JPH10161042A - 接眼レンズ及びファインダ光学系 - Google Patents

接眼レンズ及びファインダ光学系

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JPH10161042A
JPH10161042A JP8325025A JP32502596A JPH10161042A JP H10161042 A JPH10161042 A JP H10161042A JP 8325025 A JP8325025 A JP 8325025A JP 32502596 A JP32502596 A JP 32502596A JP H10161042 A JPH10161042 A JP H10161042A
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JP
Japan
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eyepiece
diffractive optical
optical surface
aberration
lens
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JP8325025A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Mukai
弘 向井
Shigeto Omori
滋人 大森
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最少の構成枚数で色収差とその他の収差を最
適に補正しうる接眼レンズ及びファインダ光学系を提供
する。 【解決手段】 単玉の接眼レンズの物面SO側に、非球
面を設けるとともに、回折作用による適切なパワーを有
する回折光学面を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接眼レンズ及びフ
ァインダ光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回折光学面を有する光学系は、従来より
知られている。例えば、米国特許第5,148,314号;文
献:Swanson,G.J.,and W.B.Veldkamp,"Infrared Applic
ations ofDiffractive Optical Elements",SPIE procee
dings,vol.885,paper22(1988)では、回折光学面を備え
た単玉レンズから成る光学系が提案されている。また、
米国特許第5,044,706号,米国特許第5,446,588号では、
回折光学面で色収差を補正するファインダ光学系が提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記Swansonらの文献
には、単玉レンズに回折光学面を設けることによって、
色収差を補正する事例が報告されている。この事例で
は、レンズが絞りとして作用するため、絞り位置がレン
ズ位置となっている。ファインダ光学系の接眼レンズを
単玉で構成する場合には、瞳(絞りに相当する)がレンズ
から離れて位置することになるため、色収差(特に倍率
色収差)の発生は上記文献の事例とは異なったものとな
る。
【0004】米国特許第5,044,706号,米国特許第5,44
6,588号で提案されているファインダ光学系では、接眼
レンズが収差補正のために複数枚のレンズで構成されて
いる。ファインダ光学系の接眼レンズを単玉で構成する
場合には、2枚のレンズ面で収差補正を行わなければな
らない。したがって、色収差を補正するために回折光学
面を用いるだけでなく、球面収差,コマ収差,非点収
差,像面湾曲及び歪曲収差を補正するために、回折光学
面によるパワーやレンズ面の形状を適正に構成する必要
がある。
【0005】回折光学面での回折効率及び設計次数以外
の光線によるフレアを考えた場合、回折光学面の数は少
ない方が望ましい。米国特許第5,148,314号で提案され
ている光学系は、少ない回折光学面で色収差(軸上色収
差と倍率色収差)を最小にするために、回折光学面のパ
ワーや回折光学面と絞りとの間隔が適切になるように構
成されている。しかし、光学系が接眼レンズの場合に
は、瞳が絞りとして作用するため、絞り位置(すなわ
ち、瞳位置)を固定することができない。したがって、
接眼レンズを単玉で構成する場合には、色収差を最適に
補正することができない。
【0006】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、最少の構成枚数で色収差と
その他の収差を最適に補正しうる接眼レンズ及びファイ
ンダ光学系を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の接眼レンズは、1枚の正レンズから成る接
眼レンズであって、少なくとも1枚の非球面と少なくと
も1枚の回折光学面とを有し、更に次の条件を満足する
ことを特徴とする。 -0.0006<{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE<0.0002 ただし、 fl :接眼レンズの屈折作用と回折作用の両方に基づ
く焦点距離、 ν :接眼レンズのアッベ数、 φDOE:接眼レンズの回折作用によるパワー、 νDOE:接眼レンズの回折作用によるアッベ数相当値 である。
【0008】本発明の接眼レンズは、両凸形状又はメニ
スカス形状を有することが望ましい。また、本発明の接
眼レンズは、平凸形状を有し、該平面に回折光学面を有
することが望ましい。
【0009】本発明の接眼レンズは、回折作用によるパ
ワーの符号が互いに異なる回折光学面を両面に有するこ
とが望ましい。また、本発明の接眼レンズは、回折作用
によるパワーの符号が同じ回折光学面を両面に有するこ
とが望ましい。
【0010】本発明のファインダ光学系は、上記接眼レ
ンズを備えたことを特徴とする。接眼レンズの形状は、
例えば、両凸形状,メニスカス形状,平凸形状である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した接眼レン
ズ及びファインダ光学系を、図面を参照しつつ説明す
る。図1〜図7は、第1〜第7の実施の形態に係る接眼
レンズにそれぞれ対応する光路図である。図1〜図7に
おいて、ri(i=1,2)が付された面は物面SO側から数え
てi番目の面である。そして、riに*印が付された面は非
球面で構成された面であることを示しており、riに[DO
E]印が付された面は屈折光学面に回折光学面が形成され
た面であることを示している。
【0012】第1の実施の形態に係る接眼レンズは、物
面SO側に凸の正メニスカスレンズのみから成ってい
る。第2〜第4,第6,第7の実施の形態に係る接眼レ
ンズは、両凸の正レンズのみから成っている。第5の実
施の形態に係る接眼レンズは、物面SO側に凸の正の平
凸レンズのみから成っている。
【0013】第1〜第4の実施の形態では、接眼レンズ
の物面SO側の面が、非球面上に回折光学面が形成され
た面である。第5の実施の形態では、接眼レンズの物面
SO側の面が非球面であり、接眼レンズの瞳SE側の面
(平面)が回折光学面である。第6,第7の実施の形態で
は、接眼レンズの両面に回折光学面が設けられており、
接眼レンズの物面SO側の面は非球面上に回折光学面が
形成された面である。また、第6の実施の形態では、接
眼レンズの物面SO側の面の回折作用によるパワーの符
号が正であり、瞳SE側の面の回折作用によるパワーの
符号が負である。一方、第7の実施の形態では、回折作
用によるパワーの符号は両面とも正である。なお、第1
〜第7の実施の形態に係る接眼レンズを用いてファイン
ダ光学系を構成する場合には、物面SO位置に像面が形
成されるように対物レンズを配置すればよい。
【0014】ところで、色収差には軸上色収差と倍率色
収差とが存在する。瞳の中心を通る光線を理想主光線と
し、瞳面を垂直に通過する光線を理想マージナル光線と
すると、軸上色収差の程度は、次の式(A)で定義される
軸上色収差係数LCで表され、倍率色収差の程度は、次
の式(B)で定義される倍率色収差係数TCで表される。
【0015】LC=Σ{h2(φ/ν)} …(A) TC=Σ{h・h’(φ/ν)} …(B) ただし、 h :各レンズを通過する理想マージナル光線の高さ、 h’:各レンズを通過する理想主光線の高さ、 φ :各レンズのパワー、 ν :各レンズのアッベ数(分散値) である。
【0016】屈折光学面のみで構成された光学系では、
式(A)中のh2,(φ/ν)がいずれも正であるので{h2
0,(φ/ν)>0}、接眼レンズで生じた軸上色収差は
加算されることになる。したがって、正レンズだけで
は、色補正を行うことはできない。
【0017】光学系が屈折光学面と回折光学面を含む場
合、レンズの回折光学面で発生する軸上色収差と倍率色
収差が、前記式(A),(B)で表される各色収差に加算され
ることになる。従って、屈折光学面と回折光学面を含む
光学系の軸上色収差,倍率色収差は、次の式(C),(D)で
それぞれ定義される軸上色収差係数LC,倍率色収差係
数TCで表される。
【0018】 LC=Σ{h2(φr/νr+φk/νk)} …(C) TC=Σ{h・h’(φr/νr+φk/νk)} …
(D) ただし、 φr:各レンズの屈折光学面のパワー、 νr:各レンズの屈折光学面のアッベ数、 φk:各レンズの回折光学面のパワー、 νk:各レンズの回折光学面のアッベ数相当値 である。
【0019】上記回折光学面の分散を表すアッベ数相当
値νkは、次の式(E)で定義される。 νk=λd/(λF−λc) …(E) ただし、 λd:d線の波長(=588nm)、 λF:F線の波長(=486nm)、 λc:c線の波長(=656nm) である。
【0020】式(E)から、回折光学面はνk=−3.4
5という非常に小さい負のアッベ数相当値を有すること
が分かる。通常の屈折光学面のみを有するレンズの(分
散を表す)アッベ数は、20〜80程度であるため、屈
折光学面に回折光学面を組み合わせて用いれば、正のφ
r/νrが負のφk/νkで打ち消されることになる。
したがって、屈折光学面で発生した色収差を回折光学面
で補正することが可能である。
【0021】第1〜第7の実施の形態のように、接眼レ
ンズを1枚のレンズで構成すれば、回折光学面での回折
作用によるパワーによって、レンズ両面での屈折作用の
パワーを小さくすることができる。つまり、単玉構成の
接眼レンズに回折光学面を設ければ、屈折光学面の曲率
を緩くすることができるのである。したがって、色収差
以外の収差を改善する効果が期待できる。特に、焦点距
離の短い接眼レンズ(例えば、fl<30mm)では、球面収
差,非点収差,像面湾曲,歪曲収差,コマ収差等に対し
て顕著な改善効果が期待できる。
【0022】また、第1〜第7の実施の形態に係る接眼
レンズには、レンズ周辺ほどパワーが弱くなる非球面が
設けられているため、上記収差の性能を更に良好にする
ことができる。用いる非球面は、上記実施の形態に用い
られているものに限らないが、レンズ周辺ほどパワーが
弱くなる非球面を用いれば、色収差とそれ以外の収差と
を併せて補正する上で効果的である。
【0023】回折光学面によって色収差を補正するとと
もに上記色収差以外の収差を補正するためには、色収差
(特に倍率色収差)と色収差以外の収差(球面収差等)とを
適正にバランスさせる回折光学面へのパワー配分が重要
である。この観点から、第1〜第7の実施の形態に係る
接眼レンズは、次の条件式(1)を満たすように構成され
ている。 -0.0006<{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE<0.0002 …(1) ただし、 fl :接眼レンズの屈折作用と回折作用の両方に基づ
く焦点距離、 ν :接眼レンズのアッベ数、 φDOE:接眼レンズの回折作用によるパワー、 νDOE:接眼レンズの回折作用によるアッベ数相当値 である。
【0024】条件式(1)は、単玉構成の接眼レンズにお
ける回折光学面への適切なパワー配分量を規定するもの
である。条件式(1)で規定される回折光学面へのパワー
配分量は、前記バランスの指標としての倍率色較差許容
量に基づいており、この倍率色較差許容量は、一般的な
接眼レンズで許容される倍率色較差量(10分程度)であ
る。
【0025】条件式(1)を満たすことによって、色収差
とともに球面収差,非点収差,像面湾曲及び歪曲収差を
最適に補正することができる。条件式(1)の上限を超え
ると、回折光学面による収差補正が不足して、屈折光学
面で発生する色収差が充分に補正できなくなる。条件式
(1)の下限を超えると、回折光学面による色収差の補正
が過剰になって、過剰補正による色収差が発生してしま
う。
【0026】以上のように、第1〜第7の実施の形態に
係る接眼レンズには、非球面及び条件式(1)を満たす回
折光学面が設けられているため、レンズ1枚という最少
の構成枚数でありながら、色収差だけでなく、球面収
差,非点収差,像面湾曲及び歪曲収差をも最適に補正す
ることができる。そして、このような接眼レンズを用い
ることによって、レンズ枚数が少なく、かつ、収差性能
に優れたファインダ光学系を実現することができる。
【0027】さらに、第1の実施の形態のように接眼レ
ンズがメニスカス形状を有する場合には、接眼レンズの
焦点距離を短くすることができるという効果があり、第
2〜第4の実施の形態のように接眼レンズが両凸形状を
有する場合には、アイレリーフを大きくすることができ
るという効果がある。また、第5の実施の形態のよう
に、接眼レンズが、平凸形状を有し、平面に回折光学面
を有する場合には、回折光学面の製造が容易になるとい
う効果がある。
【0028】前述したように第6の実施の形態は両面に
回折光学面を有しており、それぞれの回折作用によるパ
ワーの符号は互いに異なっている。このように、回折作
用によるパワーの符号が互いに異なる回折光学面を接眼
レンズの両面に設けた場合には、回折光学面の非設計次
数による像面が設計像面から離れることになるため、非
設計次数による像が目立たなくなるという更なる効果が
得られる。
【0029】また、前述したように第7の実施の形態は
両面に回折光学面を有しており、それぞれの回折作用に
よるパワーの符号が同じになっている。このように、回
折作用によるパワーの符号が同じ回折光学面を接眼レン
ズの両面に設けた場合には、回折光学面の非設計次数に
よる像面が設計像面と極隣接することになるため、非設
計次数による像が目立たなくなるという更なる効果が得
られる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施した接眼レンズを、コン
ストラクションデータ,収差図等を挙げて、更に具体的
に説明する。ここで例として挙げる実施例1〜7は、前
述した第1〜第7の実施の形態にそれぞれ対応する実施
例であり、第1〜第7の実施の形態を表す図1〜図7
は、対応する実施例1〜7の光路をそれぞれ示してい
る。なお、各実施例における接眼レンズの焦点距離fl及
び条件式(1)の対応値(ただし、実施例6,7におけるφ
DOEは、両面の回折光学面の回折作用によるパワーの合
成値である。)を、コンストラクションデータと併せて
示す。
【0031】各実施例のコンストラクションデータにお
いて、ri(i=0,1,2,3)は物面SO側から数えてi番目の面
の曲率半径を示しており、di(i=0,1,2)は物面SO側か
ら数えてi番目の軸上面間隔を示している。また、Ni(i=
1)は、接眼レンズのe線に対する屈折率(Ne)を示して
おり、νi(i=1)は、接眼レンズのd線に対するアッベ数
(νd)を示している。
【0032】曲率半径riに*印が付された面は、非球面
で構成された面であることを示し、非球面の面形状を表
わす次の式(AS)で定義されるものとする。
【0033】
【数1】
【0034】ただし、式(AS)中、 Y :光軸方向の基準面からの変位量、 X :光軸に対して垂直な方向の高さ、 C :近軸曲率、 ε:2次曲面パラメータ、 Ai:i次式の非球面係数 である。
【0035】曲率半径riに[DOE]印が付された面は、屈
折光学面に回折光学面が形成された面であることを示
し、回折光学面のピッチを決める位相形状を表す次の式
(DS)で定義されるものとする。
【0036】
【数2】
【0037】ただし、式(DS)中、 ψ(H):回折光学面の位相関数、 Ci :2i次の回折光学面の位相関数係数、 H :光軸に対して垂直な方向の高さ、 λ0 :設計基準波長(=546.07×10-6mm) である。
【0038】
【0039】〈非球面係数〉 r1:ε=1.00,A4=-4.09×10−6
【0040】〈回折光学面の位相関数係数〉 r1:C1=-5.47×10-4
【0041】〈条件式(1)の対応値等〉 fl=57.2,{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE=-1.87×10-5
【0042】
【0043】〈非球面係数〉 r1:ε=1.00,A4=-2.89×10-5
【0044】〈回折光学面の位相関数係数〉 r1:C1=-1.15×10-3
【0045】〈条件式(1)の対応値等〉 fl=28.6,{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE=-6.26×10-5
【0046】
【0047】〈非球面係数〉 r1:ε=1.00,A4=-2.39×10-4
【0048】〈回折光学面の位相関数係数〉 r1:C1=-2.46×10-3
【0049】〈条件式(1)の対応値等〉 fl=14.3,{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE=-2.18×10-4
【0050】
【0051】〈非球面係数〉 r1:ε=1.00,A4=-7.35×10-4,A6=3.11×10-6,A8=-2.
52×10−7
【0052】〈回折光学面の位相関数係数〉 r1:C1=-3.37×10-3
【0053】〈条件式(1)の対応値等〉 fl=10.1,{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE=-2.46×10-4
【0054】
【0055】〈非球面係数〉 r1:ε=1.00,A4=-3.13×10-6
【0056】〈回折光学面の位相関数係数〉 r2:C1=-5.30×10-4
【0057】〈条件式(1)の対応値等〉 fl=57.2,{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE=-5.63×10-6
【0058】
【0059】〈非球面係数〉 r1:ε=1.00,A4=-6.92×10-5
【0060】〈回折光学面の位相関数係数〉 r1:C1=-5.00×10-3 r2:C1= 2.87×10-3
【0061】〈条件式(1)の対応値等〉 fl=20.0,{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE=-4.3×10-4
【0062】
【0063】〈非球面係数〉 r1:ε=1.00,A4=-7.83×10−5
【0064】〈回折光学面の位相関数係数〉 r1:C1=-7.95×10-4 r2:C1=-7.95×10-4
【0065】〈条件式(1)の対応値等〉 fl=20.0,{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE=-5.5×10-5
【0066】図8〜図14は実施例1〜実施例7にそれ
ぞれ対応する収差図であり、図15〜図18は比較例1
〜比較例4にそれぞれ対応する収差図である。比較例1
〜比較例4は、実施例1〜実施例4にそれぞれ対応して
おり、各実施例における接眼レンズの屈折作用と回折作
用の合成焦点距離と、各比較例の屈折作用のみによる焦
点距離とが同値になるように構成されている。例えば、
比較例1は、実施例1において回折光学面を設けずに焦
点距離を同じ状態にしたものである。
【0067】各収差図中、破線はC線(波長:λC=656.3n
m)に対する収差、実線はe線(波長:λe=546.1nm)に対す
る収差、一点鎖線はg線(波長:λg=435.8nm)に対する収
差を表している。また、各収差図は、瞳SE位置に焦点
距離fid=20mmの理想レンズを置くことにより全体を結像
レンズ系として取り扱った条件での値(mm)で、収差を表
している。
【0068】球面収差の横軸は、光軸方向の近軸像面か
らのズレ量(mm)を表しており、球面収差の縦軸は、瞳平
面(SE)を切る高さhをその最大高さh0で規格化したh/h
0を表している。非点収差の横軸は、近軸像面からの球
欠結像点のズレ量(S1〜S3,mm)及び子午結像点のズレ量
(M1〜M3,mm)を表しており、非点収差の縦軸は、実施例
1〜5及び比較例1〜4では瞳面(SE)への入射角度ω
(度)、実施例6,7では物高OBJ HT(mm)を表している。
歪曲収差の横軸は、歪曲収差量を%で表しており、歪曲
収差の縦軸は、実施例1〜5及び比較例1〜4では瞳面
(SE)への入射角度ω(度)、実施例6,7では物高OBJ
HT(mm)を表している。
【0069】ところで、単玉の接眼レンズに回折光学面
を設けた場合、アイレリーフ(すなわち、瞳SEから接
眼レンズまでの距離)が変化しても、理想マージナル光
線の高さhはほぼ一定である。しかし、理想主光線の高
さh’はアイレリーフの増大に伴って増加する。したが
って、アイレリーフが変化しても軸上色収差はほぼ一定
であるが、倍率色収差はアイレリーフの増大に伴って増
大することになる。このため、倍率色収差に起因するフ
ァインダ像の色ズレは、軸上色収差に起因するファイン
ダ像の色ズレに比べて顕著である。接眼レンズの設計で
は、接眼レンズ保持枠等で像がケラレずに観察される最
大値をアイレリーフとしているので、アイレリーフでの
倍率色収差は重要な色収差評価量といえる。
【0070】図19に、接眼レンズの焦点距離flと視野
絞りの長辺相当の像高での倍率色較差との関係を示す。
図19のグラフは、実施例1〜4及び比較例1〜4の倍
率色収差の収差図(図8〜図11,図15〜図18)から
得られた倍率色較差を、実施例1〜4及び比較例1〜4
の焦点距離flに対してプロットしたものであり、横軸は
接眼レンズの焦点距離fl(mm)示し、縦軸はc線とg線と
の倍率色較差及びe線とg線との倍率色較差(分)を示
す。また、視野絞りの長辺相当の像高値は、接眼レンズ
の焦点距離flのほぼ30%程度の値となっている。
【0071】比較例1〜4では、10分以上の倍率色較
差が発生しており、特に、接眼レンズの焦点距離flが3
0mm以下の場合(比較例2〜4)では、20〜30分の
倍率色較差が発生している。一方、実施例1〜4では、
倍率色較差は5分以下に補正されている。このように、
回折光学面を用いないと倍率色較差が大きくなること
が、図19から分かる。
【0072】また、図8〜図11の収差図から分かるよ
うに、実施例1〜4では球面収差,非点収差,歪曲収差
が良く補正されている。特に、比較例2〜4(図16〜
図18)に比べて、実施例2〜4(図9〜図11)の球面
収差,非点収差,歪曲収差が、非常に良く補正されてい
る。このように、接眼レンズの焦点距離flが短い場合に
は、特に、回折光学面の効果の度合いが大きくなること
が、各収差図から分かる。
【0073】図20に、{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOEと
視野絞りの長辺相当の像高での倍率色較差との関係を示
す。図20のグラフは、実施例1〜4及び比較例1〜4
の倍率色収差の収差図(図8〜図11,図15〜図18)
から得られた倍率色較差(分)を、実施例1〜4及び比較
例1〜4の{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOEに対してプロッ
トしたものであり、横軸は{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE
を示し、縦軸はc線とg線との倍率色較差(分)を示す。
【0074】図20から、{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE
に対する倍率色較差の変化度合いが分かる。つまり、倍
率色較差は、{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE=0付近で最
小となり、それより大きくなれば屈折光学面の色収差に
よる倍率色較差が大きくなり、逆に、それより小さくな
れば、回折光学面による色収差の過剰補正による倍率色
較差が発生する。前述したように、一般的な接眼レンズ
で許容される倍率色較差量は10分程度とされているの
で、倍率色較差が10分未満となる{1/(fl・ν)}+φDOE
/νDOE=-0.0006〜0.0002が、単玉構成の接眼レンズに
おける回折光学面への望ましいパワー配分量であること
が分かる。
【0075】実施例1〜4の{1/(fl・ν)}+φDOE/νDO
Eは、上記範囲-0.0006〜0.0002に存在している。また、
図8〜図11の収差図から、比較例1〜4(図15〜図
18)に比べると、実施例1〜4では球面収差,非点収
差,歪曲収差が良く補正されていることが分かる。した
がって、{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOEは小さい方が球面
収差,非点収差,歪曲収差を補正する上で有効であり、
そして、非球面レンズを有する単玉レンズが前記条件式
(1)を満たせば、色収差と球面収差,非点収差,像面湾
曲及び歪曲収差とをバランス良く最適に補正することが
可能である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の接眼レン
ズには非球面及び条件式(1)を満たす回折光学面が設け
られているため、レンズ1枚という最少の構成枚数であ
りながら、色収差だけでなく、球面収差,非点収差,像
面湾曲及び歪曲収差をも最適に補正することができる。
そして、このような接眼レンズを用いることによって、
レンズ枚数が少なく、かつ、収差性能に優れたファイン
ダ光学系を実現することができる。
【0077】さらに、接眼レンズが両凸形状を有する場
合には、アイレリーフを大きくすることができるという
効果があり、接眼レンズがメニスカス形状を有する場合
には、接眼レンズの焦点距離を短くすることができると
いう効果がある。また、接眼レンズが、平凸形状を有
し、平面に回折光学面を有する場合には、回折光学面の
製造が容易になるという効果がある。回折作用によるパ
ワーの符号が同じか又は互いに異なる回折光学面を接眼
レンズの両面に設けた場合には、非設計次数による像が
目立たなくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態(実施例1)に係る接眼レンズ
の光路図。
【図2】第2の実施の形態(実施例2)に係る接眼レンズ
の光路図。
【図3】第3の実施の形態(実施例3)に係る接眼レンズ
の光路図。
【図4】第4の実施の形態(実施例4)に係る接眼レンズ
の光路図。
【図5】第5の実施の形態(実施例5)に係る接眼レンズ
の光路図。
【図6】第6の実施の形態(実施例6)に係る接眼レンズ
の光路図。
【図7】第7の実施の形態(実施例7)に係る接眼レンズ
の光路図。
【図8】実施例1に係る接眼レンズの縦収差図。
【図9】実施例2に係る接眼レンズの縦収差図。
【図10】実施例3に係る接眼レンズの縦収差図。
【図11】実施例4に係る接眼レンズの縦収差図。
【図12】実施例5に係る接眼レンズの縦収差図。
【図13】実施例6に係る接眼レンズの縦収差図。
【図14】実施例7に係る接眼レンズの縦収差図。
【図15】比較例1に係る接眼レンズの縦収差図。
【図16】比較例2に係る接眼レンズの縦収差図。
【図17】比較例3に係る接眼レンズの縦収差図。
【図18】比較例4に係る接眼レンズの縦収差図。
【図19】接眼レンズの焦点距離flと視野絞りの長辺相
当の像高での倍率色較差との関係を示すグラフ。
【図20】{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOEと視野絞りの長
辺相当の像高での倍率色較差との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
r1*[DOE] …非球面上に回折光学面が形成された面 r1* …非球面 r2[DOE] …回折光学面 SE …瞳 SO …物面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚の正レンズから成る接眼レンズであ
    って、少なくとも1枚の非球面と少なくとも1枚の回折
    光学面とを有し、更に次の条件を満足することを特徴と
    する接眼レンズ; -0.0006<{1/(fl・ν)}+φDOE/νDOE<0.0002 ただし、 fl :接眼レンズの屈折作用と回折作用の両方に基づ
    く焦点距離、 ν :接眼レンズのアッベ数、 φDOE:接眼レンズの回折作用によるパワー、 νDOE:接眼レンズの回折作用によるアッベ数相当値 である。
  2. 【請求項2】 両凸形状を有することを特徴とする請求
    項1に記載の接眼レンズ。
  3. 【請求項3】 メニスカス形状を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の接眼レンズ。
  4. 【請求項4】 平凸形状を有し、該平面に回折光学面を
    有することを特徴とする請求項1に記載の接眼レンズ。
  5. 【請求項5】 回折作用によるパワーの符号が互いに異
    なる回折光学面を両面に有することを特徴とする請求項
    1に記載の接眼レンズ。
  6. 【請求項6】 回折作用によるパワーの符号が同じ回折
    光学面を両面に有することを特徴とする請求項1に記載
    の接眼レンズ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の接
    眼レンズを備えたことを特徴とするファインダ光学系。
JP8325025A 1996-10-03 1996-12-05 接眼レンズ及びファインダ光学系 Pending JPH10161042A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100722037B1 (ko) 2005-09-02 2007-05-25 엘지전자 주식회사 디엘피 조명 렌즈계
CN106199967A (zh) * 2016-08-13 2016-12-07 华勤通讯技术有限公司 图像重现装置及头戴显示器
CN108227052A (zh) * 2016-12-09 2018-06-29 深圳超多维科技有限公司 一种光学透镜及虚拟现实装置
US10884234B2 (en) 2017-07-14 2021-01-05 Zhejiang Sunny Optical Co., Ltd. Eyepiece and display device including eyepiece

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