JPH10156358A - 給水装置の逆洗方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆洗に要する構成機材の削減を図り、特に別
途の動力源を必要としない給水装置の逆洗方法およびそ
の装置を提供する。 【解決手段】 膜浸漬槽１へ流入する原水を槽内に浸漬
した浸漬型膜ろ過装置５により固液分離し、ろ過膜を透
過した処理水を給水タンク９を経て供給配管系１５へ送
り出す給水装置において、給水時には膜ろ過水ポンプ１
１により浸漬型膜ろ過装置５に吸引圧を与えるととも
に、膜ろ過水ポンプ１１の吐出圧によって処理水を密閉
空間をなす給水タンク９へ圧送し、逆洗時には給水タン
ク９の処理水をタンク内圧によって浸漬型膜ろ過装置５
に圧送して逆圧洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浄水処理、用水処
理、地下水処理等において原水を膜処理により浄化して
給水する技術に係り、給水装置の逆洗方法およびその装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば浄水処理施設においては、
原水中に含まれた異物を除去するために、凝集沈殿槽と
砂ろ過池を組み合わせて用いており、中水処理において
は曝気槽と沈殿池と砂ろ過池とを組み合わせて用いてい
る。また、近年においては、凝集沈殿槽や砂ろ過池等の
代替手段として膜分離装置を使用する処理装置もある。
この場合には、原水槽もしくは井戸等の水源から原水を
膜浸漬槽へ導き、膜分離装置を透過した処理水を洗浄水
槽あるいは浄水池に導き、その後に供給先への給水を行
っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構成に
おいては、砂ろ過池や膜分離装置では定期的な逆洗処理
が必要であり、そのために逆洗水を供給するためのポン
プ等の駆動装置を必要としていた。しかし、逆洗水を供
給する駆動装置は、水処理装置を構成する他の機器に比
べてその使用頻度は少なく、費用対効果の点において無
駄の多い機材であり、そのエネルギー費は非生産的なも
のであった。

【０００４】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、逆洗に要する構成機材の削減を図り、特に別途の動
力源を必要としない給水装置の逆洗方法およびその装置
を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の給水装置の逆洗方法は、膜浸漬槽内へ
流入する原水を槽内に浸漬した浸漬型膜ろ過装置により
固液分離し、ろ過膜を透過した処理水を給水タンクを経
て供給配管系へ送り出す給水装置において、給水時には
膜ろ過水ポンプにより浸漬型膜ろ過装置に吸引圧を与え
るとともに、膜ろ過水ポンプの吐出圧によって処理水を
密閉空間をなす給水タンクへ圧送し、逆洗時には給水タ
ンク内の処理水をタンク内圧によって浸漬型膜ろ過装置
に圧送して逆圧洗浄する構成としたものである。

【０００６】本発明の給水装置の逆洗装置は、原水を貯
留する膜浸漬槽と、膜浸漬槽に浸漬した浸漬型膜ろ過装
置と、浸漬型膜ろ過装置のろ過膜を透過した処理水を貯
留する給水タンクと、処理水を浸漬型膜ろ過装置から給
水タンクへ導く処理水導配管系と、処理水導配管系の途
中に介装し浸漬型膜ろ過装置に吸引圧を与える膜ろ過水
ポンプと、給水タンクから需要先へ処理水を供給する供
給配管系とを備えた給水装置において、処理水導配管系
の膜ろ過水ポンプより下流側の位置に第１バルブを介装
し、供給配管系に第２バルブを介装し、供給配管系の第
２バルブより上流側の位置と処理水導配管系の第１バル
ブより下流側の位置とを連通して逆洗水配管系を設け、
逆洗水配管系の途中に第３バルブを介装したものであ
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図１において、膜浸漬槽１は処理対
象の原水を貯留するものであり、膜浸漬槽１と井戸等の
水源Ａとを連通する原水供給系２には原水ポンプ３およ
び第１流量調整バルブ４を介装している。膜浸漬槽１に
は浸漬型膜ろ過装置５が浸漬してあり、浸漬型膜ろ過装
置５の下方にはブロア６に連通する散気管７が配置して
ある。膜浸漬槽１の水位を制御するための水位計８が原
水ポンプ３に接続して設けてある。

【０００８】給水タンク９は浸漬型膜ろ過装置５のろ過
膜を透過した処理水を貯留するもので密閉空間を形成し
ており、浸漬型膜ろ過装置５と給水タンク９の間には処
理水を導くための処理水導配管系１０を設けている。処
理水導配管系１０の途中には、浸漬型膜ろ過装置５に吸
引圧を与えるための膜ろ過水ポンプ１１と、膜ろ過水ポ
ンプ１１より上流側に位置する第１開閉バルブ１２と、
膜ろ過水ポンプ１１より下流側に位置する第２流量調整
バルブ１３とを介装している。給水タンク９には上部に
位置して圧力計１４を設けている。

【０００９】給水タンク９の下側部には需要先へ処理水
を供給する供給配管系１５が連通しており、供給配管系
１５には第２開閉バルブ１６を介装している。逆洗水配
管系１７は供給配管系１５の第２開閉バルブ１６より上
流側の位置と処理水導配管系１０の第１開閉バルブ１２
より上流側の位置とを連通するものであり、逆洗水配管
系１７の途中には第３開閉バルブ１８が介装してある。

【００１０】以下、上記した構成における作用を説明す
る。給水時には、第１流量調整バルブ４および第２流量
調整バルブ１３を適度な開度に開放し、第１開閉バルブ
１２および第２開閉バルブ１６を開栓し、第３開閉バル
ブ１８を閉栓する。この状態において、原水ポンプ３を
駆動して水源Ａの原水を原水供給系２を通して膜浸漬槽
１へ供給する。一方、膜ろ過水ポンプ１１を駆動して浸
漬型膜ろ過装置５により原水を固液分離し、浸漬型膜ろ
過装置５のろ過膜を透過した処理水を処理水導配管系１
０を通して給水タンク９へ圧送するとともに、散気管７
から噴出する曝気空気が惹起する上向攪拌流によって浸
漬型膜ろ過装置５の膜面を洗浄する。

【００１１】この状態において、膜浸漬槽１における水
位は、水位計８による計測値に基づいて原水ポンプ４の
駆動を制御することにより設定値に維持する。一方、給
水タンク９のタンク内圧は、圧力計１４で計測する値が
膜ろ過水ポンプ１１の吐出圧力より小さく、タンク内の
処理水に設定水頭を付加するに必要な大きさとなるよう
に維持しており、給水タンク９に膜ろ過水ポンプ１１の
吐出圧力を伴って流入した処理水はタンク内圧を受けて
供給配管系１５を通って需要先へ流出する。

【００１２】逆洗時には、第１開閉バルブ１２および第
２開閉バルブ１６を閉栓し、第３開閉バルブ１８を開栓
し、原水ポンプ３および膜ろ過水ポンプ１１を停止す
る。この状態で、タンク内圧を受ける給水タンク９の処
理水は逆洗水配管系１７を通って浸漬型膜ろ過装置５に
流入し、浸漬型膜ろ過装置５のろ過膜を通って膜浸漬槽
１に流れ出る。このことにより、浸漬型膜ろ過装置５に
おけるろ過膜の逆圧洗浄を行う。

【００１３】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ろ過
膜の逆洗に際し、給水タンクのタンク内圧を利用して処
理水を逆洗水として浸漬型膜ろ過装置に圧送することに
より、別途の動力源を必要とせずに逆圧洗浄を行うこと
ができ、機器構成の簡略化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態における給水装置の逆洗装置
を示す模式図である。

【符号の説明】

１ 膜浸漬槽 ２ 原水供給系 ４ 第１流量調整バルブ ５ 浸漬型膜ろ過装置 ９ 給水タンク １０ 処理水導配管系 １１ 膜ろ過水ポンプ １２ 第１開閉バルブ １３ 第２流量調整バルブ １５ 供給配管系 １６ 第２開閉バルブ １７ 逆洗水配管系 １８ 第３開閉バルブ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 膜浸漬槽内へ流入する原水を槽内に浸漬
   した浸漬型膜ろ過装置により固液分離し、ろ過膜を透過
   した処理水を給水タンクを経て供給配管系へ送り出す給
   水装置において、給水時には膜ろ過水ポンプにより浸漬
   型膜ろ過装置に吸引圧を与えるとともに、膜ろ過水ポン
   プの吐出圧によって処理水を密閉空間をなす給水タンク
   へ圧送し、逆洗時には給水タンク内の処理水をタンク内
   圧によって浸漬型膜ろ過装置に圧送して逆圧洗浄するこ
   とを特徴とする給水装置の逆洗方法。
2. 【請求項２】 原水を貯留する膜浸漬槽と、膜浸漬槽に
   浸漬した浸漬型膜ろ過装置と、浸漬型膜ろ過装置のろ過
   膜を透過した処理水を貯留する給水タンクと、処理水を
   浸漬型膜ろ過装置から給水タンクへ導く処理水導配管系
   と、処理水導配管系の途中に介装し浸漬型膜ろ過装置に
   吸引圧を与える膜ろ過水ポンプと、給水タンクから需要
   先へ処理水を供給する供給配管系とを備えた給水装置に
   おいて、処理水導配管系の膜ろ過水ポンプより上流側の
   位置に第１バルブを介装し、供給配管系に第２バルブを
   介装し、供給配管系の第２バルブより上流側の位置と処
   理水導配管系の第１バルブより上流側の位置とを連通し
   て逆洗水配管系を設け、逆洗水配管系の途中に第３バル
   ブを介装したことを特徴とする給水装置の逆洗装置。