JPH10156549A - 抵抗溶接制御装置 - Google Patents

抵抗溶接制御装置

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JPH10156549A
JPH10156549A JP31492396A JP31492396A JPH10156549A JP H10156549 A JPH10156549 A JP H10156549A JP 31492396 A JP31492396 A JP 31492396A JP 31492396 A JP31492396 A JP 31492396A JP H10156549 A JPH10156549 A JP H10156549A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造によって、平板状のワークに対し
てプロジェクションナットが適切に載置されたか否かを
判断するとともに、自動的に適切な溶接電流を通電する
ことができるようにする。 【解決手段】 両電極26・36間の距離を測定するセ
ンサ38と、両電極26・36が最大限接近した状態に
おいて、両電極26・36間の距離がほぼ所定の値か否
かを認識し、それによって両ワークW1,W2適切に挟
圧されたか否かを判断する手段と、溶接電流の通電中に
おいて、両電極26・36の接近速度が所定の範囲内に
なるように溶接電流の大きさをフィードバック制御し、
接近速度が所定の範囲内となった後には、その際の大き
さの電流を引き続き通電する手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、平板状のワーク
とプロジェクションナットを一対の電極間に挟圧し、両
電極間に溶接電流を通電することによって前記ワークと
前記プロジェクションナットとを溶接する抵抗溶接機の
制御を行う抵抗溶接制御装置に関する。なお、プロジェ
クションナットとは、軸方向に垂直な面に、複数の突起
部が形成されているナットのことをいう。
【0002】
【従来の技術】従来、抵抗溶接機において平板状のワー
クとプロジェクションナット(以下、適宜、ともにワー
クともいう)とを自動的に溶接するために次のようにさ
れている。平板状のワークに対して、プロジェクション
ナットが供給され、その状態で両電極間に両者が挟圧さ
れる。その挟圧された状態で、溶接に適切な溶接電流が
両電極間に通電される。溶接されるワークの材質や厚さ
等に応じて適切な溶接電流があり、過去の多数の溶接結
果に基づいて、適切と考えられる値の溶接電流が通電さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平板状
のワークに対してプロジェクションナットが供給される
際に、図5(a) に示すように、プロジェクションナット
が適切に平板状のワークに載置されればよい。しかし、
まれに、図5(b) に示すように、プロジェクションナッ
トが平板状のワークの所定の位置に供給されなかった
り、図5(c) に示すように、プロジェクションナットが
斜めに載置される場合がある。このような場合は、適切
な溶接が行われない。そして、それを作業員がチェック
するのは煩雑である。また、溶接電流を通電する際に
も、過去の多数のデータに基づいて適切と思われる通電
を行うのは煩雑である。すなわち、過去のデータから、
作業員が適切と思われる値を考えて、その値をいちいち
入力するのは煩雑である。
【0004】そこで、本発明は、簡易な構造によって、
平板状のワークに対してプロジェクションナットが適切
に載置されたか否かを判断するとともに、ワークに応じ
て自動的に適切な溶接電流を通電することができる抵抗
溶接制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に係る発明の抵抗溶接制御装置は、平板
状のワークとプロジェクションナットを一対の電極間に
挟圧し、両電極間に溶接電流を通電することによって前
記ワークと前記プロジェクションナットとを溶接する抵
抗溶接機の制御を行う抵抗溶接制御装置であって、前記
両電極間の距離を測定するセンサと、前記両電極が最大
限接近してかつ前記溶接電流を通電する前の状態におい
て、当該両電極間の距離がほぼ所定の値か否かを前記セ
ンサに基づいて認識し、それによって当該両電極間に前
記ワークと前記プロジェクションナットが適切に挟圧さ
れたか否かを判断する挟圧判断手段と、前記溶接電流の
通電中において、前記センサによって前記両電極の接近
速度を認識し、その認識結果に基づいて溶接電流を制御
する溶接電流制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】この発明では、まず、前記両電極が最大限
接近した状態(溶接電流の通電前)において、センサに
基づいて、当該両電極間の距離がほぼ所定の値か否かが
認識される。そして、その認識結果によって、当該両電
極間に前記ワークと前記プロジェクションナットが適切
に挟圧されたか否かが判断される。両電極が最大限接近
した状態、すなわち、両電極が接近していきそれ以上接
近しなくなった状態においては、ワークが適切に挟圧さ
れている場合には、両電極間の距離は、ワークの厚み
(平板状のワークの厚みとプロジェクションナットの高
さの合計)とほぼ同一の距離となる。一方、プロジェク
ションナットが載置されずに、平板状のワークのみを挟
圧した場合は、上記のように適切に挟圧した場合よりも
両電極間の距離が短くなる。また、プロジェクションナ
ットが斜めに載置された場合は両電極間の距離が長くな
る。このように、ワークが適切に挟圧された場合は両電
極間の距離はワークに応じたほぼ所定の値となり、そう
でないときはそれから外れた値となる。このため、その
距離に基づいて、ワークが適切に挟圧されたか否かを容
易に判断することができる。
【0007】また、本発明者による試行錯誤の結果、両
電極間にワークを挟圧した状態において、前記両電極の
接近速度を指標として溶接電流を制御すれば適切に溶接
することができることが判明したのである。これによれ
ば、平板状のワークやプロジェクションナットの材質や
大きさ等が異なっても、適切に溶接できることになっ
た。
【0008】また、本発明では、上記の2つの機能を1
つのセンサを用いて達成することが可能であり、装置の
複雑化が回避される。
【0009】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明であって、前記溶接電流制御手段が、前記溶接
電流の通電中において、前記センサによって前記両電極
の接近速度を認識し、その認識結果に基づいて前記両電
極の接近速度が所定の範囲内になるように前記溶接電流
の大きさをフィードバック制御し、当該接近速度が当該
所定の範囲内となった後には、その際の大きさの電流を
引き続き通電するものであることを特徴とする。
【0010】本発明者の研究により、前記溶接電流制御
手段として、前記両電極の接近速度が所定の範囲内にな
るように制御し、当該接近速度が当該所定の範囲内とな
った後にはその際の大きさの電流を引き続き通電すれ
ば、容易に、かつ特に適切に溶接することができること
が判明した。そして、請求項1に係る発明の作用効果を
より具体的に得ることができる。
【0011】また、請求項3に係る発明は、請求項1又
は請求項2に係る発明であって、前記溶接電流の通電後
において、前記センサを用いて前記両電極間の距離が所
定の範囲内か否かを認識し、それによって当該両電極間
に前記ワークと前記プロジェクションナットが適切に溶
接されたか否かを判断する溶接結果判断手段を有するこ
とを特徴とする。
【0012】この発明では、請求項1又は請求項2に係
る発明の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
平板状のワークに対してプロジェクションナットが溶接
される際、プロジェクションナットの突起部が潰れてい
く。その突起部のほとんどの部分が潰れた場合が最も適
切に溶接されたといえる。このため、溶接電流の通電後
において、両電極間の距離が、プロジェクションナット
の突起部が適切に潰れた際の距離(所定の範囲内)であ
るか否かが認識され、それによって、適切に溶接された
否かが判断される。このようにして、本発明ではワーク
が適切に溶接されたか否かが容易に判断できる。
【0013】また、この発明では、請求項1に係る発明
において述べた2つの機能を含む3つの機能を1つのセ
ンサを用いて達成することが可能であり、機能の高度性
に比較して、装置の複雑化が回避される。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、この
抵抗溶接機10は、本体部12に対して、横方向に張り
出すように下側支持部20及び上側支持部30が設けら
れている。下側支持部20には下側プラテン22が固定
され、上側支持部30には上側プラテン32がシリンダ
31によって上下動可能に設けられている。各プラテン
22,32にはシャンク24,34が設けられ、各シャ
ンク24,34には電極26,36が設けられている。
そして、シリンダ31の駆動によって、上側プラテン3
2を下降させ、両電極26,36によって平板状のワー
クW1,プロジェクションナットW2を挟圧し、電源回
路42からの溶接電流を両電極26,36間に流して両
ワークW1,W2の溶接がされるようにされている。
【0015】本体部12には、制御装置が設けられてい
る。制御装置はCPU40を有し、CPU40には電源
回路42や変位センサ38が接続されている。変位セン
サ38は、基準高さに対する上側プラテン32の位置、
すなわち、基準高さに対する電極36の位置を計測す
る。CPU40には、クロック44,起動回路46,メ
モリ48,アラーム(異常アラーム)50も接続されて
いる。起動回路46はシリンダ31の駆動を制御する。
メモリ48には次述の制御内容のプログラム等が記憶さ
れている。
【0016】制御装置の制御内容を、図3のフローチャ
ートや図4のタイミングチャートに基づいて説明する。
まず、電極26上に平板状のワークW1が載置され、ワ
ークW1の上にプロジェクションナットW2が供給され
た状態で、加圧が開始される(ステップS2,タイミン
グt1)。すなわち、シリンダ31が駆動され、上側プ
ラテン32とともに上側の電極36が下降される。そし
て、電極36がそれ以上下降できない状態となったとき
(最大限下降したとき)に、電極36の高さが変位セン
サ38によって測定され、両電極26・36間の距離が
認識される。そして、その距離が、適切なほぼ所定の値
か否かが判断される(ステップS4,タイミングt
2)。
【0017】図5(a) に示すように、平板状のワークW
1上に適切にプロジェクションナットW2が載置され、
両電極26・36間に両ワークW1,W2が適切に挟圧
された場合は、両電極26・36間の距離は、両ワーク
W1,W2の厚み(高さ)の合計T1とほぼ同じ(ほぼ
所定の値)となる(図4中のA参照)。ほぼ同じである
場合は、両電極26・36間に適切にワークW1,W2
が挟圧されていると判断されて、ステップS6へ移行す
る。
【0018】両電極26・36間の距離が所定の値より
もかなり短い(電極36がかなり低い)場合は、図5
(b) に示すように、両電極26・36間には平板状のワ
ークW1しかなく、所定の位置にプロジェクションナッ
トW2が設置されなかったと考えられる(図4中のB参
照)。また、両電極26・36間の距離が所定の値より
もかなり長い(電極36がかなり高い)場合は、平板状
のワークW1上にプロジェクションナットW2が不適切
に載置されたと考えられる。例えば図5(c) に示すよう
に、プロジェクションナットW2が斜めに載置された場
合等である(図4中のC参照)。いずれの場合もステッ
プS4でNoとなり、異常アラームが作動される(ステ
ップS26)。そして、シリンダ31が駆動され、上側
プラテン32とともに上側の電極36が上昇されて(ス
テップS28)、終了する。
【0019】ステップS6では、両電極26・36間の
溶接電流の通電が開始される。そして、通電中、電極3
6の下降速度(すなわち、両電極26・36の接近速
度)が所定の範囲内か否かが判断され、所定の範囲内に
なるようにフィードバック制御される(ステップS12
〜S18,タイミングt3〜t5)。溶接の際に、プロ
ジェクションナットW2の突起部P(図5(a) 参照)が
潰れていくが、そのれていく速度(両電極26・36の
接近速度)は、ある所定の範囲内に収まることが望まし
い。その速度があまり速すぎるとスパッタが生じて適切
に溶接できないし、その速度があまり遅すぎると効率良
く溶接することができないのである。そして、その速度
と溶接電流との間には相関関係がある。このため、時々
刻々の速度に応じて溶接電流値が増減される。すなわ
ち、電極36の下降速度が所定の範囲(その上限)より
も速い場合は(ステップS12でYes)、溶接電流値
が減少される(ステップS14)。また、電極36の下
降速度が所定の範囲(その下限)よりも遅い場合は(ス
テップS16でYes)、溶接電流値が増加される(ス
テップS18)。なお、電極36の下降速度は、微小時
間ごとに電極36の位置(高さ)が変位センサ38によ
って認識され、その変位長さが当該微小時間で除される
ことによって、算出される。
【0020】上記のようなフィードバック制御がされる
ことによって、プロジェクションナットの突起部Pの潰
れる速度(電極36の下降速度)が所定の範囲内となれ
ば、ステップS12及びステップS16でともにNoと
なり、ステップS20へ移行する。そして、その後は、
その際の値の溶接電流が引き続き通電される。通電開始
時点から所定の時間が経過するまで(ステップS20で
Yesとなるまで)、その値の溶接電流が引き続き通電
され、当該所定の時間が満了した時点で通電が停止され
る(ステップS22)。図4は、タイミングt3〜t4
までフィードバック制御され、タイミングt4で突起部
Pの潰れ速度が所定の範囲内となり、タイミングt4〜
t5において引き続きその定常電流が通電される場合を
示している。
【0021】一方、通電開始時点から所定の時間経過す
るまで(ステップS10でYesとなるまで)、上記の
ようなフィードバック制御をしても結局所定の範囲内の
速度にならなかった場合は、当該所定の時間の間経過し
た後に、通電が停止される(ステップS22)。なお、
両ステップS10及びステップS20の「所定の時間」
は、ともに通電開始時点からの時間であり、同じ時間で
ある。
【0022】次に、上記のようにして溶接された結果
が、適切なものであるか否かがチェックされる。すなわ
ち、図5(d) に示すように、平板状のワークW1に対す
るプロジェクションナットW2の突起部Pがほとんど潰
れた状態であると、適切に溶接されたといえる。このた
め、適切に溶接された場合は、両電極26・36間の距
離が所定の範囲内(ほぼT2の値)に収まることにな
る。
【0023】そこで、ステップS24では、溶接終了後
における電極36の高さ(両電極26・36間の距離)
が所定の範囲内か否かが判断される。そして、その範囲
内であれば(ステップS24でYes)、適切に溶接さ
れたとして、シリンダ31が駆動されて電極36が上昇
され(ステップS28,タイミングt6)、一連の溶接
作業が終了する。
【0024】一方、その範囲内でない場合は(ステップ
S24でNo)、適切に溶接されなかったと考えられる
ため、異常アラームが作動される(ステップS26)。
そして、シリンダ31が駆動され、上側プラテン32と
ともに上側の電極36が上昇されて(ステップS2
8)、終了する。
【0025】以上のように、この装置では、平板状のワ
ークWに適切にプロジェクションナットW2が載置され
両電極26・36間に適切に両ワークW1,W2が挟圧
されたか否かが自動的に判断され、作業員がチェックす
る手間が省ける。
【0026】また、溶接電流の通電の際には、適切と判
断される電極36の下降速度(プロジェクションナット
W2の突起部の潰れ速度)のみを予め入力しておくこと
によって、自動的に適切な溶接電流が通電される。この
ため、作業員が時々刻々に変化する溶接電流の制御を行
う手間が回避される。
【0027】また、溶接電流の通電後には、実際にワー
クW1,W2の溶接が適切に行われたか否かが判断され
る。このため、作業員がそれをチェックする手間が回避
される。
【0028】そして、上記の装置では、これらの3つの
機能を1つの変位センサ38の測定結果に基づいて達成
することができ、機能が豊富であるにもかかわらず、装
置が簡易なものとされ、低コスト化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御対象となる抵抗溶接機
の全体を示す側面図である。
【図2】図1中の要部を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例の制御内容を示すフローチ
ャートの一部である。
【図4】図3のフローチャートに対応するタイミングチ
ャートである。
【図5】電極間にワークが挟圧された状態を示す図であ
る。(a) は適切に挟圧されている状態を示す。(b) はプ
ロジェクションナットが挟圧されなかった場合を示す。
(c) はプロジェクションナットが斜めに挟圧された場合
を示す。(d) は適切に挟圧された後に、適切に溶接され
た状態を示す。
【符号の説明】
10 抵抗溶接機 26,36 電極 38 変位センサ(センサ) W1 平板状のワーク(ワーク) W2 プロジェクションナット(ワーク)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状のワークとプロジェクションナッ
    トを一対の電極間に挟圧し、両電極間に溶接電流を通電
    することによって前記ワークと前記プロジェクションナ
    ットとを溶接する抵抗溶接機の制御を行う抵抗溶接制御
    装置であって、 前記両電極間の距離を測定するセンサと、 前記両電極が最大限接近してかつ前記溶接電流を通電す
    る前の状態において、当該両電極間の距離がほぼ所定の
    値か否かを前記センサに基づいて認識し、それによって
    当該両電極間に前記ワークと前記プロジェクションナッ
    トが適切に挟圧されたか否かを判断する挟圧判断手段
    と、 前記溶接電流の通電中において、前記センサによって前
    記両電極の接近速度を認識し、その認識結果に基づいて
    溶接電流を制御する溶接電流制御手段とを有することを
    特徴とする抵抗溶接制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抵抗溶接制御装置であ
    って、 前記溶接電流制御手段が、前記溶接電流の通電中におい
    て、前記センサによって前記両電極の接近速度を認識
    し、その認識結果に基づいて前記両電極の接近速度が所
    定の範囲内になるように前記溶接電流の大きさをフィー
    ドバック制御し、当該接近速度が当該所定の範囲内とな
    った後には、その際の大きさの電流を引き続き通電する
    ものであることを特徴とする抵抗溶接制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の抵抗溶接
    制御装置であって、 前記溶接電流の通電後において、前記センサを用いて前
    記両電極間の距離が所定の範囲内か否かを認識し、それ
    によって当該両電極間に前記ワークと前記プロジェクシ
    ョンナットが適切に溶接されたか否かを判断する溶接結
    果判断手段を有することを特徴とする抵抗溶接制御装
    置。
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