアモルファス状態の記録マークとして記録される。
【0028】また、この光ディスク1では、同様にレー
ザ光が照射されることによって、情報信号が書き換えら
れる。このとき、レーザ光は、記録層5が結晶状態であ
るかアモルファス状態であるかにかかわらず、記録する
情報信号にしたがって照射される。この光ディスク1で
は、780nm又は480nmの波長のレーザ光のうち
いずれかが用いられた場合でもAc−Aa≧0なる関係
を有している。このため、この光ディスク1では、アモ
ルファス状態の領域よりも融解潜熱が大きい結晶状態の
領域がより多くのエネルギーを吸収することになる。し
たがって、この光ディスク1において、レーザ光のスポ
ットサイズは、記録層5が結晶状態であるかアモルファ
ス状態であるかにかかわらず、それぞれ一定の形状とな
る。したがって、この光ディスク1では、記録層5の状
態によりスポットサイズが変化することなく、780n
m又は480nmの波長のレーザ光を使用することがで
きる。
【0029】この光ディスク1では、上述したように、
780nmの波長のレーザ光又は480nmの波長のレ
ーザ光が使用されるために、各レーザ光においてAc−
Aa≧0なる関係を示すように光吸収層3が配されてい
る。これらのレーザ光は、この光吸収層3を介して記録
層5に照射されることとなるために、記録層5がアモル
ファス状態か結晶状態化により異なる条件下で多重干渉
される。したがって、この光吸収層3は、記録層5がア
モルファス状態か結晶状態かによって、照射されるレー
ザ光のうちで異なる量のレーザ光を吸収する。なお、光
吸収層3は、その膜厚を制御することによって、吸収す
るレーザ光の光量を制御することができる。
【0030】また、この光ディスク1では、上述したよ
うに記録された情報信号を消去する際、消去用のレーザ
光が記録層5に対して照射される。この消去用のレーザ
光は、記録層5に照射されると、照射された領域を融点
以下で且つ結晶化温度以上に昇温する。消去用のレーザ
光が照射された領域は、その後、冷却されることにより
結晶状態となる。このように、この光ディスクでは、情
報信号として書き込まれたアモルファス状態の記録マー
クを結晶状態とすることによって、情報信号が消去され
る。
【0031】一方、この光ディスク1において、上述し
たように書き込まれた情報信号を再生する際、記録層5
に対して再生用のレーザ光が照射される。この再生用の
レーザ光は、記録層5に対して照射されても、記録層5
の温度を結晶化温度以上に昇温することはない。この光
ディスク1では、780nm又は480nmの波長のレ
ーザ光のうちいずれかが用いられた場合でも、RcとR
aとの差の絶対値が0.15以上とされる。このため、
記録層5に対して照射されたレーザ光は、照射される領
域が結晶状態かアモルファス状態かによって、大きく異
なる反射率を示すこととなる。これにより、光ディスク
1は、780nm又は480nmの波長のレーザ光のう
ちいずれかが用いられた場合でも高いC/Nを示すこと
となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を適用して実際に作製した実施
例について説明する。ここでは、実施例として、実施例
1乃至実施例3を作製した。また、これらの実施例と比
較するために、比較例1として従来の光ディスクも作製
した。
【0033】上述したような光ディスク1において、各
層を構成する材料は、780nmの波長のレーザ光又は
480nmの波長のレーザ光が使用される際、表1に示
すような光学定数(n,k)を有する。この光学定数
(n,k)は、吸収性の媒質の光学的性質を表す定数で
あり、nが屈折率を表し、kが消衰係数を表す。このよ
うな材料を用いて、実施例1乃至実施例3と比較例1と
が形成される。
【0034】
【表1】
【0035】この実施例1は、光吸収層3がAlからな
るものとして形成され、実施例2及び実施例3は、光吸
収層3がSiからなるものとして形成された。また、比
較例1は、光吸収層を有さないような構成とされる。こ
のとき、各実施例において、光吸収層3は、特に、78
0nmの波長のレーザ光又は480nmの波長のレーザ
光が使用される際、光ディスク1が各レーザ光において
Ac−Aa≧0なる関係を示すような膜厚とされた。具
体的には、表1に示す光学定数から各層の膜厚を算出
し、表2に示すような膜厚とした。なお、これら実施例
1乃至実施例3と比較例1とにおいて、保護層は、平均
膜厚が15μmとされる紫外線硬化樹脂により形成され
た。
【0036】
【表2】
【0037】このように構成された実施例1乃至実施例
3と比較例1の光ディスクは、780nmの波長のレー
ザ光又は480nmの波長のレーザ光が使用される際、
表3に示すような光吸収率差(△A)及び反射率差(△
R)を示す。ここで、光吸収差△Aとは、Ac−Aaの
ことであり、反射率差△Rとは、Rc−Raのことであ
る。
【0038】
【表3】
【0039】この表3から明らかなように、実施例1乃
至実施例3に示す光ディスクは、780nmの波長のレ
ーザ光又は480nmの波長のレーザ光いずれが使用さ
れた場合でも、△Aが0以上とされており、△Rの絶対
値が0.15以上となっている。これに対して、比較例
1に示す従来の光ディスクは、480nmの波長のレー
ザ光が使用される場合、△Aが0以下の値を示し、△R
の絶対値が0.15以下の値を示している。
【0040】以上の用に作製された実施例1乃至実施例
3及び比較例1に対して、それぞれの記録層が均一な結
晶状態となるように初期化処理を施した。このように初
期化された各光ディスクに対して、1回記録した場合
と、オーバーライト1000回行った場合とのジッタを
測定した。ここで、ジッタとは、照射されるレーザ光の
スポットサイズにより形成される記録マーク形状の変化
を示す値であり、その変化を割合として示す値である。
【0041】このとき、実施例1乃至実施例3及び比較
例1の光ディスクは、780nmの波長のレーザ光を出
射する記録再生装置と480nmの波長のレーザ光を出
射する記録再生装置とによりそれぞれ記録される。この
780nmの波長のレーザ光を出射する記録再生装置
は、記録パワーPh=12mW、Pl=6mW、線速
2.4m/s、1チャンネルクロック=120nsec
の条件下でEFMランダムパターンを記録する。また、
この480nmの波長のレーザ光を出射する記録再生装
置は、記録パワーPh=12mW、Pl=6mW、線速
2.4m/s、1チャンネルクロック=74nsecの
条件下でEFMランダムパターンを記録する。ここで、
Phは、アモルファス状態の記録マークを形成するとき
のレーザ光の強度であり、Plは、記録マークの有無に
かかわらず結晶状態に消去するときのレーザ光の強度を
示す。
【0042】実施例1乃至実施例3及び比較例1に関し
て、ジッタを測定した結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】この表4から明らかなように、比較例1の
従来の光ディスクは、480nmの波長のレーザ光を用
いて1000回のオーバーライトを行うと、ジッタの値
が13%に達する。これに対して、実施例1乃至実施例
3の光ディスクは、780nmの波長のレーザ光及び4
80nmの波長のレーザ光いずれを用いた場合でも、1
000回のオーバーライトを行った後のジッタが顕著に
増加していない。
【0045】すなわち、本発明を適用した光ディスク
は、780nm又は480nmの波長のレーザ光のうち
いずれのレーザ光を用いて多数回のオーバーライトを行
った後でも、ほぼ一定の形状を示す記録マークを有す
る。このため、本発明に係る光ディスクは、いずれのレ
ーザ光においても、良好な記録再生特性を有する。
【0046】特に、この光ディスクでは、480nmの
波長のレーザ光を用いた場合、形成される記録マーク
が、780nmの波長のレーザ光を用いた場合と比較し
て約60%小さくなる。その結果、この光ディスクで
は、記録密度が780nmの波長を用いた場合と比較し
て約2.6倍向上することになる。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る光ディスクでは、780nm又は480nmの波長
のレーザ光のうちいずれを用いた場合でも、Acよりも
Aaの方が小とされ、且つRcとRaとの差の絶対値が
0.15以上とされる。これにより、この光ディスクで
は、いずれの波長のレーザ光を用いた場合でも、多数回
のオーバーライトを行ってもジッタが増加することはな
い。したがって、本発明に係る光ディスクは、780n
mの波長のレーザ光及び480nmのレーザ光の両方に
対して良好な記録再生特性を有することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスクの要部断面図である。
【図2】記録層にレーザ光が照射された状態を概略的に
示す要部断面図である。
【図3】従来の光ディスクの要部断面図である。
【図4】記録層に照射されるレーザ光の波長と光吸収率
との関係を示す特性図である。
【図5】記録層に照射されるレーザ光の波長と反射率と
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 光ディスク、2 透明基板、3 光吸収層、4 第
1の誘電体層、5 記録層、6 第2の誘電体層、7
反射層、8 保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶状態とアモルファス状態とを可逆的
    に変化する記録層を備えた光ディスクにおいて、 波長が780nmの光又は波長が480nmの光のうち
    いずれの光に対しても、上記記録層が結晶状態のときの
    光吸収率よりも上記記録層がアモルファス状態のときの
    光吸収率のほうが小であり、且つ、上記記録層が結晶状
    態のときの反射率と上記記録層がアモルファス状態のと
    きの反射率との差の絶対値が0.15以上であることを
    特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 透明基板上に形成されて照射される光の
    一部を吸収する光吸収層と、この光吸収層上に形成され
    た第1の誘電体層と、この第1の誘電体層上に形成され
    た上記記録層と、上記記録層上に形成された第2の誘電
    体層と、この第2の誘電体層上に形成されて照射される
    光を反射する反射層とを備えることを特徴とする請求項
    1記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 上記光吸収層は、Al合金又はSiを主
    体とすることを特徴とする請求項2記載の光ディスク。
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