JPH1015737A - 放電加工用加工液の良否を検査する方法及び装置 - Google Patents

放電加工用加工液の良否を検査する方法及び装置

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JPH1015737A
JPH1015737A JP19285396A JP19285396A JPH1015737A JP H1015737 A JPH1015737 A JP H1015737A JP 19285396 A JP19285396 A JP 19285396A JP 19285396 A JP19285396 A JP 19285396A JP H1015737 A JPH1015737 A JP H1015737A
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discharge
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machining
electrodes
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Tatsuo Toyonaga
竜生 豊永
Masateru Namikawa
真輝 南川
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Sodick Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電加工に用いる加工液の良否を簡単な構成
で定量的に的確且つ容易に検査すること、又、延いては
粉末混入加工液による鏡面仕上げ加工を信頼性良く安定
して行ない得るようにすること。 【構成】 2個の電極を所定距離離隔させて一体に形成
した検査用電極を用い、パルス電源装置の一方の極を通
電線を介して第3の電極に接続すると共に他方の極を通
電線を分岐した2本の分岐通電線を介して前記2個の電
極に夫々接続し、電源装置から間歇的な電圧パルスを繰
返し供給して繰返し放電を発生させ、前記2本の分岐通
電線の夫々を流れる電流値から前記2個の電極の内のど
ちらの電極で放電が発生したかを判別検知し、放電発生
電極が一方の電極から他方の電極に、又はその逆に代っ
た回数の全放電発生回数に対する比率(放電点分散率)
を求めて、該比率の値により被検査加工液の良否を判定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工用電極と被加
工体とを加工間隙を介して対向させ、加工間隙に加工液
を介在させた状態で、加工用電極と被加工体間に間歇的
な電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共に
両者間に加工送りを与えて加工を行なう放電加工に用い
る加工液の良否を検査する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】加工液として油(通常ケロシン)に金属
や金属炭化物等の金属化合物、及び半導体等の粉末を混
入した加工液を用いた放電加工が従来から提案されてお
り、例えば、1989年度精密工学会春季大会学術講演
会講演論文集第1103〜1104頁には、AlやSi
等の粉末を混入した加工液を用いると、放電の発生位置
(放電点)の局在傾向が改善されて加工面の全面に放電
点が均一に分散するようになり、放電の集中による異常
アーク放電が防止されるだけでなく、面粗さが向上して
鏡面仕上げが可能となること、又、仕上げ加工速度が向
上すると共に仕上げ面の耐蝕性が高められ、また放電加
工時の加工間隙距離が増大し加工が安定化して良好な仕
上げ加工が可能となることが開示されている。又、19
92年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集第9
13〜914頁には、パルス幅の大きい電圧パルスによ
る加工でも油にSi粉末を混入した加工液を用いれば、
放電点の分散性が改善されることから低電極消耗条件下
で面粗さ良好な仕上げ加工が可能となることが開示され
ている。又更に、電気加工学会誌Vol.25、NO49第4
9〜54頁には、粉末を混入しない通常加工液を用いて
導体電極による仕上げ加工を行なうと、或る限られた局
在的な領域で放電パルスが分散して発生する放電圏が形
成され、この放電圏が加工用電極の全面を順次移動する
態様で加工が行なわれるようになり、この結果、加工面
にムラが生じて不均一な仕上げ面になり易いが、Alや
Si等の粉末を混入した加工液を用いると、加工面が放
電圏の移動ではなく分散性の良い単発放電痕の連なりに
よって形成される傾向となり面粗さ良好な仕上げ面が形
成されることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来から、
粉末混入加工液を用いると放電点の分散性が向上し面粗
さが改善されて光沢性の有る鏡面仕上げ加工が可能とな
ることが知られている。ここで、粉末混入加工液使用に
よる放電点の分散性向上の作用は、例えば、電気加工学
会誌Vol.7、NO14第19〜28頁にも開示されている
ように、加工間隙に一様に介在する混入粉末の電圧印加
時の電荷及び電気泳動による移動や堆積若しくは連接等
によって放電がトリガされることにより、また加工速度
向上の作用は、前記放電トリガ作用によって電圧パルス
印加から放電発生までの待ち時間のばらつきがなくなる
こと及び上述したように加工間隙距離が増大して加工が
安定化することによると考えられる。しかして、加工液
に混入する粉末としては、Fe,Gr,Al,Ti,
W,Cu,Ni,Sn,Pb等の金属、TiC,Si
C,WC等の金属炭化物、CrSi2,TiSi2,Zr
Si2等の金属珪化物、Si,Geや金属酸化物等の半
導体、又は炭素の内の一種又は複数種の混合物が用いら
れるが、粉末製造後の保管期間や保管状態によって、性
状又は品質が変化する可能性が高い金属系の粉末、例え
ば、同じ粒径のTi粉末をケロシンに所定量(g/l)
混入して所定濃度に調製した粉末混入加工液を用いて
も、鏡面仕上げ加工ができるときとできないときとがあ
る。この原因を種々実験を重ねて究明したところ、Ti
のように表面が酸化等して変化、変質し易い金属系粉末
の場合、表面が或る程度酸化している粉末(温度等によ
るが、室温で放置しておいた古粉)を使用したとき放電
点の分散性が良好で鏡面仕上げが可能となることがある
が、更に酸化の程度が進んだと思われる粉末の場合に
は、加工が不安定となって鏡面に仕上げられないことが
あることが判明した。鏡面仕上げの可否が使用粉末の酸
化程度に左右される理由としては、粉末や形成酸化物の
種類や性状等によるものの、酸化によって粉末の帯電状
態が変化し帯電状態の差異が混入粉末の電圧印加による
電気泳動に影響を与えること、又あるいは酸化により粉
末の電気抵抗が変化すること等が考えられるが、未だ不
明な点が多い。又、同じ粉末混入加工液を使用しても、
供給電圧パルスのパルス条件によって放電点の分散性が
異なり、電圧パルスの無負荷電圧が低いパルス条件の方
が分散性が良好で鏡面仕上げを行ないやすいことが判明
した。又、粉末混入加工液を調製した時点では鏡面仕上
げが可能であっても、長期に亙って使用していると、混
入粉末の多くが放電に曝されて極微細粉末化により消耗
したり、加工液がタール状化して加工性能が低下し粉末
混入加工液の寿命と思われる状態になったとき、又使用
期間がそれ程長くないのに、混入粉末が被加工体や加工
用電極に付着したり加工槽内に沈殿して粉末濃度が低下
することにより、十分な放電点の分散性が得られなくな
って鏡面仕上げができなくなり、又あるいは水を主成分
とする加工液の場合には、調製時からの時間経過により
混入粉末の酸化程度が変化して放電点の分散性が悪化す
ることも考えられる。
【0004】実験研究により得られたこのような知見か
ら、粉末混入加工液による鏡面仕上げ加工を信頼性良く
安定して行なうためには、粉末混入加工液を所定粉末濃
度(g/l)に調製するだけでなく、良好な放電分散性
(加工面が放電圏の移動ではなく単発放電痕の連なりに
よって形成される放電分散性)が得られるかどうかを、
調製段階に於て、また実際の加工に際して検査すること
が必要であり、又、実際の加工に際しては、当該加工と
同一のパルス条件等の加工条件で検査することが望まし
いと認識されるにようになり、粉末混入加工液の良否を
放電点の分散性から定量的に判定し得る検査方法及び装
置が求められている。本発明は、上述した問題点に鑑
み、放電加工に用いる加工液の良否を簡単な構成で定量
的に的確且つ容易に検査すること、又、延いては粉末混
入加工液による鏡面仕上げ加工を信頼性良く安定して行
ない得るようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の加工液良否検査方法は、2個の電極の各端
面を所定距離離隔した同一平面上に位置させて両電極を
一体に形成してなる検査用電極を微小間隙を介して第3
の電極に対向させ、パルス電源装置の一方の極を通電線
を介して第3の電極に接続すると共に他方の極を通電線
を分岐した2本の分岐通電線を介して前記2個の電極に
夫々接続し、前記微小間隙に被検査加工液を供給した状
態で、前記電源装置から間歇的な電圧パルスを繰返し供
給して前記微小間隙に繰返し放電を発生させ、前記2本
の分岐通電線の夫々を流れる電流値から前記2個の電極
の内のどちらの電極で放電が発生したかを判別検知し、
放電発生電極が前回の放電発生電極と代った回数の全放
電発生回数に対する比率を求めて、該比率の値により被
検査加工液の良否を判定することを特徴とする。
【0006】又、前記加工液良否検査方法により、放電
加工の実施に当って、パルス電源装置から間歇的に供給
される電圧パルスのパルス条件を当該放電加工のパルス
条件と同じに設定すると共に前記第3の電極を放電加工
の被加工体として、当該放電加工に用いる加工液の良否
を検査することを特徴とする。
【0007】又、本発明の前記方法で検査される加工液
としては、各種の粉末、即ちFe,Gr,Al,Ti,
W,Cu,Ni,Sn,Pb等の金属、TiC,Si
C,WC等の金属炭化物、SrSi2,TiSi2,Zr
Si2等の金属珪化物、Si,Geや金属酸化物等の半
導体、又はC(炭素)の内の一種又は複数種の粉末を混
入した加工液の良否判定検査に有効であるが、前記粉末
として常温空気中で酸化等して性状変化する金属系のF
e,Cr,Al,Ti,W,Cu,Ni,Sn,Pb,
Mn,Znの内の一種又は複数種の粉末をケロシンに混
入してなる粉末混入加工液を代表例として挙げることが
できる。
【0008】又、本発明の加工液良否検査装置は、2個
の電極の各端面を所定距離離隔した同一平面上に位置さ
せて両電極を一体に形成してなる検査用電極と、該検査
用電極と第3の電極を収容し被検査加工液が供給される
液槽と、一方の極が通電線を介して第3の電極に接続さ
れると共に他方の極が通電線を分岐した2本の分岐通電
線を介して前記2個の電極に夫々接続され、微小間隙を
介して対向する第3の電極と前記2個の電極との間に間
歇的な電圧パルスを印加するパルス電源装置と、前記2
本の分岐通電線の夫々を流れる電流を検出する2個の電
流センサと、該2個の電流センサの検出信号から前記微
小間隙で放電が発生したことを判別する放電開始判別装
置と、前記2個の電流センサの検出信号から前記2個の
電極の内のどちらの電極で放電が発生したか各放電発生
毎に判別する放電発生電極判別装置と、該判別装置によ
り判別された放電発生電極が前回の放電発生電極と異な
る場合に信号を出力する論理回路と、該論理回路の出力
信号をカウントする第一のカウンタと、前記放電開始判
別装置の出力信号をカウントする第二のカウンタと、前
記第一のカウンタと第二のカウンタのカウント数の比を
演算する演算装置と、該演算装置の演算結果を放電点分
散率として表示する表示装置とを備えてなることを特徴
とする。
【0009】又、前記加工液良否検査装置は、液槽とし
て放電加工機の加工槽を用い、パルス電源装置として該
放電加工機の加工用電源装置を用い、そして更に第3の
電極として被加工体を用いることができる。
【0010】
【作 用】従来は、粉末混入加工液を用いると、放電点
の分散性が向上して加工面の面粗さが改善されることが
定性的に知られていただけであったが、本発明によれ
ば、被加工体等の第3の電極表面の所定距離離れた2領
域でのみ放電を発生させるように形成した検査用電極を
用い、該2領域の内のいずれの領域で放電が発生したか
放電電流値から判別し、放電点が該2領域の一方から他
方に移行した回数の全放電発生回数に対する比率を放電
点分散率として求めるようにしたから、この放電点分散
率は、放電圏を形成するような局所領域内での放電点の
移動の検出を完全に排除し、単発放電痕の連なりによっ
て加工面が形成される良好な放電点の移動のみを確実に
検出して、該良好な放電点の移動の頻度(分散程度)を
適確に定量化した比率となり、従って、本発明の放電点
分散率によって加工液の良否を判定することにより、加
工液の良否を定量的に的確に検査することが可能とな
る。又、本発明の検査用電極は2個の電極が一体に形成
されているから、取扱いが容易であり、常に同じ検査条
件で正確に安定した検査を行なうことができる。
【0011】又、加工液に混入する粉末としては、F
e,Gr,Al,Ti,W,Cu,Ni,Sn,Pb等
の金属、TiC,SiC,WC等の金属炭化物、SrS
2,TiSi2,ZrSi2等の金属珪化物、Si,G
eや金属酸化物等の半導体、又は炭素の内の一種又は複
数種の混合物が用いられるが、粉末製造後の保管期間や
保管状態によって、表面の酸化や窒化等により性状又は
品質が変化する可能性が高い金属系の粉末、例えば、F
e,Cr,Al,Ti等の金属粉を混入した粉末混入加
工液の場合、所定粉末濃度に調製しただけでは良否が定
かでなく、実際に放電加工してみないと良否が判らない
場合が少なくなったのであるが、本発明によれば、この
ような加工液の良否を予め的確に検査でき、又、実際の
加工に際してもその直前等に容易に検査することができ
るから、長期使用により混入粉末の濃度やあるいは酸化
程度に変化があったとしても、電圧パルスのパルス幅、
休止幅、電流波高値、無負荷電圧値、電源接続極性等の
パルス条件を当該加工に用いるパルス条件と同じに設定
して検査することにより、使用加工液が所期の加工に適
しているか否かの良否の検査を前もって的確に行なうこ
とができ、不良加工品を作り出してしまうような失敗加
工を防止することができる。又、荒加工、中加工、仕上
げ加工等の加工工程の移行時に加工液を交換する場合に
も、使用加工液が当該加工に適しているか否かを的確に
検査し得る。
【0012】又、2個の電極が所定距離離隔して配置さ
れているため、2本の分岐通電線に流れる電流値の差異
が明瞭であって、2領域のどちらの領域で放電が発生し
たか容易に判別することができるから、電流検出及び検
出信号処理にさほど高精度の素子機器類を必要とせず、
簡単な構成で的確に検査することができる。又、放電加
工を行うに際して、当該放電加工機の加工液の検査を行
う際には、検査用の液槽として放電加工機の加工槽を用
いると共に第3の電極として被加工体を用い、又、パル
ス電源装置として該放電加工機の加工用電源装置を用い
ることが可能であるから、液槽と第3の電極とパルス電
源装置は必ずしも別個に設ける必要がなく、簡単な構成
で容易に検査することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は、本発明に係る放電加工用加工
液の良否を検査する装置の一実施例を示す構成図であ
り、1は検査用電極であって、図2及び図3に示すよう
に、幅a、奥行b、高さcの2個の電極1R ,1L を、
各端面を同一平面におき所定距離d離して板厚eの結合
部材1C により一体に形成した形状をしており、両電極
R,1L は夫々端子1T ,1T を有し、この実施例で
は2個の電極1R ,1L と結合部材1C とを比抵抗の比
較的高いグラファイトにより一体に形成している。2は
被加工体を用いて兼用させることができる第3の電極、
3は第3の電極2を載置するテーブル、4は検査用電極
1及び第3の電極2を収容し被検査加工液5が供給され
る加工液槽を用いて兼用させることができる液槽であ
る。6は直流電源、7は直流電源6をオンオフするスイ
ッチング素子のトランジスタ、8はスイッチング素子7
の開閉を制御するパルス発振器、9は電流制限抵抗であ
り、これ等によりパルス電源装置が構成され、該パルス
電源装置の一方の極が通電線10により第3の電極2に
接続され、他方の極が通電線11を分岐した分岐通電線
11R ,11L により2個の電極1R ,1L の夫々の端
子1T ,1T に接続されている。放電点の分散性の正確
な定量的検出を保障するために、各分岐通電線11R
11L は材質、太さ、長さを等しくし、各端子1T ,1
T に於ける接触抵抗が等しくなるように接続に注意し、
通電線10の第3の電極2に対する接続位置が2個の電
極1R ,1L から等距離となるようにして、2本の分岐
通電線11R ,11L の夫々を通る各放電回路を等価と
する。
【0014】又、12R ,12L は各分岐通電線1
R ,11L の夫々を流れる放電電流を検出する電流セ
ンサであり、ホール素子や電流検出コイルが用いられ
る。13は各電流センサ12R ,12L の検出信号を加
算して増幅する非反転加算器、14は加算器13の出力
が基準電圧14aを超えたとき反転信号を出力する比較
器、15は比較器14の反転出力信号をうけて放電開始
信号Sを出力する単安定マルチバイブレータであり、加
算器13、比較器14、単安定マルチバイブレータ15
によって放電開始判別装置が構成される。16は各電流
センサ12R ,12Lの検出信号を比較し減算して増幅
する差動増幅器であって、2個の電極1R ,1L の内の
どちらの電極で放電が発生したか各放電発生毎に判別し
て判別信号Bを出力し、放電発生電極判別装置を構成す
る。17及び18はD・フリップフロップ(F/F )であ
り、D・F/F 17は、差動増幅器16の判別出力Bに対
応した信号を記憶し、それまで記憶していた信号sig2を
出力してD・F/F 18に転送すると共に後述の排他的O
R(XOR)ゲート19に入力する。又、D・F/F 18
は、D・F/F 17から転送された信号を記憶すると共に
それまで記憶していた信号sig1を出力してXORゲート
19に入力する。従って常に、連続する前後2個の放電
の内の前の放電の発生電極に関する情報sig1がD・F/F
18に記憶され、後の放電の発生電極に関する情報sig2
がD・F/F 17に記憶されていることになる。19はD
・F/F 17及び18の夫々の出力信号sig2とsig1を入力
信号とするXORゲートであり、sig1とsig2が異なった
信号のときハイレベル信号“1”を出力する。20はX
ORゲート19の出力信号と放電開始信号Sを入力信号
とするANDゲートであり、D・F/F 17及び18、X
ORゲート19、ANDゲート20により、放電発生電
極が前回の放電発生電極と異なる場合に信号を出力する
論理回路を構成する。21はANDゲート20の出力信
号をカウントする第一のカウンタであり、22は放電開
始信号Sをカウントする第二のカウンタである。23は
入力インターフェイス23a,出力インターフェイス2
3b,CPU23c,ROM23d,RAM23eを備
えたコンピュータであり、CPU23cにより第一のカ
ウンタ21と第二のカウンタ22のカウント数の比が演
算される。又、24は演算結果の放電点分散率を表示す
るCRT等の表示装置であり、25はキーボード等の入
力装置である。
【0015】又、検査用液槽4として通常の形彫放電加
工機が具備する加工槽を用い、加工槽内の加工テーブル
に被加工体が兼用することある第3の電極2を載置し、
加工用電極支持ヘッドに検査用電極1を支持させて第3
の電極2と微小間隙を介して対向させ、パルス電源装置
として放電加工用電源装置を用いて所定パルス条件の電
圧パルスを検査用電極1と第3の電極2間に印加するよ
うにし、またコンピュータ23としても形彫放電加工機
のCNC装置を利用することができ、このように、形彫
放電加工機の具備する構成、機能を検査装置に利用する
ことにより、簡単な構成で容易に加工液の良否を検査す
ることができる。
【0016】以上の構成により、加工液の良否が次のよ
うにして検査される。先ず、加工液槽4内のテーブル3
上に被加工体2を載置し、検査用電極1を所定の微小間
隙を介して対向させて該対向間隙を被検査加工液中に浸
漬させる。又、入力装置25を操作して放電サンプリン
グ数(例えば2万回)をRAM23eに設定する。次い
で、単安定マルチバイブレータ15の放電開始信号S出
力停止制御が解除されていることを確認してから、電源
装置をオンして所定パルス条件の電圧パルスを検査用電
極1と被加工体2間に印加する。加工液調製段階で検査
するときは標準パルス条件に設定し、実際の加工に際し
て検査するときは当該加工のパルス条件に設定する。こ
のパルス条件の設定は、作業者の操作により、あるいは
ROM23dに記憶されている検査プログラムに従って
コンピュータ23により自動的に行なわれる。電圧パル
スの印加により右側電極1R 又は左側電極1L で放電パ
ルスが発生し、放電電流が電流センサ12R 及び12L
により検出される。電圧パルス印加による間隙電圧VG
の波形を図5(a)に、右側電流センサ12R による検
出電流波形IR を同(b)に、左側電流センサ12L
よる検出電流波形IL を同(c)に夫々模式的に例示し
た。両電流センサで検出された放電電流は非反転加算器
13と差動増幅器16に送られ、非反転加算器13に於
て両検出信号が加算され、比較器14で基準電圧と比較
されて、基準電圧を超えたとき出力される反転出力によ
り単安定マルチバイブレータ15から図5(d)に示す
放電開始信号Sが出力される。
【0017】又、差動増幅器16に於て左右両電流セン
サの検出信号の大小が比較されて左右の電極1R 、1L
のどちらの電極で放電が発生したか判別され、判別信号
Bが、図5(e)に示すように出力される。ここで、左
右の電極1R と1L が所定距離d離隔しており、また両
電極1R 、1L と結合部材1C とが共に比抵抗の高いグ
ラファイトにより形成されているから、例えば、右側電
極1R で放電が発生すると、放電経路長さによる回路抵
抗の相違により、右側電極1R に接続されている分岐通
電線11R に他方の分岐通電線11L よりも顕著に大き
い電流が流れ、放電発生電極が正確に判別される。尚、
判別の信頼性を高めるために、図3に於ける寸法eを強
度を考慮した上で小さくすることが望ましい。そして、
判別信号Bが、各放電発生毎に次々とD・F/F 17に送
られ、該D・F/F 17の出力sig2がD・F/F 18とXO
Rゲート19に送られると共にD・F/F 18の出力sig1
がXORゲート19に送られ、図5(f)に示すように
XORゲート19は信号sig1とsig2が同じでないときに
信号“1”を出力する。そして、放電開始信号SとXO
Rゲート19の出力信号を入力信号とするANDゲート
20から、図5(g)に示すように、放電発生電極が前
回の放電発生電極と代ったことを示すパルス信号Cが出
力され、この出力信号Cが第一のカウンタ21によって
カウントされる。又、放電発生信号Sがカウンタ22に
よってカウントされ、第一及び第二のカウンタ21,2
2の夫々のカウント数がRAM23eに記憶されると共
に、第二のカウンタ22のカウント数がRAM23eに
設定したサンプリング数と比較され、設定数に達すると
CPU23cから制御信号が出力されて単安定マルチバ
イブレータ15による放電開始信号Aの出力が停止され
ると共に、第一及び第二のカウンタ21,22がクリア
される。又、RAM23eに記憶されている第一のカウ
ンタ21のカウント数と設定サンプリング数との比(信
号Cの数×100/信号Sの数)がCPU23cにより
演算され、演算結果が放電点分散率〔%〕として表示装
置24に表示される。そして、作業者は表示された放電
点分散率によって被検査加工液の良否を判定する。又あ
るいはRAM23eに良否判定基準の放電点分散率を入
力設定しておいて、演算結果の放電点分散率をCPU2
3cで判定基準と比較して、判定結果の良否を表示装置
24に表示させるようにしても良い。尚、粉末混入加工
液の良否を検査する場合は、粉末濃度を均一に保つため
に、該加工液の噴射を伴う循環供給やスクリュウの回転
等により液槽内の粉末混入加工液を常時撹拌した状態で
検査を行なう。
【0018】ここで、放電点分散率の計算例を図6に基
づいて説明する。図6は、電流センサ12R ,12L
より検出したオシロスコープ上の放電電流波形から放電
の発生電極を読取って放電点の電極間の移動を記した図
であり、右電極1R側と左電極1L側とを結ぶ直線の数
が、右電極から左電極に又はその逆に放電点が移動した
回数を示している。図示の場合、全放電発生回数は12
6回で、放電点の移動回数は62回であり、放電点分散
率は62×100/126=49.2%となる。
【0019】又、図1の実施例装置では、第二のカウン
タ22でカウントされる最後の一発の放電については、
その前の放電と発生電極が異なっていたとしても第一の
カウンタ21でカウントされないことになるが、設定サ
ンプリング数が通常2万回程度と多数であるから、放電
点分散率の測定精度への影響は無視できる。厳密さを求
めるのであれば、第二のカウンタ22のサンプリングカ
ウント数から1差し引いた数を全放電発生回数として放
電点分散率を計算すれば良い。
【0020】上述した実施例装置による実験結果を図7
に示す。図2及び図3に於けるa=20mm、b=20m
m、c=5mm、d=110mm、e=1mmの寸法形状のグ
ラファイト製の検査用電極を用い、SKD11材を被加
工体とし、ケロシンに平均粒径が5〜6μm程度のTi
粉末を約2g/l、6g/l、12g/l、18g/
l、40g/lの各濃度で混入した五種類の粉末混入加
工液と、粉末類を混入しないケロシンを加工液として、
パルス幅τon=4μs、休止幅τoff=8μs、波
高値Ip=4.5Aで無負荷電圧が90Vの主電源のみ
の場合と、前記主電源に無負荷電圧280Vの電圧パル
スを同期して重畳する補助電源を設けた場合の二種類の
パルス条件の電圧パルスにより被加工体を正極として放
電点分散率を測定した。放電サンプリング数は2万回で
ある。図7から次の事項が明らかである。 Ti粉末濃度が高いほど放電点分散率が向上し、無負
荷電圧90Vでは混入濃度40g/l程度で放電点分散
率が飽和状態となる。 Ti粉末濃度は同じでも無負荷電圧が低い方が放電点
分散率が高い。 無負荷電圧280Vでは混入濃度40g/lでもまだ
放電点分散率が飽和状態とならず、混入濃度を高めれば
放電点分散率が更に向上する傾向が認められる。 Ti粉末を混入しない場合でも、無負荷電圧が低い方
が放電点分散率が高い。又、この実験結果から、良好な
面粗さの仕上げ加工を行なうためには放電点分散率が5
5%以上であることが必要であり、更に鏡面仕上げ加工
を行なうためには、放電点分散率が65%以上の加工液
の使用が必要であることが判明した。従って、加工目的
に応じて、この55%あるいは65%の放電点分散率を
判定基準として良否を検査すれば良い。又、混入粉末と
してTiに代えて粒径数μm程度の金属系粉末、例えば
Fe,Cr,Alの各粉末を用いた場合も図6と略同様
な傾向及び結果であった。
【0021】上述した実施例では、検査用電極の全体を
グラファイトで形成したが、図4のように、結合部材1
C として合成樹脂等の絶縁材の板を用い、該板の両端に
電極1R ,1L を固定するようにしても良い。このよう
にすれば、一方の分岐通電線にしか放電電流が流れない
から放電発生電極の判別が極めて容易である。又、検査
用電極と第3の電極を被検査加工液中で対向配置する手
段としては、形彫放電加工機を利用する他、治具を用い
て検査用電極と第3の電極とを微小間隙を介して一体に
固定して、被検査加工液中に浸漬するようにしても良
い。又、第二のカウンタ22をプリセットカウンタとし
て放電サンプリング数をプリセットし、該カウンタ22
の出力により第一のカウンタ21のカウント数を出力さ
せてCPU23cで放電点分散率を演算させると共にカ
ウンタ21をクリアするようにしても良い。又、油(ケ
ロシン)系の加工液だけでなく、水または水に金属等各
種粉末や表面活性剤等を混入した水系の加工液、あるい
はワイヤカット放電加工用の粉末混入加工液の良否も検
査し得ることは言うまでもない。又、放電加工に使用後
の加工屑を含有する加工液の性状を定量的に検査するこ
ともできる。
【0022】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、2
個の電極を所定距離離隔させて一体に形成した検査用電
極を用い、放電発生電極が前回の放電発生電極と代った
回数の全放電発生回数に対する比率(放電点分散率)を
指標として加工液の良否を判定するようにしたから、簡
単な構成で放電点の分散程度を適確に定量化して加工液
の良否を的確且つ容易に検査することができる。又、放
電サンプリング数は2万回程度であるから、通常の仕上
げ加工のパルス条件では加工液の良否を判定するための
データ検出に1秒とかからず極めて短時間に良否を検査
することができる。又、Fe,Cr,Al,Ti等の酸
化等して性状の変化し易い金属系粉末を混入した粉末混
入加工液の場合、所定濃度に金属粉を混入しても鏡面仕
上げ加工ができるかどうか定かでなく、又、長期使用に
より混入粉末の濃度が低下したり、あるいは水系加工液
の場合は酸化程度が変化する虞もあるが、本発明によれ
ば、良否の定量的な的確な検査を加工液調製段階、使用
段階等に於て随時容易に行なうことができるから、粉末
混入加工液を用いた鏡面仕上げ加工を信頼性良く安定し
て行なうことができる顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置の構成図。
【図2】本発明の検査用電極の一実施例の平面図。
【図3】本発明の検査用電極の一実施例の正面図。
【図4】本発明の検査用電極の他の実施例の正面図。
【図5】本発明の一実施例装置の動作を説明する説明
図。
【図6】本発明の放電点分散率の計算例を説明する説明
図。
【図7】本発明の一実施例装置により測定した放電点分
散率を示すグラフ。
【符号の説明】
1:検査用電極 1R :右側電極 1L :左側電極 2:第3の電極(被加工体) 3:テーブル 4:液槽(加工液槽) 5:被検査加工液 6:直流電源 7:スイッチング素子 8:パルス発振器 9:電流制限 抵抗 10,11:通電線 11R ,11L :分岐通電線 12R ,12L :電流センサ 13:非反転加算器 14:比較器 15:単安定マルチバイブレータ 16:差動増幅器 17,18:D・F/F 19:排他的ORゲート 20:ANDゲート 21:第一のカウンタ 22:第二のカウンタ 23:コンピュータ 24:表示装置 25:入力装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来から、
粉末混入加工液を用いると放電点の分散性が向上し面粗
さが改善されて光沢性の有る鏡面仕上げ加工が可能とな
ることが知られている。ここで、粉末混入加工液使用に
よる放電点の分散性向上の作用は、例えば、電気加工学
会誌Vol.7、No.14第19〜28頁にも開示さ
れているように、加工間隙に一様に介在する混入粉末の
電圧印加時の電荷及び電気泳動による移動や堆積若しく
は連接等によって放電がトリガされることにより、また
加工速度向上の作用は、前記放電トリガ作用によって電
圧パルス印加から放電発生までの待ち時間のばらつきが
なくなること及び上述したように加工間隙距離が増大し
て加工が安定化することによると考えられる。しかし
て、加工液に混入する粉末としては、Fe,Cr,A
l,Ti,W,Cu,Ni,Sn,Pb等の金属、Ti
C,SiC,WC等の金属炭化物、CrSi,TiS
,ZrSi等の金属珪化物、Si,Geや金属酸
化物等の半導体、又は炭素の内の一種又は複数種の混合
物が用いられるが、粉末製造後の保管期間や保管状態に
よって、性状又は品質が変化する可能性が高い金属系の
粉末、例えば、同じ粒径のTi粉末をケロシンに所定量
(g/l)混入して所定濃度に調製した粉末混入加工液
を用いても、鏡面仕上げ加工ができるときとできないと
きとがある。この原因を種々実験を重ねて究明したとこ
ろ、Tiのように表面が酸化等して変化、変質し易い金
属系粉末の場合、表面が或る程度酸化している粉末(温
度等によるが、室温で放置しておいた古粉)を使用した
とき放電点の分散性が良好で鏡面仕上げが可能となるこ
とがあるが、更に酸化の程度が進んだと思われる粉末の
場合には、加工が不安定となって鏡面に仕上げられない
ことがあることが判明した。鏡面仕上げの可否が使用粉
末の酸化程度に左右される理由としては、粉末や形成酸
化物の種類や性状等によるものの、酸化によって粉末の
帯電状態が変化し帯電状態の差異が混入粉末の電圧印加
による電気泳動に影響を与えること、又あるいは酸化に
より粉末の電気抵抗が変化すること等が考えられるが、
未だ不明な点が多い。又、同じ粉末混入加工液を使用し
ても、供給電圧パルスのパルス条件によって放電点の分
散性が異なり、電圧パルスの無負荷電圧が低いパルス条
件の方が分散性が良好で鏡面仕上げを行ないやすいこと
が判明した。又、粉末混入加工液を調製した時点では鏡
面仕上げが可能であっても、長期に亙って使用している
と、混入粉末の多くが放電に曝されて極微細粉末化によ
り消耗したり、加工液がタール状化して加工性能が低下
し粉末混入加工液の寿命と思われる状態になったとき、
又使用期間がそれ程長くないのに、混入粉末が被加工体
や加工用電極に付着したり加工槽内に沈殿して粉末濃度
が低下することにより、十分な放電点の分散性が得られ
なくなって鏡面仕上げができなくなり、又あるいは水を
主成分とする加工液の場合には、調製時からの時間経過
により混入粉末の酸化程度が変化して放電点の分散性が
悪化することも考えられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】又、本発明の前記方法で検査される加工液
としては、各種の粉末、即ちFe,Cr,Al,Ti,
W,Cu,Ni,Sn,Pb等の金属、TiC,Si
C,WC等の金属炭化物、CrSi ,TiSi,Z
rSi等の金属珪化物、Si,Geや金属酸化物等の
半導体、又はC(炭素)の内の一種又は複数種の粉末を
混入した加工液の良否判定検査に有効であるが、前記粉
末として常温空気中で酸化等して性状変化する金属系の
Fe,Cr,Al,Ti,W,Cu,Ni,Sn,P
b,Mn,Znの内の一種又は複数種の粉末をケロシン
に混入してなる粉末混入加工液を代表例として挙げるこ
とができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】又、加工液に混入する粉末としては、F
e,Cr,Al,Ti,W,Cu,Ni,Sn,Pb等
の金属、TiC,SiC,WC等の金属炭化物、CrS
,TiSi,ZrSi等の金属珪化物、Si,
Geや金属酸化物等の半導体、又は炭素の内の一種又は
複数種の混合物が用いられるが、粉末製造後の保管期間
や保管状態によって、表面の酸化や窒化等により性状又
は品質が変化する可能性が高い金属系の粉末、例えば、
Fe,Cr,Al,Ti等の金属粉を混入した粉末混入
加工液の場合、所定粉末濃度に調製しただけでは良否が
定かでなく、実際に放電加工してみないと良否が判らな
い場合が少なくなったのであるが、本発明によれば、こ
のような加工液の良否を予め的確に検査でき、又、実際
の加工に際してもその直前等に容易に検査することがで
きるから、長期使用により混入粉末の濃度やあるいは酸
化程度に変化があったとしても、電圧パルスのパルス
幅、休止幅、電流波高値、無負荷電圧値、電源接続極性
等のパルス条件を当該加工に用いるパルス条件と同じに
設定して検査することにより、使用加工液が所期の加工
に適しているか否かの良否の検査を前もって的確に行な
うことができ、不良加工品を作り出してしまうような失
敗加工を防止することができる。又、荒加工、中加工、
仕上げ加工等の加工工程の移行時に加工液を交換する場
合にも、使用加工液が当該加工に適しているか否かを的
確に検査し得る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個の電極の各端面を所定距離離隔した
    同一平面上に位置させて両電極を一体に形成してなる検
    査用電極を微小間隙を介して第3の電極に対向させ、パ
    ルス電源装置の一方の極を通電線を介して第3の電極に
    接続すると共に他方の極を通電線を分岐した2本の分岐
    通電線を介して前記2個の電極に夫々接続し、前記微小
    間隙に被検査加工液を供給した状態で、前記電源装置か
    ら間歇的な電圧パルスを繰返し供給して前記微小間隙に
    繰返し放電を発生させ、前記2本の分岐通電線の夫々を
    流れる電流値から前記2個の電極の内のどちらの電極で
    放電が発生したかを判別検知し、放電発生電極が前回の
    放電発生電極と代った回数の全放電発生回数に対する比
    率を求めて、該比率の値により被検査加工液の良否を判
    定することを特徴とする放電加工用加工液の良否を検査
    する方法。
  2. 【請求項2】 放電加工を実施するに当り、パルス電源
    装置から間歇的に供給される電圧パルスのパルス条件を
    当該放電加工のパルス条件と同じに設定すると共に前記
    第3の電極を放電加工の被加工体として、請求項1に記
    載の方法により当該放電加工に用いる加工液の良否を検
    査することを特徴とする放電加工用加工液の良否を検査
    する方法。
  3. 【請求項3】 被検査加工液がFe,Gr,Al,T
    i,W,Cu,Ni,Sn,Pb等の金属、TiC,S
    iC,WC等の金属炭化物、SrSi2,TiSi2,Z
    rSi2等の金属珪化物、Si,Geや金属酸化物等の
    半導体、又はC(炭素)の内の一種又は複数種の粉末を
    ケロシンに混入してなる粉末混入加工液である請求項1
    に記載の放電加工用加工液の良否を検査する方法。
  4. 【請求項4】 2個の電極の各端面を所定距離離隔した
    同一平面上に位置させて両電極を一体に形成してなる検
    査用電極と、該検査用電極と第3の電極を収容し被検査
    加工液が供給される液槽と、一方の極が通電線を介して
    第3の電極に接続されると共に他方の極が通電線を分岐
    した2本の分岐通電線を介して前記2個の電極に夫々接
    続され、微小間隙を介して対向する第3の電極と前記2
    個の電極との間に間歇的な電圧パルスを印加するパルス
    電源装置と、前記2本の分岐通電線の夫々を流れる電流
    を検出する2個の電流センサと、該2個の電流センサの
    検出信号から前記微小間隙で放電が発生したことを判別
    する放電開始判別装置と、前記2個の電流センサの検出
    信号から前記2個の電極の内のどちらの電極で放電が発
    生したか各放電発生毎に判別する放電発生電極判別装置
    と、該判別装置により判別された放電発生電極が前回の
    放電発生電極と異なる場合に信号を出力する論理回路
    と、該論理回路の出力信号をカウントする第一のカウン
    タと、前記放電開始判別装置の出力信号をカウントする
    第二のカウンタと、前記第一のカウンタと第二のカウン
    タのカウント数の比を演算する演算装置と、該演算装置
    の演算結果を放電点分散率として表示する表示装置とを
    備えてなることを特徴とする放電加工用加工液の良否を
    検査する装置。
  5. 【請求項5】 液槽として放電加工機の加工槽を用い、
    パルス電源装置として該放電加工機の加工用電源装置を
    用いることを特徴とする請求項5に記載の放電加工用加
    工液の良否を検査する装置。
JP19285396A 1996-07-03 1996-07-03 放電加工用加工液の良否を検査する方法及び装置 Pending JPH1015737A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007203422A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Denso Corp 貫通孔形成方法
CN101817110A (zh) * 2010-03-08 2010-09-01 苏州新火花机床有限公司 一种中走丝数字伺服采样处理和进给控制部分
CN102658405A (zh) * 2012-05-11 2012-09-12 中国工程物理研究院机械制造工艺研究所 一种多功能微细电火花铣削加工装置
CN103909314A (zh) * 2014-03-27 2014-07-09 南京航空航天大学 高速往复走丝电火花线切割加工工作液寿命在线快速判定方法

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