JPH10158885A - リン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

リン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法

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JPH10158885A
JPH10158885A JP32304596A JP32304596A JPH10158885A JP H10158885 A JPH10158885 A JP H10158885A JP 32304596 A JP32304596 A JP 32304596A JP 32304596 A JP32304596 A JP 32304596A JP H10158885 A JPH10158885 A JP H10158885A
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JP
Japan
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steel sheet
phosphate
zinc
plating
phosphoric acid
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Pending
Application number
JP32304596A
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English (en)
Inventor
Takayuki Urakawa
隆之 浦川
Toru Imokawa
透 妹川
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗工程を含まない、単純な処理工程で、リ
ン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板を製造する。 【解決手段】 リン酸とリン酸亜鉛とを含有するめっき
液を用いて鋼板に電気めっきを行って亜鉛系めっき層を
形成後、水洗せずにそのまま乾燥して前記亜鉛系めっき
層の上にリン酸塩処理皮膜を形成する。鋼板表面にめっ
き液が付着した状態で乾燥して、めっきされた亜鉛金属
をめっき液中のリン酸により溶解する。pHの上昇、水
分の蒸発により、リン酸と亜鉛が結合してリン酸亜鉛が
生成し、表面に結晶化して析出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、単純な処理工程
でリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系めっき鋼板にリン酸塩処理を施し
た鋼板は、塗装下地用途等に大量に使用されている。こ
のリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板は、鋼板に亜鉛系めっ
きした後にリン酸塩処理を施して製造される。
【0003】例えば、リン酸塩処理電気亜鉛めっき鋼板
を製造する場合の製造工程は、電気亜鉛めっき→水洗→
表面調整→リン酸塩処理→水洗→乾燥の6工程にも及
び、その製造設備も大規模なものになり、製造コストも
高くなる。なお、前記の製造工程では、乾燥工程以外の
各処理工程の出側には、それぞれの処理工程からの処理
液の持ち出しを防ぐための絞りロールが設けられてい
る。
【0004】したがって、この処理工程の一部が省略で
きれば製造設備が簡略化され、製造コストも低減でき
る。特に、水洗工程が省略できれば、水洗水の廃液処理
工程までも省略可能となり、製造コストの面のみなら
ず、環境対策上も極めて有用な技術となり得るが、現在
までにこのような技術は開発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記リン酸
塩処理電気亜鉛めっき鋼板に代表されるリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板の製造コスト、製造に際しての環境への
影響低減が可能で、水洗工程を含まない、単純な処理工
程で、リン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、鋼板に亜鉛
系めっきを施す処理液とリン酸塩処理を施す処理液とを
同一にし、処理後に水洗を行わずに乾燥処理することに
より解決される。具体的には、最低限、リン酸とリン酸
亜鉛とを含有するめっき液を用いて鋼板に電気めっきを
行って亜鉛系めっき層を形成後、水洗せずにそのまま乾
燥することによって、その上にリン酸塩処理皮膜を形成
してリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板を製造するものであ
る。
【0007】(作用)リン酸とリン酸亜鉛を含むめっき
液から、高電流密度、高効率で亜鉛系めっきが可能であ
る。しかしながら、めっき処理後に水洗を行うとリン酸
塩の共析は得られない。すなわち、めっき工程中には亜
鉛イオンが金属に還元される反応のみが起こっており、
リン酸塩の共析は起こらない。
【0008】しかし、めっき終了後、水洗しないと、鋼
板表面にめっき液が付着している。めっき液が付着した
状態で乾燥させると、めっきされた亜鉛金属がめっき液
中のリン酸により溶解し、同時にめっき液中の水素イオ
ンが還元されて水素が発生する。この反応により表面の
pHが上昇し、また、水分の蒸発により、リン酸と亜鉛
イオンが溶解度以上に溶解した過飽和溶液が表面に存在
するようになる。更に水分の蒸発が進むとリン酸と亜鉛
が結合してリン酸亜鉛を生成し、表面に結晶化して析出
する。その結果、鋼板には亜鉛系めっき層とその上にリ
ン酸亜鉛皮膜が形成され、いわゆるリン酸塩処理亜鉛系
めっき鋼板が製造できる。
【0009】下層の亜鉛系めっき層のめっき量はめっき
電気量で制御され、上層のリン酸塩皮膜量はめっき液中
のリン酸濃度とリン酸亜鉛濃度やめっき処理工程の出側
に設けられた絞りロールの絞り条件等で制御される表面
の残存めっき液量とで制御される。
【0010】このようにして製造したリン酸塩処理亜鉛
系めっき鋼板は、通常の電気亜鉛系めっき→水洗→表面
調整→リン酸塩処理→水洗→乾燥の工程で製造されたリ
ン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板と同等の塗装密着性と耐食
性を有する。
【0011】本発明によれば、電気亜鉛系めっき→乾燥
の2工程で従来の6工程と同等なリン酸塩処理亜鉛系め
っき鋼板が製造できるので、製造設備が簡略化され、ま
た、めっき液とは別個にリン酸塩処理液を必要としない
ので、製造コストも低減できる。更に、水洗工程が省略
できるので、廃液処理工程の省略と廃液処理工程から発
生する廃棄物の大幅削減が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】素材の鋼板に、脱脂、酸洗等の慣
用される前処理を施した後、リン酸とリン酸亜鉛を含有
するめっき液を用いて鋼板に電気めっきを行って亜鉛系
めっき層を形成する。次いで、絞りロールにより鋼板表
面の残存めっき液量を調整した後、引続き水洗せずにそ
のまま乾燥、例えば熱風乾燥して亜鉛系めっき層の上に
リン酸塩処理皮膜を形成する。素材の鋼板に特に制限は
ない。常法によって製造した冷延鋼板や脱スケールした
熱延鋼板を使用することができる。
【0013】下層の亜鉛系めっき層のめっき量はめっき
電気量で制御する。上層のリン酸塩皮膜量は、めっき液
中のリン酸濃度、リン酸亜鉛濃度等のめっき浴組成やめ
っき処理工程出側のロールの絞り条件等の調整による鋼
板表面の残存めっき液量の調整により制御する。
【0014】めっき液に、リン酸とリン酸亜鉛を含むめ
っき液に可溶な成分、例えばリン酸ニッケルやリン酸鉄
等を添加して亜鉛合金めっきや、シリカ、アルミナ等の
分散粒子を添加して亜鉛系分散めっき等のめっきを施し
た後、その上にリン酸塩処理皮膜を形成することもでき
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0016】冷間圧延、焼鈍、調質圧延を施した鋼板を
脱脂(条件:オルソケイ酸ソーダ60g/lの溶液中
で、電気量15C/dm2 の電解脱脂)、酸洗(条件:
硫酸70g/lの溶液中に5秒浸漬)した後、表1の発
明例1〜10に示すめっき液条件、めっき条件で、電気
亜鉛めっき後、絞りロールの絞り条件を調整することに
よってめっき後の鋼板表面のめっき液残量が異なるよう
に調整した後、水洗することなく熱風乾燥して、本発明
例のリン酸塩処理亜鉛めっき鋼板を作成した。絞り条件
の調整は、絞りロールの押し付け圧を、強圧下、中圧
下、弱圧下の3水準に変化させることにより行った。押
し付け圧を弱めると鋼板表面の残存めっき液量が増加
し、強めると減少する。絞り条件も表1に記載した。
【0017】また、比較のために、前記発明例7と同じ
条件でめっきした後、引続き水洗し、乾燥した鋼板(比
較例1)、リン酸およびリン酸亜鉛を含まない通常の電
気亜鉛めっき液を用いて、めっき後のめっき液残存量を
調整した後乾燥した鋼板(比較例2)、リン酸およびリ
ン酸亜鉛を含まない通常の電気亜鉛めっき液を用いた電
気亜鉛めっき後、通常のリン酸塩処理を施した鋼板(従
来例1)を作成した。
【0018】作成した鋼板について、リン酸亜鉛皮膜生
成の有無、亜鉛めっき量、リン酸亜鉛量、塗装密着性、
耐食性を調査した。耐食性は塗装後耐食性により評価し
た。
【0019】リン酸亜鉛皮膜生成の確認はX線回折によ
り行い、生成していたものを「○」、生成していないも
のを「×」と評価した。
【0020】X線回折による調査結果によると、生成さ
れたリン酸塩皮膜はリン酸亜鉛皮膜Hopeite(Z
3 (PO4 2 ・4H2 O)であることが確認でき
た。
【0021】リン酸亜鉛量の測定は蛍光X線定量法によ
った。亜鉛めっき量は合計亜鉛量からリン酸亜鉛中の亜
鉛量を差し引いて求めた。
【0022】塗装密着性、塗装後耐食性は、下記に示す
方法および判定基準で評価した。 1)塗装密着性試験方法および判定基準 塗装:市販塗料デリコン#700/30μm 密着性試験:2mmピッチで碁盤目カット後、エリクセ
ン試験で5mm押し出し加工を行い、加工部をテーピン
グ剥離試験した。 判定基準:100個の碁盤目を観察し、塗装剥離した碁
盤目数に応じて以下のように評価した。 0〜5:○、6〜20:△、21〜100:×
【0023】2)塗装後耐食性試験方法および判定基準 塗装:市販カチオン電着塗料(関西ペイント製GT−1
0)/20μm 耐食性試験:JIS−Z2371によるSST480時
間後の塗膜最大膨れ幅を測定した。 判定基準:最大膨れ幅の測定値に応じて、下記のように
評価した。 7mm未満:○、7mm以上15mm未満:△、15m
m以上:× 得られた結果を併せて表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、リン酸とリン酸
亜鉛を含有するめっき液でめっきを行い、水洗すること
なく乾燥して製造した発明例1〜10の鋼板では、リン
酸塩皮膜を有する亜鉛めっき鋼板が製造できている。リ
ン酸塩皮膜が生成しているため、塗装密着性と塗装後耐
食性はいずれも良好である。
【0026】一方、比較例1、2の鋼板では、リン酸塩
皮膜が生成していないために塗装密着性と塗装後耐食性
がいずれも不良である。
【0027】従来例1の鋼板では、塗装密着性と塗装後
耐食性はいずれも良好である。上記結果によると、発明
例の鋼板のいずれもが従来例1の通常のリン酸塩処理材
と同等の特性を有していることを示している。
【0028】なお、本実施例においては、最も基本的な
リン酸とリン酸亜鉛とのめっき液の例のみを示したが、
当然このめっき液に可溶な成分、例えばリン酸ニッケル
やリン酸鉄等を添加した亜鉛合金めっきを行うことや、
シリカ、アルミナ等の分散粒子を添加して分散めっき等
を行うことも可能であり、この場合にも、本実施例と同
様の結果を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、電気亜鉛系めっき→乾
燥の2工程という単純な工程で、リン酸塩処理亜鉛めっ
き鋼板が製造できるので、製造設備が簡略化され、ま
た、処理も単純化できるので、製造コストを低減でき
る。更に、水洗工程が省略できるために廃液処理工程の
省略と廃液処理工程から発生する廃棄物の大幅削減が可
能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸とリン酸亜鉛とを含有するめっき
    液を用いて鋼板に電気めっきを行って亜鉛系めっき層を
    形成後、水洗せずにそのまま乾燥して前記亜鉛系めっき
    層の上にリン酸塩処理皮膜を形成することを特徴とする
    リン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
JP32304596A 1996-12-03 1996-12-03 リン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法 Pending JPH10158885A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005002373A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Nippon Steel Corp 表面外観に優れた電気亜鉛メッキ鋼板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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