JP2000137873A - 金属ケース内の物品の識別装置 - Google Patents

金属ケース内の物品の識別装置

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JP2000137873A
JP2000137873A JP10312051A JP31205198A JP2000137873A JP 2000137873 A JP2000137873 A JP 2000137873A JP 10312051 A JP10312051 A JP 10312051A JP 31205198 A JP31205198 A JP 31205198A JP 2000137873 A JP2000137873 A JP 2000137873A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属ケース外の電磁界や電磁ノイズ或いは金属
ケースに影響されずに、質問器と物品に添付されたタグ
との間で確実に送受信することができる。 【解決手段】物品11にタグ12が添付され、このタグ
のアンテナコイルに接続されたRFID素子に物品固有
のデータを記憶するメモリが設けられる。質問器16の
送受信アンテナ18からタグが共振する周波数の電波を
発振することによりタグを活性化し、電波のデータ通信
による読出しコマンドに応じてメモリからデータの読出
しを行うとともに書込みコマンドに応じてメモリにデー
タを書込む。上記タグを添付した物品及び質問器は金属
ケース17に収容される。また送受信アンテナが環状体
の一部に空隙18bが形成された質問器用磁芯部材18
aと、この質問器用磁芯部材に巻回されたコイル部18
cとを有し、上記物品が質問器用磁芯部材の空隙に挿入
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RFID(無線周
波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用
い、金属ケース内でタグが添付された物品を識別する装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、店舗内の商品にトランスポンダ・
タグが取付けられ、店舗の出口にタグ励振器が設置さ
れ、このタグ励振器によりRFサベイランス励振信号が
発生されるように構成されたRFIDタグを用いた電子
式万引き防止システムが開示されている(特開平10−
124764号)。この万引き防止システムのタグ励振
器は質問器であり、RFサベイランス応答信号を発生す
る機能と、RFサベイランス応答信号を受信する機能と
を有する。タグ励振器の送受信アンテナが発振したRF
サベイランス励振信号(電波)はトランスポンダ・タグ
のアンテナコイルが受信し、このアンテナコイルが発振
したRFサベイランス・タグ応答信号(電波)は上記送
受信アンテナが受信するように構成される。
【0003】このように構成された電子式万引き防止シ
ステムでは、商品持出し許可がない場合には、トランス
ポンダ・タグがタグ励磁器を通る際に、RFサベイラン
ス励磁信号がトランスポンダ・タグを活性化し、この活
性化されたトランスポンダ・タグがRFサベイランス励
振信号に応じてRFサベイランス・タグ応答信号を発生
して警報器を始動する。また商品持出し許可がある場合
には、トランスポンダ・タグがタグ励磁器を通る際に、
トランスポンダ・タグが警報器を始動するRFサベイラ
ンス応答信号を発生しないように、予めトランスポンダ
・タグをリプログラムし、更にトランスポンダ・タグに
連結されたメモリに販売価格や日付等の販売データが記
憶されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のRFIDシ
ステムは開放された空間内に設置されているため、質問
器(タグ励振器)の送受信アンテナが形成する磁界は質
問器周辺に存在する物体の影響を受けることがない。こ
のため質問器の送受信アンテナは単純なループ状に形成
されている。しかし、上記従来のRFIDシステムで
は、質問器が形成する磁界強度が場所によって低下す
る、いわゆる磁界のホールが形成されることが知られて
おり、質問器はこの磁界のホール中に存在するタグを識
別できない不具合があった。特に質問器を、金属のよう
な導体で構成されかつ閉止された空間内に設置すると、
質問器の送受信アンテナの発振する電波により形成され
る磁界が、周辺の導体中に誘起される渦電流に起因する
磁界によって打ち消されるため、広い領域にわたって磁
界のホールが形成されてしまう。例えば、送受信アンテ
ナを金属ケースの内面近傍に設置すると、この送受信ア
ンテナが形成する磁界の大部分が打ち消されてしまい、
送受信アンテナの近傍にタグを配置してもこのタグを識
別できない問題点があった。また、金属ケースにより弱
められた磁界強度を、タグを活性化できる程度まで強く
する方法も考えられるが、質問器の送受信アンテナの出
力は各種電波法規等により規制されているため、送受信
アンテナが形成する磁界強度をあまり強くできない問題
点もあった。
【0005】本発明の目的は、金属ケース外の電磁界や
電磁ノイズに影響されず、かつ金属ケースの影響を受け
ずに、質問器と物品に添付されたタグとの間で確実に送
受信することができる、金属ケース内の物品の識別装置
を提供することにある。本発明の別の目的は、送受信ア
ンテナの発振した電波の金属ケース外への漏洩を防止す
ることにより、上記送受信アンテナがいかなる磁界強度
及び周波数の電波をも発振することができる、金属ケー
ス内の物品の識別装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1、図5及び図6に示すように、物品11に添付さ
れ、アンテナコイル13とこのアンテナコイル13に接
続されたRFID素子14とを有し、かつRFID素子
14に物品11固有のデータを記憶するメモリ14fが
設けられたタグ12と;送受信アンテナ18からタグ1
2が共振する周波数の電波を発振することによりタグ1
2を活性化し、電波のデータ通信による読出しコマンド
に応じてメモリ14fからデータの読出しを行うととも
に書込みコマンドに応じてメモリ14fにデータを書込
み、タグ12から応答信号を発生させる質問器16とを
備え;タグ12を添付した物品11及び質問器16が金
属ケース17に収容され、送受信アンテナ18が環状体
の一部に空隙18bが形成された質問器用磁芯部材18
aとこの質問器用磁芯部材18aに巻回されたコイル部
18cとを有し、物品11が質問器用磁芯部材18aの
空隙18bに挿入されたことを特徴とする金属ケース内
の物品の識別装置である。
【0007】この請求項1に記載された金属ケース内の
物品の識別装置では、金属ケース17を開けてタグ12
が添付された物品11を質問器用磁芯部材18aの空隙
18bに挿入した後、金属ケース17を閉じて施錠す
る。この金属ケース17内の物品11を金属ケース17
を開けずに確認するには、先ず質問器16を作動させて
送受信アンテナ18が電波を発振する。このとき電波に
より形成される磁界は空隙18bの部分にのみ発生し、
かつその方向は空隙18bの幅方向であるので、磁界強
度は空隙18b内部で一様となる。このため、磁界が空
隙18bから漏れることはなく、磁界は周辺の導体であ
る金属ケース17に影響されない。また上記空隙18b
に複数の物品11を重畳した状態で挿入すると、各タグ
12のアンテナコイル13間に相互誘導作用が生じ、各
タグ12の共振周波数が変化して送受信アンテナ18が
発振する電波と周波数が異なる。しかし、送受信アンテ
ナ18が発振する電波の出力を増大する、即ち磁界強度
を強くすることにより、周波数が異なっていてもタグ1
2のアンテナコイル18に、RFID素子14を動作さ
せるのに必要な誘導起電力を発生させることができる。
一方、質問器16の送受信アンテナ18の発した電波は
空隙18bにのみ発生し、たとえ電波が空隙18b外に
漏れても金属ケース17が電磁遮蔽体の役割を果たすの
で、金属ケース17外に漏洩することはない。
【0008】請求項2に係る発明は、図11及び図12
に示すように、タグ12を添付した物品11及び質問器
56が金属ケース17に収容され、送受信アンテナ58
が一対のコイル部58a,58bを有しかつ一対のコイ
ル部58a,58bが金属ケース17の相対向する一対
の内面に沿って配置され、物品11が一対のコイル部5
8a,58bの間に挿入され、少なくとも一対のコイル
部58a,58bの各背面と金属ケース17の相対向す
る一対の内面との間に磁性材料により形成された一対の
磁性板51,52がそれぞれ介装されたことを特徴とす
る。この請求項2に記載された金属ケース内の物品の識
別装置では、送受信アンテナ58の一対のコイル部58
a,58bが発生した電波が磁性板51,52により遮
られて金属ケース17の影響を殆ど受けず、一対のコイ
ル部58a,58a間に一様な磁界が形成される。また
金属ケース17の容積を同一とした場合、一対のコイル
部58a,58b間のスペースが上記請求項1の空隙よ
り大きく確保できる。
【0009】請求項3に係る発明は、図13及び図14
に示すように、タグ12を添付した物品11及び質問器
66が金属ケース17に収容され、送受信アンテナ68
が一対のコイル部68a,68bを有しかつ一対のコイ
ル部68a,68bが金属ケース17の隣接する一対の
内面に沿って配置され、物品11が一対のコイル部68
a,68bを隣接面とする直方体状空間に挿入され、少
なくとも一対のコイル部68a,68bの各背面と金属
ケース17の隣接する一対の内面との間に磁性材料によ
り形成された一対の磁性板61,62がそれぞれ介装さ
れたことを特徴とする。この請求項3に記載された金属
ケース内の物品の識別装置では、送受信アンテナ68の
一対のコイル部68a,68bが発生した電波が磁性板
61,62により遮られて金属ケース17の影響を殆ど
受けず、一対のコイル部68a,68b間、即ち上記直
方体状空間17dに湾曲した磁界が形成される。この磁
界の強度は上記直方体状空間17dの位置によって異な
り、磁界が上記直方体状空間17dから漏れるけれど
も、質問器66とタグ12との間で送受信することがで
きる。
【0010】請求項4に係る発明は、図15及び図16
に示すように、タグ12を添付した物品11及び質問器
76が金属ケース17に収容され、送受信アンテナ78
が単一のコイル部78aを有しかつ金属ケース17の相
対向する一対の内面のうち一方の内面に沿って配置さ
れ、物品11がコイル部78aと金属ケース17の他方
の内面との間に挿入され、少なくともコイル部78aと
金属ケース17の一方の内面との間に磁性材料により形
成された磁性板71が介装されたことを特徴とする。こ
の請求項4に記載された金属ケース内の物品の識別装置
では、送受信アンテナ78の単一のコイル部78aが発
生した電波が磁性板71により遮られて金属ケース17
の一方の内面の影響を殆ど受けず、コイル部78aから
金属ケース17の他方の内面に向って磁界が形成され
る。この磁界はコイル部78aから金属ケース17の他
方の内面までの距離が長いため、金属ケース17の他方
の内面による影響は殆ど受けない。また金属ケース17
の容積を同一とした場合、単一のコイル部78aと金属
ケース17の他方の内面との間のスペースが上記請求項
2の一対のコイル部間のスペースより更に大きく確保で
きる。
【0011】請求項5に係る発明は、請求項2ないし4
いずれかに係る発明であって、更に金属ケースの内面と
磁性板との間に電波吸収板が介装されたことを特徴とす
る。この請求項5に記載された金属ケース内の物品の識
別装置では、送受信アンテナの発振した電波のうち電波
吸収板に向う電波はこの電波吸収板で受信して熱エネル
ギに変換される。
【0012】請求項6に係る発明は、請求項1ないし5
いずれかに係る発明であって、更に図17に示すよう
に、質問器96に送受信アンテナ18から発振される電
波を所定の周波数範囲内で掃引可能な発振回路99eが
設けられ、所定の周波数範囲がタグを添付した複数の物
品を重畳することによりそれぞれ変化する複数のタグの
共振周波数の全てを含む周波数範囲であることを特徴と
する。この請求項6に記載された金属ケース内の物品の
識別装置では、重畳する複数のタグの全てが共振するよ
うに、質問器96が形成する交番磁界(質問器96の発
振する電波)の周波数を変化させる。即ち、重畳する複
数のタグの共振周波数が最小値のものから最大値のもの
までの全てを含む周波数範囲で発振回路99eが発振周
波数を掃引することにより、送受信アンテナ18の発振
する電波の出力を増大しなくても、重畳する複数のタグ
の全てを識別することができる。
【0013】請求項7に係る発明は、請求項1ないし5
いずれかに係る発明であって、更に質問器に送受信アン
テナから発振される電波を所定の周波数範囲内で掃引可
能な発振回路が設けられ、所定の周波数範囲がタグを添
付した1又は2以上の物品と1又は2以上の金属板とを
重畳することによりそれぞれ変化する1又は2以上のタ
グの共振周波数の全てを含む周波数範囲であることを特
徴とする。この請求項7に記載された金属ケース内の物
品の識別装置では、1又は2以上のタグと1又は2以上
の金属板が重畳した状態で、各タグは他の重畳するタグ
及び金属板との距離や配置によって決まる固有の共振周
波数を有するため、重畳する複数のタグの全てが共振す
るように、質問器が形成する交番磁界(質問器の発振す
る電波)の周波数を変化させる。即ち、重畳する複数の
タグの共振周波数が最小値のものから最大値のものまで
の全てを含む周波数範囲で発振回路が発振周波数を掃引
することにより、送受信アンテナの発振する電波の出力
を増大しなくても、重畳する複数のタグの全てを識別す
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1及び図4に示すように、
物品11の識別装置はアンテナコイル13とこのアンテ
ナコイル13に接続されたRFID素子14とを有しか
つ物品11に添付されたタグ12と、送受信アンテナ1
8からタグ12が共振する周波数の電波を発振すること
によりタグ12を活性化する質問器16とを備える。上
記タグ12を添付した物品11及び質問器16はジュラ
ルミン等により形成された金属ケース17に収容される
(図1)。アンテナコイル13は図3及び図4に詳しく
示すように、絶縁導線を略正方形に渦巻き状に巻回して
ベース板12aに貼付することにより形成され、或いは
ベース板12aに積層したアルミニウム箔や銅箔等の導
電性材料をエッチング法又は打抜き法等により不要部分
を除去して略正方形の渦巻き状に形成される。
【0015】RFID素子14はベース板12aに貼付
され(図4)、電源回路14aと、無線周波数(RF)
回路14bと、変調回路14cと、復調回路14dと、
CPU14eと、物品固有のデータを記憶するメモリ1
4fとを有する(図6)。電源回路14aはコンデンサ
(図示せず)を内蔵し、この実施の形態ではRFID素
子14はバッテリを有しない。このためコンデンサはア
ンテナコイル13とともに共振回路を形成する。このコ
ンデンサにはアンテナコイル13が特定の周波数(タグ
12の共振周波数)の電波を受信したときにその電磁誘
導で生じる電圧が印加される。電源回路14aはこの電
圧を整流し安定化してCPU14eに供給し、RFID
素子14を活性化するように構成される。
【0016】RFID素子14のメモリ14fはROM
(read only memory)、RAM(ramdom-access memor
y)及び不揮発性メモリ等であり、CPU14eの制御
の下で質問器16からの電波のデータ通信による読出し
コマンドに応じて記憶されたデータの読出しが行われる
とともに、質問器16からの書込みコマンドに応じてデ
ータの書込みが行われるように構成される。また物品1
1としては、例えば紙幣(図示せず)のみが封入された
現金書留の封筒が挙げられる(図1〜図4)。この場
合、RFID素子14のメモリ14fには、封筒11に
封入されている現金の金額、この封筒11の運搬を中継
した郵便局名や配達人名、或いは封筒11が到着若しく
は出発した日時等のデータが記憶される。なお、図3の
符号12bはベース板12aを封筒11に表面に貼付す
るための第1接着剤層であり、符号12cは上記ベース
板12a上のアンテナコイル13及びRFID素子14
を覆うカバー層であり、更に符号12dはカバー層12
cをベース板12a上に貼付するための第2接着剤層で
ある。
【0017】一方、質問器16はRFIDコントローラ
であって、送受信アンテナ18と、リーダ・ライタ19
(Reader・Writer、以下、R/Wという)と、電源回路
21とを有する。R/W19はCPU19aと、変調・
復調回路19bと、無線周波数(RF)回路19cと、
メモリ19dからなり、電源回路21はCPU19aに
接続される(図5)。送受信アンテナ18は環状体の一
部に空隙18bが形成された質問器用磁芯部材18a
と、この質問器用磁芯部材18aに巻回されたコイル部
18cからなる(図1及び図2)。質問器用磁芯部材1
8aは比透磁率が高いものであれば良く、けい素鋼板の
積層体、パーマロイ、センダスト、フェライト等の磁性
材料を用いることができる。また質問器用磁芯部材18
aは空隙18bを含む全ての部分で横断面積が一定であ
るように形成してもよいが、タグ12が貼付される封筒
11の大きさや厚さに応じて上記空隙18bの横断面積
を他の部分の横断面積より大きく形成してもよい。
【0018】タグ12が貼付された封筒11はタグ12
のアンテナコイル13の軸線が質問器用磁芯部材18a
の空隙18bに発生する磁界の方向(図1の破線矢印で
示す。)と一致するように、即ち封筒11の厚さ方向を
磁界の方向と同一になるように垂直に立てた状態で空隙
18bに挿入される(図1及び図2)。また送受信アン
テナ18から発振される電波の周波数はタグ12が共振
する特定の周波数である。更に図1の符号22は質問器
16を金属ケース17外の外部端末装置(図示せず)等
と有線接続するためのコネクタであり、このように構成
することにより金属ケース17の持ち運びが可能とな
る。
【0019】このように構成された金属ケース内の物品
の識別装置の使用方法及び動作を説明する。例えば、封
筒11(紙幣のみが封入された現金書留の封筒11)に
貼付されたタグ12のRFID素子14のメモリ14f
には封筒11固有のデータ(封筒11に封入されている
現金の金額、封筒11の運搬を中継した郵便局名及び配
達人、或いは封筒11が到着若しくは出発した日時等)
が予め記憶されている。金属ケース17の蓋(図示せ
ず)を開けて上記タグ12が貼付された封筒11を質問
器用磁芯部材18aの空隙18bに挿入した後、蓋を閉
じて施錠する。
【0020】上記金属ケース17は所定のルートで搬送
され、各中継地点の管理者は金属ケース17内の封筒1
1を金属ケース17の蓋を開けずに確認する。そのため
に先ず金属ケース17の外面に設置されたコネクタ22
に外部端末装置のコネクタ(図示せず)を接続する。こ
の状態で質問器16を作動させると、質問器16の送受
信アンテナ18が電波(質問信号を載せた搬送波)を発
振する。このとき電波により形成される磁界は空隙18
bの部分にのみ発生し、かつその方向は空隙18bの幅
方向であるので、磁界強度は空隙18b内部で一様とな
る。このため、磁界が空隙18bから漏れることはな
く、磁界は周辺の導体である金属ケース17に影響され
ない。上記質問信号は2値化されたデジタル信号であ
る。このデジタル信号は質問器16の信号発生器(図示
せず)から発せられ、変調・復調回路19bの変調回路
により所定の周波数の搬送波に載せられる、即ち変調さ
れる。RF回路19cではこの変調した信号を増幅して
送受信アンテナ18から発振する。この変調には例えば
ASK(振幅変調)、FSK(周波数変調)又はPSK
(位相変調)が挙げられる。
【0021】上記電波はタグ12のアンテナコイル13
に受信され、このタグ12は共振する。質問器16はタ
グ12が電波を受信すると、そのタグ12のRFID素
子14のメモリ14fに記憶されている固有の情報を読
込む。即ち、タグ12の受信により、電源回路14aの
コンデンサにはその電磁誘導で生じる電圧が印加され
る。電源回路14aはこの電圧を整流し安定化して、C
PU14eに供給し、RFID素子14を活性化する。
次いでRFID素子14のRF回路14bでは復調に必
要な信号のみを取込み、復調回路14dで元のデジタル
信号の質問信号を再現して、CPU14eに封筒11固
有の封入金額をはじめとする封筒11のデータをメモリ
14fから取出させ、それを質問器16に発振する。こ
のデータの発振は2値化された、例えば封入金額をRF
ID素子14の変調回路14cで変調し、RF回路14
bで増幅してアンテナコイル13から発振することによ
り行われる。
【0022】質問器16の受信したデータ(封筒11の
固有の情報)は外部端末装置のディスプレイ(図示せ
ず)で確認することができる。またタグ12のRFID
素子14のメモリ14fに所定の事項を書込むときに
は、外部端末装置の入力手段より書込み事項(例えば、
このチェックを行っている日時や郵便局名、即ち封筒1
1に関する内容をタグ12から読み取った日時や郵便局
名等)のデータを入力し、質問器16からタグ12に発
振する。この書込み事項のデータはRFID素子14の
メモリ14fに書込まれる。このように金属ケース17
の影響を受けずに、質問器16とタグ12との間で確実
に送受信することができる。
【0023】タグ12がそれぞれ貼付された封筒11が
質問器用磁芯部材18aの空隙18bに複数枚挿入され
ている状態では、各タグ12のアンテナコイル13間に
相互誘導作用が生じ、各タグ12の共振周波数が変化す
る。例えば、図示しないがアンテナコイル13に抵抗体
とコンデンサとをそれぞれ並列に接続したRLC回路を
考え、アンテナコイル13の自己インダクタンスLを
7.70mH、このアンテナコイル13の銅損rを70
0Ω、コンデンサの容量Cを210pF、抵抗体の抵抗
Rを60kΩとした場合のRLC回路の共振周波数f1
は次式より求まり、 f1=(1/2π)[1/(LC)−{1/(CR)}21/2 =125(kHz) となる。
【0024】一方、上記と同一のRLC回路を2つ重畳
した場合のRLC回路の共振周波数f2は次式より求ま
り、 f2=(1/2π)[1/{(L+M)C}−{1/(CR)}21/2 =96(kHz) とf1より低くなる。即ち、見掛け上の自己インダクタ
ンスLが(L+M)に増加する。なお、上記2つのアン
テナコイルの間隔を1mm弱とした場合の2つのアンテ
ナコイルの相互インダクタンスMは5.1mHであっ
た。また、銅損rは上記共振周波数f1及びf2には影響
を与えなかった。
【0025】質問器16の送受信アンテナ18が発振す
る電波の周波数とタグ12の共振周波数とが異なると、
通常タグ12を活性化させることはできないが、送受信
アンテナ18が発振する電波の出力を増大する、即ち磁
界強度を強くすることにより、周波数が異なっていても
タグ12のアンテナコイル13に、RFID素子14を
作動させるのに必要な誘導起電力を発生させることがで
きる。一方、質問器16の送受信アンテナ18の発した
電波は空隙18bにのみ発生し、たとえ電波が空隙18
b外に漏れても金属ケース17が電磁遮蔽体の役割を果
たすので、金属ケース17外に漏洩することはない。こ
の結果、上記送受信アンテナ18はいかなる磁界強度の
電波をも発振することができ、またその電波の周波数も
任意に選択することができる。
【0026】図7〜図10は本発明の第2の実施の形態
を示す。図7〜図10において図1〜図4と同一符号は
同一部品を示す。この実施の形態では、タグ32のアン
テナコイル33がタグ用磁芯部材33aと、このタグ用
磁芯部材33aに巻かれたコイル本体33bとを有する
(図9及び図10)。タグ用磁芯部材33aの形状は、
中実の板状、円柱状、角柱状、中空の筒状等が採用され
る。中空の筒状は複数の円弧状板片を集合して筒状にし
たものや、薄膜や箔で筒状にしたものでもよい。またタ
グ用磁芯部材33aとしては、軟磁性金属の薄膜又は
薄板と絶縁性薄膜とを交互に複数枚重ね合せた積層体又
は表面が絶縁された軟磁性金属の薄膜又は薄板を複数枚
重ね合わせた積層体、軟磁性金属の粉末又はフレーク
とプラスチックとの複合材、軟磁性金属の粉末又はフ
レークとフェライトの粉末とプラスチックとの複合材、
フェライトの粉末とプラスチックとの複合材、焼結
フェライトなどが挙げられる。上記〜の中で周囲の
温度により透磁率が変化せず、アンテナコイル33が共
振回路を構成する場合に共振周波数が変化しない磁性材
を用いることが好ましく、共振周波数が高いときに渦電
流を生じて共振特性を低下させないように、その形状は
薄膜、粉末又はフレークが好ましい。
【0027】上記の軟磁性金属薄膜としては、鉄系ア
モルファス、コバルト系アモルファス、パーマロイ又は
ケイ素鋼により形成された厚さ5〜250μmの膜を用
いることが好ましく、絶縁性薄膜としては、ポリエステ
ルフィルム、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)等の厚さ5〜50
μmの絶縁性樹脂フィルムを用いることが好ましい。ま
た絶縁性薄膜は絶縁紙でもよい。上記又はの軟磁性
金属の粉末としては、直径が0.1〜30μmのカルボ
ニル鉄粉又は還元鉄粉を用いることが好ましい。更に軟
磁性金属のフレークは、鉄、パーマロイ、アモルファス
合金等をアトマイズ法により微細化して軟磁性金属の粉
末を成形した後、この軟磁性金属の粉末を機械的に扁平
化して得られた厚さ0.1〜10μmのフレークを用い
ることが好ましい。
【0028】一方、タグ32が貼付された封筒11はタ
グ32のアンテナコイル33の軸線、即ちタグ用磁芯部
材33aの軸心が質問器用磁芯部材18aの空隙18b
に発生する磁界の方向(図7の破線矢印で示す。)と一
致するように、即ち封筒11の幅方向を磁界の方向と同
一になるように水平にした状態で空隙18bに挿入され
る(図7及び図8)。上記以外は第1の実施の形態と同
一に構成される。このように構成された金属ケース内の
物品の識別装置は第1の実施の形態の物品の識別装置と
は異なり、作用及び効果に関してタグを他のタグ或いは
金属板と重畳したときに、他のタグ或いは金属板との相
互誘導作用が小さい、という特徴がある。なお、上記以
外の動作は第1の実施の形態の動作と略同様であるの
で、繰返しの説明を省略する。
【0029】図11及び図12は本発明の第3の実施の
形態を示す。図11において図1と同一符号は同一部品
を示す。この実施の形態では、質問器56の送受信アン
テナ58が一対のコイル部58a,58bを有しかつ一
対のコイル部58a,58bが金属ケース17の相対向
する一対の内面に沿って配置され、封筒11が一対のコ
イル部58a,58bの間に挿入され、更に一対のコイ
ル部58a,58bの各背面と金属ケース17の相対向
する一対の内面との間に磁性材料により形成された一対
の磁性板51,52がそれぞれ介装される。一対のコイ
ル部58a,58bはそれぞれ同一の形状(長方形状)
及び巻き数で巻回され、同一軸線上に(互いに平行に)
配置され、かつ直列に電気的に接続された、いわゆるゲ
ートコイルである(図12)。一対のコイル部58a,
58bのうち一方のコイル部58aは金属ケース17の
一方の側壁17a内面に沿って配置され、他方のコイル
部58bは金属ケース17の上記一方の側壁17aに対
向する他方の側壁17b内面に沿って配置される(図1
1)。
【0030】タグ12が貼付された封筒11はタグ12
のアンテナコイルの軸線が一対のコイル部58a,58
b間に発生する磁界の方向(図11の破線矢印で示
す。)と一致するように、即ち封筒11の厚さ方向を磁
界の方向と同一になるように垂直に立てた状態で一対の
コイル部58a,58b間に挿入される。また一対の磁
性板51,52のうち一方の磁性板51は一方のコイル
部58aと一方の側壁17aとの間に介装され、他方の
磁性板52は他方のコイル部58bと他方の側壁17b
との間に介装される。更に磁性板51,52は比透磁率
が高く、抵抗率が高いものであれば良く、けい素鋼板の
積層体、パーマロイ、センダスト、フェライト等の磁性
材料を用いることができる。上記以外は第1の実施の形
態と同一に構成される。なお、磁性板は金属ケースの内
壁全面に沿って設けてもよい。この場合、送受信アンテ
ナから発振される電波は金属ケースの影響を全く受けず
に済む。
【0031】このように構成された金属ケース内の物品
の識別装置では、送受信アンテナ58の一対のコイル部
58a,58bが発生した電波が磁性板51,52によ
り遮られて金属ケース17の影響を殆ど受けず、一対の
コイル部58a,58b間に一様な磁界が形成される。
また金属ケース17の容積を同一とした場合、一対のコ
イル部58a,58b間のスペースが第1の実施の形態
の空隙より大きく確保できる。上記以外の動作は第1の
実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略す
る。
【0032】図13及び図14は本発明の第4の実施の
形態を示す。図13において図1と同一符号は同一部品
を示す。この実施の形態では、質問器66の送受信アン
テナ68が一対のコイル部68a,68bを有しかつ一
対のコイル部68a,68bが金属ケース17の隣接す
る一対の内面に沿って配置され、封筒11が一対のコイ
ル部68a,68bを隣接面とする直方体状空間17d
に挿入され、更に一対のコイル部68a,68bの各背
面と金属ケース17の隣接する一対の内面との間に磁性
材料により形成された一対の磁性板61,62がそれぞ
れ介装される。一対のコイル部68a,68bはそれぞ
れ同一の形状(長方形状)及び巻き数で巻回され、直交
する軸線上に配置され(互いに90度の角度をなして隣
接する。)、かつ直列に電気的に接続される(図1
4)。
【0033】一対のコイル部68a,68bのうち一方
のコイル部68aは金属ケース17の一方の側壁17a
内面に沿って配置され、他方のコイル部68bは金属ケ
ース17の上記一方の側壁17aに隣接する側壁17c
内面に沿って配置される(図13)。またタグ12が貼
付された封筒11はタグ12のアンテナコイルの軸線が
一対のコイル部68a,68b間に発生する磁界の方向
(図13の破線矢印で示す。)と略一致するように、即
ち封筒11の厚さ方向を磁界の方向と略同一になるよう
に垂直に立てた状態で直方体状空間17dに挿入され
る。具体的には封筒は上記隣接する一対の側壁の接する
辺から一方の側壁に対して約45度の角度で直方体状空
間内に延びて配設される。なお、封筒11はタグ12の
アンテナコイルの軸線が一対のコイル部68a,68b
間に発生する磁界の方向と直交しないように配設すれ
ば、隣接する一対の側壁17a,17cの接する辺から
一方の側壁17aに対して45度未満の角度或いは45
度を越える角度で直方体状空間17d内に延びて配設し
てもよい。
【0034】また一対の磁性板61,62のうち一方の
磁性板61は一方のコイル部68aと一方の側壁17a
との間に介装され、他方の磁性板62は他方のコイル部
68bと隣接する側壁17cとの間に介装される。更に
磁性板61,62は比透磁率が高く、抵抗率が高いもの
であれば良く、けい素鋼板の積層体、パーマロイ、セン
ダスト、フェライト等の磁性材料を用いることができ
る。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
なお、磁性板は金属ケースの内壁全面に沿って設けても
よい。この場合、送受信アンテナから発振される電波は
金属ケースの影響を全く受けずに済む。
【0035】このように構成された金属ケース内の物品
の識別装置では、送受信アンテナ68の一対のコイル部
68a,68bが発生した電波が磁性板61,62によ
り遮られて金属ケース17の影響を殆ど受けず、一対の
コイル部68a,68b間、即ち上記直方体状空間17
dに湾曲した磁界(図13の破線矢印で示す。)が形成
される。この結果、磁界強度は上記直方体状空間17d
の位置によって異なり、磁界が上記直方体状空間17d
から漏れるけれども、質問器66とタグ12との間で送
受信することができる。上記以外の動作は第1の実施の
形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0036】図15及び図16は本発明の第5の実施の
形態を示す。図15において図1と同一符号は同一部品
を示す。この実施の形態では、質問器76の送受信アン
テナ78が単一のコイル部78aを有しかつ金属ケース
17の相対向する一対の内面のうち距離の近い一方の内
面に沿って配置され、封筒11がコイル部78aと金属
ケース17の他方の内面との間に挿入され、更にコイル
部78aと金属ケース17の一方の内面との間に磁性材
料により形成された磁性板71が介装される。コイル部
78aは第3の実施の形態の一対のコイル部と同様に長
方形状に形成される(図16)。このコイル部78aは
金属ケース17の互いに対向する一対の側壁17a,1
7bのうちの一方の側壁17a内面に沿って配置され、
磁性板71はコイル部78aと一方の側壁17aとの間
に介装される(図15)。
【0037】タグ12が貼付された封筒11はタグ12
のアンテナコイルの軸線が単一のコイル部78aにて発
生する磁界の方向(図15の破線矢印で示す。)と一致
するように、即ち封筒11の厚さ方向を磁界の方向と同
一になるように垂直に立てた状態で、コイル部78aと
他方の側壁17bとの間に挿入される。また磁性板71
は比透磁率が高く、抵抗率が高いものであれば良く、け
い素鋼板の積層体、パーマロイ、センダスト、フェライ
ト等の磁性材料を用いることができる。上記以外は第1
の実施の形態と同一に構成される。なお、磁性板は金属
ケースの内壁全面に沿って設けてもよい。この場合、送
受信アンテナから発振される電波は金属ケースの影響を
全く受けずに済む。
【0038】このように構成された金属ケース内の物品
の識別装置では、送受信アンテナ78の単一のコイル部
78aが発生した電波が磁性板71により遮られて金属
ケース17の一方の側壁17aの影響を殆ど受けず、コ
イル部78aから他方の側壁17bに向って磁界が形成
される。この磁界はコイル部78aから他方の側壁17
bまでの距離が長いため、他方の側壁17bによる影響
は殆ど受けない。また金属ケース17の容積を同一とし
た場合、単一のコイル部78a及び他方の側壁17b間
のスペースが第3の実施の形態の一対のコイル部間のス
ペースより更に大きく確保できる。上記以外の動作は第
1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省
略する。
【0039】図17は本発明の第6の実施の形態を示
す。図17において図5と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、質問器96の送受信アンテナ18
から発振される電波を所定の周波数範囲内で掃引可能な
発振回路99eがR/W99に設けられる。上記所定の
周波数範囲はタグを貼付した複数の封筒を重畳すること
によりそれぞれ変化する複数のタグの共振周波数の全て
を含む周波数範囲である。上記以外は第1の実施の形態
と同一に構成される。なお、この実施の形態の発振回路
99eは第1の実施の形態のみならず、第2〜第5の実
施の形態にも適用できる。
【0040】このように構成された金属ケース内の物品
の識別装置では、封筒(各封筒にタグが貼付される。)
を複数枚重畳すると、各タグのアンテナコイル間に相互
誘導作用が生じ、各タグの共振周波数が変化する。そこ
で質問器99のCPU19aは重畳することにより変化
した各タグの共振周波数を全て含むように、発振回路9
9eにより搬送波の周波数を順次変化させて、送受信ア
ンテナ18から電波(質問信号を載せた搬送波)を発振
する。この電波は上記所定の周波数に共振する共振周波
数を有するタグのアンテナコイルに受信される。質問器
96は所定のタグが所定の周波数の電波を受信すると、
周波数の掃引を一旦停止して、そのタグのRFID素子
のメモリに記憶されている固有の情報を第1の実施の形
態と同様に読込む。
【0041】質問器96の受信したデータ(封筒の固有
の情報)は外部端末装置のディスプレイ(図示せず)で
確認することができ、またタグのRFID素子のメモリ
には外部端末装置の入力手段より所定の事項を書き込む
ことができる。所定のタグのRFID素子のメモリへの
書込みが終了すると、質問器96は上記一旦停止された
周波数の掃引を再開する。即ち、質問器96の送受信ア
ンテナ18から発振される電波(質問信号を載せた搬送
波)の周波数を発振回路99eにより順次変化させ、こ
の電波は所定の周波数に共振する共振周波数を有するタ
グのアンテナコイルに順次受信される。そして別のタグ
が別の周波数の電波により共振したときに質問器96は
周波数の掃引を再び一旦停止し、上記と同様にRFID
素子のメモリのデータを読込み、かつこのメモリに所定
の書込み事項を書込む。上述のように、複数のタグが重
畳した状態でこれらのタグの全てが共振するように、質
問器96が形成する交番磁界の周波数を変化させる。即
ち、重畳する複数のタグの共振周波数が最小値のものか
ら最大値のものまでの全てを含む周波数範囲で発振回路
99eが発振周波数を掃引する。この結果、送受信アン
テナ18の発振する電波の出力を増大しなくても、質問
器96は重畳する複数のタグの全てを識別することがで
きる。
【0042】なお、第1〜第6の実施の形態では、物品
として現金書留の封筒を挙げたが、物品同士を重畳でき
かつタグを添付できれば、小切手、為替等の有価証券、
葉書又はその他の物品でもよい。また、第1〜第6の実
施の形態では、金属ケース内にバッテリが内蔵された電
源回路を設けたが、上記コネクタに外部端末装置のみな
らず外部電源を接続できれば、電源回路は不要になる。
また、第1〜第6の実施の形態では、金属ケースの外面
にコネクタを設置したが、金属ケース内の送受信アンテ
ナとは別に、R/Wに接続されたアンテナを金属ケース
の外面に設置し、このアンテナと外部端末装置のアンテ
ナコイルとの間で無線通信を行ってもよい。また、第1
〜第6の実施の形態では、バッテリを有しないRFID
素子を挙げたが、バッテリを有するRFID素子を用い
てもよい。
【0043】また、第3〜第5の実施の形態において、
金属ケースの内面と磁性板との間に電波吸収板をそれぞ
れ介装してもよく、金属ケースの全内面を電波吸収板で
覆うことが好ましい。この電波吸収板としては、カーボ
ンを含浸させた発泡ポリウレタン、フェライトタイル及
びカーボンを含浸させた発泡スチロール等により形成さ
れた電波吸収体を用いることが好ましい。電波(電磁
波)吸収は飛来した高周波(電波)を誘電体(電波吸収
体)で受信して熱エネルギに変換することにより行われ
る。更に、第6の実施の形態では、質問器に送受信アン
テナから発振される電波を所定の周波数範囲内で掃引可
能な発振回路を設け、上記所定の周波数範囲としてタグ
を添付した複数の物品を重畳することによりそれぞれ変
化する複数のタグの共振周波数の全てを含む周波数範囲
としたが、タグを貼付した1又は2以上の物品と1又は
2以上の金属板とを重畳し、発振回路の掃引周波数を上
記1又は2以上のタグの共振周波数の全てを含む周波数
範囲としてもよい。この場合、金属板(例えば、硬貨、
アルミ箔等)の存在により各タグの共振周波数が上記第
5の実施の形態より更に変化することを除いて、動作は
第6の実施の形態と略同様である。
【0044】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1及び図2に示すように、内のり寸法が
縦28cm、横49cm及び深さが19cmの金属ケー
ス17内に、送受信アンテナ18を設置した。このアン
テナ18は環状体の一部に空隙18bが形成された質問
器用磁芯部材18aと、この磁芯部材18aに巻回され
たコイル部18cとを有する。質問器用磁芯部材18a
は縦が26cm、横が30cm及び厚さが17cmの方
形の環状体に形成した。また質問器用磁芯部材18aの
各横断面を長方形状に形成した、即ち空隙18bを含む
1辺の横断面の幅及び高さをそれぞれ15cm及び17
cmとし、空隙18bを含まない3辺の横断面の幅及び
高さをそれぞれ10cm及び17cmとした。なお、上
記空隙18bの幅を10cmとした。この空隙18bに
納まるサイズのものであれば、タグ12を貼付すること
により物品11を識別することができた。
【0045】<実施例2>図11及び図12に示すよう
に、実施例1と同一の金属ケース17のうち互いに対向
する一対の内側面に一対の磁性板51,52をそれぞれ
貼付し、一対のコイル部58a,58bをこれらの磁性
板51,52の表面に沿って配置した。これにより金属
ケース17の影響を受けることなく質問器56によりタ
グ12を識別することができた。 <実施例3>図13及び図14に示すように、実施例1
と同一の金属ケース17のうち一方の内側面に単一の磁
性板71を貼付し、単一のコイル部78aを磁性板71
の表面に沿って配置した。この場合でも、金属ケース1
7の影響を受けることなく、質問器76によりタグ12
を識別することができた。
【0046】<実施例4>実施例1〜3の装置で質問器
のアンテナ出力を大きくし、アンテナが形成する磁界強
度を大きくした。これにより複数のタグが重畳して各タ
グの共振周波数がシフト(変化)し、各タグの共振周波
数が質問器の送受信アンテナが発振する電波の周波数と
異なっていても、質問器により各タグを識別することが
できた。 <実施例5>単独ではそれぞれ125kHzで共振する
同一のタグを10枚作製し、これらのタグを1mm間隔
で重畳した。これらのタグを実施例1の質問器用磁芯部
材の空隙に挿入し、質問器96の発振回路99e(図1
7)により周波数を変化させて、送受信アンテナから上
記重畳したタグに向って電波を発振した。この結果、発
振回路99eにより70kHz〜125kHzの周波数
範囲で掃引したところ、上記重畳した10枚のタグ全て
を識別することができた。
【0047】<実施例6>単独ではそれぞれ125kH
zで共振する同一のタグを100枚作製した。これらの
タグにはアンテナコイルに流れる電流を制御するスイッ
チを設けた。即ち、上記スイッチは質問器とタグとの通
信が終了したときにオフするように形成した。これらの
タグを実施例1の質問器用磁芯部材の空隙に挿入し、質
問器96の発振回路99e(図17)により周波数を4
0kHzから130kHzに変化させて、送受信アンテ
ナから上記100枚のタグに向って電波を発振した。こ
の結果、周波数が47kHzのときに最初(1枚目)の
タグを識別でき、周波数を次第に増大していき、周波数
が125kHzのときに最後(100枚目)のタグを識
別できた。 <実施例7>封筒に1枚ずつタグを貼付したものを50
枚用意した。但しタグの共振周波数を封筒を重畳した状
態で、可能な限り質問器の送受信アンテナが発振する周
波数に近付くように設定した。これら50枚の封筒を重
畳した状態で各タグを実施例1〜3の装置により識別す
ることができた。
【0048】<比較例1>磁性板を用いずに、ループ形
状の単一の送受信アンテナを有する既存の質問器を金属
ケース内に設置した。この場合、上記送受信アンテナが
発振する電波により形成される磁界強度は非常に弱く、
質問器によりタグを殆ど読み取ることができなかった。 <比較例2>磁性板を用いずに、ループ形状の2つの平
行に配置された送受信アンテナによって構成される既存
の質問器を金属ケース内に設置した。この場合、磁界強
度が低下する磁界ホールが広い領域にわたって発生した
ため、質問器によりタグを読み取れない場合があった。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、タ
グを添付した物品及び質問器を金属ケースに収容し、送
受信アンテナが環状体の一部に空隙が形成された質問器
用磁芯部材とこの質問器用磁芯部材に巻回されたコイル
部とを有し、更に上記物品を質問器用磁芯部材の空隙に
挿入したので、質問器を作動させて送受信アンテナが電
波を発振すると、この電波により形成される磁界は空隙
の部分にのみ発生し、かつその方向は空隙の幅方向であ
る。この結果、磁界強度は空隙内部で一様となり、磁界
が空隙から漏れることはなく、更に磁界が周辺の導体で
ある金属ケースに影響されないので、質問器とタグとの
間で確実に送受信することができる。
【0050】また上記空隙に複数の物品を重畳した状態
で挿入すると、各タグのアンテナコイル間に相互誘導作
用が生じ、各タグの共振周波数が変化して送受信アンテ
ナが発振する電波と周波数が異なる。しかし、送受信ア
ンテナが発振する電波の出力を増大する、即ち磁界強度
を強くすることにより、周波数が異なっていてもタグを
活性化することができる。一方、質問器の送受信アンテ
ナの発した電波は空隙にのみ発生し、たとえ電波が空隙
外に漏れても金属ケースが電磁遮蔽体の役割を果たすの
で、金属ケース外に漏洩することはない。この結果、上
記送受信アンテナはいかなる磁界強度の電波をも発振す
ることができ、またその電波の周波数も任意に選択する
ことができる。従って、各種電波法規・規制で規定され
る磁界・電界強度及び周波数の制限を受けることなく、
送受信アンテナの発振する電波が形成する磁界強度を大
きくすることができる。
【0051】またタグを添付した物品及び質問器を金属
ケースに収容し、送受信アンテナの一対のコイル部を金
属ケースの相対向する一対の内面に沿って配置し、物品
を一対のコイル部の間に挿入し、更に少なくとも一対の
コイル部の各背面と金属ケースの相対向する一対の内面
との間に磁性材料により形成された一対の磁性板を介装
すれば、送受信アンテナの一対のコイル部が発生した電
波が磁性板により遮られて金属ケースの影響を殆ど受け
ず、一対のコイル部間に一様な磁界が形成される。この
結果、上記と同様の効果が得られる。また金属ケースの
容積を同一とした場合、一対のコイル部間のスペースが
上記の空隙より大きく確保できる。
【0052】またタグを添付した物品及び質問器を金属
ケースに収容し、送受信アンテナの一対のコイル部を金
属ケースの隣接する一対の内面に沿って配置し、物品を
一対のコイル部を隣接面とする直方体状空間に挿入し、
更に少なくとも一対のコイル部の各背面と金属ケースの
相対向する一対の内面との間に磁性材料により形成され
た一対の磁性板を介装すれば、送受信アンテナの一対の
コイル部が発生した電波が磁性板により遮られて金属ケ
ースの影響を殆ど受けず、一対のコイル部間、即ち上記
直方体状空間に湾曲した磁界が形成される。この結果、
磁界強度は上記直方体状空間の位置によって異なり、磁
界が上記直方体状空間から漏れるけれども、磁界が周辺
の導体である金属ケースに殆ど影響されずに、質問器と
タグとの間で送受信することができる。
【0053】またタグを添付した物品及び質問器を金属
ケースに収容し、送受信アンテナの単一のコイル部を金
属ケースの相対向する一対の内面のうち一方の内面に沿
って配置し、物品をコイル部と金属ケースの他方の内面
との間に挿入し、更に少なくともコイル部と金属ケース
の上記一方の内面との間に磁性材料により形成された磁
性板を介装すれば、送受信アンテナの単一のコイル部が
発生した電波が磁性板により遮られて金属ケースの一方
の内面の影響を殆ど受けず、コイル部から金属ケースの
他方の内面に向って磁界が形成される。この磁界はコイ
ル部から金属ケースの他方の内面までの距離が長いた
め、金属ケースの他方の内面による影響は殆ど受けな
い。この結果、上記と同様の効果が得られる。また金属
ケースの容積を同一とした場合、単一のコイル部と金属
ケースの他方の内面との間のスペースが上記一対のコイ
ル部間のスペースより更に大きく確保できる。
【0054】また金属ケースの内面と磁性板との間に電
波吸収板を介装すれば、送受信アンテナの発振した電波
のうち電波吸収板に向う電波はこの電波吸収板で受信し
て熱エネルギに変換される。この結果、上記磁性板のみ
を用いた場合より、更に金属ケースの影響を受け難くな
る。また質問器に送受信アンテナから発振される電波を
所定の周波数範囲内で掃引可能な発振回路を設け、上記
所定の周波数範囲としてタグを添付した複数の物品を重
畳することによりそれぞれ変化する複数のタグの共振周
波数の全てを含む周波数範囲とすれば、複数のタグが重
畳した状態でこれらのタグの全てが共振するように、質
問器が形成する交番磁界の周波数を変化させる。即ち、
重畳する複数のタグの共振周波数が最小値のものから最
大値のものまでの全てを含む周波数範囲で発振回路が発
振周波数を掃引する。この結果、送受信アンテナの発振
する電波の出力を増大しなくても、質問器は重畳する複
数のタグの全てを識別することができる。
【0055】更に質問器に送受信アンテナから発振され
る電波を所定の周波数範囲内で掃引可能な発振回路を設
け、上記所定の周波数範囲としてタグを添付した1又は
2以上の物品と1又は2以上の金属板とを重畳すること
によりそれぞれ変化する1又は2以上のタグの共振周波
数の全てを含む周波数範囲とすれば、1又は2以上のタ
グと1又は2以上の金属板が重畳した状態で、これらの
タグの全てが共振するように、質問器が形成する交番磁
界の周波数を変化させる。即ち、重畳する複数のタグの
共振周波数が最小値のものから最大値のものまでの全て
を含む周波数範囲で発振回路が発振周波数を掃引する。
この結果、送受信アンテナの発振する電波の出力を増大
しなくても、上記と同様に質問器は重畳する複数のタグ
の全てを識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の金属ケースに収容された
物品の識別装置を示す断面構成図。
【図2】質問器用磁芯部材及び物品の配置を示す斜視
図。
【図3】物品とこの物品に添付されたタグを示す図4の
A−A線断面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】質問器の回路構成図。
【図6】タグの回路構成図。
【図7】本発明の第2実施形態を示す図1に対応する断
面構成図。
【図8】質問器用磁芯部材及び物品の配置を示す図2に
対応する斜視図。
【図9】物品とこの物品に添付されたタグを示す図10
のC−C線断面図。
【図10】図9のD−D線断面図。
【図11】本発明の第3実施形態を示す図1に対応する
断面構成図。
【図12】送信アンテナの一対のコイル部を示す斜視
図。
【図13】本発明の第4実施形態を示す図1に対応する
断面構成図。
【図14】送信アンテナの一対のコイル部を示す斜視
図。
【図15】本発明の第5実施形態を示す図1に対応する
断面構成図。
【図16】送信アンテナの単一のコイル部を示す斜視
図。
【図17】本発明の第6実施形態を示す図5に対応する
回路構成図。
【符号の説明】
11 封筒(物品) 12,32 タグ 13,33 アンテナコイル 14 RFID素子 14f RFID素子のメモリ 16,56,66,76,96 質問器 17 金属ケース 17d 直方体状空間 18,58,68,78 送受信アンテナ 18a 質問器用磁芯部材 18b 空隙 18c,58a,58b,68a,68b,78a コ
イル部 51,52,61,62,71 磁性板 99e 発振回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品(11)に添付され、アンテナコイル(1
    3,33)とこのアンテナコイル(13,33)に接続されたRFI
    D素子(14)とを有し、かつ前記RFID素子(14)に前記
    物品(11)固有のデータを記憶するメモリ(14f)が設けら
    れたタグ(12,32)と;送受信アンテナ(18)から前記タグ
    (12,32)が共振する周波数の電波を発振することにより
    前記タグ(12,32)を活性化し、前記電波のデータ通信に
    よる読出しコマンドに応じて前記メモリ(14f)からデー
    タの読出しを行うとともに書込みコマンドに応じて前記
    メモリ(14f)にデータを書込み、前記タグ(12,32)から応
    答信号を発生させる質問器(16)とを備え;前記タグ(12,
    32)を添付した物品(11)及び前記質問器(16)が金属ケー
    ス(17)に収容され、 前記送受信アンテナ(18)が環状体の一部に空隙(18b)が
    形成された質問器用磁芯部材(18a)とこの質問器用磁芯
    部材(18a)に巻回されたコイル部(18c)とを有し、 前記物品(11)が前記質問器用磁芯部材(18a)の空隙(18b)
    に挿入されたことを特徴とする金属ケース内の物品の識
    別装置。
  2. 【請求項2】 物品(11)に添付され、アンテナコイルと
    このアンテナコイルに接続されたRFID素子とを有
    し、かつ前記RFID素子に前記物品(11)固有のデータ
    を記憶するメモリが設けられたタグ(12)と;送受信アン
    テナ(58)から前記タグ(12)が共振する周波数の電波を発
    振することにより前記タグ(12)を活性化し、前記電波の
    データ通信による読出しコマンドに応じて前記メモリか
    らデータの読出しを行うとともに書込みコマンドに応じ
    て前記メモリにデータを書込み、前記タグ(12)から応答
    信号を発生させる質問器(56)とを備え;前記タグ(12)を
    添付した物品(11)及び前記質問器(56)が金属ケース(17)
    に収容され、 前記送受信アンテナ(58)が一対のコイル部(58a,58b)を
    有しかつ前記一対のコイル部(58a,58b)が前記金属ケー
    ス(17)の相対向する一対の内面に沿って配置され、 前記物品(11)が前記一対のコイル部(58a,58b)の間に挿
    入され、 少なくとも前記一対のコイル部(58a,58b)の各背面と前
    記金属ケース(17)の相対向する一対の内面との間に磁性
    材料により形成された一対の磁性板(51,52)がそれぞれ
    介装されたことを特徴とする金属ケース内の物品の識別
    装置。
  3. 【請求項3】 物品(11)に添付され、アンテナコイルと
    このアンテナコイルに接続されたRFID素子とを有
    し、かつ前記RFID素子に前記物品(11)固有のデータ
    を記憶するメモリが設けられたタグ(12)と;送受信アン
    テナ(68)から前記タグ(12)が共振する周波数の電波を発
    振することにより前記タグ(12)を活性化し、前記電波の
    データ通信による読出しコマンドに応じて前記メモリか
    らデータの読出しを行うとともに書込みコマンドに応じ
    て前記メモリにデータを書込み、前記タグ(12)から応答
    信号を発生させる質問器(66)とを備え;前記タグ(12)を
    添付した物品(11)及び前記質問器(66)が金属ケース(17)
    に収容され、 前記送受信アンテナ(68)が一対のコイル部(68a,68b)を
    有しかつ前記一対のコイル部(68a,68b)が前記金属ケー
    ス(17)の隣接する一対の内面に沿って配置され、 前記物品(11)が前記一対のコイル部(68a,68b)を隣接面
    とする直方体状空間に挿入され、 少なくとも前記一対のコイル部(68a,68b)の各背面と前
    記金属ケース(17)の隣接する一対の内面との間に磁性材
    料により形成された一対の磁性板(61,62)がそれぞれ介
    装されたことを特徴とする金属ケース内の物品の識別装
    置。
  4. 【請求項4】 物品(11)に添付され、アンテナコイルと
    このアンテナコイルに接続されたRFID素子とを有
    し、かつ前記RFID素子に前記物品(11)固有のデータ
    を記憶するメモリが設けられたタグ(12)と;送受信アン
    テナ(78)から前記タグ(12)が共振する周波数の電波を発
    振することにより前記タグ(12)を活性化し、前記電波の
    データ通信による読出しコマンドに応じて前記メモリか
    らデータの読出しを行うとともに書込みコマンドに応じ
    て前記メモリにデータを書込み、前記タグ(12)から応答
    信号を発生させる質問器(76)とを備え;前記タグ(12)を
    添付した物品(11)及び前記質問器(76)が金属ケース(17)
    に収容され、 前記送受信アンテナ(78)が単一のコイル部(78a)を有し
    かつ前記金属ケース(17)の相対向する一対の内面のうち
    一方の内面に沿って配置され、 前記物品(11)が前記コイル部(78a)と前記金属ケース(1
    7)の他方の内面との間に挿入され、 少なくとも前記コイル部(78a)と前記金属ケース(17)の
    一方の内面との間に磁性材料により形成された磁性板(7
    1)が介装されたことを特徴とする金属ケース内の物品の
    識別装置。
  5. 【請求項5】 金属ケースの内面と磁性板との間に電波
    吸収板が介装された請求項2ないし4いずれか記載の金
    属ケース内の物品の識別装置。
  6. 【請求項6】 質問器(96)に送受信アンテナ(18)から発
    振される電波を所定の周波数範囲内で掃引可能な発振回
    路(99e)が設けられ、 前記所定の周波数範囲がタグを添付した複数の物品を重
    畳することによりそれぞれ変化する前記複数のタグの共
    振周波数の全てを含む周波数範囲である請求項1ないし
    5いずれか記載の金属ケース内の物品の識別装置。
  7. 【請求項7】 質問器に送受信アンテナから発振される
    電波を所定の周波数範囲内で掃引可能な発振回路が設け
    られ、 所定の周波数範囲がタグを添付した1又は2以上の物品
    と1又は2以上の金属板とを重畳することによりそれぞ
    れ変化する前記1又は2以上のタグの共振周波数の全て
    を含む周波数範囲である請求項1ないし5いずれか記載
    の金属ケース内の物品の識別装置。
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