JPH10155487A - アミノ酸配列と、このアミノ酸配列を有する 蛋白が結合するdna配列 - Google Patents

アミノ酸配列と、このアミノ酸配列を有する 蛋白が結合するdna配列

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JPH10155487A
JPH10155487A JP8318285A JP31828596A JPH10155487A JP H10155487 A JPH10155487 A JP H10155487A JP 8318285 A JP8318285 A JP 8318285A JP 31828596 A JP31828596 A JP 31828596A JP H10155487 A JPH10155487 A JP H10155487A
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acid sequence
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Yoshiki Hotsuta
凱樹 堀田
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 神経系細胞の分化決定遺伝子gcmの発現蛋
白の機能を明らかにすることにより、gcm遺伝子およ
びその発現蛋白のより多様な産業上の利用を可能とする
アミノ酸配列およびDNA配列を提供する。 【解決手段】 動物の中枢神経系細胞の分化決定遺伝子
gcmが発現する蛋白に共通して存在する配列番号1の
アミノ酸配列と、このアミノ酸配列またはその一部を有
する蛋白またはペプチド、およびこの蛋白またはペプチ
ドが結合する動物ゲノムDNA上の配列であって、配列
番号2の塩基配列からなるDNA配列。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、様々な動物の中
枢神経系細胞の分化決定遺伝子gcmが発現する蛋白に
共通して存在するアミノ酸配列と、このアミノ酸配列を
有する蛋白またはペプチド、並びにこの蛋白またはペプ
チドが結合する動物ゲノムDNA上の配列に関するもの
である。さらに詳しくは、この発明は、ヒトをはじめと
する様々な動物種における中枢神経系の形成機構および
その機能を探索するための研究材料として有用であり、
あるいは中枢神経系の構造的、機能的障害を原因とする
各種疾患の診断、治療の技術開発に有用な新規のDNA
結合蛋白のアミノ酸配列と、この蛋白が結合するゲノム
DNA上の特異的配列に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脳・中枢神経系は莫大な数の細胞からな
る巨大な情報処理装置と見なすことができるが、これを
構成する細胞は、ニューロンとグリア細胞の2種類に大
きくわけることができる。ニューロンはネットワークを
形成することにより情報処理において中心的な役割を果
たし、グリア細胞はネットワークの形成や機能を支える
とともに、ネットワークの損傷に対する修復の際にも重
要な役割を担っていると考えられている。そして、この
ような異なった役割を果たす2種類の細胞が正確に形成
されることが、情報処理装置として正常に機能するため
の必須の条件である。従って、神経発生における多様性
形成と分化決定のメカニズムを知ることは、複雑な神経
系の形成機構を明らかにし、その機能を探るうえで極め
て重要である。
【0003】従来より、ニューロンとグリアは共通の前
駆細胞(幹細胞)から生み出されることが多くの種で報
告されている。しかしながら、個々の幹細胞がどのよう
なメカニズムによってニューロンまたはグリアに分化す
るのかについては、これまでほとんど解明されていな
い。いくつかの分子がニューロン−グリア間の分化決定
に影響を及ぼすことが知られているが、分化決定にとっ
て必要十分であるとは示されていなかった。
【0004】ところで、ショウジョウバエは遺伝学の実
験材料として長い歴史をもつモデル動物である。このシ
ョウジョウバエを用いる最も大きな利点は、突然変異体
のスクリーニングによって、興味ある生物学的過程に関
与する未知遺伝子を迅速に同定できることにある。近年
になって、各種の抗体やlacZ遺伝子を用いた細胞マ
ーカーの作製、単一細胞への色素注入技術の確立などに
よって、中枢神経系の個々の細胞を判別し、その発生過
程を詳しく知ることができるようになってきている。こ
の結果、ショウジョウバエの中枢神経系は、神経系を構
成する細胞の発生および分化決定メカニズムの研究にお
いて優れたモデルとなりつつある。
【0005】ショウジョウバエの中枢神経系は、各体節
の片側あたり30個の神経芽細胞から形成されている。
神経芽細胞は、幹細胞様の不等分裂を繰り返すことによ
ってニューロンとグリアの両方を生み出し、神経系の完
成までに各体節の片側あたり300個程度のニューロン
と30個程度のグリア細胞が作られる。30個の神経芽
細胞の各々は、決まったタイミングで決まった位置に形
成され、個々の識別が可能なため、それぞれ名前が付さ
れている。さらに特定の神経芽細胞が生み出す細胞を追
跡すると、特定のニューロンとグリアが生じていること
も観察されている。従って、ショウジョウバエでは神経
系の個々の細胞の分化が遺伝的にほぼ完全に決定されて
いると考えられている。
【0006】この発明の発明者等は、このような神経系
の分化に関与する遺伝子の同定を目的として、ショウジ
ョウバエ突然変異体のスクリーニングを行った結果、グ
リア形成に異常を有する系統を得、これを glial cells
missing(gcm) と名付け、この変異体の原因遺伝子とし
てgcm遺伝子を特定した(Cell 82: 1025-1036, 199
5)。そして、この遺伝子gcmの変異は、グリアにな
るべき細胞をニューロンに分化させること、あるいは神
経芽細胞でgcm遺伝子を強制的に発現させるとニュー
ロンとなるべき細胞がグリアに分化することを確認し、
このgcm遺伝子がニューロン−グリア間の分化決定を
コントロールする遺伝子であることを示している。
【0007】なお、このgcm遺伝子については、この
発明の発明者等以外にも3つのグループが独立に解析を
行い、上記の結論を支持する結果を得ている(Cell 82:
1013-1023, 1995; Genetics 139: 1663-1678, 1995; D
evelopment 122: 131-139, 1996: Cell 83: 671-674, 1
995; Neuton 15: 1219-1222, 1995)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、gcm
遺伝子が神経系細胞の分化決定に重要な役割を果してい
ることは明らかにされたが、そのcDNAの塩基配列か
ら予想されるアミノ酸配列はデータベース上のどの蛋白
ともほとんど相同性を示さず、gcm遺伝子が発現する
蛋白(GCM)の機能は全く不明であった。
【0009】一般に特定遺伝子の機能を正確に理解する
ためには、その発現産物の生理活性を明らかにすること
が不可欠であり、gcm遺伝子についてもその発現蛋白
の中枢神経系における役割を特定することは、中枢神経
系の形成機構を解明するためにも、また中枢神経系疾患
の診断、治療法の開発のためにも極めて重要である。こ
の発明は以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであ
って、神経系細胞の分化決定遺伝子gcmの発現蛋白の
機能を明らかにすることにより、gcm遺伝子およびそ
の発現蛋白のより多様な産業上の利用を可能とするアミ
ノ酸配列およびDNA配列を提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、動物の中枢神経系細胞の分化決
定遺伝子gcmが発現する蛋白に共通して存在する配列
番号1のアミノ酸配列を提供する。また、この発明は、
配列番号1のアミノ酸配列またはその一部を有する蛋白
またはペプチドを提供する。
【0011】さらにこの発明は、上記の蛋白またはペプ
チドが結合する動物ゲノムDNA上の配列であって、配
列番号2の塩基配列またはその相同配列からなるDNA
配列と、このDNA配列を保持したベクターをも提供す
る。なお、配列番号1のアミノ酸配列においてXaaは
任意のアミノ酸残基を示し、また配列番号2の塩基配列
においてRはAまたはGを示す。
【0012】これらのアミノ酸配列や、このアミノ酸配
列またはその一部を有する蛋白またはペプチド、さらに
はこの蛋白またはペプチドが結合するDNA配列は、ヒ
トをはじめとする様々な動物種における中枢神経系の形
成機構およびその機能を探索するための研究材料として
有用である。また、これらは中枢神経系の構造的、機能
的障害を原因とする各種疾患(例えば、グリア系脳腫瘍
など)の診断、治療に利用することができる。将来的に
は、新生児から少数分離した幼若グリア細胞を試験管内
で増殖培養して保存し、成長後に脳機能障害を発症した
場合には、保存細胞のgcm遺伝子を上記の蛋白やペプ
チドを用いて制御し、幼若グリア細胞をニューロン化し
て脳に戻すことによって機能修復を行うような「自己脳
細胞移植法」も可能になるものと期待される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明者等が行った実験
的研究に基づき、この発明のアミノ酸配列とDNA配列
について詳しく説明する。 (1)GCMのDNA結合活性の検討 ショウジョウバエのgcm遺伝子は、504個のアミノ
酸残基からなる蛋白をコードしているが、データベース
でのアミノ酸配列の検索では、この蛋白は核移行シグナ
ルを含む以外は既知の如何なるモチーフをも有していな
いことが明らかになった。このため、この蛋白GCMが
全く新しい核蛋白であることを確認した。さらに、この
蛋白は数多くの遺伝子の発現変化をもたらすことから、
最も単純な仮説として、GCMは直接ゲノムDNAに結
合して標的遺伝子の発現をコントロールする転写調節因
子であるという可能性を想定した。そして、この可能性
を検討するため、GCMのDNA結合活性を調べた。
【0014】GCMを結合させる対象として、ショウジ
ョウバエのrepo遺伝子の上流領域を選んだ。rep
o遺伝子はGCM依存的にグリア細胞で発現するため、
GCMが転写調節因子であると仮定した場合、その標的
遺伝子の候補として相応しいと考えられるからである。 a)方法 GCMの種々の領域とマルトース結合蛋白(MBP)と
の融合蛋白を大腸菌で発現させて作製し、repo遺伝
子のゲノム上流領域から調製した種々のDNA断片と結
合するか否かをゲルシフト法で調べた。融合蛋白の作製 :融合蛋白は、蛋白融合・精製装置 (Ne
w England Biolabs)を用いて作製した。gcm遺伝子の
様々な断片をPCR増幅し、pMAL−c2ベクターに
挿入し、このベクターを大腸菌BL21(DE3)pL
ysSに導入して蛋白を発現させ、抽出・精製して融合
蛋白を作製した。コントロールとして使用したMBP−
lacZαも同様にして作製した。各融合蛋白の構成は
図1Aに示したとおりである。1はコントロール、2−
5が融合蛋白、6は正常なGCMの模式図である。な
お、各構成図に付した数字は、GCMのアミノ酸残基の
位置を示している。repo遺伝子上流領域のDNA断片の調製 :ショウジ
ョウバエのゲノムライブラリーからrepo遺伝子を含
むクローンを単離し、その塩基配列を確認したのち、r
epo遺伝子上流の約7kb領域を複数の制限酵素で切
断して60−460bpのDNA断片を調製した。ゲルシフトアッセイ :公知の方法 (Cell 64: 439-446,
1991; EMBO J. 10: 2965-2973, 1991)に従い、約200
ngの各融合蛋白を、32Pで標識した100bpDNA
断片(図3A−A)と25℃で30分間インキュベート
したのち、4℃でポリアクリルアミドゲル電気泳動し
た。 b)結果 ゲルシフトアッセイの結果は図1Bの電気泳動図に示し
たとおりである。各レーン番号は、図1Aに構成を示し
た蛋白に対応しており、融合蛋白2(N243)および
4(N181)がrepo遺伝子上流領域のDNA断片
と結合した(図中矢印B)。このことから、GCMがD
NA結合蛋白であることが確認されるとともに、GCM
のアミノ末端の181番目アミノ酸までの領域にDNA
結合活性が存在することが明らかになった。また、この
181番目までのアミノ酸配列は如何なる既知の蛋白と
も相同性を示さないことから、新規なDNA結合ドメイ
ンであることも判明した。 (2)GCMが結合するDNA配列の検討 GCMのDNA結合ドメインが、特異的な配列を認識し
て結合するか否かを調べた。 a)方法 ゲルシフトアッセイ :公知の方法 (Science 250: 1104-
1110, 1990; Cell 64: 459-470, 1991; Science 257: 1
951-1955, 1992; Cell 68: 283-302, 1992) に従い、配
列番号3および4の核酸配列にそれぞれ15bpのラン
ダム配列を挿入したオリゴムクレオチドをプローブと
し、融合蛋白N243とを反応させて上記と同様のゲル
シフトアッセイを行った。融合蛋白と結合したオリゴヌ
クレオチドを単離し、配列番号3および4の配列をプラ
イマーとしてPCR増幅し、得られたPCR産物と融合
蛋白とを再度ゲルシフトアッセイした。このサイクルを
3回繰り返し、最終的に得られたPCR産物の配列を決
定した。拮抗的アッセイ :配列番号5および6に各々の塩基配列
を示した拮抗オリゴヌクレオチドと融合蛋白N243と
を予め反応させたのち、標識した200bpDNA断片
(図3A−B)をプローブとしてN243とを反応さ
せ、上記と同様のゲルシフトアッセイをおこなった。 b)結果 オリゴヌクレオチドと融合蛋白とのゲルシフトアッセ
イ、および蛋白に結合したオリゴヌクレオチドのPCR
増幅の3回の繰り返しにより、48個のオリゴヌクレオ
チドが得られた。これらのうち、38個は配列番号2に
示した共通の塩基配列を有していた。11個は1塩基の
みが異なり、残りも2塩基が異なるだけであった。各塩
基の一致率は図2Aに示したとおりであり、87−10
0%と高い一致率であることから、GCMは配列番号2
の塩基配列を認識してDNAに結合することが明らかに
なった。
【0015】また、拮抗的アッセイの結果(図2B)か
らも、配列番号2がGCM結合配列であることが確かめ
られた。すなわち、配列番号2の配列を含む配列番号5
の拮抗的オリゴヌクレオチドと予め反応させた場合には
(図2B−a)、その濃度(1, 10, 100, 1000倍) に依
存してプローブとの結合性が消失するのに対し、配列番
号2の配列を含まない配列番号6を用いた場合にはプロ
ーブに対する拮抗作用は観察されなかった。 (3)repo遺伝子上流領域のGCM結合部位の検討 repo遺伝子がGCMの標的遺伝子であるとの仮定の
うえで、ゲノム上のrepo遺伝子上流領域にGCM結
合部位を探索した。
【0016】先ず、repo遺伝子上流の7kb領域か
ら切り出した21個の非重複DNA断片(図3A:下段
横棒)と融合蛋白N243とによるゲルシフトアッセイ
を行い、蛋白の結合するDNA断片を特定した。その結
果、N243は8個のDNA断片(図3A:下段の太い
横棒)と結合した。一方、C261はいずれのDNA断
片とも結合しなかった。
【0017】次に、この7kb領域のDNA配列を調
べ、上流4kbまでの領域に11部位のGCM結合配列
(配列番号2)が存在することを見出しが、上流4−7
kbにはこの結合配列は存在していなかった。これら1
1部位の配列は図3Bのとおりであり、8塩基中7個が
一致する配列をいずれか一方の鎖に有するものをGCM
結合部位としてカウントした。また、N243と結合し
た上記8個のDNA断片は、いずれも1以上のGCM結
合配列を含んでいた。
【0018】repo遺伝子の上流領域に、11部位も
のGCM結合配列クラスターが存在することは、GCM
が転写調節因子としてrepo遺伝子の発現を直接コン
トロールしていることを示唆している。 (4)異種動物におけるGCM共通配列の検討 GCMのDNA結合ドメインが進化の過程で保存されて
いるか否かを調べるため、哺乳動物の相同遺伝子を用
い、ショウジョウバエGCMと比較した。
【0019】ヒト遺伝子(hGCMa)はESTデータ
ベースから抽出したが、このデータベースの配列は不完
全であるため、5'-RACE (rapid amplificatrion o
f cDNA ends)および3'-RACE法により完全なコード
配列を作製した。また、GCMとhGCMaとの共通配
列を用いて、マウス遺伝子(mGCMaおよびmGCM
b)を得た。mGCMaはマウス胎盤poly(A)+
RANから逆転写酵素PCR(RT−PCR)法により
作製し、mGCMbはマウス脳poly(A)+RAN
からRT−PCR法により作製した。
【0020】これらのヒトおよびマウス遺伝子から推定
される蛋白のアミノ酸配列と、GCM配列とを比較する
と、図4に示したとおり、アミノ末端の3分の1に高度
の保存された共通配列が存在することが見出された。こ
の共通配列(配列番号1)は進化の過程でも保存され続
けたモチーフであることは確実であり、これをgcmモ
チーフと名付けた。しかも、このモチーフは、GCMの
DNA結合ドメイン(1−181アミノ酸残基)にも対
応している。また、各配列を比較すると、このモチーフ
には、9−10のアミノ酸残基が完全に一致した3領域
(図4:A,B,C)や、7個の共通なシステイン、4
個の共通なヒスチジンの存在が認められた。なお、アミ
ノ末端におけるこのようなモチーフの存在とは対照的
に、カルボキシ末端には共通の配列は全く存在せず、他
の既知蛋白とも相同性は認められなかった。
【0021】さらに、hGCMaの171番目アミノ酸
残基までのDNA断片を大腸菌で発現させ、この蛋白を
用いて上記と同様のゲルシフトアッセイおよび拮抗的ア
ッセイを行ったところ、GCMと同様の結果が得られ
た。これらの結果もまた、gcmモチーフが特異的DN
A結合ドメインを含む配列であることを示している。さ
らにまた、マウス脳poly(A)+RNAを鋳型とす
るRT−PCR産物(mGCMa2)およびショウジョ
ウバエのゲノムDNAを鋳型とするPCR産物(dGC
M2)にも、gcmモチーフの存在が確認されたことか
ら(図5)、gcmモチーフはあらゆる動物種に共通に
保存され、この配列を含む蛋白は新規なDNA結合蛋白
のファミリーを形成するものであることが示唆される。
【0022】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、様々な動物の中枢神経系細胞の分化決定遺伝子
gcmが発現する蛋白に共通して存在し、この蛋白のD
NA結合ドメインとして機能する特異的なアミノ酸配列
と、この蛋白が結合するDNA配列が提供される。これ
によって、ヒトの神経系形成の機構解明が進展するとと
もに、gcm遺伝子やその発現蛋白、ペプチド等を用い
た脳機能疾患・脳腫瘍等の診断、治療法の開発に新たな
途が拓かれる。
【0023】
【配列表】
配列番号1 配列の長さ:154 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列の特徴 様々な種のGCM蛋白質に共通する配列の一部 配列 Trp Asp Ile Asn Asp Xaa Xaa Xaa Pro Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa 1 5 10 15 Asp Xaa Phe Xaa Xaa Trp Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Ile Tyr 20 25 30 Ser Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Ala Xaa Xaa His Xaa Ser Xaa Trp Ala 35 40 45 Met Arg Asn Thr Asn Asn His Asn Xaa Xaa Ile Leu Lys Lys Ser 50 55 60 Cys Leu Gly Val Xaa Xaa Cys Xaa Xaa Xaa Cys Xaa Xaa Xaa Xaa 65 70 75 Gly Xaa Xaa Xaa Xaa Leu Arg Pro Ala Ile Cys Asp Lys Ala Arg 80 85 90 Xaa Lys Gln Gln Xaa Lys Xaa Cys Pro Xaa Xaa Asn Cys Xaa Xaa 95 100 105 Xaa Leu Xaa Xaa Xaa Xaa Cys Arg Gly His Xaa Gly Xaa Pro Val 110 115 120 Thr Xaa Phe Trp Arg Xaa Asp Gly Xaa Xaa Ile Xaa Phe Gln Xaa 125 130 135 Lys Gly Xaa His Asp Xaa Pro Xaa Pro Glu Xaa Lys Xaa Xaa Xaa 140 145 150 Glu Xaa Arg Arg 154 配列番号2 配列の長さ:8 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列の特徴 配列番号1のアミノ酸配列を含むGCM蛋白質が結合す
るDNA配列 配列 RCCCG CAT 8 配列番号3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TGTGT GGAAT TGTGA GCGGA 20 配列番号4 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGTTT TCCCA GTCAC GACG 19 配列番号5 配列の長さ:54 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TGTGT GGAAT TGTGA GCGGA CCTAC CCGCA TTACG GGTTT TCCCA GTCAC 50 GACG 54 配列番号6 配列の長さ:54 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TGTGT GGAAT TGTGA GCGGA TATAC TAATT TGTTA GGTTT TCCCA GTCAC 50 GACG 54
【図面の簡単な説明】
【図1】Aはゲルシフトアッセイに用いたGCM融合蛋
白の構成図であり、Bはゲルシフトアッセイの結果を示
した電気泳動図である。
【図2】AはGCM結合配列の一致率を示し、Bは拮抗
的アッセイの結果を示した電気泳動図である。
【図3】Aはrepo遺伝子上流領域のGCM結合部位
を示し、Bはこれらの部位のDNA配列である。
【図4】ヒト、マウスおよびショウジョウバエのそれぞ
れのGCMのアミノ酸配列である。
【図5】図4に加え、新たなマウスおよびショウジョウ
バエのGCMの一部アミノ酸配列である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 ADU A61K 37/02 ADU

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物の中枢神経系細胞の分化決定遺伝子
    gcmが発現する蛋白に共通して存在する配列番号1の
    アミノ酸配列。
  2. 【請求項2】 配列番号1のアミノ酸配列またはその一
    部を有する蛋白またはペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項2の蛋白またはペプチドが結合す
    る動物ゲノムDNA上の配列であって、配列番号2の塩
    基配列またはその相同配列からなるDNA配列。
  4. 【請求項4】 請求項3のDNA配列を保持したベクタ
    ー。
JP8318285A 1996-11-28 1996-11-28 アミノ酸配列と、このアミノ酸配列を有する 蛋白が結合するdna配列 Pending JPH10155487A (ja)

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JP8318285A JPH10155487A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 アミノ酸配列と、このアミノ酸配列を有する 蛋白が結合するdna配列
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