JPH10155453A - 新規調味料素材 - Google Patents
新規調味料素材Info
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- JPH10155453A JPH10155453A JP8319157A JP31915796A JPH10155453A JP H10155453 A JPH10155453 A JP H10155453A JP 8319157 A JP8319157 A JP 8319157A JP 31915796 A JP31915796 A JP 31915796A JP H10155453 A JPH10155453 A JP H10155453A
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- sweetness
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高品質の天然エキス代替品および基本だしに匹
敵する、味に「あつみのある酸味」を付与する調味料素
材、および、高甘味度甘味料の呈味改善剤を高価な材料
を必須とすることなく提供する。 【解決手段】2-(N-(1-メチル-4-オキソ-2-イミダ
ゾリン-2-イル))アミノ-4,5,6-トリヒドロキシ-カ
プロン酸等の新規クレアチニン誘導体及びこれを含有し
て成る調味料素材。
敵する、味に「あつみのある酸味」を付与する調味料素
材、および、高甘味度甘味料の呈味改善剤を高価な材料
を必須とすることなく提供する。 【解決手段】2-(N-(1-メチル-4-オキソ-2-イミダ
ゾリン-2-イル))アミノ-4,5,6-トリヒドロキシ-カ
プロン酸等の新規クレアチニン誘導体及びこれを含有し
て成る調味料素材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種食品にpH中
性領域において「あつみのある酸味」を呈する物質、お
よび、高甘味度甘味料を含有する各種食品の呈味質、特
に後味特性を改善する物質に関する。
性領域において「あつみのある酸味」を呈する物質、お
よび、高甘味度甘味料を含有する各種食品の呈味質、特
に後味特性を改善する物質に関する。
【0002】
【従来の技術】各種料理のベースとして、畜肉エキス、
チキンエキス、魚介類エキス、野菜エキスなどの天然エ
キスが業務用として広く用いられている。これらの天然
エキスの機能は、食品に複雑な味と幅を与える、コクを
与える、食品材料の味の不足を補うなどとされている。
チキンエキス、魚介類エキス、野菜エキスなどの天然エ
キスが業務用として広く用いられている。これらの天然
エキスの機能は、食品に複雑な味と幅を与える、コクを
与える、食品材料の味の不足を補うなどとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの天然
エキスは高価であり、入手しがたいものであるため、一
般的には、これら天然エキスの一部を用いた加工品およ
び代替品が製造・市販され利用されている。また、かつ
お節、煮干、だし昆布、シイタケなどの基本だし、およ
びこれらの天然材料に食塩、砂糖、うま味調味料、アミ
ノ酸などを配合した風味調味料も広く使われている。こ
れら市販の天然エキスの加工品および代替品などは、そ
の組成がグルタミン酸ナトリウムを中心としたアミノ
酸、核酸、有機酸などの低分子物質を主成分に構成され
ているために、やはり天然のエキスと比較してみると、
呈味が単純であり、ぼけているという欠点を有してい
る。従来、このような欠点を補うためには、HVP(植
物蛋白分解物)、HAP(動物蛋白分解物)、酵母エキ
ス等を添加することにより、コク味、複雑味を付与し、
呈味の改善を計っているが、HVPおよびHAPは、分
解臭を有している事、また、酵母エキスは、酵母特有の
風味を有しているため、自ずからその使用量に制限が生
じ、いわゆるモデルとした天然エキスとは明らかに呈味
・風味が異なり満足できるものではない。特に、味全体
をひきたて、味にしまりと深みを与える、「あつみのあ
る酸味」、「しまり」という言葉で示されるような呈味
において、顕著な違いが有るという問題点を有してい
る。
エキスは高価であり、入手しがたいものであるため、一
般的には、これら天然エキスの一部を用いた加工品およ
び代替品が製造・市販され利用されている。また、かつ
お節、煮干、だし昆布、シイタケなどの基本だし、およ
びこれらの天然材料に食塩、砂糖、うま味調味料、アミ
ノ酸などを配合した風味調味料も広く使われている。こ
れら市販の天然エキスの加工品および代替品などは、そ
の組成がグルタミン酸ナトリウムを中心としたアミノ
酸、核酸、有機酸などの低分子物質を主成分に構成され
ているために、やはり天然のエキスと比較してみると、
呈味が単純であり、ぼけているという欠点を有してい
る。従来、このような欠点を補うためには、HVP(植
物蛋白分解物)、HAP(動物蛋白分解物)、酵母エキ
ス等を添加することにより、コク味、複雑味を付与し、
呈味の改善を計っているが、HVPおよびHAPは、分
解臭を有している事、また、酵母エキスは、酵母特有の
風味を有しているため、自ずからその使用量に制限が生
じ、いわゆるモデルとした天然エキスとは明らかに呈味
・風味が異なり満足できるものではない。特に、味全体
をひきたて、味にしまりと深みを与える、「あつみのあ
る酸味」、「しまり」という言葉で示されるような呈味
において、顕著な違いが有るという問題点を有してい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
天然エキス代替品および基本だしの調味力の増強、「あ
つみのある酸味」の付与を目指して研究を重ねた結果、
透析膜および電気透析膜、ゲル濾過クロマトグラフィ
ー、分配クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
等を使って牛肉熱水抽出液中より「あつみのある酸味」
を付与する画分を分画分取し、アミノ酸誘導体を単離す
る事に成功した。また、市販試薬クレアチンと市販試薬
メチルグリオキサールとを混合し、加熱する事により当
該アミノ酸誘導体を得る事にも成功した。
天然エキス代替品および基本だしの調味力の増強、「あ
つみのある酸味」の付与を目指して研究を重ねた結果、
透析膜および電気透析膜、ゲル濾過クロマトグラフィ
ー、分配クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー
等を使って牛肉熱水抽出液中より「あつみのある酸味」
を付与する画分を分画分取し、アミノ酸誘導体を単離す
る事に成功した。また、市販試薬クレアチンと市販試薬
メチルグリオキサールとを混合し、加熱する事により当
該アミノ酸誘導体を得る事にも成功した。
【0005】この結果をもとに、クレアチンと3−デオ
キシグルコソンとを混合し、加熱することにより、上述
したアミノ酸誘導体の新規類縁化合物を得ることに成功
した。 (一般式(1)及び(2)、構造式)
キシグルコソンとを混合し、加熱することにより、上述
したアミノ酸誘導体の新規類縁化合物を得ることに成功
した。 (一般式(1)及び(2)、構造式)
【0006】
【化3】 ただし、RはCH2−CH(OH)−CH(OH)−CH2O
Hで、X、YはNまたはNH、ZはOまたはOHであ
り、 (1)X=NかつY=NHのときは、Z=Oで、*1およ
び*3が2重結合 (2)X=NHかつY=Nのときは、Z=Oで、*2およ
び*3が2重結合 (3)X=NかつY=Nのときは、Z=OHで、*2*お
よび4が2重結合
Hで、X、YはNまたはNH、ZはOまたはOHであ
り、 (1)X=NかつY=NHのときは、Z=Oで、*1およ
び*3が2重結合 (2)X=NHかつY=Nのときは、Z=Oで、*2およ
び*3が2重結合 (3)X=NかつY=Nのときは、Z=OHで、*2*お
よび4が2重結合
【化4】 ただし、RはCH2−CH(OH)−CH(OH)−CH2O
Hで、X、YはNまたはNH、ZはOまたはOHであ
り、 (1)X=NHかつY=Nのときは、Z=Oで、*1およ
び*4が2重結合 (2)X=NかつY=NHのときは、Z=Oで、*2およ
び*4が2重結合 (3)X=NかつY=Nのときは、Z=OHで、*1*お
よび3が2重結合
Hで、X、YはNまたはNH、ZはOまたはOHであ
り、 (1)X=NHかつY=Nのときは、Z=Oで、*1およ
び*4が2重結合 (2)X=NかつY=NHのときは、Z=Oで、*2およ
び*4が2重結合 (3)X=NかつY=Nのときは、Z=OHで、*1*お
よび3が2重結合
【0007】(分子量):275 (分子式):C10H17N3O6 (構造式):2-(N-(1-メチル-4-オキソ-2-イミ
ダゾリン-2-イル))アミノ-4,5,6,-トリヒドロキシ-
カプロン酸
ダゾリン-2-イル))アミノ-4,5,6,-トリヒドロキシ-
カプロン酸
【化5】 2-(N-(1-メチル-4-オキソ-イミダゾリジン-2,2
-イリデン))アミノ-4,5,6,-トリヒドロキシ-カプロ
ン酸
-イリデン))アミノ-4,5,6,-トリヒドロキシ-カプロ
ン酸
【化6】 2-(N-(1-メチル-4-ヒドロキシ-3-イミダゾリン-
2,2-イリデン))アミノ-4,5,6,-トリヒドロキシ-カ
プロン酸
2,2-イリデン))アミノ-4,5,6,-トリヒドロキシ-カ
プロン酸
【化7】 2-(2-(N-メチル-N-ヒドロキシカルボニルメチル)
アミノ-4-オキソ-1-イミダゾリン-5-イル)-4,5,
6,-トリヒドロキシ-カプロン酸
アミノ-4-オキソ-1-イミダゾリン-5-イル)-4,5,
6,-トリヒドロキシ-カプロン酸
【化8】 2-(2-(N-メチル-N-ヒドロキシカルボニルメチル)
アミノ-5-オキソ-1-イミダゾリン-4-イル)-4,5,
6,-トリヒドロキシ-カプロン酸
アミノ-5-オキソ-1-イミダゾリン-4-イル)-4,5,
6,-トリヒドロキシ-カプロン酸
【化9】 2−(2-(N-メチル-N-ヒドロキシカルボニルメチ
ル)アミノ-5-ヒドロキシ-2,5-イミダゾル-4-イル)-
4,5,6,-トリヒドロキシ-カプロン酸
ル)アミノ-5-ヒドロキシ-2,5-イミダゾル-4-イル)-
4,5,6,-トリヒドロキシ-カプロン酸
【化10】
【0008】本物質は、他の既知の有機酸や無機酸とは
異なり、中性pH領域においても酸味を呈し、既存の天
然エキスの加工品および代替物、あるいは基本だし類に
添加すれば、これらの調味力を増強し、味全体をひきた
て、味に「あつみのある酸味」と深みを付与できること
を見出し、本発明を完成するに至った。また、本化合物
は、いやな後味を有する各種食品に添加する事により、
後味のしつこさを弱めて、すっきりした味に変える効果
を有していた。特に、本化合物は、高甘味度甘味料の一
つであるアスパルテームを含む食品に添加した場合、ア
スパルテームの呈味質における問題点である、「くどい
甘味がいつまでも口中に残る」を低減し、呈味性の良好
な食品に変える効果を有する事、他の高甘味度甘味料で
あるサッカリン、チクロ、ステビア糖転移品、アセスル
ファーム K等に添加した場合は、これらを含む食品の
問題点である「苦味および渋味が強く違和感があり、ま
た、嚥下後も不快感が伴うため、好ましくない後味の印
象により、呈味質全体が損なわれ易い」を低減する効果
を有する事を見出した。
異なり、中性pH領域においても酸味を呈し、既存の天
然エキスの加工品および代替物、あるいは基本だし類に
添加すれば、これらの調味力を増強し、味全体をひきた
て、味に「あつみのある酸味」と深みを付与できること
を見出し、本発明を完成するに至った。また、本化合物
は、いやな後味を有する各種食品に添加する事により、
後味のしつこさを弱めて、すっきりした味に変える効果
を有していた。特に、本化合物は、高甘味度甘味料の一
つであるアスパルテームを含む食品に添加した場合、ア
スパルテームの呈味質における問題点である、「くどい
甘味がいつまでも口中に残る」を低減し、呈味性の良好
な食品に変える効果を有する事、他の高甘味度甘味料で
あるサッカリン、チクロ、ステビア糖転移品、アセスル
ファーム K等に添加した場合は、これらを含む食品の
問題点である「苦味および渋味が強く違和感があり、ま
た、嚥下後も不快感が伴うため、好ましくない後味の印
象により、呈味質全体が損なわれ易い」を低減する効果
を有する事を見出した。
【0009】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、上記一般式
(1)および(2)(例えば、構造式)で
表される新規クレアチニン誘導体に関する。本発明の新
規クレアチニン誘導体を上記の天然エキス加工品および
代替品、あるいは基本だし類に添加することにより、こ
れら既存の調味料に「あつみのある酸味」を付与でき、
天然エキスに類似した高品質の呈味を持つ天然エキス加
工品および代替品の製造法を提供し、また高品質の基本
だしの製造法を提供できる。
(1)および(2)(例えば、構造式)で
表される新規クレアチニン誘導体に関する。本発明の新
規クレアチニン誘導体を上記の天然エキス加工品および
代替品、あるいは基本だし類に添加することにより、こ
れら既存の調味料に「あつみのある酸味」を付与でき、
天然エキスに類似した高品質の呈味を持つ天然エキス加
工品および代替品の製造法を提供し、また高品質の基本
だしの製造法を提供できる。
【0010】ここで言う「あつみのある酸味」とは、通
常食品加工に用いられている有機酸(クエン酸、コハク
酸、乳酸、リン酸等)等が呈する舌を強く刺す酸味では
なく、酸味は呈するが口全体に広がるような天然エキス
が有するマイルドな酸味を言う。また、これら有機酸お
よび酸性アミノ酸などの酸味物質は、中性pHにおいて
は酸味を呈さず、だし等に「あつみのある酸味」を付与
する事はできないことは言うまでもない。また、従来調
味機能を有すると紹介されているアンセリン、カルノシ
ン、クレアチン、クレアチニン、核酸類、糖類は、上記
のように中性pH領域で酸味を呈する機能を有しない。
常食品加工に用いられている有機酸(クエン酸、コハク
酸、乳酸、リン酸等)等が呈する舌を強く刺す酸味では
なく、酸味は呈するが口全体に広がるような天然エキス
が有するマイルドな酸味を言う。また、これら有機酸お
よび酸性アミノ酸などの酸味物質は、中性pHにおいて
は酸味を呈さず、だし等に「あつみのある酸味」を付与
する事はできないことは言うまでもない。また、従来調
味機能を有すると紹介されているアンセリン、カルノシ
ン、クレアチン、クレアチニン、核酸類、糖類は、上記
のように中性pH領域で酸味を呈する機能を有しない。
【0011】本発明で用いる動植物は特に制限はなく、
牛肉、豚肉、鶏肉、魚肉など通常の食品工業に用いられ
ているものを任意に使用することができる。また、酵母
エキスなどを同様に処理して、中性pHにおいても「あ
つみのある酸味」を付与する物質を得ることも可能であ
る。
牛肉、豚肉、鶏肉、魚肉など通常の食品工業に用いられ
ているものを任意に使用することができる。また、酵母
エキスなどを同様に処理して、中性pHにおいても「あ
つみのある酸味」を付与する物質を得ることも可能であ
る。
【0012】「あつみのある酸味」を付与する新規クレ
アチニン誘導体を得る方法は、例えば水にクレアチン1
〜100mMと、3−デオキシグルコソンまたはグルコ
ースまたはフラクトースを1〜100mMになるように
混合する。このときのpHは1〜14、温度は5〜95
゜C、混合時間は72時間以内で良い。
アチニン誘導体を得る方法は、例えば水にクレアチン1
〜100mMと、3−デオキシグルコソンまたはグルコ
ースまたはフラクトースを1〜100mMになるように
混合する。このときのpHは1〜14、温度は5〜95
゜C、混合時間は72時間以内で良い。
【0013】混合溶液を、濃縮後、アルコール類を加え
て室温放置しておくと、結晶が析出し、この新規クレア
チニン誘導体を得ることができる。
て室温放置しておくと、結晶が析出し、この新規クレア
チニン誘導体を得ることができる。
【0014】このようにして得られた「あつみのある酸
味」を付与する、分子量275の上記構造を有する新規
クレアチニン誘導体を、日本料理のだし、たとえば、か
つお節、鶏肉、魚貝、こんぶ、牛肉、シイタケなどの素
汁に添加、または、西洋料理のスープストック、たとえ
ば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚貝などの素汁に添加、中華料
理のタン、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、ハム、貝柱、
アワビ、エビ、スルメ、シイタケ、ハクサイ、セロリな
どの素汁に添加することにより、これらに「あつみのあ
る酸味」を付与し、その呈味機能を増強させることが判
明した。また、前述のごとく、上記の天然エキスの加工
品および代替品、特にアミノ酸混合物として比較的安価
に利用できるHVP、HAP、酵母エキスに添加し、安
価なビーフエキスに添加した場合も、味全体をひきし
め、「あつみのある酸味」を付与すると共に味の増強が
みられ、高品質なものに改良することができる。尚、
「あつみのある酸味」を付与する新規クレアチニン誘導
体の濃度は、添加対象とする食品、調味料に応じてその
至適と思われる使用範囲が異なるが、上記のいずれの場
合も、液中濃度が0.01%〜0.5%(固型物重量)
となるように添加することにより、従来のだしなどに欠
けていた「あつみのある酸味」を付与し、味全体を整
え、味のぼけを抑制することができた。また、本化合物
は、いやな後味を有する各種食品に添加する事により後
味のしつこさを弱めて、すっきりした味に変える効果を
有していた。
味」を付与する、分子量275の上記構造を有する新規
クレアチニン誘導体を、日本料理のだし、たとえば、か
つお節、鶏肉、魚貝、こんぶ、牛肉、シイタケなどの素
汁に添加、または、西洋料理のスープストック、たとえ
ば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚貝などの素汁に添加、中華料
理のタン、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、ハム、貝柱、
アワビ、エビ、スルメ、シイタケ、ハクサイ、セロリな
どの素汁に添加することにより、これらに「あつみのあ
る酸味」を付与し、その呈味機能を増強させることが判
明した。また、前述のごとく、上記の天然エキスの加工
品および代替品、特にアミノ酸混合物として比較的安価
に利用できるHVP、HAP、酵母エキスに添加し、安
価なビーフエキスに添加した場合も、味全体をひきし
め、「あつみのある酸味」を付与すると共に味の増強が
みられ、高品質なものに改良することができる。尚、
「あつみのある酸味」を付与する新規クレアチニン誘導
体の濃度は、添加対象とする食品、調味料に応じてその
至適と思われる使用範囲が異なるが、上記のいずれの場
合も、液中濃度が0.01%〜0.5%(固型物重量)
となるように添加することにより、従来のだしなどに欠
けていた「あつみのある酸味」を付与し、味全体を整
え、味のぼけを抑制することができた。また、本化合物
は、いやな後味を有する各種食品に添加する事により後
味のしつこさを弱めて、すっきりした味に変える効果を
有していた。
【0015】本発明の「あつみのある酸味」を付与する
新規クレアチニン誘導体は、強い呈味発現機能を有し、
調味料としての利用、各種加工食品、栄養食品、医療食
等への添加が可能で、さらには畜産物、水産物資源の有
効利用に貢献し得るものである。添加方法としては、そ
のまま添加しても良いし、水などにあらかじめ溶解させ
た後で添加しても良い。
新規クレアチニン誘導体は、強い呈味発現機能を有し、
調味料としての利用、各種加工食品、栄養食品、医療食
等への添加が可能で、さらには畜産物、水産物資源の有
効利用に貢献し得るものである。添加方法としては、そ
のまま添加しても良いし、水などにあらかじめ溶解させ
た後で添加しても良い。
【0016】以下に、「あつみのある酸味」を付与する
上記新規クレアチニン誘導体を得る方法と添加効果を製
造例、実施例をあげて、説明する。尚、本発明はこれら
製造例、実施例によって制限されるものではない。
上記新規クレアチニン誘導体を得る方法と添加効果を製
造例、実施例をあげて、説明する。尚、本発明はこれら
製造例、実施例によって制限されるものではない。
【0017】(製造例1:加熱生成法)クレアチンと3
−デオキシグルコソンをそれぞれ50mMになるように
水に溶解し、pHを7、温度を95゜Cで2時間攪拌を
行い、上記新規クレアチニン誘導体18.1mMを得
た。このときの収率は、36.2%(モル換算)であっ
た。
−デオキシグルコソンをそれぞれ50mMになるように
水に溶解し、pHを7、温度を95゜Cで2時間攪拌を
行い、上記新規クレアチニン誘導体18.1mMを得
た。このときの収率は、36.2%(モル換算)であっ
た。
【0018】(製造例2:加熱生成法)クレアチンとグ
ルコースをそれぞれ100mMになるように水に溶解
し、pHを4、温度を95゜Cで72時間攪拌を行い、
上記新規クレアチニン誘導体5.6mMを得た。このと
きの収率は、5.6%(モル換算)であった。
ルコースをそれぞれ100mMになるように水に溶解
し、pHを4、温度を95゜Cで72時間攪拌を行い、
上記新規クレアチニン誘導体5.6mMを得た。このと
きの収率は、5.6%(モル換算)であった。
【0019】(呈味機能評価)このようにして得た新規
クレアチニン誘導体の「あつみのある酸味」付与機能を
市販コンソメスープに、0.05%(固型物重量)とな
るように上乗せ添加し、その呈味をパネル5名にてプロ
ファイル評価した。この結果、上記新規クレアチニン誘
導体を添加したサンプルは、市販コンソメに「あつみの
ある酸味」を付与した。
クレアチニン誘導体の「あつみのある酸味」付与機能を
市販コンソメスープに、0.05%(固型物重量)とな
るように上乗せ添加し、その呈味をパネル5名にてプロ
ファイル評価した。この結果、上記新規クレアチニン誘
導体を添加したサンプルは、市販コンソメに「あつみの
ある酸味」を付与した。
【0020】さらに、新規クレアチニン誘導体の適性添
加量を調べる目的で、同様に市販コンソメスープに同画
分を0.01%、0.03%、0.05%、0.1%、0.
2%、0.5%(固型物重量)添加し、同様にパネルを
用いて評価した。この結果、同画分を添加したサンプル
は、いずれもコントロールである市販コンソメスープの
もつ風味を変える事なく、コク味、あつみの増強に加え
て、いわゆる味全体をひきしめ、「あつみのある酸味」
を付与することが判明した。しかし、その添加効果は、
0.2%以上の添加では、大差がみられず、経済的な事
を考えると0.05%程度の添加で充分であると推定さ
れた。
加量を調べる目的で、同様に市販コンソメスープに同画
分を0.01%、0.03%、0.05%、0.1%、0.
2%、0.5%(固型物重量)添加し、同様にパネルを
用いて評価した。この結果、同画分を添加したサンプル
は、いずれもコントロールである市販コンソメスープの
もつ風味を変える事なく、コク味、あつみの増強に加え
て、いわゆる味全体をひきしめ、「あつみのある酸味」
を付与することが判明した。しかし、その添加効果は、
0.2%以上の添加では、大差がみられず、経済的な事
を考えると0.05%程度の添加で充分であると推定さ
れた。
【0021】このようにして新規クレアチニン誘導体を
市販コンソメスープに添加し、官能評価を実施した。配
合比は次の通りとした。すなわち、市販コンソメキュー
ブ一個(5g)および本発明の新規クレアチニン誘導体
粉末0.3gに水(湯)を加えて全量を300mlとし
た。
市販コンソメスープに添加し、官能評価を実施した。配
合比は次の通りとした。すなわち、市販コンソメキュー
ブ一個(5g)および本発明の新規クレアチニン誘導体
粉末0.3gに水(湯)を加えて全量を300mlとし
た。
【0022】対照として、無添加のコンソメスープを調
製し、2種類のスープについて、2点比較法で味覚パネ
ル20名による官能評価を実施した。結果を表1に示し
た。
製し、2種類のスープについて、2点比較法で味覚パネ
ル20名による官能評価を実施した。結果を表1に示し
た。
【0023】
【表1】
【0024】(呈味機能評価)新規クレアチニン誘導体
の呈味改善機能をアスパルテームにより調べた。すなわ
ち、アスパルテーム(味の素(株)製)0.11gに蒸
留水を加えて、100mlとし(砂糖10%相当の甘味
度)、これに上記新規クレアチニン誘導体を50mg
(1.8mM)添加し評価を行った。無添加区を対照に
して、訓練されたパネル8名を用いて呈味プロファイル
テストを実施した。この結果、表2に示すように、新規
クレアチニン誘導体は、アスパルテームの後に引く甘味
を抑制し、かなりすっきりした甘味に変える機能を有す
る事が明かとなった。
の呈味改善機能をアスパルテームにより調べた。すなわ
ち、アスパルテーム(味の素(株)製)0.11gに蒸
留水を加えて、100mlとし(砂糖10%相当の甘味
度)、これに上記新規クレアチニン誘導体を50mg
(1.8mM)添加し評価を行った。無添加区を対照に
して、訓練されたパネル8名を用いて呈味プロファイル
テストを実施した。この結果、表2に示すように、新規
クレアチニン誘導体は、アスパルテームの後に引く甘味
を抑制し、かなりすっきりした甘味に変える機能を有す
る事が明かとなった。
【0025】
【表2】
【0026】(呈味機能評価)同様に、市販高甘味度甘
味料への新規クレアチニン誘導体添加効果を調べた。市
販、サッカリンナトリウム(山田製薬(株)製)、「α
-G-スウィート」(=ステビア糖転移製品:東洋精糖
(株)製)、「Sunett」(=アセスルファーム
K:ヘキスト(株)製)、シクロヘキシルスルファミン
酸ナトリウム(=チクロ:東京化成工業(株)製)、を
それぞれ0.11g、0.10g、0.21g、0.3
3gを100mlメスフラスコにとり、蒸留水を加え
て、100mlとした(砂糖10%相当甘味度)。これ
に、上記の新規アミノ酸誘導体を50mg添加した。無
添加区を対照にして、訓練されたパネル10名を用いて
呈味プロファイルテストを実施した。この結果を表3に
示したが、新規クレアチニン誘導体の添加により、苦味
および渋味がほとんどなくなり、また、後味への甘味、
苦味、渋味が低減され、すっきりした甘味質へと変化す
る事が判明した。
味料への新規クレアチニン誘導体添加効果を調べた。市
販、サッカリンナトリウム(山田製薬(株)製)、「α
-G-スウィート」(=ステビア糖転移製品:東洋精糖
(株)製)、「Sunett」(=アセスルファーム
K:ヘキスト(株)製)、シクロヘキシルスルファミン
酸ナトリウム(=チクロ:東京化成工業(株)製)、を
それぞれ0.11g、0.10g、0.21g、0.3
3gを100mlメスフラスコにとり、蒸留水を加え
て、100mlとした(砂糖10%相当甘味度)。これ
に、上記の新規アミノ酸誘導体を50mg添加した。無
添加区を対照にして、訓練されたパネル10名を用いて
呈味プロファイルテストを実施した。この結果を表3に
示したが、新規クレアチニン誘導体の添加により、苦味
および渋味がほとんどなくなり、また、後味への甘味、
苦味、渋味が低減され、すっきりした甘味質へと変化す
る事が判明した。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明の新規クレアチニン誘導体の製法
は、天然エキス加工品、その代替物、あるいは基本だし
などに添加することにより、これら既存の調味料に「あ
つみのある酸味」を付与でき、天然エキスに類似した高
品質の呈味を持つ天然エキス加工品、代替品叉は基本だ
しを提供できる。また、本発明の新規クレアチニン誘導
体の製法は、高甘味度甘味料およびこれらを用いた加工
食品などに添加することにより、これら既存の高甘味度
甘味料のもつ苦味、渋味、くどい甘さを抑制し、後味に
強く残るこれらの呈味を低減する事が可能であり、高品
質の呈味を持つ高甘味度甘味料を提供できる。
は、天然エキス加工品、その代替物、あるいは基本だし
などに添加することにより、これら既存の調味料に「あ
つみのある酸味」を付与でき、天然エキスに類似した高
品質の呈味を持つ天然エキス加工品、代替品叉は基本だ
しを提供できる。また、本発明の新規クレアチニン誘導
体の製法は、高甘味度甘味料およびこれらを用いた加工
食品などに添加することにより、これら既存の高甘味度
甘味料のもつ苦味、渋味、くどい甘さを抑制し、後味に
強く残るこれらの呈味を低減する事が可能であり、高品
質の呈味を持つ高甘味度甘味料を提供できる。
【図1】製造例で得た単離サンプルのESI-MS チャ
ート。
ート。
【図2】製造例で得た単離サンプルのHMQC-NMR
チャート(pH約2)。
チャート(pH約2)。
【図3】製造例で得た単離サンプルのCOSY-NMR
チャート(pH約2)。
チャート(pH約2)。
【図4】製造例で得た単離サンプルのHMBC-NMR
チャート(pH約2)。
チャート(pH約2)。
Claims (2)
- 【請求項1】下記の一般式(1)又は(2)のいずれか
らなる新規クレアチニン誘導体又はこれを含有してなる
新規調味料素材。 【化1】 ただし、RはCH2−CH(OH)−CH(OH)−CH2O
Hで、X、YはNまたはNH、ZはOまたはOHであ
り、 (1)X=NかつY=NHのときは、Z=Oで、*1およ
び*3が2重結合 (2)X=NHかつY=Nのときは、Z=Oで、*2およ
び*3が2重結合 (3)X=NかつY=Nのときは、Z=OHで、*2*お
よび4が2重結合 【化2】 ただし、RはCH2−CH(OH)−CH(OH)−CH2O
Hで、X、YはNまたはNH、ZはOまたはOHであ
り、 (1)X=NHかつY=Nのときは、Z=Oで、*1およ
び*4が2重結合 (2)X=NかつY=NHのときは、Z=Oで、*2およ
び*4が2重結合 (3)X=NかつY=Nのときは、Z=OHで、*1*お
よび3が2重結合 - 【請求項2】クレアチンもしくはクレアチニン及び糖類
もしくはオソン類を反応せしめることを特徴とする請求
項1記載の新規調味料素材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8319157A JPH10155453A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 新規調味料素材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8319157A JPH10155453A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 新規調味料素材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10155453A true JPH10155453A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=18107078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8319157A Pending JPH10155453A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 新規調味料素材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10155453A (ja) |
-
1996
- 1996-11-29 JP JP8319157A patent/JPH10155453A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031217 |