JPH10182868A - 無機有機複合発泡体およびその製法 - Google Patents
無機有機複合発泡体およびその製法Info
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- JPH10182868A JPH10182868A JP35629896A JP35629896A JPH10182868A JP H10182868 A JPH10182868 A JP H10182868A JP 35629896 A JP35629896 A JP 35629896A JP 35629896 A JP35629896 A JP 35629896A JP H10182868 A JPH10182868 A JP H10182868A
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- water
- acrylic resin
- phosphoric acid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本来は脆性材料であるリン酸類の発泡体の脆
さを改善するとともに、不燃性、柔軟性、反発弾性等の
良好な発泡体を得る。 【解決手段】 リン酸類、重金属炭酸塩系発泡剤、メチ
ロール基含有水系アクリル樹脂、水および必要により無
機充填剤からなる成分を混合することにより発泡硬化さ
せてなる無機有機複合発泡体。
さを改善するとともに、不燃性、柔軟性、反発弾性等の
良好な発泡体を得る。 【解決手段】 リン酸類、重金属炭酸塩系発泡剤、メチ
ロール基含有水系アクリル樹脂、水および必要により無
機充填剤からなる成分を混合することにより発泡硬化さ
せてなる無機有機複合発泡体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機有機複合発泡体
及びその製造法に関する。さらに詳しくは、無機質の発
泡体構造を持ち、且つ硬化性の有機材料により脆性が顕
著に改善された無機有機複合発泡体であって、ウレタン
フォームやスチレンフォームのような柔軟性、反発弾性
のあるフォームと比べても遜色ないものとすることがで
き、且つ防火性能を兼備する無機有機複合発泡体;並び
に、室温から150℃の温度の条件下でも発泡体の形成
が可能な無機有機複合発泡体の製造法に関する。
及びその製造法に関する。さらに詳しくは、無機質の発
泡体構造を持ち、且つ硬化性の有機材料により脆性が顕
著に改善された無機有機複合発泡体であって、ウレタン
フォームやスチレンフォームのような柔軟性、反発弾性
のあるフォームと比べても遜色ないものとすることがで
き、且つ防火性能を兼備する無機有機複合発泡体;並び
に、室温から150℃の温度の条件下でも発泡体の形成
が可能な無機有機複合発泡体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機系発泡体の中で、リン酸類の
発泡体が常温常圧条件下でも発泡体の形成が可能な無機
質発泡体として提案されている(例えば、特公昭56−
36145号公報)。この公報記載の発泡体は、リン酸
金属塩等のリン酸類と、多価金属炭酸塩等の発泡剤とを
撹拌混合し、発泡硬化させることにより発泡体を得ると
いうものであって、次のような特徴を有するため、パネ
ル等の定型材はもちろん、開口部を埋めるための不定形
充填材にも適用が考えられる等、従来にない優れた材料
として位置付けることができる。 (1)得られる発泡体は不燃性、耐火性に優れる。 (2)発泡体の作成においては、広範囲での比重コント
ロールを容易に行うことができる。 (3)自己発泡性をもつ。
発泡体が常温常圧条件下でも発泡体の形成が可能な無機
質発泡体として提案されている(例えば、特公昭56−
36145号公報)。この公報記載の発泡体は、リン酸
金属塩等のリン酸類と、多価金属炭酸塩等の発泡剤とを
撹拌混合し、発泡硬化させることにより発泡体を得ると
いうものであって、次のような特徴を有するため、パネ
ル等の定型材はもちろん、開口部を埋めるための不定形
充填材にも適用が考えられる等、従来にない優れた材料
として位置付けることができる。 (1)得られる発泡体は不燃性、耐火性に優れる。 (2)発泡体の作成においては、広範囲での比重コント
ロールを容易に行うことができる。 (3)自己発泡性をもつ。
【0003】しかし、リン酸類の発泡体は、完全な無機
材料であるが故に脆くて、少々の力によっても形成した
泡が破壊されて元に戻らない欠点があり、特に、低比重
の大型パネルを作成した場合、触っただけで表層が崩れ
る、パネル強度が弱すぎて持ち運びができない等の問題
があるため、実用性にかなう材料といえるものではなか
った。このようなリン酸類の発泡体の欠点を改善する手
段として、SBR等の樹脂エマルジョンを系内に添加す
る方法が提案されている(例えば、特開平6−2486
9号公報)。この方法では、リン酸類の発泡体の特徴で
ある優れた不燃性、耐熱性を損なわない程度に樹脂エマ
ルジョンを添加することにより、発泡体の強度を向上
し、高発泡倍率の発泡体でも実用性に優れる材料を得る
ことができるとしている。
材料であるが故に脆くて、少々の力によっても形成した
泡が破壊されて元に戻らない欠点があり、特に、低比重
の大型パネルを作成した場合、触っただけで表層が崩れ
る、パネル強度が弱すぎて持ち運びができない等の問題
があるため、実用性にかなう材料といえるものではなか
った。このようなリン酸類の発泡体の欠点を改善する手
段として、SBR等の樹脂エマルジョンを系内に添加す
る方法が提案されている(例えば、特開平6−2486
9号公報)。この方法では、リン酸類の発泡体の特徴で
ある優れた不燃性、耐熱性を損なわない程度に樹脂エマ
ルジョンを添加することにより、発泡体の強度を向上
し、高発泡倍率の発泡体でも実用性に優れる材料を得る
ことができるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リン酸
類の発泡体の強度は樹脂エマルジョン添加によりかなり
改善されるものの、本質的には脆性材料であって、高発
泡倍率の発泡体の脆さについては十分な改質は難かし
く、更にウレタンフォームやスチレンフォームのような
プラスチックフォームが有する柔軟性、反発弾性のある
フォームを得ることはなおさら困難であった。
類の発泡体の強度は樹脂エマルジョン添加によりかなり
改善されるものの、本質的には脆性材料であって、高発
泡倍率の発泡体の脆さについては十分な改質は難かし
く、更にウレタンフォームやスチレンフォームのような
プラスチックフォームが有する柔軟性、反発弾性のある
フォームを得ることはなおさら困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のリ
ン酸類の発泡体のこれらの問題点を解決すべく鋭意検討
した結果、上記樹脂エマルジョンとは異なり架橋反応性
を有するメチロール基含有アクリル樹脂の硬化物を用い
た発泡体を得た。又、本発明者らの検討の結果、このメ
チロール基含有アクリル樹脂を用いると、高発泡倍率の
発泡体とした場合は、有機無機複合体であるにもかかわ
らず、靭性と強度を有する発泡体が得られ、この発泡倍
率は硬質であり、且つ脆性が著しく改善される知見を得
た。
ン酸類の発泡体のこれらの問題点を解決すべく鋭意検討
した結果、上記樹脂エマルジョンとは異なり架橋反応性
を有するメチロール基含有アクリル樹脂の硬化物を用い
た発泡体を得た。又、本発明者らの検討の結果、このメ
チロール基含有アクリル樹脂を用いると、高発泡倍率の
発泡体とした場合は、有機無機複合体であるにもかかわ
らず、靭性と強度を有する発泡体が得られ、この発泡倍
率は硬質であり、且つ脆性が著しく改善される知見を得
た。
【0006】すなわち本発明は、下記無機有機複合発泡
体<1>、<2>、<3>及び無機有機複合発泡体の製
造法<4>、<5>から成る。 <1> リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤(b)と
からの発泡体構造であり、その場で形成されたメチロー
ル基含有アクリル樹脂の硬化物(c)により脆性が改善
されてなる無機有機複合発泡体。 <2> 硫酸(a’)と、カルシュウムもしくはバリウ
ムの炭酸塩(b’)と、必要によりカルシウムもしくは
バリウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)とからの
発泡体構造であり、その場で形成されたメチロール基含
有アクリル樹脂の硬化物(c)により脆性が改善されて
なる無機有機複合発泡体。 <3> 更に無機充填材(d)を含有する上記<1>ま
たは<2>記載の発泡体。 <4> リン酸類(a)、リン酸類の発泡剤(b)、メ
チロール基含有水系アクリル樹脂(c’)、水及び必要
により無機充填材(d)からなる成分を混合することに
より発泡硬化させる無機有機複合発泡体の製造法。 <5> 硫酸(a’)と、カルシウムもしくはバリウム
の炭酸塩(b’)および必要によりカルシウムもしくは
バリウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)と、メチ
ロール基含有水系アクリル樹脂(c’)と、水と、必要
により無機充填材(d)とからなる成分を混合すること
により発泡硬化させる無機有機複合発泡体の製造法。
体<1>、<2>、<3>及び無機有機複合発泡体の製
造法<4>、<5>から成る。 <1> リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤(b)と
からの発泡体構造であり、その場で形成されたメチロー
ル基含有アクリル樹脂の硬化物(c)により脆性が改善
されてなる無機有機複合発泡体。 <2> 硫酸(a’)と、カルシュウムもしくはバリウ
ムの炭酸塩(b’)と、必要によりカルシウムもしくは
バリウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)とからの
発泡体構造であり、その場で形成されたメチロール基含
有アクリル樹脂の硬化物(c)により脆性が改善されて
なる無機有機複合発泡体。 <3> 更に無機充填材(d)を含有する上記<1>ま
たは<2>記載の発泡体。 <4> リン酸類(a)、リン酸類の発泡剤(b)、メ
チロール基含有水系アクリル樹脂(c’)、水及び必要
により無機充填材(d)からなる成分を混合することに
より発泡硬化させる無機有機複合発泡体の製造法。 <5> 硫酸(a’)と、カルシウムもしくはバリウム
の炭酸塩(b’)および必要によりカルシウムもしくは
バリウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)と、メチ
ロール基含有水系アクリル樹脂(c’)と、水と、必要
により無機充填材(d)とからなる成分を混合すること
により発泡硬化させる無機有機複合発泡体の製造法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の無機有機複合発泡体<1
>は、リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤(b)とが
反応して発泡した無機質の発泡体構造を有し、発泡体<
2>は、硫酸(a’)と、カルシウムもしくはバリウム
の炭酸塩(b’)と、必要によりカルシウムもしくはバ
リウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)とからの発
泡体構造を有する。また、発泡体<1>、<2>は共
に、その場で形成されたメチロール基含有アクリル樹脂
の硬化物(c)により脆性が改善されてなる無機有機複
合発泡体構造を有する。又、本発明の発泡体は、該メチ
ロール基含有アクリル樹脂の硬化物(c)により脆性が
改善されたものである。該メチロール基含有樹脂の硬化
物(c)は、メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)が、常温から150℃で自己架橋反応して硬化
したものである。
>は、リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤(b)とが
反応して発泡した無機質の発泡体構造を有し、発泡体<
2>は、硫酸(a’)と、カルシウムもしくはバリウム
の炭酸塩(b’)と、必要によりカルシウムもしくはバ
リウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)とからの発
泡体構造を有する。また、発泡体<1>、<2>は共
に、その場で形成されたメチロール基含有アクリル樹脂
の硬化物(c)により脆性が改善されてなる無機有機複
合発泡体構造を有する。又、本発明の発泡体は、該メチ
ロール基含有アクリル樹脂の硬化物(c)により脆性が
改善されたものである。該メチロール基含有樹脂の硬化
物(c)は、メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)が、常温から150℃で自己架橋反応して硬化
したものである。
【0008】本発明の発泡体<1>は、例えば、リン酸
類(a)、該発泡剤(b)及び該メチロール基含有水系
アクリル樹脂(c’)からなる成分を水性混合物とする
ことにより、発泡硬化して得られるものである。即ち、
これらを水性混合物とすることにより(a)と(b)と
の発泡硬化反応及び(c’)の硬化架橋反応が進行し
て、本発明の発泡体が得られる。また、本発明の発泡体
<2>は、前記と同様に硫酸(a’)と、カルシウムも
しくはバリウムの炭酸塩(b’)および必要によりカル
シウムもしくはバリウムの、酸化物もしくは水酸化物
(b”)と、(c’)からなる成分を水性混合物とする
ことにより発泡硬化して得られるももである。
類(a)、該発泡剤(b)及び該メチロール基含有水系
アクリル樹脂(c’)からなる成分を水性混合物とする
ことにより、発泡硬化して得られるものである。即ち、
これらを水性混合物とすることにより(a)と(b)と
の発泡硬化反応及び(c’)の硬化架橋反応が進行し
て、本発明の発泡体が得られる。また、本発明の発泡体
<2>は、前記と同様に硫酸(a’)と、カルシウムも
しくはバリウムの炭酸塩(b’)および必要によりカル
シウムもしくはバリウムの、酸化物もしくは水酸化物
(b”)と、(c’)からなる成分を水性混合物とする
ことにより発泡硬化して得られるももである。
【0009】本発明において、リン酸類(a)として
は、例えば、リン酸、亜リン酸、無水リン酸、縮合リン
酸、これらの多価金属塩及びこれらの二種以上の混合物
が挙げられる。このうちリン酸の多価金属塩としては、
第一リン酸多価金属塩、第二リン酸多価金属塩、第三リ
ン酸多価金属塩がある。また、上記多価金属塩を構成す
る金属としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニ
ウム、亜鉛、バリウム、鉄等が挙げられる。これら多価
金属成分は、リン酸多価金属塩、亜リン酸多価金属塩等
の形で添加する方法の他に、リン酸、亜リン酸と化学的
に活性な金属化合物、例えば、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム等の多価金属酸化物や、水酸化アルミニウム
ゲル、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の多価
金属水酸化物等をリン酸、亜リン酸等のと別々に系内に
添加し、系内で反応させる方法をとることもできる。こ
れらのリン酸類(a)は、通常水に溶解して酸性となる
ものであって、上記水性混合物の成分とする際には、発
泡剤(b)との反応性が必要とされるため、通常pH4
以下、好ましくはpH3以下、特に好ましくはpH2以
下の水溶液として用いる。リン酸類(a)として例示し
たもののうち好ましいものは、リン酸、第一リン酸マグ
ネシウム、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸亜鉛お
よびこれらの2種以上の混合物であり、特に好ましいも
のは、リン酸、第一リン酸マグネシウム、第一リン酸ア
ルミニウムおよびこれらの2種以上の混合物である。
は、例えば、リン酸、亜リン酸、無水リン酸、縮合リン
酸、これらの多価金属塩及びこれらの二種以上の混合物
が挙げられる。このうちリン酸の多価金属塩としては、
第一リン酸多価金属塩、第二リン酸多価金属塩、第三リ
ン酸多価金属塩がある。また、上記多価金属塩を構成す
る金属としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニ
ウム、亜鉛、バリウム、鉄等が挙げられる。これら多価
金属成分は、リン酸多価金属塩、亜リン酸多価金属塩等
の形で添加する方法の他に、リン酸、亜リン酸と化学的
に活性な金属化合物、例えば、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム等の多価金属酸化物や、水酸化アルミニウム
ゲル、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の多価
金属水酸化物等をリン酸、亜リン酸等のと別々に系内に
添加し、系内で反応させる方法をとることもできる。こ
れらのリン酸類(a)は、通常水に溶解して酸性となる
ものであって、上記水性混合物の成分とする際には、発
泡剤(b)との反応性が必要とされるため、通常pH4
以下、好ましくはpH3以下、特に好ましくはpH2以
下の水溶液として用いる。リン酸類(a)として例示し
たもののうち好ましいものは、リン酸、第一リン酸マグ
ネシウム、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸亜鉛お
よびこれらの2種以上の混合物であり、特に好ましいも
のは、リン酸、第一リン酸マグネシウム、第一リン酸ア
ルミニウムおよびこれらの2種以上の混合物である。
【0010】リン酸類(a)の含有量は、本発明の発泡
体を構成する全成分中通常3〜50重量%であり、又、
本発明の発泡体中のリン原子の含有量に換算した場合、
好ましい範囲で言えば、3〜20重量%、特に4〜18
重量%である。リン原子の含有量が3重量%未満では得
られる発泡体の防火性能が低下する。一方、リン原子の
含有量が20重量%を超えると、メチロール基含有水系
アクリル樹脂(c’)の分散性が低下し、又均一な発泡
構造が得られなくなることもある。また、硫酸(a’)
としては、水希釈により濃度を調整した工業用硫酸が挙
げられる。
体を構成する全成分中通常3〜50重量%であり、又、
本発明の発泡体中のリン原子の含有量に換算した場合、
好ましい範囲で言えば、3〜20重量%、特に4〜18
重量%である。リン原子の含有量が3重量%未満では得
られる発泡体の防火性能が低下する。一方、リン原子の
含有量が20重量%を超えると、メチロール基含有水系
アクリル樹脂(c’)の分散性が低下し、又均一な発泡
構造が得られなくなることもある。また、硫酸(a’)
としては、水希釈により濃度を調整した工業用硫酸が挙
げられる。
【0011】本発明において、該発泡剤(b)として
は、例えば、下記(b1)及び(b2)が挙げられる。 (b1)炭酸塩化合物 (b2)酸またはアルカリと反応してガスを発生する軽
金属 炭酸塩化合物(b1)の具体例としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグ
ネシウム、塩基性炭酸亜鉛等が挙げられ、上記軽金属
(b2)の具体例としては、マグネシウム、アルミニウ
ム、亜鉛等が挙げられる。該発泡剤(b)として例示し
たもののうち好ましいものは、塩基性炭酸マグネシウム
である。該発泡剤(b)の量は、半軟質から硬質迄の幅
広い範囲の所望の発泡倍率に応じて決めればよい。
(b)の量は、水性混合物とした際(a)と(b)がよ
く混ざる範囲であれば特に制限はないが、リン酸類
(a)100重量部に対して、通常0.1〜200重量
部、好ましくは1〜100重量部である。
は、例えば、下記(b1)及び(b2)が挙げられる。 (b1)炭酸塩化合物 (b2)酸またはアルカリと反応してガスを発生する軽
金属 炭酸塩化合物(b1)の具体例としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグ
ネシウム、塩基性炭酸亜鉛等が挙げられ、上記軽金属
(b2)の具体例としては、マグネシウム、アルミニウ
ム、亜鉛等が挙げられる。該発泡剤(b)として例示し
たもののうち好ましいものは、塩基性炭酸マグネシウム
である。該発泡剤(b)の量は、半軟質から硬質迄の幅
広い範囲の所望の発泡倍率に応じて決めればよい。
(b)の量は、水性混合物とした際(a)と(b)がよ
く混ざる範囲であれば特に制限はないが、リン酸類
(a)100重量部に対して、通常0.1〜200重量
部、好ましくは1〜100重量部である。
【0012】上記発泡剤(b)とともに必要によりその
他の発泡剤を併用してもよい。該その他の発泡剤として
は、加熱により分解する有機系発泡剤[ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’
−ジニトロソテレフタールアミドなどのニトロソ系発泡
剤;ベンゼンスルホニルヒドラジドアゾジカルボンアミ
ド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3’
−ジスルホヒドラジドジフェニルスルフォホンなどのス
ルホヒドラジド系発泡剤;アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスホルムアミド、ジエチルアゾジカルボキシ
レートなどのアゾ系発泡剤など]が挙げられる。これら
の発泡剤の1種以上をあらかじめ(c)中に混合してお
き、本発明の発泡体を形成後、更に加熱によりこの発泡
剤で二次発泡させる方法もとることができる。
他の発泡剤を併用してもよい。該その他の発泡剤として
は、加熱により分解する有機系発泡剤[ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’
−ジニトロソテレフタールアミドなどのニトロソ系発泡
剤;ベンゼンスルホニルヒドラジドアゾジカルボンアミ
ド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3’
−ジスルホヒドラジドジフェニルスルフォホンなどのス
ルホヒドラジド系発泡剤;アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスホルムアミド、ジエチルアゾジカルボキシ
レートなどのアゾ系発泡剤など]が挙げられる。これら
の発泡剤の1種以上をあらかじめ(c)中に混合してお
き、本発明の発泡体を形成後、更に加熱によりこの発泡
剤で二次発泡させる方法もとることができる。
【0013】また、カルシウムもしくはバリウムの炭酸
塩(b’)としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸バリ
ウムなどが挙げられ、カルシウムもしくはバリウムの、
酸化物もしくは水酸化物(b”)としては、例えば生石
灰、消石灰、酸化バリウム、水酸化バリウムなどが挙げ
られる。(b”)は任意成分であるが、(b’)と
(b”)とを併用することにより発泡の程度を抑制する
作用があり、併用することが好ましい。これらの使用量
は、(b’)と(b”)の合計量で、(a’)100重
量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは5〜
100重量部である。
塩(b’)としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸バリ
ウムなどが挙げられ、カルシウムもしくはバリウムの、
酸化物もしくは水酸化物(b”)としては、例えば生石
灰、消石灰、酸化バリウム、水酸化バリウムなどが挙げ
られる。(b”)は任意成分であるが、(b’)と
(b”)とを併用することにより発泡の程度を抑制する
作用があり、併用することが好ましい。これらの使用量
は、(b’)と(b”)の合計量で、(a’)100重
量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは5〜
100重量部である。
【0014】メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)としては、下記単量体(モノマー)を水単独あ
るいは水溶性有機溶剤を含む水性媒体中で公知の方法
(乳化重合、溶液重合、分散重合等)で(共)重合して
得られるアクリル樹脂であり、分子量が通常500〜1
0000、好ましくは1000〜5000であり、常温
で液状(水性溶液、水性分散体など)のものである。モ
ノマーとしては、モノメチロール(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロ
ールもしくはアルコキシメチロール系(メタ)アクリル
アミドを必須構成モノマーとし、必要により該と共
重合可能な他のモノマー例えば(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、tー
ブチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン
などの含窒素系モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレ
ートなどのヒドロキシル基含有系モノマー;メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレートなどの低級アルコールエス
テル系モノマー;スチレン、トリメチロールプロパン
モノ(メタ)アクリレートなど他モノマーが用いられ
る。通常、前記のモノマーは併用して使用するが、モノ
マー中のメチロールもしくはアルコキシメチロール系
(メタ)アクリルアミドを全モノマーに対し5〜40
重量%、好ましくは10〜35重量%で使用することが
好ましい。
(c’)としては、下記単量体(モノマー)を水単独あ
るいは水溶性有機溶剤を含む水性媒体中で公知の方法
(乳化重合、溶液重合、分散重合等)で(共)重合して
得られるアクリル樹脂であり、分子量が通常500〜1
0000、好ましくは1000〜5000であり、常温
で液状(水性溶液、水性分散体など)のものである。モ
ノマーとしては、モノメチロール(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロ
ールもしくはアルコキシメチロール系(メタ)アクリル
アミドを必須構成モノマーとし、必要により該と共
重合可能な他のモノマー例えば(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、tー
ブチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン
などの含窒素系モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレ
ートなどのヒドロキシル基含有系モノマー;メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレートなどの低級アルコールエス
テル系モノマー;スチレン、トリメチロールプロパン
モノ(メタ)アクリレートなど他モノマーが用いられ
る。通常、前記のモノマーは併用して使用するが、モノ
マー中のメチロールもしくはアルコキシメチロール系
(メタ)アクリルアミドを全モノマーに対し5〜40
重量%、好ましくは10〜35重量%で使用することが
好ましい。
【0015】重合触媒としては、ラジカル重合開始剤で
あり、過酸化ベンゾイル、過酸化第三ブチル、第三ブチ
ルヒドロキシペルオキシド、過硫酸アンモニウム、過硫
酸ナトリウムなどの過酸化物;アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化
合物;過酸化水素と第1鉄塩、過硫酸塩と第1鉄塩、
過酸化ベンゾイルとジメチルアニリン、酸素とトリエチ
ルホウ素などのレドックス系開始剤などが挙げられ
る。これらのうち、好ましいものは水系で重合開始する
触媒であり、具体的には過酸化ベンゾイル、過硫酸アン
モニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素と塩化第1鉄
との組み合わせおよび過硫酸ナトリウムと塩化第1鉄も
しくは水酸化第1鉄との組み合わせである。重合触媒の
使用量は、全モノマーに対し0.5〜5重量%、好まし
くは1〜3重量%である。
あり、過酸化ベンゾイル、過酸化第三ブチル、第三ブチ
ルヒドロキシペルオキシド、過硫酸アンモニウム、過硫
酸ナトリウムなどの過酸化物;アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化
合物;過酸化水素と第1鉄塩、過硫酸塩と第1鉄塩、
過酸化ベンゾイルとジメチルアニリン、酸素とトリエチ
ルホウ素などのレドックス系開始剤などが挙げられ
る。これらのうち、好ましいものは水系で重合開始する
触媒であり、具体的には過酸化ベンゾイル、過硫酸アン
モニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素と塩化第1鉄
との組み合わせおよび過硫酸ナトリウムと塩化第1鉄も
しくは水酸化第1鉄との組み合わせである。重合触媒の
使用量は、全モノマーに対し0.5〜5重量%、好まし
くは1〜3重量%である。
【0016】また、重合は、水もしくは水と水溶性溶剤
の混合系中で行われる。水溶性溶剤としては、イソプロ
パノール、ブチルアルコール、メトキシエタノール、エ
トキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエ
タノール、ジエチレングリコールモノエタノール、エチ
ルカルビトール、ブチルカルビトールなどが挙げられ
る。
の混合系中で行われる。水溶性溶剤としては、イソプロ
パノール、ブチルアルコール、メトキシエタノール、エ
トキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエ
タノール、ジエチレングリコールモノエタノール、エチ
ルカルビトール、ブチルカルビトールなどが挙げられ
る。
【0017】メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)とともに、必要によりメチロール基を含有する
尿素もしくはメラミンを併用することもできる。これら
は、例えば尿素およびメラミンと、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを、
水酸化ソーダ、水酸化バリューム等のアルカリ触媒下で
反応中は中性あるいはアルカリ性を該触媒の逐次添加に
より維持しながら反応して(予備縮合)して得られるも
のである。
(c’)とともに、必要によりメチロール基を含有する
尿素もしくはメラミンを併用することもできる。これら
は、例えば尿素およびメラミンと、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを、
水酸化ソーダ、水酸化バリューム等のアルカリ触媒下で
反応中は中性あるいはアルカリ性を該触媒の逐次添加に
より維持しながら反応して(予備縮合)して得られるも
のである。
【0018】本発明の発泡体における、その場で形成さ
れるメチロール基含有アクリル樹脂の硬化物(c)の含
有量は、不燃性および強度の点から、発泡体を構成する
全固形分の5〜30重量%が好適である。5%未満であ
ると得られる発泡体が非常に脆く、30%を越えると発
泡体の不燃性が低下し、可燃性になるので好ましくな
い。
れるメチロール基含有アクリル樹脂の硬化物(c)の含
有量は、不燃性および強度の点から、発泡体を構成する
全固形分の5〜30重量%が好適である。5%未満であ
ると得られる発泡体が非常に脆く、30%を越えると発
泡体の不燃性が低下し、可燃性になるので好ましくな
い。
【0019】本発明の発泡体には、物性の向上やコスト
を考慮して必要により無機充填材(d)を含有させても
よい。無機充填材(d)としては、例えば下記(d1)
〜(d5)が挙げられる。 (d1)セメント:ポルトラントセメント、シリカセメ
ント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシ
ュセメント、白色セメント等 (d2)粘土鉱物:モリロナイト、ベントナイト、雲
母、セリサイト、カオリン、タルク、フィライト、ゼオ
ライト等 (d3)無機質軽量骨材:パ−ライト、シラスバル−ン
等 (d4)無機繊維:カーボン繊維、アスベスト、ロック
ウール、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、スチール繊維等 (d5)その他非水溶性の無機粉末材料:フライアッシ
ュ、シリカフューム、珪石粉、セラミック粉、水酸化ア
ルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム等
を考慮して必要により無機充填材(d)を含有させても
よい。無機充填材(d)としては、例えば下記(d1)
〜(d5)が挙げられる。 (d1)セメント:ポルトラントセメント、シリカセメ
ント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシ
ュセメント、白色セメント等 (d2)粘土鉱物:モリロナイト、ベントナイト、雲
母、セリサイト、カオリン、タルク、フィライト、ゼオ
ライト等 (d3)無機質軽量骨材:パ−ライト、シラスバル−ン
等 (d4)無機繊維:カーボン繊維、アスベスト、ロック
ウール、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、スチール繊維等 (d5)その他非水溶性の無機粉末材料:フライアッシ
ュ、シリカフューム、珪石粉、セラミック粉、水酸化ア
ルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム等
【0020】以上(d)として例示したものの選択には
特に限定はなく、発泡体の物性、コスト等の要求に合わ
せて単独もしくは任意の組み合わせで添加すればよい。
例えば、セメント(d1)の添加により発泡体の硬度が
向上する。セメント(d1)の内では、アルミナセメン
トが、セメントの内でもアルカリ性が低いため、該リン
酸類(a)との反応性が低い点で好ましい。無機繊維
(d4)の添加により、発泡体の引張強度、曲げ強度等
の向上や発泡体中の有機物が仮に燃えてしまった後の形
状保持性が向上する。また、(d5)のうちの水酸化ア
ルミニウムや炭酸カルシウムの添加は防火性能を向上さ
せる。その他の(d)として例示したものは、主として
コスト・ダウンのための増量材的な用い方ができる。
(d)の添加量は特に制限はなく、通常、リン酸類
(a)100重量部に対して、1800重量部以下、好
ましくは500重量部以下である。さらに、上記無機繊
維(d4)に代えるかまたは併用して、有機繊維の使用
も可能であり、有機繊維も発泡体の引張強度、曲げ強度
等の向上効果がある。該有機繊維としては、ビニロン繊
維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊
維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維等が挙げられ
る。但し、有機繊維の使用量は、発泡体の防火性能の要
求レベルを考慮して支障のない範囲とする必要がある。
特に限定はなく、発泡体の物性、コスト等の要求に合わ
せて単独もしくは任意の組み合わせで添加すればよい。
例えば、セメント(d1)の添加により発泡体の硬度が
向上する。セメント(d1)の内では、アルミナセメン
トが、セメントの内でもアルカリ性が低いため、該リン
酸類(a)との反応性が低い点で好ましい。無機繊維
(d4)の添加により、発泡体の引張強度、曲げ強度等
の向上や発泡体中の有機物が仮に燃えてしまった後の形
状保持性が向上する。また、(d5)のうちの水酸化ア
ルミニウムや炭酸カルシウムの添加は防火性能を向上さ
せる。その他の(d)として例示したものは、主として
コスト・ダウンのための増量材的な用い方ができる。
(d)の添加量は特に制限はなく、通常、リン酸類
(a)100重量部に対して、1800重量部以下、好
ましくは500重量部以下である。さらに、上記無機繊
維(d4)に代えるかまたは併用して、有機繊維の使用
も可能であり、有機繊維も発泡体の引張強度、曲げ強度
等の向上効果がある。該有機繊維としては、ビニロン繊
維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊
維、ポリプロピレン繊維、セルロース繊維等が挙げられ
る。但し、有機繊維の使用量は、発泡体の防火性能の要
求レベルを考慮して支障のない範囲とする必要がある。
【0021】本発明の発泡体は、(c)の含有量を前記
好ましい範囲とすれば、かなり高い防火性を有している
が、更に高い防火性を付与するため、公知の難燃剤を発
泡成分中に加えて発泡硬化させることもできる。難燃剤
としては、非ハロゲン系燐酸エステル(トリフェニルフ
ォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ア
ンモニウムポリフォスフェートなど)、ハロゲン含有系
燐酸エステル(トリスクロロエチルフォスフォネート、
トリスジクロロプロピルフォスフェート、トリス(トリ
ブロモフェニル)フォスフェート、トリスジブロモプロ
ピルフォスフェートなど)、活性水素含有系難燃剤(ジ
(イソプロピル)N、Nビス(2ヒドロキシエチル)ア
ミノメチルフォスフェート、臭素化ビスフェノールAの
アルキレンオキサイド付加物など)、三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、酸化亜鉛等があげられる。以上
例示したものは、一種または二種以上を併用して用いる
ことができる。難燃剤の使用量は、(c’)100重量
部に対して、通常40重量部以下、好ましくは0.1〜
30重量部である。
好ましい範囲とすれば、かなり高い防火性を有している
が、更に高い防火性を付与するため、公知の難燃剤を発
泡成分中に加えて発泡硬化させることもできる。難燃剤
としては、非ハロゲン系燐酸エステル(トリフェニルフ
ォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ア
ンモニウムポリフォスフェートなど)、ハロゲン含有系
燐酸エステル(トリスクロロエチルフォスフォネート、
トリスジクロロプロピルフォスフェート、トリス(トリ
ブロモフェニル)フォスフェート、トリスジブロモプロ
ピルフォスフェートなど)、活性水素含有系難燃剤(ジ
(イソプロピル)N、Nビス(2ヒドロキシエチル)ア
ミノメチルフォスフェート、臭素化ビスフェノールAの
アルキレンオキサイド付加物など)、三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、酸化亜鉛等があげられる。以上
例示したものは、一種または二種以上を併用して用いる
ことができる。難燃剤の使用量は、(c’)100重量
部に対して、通常40重量部以下、好ましくは0.1〜
30重量部である。
【0022】本発明の方法によって、リン酸類(a)、
該発泡剤(b)、該メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)、水及び必要により無機充填材(d)からなる
成分を混合して水性混合物とすることにより発泡硬化さ
せると、本発明の発泡体<1>が得られる。また、硫酸
(a’)、カルシウムもしくはバリウムの炭酸塩
(b’)および必要によりカルシウムもしくはバリウム
の、酸化物もしくは水酸化物(b”)および(c’)か
らなる成分を水性混合物とすることにより発泡硬化させ
ることにより発泡体<2>が得られる。いずれの方法に
おいても、水性混合物中の水の量は混合水スラリー化が
可能な範囲であれば、必要以上には水を加える必要はな
く、水が多い程発泡硬化したものの乾燥に時間や手間が
かかる。水の量は特に制限はないが、通常水性混合物の
濃度が50〜90重量%程度となる量である。
該発泡剤(b)、該メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)、水及び必要により無機充填材(d)からなる
成分を混合して水性混合物とすることにより発泡硬化さ
せると、本発明の発泡体<1>が得られる。また、硫酸
(a’)、カルシウムもしくはバリウムの炭酸塩
(b’)および必要によりカルシウムもしくはバリウム
の、酸化物もしくは水酸化物(b”)および(c’)か
らなる成分を水性混合物とすることにより発泡硬化させ
ることにより発泡体<2>が得られる。いずれの方法に
おいても、水性混合物中の水の量は混合水スラリー化が
可能な範囲であれば、必要以上には水を加える必要はな
く、水が多い程発泡硬化したものの乾燥に時間や手間が
かかる。水の量は特に制限はないが、通常水性混合物の
濃度が50〜90重量%程度となる量である。
【0023】本発明の方法において、該メチロール基含
有水系アクリル樹脂(c’)の反応硬化速度をコントロ
ールするためには、発泡硬化時および発泡硬化後に、更
に加熱することで行うことも出来る。硬化反応温度は通
常室温〜150℃であり、好ましくは60〜120℃で
ある。さらに、メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)は、発泡硬化時にリン酸類(a)が硬化触媒と
して作用するが、更に架橋反応の速度をコントロールす
るため、他の触媒を添加使用することもできる。触媒と
しては、塩酸、硫酸、フェノールスルホン酸、トルエン
スルフォン酸、キシレンスルフォン酸、ノニルもしくは
オクチルフェノールスルフォン酸等の無機酸および有機
酸が挙げられる。
有水系アクリル樹脂(c’)の反応硬化速度をコントロ
ールするためには、発泡硬化時および発泡硬化後に、更
に加熱することで行うことも出来る。硬化反応温度は通
常室温〜150℃であり、好ましくは60〜120℃で
ある。さらに、メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)は、発泡硬化時にリン酸類(a)が硬化触媒と
して作用するが、更に架橋反応の速度をコントロールす
るため、他の触媒を添加使用することもできる。触媒と
しては、塩酸、硫酸、フェノールスルホン酸、トルエン
スルフォン酸、キシレンスルフォン酸、ノニルもしくは
オクチルフェノールスルフォン酸等の無機酸および有機
酸が挙げられる。
【0024】他の触媒としての使用量は、通常、メチロ
ール基含有水系アクリル樹脂(c’)100重量部(固
形分)に対して通常0.1〜5重量部である。
ール基含有水系アクリル樹脂(c’)100重量部(固
形分)に対して通常0.1〜5重量部である。
【0025】本発明の方法において、発泡体のセル構造
をコントロールするために、整泡剤を添加することがで
きる。整泡剤としては、従来公知のシリコン系活性剤が
挙げられ、例えば、 ・トーレ・シリコ−ン社製のSH−192、SH−19
3、SH−194等; ・東芝シリコーン社製のTFA−4200等; ・日本ユニカー社製のL−5320、L−5340、L
−5350等; ・信越シリコン社製のF−121、F−122等;等が
挙げられる。整泡剤の添加量は、メチロール基含有水系
アクリル樹脂(c’)100重量部(固形分)に対して
通常3部以下、好ましくは0.001〜1部である。
をコントロールするために、整泡剤を添加することがで
きる。整泡剤としては、従来公知のシリコン系活性剤が
挙げられ、例えば、 ・トーレ・シリコ−ン社製のSH−192、SH−19
3、SH−194等; ・東芝シリコーン社製のTFA−4200等; ・日本ユニカー社製のL−5320、L−5340、L
−5350等; ・信越シリコン社製のF−121、F−122等;等が
挙げられる。整泡剤の添加量は、メチロール基含有水系
アクリル樹脂(c’)100重量部(固形分)に対して
通常3部以下、好ましくは0.001〜1部である。
【0026】また、本発明の発泡体を得るには、
(a)、(b)および(c’)の各成分は水道水、天然
水、脱イオン水、河川水、井戸水等の水で予め希釈して
混合するか、あるいは水とともに混合し水性混合物にす
る必要がある。本発明の方法において、各成分を混合す
ることにより発泡硬化させる方式としては、下記の
[1]から[4]に例示するような種々の方式がある。 [1]リン酸類(a)、該発泡剤(b)、該メチロール
基含有水系アクリル樹脂(c’)、水及び必要により無
機充填材(d)を一括に投入混合し、常温〜90℃で発
泡硬化させる方式。 [2]リン酸類(a)、該メチロール基含有水系アクリ
ル樹脂(c’)および水を混合した後、該発泡剤(b)
および必要により無機充填材(d)を併せて投入し混
合、常温〜90℃で発泡硬化させる方式。 [3]リン酸類(a)と該メチロール基含有水系アクリ
ル樹脂(c’)とを混合した後、あらかじめ、該発泡剤
(b)、水および必要により無機充填材(d)を混合し
てスラリー化したものを投入混合し、常温〜90℃で発
泡硬化させる方式。 [4]リン酸類(a)、該メチロール基含有水系アクリ
ル樹脂(c’)と水の一部を混合した後、あらかじめ該
発泡剤(b)および必要により無機充填材(d)と水の
残りとを混合してスラリー化したものを投入混合し、常
温〜90℃で発泡硬化させる方式。 これらのうち好ましいのは、[1]、[2]および
[4]の方式であり、特に好ましいのは[2]の方式で
ある。また、前記(a’)と(b’)と(c’)とを用
いた発泡の場合も上記と同様である。
(a)、(b)および(c’)の各成分は水道水、天然
水、脱イオン水、河川水、井戸水等の水で予め希釈して
混合するか、あるいは水とともに混合し水性混合物にす
る必要がある。本発明の方法において、各成分を混合す
ることにより発泡硬化させる方式としては、下記の
[1]から[4]に例示するような種々の方式がある。 [1]リン酸類(a)、該発泡剤(b)、該メチロール
基含有水系アクリル樹脂(c’)、水及び必要により無
機充填材(d)を一括に投入混合し、常温〜90℃で発
泡硬化させる方式。 [2]リン酸類(a)、該メチロール基含有水系アクリ
ル樹脂(c’)および水を混合した後、該発泡剤(b)
および必要により無機充填材(d)を併せて投入し混
合、常温〜90℃で発泡硬化させる方式。 [3]リン酸類(a)と該メチロール基含有水系アクリ
ル樹脂(c’)とを混合した後、あらかじめ、該発泡剤
(b)、水および必要により無機充填材(d)を混合し
てスラリー化したものを投入混合し、常温〜90℃で発
泡硬化させる方式。 [4]リン酸類(a)、該メチロール基含有水系アクリ
ル樹脂(c’)と水の一部を混合した後、あらかじめ該
発泡剤(b)および必要により無機充填材(d)と水の
残りとを混合してスラリー化したものを投入混合し、常
温〜90℃で発泡硬化させる方式。 これらのうち好ましいのは、[1]、[2]および
[4]の方式であり、特に好ましいのは[2]の方式で
ある。また、前記(a’)と(b’)と(c’)とを用
いた発泡の場合も上記と同様である。
【0027】本発明の発泡体を得るには、常温から90
℃で常圧条件下、上記の方式に基づき各成分を混合し発
泡硬化させるが、その後、更に90〜150℃で加熱し
て、更に硬化を完全にすることもできる。
℃で常圧条件下、上記の方式に基づき各成分を混合し発
泡硬化させるが、その後、更に90〜150℃で加熱し
て、更に硬化を完全にすることもできる。
【0028】本発明の方法により、型枠中に混合物を
流し込んで成形して発泡体とすることもでき、壁面等
の任意の基材へ塗布したり、任意の空隙に充填した発泡
体とすることもできる。成型体の場合は、任意の形状の
型枠等(例えば、大型パネルの型枠等)を用いて上記に
例示した方式で発泡体とすればよい。塗布する場合は上
記方式で混合したものを吹き付けやこて塗り等で塗布
し、同様に発泡体とすればよい。
流し込んで成形して発泡体とすることもでき、壁面等
の任意の基材へ塗布したり、任意の空隙に充填した発泡
体とすることもできる。成型体の場合は、任意の形状の
型枠等(例えば、大型パネルの型枠等)を用いて上記に
例示した方式で発泡体とすればよい。塗布する場合は上
記方式で混合したものを吹き付けやこて塗り等で塗布
し、同様に発泡体とすればよい。
【0029】本発明の発泡体は、発泡剤(b)の添加量
を加減することにより、その比重を広範囲に調整でき
る。また、本発明の方法により得られる発泡体は比重
0.1以下の低比重時においても、発泡体表面に脆さは
なく、組成および配合上の調整により、軟質から硬質ま
での幅広い発泡体を得ることができる。また、発泡体の
断熱性能も比重のコントロールにより、例えば、0.0
3kcal/m・hr・℃以下の低い熱伝導率を付与す
ることが可能な上、防火性も不燃材から準不燃材相当の
レベルである等、グラスウール、硬質ウレタンフォーム
といった既存の断熱材と比較しても、優れた特性を持つ
材料と位置づけられる。したがって、本発明の発泡体
は、大型外壁パネルや内壁パネルの断熱材、防音材、防
耐火材、耐火被覆材、軽量骨材、耐火金庫用の断熱材等
として好適に用いることができる。
を加減することにより、その比重を広範囲に調整でき
る。また、本発明の方法により得られる発泡体は比重
0.1以下の低比重時においても、発泡体表面に脆さは
なく、組成および配合上の調整により、軟質から硬質ま
での幅広い発泡体を得ることができる。また、発泡体の
断熱性能も比重のコントロールにより、例えば、0.0
3kcal/m・hr・℃以下の低い熱伝導率を付与す
ることが可能な上、防火性も不燃材から準不燃材相当の
レベルである等、グラスウール、硬質ウレタンフォーム
といった既存の断熱材と比較しても、優れた特性を持つ
材料と位置づけられる。したがって、本発明の発泡体
は、大型外壁パネルや内壁パネルの断熱材、防音材、防
耐火材、耐火被覆材、軽量骨材、耐火金庫用の断熱材等
として好適に用いることができる。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定される物ではない。なお、製造例、
実施例及び比較例中の部は重量部、%は重量%である。
本発明はこれに限定される物ではない。なお、製造例、
実施例及び比較例中の部は重量部、%は重量%である。
【0031】製造例1〜3〔メチロール基含有水系アク
リル樹脂(c’)の製造〕 撹拌機、滴下ロート、窒素導入口、温度計および寒流冷
却器を備えた反応容器に、イオン交換水118部、過硫
酸アンモニウム0.16部、下記混合モノマーの40部
を仕込み、窒素気流下に撹拌し75℃で30分間重合し
た。その後イオン交換水135部と下記混合モノマーの
140部を2時間を要して滴下ロートより滴下しながら
75〜80℃で重合した。さらに過硫酸アンモニウム1
%水溶液を18部追加して80〜85℃で1時間重合し
て、メチロール基含有水系アクリル樹脂〔(c−1)〜
(c−3)〕450部をそれぞれ得た。その性状は下記
の( )内に示す。 c−1;メチロールアクリルアミド:メチルメタクリレ
ート:ヒドロキシエチルメタクリレート:ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート=25:20:30:25(重
量比) 重合物の性状(固形分40%、粘度18500cps) c−2;メチロールメタクリアミド:エチルメタクリレ
ート:ポリ(n=4〜5)オキシエチレングリコールモ
ノメタクリレート:トリメチロールプロパンモノメタク
リレート=20:15:40:25(重量比) 重合物の性状(固形分40%、粘度51500cps) c−3;メチロールメタクリルアミド:メチルメタクリ
レート:ヒドロキシエチルメタクリレート:トリメチロ
ールプロパンモノメタクリレート:ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート=25:10:25:25:15(重
量比) 重合物の性状(固形分40%、粘度36700cps)
リル樹脂(c’)の製造〕 撹拌機、滴下ロート、窒素導入口、温度計および寒流冷
却器を備えた反応容器に、イオン交換水118部、過硫
酸アンモニウム0.16部、下記混合モノマーの40部
を仕込み、窒素気流下に撹拌し75℃で30分間重合し
た。その後イオン交換水135部と下記混合モノマーの
140部を2時間を要して滴下ロートより滴下しながら
75〜80℃で重合した。さらに過硫酸アンモニウム1
%水溶液を18部追加して80〜85℃で1時間重合し
て、メチロール基含有水系アクリル樹脂〔(c−1)〜
(c−3)〕450部をそれぞれ得た。その性状は下記
の( )内に示す。 c−1;メチロールアクリルアミド:メチルメタクリレ
ート:ヒドロキシエチルメタクリレート:ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート=25:20:30:25(重
量比) 重合物の性状(固形分40%、粘度18500cps) c−2;メチロールメタクリアミド:エチルメタクリレ
ート:ポリ(n=4〜5)オキシエチレングリコールモ
ノメタクリレート:トリメチロールプロパンモノメタク
リレート=20:15:40:25(重量比) 重合物の性状(固形分40%、粘度51500cps) c−3;メチロールメタクリルアミド:メチルメタクリ
レート:ヒドロキシエチルメタクリレート:トリメチロ
ールプロパンモノメタクリレート:ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート=25:10:25:25:15(重
量比) 重合物の性状(固形分40%、粘度36700cps)
【0032】実施例1〜4 下記表1の組成に基つ゛いて、リン酸類(a)、メチロ
ール基含有水系アクリル樹脂(c’)をホモミキサ−で
均一に攪拌後、更に発泡剤(b)、水および無機充填材
(d)を添加し、同様に攪拌混合した。その後型枠(5
0×30×3cm)に流し込み、自由発泡させて成型物を
得た。その後、75℃で3時間乾燥し、更に140℃で
2時間後硬化して、本発明の発泡体の成形物を得た。
ール基含有水系アクリル樹脂(c’)をホモミキサ−で
均一に攪拌後、更に発泡剤(b)、水および無機充填材
(d)を添加し、同様に攪拌混合した。その後型枠(5
0×30×3cm)に流し込み、自由発泡させて成型物を
得た。その後、75℃で3時間乾燥し、更に140℃で
2時間後硬化して、本発明の発泡体の成形物を得た。
【0033】比較例1 下記表1の組成に基づいて、(a)に、(b)、水およ
び(d)を添加し、撹拌混合した。その後実施例1と同
様に型枠に流し込み発泡、乾燥させて比較のための発泡
体成型物を得た。
び(d)を添加し、撹拌混合した。その後実施例1と同
様に型枠に流し込み発泡、乾燥させて比較のための発泡
体成型物を得た。
【0034】
【表1】
【0035】 注1)表1における略記号で示す化合物は次のとおり。 (a)リン酸類 a−1:第一リン酸アルミニウム a−2:リン酸 a−3:第一リン酸マグネシウム (b)発泡剤 b−1:塩基性炭酸マグネシウム (c’)該メチロール基含有水系アクリル樹脂 c−1:製造例1で作成したc−1 c−2:製造例2で作成したc−2 c−3:製造例2で作成したc−3 (d)無機充填材 d−1:水酸化アルミニウム d−2:アルミナセメント d−3:シラスバル−ン[サンキ工業(株),商品名:
サンキライトYo.2]
サンキライトYo.2]
【0036】試験例1[実施例1〜4、比較例1の発泡
体の評価] 実施例1〜4および比較例1の発泡体を、通気のよい室
内に1カ月放置したあと、下記試験方法による試験に供
した。 [発泡体の物性等の試験方法] (1)圧縮強度 JIS K−7220(硬質発泡プラスチックの圧縮試
験方法) (単位;kPa) (2)熱伝導率 JIS A−1412(保温板の熱伝導率測定方法) (単位;kcal/mhr℃) (3)発泡体の柔軟性 JIS Z1536(ポリスチレンフォーム包装用緩衝
材)に規定される柔軟性試験に準拠。試験片を40mm
円筒の円周に沿って巻き付けた時の状態観察から判定し
た。 (4)防火性能レベル(不燃・準不燃・難燃性) 建設省公示第1231号(準不燃材料及び難燃材料の試
験方法)、建設省公示第1828号(不燃性材料の試験
方法)にそれぞれ規定される表面試験方法に準拠して測
定した。
体の評価] 実施例1〜4および比較例1の発泡体を、通気のよい室
内に1カ月放置したあと、下記試験方法による試験に供
した。 [発泡体の物性等の試験方法] (1)圧縮強度 JIS K−7220(硬質発泡プラスチックの圧縮試
験方法) (単位;kPa) (2)熱伝導率 JIS A−1412(保温板の熱伝導率測定方法) (単位;kcal/mhr℃) (3)発泡体の柔軟性 JIS Z1536(ポリスチレンフォーム包装用緩衝
材)に規定される柔軟性試験に準拠。試験片を40mm
円筒の円周に沿って巻き付けた時の状態観察から判定し
た。 (4)防火性能レベル(不燃・準不燃・難燃性) 建設省公示第1231号(準不燃材料及び難燃材料の試
験方法)、建設省公示第1828号(不燃性材料の試験
方法)にそれぞれ規定される表面試験方法に準拠して測
定した。
【0037】[試験結果]各発泡体の物性試験および外
観観察の結果を表2にまとめる。
観観察の結果を表2にまとめる。
【0038】
【表2】 注)密度の単位;kg/cm3。
【0039】[試験結果の補足説明] 実施例1〜4の本発明の発泡体のうち、実施例1〜3
の発泡体は、反発性があり、柔軟性のある半硬質発泡体
であり、実施例4の発泡体は、反発性、柔軟性の少ない
硬質発泡体であった。 実施例1〜4の発泡体の表面状態は、手で擦っても粉
分等が剥離することはなく、脱型した成形体も大型パネ
ルとして運用するに十分な強度性能を兼ね備えるもので
あった。また、防火性のレベルも不燃材から準不燃材相
当のかなり高いものであった。 比較例1については防火性のレベルが不燃材相当とか
なり高いものであったものの、発泡体が非常に脆く、表
面の剥離等が認められる上、脱型時に成形体に割れが発
生する等、パネルとして使用できるほどの強度性能を持
つものといえるものではなかった。
の発泡体は、反発性があり、柔軟性のある半硬質発泡体
であり、実施例4の発泡体は、反発性、柔軟性の少ない
硬質発泡体であった。 実施例1〜4の発泡体の表面状態は、手で擦っても粉
分等が剥離することはなく、脱型した成形体も大型パネ
ルとして運用するに十分な強度性能を兼ね備えるもので
あった。また、防火性のレベルも不燃材から準不燃材相
当のかなり高いものであった。 比較例1については防火性のレベルが不燃材相当とか
なり高いものであったものの、発泡体が非常に脆く、表
面の剥離等が認められる上、脱型時に成形体に割れが発
生する等、パネルとして使用できるほどの強度性能を持
つものといえるものではなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の無機有機複合発泡体及びその製
造法は、以下の効果を奏する。 (1)本発明の発泡体は、従来のリン酸類の発泡体の問
題点であった脆性を大幅に改善するものであり、 高発泡倍率の発泡体とした場合は、有機無機複合体で
あるにも拘らず、軟質ウレタンフォームと見間違える程
の柔軟性と反発弾性を有する発泡体であり、 この発泡倍率は軟質から硬質まで調整でき、且つ 軟質・硬質の何れの場合も脆性が改善されている。 (2)低比重、高発泡倍率の発泡体でも、運用上全く問
題ない程度の強度を有するため、断熱性に優れる軽量の
パネル等が作製できる。 (3)常温常圧下での条件でも製造することができるた
め、オ−トクレ−ブ養生等の特殊な反応装置を必要とし
ない。 (4)所望の形状の型枠中で容易に多孔化でき、硬化さ
せることができる。また、壁面にこて塗りや吹き付け等
を行い、硬化させることも可能である。 (5)外観および性能上は、既存の硬質ウレタンフォー
ム、スチレンフォームとほぼ同等のレベルにあるもの
の、材料の防火性は、これら既存の有機系断熱材以上の
不燃材〜準不燃材に相当するレベルの材料であり、防災
上、安全性の高い材料を市場に供給することができる。
造法は、以下の効果を奏する。 (1)本発明の発泡体は、従来のリン酸類の発泡体の問
題点であった脆性を大幅に改善するものであり、 高発泡倍率の発泡体とした場合は、有機無機複合体で
あるにも拘らず、軟質ウレタンフォームと見間違える程
の柔軟性と反発弾性を有する発泡体であり、 この発泡倍率は軟質から硬質まで調整でき、且つ 軟質・硬質の何れの場合も脆性が改善されている。 (2)低比重、高発泡倍率の発泡体でも、運用上全く問
題ない程度の強度を有するため、断熱性に優れる軽量の
パネル等が作製できる。 (3)常温常圧下での条件でも製造することができるた
め、オ−トクレ−ブ養生等の特殊な反応装置を必要とし
ない。 (4)所望の形状の型枠中で容易に多孔化でき、硬化さ
せることができる。また、壁面にこて塗りや吹き付け等
を行い、硬化させることも可能である。 (5)外観および性能上は、既存の硬質ウレタンフォー
ム、スチレンフォームとほぼ同等のレベルにあるもの
の、材料の防火性は、これら既存の有機系断熱材以上の
不燃材〜準不燃材に相当するレベルの材料であり、防災
上、安全性の高い材料を市場に供給することができる。
【0041】以上の効果を奏することから、本発明の発
泡体は、その防火性能、断熱性、弾性、柔軟性、強度、
低密度等を兼備する特性を生かし、例えば、以下のよう
な用途に使用するのに好適である。 列車、自動車、住宅、ビル等防火性能が要求される用
途において、従来ALC、珪酸カルシウム板、無機繊維
板等の無機質発泡体が用いられていたものの代替; 例
えば、鉄骨被覆材、耐火レンガ、台所や厨房を含めた内
壁パネル、防火性を有する外装パネル、ボイラー等の燃
焼機械の熱遮蔽材、自動車等のシートクッション材や排
気ラインの熱遮蔽材、船舶等の内装パネルや空隙充填
材、耐火金庫の充填剤。 住宅、ビル、列車、航空機、船舶等の断熱性能が要求
される用途において、従来ウレタンフォーム、スチレン
フォーム等の有機質発泡体が用いられていたものの代
替;例えば、天井、壁、床、屋根等の住宅・ビル等の内
外装断熱ボードやパネル、畳心材、ドア等の空隙充填
材、屋根瓦や屋根材の断熱裏材、自動車や列車・航空機
・船舶等の屋根内張り材、エンジン周囲の内装材、ハニ
カム使用部分の代替材、冷蔵庫・エアコン・冷凍庫・空
調設備や空調ラインの断熱材、LNG等の天然ガスのタ
ンクやパイプラインの断熱被覆材、工場でのユーテイリ
テイラインの断熱材、冷凍品等の輸送用断熱パッキング
材。 低密度が要求される用途;例えば、合成木材およびそ
の心材、軽量骨材、包装用のパッキング材。 連通気泡である発泡体より、表面積が大であることを
要求される用途;例えば、サンドドレン工法用サンドの
代替、排ガス燃焼触媒の担体、消臭剤や芳香剤用の担
体。 吸音を要求する用途;住宅用の吸音パネル、トンネル
内の防音内壁材、列車軌道の防音高欄被覆材、エンジン
や機械類の防音内張り材やハウジング内張り材。 発泡体で有機系にない難生分解性や有機系に比べて低
い環境汚染性を有することから要求される用途;軽量盛
土の代替、トンネルの裏込め材、植生用ブロック、生け
花用剣山、園芸用バーミキュライト等の代替。
泡体は、その防火性能、断熱性、弾性、柔軟性、強度、
低密度等を兼備する特性を生かし、例えば、以下のよう
な用途に使用するのに好適である。 列車、自動車、住宅、ビル等防火性能が要求される用
途において、従来ALC、珪酸カルシウム板、無機繊維
板等の無機質発泡体が用いられていたものの代替; 例
えば、鉄骨被覆材、耐火レンガ、台所や厨房を含めた内
壁パネル、防火性を有する外装パネル、ボイラー等の燃
焼機械の熱遮蔽材、自動車等のシートクッション材や排
気ラインの熱遮蔽材、船舶等の内装パネルや空隙充填
材、耐火金庫の充填剤。 住宅、ビル、列車、航空機、船舶等の断熱性能が要求
される用途において、従来ウレタンフォーム、スチレン
フォーム等の有機質発泡体が用いられていたものの代
替;例えば、天井、壁、床、屋根等の住宅・ビル等の内
外装断熱ボードやパネル、畳心材、ドア等の空隙充填
材、屋根瓦や屋根材の断熱裏材、自動車や列車・航空機
・船舶等の屋根内張り材、エンジン周囲の内装材、ハニ
カム使用部分の代替材、冷蔵庫・エアコン・冷凍庫・空
調設備や空調ラインの断熱材、LNG等の天然ガスのタ
ンクやパイプラインの断熱被覆材、工場でのユーテイリ
テイラインの断熱材、冷凍品等の輸送用断熱パッキング
材。 低密度が要求される用途;例えば、合成木材およびそ
の心材、軽量骨材、包装用のパッキング材。 連通気泡である発泡体より、表面積が大であることを
要求される用途;例えば、サンドドレン工法用サンドの
代替、排ガス燃焼触媒の担体、消臭剤や芳香剤用の担
体。 吸音を要求する用途;住宅用の吸音パネル、トンネル
内の防音内壁材、列車軌道の防音高欄被覆材、エンジン
や機械類の防音内張り材やハウジング内張り材。 発泡体で有機系にない難生分解性や有機系に比べて低
い環境汚染性を有することから要求される用途;軽量盛
土の代替、トンネルの裏込め材、植生用ブロック、生け
花用剣山、園芸用バーミキュライト等の代替。
Claims (9)
- 【請求項1】 リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤
(b)とからの発泡体構造であり、その場で形成された
メチロール基含有アクリル樹脂の硬化物(c)により脆
性が改善されてなる無機有機複合発泡体。 - 【請求項2】 (a)、(b)およびメチロール基含有
水系アクリル樹脂(c’)からなる水性混合物が発泡硬
化してなる請求項1記載の発泡体。 - 【請求項3】 硫酸(a’)と、カルシウムもしくは
バリウムの炭酸塩(b’)と、必要によりカリルシウム
もしくはバリウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)
とからなる発泡体構造であり、その場で形成されたメチ
ロール基含有アクリル樹脂の硬化物(c)により脆性が
改善されてなる無機有機複合発泡体。 - 【請求項4】 (a’)と、(b’)および必要により
(b”)と、メチロール基含有水系アクリル樹脂
(c’)とからなる水性混合物が発泡硬化してなる請求
項3記載の発泡体。 - 【請求項5】 該水性混合物中の(c)の固形分換算含
有量が5〜30重量%である請求項2または4記載の発
泡体。 - 【請求項6】 該発泡剤(b)が、炭酸塩化合物である
請求項1、2または5のいずれか記載の発泡体。 - 【請求項7】 更に無機充填材(d)を含有する請求項
1〜6のいずれか記載の発泡体。 - 【請求項8】 リン酸類(a)、リン酸類の発泡剤
(b)、メチロール基含有水系アクリル樹脂(c’)、
水及び必要により無機充填材(d)からなる成分を混合
することにより発泡硬化させる無機有機複合発泡体の製
造法。 - 【請求項9】 硫酸(a’)と、カルシウムもしくはバ
リウムの炭酸塩(b’)および必要によりカルシウムも
しくはバリウムの、酸化物もしくは水酸化物(b”)
と、メチロール基含有水系アクリル樹脂(c’)と、水
と、必要により無機充填材(d)とからなる成分を混合
することにより発泡硬化させる無機有機複合発泡体の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35629896A JPH10182868A (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 無機有機複合発泡体およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35629896A JPH10182868A (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 無機有機複合発泡体およびその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10182868A true JPH10182868A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18448336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35629896A Pending JPH10182868A (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 無機有機複合発泡体およびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10182868A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227493A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | Sekisui Plastics Co Ltd | アクリル系樹脂発泡体とその製造方法 |
-
1996
- 1996-12-24 JP JP35629896A patent/JPH10182868A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013227493A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | Sekisui Plastics Co Ltd | アクリル系樹脂発泡体とその製造方法 |
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