JPH10162262A - 無線タグおよびその製造方法 - Google Patents

無線タグおよびその製造方法

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JPH10162262A
JPH10162262A JP32442496A JP32442496A JPH10162262A JP H10162262 A JPH10162262 A JP H10162262A JP 32442496 A JP32442496 A JP 32442496A JP 32442496 A JP32442496 A JP 32442496A JP H10162262 A JPH10162262 A JP H10162262A
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JP
Japan
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wireless tag
pattern
conductive layer
coil
magnetic
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP32442496A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhisa Iida
泰久 飯田
Seiichi Kawanami
精一 川浪
Tokumi Satake
徳己 佐竹
Takayuki Tomita
隆之 冨田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線タグにおいて、簡素な構成で電磁誘導コ
イルのインダクタンスを増加させ通信感度特性を改善す
ることにより、無線タグの通信距離の拡大および通信安
定性の向上を図る。 【解決手段】 外部とのデータ通信を制御するための電
子回路部12と、この電子回路部12が動作する上で必
要な電力を無線により外部から得る一方で電子回路部1
2に予め記録されたデータを無線により外部へ出力する
ための電磁誘導コイル11とをそなえるとともに、この
電磁誘導コイル11またはその近傍に磁性部3を設ける
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商品や荷物などの
物体に取り付けられその物体に固有の情報を外部から非
接触で読み取って物体の認識や仕分けを行なうための無
線タグおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、物流の合理化やセキュリティ
の向上のため、例えば、空港における荷物の自動仕分け
システム(バゲージハンドリングシステム)や倉庫内の
荷物の自動種別判定システムなどのように、物品に非接
触で読み取りや読み書き可能なタグを取り付け、所定の
場所にこのタグ用の読み取り装置を設けることにより、
物品の内容や行き先を識別し、仕分けたり、チェック
(料金の支払い状況など)するのに無線タグが用いられ
ている。
【0003】具体的に、この無線タグは、通常、物品へ
の取り付けの容易さなどの理由から平板状で且つ可撓性
を有するように形成され、内部に設けられた導電性を有
するコイルにより、電磁誘導の原理で外部からエネルギ
ーを受けたり物品の情報を外部へ伝えたりすることがで
きるようになっている。図7は一般的な無線タグ読み取
りシステムの一例を示すブロック図で、この図7におい
て、10Aは無線タグ、20はこの無線タグ10A用の
読み取り装置である。そして、この図7に示すように、
無線タグ10Aは、機能的には電磁コイル11と通信デ
ータを処理する電子回路部12とを有して構成され、読
み取り装置20は、同様に、電力搬送用電磁コイル2
1,受信コイル22及び電子回路部23を有して構成さ
れている。
【0004】ここで、無線タグ10Aにおいて、電磁コ
イル(電磁誘導コイル)11は、読み取り装置20との
通信が可能な領域に入ったときに、電子回路部12が動
作する上で必要な電力を無線(電磁波)により読み取り
装置20から得て、電子回路部12に予め記録されたデ
ータ(例えば、或る特定の周波数信号)を無線により読
み取り装置20へ出力するためのもので、データ通信時
のアンテナとしての機能を果たしている。
【0005】また、電子回路部12は、通信すべきデー
タの記憶,伝送,処理など、外部(読み取り装置20)
とのデータ通信時に必要な各種の処理を制御するための
ものである。一方、読み取り装置20において、電力搬
送用電磁コイル21は、上述のごとく無線タグ10Aの
電子回路部12を動作させるための電力を電磁波により
供給するためのものであり、受信コイル22は、このよ
うに電子回路部12が電力を受けて動作することにより
無線タグ10Aから送信されてくるデータを受信するた
めのものである。なお、これらのコイル21,22は共
通化されている場合もある。
【0006】また、電子回路部23は、上記の各コイル
21,22の動作を制御して、無線タグ10Aとのデー
タ通信を統括的に制御するためのもので、無線タグ10
A用の電力の送信(搬送),無線タグ10Aから受信し
たデータの解析などの各種処理が行なわれるようになっ
ている。上述の構成により、従来の無線タグ読み取りシ
ステムでは、無線タグ10Aの取り付けられた物品や荷
物などが読み取り装置20の通信可能領域に入ると、無
線タグ10Aの電子回路部12に電力が供給され、この
電子回路部12に予め記録されている物品や荷物につい
てのデータが無線タグ10A(電磁コイル11)から読
み取り装置20へ送信される。
【0007】読み取り装置20は、この無線タグ10A
からのデータを受信コイル22で受信し、電子回路部2
3において受信データの解析処理などを行なうことによ
り、物品や荷物の内容を認識(識別)したり、その物品
や荷物に対する料金の支払い状況のチェックなどを行な
うことにより、効率的に、物品や荷物の仕分けなどに必
要な情報を得ることができる。
【0008】ところで、上述の無線タグ10Aは、前述
したように平板状で可撓性を有するように形成(製造)
されるが、この無線タグ10Aの製造方法については、
特開平2−310696号公報,特開平6−1096号
公報および特開平7−22831号公報などに記載され
ている。例えば、特開平6−1096号公報に記載され
たものでは、プリント基板上に銅箔製の配線(コイル)
パターンを形成し、そのパターンを保護するための樹脂
材を接着剤により基板に接合することで、無線タグ10
Aを製造している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の無線タグ10Aでは、読み取り対象の物品サイ
ズが統一されていない場合や、読み取り対象の物品を整
列させないでコンベア等の上に載置した場合などには、
以下のようないくつかの課題が生じる。例えば、空港で
の荷物の仕分けを考えると、搭乗者の荷物のサイズは大
小様々であるため、これに無線タグ10Aを付けコンベ
アにより搬送すると、コンベアに近接して読み取り装置
20を配置しても、読み取り装置20と無線タグ10A
との距離は必ずしも一定にならない。また、無線タグ1
0Aの電磁コイル11と読み取り装置20の受信コイル
22とが常に対向するとも限らない。
【0010】従って、読み取り装置20は、場合によっ
ては無線タグ10Aとのデータ通信を正確に行なえず、
正しい仕分け作業を行なうことができない場合がある。
つまり、従来の無線タグ10Aは、その通信距離が非常
に短く(例えば、70cm程度)、また通信感度(電磁
コイル11のインダクタンスによる)も悪いため、安定
したデータ通信を行なうことができないのである。
【0011】そこで、例えば特開平2−310696号
公報に記載されているように、コイルパターンの中央に
位置するコンデンサとしての役割を果たす回路部分をコ
イルパターン上に折り曲げることにより、コイルパター
ンの中央を通過する磁束量を増加させ、通信距離を拡大
(90cm程度に)できるようにした無線タグ(共振タ
グ)も提案されている。
【0012】しかしながら、この特開平2−31069
6号公報に記載されている無線タグは、その通信距離は
拡大しているものの通信感度については改善が見られ
ず、やはり、安定したデータ通信は望めない。また、こ
の無線タグは、上記のようにコイルパターン形成後、回
路部分をそのコイルパターン上に折り曲げるなど、その
製造工程が非常に複雑になってしまっている。
【0013】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、簡素な構成で電磁誘導コイルのインダクタン
スを増加させ通信感度特性を改善することにより、通信
距離の拡大や通信安定性の向上をはかった、無線タグお
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の無線タグは、外部とのデータ通信を制御する
ための電子回路部と、この電子回路部が動作する上で必
要な電力を無線により外部から得る一方で電子回路部に
予め記録されたデータを無線により外部へ出力するため
の電磁誘導コイルとをそなえるとともに、電磁誘導コイ
ルまたはその近傍に磁性部が設けられていることを特徴
としている。
【0015】上述のごとく構成された本発明の無線タグ
では、磁性部が設けられていないものに比べて、電磁誘
導コイルによるインダクタンス成分が増加するので、こ
のインダクタンス成分に比例する通信感度特性を、コイ
ルの巻数や断面積を増やすことなく、改善することがで
きる。また、請求項2記載の本発明の無線タグは、上記
請求項1記載の構成において、電磁誘導コイルが、基板
上に導電層のパターンとして形成されるとともに、磁性
部が、導電層のパターン上に設けられていることを特徴
としている。これにより、上述の無線タグは、上述のご
とく通信感度特性を改善できるとともに、平板状に形成
して可撓性をもたせることができる。
【0016】さらに、請求項3記載の本発明の無線タグ
は、上記請求項1記載の構成において、電磁誘導コイル
が、基板上に導電層のパターンとして形成されるととも
に、磁性部が、基板上の導電層のパターンを覆うシート
状保護部材の少なくとも一方の面に形成された磁性層で
あることを特徴としている。これにより、上述の無線タ
グは、上述のごとく通信感度特性を改善できるととも
に、平板状に形成して可撓性をもたせることができるほ
か、シート状保護部材により電磁誘導コイル(導電層)
のパターンが保護される。
【0017】次に、請求項4記載の本発明の無線タグの
製造方法は、外部とのデータ通信を制御するための電子
回路部と、この電子回路部が動作する上で必要な電力を
無線により外部から得る一方で電子回路部に予め記録さ
れたデータを無線により外部へ出力するための電磁誘導
コイルとをそなえる無線タグの製造方法であって、基板
上に導電層を形成し、粉末状磁性体を混入したレジスト
材により導電層上に電磁誘導コイルのパターンを形成し
てエッチング処理を施した後、レジスト材を残存させる
ことにより、電磁誘導コイルとして機能する導電層のパ
ターン上にレジスト材による磁性部を設けることを特徴
としている。
【0018】つまり、上述の無線タグの製造方法では、
粉末状磁性体を混入したレジスト材により導電層上に電
磁誘導コイルのパターンを形成してエッチング処理を施
すという工程で、電磁誘導コイルのパターンの形成とそ
のパターン上への磁性部の配置とを同時に行なうことが
できる。従って、コイルによるインダクタンスを増加さ
せて通信感度特性を改善した無線タグを簡易な工程で製
造することができる。
【0019】また、請求項5記載の本発明の無線タグの
製造方法は、外部とのデータ通信を制御するための電子
回路部と、この電子回路部が動作する上で必要な電力を
無線により外部から得る一方で電子回路部に予め記録さ
れたデータを無線により外部へ出力するための電磁誘導
コイルとをそなえる無線タグの製造方法であって、電磁
誘導コイルとして機能する導電層のパターンを基板上に
形成するとともに、シート状保護部材の少なくとも一方
の面に磁性層を形成し、そのシート状保護部材で基板上
の導電層のパターンを覆うことにより、導電層のパター
ン上またはその近傍に磁性層を設けることを特徴として
いる。
【0020】つまり、上述の無線タグの製造方法では、
磁性層を付加されたシート状保護部材で基板上の電磁誘
導コイル(導電層)のパターンを覆うことにより、電磁
誘導コイルを補強(保護)しながらそのインダクタンス
を増加させることができる。従って、通信感度特性を改
善するとともにその耐久性をも向上させた無線タグを簡
易な工程で製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (A)原理的な構成の説明 図1は本発明の無線タグの原理的な構成を示すブロック
図であるが、この図1に示す無線タグ10も、図7に示
すものと同様に、電磁コイル11と電子回路部12とを
有するが、本実施形態の無線タグ10には、さらに電磁
コイル11(もしくはその近傍)に磁性部(磁性体,高
透磁率磁性材料)3が設けられている。
【0022】ここで、このように電磁コイル11(もし
くはその近傍)に磁性部3を設けることについて説明す
る。通常、無線タグ10のアンテナとして機能する電磁
コイル11には、損失が少ないこと即ち抵抗成分が少な
いことが要求される。このため、電磁コイル11を形成
する導電材には、銅やアルミ場合によっては銀などの高
導電材料が使用され、コイルを形成する巻線の断面積も
なるべく大きく設定される。
【0023】また、感度の点ではそのインダクタンスが
大きいことが望まれる。インダクタンスはコイルの巻線
数の2乗に比例するので、電磁コイル11のインダクタ
ンスを大きくするには、例えば巻線数を増やせばよい
が、巻線の断面積を一定のまま巻線数を増やすと、無線
タグ10の寸法(面積や厚み)が大きくなってしまい、
コストアップや使い勝手が悪くなるおそれがある。
【0024】そこで、電磁コイル11の巻線数を増やさ
ずに、通信の信頼性(感度)を向上するには、他に、電
磁コイル11のQを大きな値に改善して、電磁コイル1
1のアンテナ機能上のロスを減らすことが考えられる。
なお、コイルのQとは、一般に、次式(1)で表され、
共振周波数特性上の尖鋭度を示し、Qの値が大きい程、
特性上の尖鋭度が増しアンテナの感度が良くなる。
【0025】Q=ωL/R ・・・(1) ただし、上記の式(1)において、Lはコイルのインダ
クタンス、Rはコイルの抵抗成分、ωは角周波数を表
す。一方、無線タグ10の通信距離を拡大するには、例
えば、電磁コイル11に誘起される電圧を大きくするこ
とが考えられる。ここで、電磁コイル11と鎖交する磁
束をφ、コイルの巻数をnとすると、電磁コイル11に
誘起される電圧eは次式(2)で表すことができる。
【0026】e=n(dφ/dt) ・・・(2) 従って、電磁コイル11に誘起される電圧eを大きくす
るには、コイルの巻数nを大きくするか、コイルと鎖交
する磁束φの量を多くすればよい。しかし、コイルの巻
数nは、大きくすると前述したように無線タグ10の面
積が大きくなったり厚くなったりしてしまうおそれがあ
る。また、φを多くするには読み取り装置20(図7参
照)側の電力搬送用コイル21に大電力を供給すればよ
いが、電波法の制約から基準以上の電力を伝送できな
い。
【0027】以上のような理由から、本実施形態では、
上述のように無線タグ10の電磁コイル11(またはそ
の近傍)に磁性部3を設けて、電磁コイル11の巻数を
増やさずにインダクタンスを増やすことにより、電磁コ
イル11のQの値(通信感度)を大きく改善して、通信
距離の拡大,通信安定性の向上を図っている。 (B)第1実施形態の説明 上述のような原理に基づいて構成される本発明の第1実
施形態としての無線タグ10について、図2〜図4を参
照しながら以下に説明する。本発明の第1実施形態の無
線タグ10は、図2に模式的に示すように、絶縁性を有
する基板(層)1上に、電磁コイル11と電子回路部1
2とを形成することにより、平板状で且つ可撓性を有す
るように構成されるが、ここでは、電磁コイル11が導
電層のパターンとして形成され、そのパターン上に磁性
部(磁性層)3が設けられている。なお、この図2では
図示を略しているが、電磁コイル11,電子回路部12
は保護層(図3の符号4参照)により覆われている。
【0028】図3はこの図2における無線タグのA−A
断面を模式的に示す図であるが、この図3に示すよう
に、本無線タグ10は、基板層1,導電層2(電磁コイ
ル11),磁性層3,保護層4からなっており、基板層
1上に導電層2のパターン(電磁コイル11のパター
ン)および電子回路部12が形成されるとともに、導電
層2のパターン上に磁性層3が設けられ、全体が保護層
(シート状保護部材)4で覆われている。
【0029】ここで、ベースとなる基板層1には、絶縁
性のある材料が使用され、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート,ポリエチレンなどの高分子フィルムや、水の
しみ込みにくい防水性のあるコート紙などが用いられ
る。この上に電磁コイル11が導電層2のパターンとし
て形成されるわけであるが、具体的に、この導電層2の
パターンは、エッチングや導電性インク(炭素,金属等
を含むもの)の印刷,塗布や金属箔の貼付などによって
渦巻き状のコイルパターンとして形成される。なお、基
板層1としては、ボール紙,プラスチック,ガラスなど
を用いることもできる。
【0030】そして、この導電層2のパターン上に磁性
層3が設けられており、この磁性層3により、導電層2
の形成する電磁コイル11が、電気回路的に、鉄心入り
コイルとして作用し、電磁コイル11によるインダクタ
ンスが増加することになる。なお、保護層4は、基本的
に基板層1と同じ材質で、熱着や接着によって基板層
1,磁性層3,電子回路部12に接合されてタグ10全
体を覆っている。また、電子回路部12は、基本的に基
板層1上で電磁コイル11を形成する導電層2と同一面
上に形成される。
【0031】このように、第1実施形態における無線タ
グ10によれば、導電層2(電磁コイル11)上に磁性
層3が設けられているので、磁性層3が設けられていな
いものに比べて、電磁コイル11によるインダクタンス
成分が増加し、このインダクタンス成分に比例する通信
感度特性がコイルの巻数や断面積を増やすことなく大幅
に改善される。従って、全体のサイズを小型に保ったま
まその通信距離が大幅に拡大されるとともに通信安定性
が大幅に向上する。
【0032】また、電磁コイル11が、基板層1上に導
電層2のパターンとして形成されるとともに、磁性層3
が、導電層2のパターン上に設けられているので、平板
状で且つ可撓性を有するように形成され、物品への取り
付けが容易になるなど使い勝手も良くなるほか、保護層
4により電磁コイル11のパターンを保護でき、無線タ
グ10の耐久性も向上する。
【0033】次に、第1実施形態の無線タグ10の製造
方法について、図4(a)〜図4(d)を用いて説明す
る。まず、図4(a),図4(b)に示すように、基板
層1上に銅箔などの金属箔により導電層2を形成する。
そして、図4(c)に示すように、この導電層2上に磁
粉(粉末状の高透磁率磁性材料)を混入したレジスト材
5により電磁コイル11のパターンをパターニング(転
写)してコイルパターンを形成する。なお、このレジス
ト材5の転写は、グラビア印刷,スクリーン印刷などに
よって行なう。
【0034】そして、このコイルパターンの転写面にエ
ッチング液をかけてエッチング処理を施すと、図4
(d)に示すようにレジスト材5以外の部分の導電層2
(金属箔)が溶解され、レジスト材5付きのコイルパタ
ーンが形成される。その後、このレジスト材5を除去せ
ずに残存させると、図3により上述したように、電磁コ
イル11として機能する導電層2のパターン上にレジス
ト材5による磁性層3が設けられた状態となる。
【0035】つまり、本実施形態における無線タグ10
の製造方法では、電磁コイル11のパターンの形成とそ
のパターン上への磁性層3の配置とを同時に行なうこと
ができるのである。従って、電磁コイル11によるイン
ダクタンスを増加させて通信感度特性を大幅に改善した
無線タグ10を極めて簡易な工程で製造することがで
き、その製造コストを大幅に低減できる。
【0036】(C)第2実施形態の説明 次に、以下では、図1により上述したような原理に基づ
いて構成される本発明の第2実施形態としての無線タグ
10について、図5および図6を参照しながら説明す
る。本発明の第2実施形態の無線タグ10は、図5に示
すように、上記の保護層4として使用される保護フィル
ム(シート状保護部材)6の両面に、磁粉(粉末状の高
透磁率磁性材料)を混入した磁粉入りインクを印刷機7
で印刷〔または、コータ(コーティング装置)8で塗
布〕することにより、所定の面積だけ磁性層3を形成し
た磁性層付きフィルム9を制作し、このフィルム9で上
記導電層2のパターンを覆って作成される。
【0037】この場合は、例えば図6に示すように、電
磁コイル11として機能する導電層2のパターンを基板
層1上に形成するとともに、保護フィルム6の両面に磁
粉入りインクによる磁性層3を形成して磁性層付きフィ
ルム9制作する。そして、このフィルム9を接着剤など
により基板層1,導電層2に貼り付けて基板層1上の導
電層2のパターンを覆うことにより、導電層2のパター
ンの近傍に磁性層3を設けている。
【0038】また、図6に示す第2実施形態の無線タグ
10では、磁粉入りインクとして導電性のある金属製の
磁粉を混入している。このため、保護フィルム6の内面
(導電層2と対向する面)においては、形成される磁性
層3に導電性があるので、導電層2によるコイルパター
ンや電子回路部12を避けた一部分に磁性層3が形成さ
れている。保護フィルム6の外面はこの保護フィルム6
により導電層2と隔絶されているので、保護フィルム6
の外面にはその全面にわたって磁性層3が形成されてい
る。
【0039】なお、磁粉入りインクとして絶縁性のある
フェライト系などの酸化鉄を混入したものを用いる場合
には、形成される磁性層3に絶縁性があるので、保護フ
ィルム6の内面の全面にわたって磁性層3を形成するこ
とが可能である。また、磁性層3は、必ずしも保護フィ
ルム6の両面に形成される必要はなく、いずれか一方の
面に形成されていれば十分である。
【0040】いずれにしても、第2実施形態における無
線タグ10では、電磁コイル11が、基板層1上に導電
層2のパターンとして形成されるとともに、磁性層3
が、基板層1上の導電層2のパターンを覆う保護フィル
ム6の少なくとも一方の面に形成されていることにな
る。従って、第2実施形態の無線タグ10によっても、
第1実施形態にて前述したものと同様の作用・効果が得
られる。また、第2実施形態の無線タグ10は、電磁コ
イル11のパターンを保護する保護フィルム6に磁性層
3を設けることにより、上述のように極めて簡易な工程
で製造されるので、その製造コストを大幅に低減でき
る。
【0041】(D)その他 なお、上述した実施形態では、磁性層3をエッチングに
より形成する場合や磁性層3を保護フィルム6に形成す
る場合について説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、無線タグ10を製造する積層工程で、箔
シートを直接的に基板層1上に貼付したり、高透磁率磁
性材料を基板層1上に直接的に印刷もしく塗布したりし
て、磁性層3を無線タグ10の内部もしくは外表面に形
成してもよい。
【0042】また、上述した実施形態では、無線タグ1
0が平板状のものである場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の無線タグによれば、電磁誘導コイルまたはその近
傍に磁性部を設けるという極めて簡素な構成により、電
磁誘導コイルによるインダクタンス成分が増加し、この
インダクタンス成分に比例する通信感度特性が、コイル
の巻数や断面積を増やすことなく、大幅に改善される。
従って、全体のサイズを小型に保ったままその通信距離
を拡大できるとともに通信安定性を大幅に向上すること
ができる。
【0044】また、請求項2記載の本発明の無線タグに
よれば、上記の電磁誘導コイルが、基板上に導電層のパ
ターンとして形成されるとともに、上記の磁性部が、こ
の導電層のパターン上に設けられているので、上述のご
とく通信感度特性が大幅に改善されるとともに、平板状
に形成して可撓性をもたせることができ、物品への取り
付けが容易になるなど使い勝手も良くなる。
【0045】さらに、請求項3記載の本発明の無線タグ
によれば、上記の電磁誘導コイルが、基板上に導電層の
パターンとして形成されるとともに、上記の磁性部が、
この基板上の導電層のパターンを覆うシート状保護部材
の少なくとも一方の面に形成された磁性層であるので、
上述のごとく通信感度特性が改善されるとともに使い勝
手が良くなるほか、シート状保護部材により電磁誘導コ
イル(導電層)のパターンを保護でき、無線タグの耐久
性も大幅に向上する。
【0046】次に、請求項4記載の本発明の無線タグの
製造方法によれば、基板上に導電層を形成し、粉末状磁
性体を混入したレジスト材によりこの導電層上に電磁誘
導コイルのパターンを形成してエッチング処理を施した
後、レジスト材を残存させることにより、電磁誘導コイ
ルとして機能する導電層のパターン上にレジスト材によ
る磁性部を設けるので、電磁誘導コイルのパターンの形
成とそのパターン上への磁性部の配置とを同時に行なう
ことができる。従って、コイルによるインダクタンスを
増加させて通信感度特性を大幅に改善した無線タグを極
めて簡易な工程で製造することができ、その製造コスト
を大幅に低減できる。
【0047】また、請求項5記載の本発明の無線タグの
製造方法によれば、電磁誘導コイルとして機能する導電
層のパターンを基板上に形成するとともに、シート状保
護部材の少なくとも一方の面に磁性層を形成し、このシ
ート状保護部材で基板上の該導電層のパターンを覆うこ
とにより、導電層のパターン上またはその近傍に磁性層
を設けるので、電磁誘導コイルを補強(保護)しながら
そのインダクタンスを増加させることができる。従っ
て、通信感度特性を大幅に改善するとともにその耐久性
を大幅に向上させた無線タグを極めて簡易な工程で製造
することができ、やはり、その製造コストを大幅に低減
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無線タグの原理的な構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての無線タグの構成
を模式的に示す平面図である。
【図3】図2における無線タグのA−A断面を模式的に
示す図である。
【図4】(a)〜(d)はいずれも第1実施形態の無線
タグの製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態としての無線タグの製造
方法を説明するための図である。
【図6】第2実施形態の無線タグの構成およびその製造
方法を説明するための模式的な断面図である。
【図7】一般的な無線タグ読み取りシステムの一例を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1 基板(層) 2 導電層 3 磁性層(磁性部) 4 保護層(シート状保護部材) 5 レジスト材 6 保護フィルム(シート状保護部材) 7 印刷機 8 コータ(コーティング装置) 9 磁性層付きフィルム 10 無線タグ 11 電磁コイル(電磁誘導コイル) 12,23 電子回路部 20 読み取り装置 21 電力搬送用電磁コイル 22 受信コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 隆之 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部とのデータ通信を制御するための電
    子回路部と、 該電子回路部が動作する上で必要な電力を無線により外
    部から得る一方で該電子回路部に予め記録されたデータ
    を無線により外部へ出力するための電磁誘導コイルとを
    そなえるとともに、 該電磁誘導コイルまたはその近傍に磁性部が設けられて
    いることを特徴とする、無線タグ。
  2. 【請求項2】 該電磁誘導コイルが、基板上に導電層の
    パターンとして形成されるとともに、 該磁性部が、該導電層のパターン上に設けられているこ
    とを特徴とする、請求項1記載の無線タグ。
  3. 【請求項3】 該電磁誘導コイルが、基板上に導電層の
    パターンとして形成されるとともに、 該磁性部が、該基板上の該導電層のパターンを覆うシー
    ト状保護部材の少なくとも一方の面に形成された磁性層
    であることを特徴とする、請求項1記載の無線タグ。
  4. 【請求項4】 外部とのデータ通信を制御するための電
    子回路部と、該電子回路部が動作する上で必要な電力を
    無線により外部から得る一方で該電子回路部に予め記録
    されたデータを無線により外部へ出力するための電磁誘
    導コイルとをそなえる無線タグの製造方法であって、 基板上に導電層を形成し、 粉末状磁性体を混入したレジスト材により該導電層上に
    該電磁誘導コイルのパターンを形成してエッチング処理
    を施した後、 該レジスト材を残存させることにより、該電磁誘導コイ
    ルとして機能する該導電層のパターン上に該レジスト材
    による磁性部を設けることを特徴とする、無線タグの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 外部とのデータ通信を制御するための電
    子回路部と、該電子回路部が動作する上で必要な電力を
    無線により外部から得る一方で該電子回路部に予め記録
    されたデータを無線により外部へ出力するための電磁誘
    導コイルとをそなえる無線タグの製造方法であって、 該電磁誘導コイルとして機能する導電層のパターンを基
    板上に形成するとともに、シート状保護部材の少なくと
    も一方の面に磁性層を形成し、 該シート状保護部材で該基板上の該導電層のパターンを
    覆うことにより、該導電層のパターン上またはその近傍
    に該磁性層を設けることを特徴とする、無線タグの製造
    方法。
JP32442496A 1996-12-04 1996-12-04 無線タグおよびその製造方法 Withdrawn JPH10162262A (ja)

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