JPH101559A - 無機有機複合発泡体およびその製造方法 - Google Patents

無機有機複合発泡体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH101559A
JPH101559A JP17849296A JP17849296A JPH101559A JP H101559 A JPH101559 A JP H101559A JP 17849296 A JP17849296 A JP 17849296A JP 17849296 A JP17849296 A JP 17849296A JP H101559 A JPH101559 A JP H101559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
inorganic
phosphoric acid
alcohol
polyisocyanate compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17849296A
Other languages
English (en)
Inventor
Michikazu Shimizu
倫和 清水
Kaoru Yamazaki
薫 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP17849296A priority Critical patent/JPH101559A/ja
Publication of JPH101559A publication Critical patent/JPH101559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機無機複合体の、柔軟性、強度、脆性を改
善する。 【解決手段】 リン酸類、リン酸類の発泡剤、ポリイソ
シアネート化合物及び乳化機能を有するアルコール類か
らなる水性混合物を発泡硬化させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機有機複合発泡体
及びその製造法に関する。更に詳しくは、無機質の発泡
体構造を持ち、且つ硬化性の有機材料により脆性が顕著
に改善された無機有機複合発泡体であって、ウレタンフ
ォームやスチレンフォームのような柔軟性、反発弾性の
あるフォームと比べても遜色ないものとすることがで
き、且つ防火性能を兼備する無機有機複合発泡体;並び
に、常温常圧条件下でも発泡体の形成が可能な無機有機
複合発泡体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機系発泡体の中で、リン酸類の
発泡体が常温常圧条件下でも発泡体の形成が可能な無機
質発泡体として提案されている(例えば、特公昭56−
36145号公報)。この公報記載の発泡体は、リン酸
金属塩等のリン酸類と、多価金属炭酸塩等の発泡剤とを
撹拌混合し、発泡硬化させることにより発泡体を得ると
いうものであって、次のような特徴を有するため、パネ
ル等の定型材はもちろん、開口部を埋めるための不定形
充填材にも適用が考えられる等、従来にない優れた材料
として位置付けることができる。 (1)得られる発泡体は不燃性、耐火性に優れる。 (2)発泡体の作成においては、広範囲での比重コント
ロールを容易に行うことができる。 (3)自己発泡性をもつ。
【0003】しかし、リン酸類の発泡体は、完全な無機
材料であるが故に脆くて、少々の力でも形成した泡が破
壊されて元に戻らない欠点があり、特に低比重の大型パ
ネルを作成した場合、触っただけで表層が崩れる、パネ
ル強度が弱すぎて持ち運びができない等の問題があるた
め、実用性にかなう材料といえるものではなかった。こ
のようなリン酸類の発泡体の欠点を改善する手段とし
て、SBR等の樹脂エマルジョンを系内に添加する方法
が提案されている(例えば、特開平6−24869号公
報)。この方法では、リン酸類の発泡体の特徴である優
れた不燃性、耐熱性を損なわない程度に樹脂エマルジョ
ンを添加することにより、発泡体の強度を向上し、高発
泡倍率の発泡体でも実用性に優れる材料を得ることがで
きるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リン酸類の発
泡体の強度は樹脂エマルジョン添加により、大きく改善
されたものの、本質的には脆性材料であって、高発泡倍
率の発泡体の脆さについては十分な改質は難かしく、更
にウレタンフォームやスチレンフォームのような柔軟
性、反発弾性のあるフォームを得ることはなおさら困難
であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のリ
ン酸類の発泡体のこれらの問題点を解決すべく鋭意検討
した結果、上記樹脂エマルジョンに替えて、架橋反応性
を有するポリイソシアネート化合物の乳化物から形成さ
れた硬化物を用いた発泡体を得た。又、本発明者らの検
討の結果、リン酸類の発泡体を得る際に、ポリイソシア
ネート化合物と乳化機能を有するアルコール類を用いる
と、高発泡倍率の発泡体とした場合、有機無機複合体で
あるにもかかわらず、柔軟性と強度を有する発泡体が得
られ、この発泡倍率は軟質から硬質まで調整でき、且つ
軟質、硬質の何れの場合も脆性が著しく改善される知見
を得た。
【0006】すなわち本発明は、下記無機有機複合発泡
体<1>、<2>、<3>及び無機有機複合発泡体の製
造法<4>、<5>から成る。 <1> リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤(b)と
からの発泡体構造であり、ポリイソシアネート化合物
(c1)と、乳化機能を有するアルコール類(c2)と
の反応により形成された硬化物(c)により脆性が改善
されてなる無機有機複合発泡体。 <2> 硫酸(a')と、カルシウムもしくはバリウム
の炭酸塩(b')と、必要によりカルシウムもしくはバ
リウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)からの発泡
体構造であり、ポリイソシアネート化合物(c1)と、
乳化機能を有するアルコール類(c2)との反応により
形成された硬化物(c)により脆性が改善されてなる無
機有機複合発泡体。 <3> 更に無機充填材(d)を含有する上記<1>ま
たは<2>記載の発泡体。 <4> リン酸類(a)、リン酸類の発泡剤(b)、ポ
リイソシアネート化合物(c1)、乳化機能を有するア
ルコール類(c2)、水及び必要により無機充填材
(d)からなる成分を混合することにより発泡硬化させ
る無機有機複合発泡体の製造法。 <5> 硫酸(a')と、カルシウムもしくはバリウム
の炭酸塩(b')及び必要によりカルシウムもしくはバ
リウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)と、ポリイ
ソシアネート化合物(c1)と、乳化機能を有するアル
コール類(c2)と、水と、必要により無機充填材
(d)とからなる成分を混合することにより発泡硬化さ
せる無機有機複合発泡体の製造法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の無機有機複合発泡体<1
>は、(a)と、(b)とが反応して発泡した無機質の
発泡体構造を有し、<2>は、(a')と、(b')及び
必要により(b”)とが反応して発泡した無機質の発泡
体構造を有する。又、発泡体<1>、<2>は何れも、
(c1)と(c2)との反応により形成された硬化物
(c)により脆性が改善されてなる無機有機複合発泡体
構造を有する。本発明の発泡体<1>は、例えば
(a)、(b)、(c1)および(c2)からなる成分
を水性混合物とすることにより、発泡硬化して得られる
ものである。即ち、この水性混合物とすることにより
(a)と(b)との発泡硬化反応及び(c1)と(c
2)の硬化反応(架橋反応)と同時に(c1)と水との
硬化反応が併行して進行して得られるものである。ま
た、本発明の発泡体<2>は、例えば、(a')と、
(b')及び必要により(b”)と、(c1)と、(c
2)とからなる成分を水性混合物とすることにより発泡
硬化して得られるものであり、(a')と、(b')及び
必要により(b”)との発泡硬化反応及び(c1)と
(c2)の硬化反応(架橋反応)と同時に(c1)と水
との硬化反応が併行して進行して得られるものである。
即ち、発泡体<1>、<2>の何れの場合も、水性混合
物とすることにより発泡硬化させると、該硬化物(c)
は、(c1)と(c2)が一部反応し、更に(c1)と
発泡系内の水との反応したもので、通常、常温から60
℃で架橋反応により硬化したものとなる。
【0008】本発明において、リン酸類(a)として
は、例えば、リン酸、亜リン酸、無水リン酸、縮合リン
酸、これらの多価金属塩及びこれらの二種以上の混合物
が挙げられる。このうちリン酸の多価金属塩としては、
第一リン酸多価金属塩、第二リン酸多価金属塩、第三リ
ン酸多価金属塩がある。また、上記多価金属塩を構成す
る金属としては、バリウム、カルシウム、アルミニウ
ム、亜鉛、バリウム、鉄等が挙げられる。これら多価金
属成分は、リン酸多価金属塩、亜リン酸多価金属塩等の
形で添加する方法の他に、リン酸、亜リン酸と化学的に
活性な金属化合物、例えば、酸化バリウム、酸化カルシ
ウム等の多価金属酸化物や、水酸化アルミニウムゲル、
水酸化バリウム、水酸化カルシウム等の多価金属水酸化
物等をリン酸、亜リン酸等のと別々に系内に添加し、系
内で反応させる方法をとることもできる。リン酸類
(a)は、水に溶解して酸性を示す水溶性の化合物であ
り、(a)の水溶液のpHは、通常4以下、好ましくは
3以下、特に2以下である。リン酸類(a)として例示
したもののうち好ましいものは、リン酸、第一リン酸バ
リウム、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸亜鉛およ
びこれらの二種以上の混合物であり、特に好ましいもの
は、リン酸、第一リン酸バリウム、第一リン酸アルミニ
ウムおよびこれらの2種以上の混合物である。
【0009】リン酸類(a)の含有量は、本発明の発泡
体を構成する全成分中通常3〜50重量%であり、又、
本発明の発泡体中のリン原子の含有量に換算した好まし
い範囲で言えば、3〜20重量%、特に4〜18重量%
である。リン原子の含有量が3重量%未満では得られる
発泡体の防火性能が低下する。リン原子の含有量が20
重量%を超えると、該ポリイソシアネート化合物(c
1)と乳化機能を有するアルコール類(c2)が発泡系
内での分散性が低下し、又均一な発泡構造が得られなく
なることもある。また、硫酸(a')としては、各種の
水希釈により濃度を調整した工業用硫酸が挙げられる。
【0010】本発明において、該発泡剤(b)として
は、例えば、下記(b1)もしくは(b2)が挙げられ
る。 (b1)炭酸塩化合物 (b2)酸またはアルカリと反応してガスを発生する軽
金属 炭酸塩化合物(b1)の具体例としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸バリ
ウム,塩基性炭酸亜鉛等が挙げられ、上記軽金属(b
2)の具体例としては、バリウム,アルミニウム,亜鉛
等が挙げられる。このほか 本発明の発泡剤(b)と併
用することのできるその他の発泡剤としては、(c)中
に加熱により分解する有機系発泡剤[ジニトロソペンタ
メチレンテトラミンやNN’ジメチルNN’ジニトロソ
テレフタールアミドなどのニトロソ系発泡剤、ベンゼン
スルホニルヒドラジドアゾジカルボンアミドや、pート
ルエンスルホニルヒドラジドや、p,p’ーオキシビス
(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド、3ー3’ジスルホ
ヒドラジドジフェニルスルフォホンなどのスルホヒドラ
ジド系発泡剤、アゾビスイソブチロニトリルやアゾビス
ホルムアミドやジエチルアゾジカルボキシレートなどの
アゾ系発泡剤など]をあらかじめ混合し、本発明の発泡
体を形成後、更に加熱により前記の添加された発泡剤を
二次発泡させる方法もとることができる。該発泡剤
(b)として例示したもののうち好ましいものは、塩基
性炭酸バリウムである。該発泡剤(b)の量は、半軟質
から硬質迄の幅広い範囲の所望の発泡倍率に応じて決め
ればよい。(b)の量は、水性混合物とした際、(a)
と(b)がよく混ざる範囲であれば特に制限はないが、
リン酸類(a)100重量部に対して、通常0.1〜2
00重量部、好ましくは1〜100重量部である。ま
た、カルシウムもしくはバリウムの炭酸塩(b')とし
しては、炭酸カルシウム、炭酸バリウムが挙げられ、任
意成分であるカルシウムもしくはバリウムの、酸化物も
しくは水酸化物(b'')とししては、例えば、生石灰、
消石灰、酸化バリウムおよび水酸化バリウムが挙げられ
る。(b')と(b'')の合計量は、(a')100重量
部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは5〜1
00重量部である。なお、(c1)は(c1)と水との
硬化反応時に炭酸ガスが発生し、発泡剤の一部を兼ねる
働きもする。
【0011】本発明において、ポリイソシアネート化合
物(c1)としては、有機ポリイソシアネート化合物
(n)および有機ポリイソシアネート化合物(n)と低
分子の活性水素含有化合物(h)の予備重合物であるN
CO基を分子内に有するウレタンプレポリマー(h’)
が挙げられる。有機ポリイソシアネート化合物(n)と
しては、例えば、下記(n1)〜(n5)が挙げられ
る。但し、(n1)〜(n5)における炭素数は、NC
O基中の炭素数を除く値である。 (n1)炭素数2〜12の脂肪族ポリイソシアネート (n2)炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート (n3)炭素数8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネー
ト (n4)炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート (n5)(n1)〜(n4)のポリイソシアネートの変
成物
【0012】脂肪族ポリイソシアネート(n1)の具体
例としては、 ・エチレンジイソシアネート、 ・テトラメチレンジイソシアネート、 ・ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、 ・ドデカメチレンジイソシアネート、 ・2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、 ・リジンジイソシアネート、 ・1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート が挙げられる。脂環族ポリイソシアネート(n2)の具
体例としては、 ・イソホロンジイソシアネート(IPDI)、 ・ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト(水添MDI)、 ・1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、 ・メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート
(水添TDI)、 ・1,4−ビス(2イソシアネートエチル)シクロヘキ
サン 等が挙げられる。
【0013】芳香脂肪族ポリイソシアネート(n3)の
具体例としては、 ・p−キシリレンジイソシアネート、 ・テトラメチルキシレンジイソシアネート 等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネート(n4)の
具体例としては、 ・1,4−フェニレンジイソシアネート、 ・2,4−または2,6−トルエンジイソシアネート
(TDI)、 ・ジフェニルメタン−2,4’−又は4、4’−ジイソ
シアネート(MDI)、 ・ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、 ・3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジ
イソシアネート、 ・粗製TDI、 ・ポリフェニルメタンポリイソシアネート[通称粗製M
DI:アニリン等の芳香族アミンまたはその混合物と、
ホルムアルデヒドとの縮合物(ジアミノジフェニルメタ
ンと、少量、例えば1〜20重量%の3個以上のアミノ
基を有するポリアミンとの混合物となる)の、フォスゲ
ン化物である。] 等が挙げられる。
【0014】(n1)〜(n4)のポリイソシアネート
の変性物(n5)の具体例としては、(n1)〜(n
4)として上記に例示したポリイソシアネートのイソシ
アネート基の代わりに、カーボンアミド基、ウレチジオ
ン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレット基、イ
ソシアヌレート基、ウレタン基等を導入した変性物等が
挙げられる。これら有機ポリイソシアネート化合物
(n)の選択には、特に限定はなく、発泡体の物性およ
びコストに合わせ、単独もしくは任意の組み合わせでウ
レタンプレポリマーを誘導するための成分として使用す
ることができる。
【0015】また、NCO基を有するウレタンプレポリ
マー(h’)は前記有機ポリイソシアネート化合物
(n)と低分子の有機活性水素含有化合物(h)とから
得られるもので、低分子の有機活性水素含有化合物
(h)としては、例えば、低分子量ポリオール(h1)
が挙げられる。ここで、(h1)の各分子量の範囲をヒ
ドロキシル基価で示すと、(h1)のヒドロキシル基価
は、通常300〜1000又はそれ以上、好ましくは3
50〜800である。
【0016】低分子量ポリオール(h1)としては、下
記(h1ー1)〜(h1−6)が挙げられる。 (h1ー1)脂肪族2価アルコール類 (h1ー2)環状基を有する低分子ジオール類 (h1ー3)3価アルコール類 (h1ー4)4官能以上の多価アルコール類 (h1ー5)アルカノールアミン類 (h1−6)(h1ー1)〜(h1ー5)の化合物の、
エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイ
ドの低モル付加物
【0017】低分子量ポリオール(h1)のうち脂肪族
2価アルコール類(h1ー1)の具体例としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1、4ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1、6ヘキサンジオー
ル、1、8オクタメチレンジオール等が挙げられる。環
状基を有する低分子ジオール類(h1ー2)の具体例と
しては、1、4ビス(2ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパンなどが挙げられる。3価アルコール類(h1ー
3)の具体例としては、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ヘキサントリオールなどが挙げられる。4官能
以上の多価アルコール類(h1ー4)の具体例として
は、ソルビトール、シュークローズなどが挙げられる。
アルカノールアミン類(h1ー5)の具体例としては、
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が
挙げられる。上記低モル付加物(h1−6)の具体例と
しては、これら(h1ー1)〜(h1ー5)の具体例と
して挙げたものに、エチレンオキサイドおよび/または
プロピレンオキサイドをヒドロキシル基価が300以上
となる範囲内の低モル付加させたものが挙げられる。
【0018】又、該ウレタンプレポリマー(h’)の分
子量、粘度の調整等のため、(h)成分として必要によ
りモノオール(h3)を併用してもよい。モノオール
(h3)としては、 ・メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ
−ル、ペンタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、ドデカ
ノール等の脂肪族1価アルコール類、 ・アルキルフェノ−ル(オクチルフェノール、ノニルフ
ェノール、ドデシルフェノール等)のアルキレンオキサ
イド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)
付加物 等が挙げられる。モノオール(h3)の分子量は、通常
(h1)と同じ範囲である。活性水素化合物(h)中の
必要により用いるモノオール(h3)の割合は、(h)
の平均官能基数が、通常2以上、好ましくは2.5以上
となる範囲内である。
【0019】該ウレタンプレポリマー(h’)中のNC
O含量は、好ましくは、0.5〜30重量%である。ま
た、ウレタンプレポリマー(h’)の性状については、
特に限定はないが、常温で液状であり、且つ、ある程度
の分子量、分子組成であることが好ましく、(h’)の
分子量は好ましくは500〜5,000である。該ウレ
タンプレポリマー(h’)の製法を例示すると、例え
ば、反応容器に有機ポリイソシアネート化合物(n)と
低分子の活性水素含有化合物(h)を仕込み、反応温度
50〜120℃で反応すれば製造できる。
【0020】乳化機能を有するアルコール類(c2)と
しては、(c1)を水に分散乳化できるもので、あらか
じめ(c2)と水の水溶液に撹拌混合下にポリイソシア
ネート化合物(c1)を投入し、1〜5分間で(c1)
を均質に分散させるもの、換言すれば、アルコール性O
Hを有する界面活性剤であれば使用できる。具体的には
アニオン系、カチオン系、非イオン系乳化剤のいずれの
系統の界面活性剤でも適用出来るが、この中で好ましい
ものは硫酸エステル塩型、スルフォン酸塩型およびリン
酸エステル塩型のアニオン系界面活性剤、アミン塩型お
よび第4級アンモニウム塩型のカチオン系界面活性剤、
ポリエチレングリコール型および多価アルコール型の非
イオン乳化剤である。
【0021】アニオン型界面活性剤の具体例としては、
ラウリルアルコール等の高級アルコールのエチレンオキ
サイド付加物の硫酸エステル塩、アルキルあるいはスチ
レン化フェノールのエチレンオキサイド付加物の硫酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコ
ールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が
挙げられる。
【0022】カチオン型界面活性剤の具体例としては、
高級アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、ラウ
リルアミン等の高級アルキルアミンからのトリメチルア
ンモニウム塩等が挙げられる。
【0023】非イオン型界面活性剤の具体例としては、
ポリエチレングリコール型界面活性剤である、高級アル
コールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノール
エチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド
付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサ
イド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付
加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂の
エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコール
エチレンオキサイド付加物等である。多価アルコール型
非イオン界面活性剤とであるグリセロールの脂肪酸エス
テル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビ
トールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、しょ糖の脂
肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、ア
ルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。こ
れらの各イオン型界面活性剤の具体例は「新・界面活性
剤入門」(著:藤本武彦、発行所:三洋化成工業株式会
社)に記載の材料である。
【0024】これらのうち、好ましいものの選定は、
(c1)と水と(c2)とで撹拌下に1〜5分間均質に
分散することで選定できる。好ましいものは、スチレン
化フェノールのエチレンオキサイド5〜25モル付加物
の硫酸エステルソーダ塩、オクチルフェノールのエチレ
ンオキサイド5〜25モル付加物、ノニルフェノールの
エチレンオキサイド6〜30モル付加物、グリセリンの
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドブロックも
しくはランダム付加体の分子量1000〜5000の共
重合物、オレイルアルコールのエチレンオキサイド5〜
25モル付加物、ソルビタンラウリン酸モノエステルの
エチレンオキサイド3〜30モル付加物、ヒマシ油脂肪
酸のエチレンオキサイド20〜50モル付加物等のポリ
オキシエチレン系乳化剤である。特に好ましいものは、
1分子に水酸基が2個以上有するグリセリンポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレントリオール(分子量10
00〜4000)、ソルビタンラウリン酸モノエステル
のエチレンオキサイド3〜30モル付加物、ヒマシ油脂
肪酸のエチレンオキサイド20〜50モル付加物等のポ
リオキシエチレン系ポリオールである。
【0025】(c2)の量は、特に限定しないが、(c
1)を容易に乳化できる量であり、出来る発泡体の耐水
性を損なわない量が好ましく、通常(c1)に対し、3
0〜700重量%、特に好ましくは50〜450重量%
である。
【0026】本発明の発泡体の製造時に使用するポリイ
ソシアネート化合物(c1)と乳化機能を有するアルコ
ール類(c2)との使用比率は、化学量論的に1個のN
CO基に対し(c2)中の水酸基の0.1〜1.0個に
なるように配合することが必要である。(c1)は、発
泡体製造時の系中の水によりNCO基が一部反応するた
め1.0個以上は不要であり、(c2)の量は通常0.
15〜0.50個の水酸基になる配合が好適である。
【0027】また(c1)と(c2)の固形分の合計量
は発泡体の全固形分に対し5〜30%重量であることが
好ましい。30%より多いと防火性能が大きく低下し、
且つ耐水性が低下し、5%未満では、発泡体がもろく、
補強効果が発揮せず、実用性に適さなくなる。
【0028】なお、(c1)と(c2)は混合すると経
時変化するので、その際は、発泡体製造直前の2時間以
内前に(c1)と(c2)を混合することもできる。
【0029】本発明の発泡体には、物性やコストを考慮
して必要により無機充填材(d)を含有させても良い。
無機充填材(d)としては、例えば下記(d1)〜(d
5)が挙げられる。 (d1)セメント:ポルトラントセメント、シリカセメ
ント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシ
ュセメント、白色セメント等 (d2)粘土鉱物:モリロナイト、ベントナイト、雲
母、セリサイト、カオリン、タルク、フィライト、ゼオ
ライト等 (d3)無機質軽量骨材:パ−ライト、シラスバル−ン
等 (d4)無機繊維:カーボン繊維、アスベスト、ロック
ウール、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、スチール繊維等 (d5)その他非水溶性の無機粉末材料:フライアッシ
ュ、シリカフューム、珪石粉、セラミック粉、水酸化ア
ルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム等
【0030】以上(d)として例示したものの選択には
特に限定はなく、発泡体の物性、コスト等の要求に合わ
せて単独もしくは任意の組み合わせで添加すればよい。
例えば、セメント(d1)の添加により発泡体の硬度が
向上する。セメント(d1)の内では、アルミナセメン
トが、セメントの内でもアルカリ性が低いため、該リン
酸類(a)との反応性が低い点で好ましい。無機繊維
(d4)の添加により、発泡体の引張強度、曲げ強度等
の向上や発泡体中の有機物が仮に燃えてしまった後の形
状保持性を向上させる。又、(d5)のうちの水酸化ア
ルミニウムや炭酸カルシウムは、添加することにより防
火性能を向上させる。その他(d)として例示したもの
は、主としてコスト・ダウンのための増量材的な用い方
ができる。(d)の添加量は特に制限はなく、通常、リ
ン酸類(a)100重量部に対して、1800重量部以
下、好ましくは500重量部以下である。上記無機繊維
(d4)に代えるか併用して、有機繊維の使用も可能で
あり、有機繊維も発泡体の引張強度、曲げ強度等の向上
効果がある。有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリア
ミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリプロ
ピレン繊維、セルロース繊維等が挙げられる。但し、有
機繊維の使用量は、発泡体の防火性能の要求レベルを考
慮して支障のない範囲とする必要がある。
【0031】本発明の発泡体は、(c)の含有量を前記
好ましい範囲とすれば、かなり高い防火性を有している
が、更に高い防火性を付与するため、難燃剤を成分に加
えて発泡硬化させることもできる。難燃剤としては、非
ハロゲン燐酸エステル(トリフェニルフォスフェート、
クレジルジフェニルフォスフェート、アンモニウムポリ
フォスフェートなど)、ハロゲン含有燐酸エステル(ト
リスクロロエチルフォスフォネート、トリスジクロロプ
ロピルフォスフェート、トリス(トリブロモフェニル)
フォスフェート、トリスジブロモプロピルフォスフェー
トなど)、活性水素含有難燃剤(ジ(イソプロピル)
N、Nビス(2ヒドロキシエチル)アミノメチルフォス
フェート、臭素化ビスフェノールAのアルキレンオキサ
イド付加物など)、三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、酸化亜鉛、等があげられる。以上例示したものは、
一種または二種以上でもよい。難燃剤の使用量は通常、
(c)100重量部に対して、40重量部以下、好まし
くは、0.1〜30重量部である。
【0032】本発明の方法によって、リン酸類(a)、
該発泡剤(b)、ポリイソシアネート化合物(c1)、
乳化機能を有するアルコール類(c2)、水及び必要に
より無機充填材(d)からなる成分を混合して、水性混
合物とすることにより発泡硬化し、本発明の発泡体が得
られる。また、硫酸(a')、カルシウムもしくはバリ
ウムの炭酸塩(b')と必要によりカルシウムおよびバ
リウムの酸化物もしくは水酸化物(b”)、ポリイソシ
アネート化合物(c1)、乳化機能を有するアルコール
類(c2)、水及び必要により無機充填材(d)からな
る成分を混合して水性混合物とし、発泡硬化させること
により本発明の発泡体が得られる。この水性混合物中の
水の量は混合水スラリー化が可能な範囲であれば、必要
以上には水を加える必要はなく、水が多い程発泡硬化し
たものの乾燥に時間や手間がかかる。水の量は特に制限
はないが、通常水性混合物の濃度が50〜90重量%程
度となる量である。
【0033】本発明の方法において、(c1)と(c
2)の反応硬化速度をコントロールするためには、発泡
硬化時および発泡硬化後に更に加熱することで行うこと
も出来る。
【0034】本発明の方法において、発泡体のセル構造
をコントロールするためには、整泡剤を添加すればよ
い。整泡剤としては、従来公知のシリコン系活性剤が挙
げられ、例えば、 ・トーレ・シリコ−ン社製のSH−192、SH−19
3、SH−194等、 ・東芝シリコーン社製のTFA−4200等、 ・日本ユニカー社製のL−5320、L−5340、L
−5350等、 ・信越シリコン社製のF−121、F−122等 等が挙げられる。整泡剤の添加量は、(c)100重量
部に対して通常は3部以下、好ましくは0.001〜1
部である。
【0035】本発明の方法において、各成分を混合する
ことにより発泡硬化させる方式としては、下記の[1]
から[4]に例示するような種々の方式がある。 [1]リン酸類(a)、該発泡剤(b)、ポリイソシア
ネート化合物(c1)、乳化機能を有するアルコール類
(c2)、水及び必要により無機充填材(d)を一括に
投入混合し、常温〜90℃で発泡硬化させる方式。 [2]リン酸類(a)、ポリイソシアネート化合物(c
1)、乳化機能を有するアルコール類(c2)、該発泡
剤(b)および必要により無機充填材(d)を併せて投
入し混合、常温〜90℃で発泡硬化させる方式。 [3]ポリイソシアネート化合物(c1)および乳化機
能を有するアルコール類(c2)を混合し1〜10分後
に、リン酸類(a)、該発泡剤(b)、水および必要に
より無機充填材(d)を逐次混合して、常温〜90℃で
発泡硬化させる方式。 [4]リン酸類(a)、ポリイソシアネート化合物(c
1)、乳化機能を有するアルコール類(c2)と水の一
部を混合した後、あらかじめ該発泡剤(b)および必要
により無機充填材(d)と水の残りとを混合してスラリ
ー化したものを投入混合し、常温〜90℃で発泡硬化さ
せる方式。 これらの内、好ましいのは、[3]の方式である。ま
た、(a')と(b')と(c1)と(c2)の場合も上
記と同様である。
【0036】本発明の発泡体は、本発明の方法により常
温から90℃で常圧条件下、上記方式に基づき各成分を
混合し発泡硬化させるが、その後更に、50〜120℃
で加熱して硬化を完全にすることもできる。
【0037】本発明の方法により、 型枠中に混合物を流し込んで成形した本発明の発泡体
とすることもでき、 壁面等の任意の基材へ塗布したり、任意の空隙へ充填
した本発明の発泡体とすることもできる。成型体の場合
は、任意の形状の型枠等(例えば、大型パネルの型枠
等)を用いて上記に例示した方式で発泡体とすればよ
い。塗布する場合は、上記の方式で混合したものを吹き
付けやこて塗等で、発泡体とすればよい。
【0038】本発明の発泡体は、該発泡剤(b)の添加
量を加減することにより、その比重を広範囲に調整でき
る。また、得られる発泡体は比重0.1以下の低比重時
においても、発泡表面に脆さはなく、組成および配合上
の調整から、硬質から軟質のものまで、幅広い材質の発
泡体を得ることができる。又発泡体の断熱性能も比重の
コントロールにより、例えば、0.03kcal/m・
hr・℃以下の低い熱伝導率を付与することが可能な
上、防火性も不燃材から準不燃材相当のレベルである
等、グラスウール、硬質ウレタンフォームといった既存
の断熱材と比較しても、優れた特性を持つ材料と位置づ
けられる。したがって、本発明の発泡体は、大型外壁パ
ネルや内壁パネルの断熱材,防音材,防耐火材、耐火被
覆材、軽量骨材、耐火金庫用の断熱材等として用いるこ
とが出来る。
【0039】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。実施例及び比
較例中の部は重量部である。
【0040】製造例1 [実施例1〜4、比較例1〜4
の発泡体の製造] 実施例1〜4、比較例1〜4各々下記表1の組成に基づ
き、ポリイソシアネート化合物(c1)と乳化機能を有
するアルコール類(c2)を混合後、それにリン酸類
(a)、発泡剤(b)および水道水を加え、ホモミキサ
−で均一に攪拌した。なお、実施例3、4、比較例4は
該発泡剤(b)及び無機充填材(d)にあらかじめ混合
し使用した。混合物を型枠(50×30×3cm)に流し
込み、自由発泡させて、その後70℃で5時間乾燥し、
実施例1〜4及び比較例1〜4の成形した発泡体を得
た。
【0041】
【表1】
【0042】注1)略記号で示す化合物は次のとおり。 (a)リン酸類 a−1:第一リン酸アルミニウム a−2:リン酸 a−3:第一リン酸マグネシウム (b)発泡剤 b−1:塩基性炭酸マグネシウム (c)ポリイソシアネート化合物(c1)と乳化機能を
有するアルコール類(c2)の混合品 c−1;TDI(日本ポリウレタン(株)製、商品名コ
ロネートT−80)100重量部とニューポールPE−
62(三洋化成工業製:グリコールにプロピレンオキサ
イド80%とエチレンオキサイド20%のブロックコポ
リマー 分子量2188)320重量部を混合後、2分
経過品 c−2;粗製MDI(日本ポリウレタン(株)製、商品
名ミリオネートMR−100)100重量部とサンニッ
クスGL−3000(三洋化成工業製:グリセリンにプ
ロピレンオキサイド付加物にエチレンオキサイドを付
加、分子量3000)150重量部を混合後、3分経過
品 c−3;MDI(BASF製:商品名ルプラネートM
I)100重量部とニューポールPE68(三洋化成工
業製:エチレングリコールにプロピレンオキサイド20
重量%とエチレンオキサイド80重量%付加物 分子量
4000)250重量部を混合後2分経過品 (d)無機充填材 d−1:水酸化アルミニウム d−2:アルミナセメント d−3:シラスバル−ン[サンキ工業(株),商品名:
サンキライトYo.2] 2)比較例2については、難燃剤として日本油脂(株)
製、ハロゲン含有リン酸エステル(商品名;アランフラ
ーム70)を添加するものであり、この難燃剤は、予め
該(c)に均一撹拌して用いた。
【0043】試験例1 [実施例1〜4、比較例1〜4
の発泡体の評価] 製造例1で得た実施例1〜4及び比較例1〜4の発泡体
を、通気のよい室内に1カ月放置し、次いで40℃の乾
燥機中で120時間乾燥させた後、デシケータ中に24
時間放置したものを、下記試験方法による試験に供し
た。 [発泡体の物性等の試験方法] (1)圧縮強度: JIS K−7220(硬質発泡プ
ラスチックの圧縮試験方法) (2)熱伝導率: JISA−1412(保温板の熱伝
導率測定方法) (3)発泡体の柔軟性: JIS Z1536(ポリス
チレンフォーム包装用緩衝材)に規定される柔軟性試験
に準拠。試験片を40mm円筒の円周に沿って巻き付け
た時の状態観察から判定した。 (4)防火性能レベル(不燃・準不燃・難燃性): 建
設省公示第1231号(準不燃材料及び難燃材料の試験
方法)、建設省公示第1828号(不燃性材料の試験方
法)にそれぞれ規定される表面試験方法に準拠して測定
した。
【0044】[試験結果]各発泡体の物性試験および外
観観察の結果を表2にまとめる。
【0045】
【表2】 注)単位:密度はkg/m3、熱伝導率はkcal/mhr℃、圧縮強度はkPa。
【0046】[試験結果の補足説明] 実施例1〜4の本発明の発泡体のうち、実施例1〜3
の発泡体は、反発性があり、柔軟性も大きな軟質発泡体
であり、実施例4の発泡体は、反発性、柔軟性の少ない
硬質発泡体であった。 実施例1〜4の発泡体の表面状態は、手で擦っても粉
分等が剥離することはなく、脱型した成形体も大型パネ
ルとして運用するに十分な強度性能を兼ね備えるもので
あった。また、防火性のレベルも不燃材から準不燃材相
当のかなり高いものであった。 比較例1〜4の発泡体の内、比較例2については、防
火性のレベルが難燃材相当と低く、また、比較例3につ
いても、難燃剤を添加したものの、比較例2同様、難燃
材相当であった。 比較例1,4については防火性のレベルが不燃材相当
とかなり高いものであったものの、発泡体が非常に脆
く、表面の剥離等が認められる上、比較例4にいたって
は脱型時に成形体に割が発生する等、パネルとして使用
するほどの強度性能を持つものといえるものではなかっ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明の無機有機複合発泡体及びその製
造法は、以下の効果を奏する。 (1)本発明の発泡体は、従来のリン酸類の発泡体の問
題点であった脆性を大幅に改善するものであり、 高発泡倍率の発泡体とした場合は、有機無機複合体で
あるにも拘らず、軟質ウレタンフォームと見間違える程
の柔軟性と反発弾性を有する発泡体であり、 この発泡倍率は軟質から硬質まで調整でき、且つ 軟質・硬質の何れの場合も脆性が改善されている。 (2)低比重、高発泡倍率の発泡体でも、運用上全く問
題ない程度の強度を有するため、断熱性に優れる軽量の
パネル等が作製できる。 (3)常温常圧下での条件でも製造することができるた
め、オ−トクレ−ブ養生等の特殊な反応装置を必要とし
ない。 (4)所望の形状の型枠中で容易に多孔化でき、硬化さ
せることができる。また、壁面にこて塗りや吹き付け等
を行い、硬化させることも可能である。 (5)外観および性能上は、既存のウレタンフォーム、
スチレンフォームとほぼ同等のレベルにあるものの、材
料の防火性は、これら既存の有機系断熱材以上の不燃材
〜準不燃材に相当するレベルの材料であり、防災上、安
全性の高い材料を市場に供給することができる。
【0048】以上の効果を奏することから、本発明の発
泡体は、その防火性能、断熱性、弾性、柔軟性、強度、
低密度等を兼備する特性を生かし、例えば、以下のよう
な用途に使用するのに好適である。 列車、自動車、住宅、ビル等防火性能が要求される用
途において、従来ALC、珪酸カルシウム板、無機繊維
板等の無機質発泡体が用いられていたものの代替;例え
ば、鉄骨被覆材、耐火レンガ、台所や厨房を含めた内壁
パネル、防火性を有する外装パネル、ボイラー等の燃焼
機械の熱遮蔽材、自動車等のシートクッション材や排気
ラインの熱遮蔽材、船舶等の内装パネルや空隙充填材、
耐火金庫の充填剤。 住宅、ビル、列車、航空機、船舶等の断熱性能が要求
される用途において、従来ウレタンフォーム、スチレン
フォーム等の有機質発泡体が用いられていたものの代
替;例えば、天井、壁、床、屋根等の住宅・ビル等の内
外装断熱ボードや、パネル、畳心材、ドア等の空隙充填
材、屋根瓦や屋根材の断熱裏材、自動車や列車・航空機
・船舶等の屋根内張り材、エンジン周囲の内装材、ハニ
カム使用部分の代替材、冷蔵庫・エアコン・冷凍庫・空
調設備や空調ラインの断熱材、LNG等の天然ガスのタ
ンクやパイプラインの断熱被覆材、工場でのユーテイリ
テイラインの断熱材、冷凍品等の輸送用断熱パッキング
材。 低密度が要求される用途;例えば、合成木材およびそ
の心材、軽量骨材、包装用のパッキング材。 連通気泡である発泡体より、表面積が大であることを
要求される用途;例えば、サンドドレン工法用サンドの
代替、排ガス燃焼触媒の担体、消臭剤や芳香剤用の担
体。 吸音を要求する用途;住宅用吸音パネル、トンネル内
の防音内壁材、列車軌道の防音高欄被覆材、エンジンや
機械類の防音内張り材やハウジング内張り材。 発泡体で有機系にない難生分解性や有機系に比べて低
い環境汚染性を有することから要求される用途;軽量盛
土の代替、トンネルの裏込め材、植生用ブロック、生け
花用剣山、園芸用バーミキュライト等の代替。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤
    (b)とからの発泡体構造であり、ポリイソシアネート
    化合物(c1)と、乳化機能を有するアルコール類(c
    2)との反応により形成された硬化物(c)により脆性
    が改善されてなる無機有機複合発泡体。
  2. 【請求項2】 (a)、(b)、ポリイソシアネート化
    合物(c1)および乳化機能を有するアルコール類(c
    2)からなる水性混合物が発泡硬化してなる請求項1記
    載の発泡体。
  3. 【請求項3】 該発泡剤(b)が、炭酸塩化合物である
    請求項1又は2記載の発泡体。
  4. 【請求項4】 硫酸(a')と、カルシウムもしくはバ
    リウムの炭酸塩(b')と、必要によりカルシウムもし
    くはバリウムの、酸化物もしくは水酸化物(b")から
    の発泡体構造であり、ポリイソシアネート化合物(c
    1)と、乳化機能を有するアルコール類(c2)との反
    応により形成された硬化物(c)により脆性が改善され
    てなる無機有機複合発泡体。
  5. 【請求項5】 (a')と、(b')及び必要により
    (b")と、ポリイソシアネート化合物(c1)と、乳
    化機能を有するアルコール類(c2)とからなる水性混
    合物が発泡硬化してなる請求項4記載の発泡体。
  6. 【請求項6】 (c2)がポリオキシエチレン系ポリオ
    ールである請求項1〜5のいずれか記載の発泡体。
  7. 【請求項7】 該硬化物(c)の含有量が5〜30重量
    %である請求項1〜6のいずれか記載の発泡体。
  8. 【請求項8】 更に無機充填材(d)を含有する請求項
    1〜7のいずれか記載の発泡体。
  9. 【請求項9】 リン酸類(a)、リン酸類の発泡剤
    (b)、ポリイソシアネート化合物(c1)、乳化機能
    を有するアルコール類(c2)、水及び必要により無機
    充填材(d)からなる成分を混合することにより発泡硬
    化させる無機有機複合発泡体の製造法。
  10. 【請求項10】 硫酸(a')と、カルシウムもしくは
    バリウムの炭酸塩(b')及び必要によりカルシウムも
    しくはバリウムの、酸化物もしくは水酸化物(b")
    と、ポリイソシアネート化合物(c1)と、乳化機能を
    有するアルコール類(c2)と、水と、必要により無機
    充填材(d)とからなる成分を混合することにより発泡
    硬化させる無機有機複合発泡体の製造法。
JP17849296A 1996-06-18 1996-06-18 無機有機複合発泡体およびその製造方法 Pending JPH101559A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17849296A JPH101559A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 無機有機複合発泡体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17849296A JPH101559A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 無機有機複合発泡体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH101559A true JPH101559A (ja) 1998-01-06

Family

ID=16049406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17849296A Pending JPH101559A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 無機有機複合発泡体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH101559A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1149691B1 (en) Honeycomb core material for sandwich structure and method for manufacturing the same
JP2901537B2 (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
KR101833399B1 (ko) 기포콘크리트 보강용 판재부착 판넬
US20120156469A1 (en) Process for producing flameproof (rigid) pur spray forms
CN113493340B (zh) 一种磷酸镁基泡沫混凝土保温隔热材料
US6610756B1 (en) Inorganic/organic composite foam and process for producing the same
JPH101559A (ja) 無機有機複合発泡体およびその製造方法
JPH0592407A (ja) 積層体の製造方法
JPH10195224A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製法
JP3421617B2 (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
JPH10195225A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造方法
JP6537300B2 (ja) 断熱材及びその製造方法
JPS61138616A (ja) 無機・有機複合発泡性組成物
JP3148680B2 (ja) 無機有機複合発泡体の製造法
JPH1067877A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
JPH11180782A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
JPH09328569A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
JPH11180783A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
JPH101558A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
JPH09324064A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
JPH10182868A (ja) 無機有機複合発泡体およびその製法
JP3229247B2 (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法
JPH11277550A (ja) 無機有機複合パネル発泡体の製造法
JPH11279317A (ja) 無機有機複合ボード発泡体の製造法
JPH11181137A (ja) 無機有機複合発泡体及びその製造法