JPH1015875A - 産業用ロボット - Google Patents

産業用ロボット

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JPH1015875A
JPH1015875A JP19526696A JP19526696A JPH1015875A JP H1015875 A JPH1015875 A JP H1015875A JP 19526696 A JP19526696 A JP 19526696A JP 19526696 A JP19526696 A JP 19526696A JP H1015875 A JPH1015875 A JP H1015875A
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JP
Japan
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arm
leaf spring
spring
industrial robot
gravity
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JP19526696A
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Akira Nihei
亮 二瓶
Takeshi Okada
毅 岡田
Hidetomo Kurebayashi
秀倫 榑林
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Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトで、しかも、バランス機構にケー
ブルを挟み込む心配のない産業用ロボットを提供するこ
と。 【解決手段】 重力を原因とするW軸の周りの回転モー
メントが零となるときに重ネ板バネ8が自然状態に復帰
するように、第1アーム4および旋回胴3の各々に重ネ
板バネ8の両端を取り付けて、重力によるW軸周りの回
転モーメントの変動を吸収させ、W軸のサーボモータM
wに無駄な負荷が作用するのを防止する。重ネ板バネ8
を第1アーム4および旋回胴3に内装して取り付けるこ
とにより産業用ロボット1をコンパクト化する。重ネ板
バネ8の採用によりバランス機構から伸縮機構をなく
し、ケーブル等の挟み込みをなくす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用ロボットの
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】アームの姿勢変化と重力の影響で回転軸
の周りに生じる回転モーメントの変動を相殺するための
バランス機構を備えた垂直多関節型ロボットとして、油
圧や空気圧を用いたもの(特開昭63−191587号
等)が周知である。しかし、これらのものには、圧力源
や配管設備が不可欠となって装置の規模が大掛かりにな
る欠点があった。また、ガスを封入したシリンダを利用
して外部の圧力源を不要としたものも提案されている
が、アームの揺動によってシリンダ内のガスが頻繁に圧
縮されるため、発熱現象が生じるといった問題があり、
ガス抜けの心配もある。
【0003】そこで、このような問題を解消するため、
単数または複数のコイルスプリングを利用してバランス
機構を構成したもの(特開平1−109087号等)が
提案されている。しかし、コイルスプリングを利用して
アームの姿勢変化と重力の影響による回転モーメントの
変動に対抗する回転モーメントを発生させるためには、
コイルスプリングが有する直線方向の押圧力や引っ張り
力を回転モーメントに変換するための手段、つまり、モ
ーメントの腕となるレバー等を回転軸に装着する必要が
ある。要するに、コイルスプリングを回転軸からオフセ
ットした位置に離間して装着する必要があるわけで、産
業用ロボットの小形化の妨げとなる。また、レバー状の
腕に代えて、端部を固着したコイルスプリングを巻回し
たプーリを利用する場合もあるが、この場合も、プーリ
の半径がモーメントの腕として利用されているに過ぎ
ず、コイルスプリングを回転軸からオフセットする必要
がある点では前記と同様であり、やはり、産業用ロボッ
トの小形化の妨げとなる問題がある。
【0004】更に、コイルスプリングを利用した場合で
は、アームの姿勢変化によってスプリングの伸び状態が
様々に変化するため、スプリングが伸びた時にそのピッ
チ間に周辺機器のケーブル等が挟み込まれるといった可
能性があり、そのような場合には、ケーブルが損傷した
り、または、コイルスプリング自体が元の全長に復帰で
きなくなったりするという危険がある。そして、このよ
うな問題を解消するためにはスプリングをカバーするた
めのパイプ等が必要となり、製造コストの増大に繋が
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のものに比べて一層コンパクトで、しかも、バランス機
構にケーブルを挟み込む心配のない産業用ロボットを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アームの姿勢
変化と重力の影響で回転軸の周りに生じる回転モーメン
トの変動を相殺するためのバランス機構を板バネによっ
て構成したことを特徴とする構成により前記目的を達成
した。板バネには伸縮する空間がないので、ケーブルの
挟み込みや巻き込みを生じる危険がない。
【0007】更に、枚数調整可能な重ネ板バネを採用す
ることにより、回転軸の周りに生じる回転モーメントの
変動特性に合わせ、これを相殺するために最適なバネ特
性が得られるようにする。
【0008】板バネの両端部は、重力による回転モーメ
ントが零となるときに板バネが自然状態に復帰するよう
に、アーム、および、アームに接続する基部側の部材の
各々に固定する。
【0009】また、板バネを屈曲させた場合には、その
表裏に伸びと縮みが同時に発生し、板バネの厚みが大き
な場合、つまり、伸びと縮みの差が大きな場合には、板
バネ自体に破断や座屈が生じる恐れがある。そこでこの
ような問題を解消するため、重ネ板バネを使用し、前記
アーム、または、前記回転軸を介して前記アームに接続
する基部側の部材のいずれか一方に重ネ板バネの一端を
固定する一方、前記重ネ板バネの他端を残る前記基部側
の部材または前記アームに設けられた嵌合部に摺動およ
び回転可能に係合させ、前記アームの揺動によって生じ
る前記固定部と嵌合部との相対的な位置変化に応じ、前
記嵌合部に沿って前記各々の板バネの他端を個別に滑動
させるような構成を適用する。各々の板バネの厚みが薄
くなるので、板バネを大きく屈曲させても表裏の伸び縮
みの差が少なくて済み、板バネを単体で構成した場合、
および、板バネの両端を固定した場合に比べ、より大き
な屈曲動作が可能となる。また、重ネ板バネを使用した
場合ほどではないが、単一の板バネを使用した場合に
も、板バネの一端を嵌合部に対して摺動および回転可能
に取り付けることにより、板バネの金属疲労を防止して
耐久性を向上させる効果がある。
【0010】また、板バネはそれ自体を屈曲させようと
する外力に抗して曲げ弾性エネルギーを発生させるの
で、コイルスプリングの場合とは相違し、直線方向の押
圧力や引っ張り力を回転モーメントに変換するための腕
を必要としない。従って、腕の長さが零の状態で回転軸
を横切るように板バネを配備した場合でも、アームの姿
勢変化と重力の影響で生じる回転モーメントを相殺する
ための曲げ弾性エネルギーを発生させることができる。
これは、回転軸のある関節部分を貫通させ、産業用ロボ
ットの内部にバランス機構を配備できるということを意
味する。そこで、このような板バネの特性を利用して産
業用ロボットを一層コンパクト化するための手段とし
て、重力による回転モーメントが零となるときに板バネ
が自然状態に復帰するように、アーム、および、アーム
に接続する基部側の部材の各々の内部に板バネの両端部
を取り付けた構成、要するに、回転軸のある関節部分を
貫通させて板バネを取り付けた構成を提案する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1は本発明の構成を適用した一
実施形態の産業用ロボット1の主要部を側面から示す概
念図、また、図2は同実施形態の産業用ロボット1の主
要部を正面から示す概念図である。
【0012】図1および図2に示す通り、産業用ロボッ
ト1の本体部は、概略において、据え付け用のベース2
と、該ベース2上に取り付けられた旋回胴3、水平方向
に配備された回転軸Wを介して旋回胴3に揺動自在に取
り付けられた第1アーム4、および、第1アーム4の先
端に配備された水平方向の回転軸Uを介して揺動自在に
取り付けられた第2アーム5により構成されている。
【0013】Mθはベース2に対しθ軸を中心として旋
回胴3を回転させるための減速機付サーボモータ、ま
た、Mwは旋回胴3に対しW軸を中心として第1アーム
4を回転させるための減速機付サーボモータである。M
uはカウンターウェイト部6を回転させることにより第
2アーム5をU軸回りに回転させる減速機付モータであ
る。更に、第2アーム5の基部5aには、アーム5の先
端に取り付けられた手首5bをγ,βの各軸の周りに回
転駆動するためのサーボモータMγ,Mβや、手首5b
におけるエンドエフェクタ装着部5cをα軸の周りに回
転駆動するためのサーボモータMα、および、それらの
減速機等が設けられている。
【0014】更に、旋回胴3に回動自在に軸支されたカ
ウンターウェイト部6と第2アーム5の基部5aとの間
には、第2アーム5の姿勢を保持するためのサポートリ
ンク7が枢着され、該サポートリンク7と第1アーム4
ならびにカウンターウェイト部6と前記基部5aとで平
行リンク機構を構成する。このため、第2アーム5とそ
の付加物は、第1アーム4に対してU軸の位置から鉛直
下方向きの荷重のみを作用させ、モーメントは作用させ
ない。
【0015】従って、図1に示されるような産業用ロボ
ット1の基準姿勢、つまり、W軸が鉛直となった姿勢で
は、W軸の周りの回転モーメントが零となり、サーボモ
ータMwには負荷が全く作用していないということにな
る。
【0016】この状態から第1のアーム4を反時計方向
に揺動すれば前述のバランスが崩れ、図3に示す通り、
重力の影響によってW軸の周りに反時計方向の回転モー
メントが作用し、また、図1の状態から第1のアーム4
を時計方向に揺動すれば、図4に示す通り、重力の影響
によってW軸の周りに時計方向の回転モーメントが作用
することになる。
【0017】つまり、W軸は水平方向に配備された回転
軸であり、かつ、該回転軸の周りに揺動する第1のアー
ム4の姿勢変化と重力の影響とによって回転軸の周りの
回転モーメントに変化を生じる回転軸であって、重力に
よる回転モーメントが零となるのは、既に述べた通り、
図1のようにW軸が鉛直になったときである。
【0018】そこで、この実施形態においては、産業用
ロボット1が図1に示すような基準姿勢にあるときに、
バランス機構となる重ネ板バネ8が自然状態に復帰し、
しかも、第1のアーム4が反時計方向に揺動したときに
W軸の周りに時計方向の回転モーメントを発生し、か
つ、第1のアーム4が時計方向に揺動したときにW軸の
周りに反時計方向の回転モーメントを発生するように、
該重ネ板バネ8の取り付けを行う。
【0019】重ネ板バネ8は、複数の板バネ8aを滑動
自在に重合して構成したものであって、図1および図2
に示すように、W軸を介して第1のアーム4に接続する
旋回胴3と第1のアーム4との間に、W軸を横切るよう
にして、第1のアーム4および旋回胴3に内装して取り
付けられている。
【0020】W軸駆動用のサーボモータMwは、図2に
示す通り、旋回胴3の外側に取り付けられ、アーム4の
外側に固設されたシャフトに駆動力を与えてアーム4を
揺動させるるように設計されている。つまり、W軸に相
当するシャフトはアーム4の外側に設けられているので
あって、アーム4および旋回胴3内には、重ネ板バネ8
と干渉するような部材は一切存在しない。
【0021】重ネ板バネ8の一端は、図1および図2に
示すように、一対のL型クランプ9によって表裏を挟持
され、クランプ9同志を締結するボルトによって該クラ
ンプ9に一体的に固定され、また、クランプ9自体は、
旋回胴3の内部に一体的に設けられたクランプ取り付け
面10にボルトで固定されている。板バネ8aの重合枚
数を変えて重ネ板バネ8の厚みを調整する場合があるの
で、少なくとも一方のクランプ9に関しては、図1の左
右方向に移動可能で、かつ、任意位置の各々でクランプ
取り付け面10に対して確実に固定できる必要がある。
【0022】従って、クランプ9側のボルト通し穴を長
穴とし、クランプ取り付け面10側に雌ネジを刻設して
クランプ9の取り付け位置の微調整に対処する。また、
クランプ9の取り付け位置を板バネ8aの最大重合枚数
に合わせて設計すると共に、板バネ8aの1枚の厚みに
匹敵し、かつ、クランプ9の投影面と同等の面積を有す
る矩形の鋼板を予め複数枚準備しておき、板バネ8aの
枚数を減らした際のダミーとして利用するようにしても
よい。
【0023】また、重ネ板バネ8の他端は、図1および
図2に示す通り、第1アーム4内に平行して固設された
2本のピン11,11によって表裏から挟持されるよう
なかたちで支承されている。但し、2本のピン11,1
1の間隔は重ネ板バネ8の厚みよりも僅かに大きくなる
ように設計されており、重ネ板バネ8が2本のピン1
1,11に同時に接触することはない。2本のピン1
1,11の間隔は、図3および図4に示されるように、
ピン11,11を含む平面の法線が重ネ板バネ8の中立
軸に対して或る程度の角度を持った場合であっても、つ
まり、前記平面によって切られる重ネ板バネ8の見掛け
上の厚みが肥大した場合であっても、重ネ板バネ8が2
本のピン11,11に同時に接触することがないように
設定されている。
【0024】更に、ピン11,11の外周に回転自在な
スリーブ等を環装することにより、嵌合部であるピン1
1,11に対する重ネ板バネ8の滑動が一層容易になる
ようにしてもよい。
【0025】図1と図3または図1と図4を比較すれば
わかるように、第1アーム4が揺動するとクランプ9に
対してピン11,11が相対的に接近する。無論、第1
アーム4の揺動に伴って重ネ板バネ8に屈曲が生じ、そ
の見掛け上の全長も短縮されるのだが、クランプ9に対
してピン11,11が接近する度合いが前述の全長の短
縮に比べて大きく作用するので、図3または図4に示す
通り、結果的に、第1アーム4の揺動に応じてピン1
1,11から上方に食み出す重ネ板バネ8の突出量が大
きくなる。
【0026】ピン11,11に対して重ネ板バネ8の滑
動を自在とするのは、ピン11,11に対する重ネ板バ
ネ8の突出量が規制されて重ネ板バネ8自体に無理な屈
曲が生じるのを防止するため、要するに、重ネ板バネ8
の屈曲をより自然な状態に近付けて、屈曲の繰り返しに
よって生じる金属疲労の進行を遅らせるためである。
【0027】ピン11,11と重ネ板バネ8との間に或
る程度の間隙を設けて重ネ板バネ8の先端部の回転を自
在とするのも、これと同じ理由、つまり、余計な拘束を
なくし、重ネ板バネ8の屈曲をより自然な状態に近付け
て金属疲労の進行を遅らせるためである。
【0028】無論、重ネ板バネ8の先端をピン11,1
1の側に完全に固定したとしても、重力と第1のアーム
4の姿勢変化によってW軸の周りに生じる回転モーメン
トの変化を重ネ板バネ8の弾性力で相殺するといった所
期の目的は達成され得るが、重ネ板バネ8の先端を完全
に固定した場合には、重ネ板バネ8に無理な屈曲が生
じ、特に、重ネ板バネ8を拘束する両端部で強力な曲げ
力が作用して重ネ板バネ8が不自然に屈曲するので、そ
の一端を完全な自由状態にした場合と比べると、金属の
疲労が早くなることは否めない。
【0029】図3および図4に示す通り、W軸を中心と
する第1アーム4の揺動角度が大きくなって重力による
W軸周りの回転モーメントが増大するにつれ、重ネ板バ
ネ8の屈曲変位も増大し、重力によるW軸周りの回転モ
ーメントに背反する方向で弾性復帰力を発揮するので、
W軸の揺動可能範囲のほぼ全領域に亘って、これら2つ
のモーメントの和を零に近い状態に維持することがで
き、この結果、サーボモータMwに作用する無駄な外力
も減って、負荷の軽減や電力の節約に繋がる。
【0030】W軸から先の揺動部分の全体的なスパンは
第1のアーム4を反時計方向に揺動した場合よりも時計
方向に揺動した場合の方が長くなるので、一見すると、
重力によって生じるW軸周りのモーメントも図3の状態
よりも図4の状態の方が大きくなっているように見える
が、実際には、第2アーム5とその付加物の荷重は全て
U軸を質点として作用しているので、問題となるのはW
軸とU軸との間のスパン、および、垂直軸に対する第1
アーム4の傾きであって、第1アーム4に対する第2ア
ーム5の姿勢変化、要するに、第1アーム4と第2アー
ム5とが図3のように大きく屈折しているかとか、第1
アーム4と第2アーム5とが図4のように伸びきってい
るかとかいったことは、重力に起因して生じる回転モー
メントの変化とは全く関係がない。
【0031】既に述べた通り、重ネ板バネ8の全体的な
厚み、要するに、重ネ板バネ8の屈曲によって生じる弾
性復帰力の大きさは、板バネ8aの枚数を変えることに
よって自由に調整できるので、第2アーム5に装着する
エンドエフェクタの重さや、それによって搬送される物
品の重量等に応じ、常に最適のバネ特性を得ることがで
きる。
【0032】また、重ネ板バネ8は、一端のみを相互に
固定された複数の板バネ8aを重合して構成し、その全
体がピン11,11に対して滑動自在であると共に、薄
く形成された個々の板バネ8a同志も相互に滑動自在で
あるから、全体が大きく屈曲された場合であっても、個
々の板バネ8aの表裏に無理な引っ張り力や圧縮力が作
用することはなく、厚みの大きな単一の板バネを利用し
た場合とは相違し、座屈や破断といった損傷が発生する
心配もない。
【0033】また、個々の板バネ8aの厚みは全て均一
にするといった必要はなく、最低限必要とされる反発力
を発生させるための厚手のものと弾性力微調整用の薄手
のものを混合して用いたり、更には、様々な厚みのもの
を多数種用意し、これらの板バネ8aを恰もブロックゲ
ージのように組み合わせて、所望するバネ特性を得るよ
うにしてもよい。
【0034】バランス機構となるバネを第1アーム4お
よび旋回胴3に内装して取り付けることができるのは、
屈曲によって弾性エネルギーを蓄える重ネ板バネ8をバ
ランス機構として採用しているからである。エアシリン
ダやコイルスプリングが蓄えるエネルギーは飽くまで直
線方向に作用する力であるから、これを回転運動のエネ
ルギーとして利用するためには、エアシリンダやコイル
スプリングを引っ掛けるためのレバーやプーリをW軸に
取り付けて、エアシリンダやコイルスプリングの力が働
く作用点をW軸から半径方向に離間させて回転モーメン
トを発生させる必要があり、実際問題として、これらの
装備を第1アーム4および旋回胴3に内装するのは殆ど
不可能である。また、もし可能であったとしても、レバ
ーのスパンやプーリの半径を大きくとることができず、
重力と姿勢変化によって生じる回転モーメントの変動を
相殺する程の反力を発生させることはできないし、コイ
ルスプリングのピッチの伸長や圧縮によって内部のケー
ブルが挟み込まれるといった危険もある。
【0035】これに対し、重ネ板バネ8をバランス機構
として採用した本実施形態では、バランス機構を構成す
る装備一式を第1アーム4および旋回胴3に沿ってその
内部に容易に取り付けることができ、しかも、重ネ板バ
ネ8自体には伸縮する部分がないので、第1アーム4お
よび旋回胴3内部のケーブル類を重ネ板バネ8に沿って
這わせても、何の問題も生じない。
【0036】
【発明の効果】本発明の産業用ロボットは、重力とアー
ムの姿勢変化の影響で生じる軸周りの回転モーメントの
変動を吸収するバランス機構を板バネによって構成して
いるので、油圧や空気圧およびコイルスプリング等を利
用した場合とは相違し、直線方向の押圧力や引っ張り力
を回転モーメントに変換するための腕やプーリ等を必要
とせず、バランス機構の構成要素の全てを産業用ロボッ
トに内装して取り付けることができ、油圧や空気圧およ
びコイルスプリング等を利用してバランス機構を構成し
た従来の産業用ロボットに比べ、産業用ロボット全体の
大きさをコンパクト化することができる。
【0037】また、バランス機構の構成部材に伸縮動作
をするものが含まれていないのでバランス機構を隔離す
るためのカバー部材等を設ける必要がなく、しかも、バ
ランス機構に沿って直に各種ケーブル等を這い回しても
ケーブルの挟み込み等による断線やバランス機構側の動
作不良が発生することがない。
【0038】更に、枚数調整可能な重ネ板バネを採用し
ているので、回転軸の周りに生じる回転モーメントの変
動特性に合わせ、最適なバネ特性が得られるようにバラ
ンス機構を調整することができる。
【0039】また、バランス機構を構成する板バネの一
端を嵌合部に対して摺動および回転可能に支承すること
により、板バネの姿勢を規制しないようにして屈曲動作
を行わせるようにしているので、屈曲動作の繰り返しに
よる板バネの金属疲労を最小限度に抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の産業用ロボットの主要部
を側面から示す概念図である。
【図2】同実施形態の産業用ロボットの主要部を正面か
ら示す概念図である。
【図3】同実施形態の産業用ロボットの姿勢変化の一例
を示す概念図である。
【図4】同実施形態の産業用ロボットの姿勢変化の一例
を示す概念図である。
【符号の説明】
1 産業用ロボット 2 ベース 3 旋回胴 4 第1アーム 5 第2アーム 5a 第2アームの基部 5b 手首 5c エンドエフェクタ装着部 6 カウンターウェイト部 7 サポートリンク 8 重ネ板バネ 8a 板バネ 9 L型クランプ 10 クランプ取り付け面 11 ピン Mθ 減速機付サーボモータ Mw 減速機付サーボモータ Mα 減速機付サーボモータ Mβ 減速機付サーボモータ Mγ 減速機付サーボモータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向に配備された回転軸の周りに揺
    動するアームの姿勢変化と重力の影響で前記回転軸の周
    りに生じる回転モーメントの変動を相殺するためのバラ
    ンス機構を備えた産業用ロボットにおいて、前記バラン
    ス機構を板バネによって構成したことを特徴とする産業
    用ロボット。
  2. 【請求項2】 前記板バネが枚数調整可能な重ネ板バネ
    によって形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の産業用ロボット。
  3. 【請求項3】 重力による回転モーメントが零となると
    きに前記板バネが自然状態に復帰するように、前記アー
    ム、および、前記回転軸を介して前記アームに接続する
    基部側の部材の各々に、前記板バネの両端部を固定して
    取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の産業用ロボット。
  4. 【請求項4】 重力による回転モーメントが零となると
    きに前記板バネが自然状態に復帰するように、前記アー
    ム、または、前記回転軸を介して前記アームに接続する
    基部側の部材のいずれか一方に前記板バネの一端を固定
    する一方、前記板バネの他端を残る前記基部側の部材ま
    たは前記アームに設けられた嵌合部に摺動および回転可
    能に係合させ、前記アームの揺動によって生じる前記固
    定部と嵌合部との相対的な位置変化に応じ、前記嵌合部
    に沿って前記板バネの他端を滑動させるようにしたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の産業用ロボ
    ット。
  5. 【請求項5】 前記板バネを前記アームおよび前記基部
    側の部材の内側に取り付けるようにしたことを特徴とす
    る請求項3または請求項4記載の産業用ロボット。
JP19526696A 1996-07-08 1996-07-08 産業用ロボット Withdrawn JPH1015875A (ja)

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