JPH10158089A - 単結晶引上装置のルツボ構造 - Google Patents

単結晶引上装置のルツボ構造

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JPH10158089A
JPH10158089A JP31235896A JP31235896A JPH10158089A JP H10158089 A JPH10158089 A JP H10158089A JP 31235896 A JP31235896 A JP 31235896A JP 31235896 A JP31235896 A JP 31235896A JP H10158089 A JPH10158089 A JP H10158089A
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crucible
single crystal
graphite crucible
graphite
crystal pulling
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Shoichi Yamazaki
昌一 山崎
Yoshinori Tamura
義則 田村
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒鉛ルツボの寿命が延びてランニングコスト
が低減する、単結晶引上装置のルツボ構造を提供する。 【解決手段】 単結晶引上装置のチャンバ内に、半導体
融液を貯留するための石英ルツボ11と、石英ルツボ1
1を収容して支持する、周方向に分割された黒鉛ルツボ
35が設けられている。黒鉛ルツボ35の各ルツボ構成
部材35a,35b,35cの湾曲部(摩滅しやすい部
位)の内周部に、周方向に延びる溝37a,37b,3
7cがそれぞれ形成され、この溝37a,37b,37
c内に環状の交換部材36が嵌め込まれている。交換部
材36の材質としては、黒鉛ルツボ35と同じ等方性黒
鉛や、炭素繊維強化炭素材料等が挙げることができる。
単結晶製造の進行に伴い、交換部材36が摩滅が進行
し、この摩滅が規定以上になったら、交換部材36のみ
を交換することで、黒鉛ルツボ35の寿命を延ばす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルツボを用いて貯
留された半導体融液より半導体単結晶を引き上げる単結
晶引上装置に関し、特に、半導体融液を貯留するための
石英ルツボと、前記石英ルツボを収容して支持するため
の周方向に分割された黒鉛ルツボとからなるルツボ構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン(Si)やガリウムひ素
(GaAs)等の半導体単結晶を成長する方法の一つと
して、CZ法が知られている。このCZ法は、大口径、
高純度の単結晶が無転位あるいは格子欠陥の極めて少な
い状態で容易に得られること等の特徴を有することか
ら、様々な半導体結晶の成長に用いられている方法であ
る。
【0003】近年、単結晶の大口径化、高純度化、酸素
濃度および不純物濃度等の均一化の要求に伴いこのCZ
法も様々に改良され実用に供されている。上記CZ法の
改良型の一つにいわゆる二重ルツボを用いた連続チャー
ジ型磁界印加CZ法(以下、CMCZ法と省略する)が
提案されている。この方法は、外部からルツボ内の半導
体融液に磁界を印加することにより、前記半導体融液内
の対流を抑制し極めて酸素濃度の制御性がよく単結晶化
率がよい単結晶を成長させることができ、外側のルツボ
と内側のルツボとの間に原料を連続供給し長尺の半導体
単結晶を容易に得ることができる等の特徴を有する。し
たがって、大口径かつ長尺の半導体単結晶を得るには最
も優れた方法の一つと言われている。
【0004】図6は、特開平4−305091号公報に
記載されている、上記のCMCZ法を用いたシリコンの
単結晶引上装置の一例である。この単結晶引上装置1
は、中空の気密容器であるチャンバ2内に二重ルツボ
(石英ルツボ)3、ヒーター4、原料供給管5がそれぞ
れ配置され、前記チャンバ2の外部にマグネット6が配
置されている。なお、後述する本発明は、CMCZ法に
よる単結晶引上装置に適用されるに限らず、例えば、磁
界印加を行わない連続チャージ型CZ法(CCZ法)に
よる単結晶引上装置や、二重ルツボではなく1つのルツ
ボを備えた単結晶引上装置にも適用できる。
【0005】二重ルツボ3は、略半球状の石英(SiO
2)製の外ルツボ(後述する石英ルツボ)11と、該外
ルツボ11内に設けられた円筒状の仕切り体である石英
(SiO2)製の内ルツボ12とから構成され、該内ル
ツボ12の側壁には、内ルツボ12と外ルツボ11との
間(原料融解領域)と内ルツボ12の内側(結晶成長領
域)とを連通する連通孔13が複数個形成されている。
【0006】この二重ルツボ3は、チャンバ2の中央下
部に垂直に立設されたシャフト14上の黒鉛ルツボ(サ
セプタ)15に収容されて載置されており、前記シャフ
ト14の軸線を中心として水平面上で所定の角速度で回
転する構成になっている。そして、この二重ルツボ3内
には半導体融液(加熱融解された半導体単結晶の原料)
21が貯留されている。図7に示すように、黒鉛ルツボ
15はその周方向に分割されて3つのルツボ構成部材1
5a,15b,15cからなり、各ルツボ構成部材15
a,15b,15cの底面には、前記シャフト14(図
6参照)のフランジ部14aが嵌め込まれる凹部20
a,20b(ルツボ構成部材15cに形成された凹部は
不図示)がそれぞれ形成されている。黒鉛ルツボ15を
その周方向に分割した理由は、それに及ぼされる熱応力
を逃がして、割れを防止するためである。
【0007】ほぼ円筒状のヒーター4は、半導体の原料
をルツボ内で加熱・融解するとともに生じた半導体融液
21を保温するもので、通常、抵抗加熱ヒーターが用い
られる。なお、ヒーター4の詳細構造については後述す
る。原料供給手段としての原料供給管5は、その下端開
口より、所定量の半導体の原料10を外ルツボ11と内
ルツボ12との間の半導体融液21面上に連続的に投入
するものである。
【0008】上記の原料供給管5から供給される原料1
0としては、例えば、多結晶シリコンのインゴットを破
砕機等で破砕してフレーク状にしたもの、あるいは、気
体原料から熱分解法により粒状に析出させた多結晶シリ
コンの顆粒が好適に用いられ、必要に応じてホウ素
(B)(p型シリコン単結晶を作る場合)やリン(P)
(n型シリコン単結晶を作る場合)等のドーパントと呼
ばれる添加元素がさらに供給される。また、ガリウムヒ
素(GaAs)の場合も同様で、この場合、添加元素は
亜鉛(Zn)もしくはシリコン(Si)等となる。
【0009】上記の単結晶引上装置1により、内ルツボ
12の上方かつ軸線上に配された引上軸24にチャック
(不図示)を介して種結晶25を吊下げ、引上軸24を
その軸線回りに回転させつつ引上げることにより、半導
体融液21上部において種結晶25を核として半導体単
結晶26を成長させる。
【0010】ところで、上記の単結晶引上装置では、特
開昭63ー303894号公報に記載されているよう
に、単結晶を成長する前工程において、外ルツボ11に
予め多結晶シリコン塊等の多結晶原料を融解させて半導
体融液21を貯留し、外ルツボ11の上方に配された内
ルツボ12を、外ルツボ11内に載置して、二重ルツボ
3を形成している。
【0011】このように多結晶原料を融解後に二重ルツ
ボ3を形成するのは、多結晶原料を完全に融解して半導
体融液21を得るために、ヒーター4によって外ルツボ
11内の原料を単結晶成長温度以上の温度まで高温加熱
する必要があり、この際に、予め内ルツボ12を外ルツ
ボ11内に形成させていると、内ルツボ12に大きな熱
変形が生じてしまうからである。
【0012】したがって、原料を完全に融解した後、ヒ
ーター4による加熱をある程度弱めてから内ルツボ12
を外ルツボ11に形成させることによって、初期原料融
解保持時の高温加熱を避け、内ルツボ12の変形を抑制
している。
【0013】また、内ルツボ12に形成された連通孔1
3は、原料供給時に、半導体融液21を外ルツボ11側
から内ルツボ12内にのみ流入させるように一定の開口
面積以下に設定されている。この理由は、結晶成長領域
から半導体融液21が対流により原料融解領域に戻る現
象が生じると、単結晶成長における不純物濃度および融
液温度等の制御が困難になってしまうためである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ルツボ構造では、図7に示したように、分割構造の黒鉛
ルツボ15内に石英ルツボ11を単に収容した構造なの
で、図8に示すように、単結晶製造の進行に伴って、石
英ルツボ11から発生したガス(種類はSiO)と、黒
鉛ルツボ15の湾曲部(側部と底部との間)内面の特に
分割部(図7(a)中、一点鎖線16a,16b,16
cで示した範囲)との反応によりこの部分に凹んだ欠損
部(薄肉部)17が形成される。ルツボ構成部材15
a,15b,15cの欠損部17の肉厚が規定値以下に
なったら、黒鉛ルツボ15全体を新品のものに交換しな
ければならない。これにより、黒鉛ルツボ15の寿命が
短くなって、交換頻度が多くなり、結果的に、ランニン
グコストが高くつくという問題点がある。
【0015】ここで、黒鉛ルツボ15の分割部の特に湾
曲部が欠損しやすい原因は、以下のとおりに推定され
る。すなわち、先ず、石英ルツボ11から発生したSi
Oガスと黒鉛ルツボ15とが反応して、CがCOガスと
して黒鉛ルツボ15から離脱するような反応が起こると
推測される(以下の反応式参照)。 SiO+2C→SiC+CO↑ そして、半導体単結晶成長工程中において、石英ルツボ
11が高温雰囲気に晒されることに起因して、石英ルツ
ボ11が変形して黒鉛ルツボ15に密着し、SiOガス
の通り道が分割部に集中する。この分割部付近では、生
成されたCOガスが分割部を通って黒鉛ルツボ外へ移動
しやすいため、COガス濃度が上昇しにくく、その結
果、上記の反応が促進される。
【0016】さらに、炉内において単結晶成長軸方向の
温度分布は、下部の方が高温になって前記反応が進行し
やすいので、分割部の中でも特に湾曲部が欠損しやす
い。なお、黒鉛ルツボ15はその下部ほど高温になる
が、黒鉛ルツボ15の底面はシャフト14(図6参照)
のフランジ部14aに載っているので、黒鉛ルツボ15
の底面からCOガスが逃げにくく、その結果、黒鉛ルツ
ボ15の底部の欠損は殆ど生じない。
【0017】上記のような黒鉛ルツボ15の分割部湾曲
部の欠損促進を放置しておくと、図8に示すように、黒
鉛ルツボ15の欠損部17の形状にならって、石英ルツ
ボ11が符号18で示すように、変形して薄くなるの
で、石英ルツボ11内の半導体融液が流出する可能性が
高い。石英ルツボ11の変形した部分18の曲率が小さ
いことから、石英ルツボ11内の半導体融液に流れ(乱
流)が生じやすく、結果的に、半導体の単結晶化率が低
下することになる。
【0018】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、黒鉛ルツボの寿命が延びて
ランニングコストが低減する上に、単結晶化率も向上す
る単結晶引上装置のルツボ構造を提供することを目的と
している。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のルツボ構造は、チャンバ内に、半導体融液を
貯留するための石英ルツボと、前記石英ルツボを収容し
て支持するための周方向に分割された黒鉛ルツボとが設
けられる単結晶引上装置において、前記黒鉛ルツボの湾
曲部内周部が本体部に対して着脱可能になっていること
を特徴とするものである。
【0020】また、前記黒鉛ルツボの前記湾曲部内周部
に、周方向に延びる溝が形成され、この溝内に、炭素材
料からなるリング状の交換部材が着脱可能に嵌め込まれ
ている。さらに、前記交換部材はその周方向に分割さ
れ、その分割線が前記黒鉛ルツボの分割線に重ならない
ように、前記黒鉛ルツボに設けられるものである。そし
て、前記黒鉛ルツボの湾曲部内周部の分割部のみに、前
記交換部材がそれぞれ設けられている。
【0021】上記構成の本発明の作用としては、単結晶
製造に進行に伴って、上述のように黒鉛ルツボの着脱可
能な部分(交換部材)の欠損(薄肉化)が進行しやす
く、この欠損が規定以上になったら、前記着脱可能な部
分(交換部材)のみを交換する。これにより、黒鉛ルツ
ボ本体部の寿命を延ばす。また、黒鉛ルツボの交換部材
を設ける部位に、予め溝を形成しておくことにより、交
換部材の位置ずれを防止できる。さらに、交換部材を周
方向に分割することにより、それに加わる熱応力を逃が
すことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の数例の実施形態に
ついて図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の
単結晶引上装置のルツボ構造の第1の実施形態の平面
図、図1(b)は(a)のA−A線断面図、図2(a)
は図1に示した交換部材の平面図、図2(b)は図2
(a)のB−B線断面図である。
【0023】図1に示すように、従来と同様に、黒鉛ル
ツボ35は、周方向に3分割されたルツボ構成部材35
a,35b,35cからなり、この黒鉛ルツボ35内に
は石英ルツボ11が収容されている。なお、黒鉛ルツボ
35は3分割のものに限らず、その他の数に分割された
ものでもよい。本実施形態の特徴としては、各ルツボ構
成部材35a,35b,35cの湾曲部(側部と底部と
の間)の内周部に、周方向に延びる溝37a,37b,
37cをそれぞれ形成して黒鉛ルツボ本体部として、こ
の溝37a,37b,37c内に、図2に示す、環形状
で薄肉の交換部材36を着脱可能に嵌め込んで黒鉛ルツ
ボ35を構成したものである。この溝37a,37b,
37cを形成した範囲は、従来の技術で説明したよう
な、ルツボ構成部材の欠損しやすい範囲(図7の符号1
6a,16b,16cで示した範囲)を包含する広い範
囲になっている。本例では、溝37a,37b,37c
の厚さは1.0mm程度であり、交換部材36の肉厚は
1.2mm程度であるが、勿論これに限らない。
【0024】炭素材料からなる交換部材36としては、
本例では、軽量で、薄くする際に加工性に優れかつ強度
が高い理由により、例えば日本カーボン株式会社製の高
強度・高弾性炭素材料である炭素繊維強化炭素材料[商
品名:カーボンコンポジットマテリアル(CCM)]が
用いられており、品番としてはCCM−101C,CC
M−190C等が挙げられる。また、交換部材36の材
質としては、炭素繊維強化炭素材料(CCM)の他に、
例えば黒鉛ルツボ35の材質である通常の等方性黒鉛を
用いてもよい。
【0025】交換部材36は、黒鉛ルツボ35と同様
に、周方向に分割されて3つの分割部材36a,36
b,36cから構成されている。そして、図1では、交
換部材36の分割線(分割部材36a,36b,36c
の境界線)は、黒鉛ルツボ35の分割線(ルツボ構成部
材35a,35b,35cの境界線)に対して、黒鉛ル
ツボ35の周方向に60°だけずれている。交換部材3
6は、黒鉛ルツボ35の分割部近傍が特に欠損しやすい
ことから、黒鉛ルツボ35の使用に伴い、交換部材36
をその周方向に回転させて周方向の位置をずらすことが
できる。ただし、交換部材36を、その分割線が黒鉛ル
ツボ35の分割線に重ならないように設置することによ
り、上記化学反応式により生成されたCOガスが、黒鉛
ルツボ35の分割部を通って黒鉛ルツボ35外へ移動し
にくくなるので、交換部材36の欠損を低減させること
ができる。なお、交換部材36は3分割のものに限ら
ず、その他の数に分割されたものでもよい。
【0026】上記構成の実施形態では、単結晶製造の進
行に伴って、交換部材36の特に黒鉛ルツボの分割部の
欠損が進行し、この欠損が規定以上になったら、交換部
材36のみを交換することにより、黒鉛ルツボ35全体
の寿命を延ばすことができる。また、交換部材36は、
その周方向に必ずしも分割する必要はないが、本例のよ
うに、黒鉛ルツボ35と同様に交換部材36も周方向に
分割することにより、それに加わる熱応力を逃がすこと
ができる。さらに、交換部材36を設ける部位に予め溝
37a,37b,37cを形成しておくことにより、交
換部材36の位置ずれを防止できる。
【0027】図3(a)は本発明の単結晶引上装置のル
ツボ構造の第2の実施形態の平面図、図3(b)は
(a)のC−C線断面図、図4は図3(a)のD−D線
断面図である。この例では、黒鉛ルツボ45の各ルツボ
構成部材45a,45b,45cの湾曲部分割部のみ
に、交換部材38a,38b,38cをそれぞれ設けた
ものである。
【0028】詳述すると、隣接する2つのルツボ構成部
材45a,45bの湾曲部の分割部に跨って溝39aが
形成されている。この溝39aの形状は平面視略扇形状
をなし、深さは約1mm程度になっているが、これに限
らない。この溝39aを形成した範囲は、従来の技術で
説明したような、ルツボ構成部材の欠損しやすい範囲
(図7の符号16aで示した範囲)を包含する広い範囲
になっている。この溝39aには、交換部材38aが着
脱可能に嵌め込まれている。交換部材38aは図1のも
のと同様に炭素繊維強化炭素材料で形成されている。な
お、2つのルツボ構成部材45b,45cの分割部およ
び2つのルツボ構成部材45c,45dの分割部の構造
は、前記2つのルツボ構成部材45a,45bの分割部
の構造と同様に、溝39b,39c内に交換部材38
b,38cがそれぞれ着脱可能に嵌め込まれた構造にな
っている。
【0029】本実施形態では、交換部材38a,38
b,38cを黒鉛ルツボ45の特に欠損しやすい部位
(湾曲部分割部)のみに設けることにより、炭素繊維強
化炭素材料の使用量が少なくなり、ランニングコストの
さらなる低下を期待できる。
【0030】図5は本発明のルツボ構造の第3の実施形
態の縦断面図である。この例では、黒鉛ルツボ55は従
来と同様に溝のないものであり、その湾曲部内周面に、
図2で示したものと同様な環状の交換部材49が載置さ
れているものである。符号49b,49cは交換部材4
9の分割部材を示している。この例では、交換部材49
は位置決めされないが、その他の効果は上記図1のもの
と同様である。
【0031】単結晶引上装置としてCMCZ法を採用し
たが、他の単結晶製造方法を適用しても構わない。例え
ば、磁界印加を行わない連続チャージ型CZ法(CCZ
法)を採用したり、二重ルツボではなく1つのルツボを
備えた単結晶引上装置でもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1に記載の発明は、単結晶製造の進行に伴って、黒
鉛ルツボの着脱可能な部分の欠損が進行し、この欠損が
規定以上になったら、この着脱可能な部分のみを交換す
ることにより、黒鉛ルツボ本体部の寿命を延ばすことが
できる。これにより、黒鉛ルツボの交換頻度が少なくな
るので、結果的に、ランニングコストが低くなる。ま
た、黒鉛ルツボの着脱可能な部分を早目に交換すること
により、石英ルツボが変形せず、石英ルツボ内の半導体
融液が流出する可能性は低くなって、安全である。さら
に、石英ルツボの急激な曲率半径の変形を防止できるた
めに、石英ルツボ内の半導体融液に流れ(乱流)が生じ
にくく、結果的に、半導体の単結晶化率が向上する。
【0033】請求項2に記載の発明は、上記効果の他、
交換部材が溝に収容されているので、その位置ずれを防
止できる。請求項3に記載の発明は、上記効果の他、黒
鉛ルツボと同様に交換部材も周方向に分割することによ
り、それに加わる熱応力を逃がすことができるので、割
れによる破損を阻止できる。また、交換部材を、その分
割線が黒鉛ルツボの分割線に重ならないように設置する
ことにより、生成されたCOガスが、黒鉛ルツボ本体の
分割部を通って黒鉛ルツボ外へ移動しにくくなるので、
交換部材の欠損を低減させることができる。請求項4に
記載の発明は、上記効果の他、黒鉛ルツボの特に欠損し
やすい湾曲部分割部のみに交換部材を設けることによ
り、交換部材の使用量が減り、結果的に、ランニングコ
ストのさらなる低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の単結晶引上装置のルツボ構
造の第1の実施形態の平面図、(b)は(a)のA−A
線断面図である。
【図2】 (a)は図1に示した交換部材の平面図、
(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図3】 (a)は本発明の単結晶引上装置のルツボ構
造の第2の実施形態の平面図、(b)は(a)のC−C
線断面図である。
【図4】 図3(a)のD−D線断面図である。
【図5】 本発明のルツボ構造の第3の実施形態の縦断
面図である。
【図6】 CMCZ法を用いたシリコンの単結晶引上装
置の一例を示す断面図である。
【図7】 (a)は従来の、単結晶引上装置のルツボ構
造の平面図、(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図8】 図7(a)のY−Y線断面図である。
【符号の説明】
1 単結晶引上装置 2 チャンバ 3 二重ルツボ 4 ヒーター 5 原料供給管 6 マグネット 10 原料 11 外ルツボ 12 内ルツボ 13 連通孔 14 回転軸(シャフト) 14a フランジ部 15,35,45,55 黒鉛ルツボ(サセプタ) 21 半導体融液 24 引上軸 25 種結晶 26 半導体単結晶 35a,35b,35c,45a,45b,45c ル
ツボ構成部材 36,38a,38b,38c,49 交換部材 36a,36b,36c,49b,49c 分割部材 37a,37b,37c,39a,39b,39c 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ内に、半導体融液を貯留するた
    めの石英ルツボと、前記石英ルツボを収容して支持する
    ための周方向に分割された黒鉛ルツボとが設けられる単
    結晶引上装置において、 前記黒鉛ルツボの湾曲部内周部が本体部に対して着脱可
    能になっていることを特徴とする単結晶引上装置のルツ
    ボ構造。
  2. 【請求項2】 前記黒鉛ルツボの前記湾曲部内周部に、
    周方向に延びる溝が形成され、この溝内に、炭素材料か
    らなるリング状の交換部材が着脱可能に嵌め込まれてい
    る請求項1に記載の単結晶引上装置のルツボ構造。
  3. 【請求項3】 前記交換部材はその周方向に分割され、
    その分割線が前記黒鉛ルツボの分割線に重ならないよう
    に、前記黒鉛ルツボに設けられるものである請求項2に
    記載の単結晶引上装置のルツボ構造。
  4. 【請求項4】 前記黒鉛ルツボの湾曲部内周部の分割部
    のみに、前記交換部材がそれぞれ設けられている請求項
    2に単結晶引上装置のルツボ構造。
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