JPH10160956A - プラスティック光ファイバー - Google Patents

プラスティック光ファイバー

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JPH10160956A
JPH10160956A JP8314970A JP31497096A JPH10160956A JP H10160956 A JPH10160956 A JP H10160956A JP 8314970 A JP8314970 A JP 8314970A JP 31497096 A JP31497096 A JP 31497096A JP H10160956 A JPH10160956 A JP H10160956A
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JP
Japan
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core
refractive index
optical fiber
clad
plastic optical
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Application number
JP8314970A
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English (en)
Inventor
Takashi Fujii
隆志 藤井
Hiroo Matsuda
裕男 松田
Toshifumi Hosoya
俊史 細谷
Maki Ikechi
麻紀 池知
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送損失が小さくかつ広帯域幅を有し、さら
に製造が容易なプラスティック光ファイバーを提供す
る。 【解決手段】 クラッドと、該クラッドの内側に配置さ
れた第一コアと、該第一コアの内側に配置された第二コ
アとを備えたプラスティック光ファイバーであって、第
一コアの直径(D1)に対する第二コアの直径(D2)の
比(X=D2/D1)が0.3≦X≦0.95であり、第
二コアとクラッドの屈折率差(△1)に対する第一コア
とクラッドの屈折率差(△2)の比(Y=△2/△1)が
0.4≦Y≦0.95であり、かつ前記2つの比の合計
(X+Y)が1≦X+Y≦1.9であることを特徴とす
るプラスティック光ファイバー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスティック光フ
ァイバーに関し、特には、伝達損失が小さくかつ帯域幅
が広いプラスティック光ファイバーに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、コンピューターなどの短距離用
の光伝送材として、ポリエチレン、ポリメタクリレート
の如き樹脂からなるプラスティック光ファイバーが用い
られている。この種の光ファイバーにあっては、コアの
屈折率分布が一定のステップ形である、複数の屈折率の
異なるコアからなるプラスティック光ファイバーが主流
である。例えば、このような多段のプラスティック光フ
ァイバーの製造方法として、重合後の屈折率の異なる2
種以上の重合材料を、遠心力作用下にて順次に重合し、
重合後の屈折率が外周部より中心部へと同心円状に変化
するようにする方法が報告されている(特開昭60−1
19509号公報)。
【0003】そして、このようなプラスティック光ファ
イバーにおいては、その帯域幅を広くするために屈折率
の異なるコアを多段、例えば4段以上にすることが行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コアの
段数の多いプラスティック光ファイバーにおいては、コ
アの段数が多ければ多いほど、製造条件が複雑となり、
またその製造コストが高くなるという欠点を有する。本
発明の目的は、このような欠点を克服した、伝達損失が
小さくかつ帯域幅が広く、さらには製造が容易なプラス
ティック光ファイバーを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記欠点
を克服するプラスティック光ファイバーを鋭意研究した
ところ、2段のコアからなるプラスティック光ファイバ
ーであって、両コアの径の比が特定の範囲内にありかつ
全屈折率差(第二コアとクラッド間の屈折率の差)に対
する第一コアとクラッド間の屈折率差の比が特定の範囲
内にあり、さらには前記の比の合計が特定の範囲内にあ
るプラスティック光ファイバーが上記欠点を克服するこ
とを見いだし、本発明を完成させたのである。本発明で
いうAとBの屈折率差とは、Aの屈折率とBの屈折率の
差である。
【0006】本発明は、クラッドと、該クラッドの内側
に配置された第一コアと、該第一コアの内側に配置され
た第二コアとを備えたプラスティック光ファイバーであ
って、第一コアの直径(D1)に対する第二コアの直径
(D2)の比(X=D2/D1)が0.3≦X≦0.95
であり、第二コアとクラッドの屈折率差(△1)に対す
る第一コアとクラッドの屈折率差(△2)の比(Y=△2
/△1)が0.4≦Y≦0.95であり、かつ前記2つ
の比の合計(X+Y)が1≦X+Y≦1.9であること
を特徴とするプラスティック光ファイバーである。
【0007】本発明はまた、第二コアとクラッドの屈折
率差(△1)が、0.01≦△1≦0.1であることを特
徴とする前記のプラスティック光ファイバーである。
【0008】本発明はまた、前記Xが0.5≦X≦0.
9であることを特徴とする前記のいずれかに記載のプラ
スティック光ファイバーである。
【0009】本発明はまた、前記Yが0.5≦Y≦0.
9であることを特徴とする前記のいずれかに記載のプラ
スティック光ファイバーである。
【0010】本発明はまた、前記(X+Y)が1.3≦
(X+Y)≦1.7であることを特徴とする前記のいず
れかに記載のプラスティック光ファイバーである。
【0011】本発明はまた、前記Xが0.7≦X≦0.
9であり、前記Yが0.6≦Y≦0.8であり、かつ
(X+Y)が1.4≦(X+Y)≦1.6であることを
特徴とする前記のいずれかに記載のプラスティック光フ
ァイバーである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の好適な実施の態様について説明する。
【0013】本発明のプラスティック光ファイバーは、
クラッドと、該クラッドの内側に配置された第一コア
と、該第一コアの内側に配置された第二コアとを備えた
プラスティック光ファイバーであって、第一コアの直径
(外径)(D1)に対する第二コアの直径(外径)(D
2)の比(X=D2/D1)、第二コアとクラッドの屈折
率差(△1)に対する第一コアとクラッドの屈折率差
(△2)の比(Y=△2/△1)、及び前記2つの比の合
計(X+Y)が特定の範囲内にあることを特徴とする。
なお、本発明のプラスティック光ファイバーのコア領域
の断面(中心軸に対して垂直な断面)における、第一コ
アの直径(D1)、第二コアの直径(D2)、第二コアと
クラッドの屈折率差(△1)、及び第一コアとクラッド
の屈折率差(△2)を図示すると図1のようになり、こ
れらはそれぞれ以下の条件を満たす範囲内にある。
【0014】外側に配置された第一コアの直径(D1)
に対する内側に配置された第二コアの直径(D2)の比
(X=D2/D1)の下限は、0.3以上であり、好まし
くは0.5以上であり、さらに好ましくは0.7以上で
ある。一方、前記比Xの上限は、0.95以下であり、
好ましくは0.90以下である。上記の下限及び上限に
よって定まる範囲を外れると帯域幅がコアが一段の場合
とほぼ同じ値になるという欠点を有する。そして第二コ
アとクラッドの屈折率差(△1)に対する第一コアとク
ラッドの屈折率差(△2)の比(Y=△2/△1)の下限
は、0.4以上であり、好ましくは0.5以上であり、
さらに好ましくは0.6以上である。一方、前記比Yの
上限は、0.95以下であり、好ましくは0.9以下で
あり、さらに好ましくは0.80以下である。上記の下
限及び上限によって定まる範囲を外れると帯域幅がコア
が一段の場合とほぼ同じ値になるという欠点を有する。
さらに両者の比の合計(X+Y)の下限は、1以上であ
り、好ましくは1.3以上であり、さらに好ましくは
1.4以上である。一方、前記比Yの上限は、1.9以
下であり、、好ましくは1.7以下であり、さらに好ま
しくは1.6以下である。上記の下限及び上限によって
定まる範囲を外れると帯域幅がコアが一段の場合とほぼ
同じ値になるという欠点を有する。本発明のプラスティ
ック光ファイバーは、X及びYが上記の範囲内の値をと
りかつ(X+Y)の値が上記範囲内にあることにより、
より優れた光学特性、特にはより低い伝送損失とより広
い帯域幅を提供するものである。
【0015】本発明のプラスティック光ファイバーにお
いては、全屈折率差(第二コアとクラッドの屈折率差
(△1))の、下限は、0.01以上であり、好ましく
は0.02以上である。一方、全屈折率差の上限は、
0.1以下であり、好ましくは0.07以下である。上
記の下限を外れると曲げ特性が落ちるという欠点を有
し、一方上記の上限を外れると帯域幅が狭くなるという
欠点を有する。
【0016】本発明のプラスティック光ファイバーの製
造方法は、所望のコア径及び屈折率差を達成できるのも
であれば特に限定はされない。例えば、以下のような方
法を挙げることができる。以下、図2(a)〜(d)を
参照しつつ説明を行う。
【0017】工程1:筒状の重合反応容器の中に第一の
屈折率を有するモノマーa、連鎖移動剤及び重合開始剤
を含む第一の樹脂組成材料を第一の樹脂層(クラッド層
となるべき層、以下、クラッド層という)を形成するの
に必要な量だけ投入し開口部をシールした後、この容器
を中心軸の周りに回転させながら上記重合材料を重合せ
しめることによって、図2(a)に示すクラッド層とな
るべき中空部材10を得る。
【0018】工程2:重合が完了した後、シールを剥が
し、第二の屈折率を有するモノマーb、連鎖移動剤及び
重合開始剤を含む第二の樹脂組成材料を第二の樹脂層
(第一コア層となるべき層、以下、第一コア層という)
を形成するのに必要な量だけ投入し、再び開口部をシー
ルした後、容器を中心軸の周りに回転させながら重合せ
しめることによって、グラッド層10の内側に図2
(b)に示す第一コア層となるべき中空部材20を形成
せしめる。
【0019】工程3:第二の樹脂組成材料が重合した
後、シールを剥がし、第三の屈折率を有するモノマー
c、連鎖移動剤及び重合開始剤を含む第三の樹脂組成材
料を第三の樹脂層(第二コア層となるべき層、以下、第
二コア層という)を形成するのに必要な量だけ投入し、
再び開口部をシールした後、容器を中心軸の周りに回転
させながら重合せしめることによって、第一コア層20
の内側に第二コア層となるべき中空部材30を形成せし
め、図2(c)に示すクラッド層、第一コア層及び第二
コア層からなる中空の部材を得る。
【0020】次いで、上記の如くして形成された中空の
部材を加熱しながらコラプスすることにより、図3
(d)に示す円柱形のプラスティック光ファイバー母材
が形成される。このようにして、図1に示されるような
屈折率の違う2段のコアからなるプラスティック光ファ
イバーのための母材が作製される。
【0021】なお、本発明の光ファイバーにおいては、
第一コアの直径(D1)及び第二コアの直径(D2)、並
びに第二コアとクラッドの屈折率差(△1)及び第一コ
アとクラッドの屈折率差(△2)が明瞭である限りは、
図3に示すようにクラッドと第一コアの隣接面近傍及び
/又は第一コアと第二コアの隣接面近傍が滑らかな屈折
率分布を有しても良い。図3に基づいて説明すると以下
の如くである。まず、屈折率の変化率が大きい4カ所を
定める(図中の○印の箇所)。この4カ所のうちの内側
にある2点間が第二コア径であり、外側の2点間が第一
コア径である。また、コア部において屈折率の変化率が
最も小さい3カ所を定める(図中の×印の箇所)。この
3カ所のうちの、最も屈折率の大きい値が第二コアの屈
折率であり、小さい屈折率の2カ所の点における屈折率
が第一コアの屈折率である。このような屈折率分布を示
す場合は、屈折率の形状が集束形分布に近くなるので、
より広帯域幅を有するプラスティック光ファイバーを得
ることができる傾向にある。
【0022】隣接面近傍が滑らかな屈折率分布を有する
プラスティック光ファイバーを得る方法は、上記方法に
て、工程1において、モノマーaの重合を完成させるの
ではなく、モノマーaの一部が未重合の状態で存在する
程度にて、工程2を行う。これにより、未重合のモノマ
ーaが第二の樹脂組成材料と混合する。混合状態で重合
が進むと、隣接面からクラッド層へ進む程、屈折率が大
きい樹脂組成材料の割合が少なくなり、反対に第一コア
層へ進む程、高屈折率の樹脂組成材料の割合が多くなる
ので、クラッド層から第一コア層へ進むに従って徐々に
屈折率が増大する。従って、クラッド層と第一コア層と
の隣接面近傍に滑らかな屈折率分布が形成される。同様
にして、工程2において、モノマーbの重合を完成させ
るのではなくモノマーbの一部が未重合の状態で存在す
る程度にて、工程3を行うと、第一コア層と第二コア層
との隣接面近傍に滑らかな屈折率分布が形成される。
【0023】上記の如くして作製されたプラスティック
光ファイバー母材を熱延伸して所望の径にすることによ
り、本発明のプラスティック光ファイバーが作製され
る。
【0024】本発明のプラスティック光ファイバーを製
造するために用いるモノマーは、所望の熱特性、重合時
に透明性を有するものであれば特に限定されず、目的と
する屈折率に応じて適宜選択される。例えば、本発明に
おいて使用されるモノマーとして、メチルメタクリレー
ト(屈折率:1.492)、2,2,2-トリフルオロエチルメタ
クリレート(屈折率:1.418)、スチレン(屈折率:1.5
9)、ベンジルメタクリレート(屈折率:1.568)、1,1,
3-トリハイドロパーフルオロプロピルメタクリレート
(屈折率:1.421)等を挙げることができ、所望の安定
性や所望の屈折率差が得られるように適宜選択、組合せ
られて使用される。本発明の光ファイバーにおいては、
透明性の点より、メチルメタクリレート又は2,2,2-トリ
フルオロエチルメタクリレートが好ましい。
【0025】連鎖移動剤は重合する分子量の大きさを所
定の範囲内にするために用いられるものであり、選択さ
れたモノマー及び作製されるプラスティック光ファイバ
ーの強度に応じて、連鎖移動剤の種類、添加量等が適宜
選択される。重合開始剤は、用いられるモノマーに応じ
て適宜選択される。
【0026】以下、実施例により本発明をより詳細に説
明するが本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0027】
【実施例】 実施例1:プラスティック光ファイバーの作製 a)クラッド層の作製 水平に保持した長さ60cm内径28mmの円筒形のガ
ラス反応容器内に、メチルメタクリレートを164g
(100重量部とする)入れ、次いで、連鎖移動剤とし
てn−ブチルメルカプタンを0.15重量部及び重合開
始剤としてベンジルパーオキサイド(BPO)を0.5
0重量部加えた後、開口部をシールし、その後、反応容
器を1300rpmにて回転させながら、70℃で20
時間大気下で熱重合させた。その結果、図2(a)に示
すように、外径28mm、内径22mmのポリメチルメ
タクリレートからなるクラッド層となるべき中空部材
(以下、クラッド層という)が得られた。
【0028】b)第一コア層の作製 次に、a)で得られた水平に保持された中空部材に、メ
チルメタクリレートとジフェニルスルフィドを6:1の
重量比で混合した溶液100ml(100重量部とす
る)を加え、さらに、連鎖移動剤としてn−ブチルメル
カプタンを0.15重量部及び重合開始剤としてベンジ
ルパーオキサイド(BPO)を0.50重量部加えた
後、開口部をシール、その後、反応容器を1300rp
mにて回転させながら、70℃で20時間大気下で熱重
合させた。その結果、図2(b)に示すように、クラッ
ド層の内側に第一コア層となるべき中空部材(以下、第
一コア層という)が形成されたポリメチルメタクリレー
トからなる外径28mm、内径18mmの中空部材が得
られた。
【0029】c)第二コア層の作製 b)で得られた水平に保持された中空部材に、メチルメ
タクリレートとジフェニルスルフィドを4:1の重量比
で混合した溶液180ml(100重量部とする)を加
え、さらに、連鎖移動剤としてn−ブチルメルカプタン
を0.15重量部及び重合開始剤としてベンジルパーオ
キサイド(BPO)を0.50重量部加えた後、開口部
をシールし、その後、反応容器を1300rpmにて回
転させながら、70℃で20時間大気下で熱重合させ
た。その結果、図2(c)に示すように、第一コア層の
内側に第二コア層となるべき中空部材(以下、第二コア
層という)が形成されたポリメチルメタクリレートから
なる外径28mm、内径4mmのクラッド層、第一コア
層及び第二コア層からなる中空部材が得られた。
【0030】d)グレーデッド インデックス型プラス
ティック光ファイバー(GI−POF)母材の作製 c)で得られた中空部材を円筒形の反応容器から取り出
した後、取り出された中空部材を、直径が最大22mm
まで収縮することができる直径30mmのテフロン製熱
収縮チューブで覆った。次いで、140℃に保った熱風
を、1時間、中空部材の長手方向の中心部に送り、その
後、さらに1時間、円筒形の中空部材全体に熱風を送っ
て円筒形の中空部材を完全にコプラスせしめ、図2
(d)に示すように、直径27mm、有効長55cm、
全屈折率差(第二コアとクラッドの屈折率差:△1)
0.028のGI−POF母材を得た。
【0031】e)GI−POFの作製 d)で得られたGI−POF母材を、250℃に加熱さ
れた円筒形の加熱筒内で間接加熱しながら、熱延伸し、
直径0.75mmのGI−POFを得た。このGI−P
OFの、第一コアの直径(D1)は0.60mmであ
り、第二のコアの直径は0.48mmであった。また、
全屈折率差(第二コアとクラッドの屈折率差:△1)は
0.028であり、第一コアとクラッドの屈折率差(△
2)は0.020であった。
【0032】この光ファイバーの光学特性を、伝送損失
についてはスペクトルアナライザー(安藤電気社製、モ
デル AQ6315B)にて650nmLDを用いて測
定し、帯域幅についてはサンプリングオシロスコープ
(浜松ホトニクス社製、モデルOOS−01)にて白色
光源を用いて測定したところ、波長650nmにおける
伝送損失は150dB/km、帯域幅は1GHz・10
0mという高い光学特性を持っていることが判った。
【0033】実施例2: a)クラッド層の作製 水平に保持した長さ60cm内径35mmの円筒形のガ
ラス管反応容器内に、2,2,2-トリフルオロエチルメタク
リレートを300g(100重量部とする)入れ、次い
で、連鎖移動剤としてn−ブチルメルカプタンを0.1
2重量部及び及び重合開始剤としてベンジルパーオキサ
イド(BPO)を0.30重量部加えた後、開口部をシ
ールし、その後、反応容器を1300rpmにて回転さ
せながら、70℃で20時間大気下で熱重合させた。そ
の結果、図2(a)に示すように、外径35mm、内径
28mmのクラッド層となるべき中空部材(以下、クラ
ッド層という)が得られた。
【0034】b)第一コア層の作製 次に、a)で得られた水平に保持された中空部材に、2,
2,2-トリフルオロエチルメタクリレートとメチルメタク
リレートを6:1の重量比で混合した混合溶液220m
l(100重量部とする)を加え、さらに、連鎖移動剤
としてn−ブチルメルカプタンを0.12重量部及び及
び重合開始剤としてベンジルパーオキサイド(BPO)
を0.30重量部加えた後、開口部をシールし、その
後、反応容器を1300rpmにて回転させながら、7
0℃で20時間大気下で熱重合させた。その結果、図2
(b)に示すように、クラッド層の内側に第一コア層と
なるべき中空部材(以下、第一コア層という)が形成さ
れた外径35mm、内径18mmの中空部材が得られ
た。
【0035】c)第二コア層の作製 b)で得られた水平に保持された中空部材に、2,2,2-ト
リフルオロエチルメタクリレートとメチルメタクリレー
トを3:1の重量比で混合した混合溶液140ml(1
00重量部とする)を加え、さらに、連鎖移動剤として
n−ブチルメルカプタンを0.12重量部及び及び重合
開始剤としてベンジルパーオキサイド(BPO)を0.
30重量部加えた後、開口部をシール、その後、反応容
器を1300rpmにて回転させながら、70℃で20
時間大気下で熱重合させた。その結果、図2(c)に示
すように、第一コア層の内側に第二コア層となるべき中
空部材(以下、第二コア層という)が形成された外径3
5mm、内径5mm、全屈折率差(第二コアとクラッド
の屈折率差)0.022の円筒形の中空部材が得られ
た。
【0036】d)GI−POF母材の作製 c)で得られた中空部材を円筒形の反応容器から取り出
した後、取り出された中空部材の片端をアルミテープで
封止した。次いで、前記片端が封止された中空部材の中
空部分を660mmHgの圧に保ちながら、120℃に
保った円形のヒーター中に封止端から通して間接的に加
熱し、発泡しないようにコプラスを完了させながら、長
手方向にフィーダーを用いて5mm/分の速度にて中空
母材を移動させることによりGI−POF母材を作製し
た。このGI−POF母材は、直径34mm、有効長5
5cmであった。
【0037】e)GI−POFの作製 d)で得られたGI−POF母材を、250℃に加熱さ
れた円筒形の加熱筒内で間接加熱しながら、熱延伸し、
直径0.75mmのGI−POFを得た。このGI−P
OFの、第一コア層の直径(D1)は0.6mmであ
り、第二コア層の直径(D2)は0.36mmであっ
た。また、第二コアとクラッドの屈折率差(△1)は、
0.022であり、第一コアとクラッドの屈折率差(△
2)は、0.013であった。
【0038】この光ファイバーの光学特性を、実施例1
と同様にして測定したところ、波長650nmにおける
伝送損失は160dB/km、帯域幅は800MHz・
100mという高い光学特性を持っていることが判っ
た。
【0039】実施例3 長さ60cm、直径50mmの円筒形のガラス管反応容
器を用いた以外は、実施例1のa)〜c)に記載の方法
と同じ方法にて、図2(c)に示すように、クラッド層
と、その内側に配置された第一コア層、及び第一コア層
の内側に配置された第二コア層からなる中空部材を作製
した。
【0040】d)GI−POF母材の作製 c)で得られた中空の部材を円筒形の反応容器から取り
出した後、取り出された中空部材の片端をアルミテープ
で封止した。次いで、前記片端が封止された中空部材の
中空部分を550mmHgの圧に保ちながら、150℃
に保った円形のヒーター中に封止端から通して間接的に
加熱し、発泡しないようにコプラスを完了させながら、
長手方向にフィーダーを用いて5mm/分の速度にて中
空部材を移動させることによりGI−POF母材を作製
した。このGI−POF母材は、直径50mm、有効長
55cmであった。
【0041】e)GI−POFの作製 d)で得られたGI−POF母材を、250℃に加熱さ
れた円筒形の加熱筒内で間接加熱しながら、熱延伸し、
直径0.60mmのGI−POFを得た。このGI−P
OFの、第一コア層の直径(D1)は0.48mmであ
り、第二コア層の直径(D2)は0.36mmであっ
た。また、第二コアとクラッドの屈折率差(△1)は、
0.028であり、第一コアとクラッドの屈折率差(△
2)は、0.020であった。
【0042】この光ファイバーの光学特性を、実施例1
と同様にして測定したところ、波長650nmにおける
伝送損失は155dB/km、帯域幅は830MHz・
100mという高い光学特性を持っていることが判っ
た。
【0043】実施例4〜11及び比較例1〜8 実施例1に示した方法と同様の方法にて、以下の表1に
示す第一コア層の直径(D1)、第二コア層の直径(D
2)、第二コアとクラッドの屈折率差(△1)及び第一コ
アとクラッドの屈折率差(△2)を有するプラスティッ
ク光ファイバーを作製した。
【0044】これらの光ファイバーの光学特性を、実施
例1と同様にして、帯域幅を測定した。帯域幅を、X値
及びY値を基準に整理して以下の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1より、実施例4〜11のプラスティッ
ク光ファイバーは、高い光学特性を有するが、一方、比
較例のプラスティック光ファイバーは実施例のものに比
べて光学特性が劣ることが判った。
【0047】
【発明の効果】本発明のプラスティック光ファイバー
は、コアが2段であるにも拘わらず、優れた光学特性、
特には、小さい伝送損失及び広い帯域幅を有するので有
用である。さらに、本発明のプラスティック光ファイバ
ーは2段のコアからなるので製造が容易であり、従って
製造コストが小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスティック光ファイバーの疑似屈
折率分布を示す図である。
【図2】本発明のプラスティック光ファイバーを製造す
る一つの方法を説明するための工程図である。
【図3】本発明の別の態様のプラスティック光ファイバ
ーの疑似屈折率分布を示す図である。
【符号の説明】
D1・・第一コアの直径、D2・・第二コアの直径、△1
・・第二コアとクラッドの屈折率差、△2・・第一コア
とクラッドの屈折率差、10・・クラッド、20・・第
一コア層、30・・第二コア層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池知 麻紀 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッドと、該クラッドの内側に配置さ
    れた第一コアと、該第一コアの内側に配置された第二コ
    アとを備えたプラスティック光ファイバーであって、第
    一コアの直径(D1)に対する第二コアの直径(D2)の
    比(X=D2/D1)が0.3≦X≦0.95であり、第
    二コアとクラッドの屈折率差(△1)に対する第一コア
    とクラッドの屈折率差(△2)の比(Y=△2/△1)が
    0.4≦Y≦0.95であり、かつ前記2つの比の合計
    (X+Y)が1≦X+Y≦1.9であることを特徴とす
    るプラスティック光ファイバー。
  2. 【請求項2】 第二コアとクラッドの屈折率差(△1)
    が、0.01≦△1≦0.1であることを特徴とする請
    求項1に記載のプラスティック光ファイバー。
  3. 【請求項3】 前記Xが0.5≦X≦0.9であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のプラスティック光
    ファイバー。
  4. 【請求項4】 前記Yが0.5≦Y≦0.9であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプラ
    スティック光ファイバー。
  5. 【請求項5】 前記(X+Y)が1.3≦(X+Y)≦
    1.7であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    一つに記載のプラスティック光ファイバー。
  6. 【請求項6】 前記Xが0.7≦X≦0.9であり、前
    記Yが0.6≦Y≦0.8であり、かつ(X+Y)が
    1.4≦(X+Y)≦1.6であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のプラスティック光ファイバー。
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