JPH10158258A - 標的核酸の検出方法及び定量方法、及び化学発光分析に用いられるピリリウム化合物 - Google Patents

標的核酸の検出方法及び定量方法、及び化学発光分析に用いられるピリリウム化合物

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JPH10158258A
JPH10158258A JP27144397A JP27144397A JPH10158258A JP H10158258 A JPH10158258 A JP H10158258A JP 27144397 A JP27144397 A JP 27144397A JP 27144397 A JP27144397 A JP 27144397A JP H10158258 A JPH10158258 A JP H10158258A
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nucleic acid
target nucleic
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double
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JP27144397A
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Hisashi Okamoto
尚志 岡本
Nobuko Yamamoto
伸子 山本
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料中の標的核酸を感度よく検出し、また正
確に定量できる化学発光物質を利用した方法及び該方法
に好適に用い得る化学発光化合物を提供すること。 【解決手段】 二本鎖核酸に挿入可能な化学発光物質を
二本鎖核酸に挿入し、該二本鎖核酸に挿入される該化学
発光性物質の化学発光を検出し、あるいは測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学発光を利用した
標的核酸の検出方法及び定量方法、化学発光分析に用い
得るピリリウム化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品、犯罪掃査、農業等の様々な分野
で二本鎖核酸を検出する作業や、特定の遺伝子、すなわ
ち特定の塩基配列を有する一本鎖核酸を検出する作業が
日常的に行われるようになってきている(以降これら二
本鎖核酸や一本核酸を標的核酸と称する)。
【0003】試料中の二本鎖核酸を検出する手段として
は、例えばポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲ
ルを用いた電気泳動により二本鎖核酸を分離し、これ
を、二本鎖核酸の隣接する塩基対の間にインターカレー
トして蛍光の増強を示す性質を有する蛍光色素(例え
ば、EB:エチジウムブロマイド)で染色し、紫外線ラ
ンプを光源とするトランスイルミネーターで励起させ
て、発生する二本鎖核酸中の蛍光色素が出す蛍光を検出
する蛍光検出法がある。
【0004】また、溶液中の二本鎖核酸を同様に、蛍光
色素、例えばエチジウムブロマイド、ジアミジノフェニ
ルインドールジハイドロクロライド(DAPI)、ヘキ
スト33258等で染色して、その蛍光により検出する
ことも可能である。
【0005】二本鎖核酸に相互作用して蛍光が増強する
一般的な蛍光色素を用いて溶液中の二本鎖核酸を検出す
る問題点のひとつは検出感度が低い場合が多いことであ
る。蛍光検出法自体は、より一般的な比色法等に比べれ
ば高感度ではあるが、励起光に由来する漏れ光、また、
試料が液体であれば、溶媒分子からのラマン散乱光等、
蛍光測定法特有の問題点によって絶対的な感度の限界は
数nMであって、特に生体由来の微量、低濃度の二本鎖
核酸をそのまま検出可能な感度は有していない。
【0006】また、蛍光色素を用いる蛍光検出法におけ
る他の問題点は、蛍光色素が二本鎖核酸と相互作用して
いない遊離の状態でも紫外線照射により蛍光を発し、検
出時のバックグラウンドの上昇をもたらすことである。
このバックグラウンドの上昇もまた、検出感度の低減の
要因となる。
【0007】かかるバックグラウンドの上昇という問題
を解決手段として、特開平7−174759号公報(U
S Patent No.5624798)には、二本
鎖核酸と相互作用したときのみに蛍光を発する特定の構
造のピリリウム化合物を蛍光色素として用いる方法が開
示されており、この方法に検出感度の大幅な改善が可能
となり、蛍光検出法の実用性も大幅に向上した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バック
グラウンドを低下させて検出感度を向上させても、先に
挙げたような光の漏れやラマン散乱光の発生による蛍光
を利用する場合に特有の問題は十分には解決されておら
ず、検出感度を更に向上させる方法が求められている。
【0009】また特定の塩基配列を有する一本鎖核酸の
検出方法としては、例えば標識した核酸をプローブとし
て用いるいわゆる核酸プローブ法においては高感度を得
る方法として、ラジオアイソトープや生物発光法、ある
いは化学発光法を用いる方法が開発されてきている。
【0010】ラジオアイソトープ法による検出は、放射
性の原子(ラジオアイソトープ)を含む標識を用いるも
ので、原理的には支持体上に1分子(1コピー)の標的
核酸が存在すれば検出できるほどの感度を有している
が、特殊な施設を必要とする上に、作業に危険が伴うと
いう問題がある。また、ラジオアイソトープは不安定な
のでこれを標識として結合させたプローブ核酸を安定に
長期保存できないという問題もある。
【0011】これに対して、従来の化学発色法及び酵素
的発色法は、特殊な施設を必要とせず、また、比較的安
全に使用することができるので、より実用的な方法であ
るが、ラジオアイソトープ法に比べると感度が著しく低
く、生体試料から得られる核酸のように極微量でしか得
られない核酸の検出には十分対応できないものであっ
た。また、これらの方法で用いる標識物質を結合したプ
ローブ核酸も不安定で長期保存できない場合が多い。
【0012】本発明の目的は、試料中の標的核酸を感度
よく検出する方法を提供する点にある。また、本発明の
他の目的は、試料中の標的核酸を正確に定量する方法を
提供する点にある。更に本発明の他の目的は、化学発光
分析に用いる化合物を提供する点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明標的核酸の検出方
法は、試料中の標的核酸の検出方法であって、二本鎖核
酸と相互作用可能な化学発光性物質を該標的核酸を有す
る二本鎖核酸と相互作用させ、該二本鎖核酸と相互作用
した該化学発光性物質の化学発光を検出する工程を有す
ることを特徴とする。
【0014】本発明の標的核酸の定量方法は、試料中の
標的核酸の定量方法であって、二本鎖核酸と相互作用可
能な化学発光性物質を、二本鎖核酸に相互作用させ、該
二本鎖核酸と相互作用した該化学発光性物質の化学発光
の量を測定する工程を有する。
【0015】本発明の化学発光分析に用いる為のピリリ
ウム化合物は、下記式(1)で示される。
【0016】
【化46】 (上記式中XはO,S,Se又はTeであって、R1
2及びR3から選ばれる2つの置換基は置換もしくは未
置換のアリール基で有り、残りの置換基は、水素原子、
ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリル
基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シア
ノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、または置換も
しくは未置換のシクロアルキル基、または−Aもしくは
−L−Aであり、Lは−L1−、−L2−L3−または−
4−L5−L6−であり、L1〜L6はそれぞれ独立し
て、−(CH=CH)−、置換もしくは未置換のアリー
ル基から誘導される2価の基、置換もしくは未置換の低
級アルキレン基、または−CH=R4−(R4はオキソ基
を有する環構造を示す)を表し、Aは、置換もしくは未
置換のアリール基、−CH=R5(R5は、置換もしくは
未置換の複素環、置換もしくは未置換のシクロアルキル
基、又は置換もしくは未置換の芳香環を示す)を表し、
- はアニオンを示す。) 本発明によれば、標的核酸の検出感度が極めて高いため
標的核酸の増幅工程、例えばPCR法等を併用する必要
がない。また、二本鎖核酸の検出、定量には化学発光を
用いるので蛍光法における前述の問題点を解決できる。
【0017】また、化学発光性物質はハイブリタイゼー
ション後に加えてもよくプローブ核酸に予め結合させて
おく必要がない。そのためプローブ核酸を標識化したと
きに生じることがあるプローブ核酸の不安定化という問
題を回避できる。
【0018】化学発光性物質による二本鎖核酸の検出
を、化学発光性物質が前記二本鎖核酸に相互作用下にお
いて、または相互作用を通して初めて化学発光可能な状
態となる条件下で行うことで、二本鎖核酸を作用してい
ない化学発光性物質を反応系から除去する操作が不要と
なり、操作の簡便化が図れ、更にバックグラウンドが効
果的に低減された高感度での検出が可能となる。
【0019】これらの実施態様は、蛍光色素を用いる場
合の先に挙げた問題点、すなわち励起光に由来する漏れ
光やラマン散乱等の問題を解決して、高感度な二本鎖核
酸の検出を可能とする。例えば、これらの実施態様をフ
ォトカウンティング法と組み合わせることにより、二本
鎖核酸との相互作用を生じた化学発光性物質を1分子の
レベルからの検出への可能性を開くものとする。すなわ
ち、本発明によれば、二本鎖核酸の検出法における検出
感度を、例えば蛍光検出法等に比較して更に大幅に向上
させることが可能となる。
【0020】また、上記の実施態様における化学発光の
検出工程を二本鎖核酸と相互作用した化学発光性物質の
みが化学発光可能な条件下で行うことで、あるいは化学
発光性物質として二本鎖核酸との相互作用を通して初め
て化学発光を起す物質を用いることで、二本鎖核酸に相
互作用していない化学発光性物質を分離しなくてもバッ
クグラウンドもない極めて高感度(例えば、濃度0.1
fM、絶対量として0.1アトモル、いずれも塩基対換
算)な二本鎖核酸の検出、定量が可能となる。
【0021】この実施態様は、二本鎖核酸と化学発光性
物質との相互作用、例えば接触、結合反応等によって、
例えば化学発光性物質の構造が変化し、その結果として
初めて化学発光可能な状態となることを利用するもので
ある。かかる相互作用の具体例としては、化学発光性物
質が二本鎖核酸の互いに隣接する塩基対の間に入り込む
ことによって起こるインターカレーション、グルーブバ
インディング等を好適なものとして挙げることができ
る。
【0022】この実施態様では、化学発光性物質は、二
本鎖核酸との相互作用の結果初めて発光可能な状態とな
るので、二本鎖核酸との相互作用を生じていない遊離の
状態では発光しないので、検出時におけるバックグラウ
ンドの影響を排除でき、より高感度な検出が可能とな
る。
【0023】更に本発明にかかる化学発光用色素の一実
施態様は、下記式(1)で示される化合物である。
【0024】
【化47】 (上記式中XはO,S,SeまたはTeであって、
1,R2及びR3から選ばれる2つの置換基は置換もし
くは未置換のアリール基であり、残りの置換基は、水素
原子、ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチ
リル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、
シアノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、または置
換もしくは未置換のシクロアルキル基、または−Aもし
くは−L−Aであり、Lは−L1−、−L2−L3−また
は−L4−L5−L6−であり、L1−L6はそれぞれ独立
して、−(CH=CH)−、置換もしくは未置換のアリ
ール基から誘導される2価の基、置換もしくは未置換の
低級アルキレン基、または−CH=R4−(R4はオキソ
基を有する環構造を示す)を表し、Aは、置換もしくは
未置換のアリール基、−CH=R5(R5は、置換もしく
は未置換の複素環、置換もしくは未置換のシクロアルキ
ル基、または置換もしくは未置換の芳香環を示す)を表
し、Y-はアニオンを示す。) 上記式(1)で示されるピリリウム塩化合物は、化学発
光させたときに強い発光強度を示す。また、該ピリリウ
ム化合物はインターカレーターとして二本鎖核酸に取り
込まれたときにだけ化学発光させることができ、二本鎖
核酸の検出に極めて有効に用い得るものである。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の各実施態様における検出
または定量対象の核酸、すなわち標的核酸としては、一
本鎖または二本鎖DNA、メッセンジャーRNA(mR
NA)から酵素的に合成されたコンプレメンタリ−DN
A(cDNA)等の各種DNA、mRNA、トランスフ
ァーRAN(tRNA)、リボゾーマルRNA(rRN
A)等の各種RNAを挙げることができる。なお、検出
対象としての試料中には、複数の、異なる核酸が含まれ
ていてもよく、例えば、生体から抽出された全mRNA
(total mRNA)の分析等に本発明は好適に適用可能
である。
【0026】本発明によれば、プローブ核酸に対して標
識物質を担持させないので、標識を結合させるための構
造を有する必要がなく、この点に関するプローブ核酸の
構造についての制限がなくなる。プローブ核酸として
は、所望のハイブリダイゼーションに必要な配列を有す
るDNA、RNA、その他修飾核酸が使用可能である。
【0027】本発明で用いる化学発光性物質としては、
二本鎖核酸に相互作用させた際にそこに安定に保持さ
れ、その状態で十分な強度の化学発光を生じ得るものが
好ましく用いられる。
【0028】化学発光性物質と二本鎖核酸との相互作用
としては、例えば二本鎖核酸への吸着や結合、あるいは
二本鎖核酸内への取り込み等種々の態様を挙げることが
できる。本発明においては中でも、グルーブバインディ
ングやインターカレーション等によって化学発光性物質
が二本鎖核酸に挿入される形態が望ましい。
【0029】グルーブバインディングを生じるタイプの
化合物で二本鎖核酸との相互作用により蛍光を発する化
合物としては、例えば、DAPI(4’,6−ジアミジ
ノ−2−フェニルインドール ジハイドロクロライド;
フナコシ薬品(株))、YOYO−1(モレキュラープ
ローブ社製)等を挙げることができる。また化学発光性
物質が二本鎖核酸の二重らせん構造にインターカレート
するインターカレーターの場合、インターカレーション
の結果、化学発光性物質のおかれている環境が変化する
(例えば、化学発光性物質と二本鎖核酸が水系の溶媒に
溶解している場合には、化学発光性物質はインターカレ
ーションすることにより、より疎水性の強い環境下にお
かれることになる)。それに加えてインターカレートし
た化学発光性物質は、二本鎖核酸のオリゴヌクレオチド
間に挟まれることにより構造変化することになる。この
インターカレーションによる構造変化は、二本鎖核酸へ
の他の相互作用様式、例えば、グルーブバインディング
に比べると大きく、本発明で利用する相互作用による構
造変化としてはより好ましい。そして化学発光性物質が
インターカレーターの場合、上記の環境変化及び/また
は構造変化によってインターカレートしている化学発光
性物質のみを化学発光させることができる。
【0030】かかるインターカレーターとしての特性を
有する化学発光性物質としては、例えば、アクリジンオ
レンジ、エチジウムブロマイド、及び下記式(1)で示
されるピリリウム化合物等が挙げられる。
【0031】
【化48】 上記式(1)中、XはO、S、SeまたはTeであっ
て、R1、R2及びR3から選ばれる2つの置換基はアリ
ール基であり、残りの置換基は、水素原子、ハロゲン原
子、スルホネート基、アミノ基、スチリル基、ニトロ
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、置換
もしくは未置換のアルキル基、または置換もしくは未置
換のシクロアルキル基、または−Aもしくは−L−Aで
あり、Lは−L1−、−L2−L3−または−L4−L5
6−であり、L1〜L6はそれぞれ独立して、−(CH
=CH)−、アリール基から誘導される2価の基、置換
もしくは未置換の低級アルキレン基、または−CH=R
4 −(R4 はオキソ基を有する環構造を示す)を表し、
Aは、アリール基または−CH=R5(R5は、置換もし
くは未置換の複素環、置換もしくは未置換のシクロアル
キル基、または置換もしくは未置換の芳香環を示す)を
表し、Y-はアニオンを示す。
【0032】R1〜R3のうちの2つの置換基が構成する
アリール基としては、フェニル基、アミノフェニル基、
ジアルキルアミノフェニル基(例えば、ジメチルアミノ
フェニル基、ジエチルアミノフェニル基など)、カルボ
キシフェニル基、アズレニル基(シクロペンタシクロヘ
プテニル基)等を挙げることができる。また、これらの
基は、ハロゲン原子、アルキル基等によって置換されて
いてもよく、更にアズレニル基の場合はジアルキルアミ
ノフェニル基(例えばジメチルアミノフェニル基、ジエ
チルアミノフェニル基等)で置換されていても良い。
【0033】また、R1〜R3のうちアリール基でない残
りの基を構成するアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6の直鎖状
あるいは分岐状のアルキル基が挙げられる。
【0034】また、シクロアルキル基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの基はハロ
ゲン原子、アルキル基等で置換されていても良い。
【0035】L1〜L6 におけるアリール基から誘導さ
れる2価の基としては、例えば、o−フェニレン基、m
−フェニレン基、p−フェニレン基等が挙げられ、ま
た、これらの2価の基はハロゲン原子、アルキル基等に
よって置換されていても良い。
【0036】R3におけるアルキレン基としては、例え
ばメチレン基、エチレン基等の炭素数1〜6の直鎖状あ
るいは分岐状の低級アルキレン基が挙げられ、これらの
基はハロゲン原子、アルキル基等で置換されていても良
い。
【0037】Aにおけるアリール基としては、例えばR
1〜R3のうちの2つの置換基が構成するアリール基に用
い得るのと同様の基を用いることができる。
【0038】R5における複素環としては、例えばフラ
ン環、チオフェン環、ピロール環、ピラン環、チオピラ
ン環、ピリジン環、イミダゾール環等を挙げることがで
きる。また、その置換基としては、ハロゲン原子、炭素
数1〜6の直鎖状あるいは分岐状アルキル基、ジアルキ
ルアミノフェニル基(例えば、ジメチルアミノフェニル
基、ジエチルアミノフェニル基など)等を挙げることが
できる。
【0039】R5におけるシクロアルキル基としては、
例えばR1〜R3のうちの1つの置換基に用い得る置換も
しくは未置換のシクロアルキル基等を挙げることができ
る。
【0040】R5における芳香環としては、例えばベン
ゼン環、ナフタレン環やアズレン環等を挙げることがで
きる。また、その置換基としては、ハロゲン原子、アル
キル基、ジアルキルアミノフェニル基(例えば、ジメチ
ルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基など)
等を挙げることができる。
【0041】Y-はアニオンであり、例えば、Cl-、B
-、I-、ClO4 -、SbF6 -、BF4 -等を挙げること
ができ、なかでもI-、ClO4 -が好ましい。
【0042】更に、上記式(1)における−L−の好ま
しい態様としては、下記式(2)、(3)、(4)、
(5)または(6):
【0043】
【化49】 (上記式(2)中、Zは水素原子または置換もしくは未
置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2であ
る)、
【0044】
【化50】 (上記式(3)中、nは0、1または2であり、Φは置
換もしくは未置換o−、m−またはp−フェニレン基を
表す)、
【0045】
【化51】 (上記式(4)中、Φは置換もしくは未置換o−、m−
またはp−フェニレン基を表す)、
【0046】
【化52】
【0047】
【化53】 で表される基を挙げることができる。
【0048】なお、上記の式(2)における低級アルキ
ル基としては、例えば炭素数1〜6の直鎖状あるいは分
岐状のアルキル基を、また、その置換基としてはハロゲ
ン原子等を挙げることができる。
【0049】上記式(3)及び(4)におけるフェニレ
ン基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基等を
挙げることができる。
【0050】式(1)で表される化合物のより好ましい
具体例としては、下記式(7)〜(15)で示されるピ
リリウム化合物が挙げられる。
【0051】
【化54】
【0052】
【化55】
【0053】
【化56】
【0054】
【化57】
【0055】
【化58】
【0056】
【化59】
【0057】
【化60】
【0058】
【化61】
【0059】
【化62】 (上記式(7)〜(15)中、X及びYは式(1)と同
様に定義される)で表される化合物を挙げることができ
る。
【0060】更に、好ましい化合物の具体例としては、
表1の公知の方法で合成可能な各化合物、及び表1の化
合物のうちで−N(CH32を−Hに変換した化合物を
挙げることができる。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】
【0074】
【表14】
【0075】
【表15】
【0076】
【表16】
【0077】
【表17】
【0078】
【表18】
【0079】
【表19】 更に、特に好ましい化合物としては以下の化合物を挙げ
ることができる。
【0080】2−メチル−4,6−ビス(4−N,N−
ジメチルアミノフェニル)ピリリウムアイオダイド(式
(7):X=O,Y=I);2−メチル−4,6−ビス
(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリムパー
クロレート(式(7):X=O,Y=ClO4 );2−
メチル−4,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフ
ェニル)チアピリリウムアイオダイド(式(7):X=
S,Y=I);2−メチル−4,6−ビス(4−N,N
−ジメチルアミノフェニル)チアピリリウムパークロレ
ート(式(7):X=S,Y=ClO4 );2−メチル
−4,6−ジフェニルピリリウムアイオダイド(式
(8):X=O,Y=I);2−メチル−4,6−ジフ
ェニルピリリウムパークロレート(式(8):X=O,
Y=ClO4);2−メチル−4,6−ジフェニルチア
ピリリウムアイオダイド(式(8):X−S,Y=
I);2−メチル−4,6−ジフェニルチアピリリウム
パ−クロレート(式(8):X=S,Y=ClO4);
4−メチル−2,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミ
ノフェニル)ピリリウムアイオダイド(式(9):X=
O,Y=I);4−メチル−2,6−ビス(4−N,N
−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムパークロレート
(式(9):X=O,Y=ClO4);4−メチル−
2,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)
チアピリリウムアイオダイド(式(9):X=S,Y=
I);4−メチル−2,6−ビス(4−N,N−ジメチ
ルアミノフェニル)チアピリリウムパークロレート(式
(9):X=S,Y=ClO4 );4−メチル−2,6
−ジフェニルピリリウムアイオダイド(式(10):X
=O,Y=I);4−メチル−2,6−ジフェニルピリ
リウムパークロレート(式(10):X=O,Y=Cl
4);4−メチル−2,6−ジフェニルチアピリリウ
ムアイオダイド(式(10):X=S,Y=I);4−
メチル−2,6−ジフェニルチアピリリウムパークロレ
ート(式(10):X=S,Y=ClO4);4−(4
−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ジフェ
ニルピリリウムアイオダイド(式(11):X=O,Y
=I);4−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)
−2,6−ジフェニルピリリウムパークロレート(式
(11):X=O,Y=ClO4);4−(4−N,N
−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ジフェニルチア
ピリリウムアイオダイド(式(11):X=S,Y=
I);4−(4−N、N−ジメチルアミノフェニル)−
2,6−ジフェニルチアピリリウムパークロレート(式
(11):X=S,Y=ClO4);2−フェニル−
4,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)
ピリリウムアイオダイド(式(12):X=O,Y=
I);2−フェニル−4,6−ビス(4−N,N−ジメ
チルアミノフェニル)ピリリウムパークロレート(式
(12):X=O,Y=ClO4);2−フェニル−
4,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)
チアピリリウムアイオダイド(式(12):X=S,Y
=I);2−フェニル−4,6−ビス(4−N,N−ジ
メチルアミノフェニル)チアピリリウムパークロレート
(式(12):X=S,Y=ClO4);4−フェニル
−2、6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニ
ル)ピリリウムアイオダイド(式(13):X=O,Y
=I):4−フェニル−2,6−ビス(4−N,N−ジ
メチルアミノフェニル)ピリリウムパークロレート(式
(13):X=O,Y=ClO4);4−フェニル−
2,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)
チアピリリウムアイオダイド(式(13):X=S,Y
=I);4−フェニル−2,6−ビス(4−N,N−ジ
メチルアミノフェニル)チアピリリウムパークロレート
(式(13):X=S,Y=ClO4);2,4,6−
トリス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリ
ウムアイオダイド(式(14):X=O,Y=I);
2,4,6−トリス(4−N,N−ジメチルアミノフェ
ニル)ピリリウムパークロレート(式(14):X=
O,Y=ClO4);2,4,6−トリス(4−N,N
−ジメチルアミノフェニル)チアピリリウムアイオダイ
ド(式(14):X=S,Y=I);2,4,6−トリ
ス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チアピリリ
ウムパークロレート(式(14):X=S,Y=ClO
4);2,4,6−トリフェニルピリリウムアイオダイ
ド(式(15):X=O,Y=I);2,4,6−トリ
フェニルピリリウムパークロレート(式(15):X=
O,Y=ClO4);2,4,6−トリフェニルチアピ
リリウムアイオダイド(式(15):X=S,Y=
I);2,4,6−トリフェニルチアピリリウムパーク
ロレート(式(15):X=S,Y=ClO4);更
に、上記式(1)の化合物は、上述したピリリウム環ま
たはピリリウム類似環の置換基に、更に親水性基、例え
ばカルボキシル基、スルホネート基などを導入して、水
系での検出の際の溶解性を高めたものであっても良い。
【0081】ピリリウム色素それ自体についてはすでに
20世紀の初頭から研究が行われてきており、論文、成
書も数多く出版されている。本発明のピリリウム色素の
具体例の一部もR. Wizinger ら(Helv. Chim. Acta, 39,
5, 1956) 、また、N. Yamamoto ら(欧州特許公開公報
EP603783)、その他によって合成されている。
また、ピリリウム色素の蛍光特性に関してはA.R. Katri
tzky編の成書「Advance in Heterocycle Chemistry sup
plement 2 Pyrylium Salt 」、前記欧州特許公開公報、
あるいは、米国特許公報USP4,555,396、U
SP4,840,784等に記載がある。
【0082】また、本発明者らはすでに前記式(1)で
示されるピリリウム化合物がインターカレーターである
ことを明らかとしており(Nucleic Acid Symposium Ser
ies,No. 29, 83-84, 1993) 、また、これらのピリリウ
ム化合物を用いた蛍光法による二本鎖核酸の定量方法に
ついても検討を行ってきている(Nucleic Acids Resear
ch, 23, 8, 1995, 1445-1446) 。
【0083】しかしながら、これらを含むピリリウム色
素を扱った文献のいずれにもピリリウム色素の化学発光
特性に関する記載はない。
【0084】また、上記式(1)に示したピリリウム化
合物は化学発光の効率が従来の発光物質の化学発光効率
と比較しても同等以上であり、中には極めて強い発光効
率を示すものもある。
【0085】更にまた、上記式(1)の化合物は、二本
鎖核酸中にインターカレートした状態での安定性も高く
容易には脱離しない。また、二本鎖核酸の約25塩基対
に1分子の割合(エチジウムブロマイドは約4塩基対に
1分子の割合)でインターカレートするので、ミスマッ
チによって生じる短い二本鎖部分による検出ノイズを除
去したい場合に極めて有効であり、また、tRNAやr
RNAが部分的に有する短い二本鎖部分は検出されない
ので、tRNAやrRNAをそのまま標的核酸として用
いることが可能となる、という点においてより好まし
い。
【0086】なお、化学発光性物質が、二本鎖核酸に作
用させていない遊離の状態でも化学発光を生じ、その化
学発光が検出のバックグラウンドを上昇させるものであ
れば、例えば洗浄操作によってこれを発光のための反応
系から除去するのが好ましい。この場合にも、より強固
な相互作用が得られるインターカレーションによる二本
鎖核酸との相互作用を生じる化学発光性物質が好まし
い。
【0087】更に、化学発光性物質を発光させる際の条
件を、化学発光性物質が二本鎖核酸との相互作用下にあ
る、あるいは相互作用を通して初めて発光可能となるよ
うに設定することで、上記の洗いの操作を不要として操
作を更に簡便化することができ、しかもバックグランド
を効果的に低減させて検出感度の向上が図れる。このよ
うな条件設定は、化学発光性物質自体としてかかる性質
を有するものを用いる、あるいは反応系の物理的、化学
的条件を適宜設定する等の方法によって行うことができ
る。
【0088】すなわち、二本鎖核酸への挿入前の構造を
Aとし、二本鎖核酸への挿入後の構造をBとしたとき
に、構造Aでは発光を起さず、構造Bで発光を起すこと
が可能な化合物は、発光物質の発光を起す状態と、発光
を起こさない状態の区別が明確で、S/N比が良好で、
高感度の二本鎖核酸の測定が可能となり、本発明に好適
に利用可能である。
【0089】更に、かかる化学発光性物質における二本
鎖核酸との相互作用としても、グルーブバインディング
やインターカレーション等を挙げることができるが、イ
ンターカレーションを生じるものがより好ましい。すな
わち、化学発光性物質がインターカレーターであれば、
インターカレーションの結果、化学発光性物質のおかれ
ている環境が変化する(例えば、化学発光性物質と二本
鎖核酸が水系の溶媒に溶解している場合には、化学発光
性物質はインターカレーションすることにより、より疎
水性の強い環境下におかれることになる)。また、イン
ターカレートした化学発光性物質は、二本鎖核酸の塩基
対間に挟まれることにより構造変化する。このインター
カレーションによる構造変化は、化学発光性物質と二本
鎖核酸との他の相互作用様式、例えば、グルーブバイン
ディングに比べると大きく、本発明で利用する相互作用
による構造変化としてはより好ましい。
【0090】前記式(1)の化合物は、エチジウムブロ
マイド等のインターカレーター等に比べると、構造上大
きな差を有している。すなわち、エチジウムブロマイド
はその中心構造として縮合環構造を有しているために、
インターカレート前でも発光するという性質を有する。
従って、式(1)の化合物は、構造的に、二本鎖核酸と
の相互作用によって初めて発光可能となり、あるいは発
光反応の条件を適宜選定することでかかる二本鎖核酸に
インターカレートしたピリリウムのみを発光させること
ができる。
【0091】なお、構造的にすでにこのような発光特性
を有するものについて、以下のような作用が考えられ
る。すなわち、式(1)の化合物は、縮合環構造をもた
ず、ピリリウム環が芳香環を有する基で置換されている
場合でも、これらは単結合で結合している。そのため、
二本鎖核酸にインターカレートしていない遊離の状態で
は単結合している置換基と基本骨格としてのピリリウム
環とが数十度の傾きで結合し、結果として発光を起こし
にくい構造が形成されている。そして、これが二本鎖核
酸中にインターカレートして塩基対に挟まれることによ
り、ピリリウム環とその置換基の立体的位置関係に変化
が生じ、結果として発光を起こし易い構造となる。この
構造変化としては、ピリリウム環とその置換基の角度が
なくなり、これらがほぼ平面状に配置される構造変化が
起きる。そして、かかる構造変化によって上記の二本鎖
核酸が非存在下では発光を生じないという特性を発揮で
きる。
【0092】また、例えば、式(1)の化合物は、有機
溶媒中、例えばフタル酸ジメチル等の粘度の高い有機溶
媒中では、過酸化水素及びビスジニトロフェニルオキザ
レートの存在下では二本鎖核酸が共存しない状態でも化
学発光を生じることがある。しかしこの反応を水性媒体
中で行った場合には二本鎖核酸の非存在下では発光を生
じない。
【0093】従って、このような化合物を水性媒体、例
えば水や水系の緩衝液(リン酸緩衝液、Tris緩衝液
等)中で発光試薬の存在下で二本鎖核酸にインターカレ
ートさせると、二本鎖核酸にインターカレートしたピリ
リウム化合物だけを化学発光させることができ、標的核
酸の高感度でかつ簡易な検出、あるいは標的核酸の正確
な定量に極めて有効である。
【0094】化学発光のメカニズは、基本的に、なんら
かの物質が化学的に励起されて励起状態に至り、それが
基底状態に戻る際に発光するというものである。この化
学発光反応を起す反応系としては、様々なものが開発さ
れているが、代表的なものを以下に挙げる。
【0095】(1)ルミノールまたはルミノール誘導体
が触媒の存在下、過酸化水素により励起されて発光す
る。
【0096】(2)N−メチルアクリジニウムがアルカ
リ性で過酸化水素によって励起されて発光する。
【0097】(3)ルシニゲンがアルカリ性で還元性物
質によって励起され発光する。
【0098】(4)シュウ酸エステルまたはその誘導体
が過酸化物によって励起中間体となり、この励起中間体
が分解する際に放出されるエネルギーによって共存する
蛍光色素を励起し、励起された蛍光色素が基底状態に戻
るときにエネルギーを化学発光として放出する。
【0099】本発明における化学発光性物質による発光
にも上記(1)〜(4)の方法を含む種々の発光反応系
が利用できるが、(4)の方法が特に好ましい。例え
ば、式(1)のピリリウム化合物を化学発光性物質とし
て用いる場合、シュウ酸エステルと過酸化物との組み合
わせが好適であり、かかる目的に用いる発光用の試薬系
を構成するシュウ酸エステルとしては、以下に示す式
(16)〜(24)で示される化合物等のオキザレート
や、式(25)〜(30)で示される化合物等のオキサ
ミドを挙げることができる。
【0100】
【化63】
【0101】
【化64】
【0102】
【化65】
【0103】
【化66】 また、シュウ酸エステルと組み合わせる過酸化物として
は、シュウ酸エステルから励起中間体を形成し得るもの
であれば制限なく利用でき、例えば過酸化水素を好適な
ものとして使用することができる。
【0104】化学発光の検出は、二本鎖核酸に相互作用
した化学発光性物質の発光を得ることのできる適当な媒
体中で行うことができ、例えば、水または水系の緩衝液
(リン酸緩衝液、Tris緩衝液等)等の水性媒体を好
適なものとして挙げることができる。水性媒体のpHと
しては、二本鎖核酸部分及び化学発光性物質が安定であ
る範囲が好ましく、式(1)の化合物であれば、例え
ば、5.0〜8.0の範囲が好ましい。なお、式(1)
の化合物の中には、有機溶媒中、中でもフタル酸ジメチ
ル等の粘度の高い有機溶媒中では、過酸化水素及びビス
ジニトロフェニルオキザレート(化合物59)の存在下
では二本鎖核酸が共存しない状態でも化学発光を生じる
が、上記のような水性媒体中ではこのようなことはな
い。
【0105】一方、水性媒体中での発光用試薬の溶解性
を更に向上させる目的で、水性媒体に可溶な有機溶媒
を、本発明の目的を損なわない範囲で適当量添加しても
良い。この有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド等を挙げることができ、どの有機溶媒をど
のような量で用いるかは化学発光性物質、発光用試薬の
種類との組合せに応じて適宜選択することができるが、
一般的には、2容量%〜50容量%が望ましく、その下
限は5容量%が、その上限は20容量%、更には10容
量%がより望ましい。
【0106】本発明にかかる標的核酸の検出・定量方法
において、該標的核酸として特定の塩基配列を有する一
本鎖核酸の検出・定量を行なう場合には、該塩基配列に
対して相補的な塩基配列を有するプローブ核酸を用意
し、それらをハイブリダイズさせて二本鎖核酸を形成
し、次いで該二本鎖核酸に前記式(1)で示したような
化学発光性物質を挿入し、該二本鎖核酸に挿入された該
化学発光性物質のみが化学発光する条件下で該化学発光
性化合物の化学発光を測定することで該標的核酸の検出
を行うことができる。
【0107】この実施態様によれば、二本鎖核酸の検出
には化学発光を用いるので、蛍光法における前記したよ
うな問題点を解決できる。更に化学発光性物質としてハ
イブリダイゼーション後にハイブリッドに挿入可能なも
のを用いることで、プローブ核酸に予め標的物質を結合
させておく必要がない。このためプローブ核酸を標識化
したときに生じることがあるプローブ核酸の不安定化と
いう問題を回避することができる。
【0108】また、より強い化学発光強度が必要な場合
には、更に固相上で形成される標的核酸とプローブ核酸
とのハイブリッド体における二本鎖部分を伸長して拡大
させることで、化学発光性物質との相互作用を生じる部
位を広げることができ、二本鎖核酸の検出が更に容易に
なり、検出感度を更に高めることができる。例えば、核
酸プローブの長さを平均で20量体、標的核酸の長さを
200〜1000量体とした場合、検出感度を、例えば
1桁〜2桁、場合によっては3桁の向上が可能となる。
【0109】そしてここで該標的核酸または該プローブ
核酸として固相に固定化したものを用いて上記の反応を
行っても良い。これによって例えば化学発光性物質が挿
入された二本鎖核酸と該二本鎖核酸に挿入されていな
い、フリーの化学発光性物質の分離等を容易に行うこと
ができる。
【0110】標的核酸またはプローブ核酸の一方の固相
への固定は、固定される核酸の種類や固相材料の種類等
に応じて公知の方法を選択して用いれば良い。固相を形
成する支持体としては、本発明で所望とする核酸の固定
状態、標的核酸とプローブ核酸とのハイブリダイゼーシ
ョン、ハイブリッド体と化学発光性物質との相互作用及
び化学発光性物質の発光が得られるものであれば制限な
く利用できる。発色法や蛍光法と異なり、検出光の散乱
が大きなニトロセルロースフィルターやナイロンフィル
ター等の支持体でも使用可能である。
【0111】簡便に発色光を定量的に測定するという点
からは、例えばマイクロプレートリーダーで検出可能な
マイクロタイタープレート等のプラスチックプレートが
好ましい。マイクロタイタープレートへの固定方法とし
ては、例えば、共有結合、物理的結合等が利用できる
が、操作性及び検出の確実性という意味からは共有結合
を利用した固定方法が望ましい。この共有結合による固
定は、例えば特表平7−506482号公報に記載のよ
うに、マイクロタイタープレート表面の官能基と核酸の
官能基とを共有結合させることによって行うことができ
る。
【0112】試料中の標的核酸とプローブ核酸との反応
は、固相ハイブリダイゼーション法において用いられて
いる通常の方法を適用して行うことができる。
【0113】一方、固相上で標的核酸とプローブ核酸と
のハイブリッド体が形成される際に、ハイブリッド体に
二本鎖からなる部分と一本鎖からなる部分とを形成させ
るようにプローブ核酸の構造を選択しておき、ハイブリ
ッド体の一本鎖部分を鋳型として二本鎖部分を伸長させ
て検出感度を更に上昇させることができる。この二本鎖
部分の伸長にも、公知の方法が利用できる。なお、生体
から抽出されたmRNA(例えば全mRNA)の場合に
は、mRNAの3プライム末端にオリゴリボアデニル酸
部分を有しているので、ブローブ核酸をオリゴもしくは
ポリデオキシリボチミジル酸、またはオリゴもしくはポ
リウラジル酸とし、核酸プローブと標的核酸のオリゴリ
ボアデニル酸部分とのハイブリッド部分(二本鎖形成
部)を二本鎖部分の伸長の開始部分とするのが望まし
い。
【0114】本発明によれば、標的核酸の検出が、化学
発光の検出(測定)を通して行われるので、例えば、フ
ォトカウンティング法と組み合わせることにより、化学
発光性物質の1分子からの発光が検出可能なものであれ
ば、二本鎖核酸に相互作用している1分子の化学発光性
物質からの発光によって検出が可能であり、極めて高感
度での標的核酸の検出を達成することができる。
【0115】本発明の核酸の検出法は、標的核酸の定量
にも好適に利用できる。例えば、各種濃度の標的核酸を
用いて検出を行って発光強度と標的核酸濃度との関係か
ら検量線を作成し、未知試料で測定される発光強度から
検量線を利用して未知試料中の標的核酸の定量を行うこ
とができる。
【0116】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明する。
【0117】実施例1(発光波長、相対発光強度の測
定) (1)試薬溶液の調整 A.0.2M H22溶液:ジメチルスルホキシド5m
lと10mMリン酸緩衝液(pH6.0)93mlの混
合液に、30重量%のH22水溶液の2mlを加えよく
混和して調製した。
【0118】B.化学発光性物質溶液 表2に挙げた化合物a〜rの必要量を個々にジメチルス
ルホキシドの適当量に溶解させた後、これを10mMリ
ン酸緩衝液(pH6.0)で20倍に希釈し、化学発光
性物質の濃度を5μ〜50μMの範囲内で、吸光度(可
視部の最大吸収波長における)が0.5となるように調
製した。
【0119】C.2.5mM ビスジニトロフェニルオ
キザレート(DNPO)溶液:DNPO42mgをジメ
チルスルホキシド4ml、10mMリン酸緩衝液(pH
6.0)36mlに溶解させて調製した。
【0120】D.塩基対として100nMの二本鎖核酸
溶液:Salmon Testea DNA (Sigma 10mg/ml) をソニケー
ションにより平均200塩基対の長さの二本鎖核酸とし
た後、10mMリン酸緩衝液(pH6.0)で段階的に
希釈して100nM(塩基対として)の二本鎖核酸溶液
とした。
【0121】(2)化学発光の検出 上記(1)で調製した試薬A及びBの各400μlを1
cm×1cm(光路長×光路幅)の蛍光測定用石英セル
に採り、よく混和後、試薬C及びDの各400μlを加
え、速やかに混ぜ合せ、該化学発光性物質を二本鎖核酸
にインターカレートさせ、その発光スペクトルを瞬間マ
ルチ測光システム IMUC−7000(大塚電子工
業)によって測定した。表2に各化学発光性化合物の最
大発光強度を示した発光波長と、相対発光強度を示す。
相対発光強度(Ln)は、式: Ln=[In/Ia]×100 [ただし、In=[rIn/Cn](rInは実測発光強
度、Cnは発光性物質濃度、nは化合物番号である。]
により算出されるものである。
【0122】
【表20】 なお、同様の実験を試薬Dを10mMリン酸緩衝液(p
H6.0)に代えて行ったところ、化学発光は検出され
なかった。
【0123】この結果により、表2に挙げた化合物は、
水系媒体中では二本鎖核酸の存在下のみにおいて化学発
光を生じるものであり、二本鎖核酸の検出に有効である
ことがわかる。また、化合物によって様々な波長での発
光を起すにも拘らず、良好な発光強度を示すこともわか
る。
【0124】実施例2(二本鎖核酸の定量) (1)試薬の調製 E.化学発光性物質溶液:上記表2の化合物cの必要量
をジメチルスルホキシドの適当量に溶解後、これを10
mMリン酸緩衝液(pH6.0)で20倍希釈し、濃度
が10μMの溶液を調製した。
【0125】F.二本鎖核酸溶液:実施例1で調製した
試薬Dを10mMリン酸緩衝液(pH6.0)で段階的
に希釈し、0.05、0.5、5、50、500fM
(塩基対として)の各濃度の二本鎖核酸溶液をそれぞれ
調製した。
【0126】(2)発光強度の測定 実施例1で調製した試薬A、上記試薬E及びFの各20
0μlをBioOrbit社製1251ルミノメーター用ポリス
チレンセルに採り、ルミノメーターの試料室に送った
後、装置に備えられている攪拌装置によって常時攪拌し
ながら実施例1で調製した試薬Cの400μlの付属の
ディスペンサーを用いて加えた。ディスペンサーを作動
後5秒後から15秒後まで(最大発光強度時を含む)の
発光強度を測定し、その積分値を計測した。図1に計測
結果を示す(なお、二本鎖核酸溶液の代りに同量の10
mMリン酸緩衝液(pH6.0)を加えた際のブランク
値を便宜上過酸化水素濃度0.001fMとしてプロッ
トした)。図1から、化合物cを用いて二本鎖核酸の定
量が可能であること、更にその検出限界がほぼ0.1f
M(塩基対として)であることがわかる。
【0127】実施例3(二本鎖核酸の定量) 化合物cの代りに化合物aを用いる以外は、実施例2と
同様にして二本鎖核酸の検出を行った。得られた結果を
図2に示す。この化合物での検出限界もほぼ0.1fM
(塩基対として)であった。
【0128】実施例4(二本鎖核酸の定量) 化合物cの代りに化合物pを用いる以外は、実施例2と
同様にして二本鎖核酸の検出を行った。得られた結果を
図3に示す。この化合物での検出限界もほぼ0.1fM
(塩基対として)であった。
【0129】以下の実施例5〜14(標的一本鎖核酸の
検出方法)において、試料とプローブ核酸とのハイブリ
ダイゼーションのための操作は「バイオ実験イラストレ
イテッド 遺伝子解析の基礎 細胞工学別冊」(秀潤
社)1995年9月25日、137〜152頁の記載、
また、発光反応のための操作については「生物発光と化
学発光 基礎と実験」(廣川書店1989年10月10
日発行、257〜258頁に記載の方法に従った。ま
た、実施例5〜14で共通で用いた試薬の調製は以下の
ようにして行った。
【0130】(1)ハイブリダゼーション用緩衝液:1
Mチャーチリン酸緩衝液(pH7.2)50ml、50
0mM EDTA200μl及びドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS:粉末)7gを混合し、純水を加えて全量を
100mlとしてハイブリダイゼーション用緩衝液を得
た。
【0131】(2)洗浄液:また、1Mチャーチリン酸
緩衝液(pH7.2)40ml、10重量%SDS10
0ml、純水860mlを混合し、洗浄液とした。
【0132】実施例5(アクリジンオレンジによる一本
鎖DNAの検出) (1)ハイブリダイゼーション TE緩衝液(pH7.5)10μlに一本鎖DNA M
13mp18(宝酒造社製)をそれぞれ0.001、
0.01、0.1、1.0、10、100、100アト
モル含む試料液(計7種)を得た。
【0133】次に、ブロッティングメンブラン[商品
名:Hybond N+;アマシャム・インターナショナル(AM
ERSHAM INTERNATIONAL plc.)]を直径16.5mmの
円形にカットしたものを7枚用意し、それぞれの中央に
上記試料液を個々に含浸させ、室温に30分間放置して
乾燥させた後、更に、2×SSC緩衝液中で60秒洗っ
てから80℃で2時間乾燥させて各々のメンブランに試
料を固定した。
【0134】試料を固定した各メンブランを24ウエル
組織培養用平底マイクロプレート(コーニング社製)の
ウエルの底面にそれぞれ敷き、60℃に予め加熱したハ
イブリダイゼ−ション用緩衝液1mlで各ウエルを満た
した後、60℃、5分間プレハイブリダイゼーションを
行った。
【0135】次に、プローブとしてM13 Prime
r M4 d(GTTTTCCCAGTCACGAC)
(宝酒造社製)を各1ピコモル含むTE緩衝液5μl
に、予め90℃でヒートショックをかけた後、上記の各
ウエルに加えた。この状態で、プレートにカバーをし、
60℃で振盪させながら18時間ハイブリダイゼーショ
ンを行った。
【0136】ハイブリダイゼーション終了後、各ウエル
から溶液を取り除き、洗浄液1mlを加え60℃で5分
間洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、室温で
TE緩衝液1mlで二回洗浄し、TE緩衝液を各ウエル
から除去したものを以下の(2)の操作に用いた。
【0137】(2)発光の検出 発光の検出に用いた試薬は以下のとおりである。
【0138】0.1M H22溶液:t−ブチルアル
コール20mlとフタル酸ジメチル80mlに、30重
量%のH22水溶液の1mlを加えよく混和して調製し
た。
【0139】化学発光性物質溶液:0.1mM(3m
g/10ml)アクリジンオレンジのフタル酸ジブチル
溶液を1000倍に希釈し、0.1μMとして調製し
た。
【0140】2.3mM ビス(2,4,6−トリク
ロロフェニル)オキザレート(TCPO:化合物56)
溶液:TCPO45mgをフタル酸ジメチル40mlに
溶解させて調製した。
【0141】また、測定装置としては、蛍光自動測定シ
ステムCytoFlour II(日本パーセプティブリ
ミテッド製)の励起用フィルター部分に遮蔽板を置き、
励起光が測定箇所に到達しないようにし、また、蛍光用
のフィルター部分を素通しとし、全ての発光を検知でき
るように修正を加えたものを使用した。なお、検出器の
ゲインは80に設定した。
【0142】前記(1)の処理を行ったプレートの各ウ
エルをフタル酸ジメチル1mlで1回洗浄した後、上記
の溶液1mlを加え5分間室温に放置し、更に、この
溶液を捨ててから、フタル酸ジメチル1mlで3回洗浄
した。次に、洗浄液としてのフタル酸ジメチルを除去し
た各ウエル内に、上記の溶液600μl、の溶液4
00μlを加え、速やかに混和後、測定装置内に備えら
れている攪拌装置によって常時攪拌しながら、溶液を加
えてから10秒後の発光強度を測定した。結果を図4に
示す。図4から、検出感度はおおよそ1.0アトモルで
あることがわかる。
【0143】なお、比較のため、化学発光性物質溶液
のウエルへの添加後のプレートの洗浄を行わない以外は
同様の操作を繰り返して発光を測定したところ、測定の
バックグラウンドが高すぎて良好な測定結果を得ること
ができなかった。
【0144】実施例6(2,4,6−トリフェニルピリ
リウムパークロレートによる一本鎖DNAの検出;非水
系溶媒系) (1)ハイブリダイゼーション 実施例5の(1)と同様にしてハイブリダイゼーション
及び洗浄等の操作を行った。
【0145】(2)発光の検出 発光の検出に用いた試薬は以下のとおりである。
【0146】0.1M H22溶液:t−ブチルアル
コール20mlとフタル酸ジメチル80mlに、30重
量%のH22水溶液の1mlを加えよく混和して調製し
た。
【0147】化学発光性物質溶液:0.1mM(4.
5mg/10ml)の2,4,6−トリフェニルピリリ
ウムパークロレートのフタル酸ジメチル溶液を1000
倍に希釈した0.1μMとして調製した。
【0148】2.5mM ビス(2,4−ジニトロフ
ェニル)オキザレート(DNPO、化合物59)溶液:
DNPO42mgをフタル酸ジメチル40mlに溶解さ
せて調製した。
【0149】上記(1)のハイブリダイゼーション及び
洗浄を行ったプレートの各ウエルをフタル酸ジメチル1
mlで1回洗浄した後、上記の溶液1mlを加え、5
分間室温に放置した。次いで、この溶液を捨て、フタル
酸ジメチル1mlで3回洗浄した。更にフタル酸ジメチ
ルを除いた各ウエルに、上記の溶液600μl及び上
記の溶液400μlを加え、速やかに混和後、実施例
1と同様に設定した測定装置内に備えられている攪拌装
置によって常時攪拌しながら、溶液を加えてから10秒
後の発光強度を測定した。結果を図5に示す。図5か
ら、検出感度はおおよそ1.0アトモルであることがわ
かる。
【0150】なお、比較のため、化学発光性物質溶液
のウエルへの添加後の洗浄を行わない以外は同様の操作
を繰り返して発光を測定したところ、測定のバックグラ
ンドが高すぎて良好な測定結果を得ることができなかっ
た。
【0151】実施例7(2−メチル−4,6−ビス(4
−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムアイオ
ダイドによる一本鎖の検出) (1)ハイブリダイゼーション ハイブリダイゼーション後の洗浄液での洗浄後のTE緩
衝液での2回の洗浄操作を、10mMリン酸緩衝液(p
H6.0)1mlで行う以外は、実施例5の(1)と同
様にしてハイブリダイゼーション等の操作を行った。
【0152】(2)発光の検出 発光の検出に用いた試薬は以下のとおりである。
【0153】0.2M H22溶液:ジメチルスルホ
キシド(DMSO)5mlと10mMリン酸緩衝液(p
H6.0)93mlの混合液に、30重量%のH22
溶液の2mlを加え、よく混和して調製した。
【0154】化学発光性物質溶液:4.5mgの2−
メチル−4,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフ
ェニル)ピリリウムアイオダイドを1mlのDMSOに
溶解させた後、9mlの10mMのリン酸緩衝液(pH
6.0)に注入し、混和した。これをDMSOを5重量
%の濃度で含む10mMのリン酸緩衝液(pH6.0)
で400倍に希釈し、0.25μMとして調製した。
【0155】2.5mM DNPO溶液:DNPO4
2mgをDMSO4ml、10mMリン酸緩衝液(pH
6.0)36mlに溶解させて調製した。
【0156】上記(1)のハイブリダイゼーション及び
洗浄を行ったプレートの各ウエルに上記の溶液400
μlを加え、室温で5分間放置し二本鎖核酸にインター
カレートさせた後、更に、上記の溶液200μl及び
の溶液400μlを加え、速やかに混和後、実施例6
と同様に設定した測定装置内に備えられている攪拌装置
によって常時攪拌しながら、溶液を加えてから10秒後
の発光強度を測定した。結果を図6に示す。図6から、
検出感度はおおよそ0.1アトモルであることがわか
る。
【0157】実施例8(YOYO−1による二本鎖DN
Aの検出) (1)ハイブリダイゼーション エッペンドルフチューブ中に、純水5μlに二本鎖DN
A M13mp18RF(宝酒造社製)をそれぞれ0.
001、0.01、0.1、1.0、10、100及び
1000アトモル含む試料液を調製した後、各チューブ
内に1.5MNaOH水溶液5μlを加え、30分間室
温で放置して、二本鎖DNAを一本鎖に変性させて試料
溶液とした。
【0158】次に、プロッティングメンブラン(商品
名:Hybond N+ :アマシャム・インターナショ
ナル社製)を直径16.5mmの円形にカットしたもの
を7枚用意し、それぞれの中央に上記試料液を個々に含
浸させ、室温に30分間放置して乾燥させた後、更に、
2×SSC緩衝液中で60秒、3回洗ってから80℃で
2時間乾燥させて、各々のメンブランに試料を固定し
た。
【0159】試料を固定した各メンブランを24ウエル
組織培養用平底マイクロプレート(コーニング社製)の
ウエルの底面にそれぞれ敷き、60℃に予め加熱したハ
イブリダイゼ−ション用緩衝液1mlで各ウエルを満た
した後、60℃、5分間プレハイブリダイゼーションを
行った。
【0160】次に、プローブとしてM13 Prime
r M3 d(GTAAAACGACGGCCAGT)
(寳酒造社製)を各1ピコモル含むTE緩衝液5μl
に、予め90℃でヒートショックをかけた後、上記の各
ウエルに加えた。この状態で、プレートにカバーをし、
60℃で振盪させながら18時間ハイブリダイゼーショ
ンを行った。
【0161】ハイブリダイゼーション終了後、各ウエル
から溶液を取り除き、洗浄液1mlを加え60℃で5分
間洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、室温で
TE緩衝液1mlで二回洗浄し、TE緩衝液を各ウエル
から除去したものを以下の(2)の操作に用いた。
【0162】(2)発光の検出 発光の検出に用いた試薬は以下のとおりである。
【0163】0.1M H22溶液:t−ブチルアル
コール20mlとフタル酸ジメチル80mlに、30重
量%のH22水溶液の1mlを加えよく混和して調製し
た。
【0164】化学発光性物質溶液:0.1mM(13
mg/10ml)YOYO−1(モレキュラープローブ
社製)のフタル酸ジブチル溶液を1000倍に希釈し、
0.1μMとして調製した。
【0165】2.3mM TCPO溶液:TCPO4
5mgをフタル酸ジメチル40mlに溶解させて調製し
た。
【0166】上記(1)のハイブリダイゼーション及び
洗浄を行ったプレートの各ウエルを、更に、フタル酸ジ
メチル1mlで1回洗浄した後、上記の溶液1mlを
加え、室温で5分間放置した後、更に、フタル酸ジメチ
ル1mlで3回洗浄した。次に、このフタル酸ジメチル
を除去した各ウエルに、上記の溶液600μl及び
の溶液400μlを加え、速やかに混和後、実施例1と
同様に設定した測定装置内に備えられている攪拌装置に
よって常時攪拌しながら、溶液を加えてから10秒後の
発光強度を測定した。結果を図7に示す。図7から、検
出感度はおおよそ10アトモルであることがわかる。
【0167】なお、比較のため、化学発光性物質溶液
のウエルへの添加後の洗浄を行わない以外は同様の操作
を繰り返して発光を測定したところ、測定のバックグラ
ウンドが高すぎて良好な測定結果を得ることができなか
った。
【0168】実施例9(2−メチル−4,6−ジフェニ
ルピリリウムパークロレートによる二本鎖DNAの検
出;非水系溶媒系) (1)ハイブリダイゼーション 実施例8と同様にしてハイブリダイゼーション及び洗浄
等の操作を行った。
【0169】(2)発光の検出 発光の検出に用いた試薬は以下のとおりである。
【0170】0.1M H22溶液:t−ブチルアル
コール20mlとフタル酸ジメチル80mlに、30重
量%のH22水溶液の1mlを加えよく混和して調製し
た。
【0171】化学発光性物質溶液:0.1mM(4.
5mg/10ml)の2−メチル−4,6−ジフェニル
ピリリウムパークロレートのフタル酸ジブチル溶液を1
000倍に希釈し、0.1μMとして調製した。
【0172】2.5mM DNPO溶液:DNPO4
2mgをフタル酸ジメチル40mlに溶解させて調製し
た。
【0173】上記(1)のハイブリダイゼーション及び
洗浄を行ったプレートの各ウエルを、更に、フタル酸ジ
メチル1mlで1回洗浄した後、上記の溶液1mlを
加え、室温で5分間放置し二本鎖核酸にインターカレー
トさせた後、更に、フタル酸ジメチル1mlで3回洗浄
した。次に、このフタル酸ジメチルを除去した各ウエル
に、上記の溶液600μl及びの溶液400μlを
加え、速やかに混和後、実施例1と同様に設定した測定
装置内に備えられている攪拌装置によって常時攪拌しな
がら、溶液を加えてから10秒後の発光強度を測定し
た。結果を図8に示す。図8から、検出感度はおおよそ
1.0アトモルであることがわかる。
【0174】なお、比較のため、化学発光性物質溶液
のウエルへの添加後の洗浄を行わない以外は同様の操作
を繰り返して発光を測定したところ、測定のバックグラ
ウンドが高すぎて良好な測定結果を得ることができなか
った。
【0175】実施例10(4−メチル−2,6−ビス
(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムア
イオダイドによる二本鎖DNAの検出) (1)ハイブリダイゼーション ハイブリダイゼーション後の洗浄液での洗浄後のTE緩
衝液での2回の洗浄操作を、10mMリン酸緩衝液(p
H6.0)1mlで行う以外は、実施例8の(1)と同
様にしてハイブリダイゼーション等の操作を行った。
【0176】(2)発光の検出 発光の検出に用いた試薬は以下のとおりである。
【0177】0.2M H22溶液:DMSO5ml
と10mMリン酸緩衝液(pH6.0)93mlの混合
液に、30重量%のH22水溶液の2mlを加えよく混
和して調製した。
【0178】化学発光性物質溶液:4.5mgの2−
メチル−4,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフ
ェニル)ピリリウムアイオダイド1mlのDMSOに溶
解させた後、9mlの10mMのリン酸緩衝液(pH
6.0)に注入し、混和した。これをDMSOを5重量
%の濃度で含む10mMのリン酸緩衝液(pH6.0)
で400倍に希釈し、0.25μMとして調製した。
【0179】2.5mM DNPO溶液:DNPO4
2mgをDMSO4ml、10mMリン酸緩衝液(pH
6.0)36mlに溶解させて調製した。
【0180】上記(1)のハイブリダイゼーション及び
洗浄を行ったプレートの各ウエルに、上記の溶液40
0μlを加え、室温で5分間放置し二本鎖核酸にインタ
ーカレートさせた後、更に、上記の溶液200μl及
びの溶液400μlを加え、速やかに混和後、実施例
5と同様に設定した測定装置内に備えられている攪拌装
置によって常時攪拌しながら、溶液を加えてから10秒
後の発光強度を測定した。結果を図9に示す。図9か
ら、検出感度はおおよそ0.1アトモルであることがわ
かる。
【0181】実施例11(4−メチル−2,6−ビス
(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムア
イオダイドによるmRNAの検出) (1)ハイブリダイゼーション ヒトβ2アドレナリン作用受容体mRNAの塩基配列の
一部分に相補的な塩基配列を有し、かつ5’末端にアミ
ノ基を有するプローブ核酸を合成した。合成は、ABI
社製381A DNA合成器を用いて行い、また、5’
末端へのアミノ酸の結合は、グレンリサーチ社製5’−
アミノモディファイア−C6を用いて行った、なお、H
PLCによる精製は常法に従って行った。この合成され
たプローブ核酸の塩基配列は以下のとおりである。
【0182】5’−NH2 −ATGCTGGCCGTG
ACGCACAGCA−3’マイクロプレート(住友ベ
ークライト社製MS−3796F)の各ウエル内に上記
のプローブ核酸を入れ、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、
N−ヒドロキシスルホスクシイミド(スルホ−NHS)
を用いてプローブ核酸のアミノ基とプレート表面のカル
ボキシル基を共有結合させて、これを固定した。
【0183】一方、常法により、ヒトβ2アドレナリン
作用受容体cDNAからT7RNAボリメレースを用い
てヒトβ2アドレナリン作用受容体mRNAを合成し、
DNase処理後精製した。
【0184】先のプローブ核酸を固定したプレートの各
ウエルを10mMリン酸緩衝液(pH7.0)250μ
lで45℃、1時間処理し、溶液とともにDNaseを
除去した。次に、各ウエルに、それぞれヒトβ2アドレ
ナリン作用受容体mRNAを0.001、0.01、
0.1、1.0、10、100及び1000アトモルの
濃度で含む10mMリン酸緩衝液(pH6.0)各50
μlを個々に加え、70℃で10分間加熱した後、室温
に戻るまで放置して、プローブ核酸と標的核酸をハイブ
リダイズさせた。ハイブリダイゼーション終了後、溶液
を各ウエルから除去して以下の(2)の操作に用いた。
【0185】(2)発光の検出 発光の検出に用いた試薬は以下のとおりである。
【0186】0.2M H22溶液:DMSO5ml
と10mMリン酸緩衝液(pH6.0)93mlの混合
液に、30重量%のH22水溶液の2mlを加えよく混
和して調製した。
【0187】化学発光性物質溶液:4.5mgの2−
メチル−4,6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフ
ェニル)ピリリウムアイオダイドを1mlのDMSOに
溶解させた後、9mlの10mMのリン酸緩衝液(pH
6.0)に注入し、混和した。これをDMSOを5重量
%の濃度で含む10mMのリン酸緩衝液(pH6.0)
で400倍に希釈し、0.25μMとして調製した。
【0188】2.5mM DNPO溶液:DNPO4
2mgをDMSO4ml、10mMリン酸緩衝液(pH
6.0)36mlに溶解させて調製した。
【0189】上記(1)のハイブリダイゼーション処理
を行ったプレートの各ウエルに、上記の溶液100μ
lを加え、よく混和後、室温で5分間放置し二本鎖核酸
にインターカレートさせた後、ウエル内の溶液を除去し
てから、上記の溶液50μl及びの溶液100μl
を加え、速やかに混和後、実施例5と同様に設定した測
定装置内に備えられている攪拌装置によって常時攪拌し
ながら、溶液を加えてから10秒後の発光強度を測定し
た。結果を図10に示す。図10から、検出感度はおお
よそ0.1アトモルであることがわかる。
【0190】実施例12(4−メチル−2,6−ビス
(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムア
イオダイドによる未知の試料からのmRNAの検出) (1)検量線の作成 実施例11と同様にして、プローブ核酸を固定したプレ
ートを用意し、更に、各種既知濃度のヒトβ2アドレナ
リン作用受容体mRNAを各ウエルに添加してハイブリ
ダイゼーション及び発光の検出を行い、検量線を作成し
た。
【0191】(2)試料の調製 ヒトHL60の前骨髄球白血病細胞を遠心分離で集め、
PBS(pH7.4)で洗浄した後、1×103 、1×
104 、1×105 、1×106 及び1×10 7 細胞/
mlの濃度で再懸濁させ、21ゲージ付きプラスチック
シリンジを繰り返し通過させ、その後45℃でPBS中
で1時間インキュベートした。各試料から、クローンテ
ック社製トータルRNAセパレーターキットを用いて全
RNAを抽出、精製した。得られた各全RNA試料をそ
れぞれPBSに溶解させ、実施例11と同様にして各ウ
エルに固定されたプローブ核酸と反応させた後、発光の
検出を行った。得られた発光強度を先に作成した検量線
に適用して試料中のヒトβ 2アドレナリン作用受容体m
RNAの量を定量した。その結果、1×104 の細胞数
のサンプルからの試料においては、1ゼプトモル(1×
10-21モル)(グラム換算1fg)/細胞の標的核酸
が検出された。
【0192】実施例13(伸長法を組み合わせた標的核
酸の検出) (1)プローブ核酸の固定 プローブ核酸としてM13 Primer M4 d
(GTTTTCCCAGTCACGAC)の配列を選択
し、実施例11の方法に基づき、5’末端にアミノ基を
有するDNAを合成し、マイクロプレートに共有結合さ
せた。
【0193】(2)ハイブリダイゼーション及び二本鎖
部分の伸長 0.01、0.1、1.0、10及び100ゼプトモル
の標的核酸M13mp18一本鎖DNAをそれぞれ上記
のマイクロプレートの各ウエルに加えて、実施例7と同
様の操作によってハイブリダイゼーションを行った。な
お、このマイクロプレートには標的核酸を加えないウエ
ルも用意しておいた。ハイブリダイゼーション終了後、
東洋紡社製Taq DNAポリメレースを用いて二本鎖
部分に隣接する一本鎖を鋳型とする二本鎖部分の伸長を
行った(条件は奨励プロトコールにしたがった。また反
応時間は1時間とした)。
【0194】(3)発光の検出 10mMのリン酸緩衝液(pH6.0)で伸長反応を行
った各ウエルを洗浄して、DNAポリメレース及び各ヌ
クレオチドモノマーを除去した後、実施例11と同様に
して、4−メチル−2,6−ビス(4−N,N−ジメチ
ルアミノフェニル)ピリリウムアイオダイドによる発光
の検出を行った。得られた結果を図11に示す。図11
から検出感度はおおよそ0.1〜1.0ゼプトモルであ
ることがわかる。すなわち、二本鎖部分の伸長を行うこ
とで、実施例7に比較して検出感度は2〜3桁向上し
た。
【0195】実施例14(伸長法を組み合わせた標的核
酸の検出) (1)プローブ核酸の固定 実施例11の(1)と同様にしてβ2アドレナリン作用
受容体mRNA検出用のプローブ核酸をプレートに固定
した。
【0196】(2)ハイブリダイゼーション 実施例11の(2)と同様にして、所定の濃度のヒトβ
2アドレナリン作用受容体mRNAを各ウエルに加えハ
イブリダイゼーションを行った。
【0197】(3)二本鎖部分の伸長 上記(2)のハイブリダイゼーションが終了したプレー
トの各ウエルを洗浄後、クローンテック社製1st-strand
cDNA Synthesis Kit を用いてプローブ核酸をプライマ
ーとし、標的核酸側の一本鎖部分をテンプレートとして
核酸伸長反応を、常法により行った。
【0198】(4)発光の検出 10mMのリン酸緩衝液(pH6.0)で伸長反応終了
後の各ウエルを洗浄して、リバーストランスクリプテー
ス及び各ヌクレオチドモノマーを除去した後、実施例1
1と同様にして、4−メチル−2,6−ビス(4−N,
N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムアイオダイド
による発光の検出を行った。得られた結果を図12に示
す。図12から検出感度はおおよそ0.1〜1.0ゼプ
トモルであることがわかる。すなわち、二本鎖部分の伸
長を行うことで、実施例11に比較して検出感度は2〜
3桁向上した。
【0199】実施例15 [2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチル
アミノフェニル)ピリリウムアイオダイドの合成] 無水酢酸100mlと濃硫酸30mlとを冷却しながら
混合し、得られた混合液をウォーターバスで80℃に保
ちながら3時間加温した。そこに無水酢酸20ml、p
−ジメチルアミノアセトフェノン30mlを室温下で加
え、その後45℃に温度を上昇させて24時間攪拌し反
応させた。この反応液に等量のエタノールを加え、冷却
し、更にヨウ化カリウム水溶液を加えると粗結晶が析出
した。この粗結晶を濾過により回収し、エタノール/エ
ーテルの混合液(容量比、1:4)で再結晶させて、2
−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチルアミ
ノフェニル)ピリリウムアイオダイド(表1の化合物1
(ただしYはIである))の緑色の結晶を得た。
【0200】得られた化合物1(Y:I)の分析結果 融点:254〜257℃ UV/可視(CH3 CN ε×10-4 )λmax:4
44nm(2.43)、550nm(8.24) NMR( 1H、DMSO)δppm:8.3737(1
H、s)、8.2729(1H、d、J=9.0H
z)、8.1795(1H、d、J=9.0Hz)、
7.8864(1H、s)、6.9117(4H、t、
AB=JAB=9.77)、3.1829(6H、s)、
3.1340(6H、s)、2.6809(3H、s)
FAB mass m/z 333 IR(KBr)νcm-1:1645、1610(s
h)、1580(s)、1490(s)、1270、1
200、1160 [試薬溶液の調整] (1)0.2M H22溶液:t−ブチルアルコール2
0mlとフタル酸ジメチル80mlに30%H22の2
mlを加えよく溶解した。
【0201】(2)化学発光性物質溶液:さきに合成し
た2−メチル−4,6−ビス−(4−N,N−ジメチル
アミノフェニル)ピリリウムアイオダイドをフタル酸ジ
メチルに溶解し、溶液の吸光度を0.5とした。
【0202】[発光強度の測定]上記(1)、及び
(2)の溶液各1mlを1cm×1cm(光路長×光路
幅)の蛍光測定用石英セルに採り、よく混和後、(3)
の溶液1mlを加え速やかに混ぜ合せ、その発光スペク
トルを瞬間マルチ測光システムIMUC−7000(大
塚電子工業)によって測定した。化学発光性物質の最大
発光強度の積分値を濃度で規格化し、かつ、ローダミン
Bの発光強度を100とした相対発光強度と、化学発光
性物質の最大発光強度を示す波長を表3に示した。
【0203】実施例16 実施例15において、化学発光性物質を表3のaからb
〜r及びローダミンBの各々に代えた以外は実施例15
と同様にして各化学発光性物質の相対発光強度及び最大
発光強度を示す波長を表3に示した。
【0204】
【表21】 表4に代表的なシュウ酸エステルであるビスジニトロフ
ェニルオキザレート(DNPO)と過酸化水素を発光試
薬として用いた際の種々の蛍光物質の相対発光強度を示
す(今井一洋編「生物発光と化学発光基礎と実験」廣川
書店1989年1月10日発行、77〜108頁、相対
発行強度はローダミンBを100とした。また、発光波
長に関しては本発明者の測定による。)。
【0205】
【表22】 表4からわかるように一般的に蛍光量子収率の大きな蛍
光物質(例えば、フルオロセイン)が必ずしも発光強度
が強いとは言えない。
【0206】表3を表4と比較することにより本発明に
おける化学発光性物質が従来の発光物質に比べはるかに
強い発光強度を有するか、あるいは、同等以上の発光強
度を有することがわかる。また、これらの強い発光強度
をもつ発光物質が、ピリリウム、もしくは、チアピリリ
ウムに属するために、溶解性等の化学的性質が同質であ
り、従って、同一の系での複数の発光物質の使用が容易
となる。また、発光強度が強いだけでなく、強度のばら
つき幅が一桁の範囲におさまるので、例えば、測定装置
に特に工夫をすることなく複数の発光物質の使用が可能
となる。更に、表3から本発明の発光物質はその発光波
長が近紫外から近赤外の領域にわたるので先に述べた特
徴と合わせて、同一の系での多パラメーター解析に非常
に有利となることがわかる。
【0207】実施例17 (表3の化合物c:2−メチル4,6−ジフェニルピリ
リウムパークロレートによる過酸化水素の定量) [試薬溶液の調製] (1)H22溶液:t−ブチルアルコールとフタル酸ジ
メチルに適当量のH22(30%溶液を適宜希釈したも
の)を加えよく混和し、0.5、1.0、5.0、5
0、500、5000fMの溶液を調製した。
【0208】(2)発光物質溶液:表3の化合物cをフ
タル酸ジメチルに溶解し、50μMの溶液とした。
【0209】(3)2.5mM DNPO溶液:DNP
O 42mgをフタル酸ジメチル40mlに溶解した。
【0210】[発光強度の測定]上記(1)の溶液20
0μl、(2)の溶液400μlのBioOrbit社製125
1ルミノメーター用のポリスチレンセルに採り、ルミノ
メーターの試料室に送った後、装置に備えられている攪
拌装置によって常時攪拌しながら(3)の溶液400μ
lを付属のディスペンサーを用いて加えた。ディスペン
サーを作動後5秒後から15秒後まで(最大発光強度時
を含む)の発光強度の積分値を測定した。図13に測定
値を示す(なお、過酸化水素を加えないブランク値を便
宜上過酸化水素濃度0.01fMとしてプロットし
た)。
【0211】図13から化合物cによる過酸化水素の検
出限界はほぼ1fMである。
【0212】実施例18 (表3の化合物a:2−メチル−4,6−ビス(4−
N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムアイオダ
イトによる過酸化水素の定量) 化合物cを化合物aに代えた以外は実施例17と同様に
して過酸化水素の定量を行った。
【0213】図14に測定値を示す(なお、過酸化水素
を加えないブランク値を便宜上過酸化水素濃度0.01
fMとしてプロットした)。
【0214】図14から化合物aによる過酸化水素の検
出限界は化合物cと同様ほぼ1fMである。
【0215】実施例19 (表3の化合物p:2,4,6−トリス(4−N,N−
ジメチルアミノフェニル)チアピリリウムアイオダイド
による過酸化水素の定量) 化合物cを化合物pに代えた以外は実施例17と同様に
して過酸化水素の定量を行った。
【0216】図15の測定値を示す(なお、過酸化水素
を加えないブランク値を便宜上過酸化水素濃度0.01
fMとしてブロットした)。
【0217】図15から化合物pによる過酸化水素の検
出限界はほぼ10fMである。
【0218】比較例1 (ローダミンBによる過酸化水素の定量)化合物aをロ
ーダミンBに代えた以外は実施例17と同様にして過酸
化水素の定量を行った。
【0219】図16に測定値を示す(なお、過酸化水素
を加えないブランク値を便宜上過酸化水素濃度0.01
fMとしてプロットした)。
【0220】図16からローダミンBによる過酸化水素
の検出限界ほぼ10fMである。
【0221】実施例17〜19、及び比較例1から、式
(1)にかかるピリリウム化合物は従来の発光物質に対
して近紫外〜近赤外の波長領域で十分な検出感度を有し
ていることがわかる。
【0222】実施例20 表1の化学発光性物質No.6及び16の化学発光特性
を調べた。発光条件は前記実施例15と同様であり、相
対発光強度はローダミンBを100とした。結果を表5
に示す。これらの化学発光性物質は長波長領域において
も十分な発光強度を有していることがわかる。
【0223】
【表23】
【0224】
【発明の効果】本発明によれば、バックグランドのない
極めて高感度(例えば、濃度で0.1fM、絶対量とし
て0.1アトモル、いずれも塩基対換算)な二本鎖核酸
の検出、定量が可能となる。
【0225】本発明によれば、二本鎖核酸の検出に化学
発光を用いるので蛍光法における先に述べた問題を解決
できるとともに、化学発光性物質は二本鎖形成後に使用
されるので化学発光性物質を標識としてプローブ核酸に
結合させる場合における不安定性等の問題もない。
【0226】化学発光性物質による二本鎖核酸の検出
を、化学発光性物質が前記二本鎖核酸に相互作用下にお
いて、または相互作用を通して初めて化学発光可能な状
態となる条件下で行うことで、二本鎖核酸に作用してい
ない化学発光性物質を反応系から除去する操作が不要と
なり、操作の簡便化が図れ、更にバックグランドが効果
的に低減された高感度での検出が可能となる。
【0227】更に、固相上で形成される標的核酸とプロ
ーブ核酸とのハイブリッド体における二本鎖部分を伸長
して拡大させることで、化学発光性物質との相互作用を
生じる部位を拡げることができ、二本鎖核酸の検出が更
に容易になり、検出感度を更に高めることができる。
【0228】本発明の化学発光性物質は従来の発光物質
に比べはるかに強い発光強度を有するか、あるいは、同
等以上の発光強度を有する。また、これらの化学発光性
物質はピリリウム、もしくは、チアピリリウムを有する
化合物群に属するので、溶解性等の化学的性質が同質で
あり、従って、同一の系での複数の発光物質の使用が容
易となる。また、発光強度が強いだけではなく、強度の
ばらつきの幅が一桁の範囲におさまるので、測定装置に
特に工夫をすることなく複数の発光物質の使用が可能と
なる。更に、表3、表5に示したように本発明の化学発
光物質の発光波長は近紫外から近赤外の領域にわたるた
め、先に述べた特徴とあわせ、同一の系での多パラメー
ター解析に非常に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2において得られた結果を示す図であ
る。
【図2】実施例3において得られた結果を示す図であ
る。
【図3】実施例4において得られた結果を示す図であ
る。
【図4】実施例5において得られた結果を示す図であ
る。
【図5】実施例6において得られた結果を示す図であ
る。
【図6】実施例7において得られた結果を示す図であ
る。
【図7】実施例8において得られた結果を示す図であ
る。
【図8】実施例9において得られた結果を示す図であ
る。
【図9】実施例10において得られた結果を示す図であ
る。
【図10】実施例11において得られた結果を示す図で
ある。
【図11】実施例13において得られた結果を示す図で
ある。
【図12】実施例14において得られた結果を示す図で
ある。
【図13】表3の化合物cによる過酸化水素定量におけ
る過酸化水素の濃度と発光強度との関係を示す図であ
る。
【図14】表3の化合物aによる過酸化水素の定量にお
ける過酸化水素の濃度と発光強度との関係を示す図であ
る。
【図15】図3の化合物pによる過酸化水素の定量にお
ける過酸化水素の濃度と発光強度との関係を示す図であ
る。
【図16】ローダミンBによる過酸化水素の定量におけ
る過酸化水素の濃度と発光強度との関係を示す図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 421/02 C07D 421/02 C09K 11/07 C09K 11/07 C12Q 1/68 C12Q 1/68 A G01N 33/566 G01N 33/566 // G01N 21/76 21/76

Claims (115)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の標的核酸の検出方法であって、
    二本鎖核酸と相互作用可能な化学発光性物質を該標的核
    酸を有する二本鎖核酸と相互作用させ、該二本鎖核酸と
    相互作用した該化学発光性物質の化学発光を検出する工
    程を有することを特徴とする標的核酸の検出方法。
  2. 【請求項2】 該標的核酸が該二本鎖核酸である請求項
    1に記載の標的核酸の検出方法。
  3. 【請求項3】 該標的核酸が第1の塩基配列を有する一
    本鎖核酸であって、該標的核酸を有する二本鎖核酸が該
    一本鎖核酸と、第1の塩基配列と相補的な第2の塩基配
    列を有するプローブ核酸とのハイブリッドである請求項
    1に記載の標的核酸の検出方法。
  4. 【請求項4】 試料中の該一本鎖核酸と該プローブ核酸
    とをハイブリダイズさせ、該化学発光性物質と相互作用
    する該二本鎖核酸を形成する工程を更に有する、請求項
    3に記載の標的核酸の検出方法。
  5. 【請求項5】 該標的核酸がDNAまたはRNAである
    請求項3又は4に記載の標的核酸の検出方法。
  6. 【請求項6】 該DNAがcDNAである請求項5に記
    載の標的核酸の検出方法。
  7. 【請求項7】 該RNAがmRNA、tRNAまたはr
    RNAである請求項5に記載の標的核酸の検出方法。
  8. 【請求項8】 該プローブ核酸がDNAまたはRNAで
    ある請求項3又は4に記載の標的核酸の検出方法。
  9. 【請求項9】 該標的核酸がオリゴリボアデニル酸から
    なる部分を有するmRNAであり、該プローブ核酸が、
    該標的核酸とのハイブリダイゼーションに関与する塩基
    配列としてオリゴデオキシリボチミジル酸またはポリデ
    オキシリボチミジル酸からなる部分を有する請求項3又
    は4に記載の標的核酸の検出方法。
  10. 【請求項10】 該二本鎖核酸が固相に固定されている
    クレーム1〜9の何れかの標的核酸に記載の検出方法。
  11. 【請求項11】 該固相に固定されている該二本鎖核酸
    が、 固相に固定された該標的核酸と、該プローブ核酸として
    該標的核酸の3’末端側の塩基配列に相補的な塩基配列
    を3’末端側に有する一本鎖核酸とを用意する工程;及
    び次いで該標的核酸と該プローブ核酸とをハイブリダイ
    ズさせて部分的二本鎖核酸を形成し、次いで各々の核酸
    の3’末端側に伸展反応によってヌクレオチドを重合せ
    しめて二本鎖部分を伸長させる工程、によって形成され
    たものであるクレーム10の標的核酸の検出方法。
  12. 【請求項12】 該固相に固定されている該二本鎖核酸
    が、 該プローブ核酸として該標的核酸の3’末端側の塩基配
    列に相補的な塩基配列を3’末端側に有する一本鎖核酸
    を用意し、該プローブ核酸を固相に固定する工程;及び
    次いで該標的核酸と該プローブ核酸とをハイブリダイズ
    させて部分的二本鎖核酸を形成し、次いで各々の核酸の
    3’末端側に伸展反応によってヌクレオチドを重合せし
    めて二本鎖部分を伸長させる工程、によって形成された
    ものである請求項10に記載の標的核酸の検出方法。
  13. 【請求項13】 該固相がプラスチックプレートである
    請求項10〜12の何れかに記載の標的核酸の検出方
    法。
  14. 【請求項14】 該化学発光性物質が該二本鎖核酸の二
    重らせん構造にインターカレーターとして挿入されるも
    のである請求項1〜13の何れかに記載の標的核酸の検
    出方法。
  15. 【請求項15】 該化学発光性物質が下記式(1)で示
    されるピリリウム色素である請求項14の標的核酸に記
    載の検出方法。 【化1】 (上記式中XはO,S,Se又はTeであって、R1
    2及びR3から選ばれる2つの置換基は置換もしくは未
    置換のアリール基で有り、残りの置換基は、水素原子、
    ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリル
    基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シア
    ノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、または置換も
    しくは未置換のシクロアルキル基、または−Aもしくは
    −L−Aであり、 Lは−L1−、−L2−L3−または−L4−L5−L6−で
    あり、L1〜L6はそれぞれ独立して、−(CH=CH)
    −、置換もしくは未置換のアリール基から誘導される2
    価の基、置換もしくは未置換の低級アルキレン基、また
    は−CH=R4−(R4はオキソ基を有する環構造を示
    す)を表し、 Aは、置換もしくは未置換のアリール基、−CH=R5
    (R5は、置換もしくは未置換の複素環、置換もしくは
    未置換のシクロアルキル基、又は置換もしくは未置換の
    芳香環を示す)を表し、 Y-はアニオンを示す。)
  16. 【請求項16】 該式(1)中のLが下記式(2)〜
    (6)の何れかである請求項15に記載の標的核酸の検
    出方法。 【化2】 (上記式[2]中、Zは水素原子、または、置換もしく
    は未置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2で
    ある。) 【化3】 (上記式[3]中、nは0、1または2であり、Φは置
    換もしくは未置換のo - 、m- 、または、p−フェニレ
    ン基を表す) 【化4】 (上記式[4]中、Φは置換もしくは未置換のo-
    -、または、p−フェニレン基を表す) 【化5】 【化6】
  17. 【請求項17】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(7)である請求項15に記載の標的核酸の検
    出方法。 【化7】 (上記式[7]中、XはO、S、Se、または、Teを
    表し、Y-はアニオンを表す)
  18. 【請求項18】 該式(7)において、XがOまたはS
    であって、YがIまたはClO4である請求項17に記
    載の標的核酸の検出方法。
  19. 【請求項19】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(8)で示される請求項15の標的核酸に記載
    の検出方法。 【化8】 (上記式[8]中、XはO、S、Se、または、Teを
    表し、Y-はアニオンを表す)
  20. 【請求項20】 該式(8)において、XがOまたはS
    であって、YがIまたはClO4である請求項19に記
    載の標的核酸の検出方法。
  21. 【請求項21】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(9)で示される請求項15の標的核酸に記載
    の検出方法。 【化9】 (上記式[9]中、XはO、S、Te、Seを表し、Y
    -はアニオンを表す)
  22. 【請求項22】 該式(9)において、XがOまたはS
    であって、YがIまたはClO4である請求項21の標
    的核酸の検出方法。
  23. 【請求項23】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(10)で示される請求項15に記載の標的核
    酸の検出方法。 【化10】 (上記式[10]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  24. 【請求項24】 該式(10)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項23に
    記載の標的核酸の検出方法。
  25. 【請求項25】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(11)で示される請求項15に記載の標的核
    酸の検出方法。 【化11】 (上記式[11]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  26. 【請求項26】 該式(11)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項25に
    記載の標的核酸の検出方法。
  27. 【請求項27】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(12)で示される請求項15の標的核酸に記
    載の検出方法。 【化12】 (上記式[12]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  28. 【請求項28】 該式(12)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項27に
    記載の標的核酸の検出方法。
  29. 【請求項29】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(13)で示される請求項15の標的核酸に記
    載の検出方法。 【化13】 (上記式[13]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  30. 【請求項30】 該式(13)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項29に
    記載の標的核酸の検出方法。
  31. 【請求項31】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(14)で示される請求項15の標的核酸に記
    載の検出方法。 【化14】 (上記式[14]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  32. 【請求項32】 該式(14)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項31に
    記載の標的核酸の検出方法。
  33. 【請求項33】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(15)で示される請求項15の標的核酸に記
    載の検出方法。 【化15】 (上記式[15]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  34. 【請求項34】 該式(15)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項33に
    記載の標的核酸の検出方法。
  35. 【請求項35】 該ピリリウム環の置換基に更に親水性
    基が導入されている請求項15〜34の何れかに記載に
    記載の標的核酸の検出方法。
  36. 【請求項36】 該化学発光性物質が、該二本鎖核酸に
    グルーブバインディングによって挿入されるものである
    請求項1〜13の何れかに記載の標的核酸の検出方法。
  37. 【請求項37】 該化学発光を検出する工程を、該二本
    鎖核酸に挿入された該化学発光性物質のみが化学発光可
    能な条件下で行なう請求項1〜36の何れかに記載の標
    的核酸の検出方法。
  38. 【請求項38】 該条件が、二本鎖核酸に挿入されてい
    ない該化学発光性物質が化学発光を示さない水性媒体中
    である請求項37の標的核酸に記載の検出方法。
  39. 【請求項39】 該水性媒体が水である請求項38の標
    的核酸に記載の検出方法。
  40. 【請求項40】 該水性媒体が水系緩衝液である請求項
    38の標的核酸に記載の検出方法。
  41. 【請求項41】 該水性媒体が水と相溶性を有する有機
    溶媒と水との混合溶液である請求項38に記載の標的核
    酸の検出方法。
  42. 【請求項42】 該有機媒体がメタノール、エタノー
    ル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
    スルホキシド及びイソプロパノールからなる群から選ば
    れる少なくとも1つである請求項41に記載の標的核酸
    の検出方法。
  43. 【請求項43】 水との相溶性を有する有機媒体と水と
    の混合溶液における該有機溶媒の混合比が、水に対して
    2〜50容量%である請求項41に記載の標的核酸の検
    出方法。
  44. 【請求項44】 該混合比が5〜20容量%である請求
    項43に記載の標的核酸の検出方法。
  45. 【請求項45】 該水性媒体がpH5〜8の範囲にある
    請求項38に記載の標的核酸の検出方法。
  46. 【請求項46】 該化学発光性物質の化学発光を検出す
    る工程において、該化学発光性物質と該二本鎖核酸をシ
    ュウ酸エステル及び過酸化水素と共存させる請求項1〜
    45の何れかに記載の標的核酸の検出方法。
  47. 【請求項47】 該シュウ酸エステルがビスジニトロフ
    ェニルオキザレートである請求項46に記載の標的核酸
    の検出方法。
  48. 【請求項48】 試料中の標的核酸の定量方法であっ
    て、二本鎖核酸と相互作用可能な化学発光性物質を、二
    本鎖核酸に相互作用させ、該二本鎖核酸と相互作用した
    該化学発光性物質の化学発光の量を測定する工程を有す
    る標的核酸の定量方法。
  49. 【請求項49】 該二本鎖核酸が、定量されるべき標的
    核酸である請求項48に記載の定量方法。
  50. 【請求項50】 該二本鎖核酸が第1の塩基配列を有す
    る一本鎖核酸と該第1の塩基配列に対して相補的な第2
    の塩基配列を有するプローブ核酸とのハイブリッドであ
    って、該一本鎖核酸が定量されるべき標的核酸である請
    求項48に記載の定量方法。
  51. 【請求項51】 試料中の該一本鎖核酸と該プローブ核
    酸とをハイブリダイズさせ、該化学発光性物質と相互作
    用する該二本鎖核酸を形成する工程を更に有する、請求
    項50に記載の標的核酸の定量方法。
  52. 【請求項52】 該標的核酸がDNAまたはRNAであ
    る請求項50又は51の標的核酸に記載の定量方法。
  53. 【請求項53】 該DNAがcDNAである請求項52
    に記載の標的核酸の定量方法。
  54. 【請求項54】 該RNAがmRNA、tRNAまたは
    rRNAである請求項52に記載の標的核酸の定量方
    法。
  55. 【請求項55】 該プローブ核酸がDNAまたはRNA
    である請求項50又は51に記載の標的核酸の定量方
    法。
  56. 【請求項56】 該標的核酸がオリゴリボアデニル酸か
    らなる部分を有するmRNAであり、該プローブ核酸
    が、該標的核酸とのハイブリダイゼーションに関与する
    塩基配列としてオリゴデオキシリボチミジル酸またはポ
    リデオキシリボチミジル酸からなる部分を有する請求項
    50又は51に記載の標的核酸の定量方法。
  57. 【請求項57】 該二本鎖核酸が固相に固定されている
    請求項48〜56の何れかに記載の標的核酸の定量方
    法。
  58. 【請求項58】 該固相に固定されている該二本鎖核酸
    が、 固相に固定された該標的核酸と、該プローブ核酸として
    該標的核酸の3’末端側の塩基配列に相補的な塩基配列
    を3’末端側に有する一本鎖核酸とを用意する工程;及
    び次いで該標的核酸と該プローブ核酸とをハイブリダイ
    ズさせて部分的二本鎖核酸を形成し、次いで各々の核酸
    の3’末端側に伸展反応によってヌクレオチドを重合せ
    しめて二本鎖部分を伸長させる工程、によって形成され
    たものである請求項57に記載の標的核酸の定量方法。
  59. 【請求項59】 該固相に固定されている該二本鎖核酸
    が、 該プローブ核酸として該標的核酸の3’末端側の塩基配
    列に相補的な塩基配列を3’末端側に有する一本鎖核酸
    を用意し、該プローブ核酸を固相に固定する工程;及び
    次いで該標的核酸と該プローブ核酸とをハイブリダイズ
    させて部分的二本鎖核酸を形成し、次いで各々の核酸の
    3’末端側に伸展反応によってヌクレオチドを重合せし
    めて二本鎖部分を伸長させる工程、によって形成された
    ものである請求項57に記載の標的核酸の定量方法。
  60. 【請求項60】 該固相がプラスチックプレートである
    請求項57〜59の何れかに記載の標的核酸の定量方
    法。
  61. 【請求項61】 該化学発光性物質が該二本鎖核酸の二
    重らせん構造にインターカレーターとして挿入されるも
    のである請求項48〜60の何れかに記載の標的核酸の
    定量方法。
  62. 【請求項62】 該化学発光性物質が下記式(1)で示
    されるピリリウム色素である請求項61に記載の標的核
    酸の定量方法。 【化16】 (上記式中XはO,S,Se又はTeであって、R1
    2及びR3から選ばれる2つの置換基は置換もしくは未
    置換のアリール基で有り、残りの置換基は、水素原子、
    ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリル
    基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シア
    ノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、または置換も
    しくは未置換のシクロアルキル基、または−Aもしくは
    −L−Aであり、 Lは−L1−、−L2−L3−または−L4−L5−L6−で
    あり、L1〜L6はそれぞれ独立して、−(CH=CH)
    −、置換もしくは未置換のアリール基から誘導される2
    価の基、置換もしくは未置換の低級アルキレン基、また
    は−CH=R4−(R4はオキソ基を有する環構造を示
    す)を表し、 Aは、置換もしくは未置換のアリール基、−CH=R5
    (R5は、置換もしくは未置換の複素環、置換もしくは
    未置換のシクロアルキル基、又は置換もしくは未置換の
    芳香環を示す)を表し、 Y-はアニオンを示す。)
  63. 【請求項63】 該式(1)中のLが下記式(2)〜
    (6)の何れかである請求項62に記載の標的核酸の定
    量方法。 【化17】 (上記式[2]中、Zは水素原子、または、置換もしく
    は未置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2で
    ある。) 【化18】 (上記式[3]中、nは0、1または2であり、Φは置
    換もしくは未置換のo - 、m- 、または、p−フェニレ
    ン基を表す) 【化19】 (上記式[4]中、Φは置換もしくは未置換のo-
    -、または、p−フェニレン基を表す) 【化20】 【化21】
  64. 【請求項64】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(7)である請求項62に記載の標的核酸の定
    量方法。 【化22】 (上記式[7]中、XはO、S、Se、または、Teを
    表し、Y-はアニオンを表す)
  65. 【請求項65】 該式(7)において、XがOまたはS
    であって、YがIまたはClO4である請求項64に記
    載の標的核酸の定量方法。
  66. 【請求項66】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(8)で示される請求項62に記載の標的核酸
    の定量方法。 【化23】 (上記式[8]中、XはO、S、Se、または、Teを
    表し、Y-はアニオンを表す)
  67. 【請求項67】 該式(8)において、XがOまたはS
    であって、YがIまたはClO4 である請求項66に記
    載の標的核酸の定量方法。
  68. 【請求項68】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(9)で示される請求項62に記載の標的核酸
    の定量方法。 【化24】 (上記式[9]中、XはO、S、Te、Seを表し、Y
    -はアニオンを表す)
  69. 【請求項69】 該式(9)において、XがOまたはS
    であって、YがIまたはClO4である請求項68に記
    載の標的核酸の定量方法。
  70. 【請求項70】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(10)で示される請求項62に記載の標的核
    酸の定量方法。 【化25】 (上記式[10]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  71. 【請求項71】 該式(10)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項70に
    記載の標的核酸の定量方法。
  72. 【請求項72】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(11)で示される請求項62に記載の標的核
    酸の定量方法。 【化26】 (上記式[11]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  73. 【請求項73】 該式(11)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項72に
    記載の標的核酸の定量方法。
  74. 【請求項74】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(12)で示される請求項62に記載の標的核
    酸の定量方法。 【化27】 (上記式[12]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  75. 【請求項75】 該式(12)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項74に
    記載の標的核酸の定量方法。
  76. 【請求項76】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(13)で示される請求項62に記載の標的核
    酸の定量方法。 【化28】 (上記式[13]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  77. 【請求項77】 該式(13)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項76に
    記載の標的核酸の定量方法。
  78. 【請求項78】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(14)で示される請求項62に記載の標的核
    酸の定量方法。 【化29】 (上記式[14]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  79. 【請求項79】 該式(14)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項78に
    記載の標的核酸の定量方法。
  80. 【請求項80】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(15)で示される請求項62に記載の標的核
    酸の定量方法。 【化30】 (上記式[15]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  81. 【請求項81】 該式(15)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項80に
    記載の標的核酸の定量方法。
  82. 【請求項82】 該ピリリウム環の置換基に更に親水性
    基が導入されている請求項62〜81の何れかに記載に
    記載の標的核酸の定量方法。
  83. 【請求項83】 該化学発光性物質が、該二本鎖核酸に
    グルーブバインディングによって挿入されるものである
    請求項48〜60の何れかに記載の標的核酸の定量方
    法。
  84. 【請求項84】 該化学発光を検出する工程を、該二本
    鎖核酸に挿入された該化学発光性物質のみが化学発光可
    能な条件下で行なう請求項48〜83の何れかに記載の
    標的核酸の定量方法。
  85. 【請求項85】 該条件が、二本鎖核酸に挿入されてい
    ない該化学発光性物質が化学発光を示さない水性媒体中
    である請求項84に記載の標的核酸の定量方法。
  86. 【請求項86】 該水性媒体が水である請求項85に記
    載の標的核酸の定量方法。
  87. 【請求項87】 該水性媒体が水系緩衝液である請求項
    85に記載の標的核酸の定量方法。
  88. 【請求項88】 該水性媒体が水と相溶性を有する有機
    溶媒と水との混合溶液である請求項85に記載の標的核
    酸の定量方法。
  89. 【請求項89】 該有機媒体がメタノール、エタノー
    ル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
    スルホキシド及びイソプロパノールからなる群から選ば
    れる少なくとも1つである請求項88に記載の標的核酸
    の定量方法。
  90. 【請求項90】 水との相溶性を有する有機媒体と水と
    の混合溶液における該有機溶媒の混合比が、水に対して
    2〜50容量%である請求項88に記載の標的核酸の定
    量方法。
  91. 【請求項91】 該混合比が5〜20容量%である請求
    項90に記載の標的核酸の定量方法。
  92. 【請求項92】 該水性媒体がpH5〜8の範囲にある
    請求項85に記載の標的核酸の定量方法。
  93. 【請求項93】 該化学発光性物質の化学発光を検出す
    る工程において、該化学発光性物質と該二本鎖核酸をシ
    ュウ酸エステル及び過酸化水素と共存させる請求項48
    〜92の何れかに記載の標的核酸の定量方法。
  94. 【請求項94】 該シュウ酸エステルがビスジニトロフ
    ェニルオキザレートである請求項93に記載の標的核酸
    の定量方法。
  95. 【請求項95】 化学発光分析に用いる為の、下記式
    (1)で示されることを特徴とするピリリウム化合物。 【化31】 (上記式中XはO,S,Se又はTeであって、R1
    2及びR3から選ばれる2つの置換基は置換もしくは未
    置換のアリール基で有り、残りの置換基は、水素原子、
    ハロゲン原子、スルホネート基、アミノ基、スチリル
    基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シア
    ノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、または置換も
    しくは未置換のシクロアルキル基、または−Aもしくは
    −L−Aであり、 Lは−L1−、−L2−L3−または−L4−L5−L6−で
    あり、L1〜L6はそれぞれ独立して、−(CH=CH)
    −、置換もしくは未置換のアリール基から誘導される2
    価の基、置換もしくは未置換の低級アルキレン基、また
    は−CH=R4−(R4はオキソ基を有する環構造を示
    す)を表し、 Aは、置換もしくは未置換のアリール基、−CH=R5
    (R5は、置換もしくは未置換の複素環、置換もしくは
    未置換のシクロアルキル基、又は置換もしくは未置換の
    芳香環を示す)を表し、 Y- はアニオンを示す。)
  96. 【請求項96】 該式(1)中のLが下記式(2)〜
    (6)の何れかである請求項95のピリリウム化合物。 【化32】 (上記式[2]中、Zは水素原子、または、置換もしく
    は未置換低級アルキル基を表し、nは0、1または2で
    ある。) 【化33】 (上記式[3]中、nは0、1または2であり、Φは置
    換もしくは未置換のo - 、m- 、または、p−フェニレ
    ン基を表す) 【化34】 (上記式[4]中、Φは置換もしくは未置換のo-
    -、または、p−フェニレン基を表す) 【化35】 【化36】
  97. 【請求項97】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(7)である請求項95のピリリウム化合物。 【化37】 (上記式[7]中、XはO、S、Se、または、Teを
    表し、Y-はアニオンを表す)
  98. 【請求項98】 該式(7)において、XがOまたはS
    であって、YがIまたはClO4である請求項97のピ
    リリウム化合物。
  99. 【請求項99】 該式(1)で示される化学発光性物質
    が下記式(8)で示される請求項95のピリリウム化合
    物。 【化38】 (上記式[8]中、XはO、S、Se、または、Teを
    表し、Y-はアニオンを表す)
  100. 【請求項100】 該式(8)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項99の
    ピリリウム化合物。
  101. 【請求項101】 該式(1)で示される化学発光性物
    質が下記式(9)で示される請求項95のピリリウム化
    合物。 【化39】 (上記式[9]中、XはO、S、Te、Seを表し、Y
    -はアニオンを表す)
  102. 【請求項102】 該式(9)において、XがOまたは
    Sであって、YがIまたはClO4である請求項101
    のピリリウム化合物。
  103. 【請求項103】 該式(1)で示される化学発光性物
    質が下記式(10)で示される請求項95のピリリウム
    化合物。 【化40】 (上記式[10]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  104. 【請求項104】 該式(10)において、XがOまた
    はSであって、YがIまたはClO4である請求項10
    3のピリリウム化合物。
  105. 【請求項105】 該式(1)で示される化学発光性物
    質が下記式(11)で示される請求項95のピリリウム
    化合物。 【化41】 (上記式[11]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  106. 【請求項106】 該式(11)において、XがOまた
    はSであって、YがIまたはClO4である請求項10
    5のピリリウム化合物。
  107. 【請求項107】 該式(1)で示される化学発光性物
    質が下記式(12)で示される請求項95のピリリウム
    化合物。 【化42】 (上記式[12]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  108. 【請求項108】 該式(12)において、XがOまた
    はSであって、YがIまたはClO4である請求項10
    7のピリリウム化合物。
  109. 【請求項109】 該式(1)で示される化学発光性物
    質が下記式(13)で示される請求項95のピリリウム
    化合物。 【化43】 (上記式[13]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  110. 【請求項110】 該式(13)において、XがOまた
    はSであって、YがIまたはClO4である請求項10
    9のピリリウム化合物。
  111. 【請求項111】 該式(1)で示される化学発光性物
    質が下記式(14)で示される請求項95のピリリウム
    化合物。 【化44】 (上記式[14]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  112. 【請求項112】 該式(14)において、XがOまた
    はSであって、YがIまたはClO4である請求項11
    1のピリリウム化合物。
  113. 【請求項113】 該式(1)で示される化学発光性物
    質が下記式(15)で示される請求項95のピリリウム
    化合物。 【化45】 (上記式[15]中、XはO、S、Te、Seを表し、
    -はアニオンを表す)
  114. 【請求項114】 該式(15)において、XがOまた
    はSであって、YがIまたはClO4である請求項11
    3のピリリウム化合物。
  115. 【請求項115】 該ピリリウム環の置換基に更に親水
    性基が導入されている請求項95〜114の何れかに記
    載のピリリウム化合物。
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JP2012008084A (ja) * 2010-06-28 2012-01-12 Mie Univ 活性酸素測定方法及び活性酸素測定装置

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