JP7346023B2 - 多関節ロボット - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態1に係る多関節ロボットの構成の一例を模式的に示す側面図である。
図1を参照すると、実施形態1の多関節ロボット100は、ロボットアーム4と、バランサ13と、を備える。多関節ロボット100は、例えば、垂直多関節ロボットで構成される。
ロボットアーム4は、複数のリンクと、複数のリンクにおける互いに隣接する一対のリンクをそれぞれの回動軸線AS,AL,AUの周りに相対的に回動可能に連結する1以上の関節と、を含む。
バランサは、1以上の関節のうちの所定の回動軸線を有する関節によって当該所定の回動軸線の周りに回動可能に連結された一対のリンクの間に設けられる。本実施形態では、バランサ13は、旋回部2と下腕部3aとの間に設けられ、下腕部3aにロボットアーム4の自重による下腕回動軸線AL周りの負荷モーメント(重力モーメント)に抗する重力対抗モーメントを発生させる。
板バネ11は、一方の端部11aが、適宜な固定構造によって、下腕部3aに固定されている。板バネ11の長さは、他方の端部11bが旋回部2上に位置するような長さに設定(設計)される。板バネ11の厚さ、幅、及び弾性係数は、所定程度に曲がった場合に、下腕部3aに十分な重力対抗モーメントを発生させることができるように設定(設計)される。板バネ11の材料として、公知の板バネ用の材料を用いることができる。そのような材料として、ばね用冷間圧延鋼帯が例示される。板バネ11は、ばね材料からなる単一の板状の部材であってもよく、ばね材料からなる板状の素材を厚み方向に積層してなる部材であってもよい。
規制部材12は、例えば、下腕部3aの側面に突設された円柱状のピンで構成されている。一対の規制部材12は、所定の態様で設けられている。この所定の態様とは、一対の規制部材12が、板バネ11の他方の端部11bの両側に隙間を有して設けられていて、下腕部3aが、基準回動角度から下腕回動軸線ALの周りに前方又は後方に不動作回動角範囲θRを超えて回動した場合に、一対の規制部材12の一方又は他方が板バネ11の他方の端部11bに当接し、それによって板バネ11が重力対抗モーメントを下腕部3aに発生させるよう弾性変形する態様である。「基準回動角」とは、下腕部3aが、基準姿勢にある場合の回動角を意味する。「不動作回動角範囲θR」は、バランサ(ここではバランサ13)が、重力対抗モーメントを先端側リンク(ここでは、下腕部3a)に発生させない先端側リンクの回動角範囲を意味し、先端側リンクの動作等を考慮して適宜設定される。不動作回動角範囲θRは、例えば、第2関節を駆動するモータだけで重力モーメントを相殺することができる下腕部3aの回動角の範囲に設定される。また、不動作回動角範囲θRは、ここでは、基準回動角を含む範囲に設定される。
次に、以上のように構成された多関節ロボット100の動作を説明する。図2(A)は、図1の多関節ロボット100のアーム部3が下腕回動軸線ALの周りに前方に回動した状態を模式的に示す側面図、図2(B)は、図1の多関節ロボット100のアーム部3が下腕回動軸線ALの周りに後方に回動した状態を模式的に示す側面図である。
変形例1は、実施形態1において、バランサ13が、下腕部3aの基準回動角から前方及び後方のうちのいずれか一方への回動についてのみ重力対抗モーメントを発生させる形態を例示するものである。
変形例2では、実施形態1又は変形例1において、板バネ11の一方の端部11aが旋回部2に固定され、一対の規制部材12又は1つの規制部材12が下腕部3aに設けられる。
図3は、本発明の実施形態2に係る多関節ロボット200の構成の一例を模式的に示す側面図であり、図3(A)は、多関節ロボット200が基準姿勢にある状態を示す図、図3(B)は、多関節ロボット200のアーム部3が下腕回動軸線ALの周りに前方に回動した状態を模式的に示す側面図である。なお、図3~図6では、多関節ロボット200~500の基部が省略され、且つ、各リンクが簡略化されて示されている。
変形例3は、実施形態2において、バランサ13が、下腕部3aの基準回動角から前方又は後方への回動についてのみ重力対抗モーメントを発生させる形態を例示するものである。
変形例4では、実施形態2又は変形例3において、捻りコイルバネ11の一方の端部11aが下腕部3aに固定され、一対の規制部材12又は1つの規制部材12が旋回部2に設けられる。
図4は、本発明の実施形態3に係る多関節ロボット300の構成の一例を模式的に示す側面図であり、図4(A)は、多関節ロボット300が基準姿勢にある状態を示す図、図4(B)は、多関節ロボット300のアーム部3が下腕回動軸線ALの周りに前方に回動した状態を模式的に示す側面図である。
変形例5では、実施形態3において、渦巻きコイルバネ11の一方の端部11aが下腕部3aに固定され、規制部材12が旋回部2に設けられる。
図5は、本発明の実施形態4に係る多関節ロボット400の構成の一例を模式的に示す側面図である。
変形例6では、実施形態4において、渦巻きコイルバネ11の一方の端部11a及び渦巻きコイルバネ21の一方の端部21aが下腕部3aに固定され、規制部材12及び規制部材22が旋回部2に設けられる。
図6は、本発明の実施形態5に係る多関節ロボット500の構成の一例を模式的に示す側面図であり、図6(A)は、バランサ31の圧縮弾性体34が圧縮コイルバネである場合の図、図6(B)は、バランサ31の圧縮弾性体34がゴム状弾性体である場合の図である。
変形例7では、実施形態5において、ピストンロッド33bの基端部が、下腕部3aが基準回動角に位置する場合において、シリンダ32の中心軸CLが下腕回動軸線ALに直交する位置から外れるように下腕部3aに回動自在に取り付けられる。また、圧縮弾性体34と押圧部材33aとの隙間が、下腕部3aが、前方又は後方に所定の不動作回動角範囲θRの限度まで回動した場合に、押圧部材33aが圧縮弾性体34に当接するように設定(設計)される。
図7は、本発明の実施形態6に係る多関節ロボット600の構成の一例を模式的に示す側面図である。
実施形態2~5のいずれかにおいて、実施形態6のバランサ43と同様に、旋回部2と下腕部3aとの間に設けられたバランサ13と同様のもう1つのバランサを、下腕部3aと上腕部3bとの間に設けてもよい。
2 旋回部
3 アーム部
3a 下腕部
3b 上腕部
4 ロボットアーム
10,20 固定部材
11 弾性部材、板バネ、捻りコイルバネ、渦巻きコイルバネ
11a 一方の端部
11b 他方の端部
12 当接部材、規制部材
23 バランサ
31 バランサ
32 シリンダ
33 ピストン
33a 押圧部材
33b ピストンロッド
34 圧縮弾性体
41 板バネ
42 規制部材
43 バランサ
100,200,300,400,500,600 多関節ロボット
AL 下腕回動軸線
CL 中心線
RL 基準線
θR 不動作回動角範囲
Claims (6)
- 複数のリンクと、前記複数のリンクにおける互いに隣接する一対のリンクをそれぞれの回動軸線の周りに相対的に回動可能に連結する1以上の関節と、各前記関節を駆動するモータと、を含むロボットアームと、
前記1以上の関節のうちの所定の回動軸線を有する関節によって当該所定の回動軸線の周りに回動可能に連結された一対のリンクの間に設けられ、当該一対のリンクのうちの先端に近い先端側リンクに前記ロボットアームの自重による前記所定の回動軸線周りの負荷モーメントに抗する重力対抗モーメントを発生させるバランサと、を備え、
前記バランサは、前記一対のリンクのうちの先端から遠い基端側リンク又は前記先端側リンクに一方の端部が直接又は間接に取り付けられ且つ長軸方向に延びる弾性部材としての板バネと、前記先端側リンク又は前記基端側リンクに設けられ、前記板バネの他方の端部に当接する少なくとも1つの規制部材と、を備え、前記先端側リンクが所定の基準姿勢にある場合の前記所定の回動軸線の周りの回動角である基準回動角から少なくとも一方への回動の角度範囲である不動作回動角範囲を超えて当該先端側リンクが前記少なくとも一方へ回動した場合に、前記少なくとも1つの規制部材が前記板バネの前記他方の端部に当接し、それによって前記板バネが前記重力対抗モーメントを前記先端側リンクに発生させるよう弾性変形するように構成されており、
前記先端側リンクが前記基準姿勢にある場合において、前記板バネが前記先端側リンクの延在方向に延在するとともに主面が前記所定の回動軸線に平行であるように前記一方の端部が前記先端側リンク又は前記基端側リンクに固定され、前記少なくとも1つの規制部材が前記板バネの他方の端部の少なくとも一方の側に隙間を有して設けられ、
前記少なくとも1つの規制部材が、前記先端側リンクが前記不動作回動角範囲を超えて前記少なくとも一方に回動した場合に、前記少なくとも1つの規制部材が前記板バネの前記他方の端部に当接し、それによって前記板バネが前記重力対抗モーメントを前記先端側リンクに発生させるよう弾性変形するように構成され、
前記不動作回動角範囲は、前記モータが前記ロボットアームの自重による前記所定の回動軸線周りの負荷モーメントを相殺できる回動角範囲である、多関節ロボット。 - 複数のリンクと、前記複数のリンクにおける互いに隣接する一対のリンクをそれぞれの回動軸線の周りに相対的に回動可能に連結する1以上の関節と、各前記関節を駆動するモ
ータと、を含むロボットアームと、
前記1以上の関節のうちの所定の回動軸線を有する関節によって当該所定の回動軸線の周りに回動可能に連結された一対のリンクの間に設けられ、当該一対のリンクのうちの先端に近い先端側リンクに前記ロボットアームの自重による前記所定の回動軸線周りの負荷モーメントに抗する重力対抗モーメントを発生させるバランサと、を備え、
前記バランサは、前記一対のリンクのうちの先端から遠い基端側リンク又は前記先端側リンクに一方の端部が直接又は間接に取り付けられた弾性部材としての捻りコイルバネと、前記先端側リンク又は前記基端側リンクに設けられ、前記捻りコイルバネの他方の端部に当接する少なくとも1つの規制部材と、を備え、前記先端側リンクが所定の基準姿勢にある場合の前記所定の回動軸線の周りの回動角である基準回動角から少なくとも一方への回動の角度範囲である不動作回動角範囲を超えて当該先端側リンクが前記少なくとも一方へ回動した場合に、前記少なくとも1つの規制部材が前記捻りコイルバネの前記他方の端部に当接し、それによって前記捻りコイルバネが前記重力対抗モーメントを前記先端側リンクに発生させるよう弾性変形するように構成されており、
前記先端側リンクが前記基準姿勢にある場合において、前記捻りコイルバネの一方の端部が、前記捻りコイルバネの中心軸が前記所定の回動軸線に平行であるように前記基端側リンク又は前記先端側リンクに固定され、前記少なくとも1つの規制部材が前記捻りコイルバネの他方の端部の少なくとも一方の側に隙間を有して設けられ、
前記少なくとも1つの規制部材が、前記先端側リンクが前記不動作回動角範囲を超えて前記少なくとも一方に回動した場合に、前記少なくとも1つの規制部材が前記捻りコイルバネの前記他方の端部に当接し、それによって前記捻りコイルバネが前記重力対抗モーメントを前記先端側リンクに発生させるよう弾性変形するように設けられ、
前記不動作回動角範囲は、前記モータが前記ロボットアームの自重による前記所定の回動軸線周りの負荷モーメントを相殺できる回動角範囲である、多関節ロボット。 - 複数のリンクと、前記複数のリンクにおける互いに隣接する一対のリンクをそれぞれの回動軸線の周りに相対的に回動可能に連結する1以上の関節と、各前記関節を駆動するモータと、を含むロボットアームと、
前記1以上の関節のうちの所定の回動軸線を有する関節によって当該所定の回動軸線の周りに回動可能に連結された一対のリンクの間に設けられ、当該一対のリンクのうちの先端に近い先端側リンクに前記ロボットアームの自重による前記所定の回動軸線周りの負荷モーメントに抗する重力対抗モーメントを発生させるバランサと、を備え、
前記バランサは、前記一対のリンクのうちの先端から遠い基端側リンク又は前記先端側リンクに一方の端部が直接又は間接に取り付けられた弾性部材としての渦巻きコイルバネと、前記先端側リンク又は前記基端側リンクに設けられ、前記渦巻きコイルバネの他方の端部に当接する1つの規制部材と、を備え、前記先端側リンクが所定の基準姿勢にある場合の前記所定の回動軸線の周りの回動角である基準回動角から少なくとも一方への回動の角度範囲である不動作回動角範囲を超えて当該先端側リンクが前記少なくとも一方へ回動した場合に、前記1つの規制部材が前記渦巻きコイルバネの前記他方の端部に当接し、それによって前記渦巻きコイルバネが前記重力対抗モーメントを前記先端側リンクに発生させるよう弾性変形するように構成されており、
前記先端側リンクが前記基準姿勢にある場合において、前記渦巻きコイルバネの一方の端部が、前記渦巻きコイルバネの中心軸が前記所定の回動軸線に一致するように前記基端側リンク又は前記先端側リンクに固定され、前記1つの規制部材が前記渦巻きコイルバネの他方の端部に隙間を有して設けられ、
前記1つの規制部材が、前記先端側リンクが前記不動作回動角範囲を超えて前記少なくとも一方としての一方に回動した場合に、前記1つの規制部材が前記渦巻きコイルバネの前記他方の端部に当接し、それによって前記渦巻きコイルバネが前記重力対抗モーメントを前記先端側リンクに発生させるよう弾性変形するように設けられ、
前記不動作回動角範囲は、前記モータが前記ロボットアームの自重による前記所定の回
動軸線周りの負荷モーメントを相殺できる回動角範囲である、多関節ロボット。 - 前記ロボットアームが、固定対象物に固定される前記リンクである基部と、旋回軸線の周りに回動可能に前記基部に連結された前記基端側リンクである旋回部と、前記所定の回動軸線であって前記旋回軸線に垂直な下腕回動軸線の周りに回動可能に前記旋回部に連結された前記先端側リンクである下腕部と、を含み、
前記バランサが、前記旋回部と前記下腕部との間に設けられ、且つ前記重力対抗モーメントを前記下腕部に発生させるものであり、
前記弾性部材の前記一方の端部が前記旋回部又は前記下腕部に設けられており、
前記規制部材が、前記下腕部又は前記旋回部に設けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載の多関節ロボット。 - 前記基準姿勢は、前記下腕部が略鉛直な姿勢である、請求項4に記載の多関節ロボット。
- 前記ロボットアームが、固定対象物に固定される前記リンクである基部と、旋回軸線の周りに回動可能に前記基部に連結された前記リンクである旋回部と、前記旋回軸線に垂直な下腕回動軸線の周りに回動可能に前記旋回部に連結された前記基端側リンクである下腕部と、前記所定の回動軸線であって前記旋回軸線に垂直な上腕回動軸線の周りに回動可能に前記下腕部に連結された前記先端側リンクである上腕部と、を含み、
前記バランサが、前記下腕部と前記上腕部との間に設けられ、且つ前記重力対抗モーメントを前記上腕部に発生させるものであり、
前記弾性部材の前記一方の端部が前記下腕部又は前記上腕部に設けられており、
前記規制部材が、前記上腕部又は前記下腕部に設けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載の多関節ロボット。
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