JPH10155092A - フラクタル画像符号化における収束性検査方法 - Google Patents

フラクタル画像符号化における収束性検査方法

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JPH10155092A
JPH10155092A JP9271412A JP27141297A JPH10155092A JP H10155092 A JPH10155092 A JP H10155092A JP 9271412 A JP9271412 A JP 9271412A JP 27141297 A JP27141297 A JP 27141297A JP H10155092 A JPH10155092 A JP H10155092A
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JP9271412A
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English (en)
Inventor
Gerhard Dickopp
ディッコップ ゲーアハルト
Peter Siepen
ズィーペン ペーター
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Deutsche Thomson Brandt GmbH
Original Assignee
Deutsche Thomson Brandt GmbH
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T9/00Image coding
    • G06T9/001Model-based coding, e.g. wire frame

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、実質的に低下された計算コストで
固有値を近似計算し得るフラクタル画像符号化における
収束性検査方法の提供を目的とする。 【解決手段】 ディジタル化された画像が多数のレンジ
ブロック及び多数のドメインブロックに分割され、相似
したドメインブロックが各レンジブロックに関して判定
され、必要に応じてドメインブロックをレンジブロック
上に写像するためドメインブロックが部分的に変換され
る。ドメインブロックのレンジブロックへの割り当ては
フラクタル符号を表わす変換パラメータを含む。縮小変
換行列がフラクタル符号の収束性検査のため設定され、
縮小変換行列の最大絶対固有値が近似的に判定される。
更に、収束性検査用の最大絶対固有値を判定するため使
用される高次の正方行列を形成するため、行が組み合わ
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラクタル画像符号
化における収束性を検査する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は、ディジタル化された画像が多
数のレンジブロック及び多数のドメインブロックに分割
され、相似したドメインブロックが各レンジブロックに
関係して判定され、ドメインブロックをレンジブロック
上に写像するためドメインブロックの変換が部分的に行
われ、ドメインブロックのレンジブロックへの割り当て
にはフラクタル符号を表わす変換パラメータが含まれ、
縮小された変換行列が上記フラクタル符号の収束性を検
査する目的のため設定されるフラクタル画像符号化にお
ける収束性を検査する方法から生ずる。
【0003】フラクタル画像符号化における収束性を検
査する方法は、P. Siepen と Prof.G. Dickopp による
論文“フラクタル画像符号化における収束性に関して(Z
ur Konvergenz bei der fraktalen Bildcodierung)”、
第6回 ドルトムント テレビジョン セミナ予稿集、
ページ133-138 、1995年10月により公知である。引用論
文では、提案された縮小法を用いて高次変換行列の次元
を低下させ、収束性を調べるため元の変換行列の代わり
に縮小された変換行列を検査することが提案されてい
る。数学的に言うと、変換行列、この場合は縮小された
変換行列の収束性を検査するためには、検査されるべき
行列の固有値を判定する必要がある。検査されるべき行
列の全ての固有値が複素平面の単位円の内側に在るとき
に収束が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、縮小された行
列は依然として非常に高次であるため、縮小された行列
の固有値の計算は膨大な計算コストを必要とする。従っ
て、本発明は、実質的に低下された計算コストで少なく
とも近似的に固有値を計算し得るように、フラクタル画
像符号化における収束性検査方法を簡単化することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による収束性検査
方法は階層的な収束性検査方法であり、この方法を用い
ることにより、検査されるべき変換行列の最大絶対固有
値を所望の精度で比較的に簡単に評価することが可能に
なる利点が得られる。請求項1に記載された本発明の方
法によれば、第1のステップで、縮小された行列の行和
ノルム(行の総和のノルム)が検査される。これによ
り、いずれのドメインブロック又はドメインブロックに
含まれるレンジブロックが、過度に大きい固有値の本質
的な原因であるかに関するステートメントが得られる。
【0006】最大固有値の大きさに関するより厳密な計
算式を得ることが望まれるならば、最大固有値のより厳
密な評価が得られる更なる手段が請求項2乃至5に記載
されている。しかし、この場合、付加的な各手段は、計
算コストを増加させることに注意する必要がある。最大
固有値をどれくらい正確に決定すべきかに関する判定
は、利用可能な計算能力及びアプリケーションに依存し
て柔軟に行われる。付加的な検査ステップの場合に、縮
小された変換行列の中のできるだけ大きい副行列が最大
固有値を得るため検査されるので、発散の主な原因であ
るレンジブロックの場所の確認が不充分になる。従っ
て、特定の精度だけで最大固有値を計算し、固有値がか
なり大きい場合には、ドメインブロックのレンジブロッ
クに対する新しい割り当てを選択し、ドメインブロック
を当該レンジブロック上に写像する変換パラメータを調
節し、これにより、変換行列の収束を実現することが望
ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例を
表わす添付図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説
明する。最初に、本発明によるフラクタル画像符号化に
おける収束性検査方法の基礎である数学理論を詳述す
る。フラクタル画像符号化ベースの主題についての優れ
た紹介は、A. E. Jacquin による論文“反復式縮小画像
変換のフラクタル理論に基づく画像符号化(Image codin
g based on fractal theory of iterated contractive
image transformations)”、画像処理に関するIEEE
論文誌、第1巻、ページ18-30 、1992年 1月に記載され
ている。
【0008】フラクタル画像符号化において、原画像は
重なり合いのない所謂レンジブロックに分割される。更
に、画像は多数のより大きいドメインブロックに分割さ
れる。この処理において、ドメインブロックを相互に重
ね合わせても構わない。ドメインブロックの画素数は、
レンジブロックの画素数のNs 倍である。図2は、例え
ば、レンジブロック10と、破線で表わされた数個のド
メインブロック11、12及び13とに分割された正方
形の画像を示す。画素は参照番号14で示される。
【0009】符号化演算中に、符号化装置は、レンジブ
ロックRi に対する適当なドメインブロックDk を探
す。要求に応じて、適当なドメインブロックが変換τi
を用いて変換され、その結果として得られる変換された
ドメインブロックDk は、関連したレンジブロックRi
に対するできるだけ優れた近似である。
【0010】
【数1】
【0011】変換τi は、幾何成分gi 及び輝度変換成
分li からなる。幾何変換gi はドメインブロックDk
のサイズをレンジブロックRi のサイズまで縮小し、更
に、並進タイプの幾何操作を行うことができる。輝度変
換li は、以下の式: L’=a・L+b [2] を用いるドメインブロックの輝度値Lのアフィン変換で
ある。
【0012】画像の個別に近似されたレンジブロック
【0013】
【外1】
【0014】がドメインブロックの変換により表わされ
るならば、それは、符号化されるべき完全な画像に対す
る変換である。従って、完全な画像を別の画像に変換す
る変換Wが以下の式:
【0015】
【数2】
【0016】により定義され、式中、KR はレンジブロ
ックの個数を表わす。Wが縮小変換であるならば、復号
化装置は、特に、変換Wの知識に完全に基づいて、所謂
不動点を構築することが可能である。不動点は実質的に
復号化された画像である。これは、バナッハの不動点定
理に基づいて保証される。バナッハの不動点定理は、 xk+1 =W(xk ) に関する反復の系列{xk }が、全ての任意の初期画像
0 について、Wの不動点xf に収束することを示して
いる。
【0017】一般的に言うと、原画像xの良い近似であ
る不動点xf を有する一つの変換Wだけを見つけること
が可能である。しかし、所定の近似誤差d(x,W
(x))に対し、所謂コラージュの理論は、再生誤差d
(x,xf )の上限を与える。近似誤差をできるだけ小
さく抑える変換Wを見つけることが符号化装置の役目で
ある。検出された変換Wが符号化されるべき画像自体よ
りも少ないビットで表現され得るならば、データ圧縮の
目標が達成される。その結果として、変換Wはフラクタ
ル符号とも称される。レンジブロック及びその対応する
ドメインブロックは、離散コサイン変換に基づく符号化
方法と比較すると、一般的に画像の異なる部分に局在化
するため、フラクタル符号化において互いに離れている
画像部分の間の相関は冗長性の除去のため使用される。
相互に離間した画像部分間の相関は自己相似性とも称さ
れる。変換Wに関する最も重要な問題は、変換Wが縮小
変換であるか否かである。個別の変換τi に関する全て
の変換係数(パラメータ)ai は、条件: ai <1 を満たさなければならないという縮小性判定規準が多数
の実際的な符号化スキームで利用される。しかし、 ai >1 なる値が許容されるならば、復号化された画像の品質が
より良くなることが分かっている。
【0018】例えば、0から2の範囲にある値が輝度変
換の場合に変換係数として許容されるならば、図1は通
常の典型的な画像に対する係数ai の実現可能な分布を
表わす。この画像から多数の係数が1よりも大きい値を
有することが明瞭に分かる。従って、係数ai を1より
も小さい値に制限することにより、多数の最適ではない
部分変換τi が生じることが明らかである。しかし、再
生画像の品質は、その結果として悪化する。このため、
より高品質の再生画像を得るためには、 ai >1 なる係数を有する変換τi ができる限り許容されるべき
である。もし、これが許容されるならば、復号化器側の
変換の収束性を保証するために多大な努力が必要にな
る。従って、変換Wの縮小性が簡単かつ高速に検査でき
るような適当な収束性判定規準が求められる。
【0019】以下では、R・C個の画素からなる画像が
N=RC次空間内のベクトル:
【0020】
【数3】
【0021】である場合を考える。ベクトル形式で表現
された原画像を用いることにより、変換Wはアフィン変
換:
【0022】
【数4】
【0023】として記述される。上記式において、行列
Aは、ベクトルbと共に、フラクタル符号の別の表現で
あると考えられる。式:
【0024】
【数5】
【0025】により表わされた画像の系列{xk }が不
動点xf に収束するならば、xf は復号化された画像で
あると考えられる。以下、行列Aに対する縮小性判定規
準を説明する。式[6]が収束するため必要十分条件
は、行列Aの全ての固有値λi が複素平面内の単位円の
内側に在ることである。
【0026】|λi |<1 ∀i∈{1,...,N} Nは原画像の画素数を表わし、行列は巨大なサイズであ
るため、このN×N行列Aから最大固有値を適当な時間
フレームで直接的に計算することは実質的に不可能であ
る。例えば、PAL方式標準に準拠したテレビジョン画
像の場合に、行列は、720・576=414,720
次元の行列になる。この問題は以下の2通りの方法を用
いることにより解決される。
【0027】即ち、アフィン変換[2]のパラメータ
(係数)に対する規則を決定するため一般的な考察を用
いるか、或いは、最大絶対固有値λmax を含む状態のま
ま行列Aをより小さい行列に縮小することが可能であ
る。第1の方法の場合に、許容されるべきフラクタル符
号化スキームに関して多数の非常に厳密な制限が課され
る。例えば、係数ai が条件 ai <1 を満たさなければならないという制限が正確に得られ
る。これは、行列Aのノルム
【0028】
【数6】
【0029】がその固有値に対し上限を有することから
導出される。次のステップでは、行列Aの構造をより厳
密に説明する。所望の縮小法を達成するため、行列Aの
構造を詳述する必要がある。この場合、基本的なフラク
タル符号化スキームに対しある種の制限を課す必要があ
る。しかし、上記制限は、最初に説明した方法に必要と
される制限よりも緩い制限である。例えば、以下に説明
する縮小法は、ドメインブロックの重なり合いを許容す
るフラクタル符号化スキームの場合にも使用され得る。
【0030】Ks 個の異なる線形独立ベクトルsi は、
ドメインブロックのNs 個の異なる画素のレンジブロッ
クの画素への写像を
【0031】
【数7】
【0032】として記述する。ベクトルsi はスケーリ
ングブロックと称され、行列Aの行ベクトルは倍率が乗
算された上記ベクトルsi からなる。Kr 個の異なる線
形独立ベクトルri はNR 個の画素からなるレンジブロ
ックを
【0033】
【数8】
【0034】として記述する。従って、ベクトルri
R 個の異種ベクトルsi の和として記述される。ここ
で、MR は1レンジブロック当たりのスケーリングブロ
ック数を示す。KD 個の異なる線形独立ベクトルd
i は、ND 個の画素からなるドメインブロックからな
る。ドメインブロックはNs 個のレンジブロックの和
【0035】
【数9】
【0036】として記述される。このことを考慮するこ
とにより、行列Aは、KR 個の異なるNR 行N列(NR
×N)の副行列Ri の組合せとして記述される。各副行
列Ri はドメインブロックのレンジブロックへの写像を
記述する。
【0037】
【数10】
【0038】KD 個の異なる行列Di はNR 個の異なる
ベクトルsi からなる。上記ベクトルの和はベクトルd
i を生成する。ドメインブロックの全てのスケーリング
ブロックは、全体としてドメインブロック
【0039】
【数11】
【0040】を生成する。式[12]からのxi,j は、
R ≧2のフラクタル符号化スキームを考慮するなら
ば、以下の条件
【0041】
【数12】
【0042】を満足する。この式は、ドメインブロック
内のスケーリングブロックの配置を制限する。行列Aの
構造は、レンジブロック及びドメインブロックの選択に
関しある種の制限を与える。式[9]に基づいて、一定
サイズのレンジブロックだけを許容することが要求され
る。式[10]及び[11]から、2個の隣接するブロ
ックはレンジブロックのサイズのn倍(但し、n∈自然
数)でなければならないが、重複するドメインブロック
が許容される。式[1]の幾何変換(等長変換)は式
[13]により制限される。
【0043】上記行列Aは、多数の固有値λi =0と、
λi ≠0である僅かな個数の固有値とを有する。従っ
て、固有値λi ≠0を変化させることなく行列Aの次元
を縮小する縮小法を開発することが賢明である。かかる
縮小法を以下に詳述する。最初に、一般的な縮小法を説
明する。第1のステップは、N×Nの行列Cから始め
る。非特異行列Tを用いて行列Cに相似変換
【0044】
【数13】
【0045】が適用されるならば、得られた行列C’は
行列Cと同じ特性多項式を有する。従って、C及びC’
の固有値は同一である。この相似変換の性質は、固有値
λi =0に影響を与えることなく、行列の次数を下げる
ため利用される。変換行列Tは、以下の如く、
【0046】
【数14】
【0047】N個の線形独立行ベクトルti からなる。
或いは、行列TはN個の線形独立ベクトルui からな
り、
【0048】
【数15】
【0049】のように表わされる。行列Tは非特異行列
であり、逆行列T-1が存在し、
【0050】
【数16】
【0051】である。k(i)が変換行列Tの行ベクト
ルのインデックスを示すとき、特殊形式のN×N行列
【0052】
【数17】
【0053】を考慮するならば、行列CとT-1との積は
次式
【0054】
【数18】
【0055】のように記述される。行列Tの最初のM個
の行ベクトルだけが使用されることに注意する必要があ
る。式[17]からyi に対し以下の式
【0056】
【数19】
【0057】が得られる。従って、式[14]による相
似変換の結果として、列ベクトルによって記述され得る
行列C’
【0058】
【数20】
【0059】が得られる。式[18]及び[20]から
【0060】
【数21】
【0061】が導かれる。j≦Mである場合に、行列
C’の列ベクトルc’j に対し、
【0062】
【数22】
【0063】が得られる。行列C’は以下の形式
【0064】
【数23】
【0065】により表わされる。行列C’の特性多項式
として、次式
【0066】
【数24】
【0067】が得られる。従って、縮小されたM×M行
列C’red は、元の行列Cと同様に、λi ≠0である全
ての固有値をもつ。次に、一般的な縮小スキームが、式
[11]の行列A0 =Aに適用される。行列A0 は次式
【0068】
【数25】
【0069】の如く、N個の行ベクトルからなる。対応
する変換行列Tは、最初のKs 行が異なる線形独立ベク
トルsi により構成されるように選択される。行列Tの
残りのN−Ks 行は任意の行ベクトルwiであり、これ
は、結果として得られる変換行列
【0070】
【数26】
【0071】が非特異行列であることを保証する。上記
の一般的な縮小スキームが適用されるならば、結果とし
てKs ×Ks の行列A1
【0072】
【数27】
【0073】が得られる。要素αi,j は、以下の構造
【0074】
【数28】
【0075】を有する。一般的な縮小スキームから得ら
れる行列A1 は、倍率Ns でアンダーサンプルされた画
像と共に行列A0 に適用されたとき、式[5]によるア
フィン変換の線形部分であると解釈される。一般的な縮
小スキームが行列A0
【0076】
【外2】
【0077】回適用されるならば、KR ×KR の行列
【0078】
【外3】
【0079】が第1のステップの結果として得られる。
以下、第2の縮小ステップについて説明する。第1の縮
小ステップの後に得られた行列A’は、元の行列A0
りも縮小された構造を有する。この縮小された行列に対
し、レンジブロック及びドメインブロックを表わすベク
トルを指定することが可能である。KR 個の異なる線形
独立ベクトルri は、以下の形式
【0080】
【数29】
【0081】を有する。KD 個の異なる線形独立ベクト
ルdi はNs 個の異なるベクトルri の和として、
【0082】
【数30】
【0083】のように記述される。従って、行列A’
は、
【0084】
【数31】
【0085】のように表わされる。一般的な縮小スキー
ムで使用される変換行列T’は、線形独立ベクトルdi
及びある種のベクトルwi により構成される。ベクトル
i は任意のベクトルである。ベクトルwi が満たすべ
き唯一の条件は、得られた行列T’が特異ではないこと
である。
【0086】
【数32】
【0087】一般的な縮小スキームを使用することによ
り、KD ×KD 行列A”:
【0088】
【数33】
【0089】が得られ、行列の各要素は、
【0090】
【数34】
【0091】で表わされる。従って、元のN×N行列A
の上記縮小スキームにより、元の行列Aのλi ≠0であ
る全ての固有値を有するKD ×KD 行列A”が得られ、
ここで、Nは原画像の画素数であり、ND はドメインブ
ロックの個数を指定する。上記の結果を伴う状況を調べ
ることにより、最初に、元の行列Aが設定され、次に、
上記縮小スキームが縮小された行列A”を得るため適用
される元の行列Aの収束性を検査する方法が考えられ
る。しかし、元の行列Aの次元が高いため、縮小された
行列の固有値を判定する際に非常に高い計算コストを必
要とする。
【0092】上記行列A”をより詳しく説明すると、こ
の行列は最初に元の行列を設定しなくても設定すること
が可能である。縮小された行列A”を設定するため、以
下の規則が適用される。即ち、 (1)縮小された行列A”の次元は、フラクタル符号化
スキームのドメインブロックの数ND と一致する。 (2)縮小された行列A”の要素αi,j は係数ak の和
からなり、j番目のドメインブロックからi番目のドメ
インブロック内にあるレンジブロックへの写像を表わ
す。
【0093】上記規則は、結果として得られる行列A”
を発生する簡単化されたスキームを与える。縮小された
行列の次数は急激に低下されるので、縮小された行列
は、本質的に元の行列Aよりも簡単に評価される。縮小
された行列A”は元の行列Aと同様にλi ≠0である全
ての固有値を有するので、縮小された行列A”は収縮性
を検査するため元の行列Aの代わりに使用され得る。
【0094】計算コストの急激な削減が収束性検査に対
し実現されるとしても、縮小された行列A”の固有値を
計算するためにより多くのコストが必要とされる可能性
がある。更なる欠点は、最大固有値の計算はフラクタル
符号化スキームが収束性であるか否かに関する情報しか
配布しない点である。しかし、収束性の問題を生じるレ
ンジブロックに関する情報は得られない。
【0095】次に、上記欠点を解決する目的の階層的な
収束性検査方法を説明する。最大固有値の上限を指定す
る最大固有値の簡単な検査を行うため、このスキームを
使用することが可能である。上記上限は1ステップずつ
徐々に正確に計算することが可能である。しかし、付加
的な各ステップは必要な計算コストを増加する。一方、
収束性問題を生じさせる上記レンジブロックを局在化さ
せることができる情報が得られる。
【0096】以下、上記方法を更に詳しく説明する。こ
こでは、縮小された行列を表わすn×n行列A
【0097】
【数35】
【0098】を想定する。ゲルシュゴリンの理論によれ
ば、複素平面内にn個の円が存在し、各円は行列Aの対
角要素ai,i に関して中心に置かれ、以下の半径
【0099】
【数36】
【0100】を有する。ゲルシュゴリンの理論は、行列
Aの全ての固有値が上記n個の円の合併集合の内側に在
ることを示す。行列Aが以下に説明する方法で変形され
るならば、変形された行列
【0101】
【外4】
【0102】が
【0103】
【数37】
【0104】のように得られる。フラクタル符号化スキ
ームは、上記変形により2通りの別々の部分に分けられ
る。上記部分は、ドメインブロック1,...,mの部
分と、ドメインブロックm+1,...,nの部分とか
らなる。上記演算により、ゲルシュゴリンの円の中心点
は複素平面の外側領域に移動し、半径が収縮する。
【0105】
【数38】
【0106】が確かであると共に、行列
【0107】
【外5】
【0108】の固有値は行列Aの固有値よりも臨界的で
ある。二つの副行列
【0109】
【数39】
【0110】の固有値は互いに無関係に計算される。行
列の固有値は、二つの行k及びlが、二つの列k及びl
と入れ替えられても変化しないので、
【0111】
【外6】
【0112】通りの異なる行列B1 を設定することが可
能である。上記異なる行列B1 の全ての固有値が縮小性
判定規準を充足するとき、完全な行列Aは同様に上記規
準を充足する。mが小さいとき、縮小性判定基準の検査
は粗く行われ、最大固有値の評価は粗い上限を指定す
る。値mが大きくなると共に、最大固有値の評価が良く
なる。勿論、値mが大きくなると共に、計算コストが上
昇する。m=1のとき、収束性判定規準は、行列Aの行
ノルム
【0113】
【数40】
【0114】に対応する。上記の説明の結果は、以下の
階層的な収束性検査スキームを具体化するために使用さ
れる。最初に、行ノルム(m=1)が検査される。これ
は、ドメインブロック内に在る全レンジブロックのコン
トラスト率aを総て加算することにより行われる。これ
は、行列Aの行の和と等価である。この和がNs よりも
小さいならば、このドメインブロックに対する収束性判
定規準は自動的に満たされる。これは各ドメインブロッ
ク毎に検査される必要がある。ドメインブロックに対す
る収束性判定規準が充足されないならば、当該ドメイン
ブロック内に在るレンジブロックの変換係数が調節され
るか、或いは、以下に説明する第2のステップに続く。
【0115】収束性判定規準を充足しない(m−1)×
(m−1)形の各行列B1 は、行列Aの残りのn−m+
1行の各行と組み合わされる。このようにして、次元m
からなるn−m+1個の異なる行列B1 ’が得られる。
上記行列を全て別々に検査する必要がある。上記行列の
中に収束性判定規準を満たさない行列が在るならば、変
換係数が適応されるか、又は、次の最大行列がこの行列
に設定され、それらの行列が上記判定規準を満たすか否
かが検査される。検査されるべき行列の次元の増加と共
に計算コストが上昇するので、特定の次数mから始め
て、臨界的なドメインブロック内に在る全てのレンジブ
ロックの変換係数の調節が行われるスキームを使用する
ことが考えられる。ここに提案された方法を使用するこ
とにより、収束性検査のため利用可能な計算コストを柔
軟に決定することが可能である。
【0116】以下、図3乃至5を参照して、収束性検査
方法をより詳細に説明する。図3の(a)には、符号化
されるべき原画像のレンジブロックRi
i+1 ,...への分割が示されている。一例として、
正方形のフォーマットを有し、16個のレンジブロック
に分割された小さい画像だけが採用される。図3の
(a)には、2個のドメインブロックDj 及びDk が示
されている。ドメインブロックDj 及びDk は、互いに
重なり合うことが分かる。画像のドメインブロックへの
分割は、この例では、第1に、ドメインブロックはレン
ジブロックのサイズの4倍であることが必要であり、第
2に、ドメインブロックの位置はドメインブロックが4
個の完全なレンジブロックを含むように常に選択される
という条件に関係付けられる。上記の制約を仮定する
と、7個のドメインブロックが図3の(a)に示された
画像に設定される。再生された画像は図3の(a)の右
半分に示されている。上記再生画像は同様にレンジブロ
ックR’i 、R’i+1 に分割される。ドメインブロック
j はレンジブロックR’i に写り、ドメインブロック
k はレンジブロックR’i+1 に写ることが図3の
(a)の矢印で示されている。
【0117】図3の(b)にはドメインブロックDj
変換が概略的に示される。第1の遷移矢印で示される第
1のステップにおいて、ドメインブロックのサイズはレ
ンジブロックのサイズまで縮小される。ドメインブロッ
クDj の4画素は縮小されたドメインブロックdi の画
素に割り当てられる。この場合、例えば、画素の輝度値
を記録させ得る。第2のステップにおいて、縮小された
ドメインブロックの輝度値が変換される。関係した変換
式が図3の(b)の2本目の矢印の下側に記載されてい
る。数値ai は縮小されたドメインブロック内の全ての
輝度値に乗算されるコントラスト率を示す。数値bi
縮小されたドメインブロックdi 内の各輝度値に加算さ
れる数を指定する。例えば、ドメインブロックdi は新
しいレンジブロックR’i である。
【0118】図4を参照して、フラクタル画像符号化の
ための符号化装置の構成を詳述する。符号化装置は、原
画像用の記憶ユニット20と、原画像を適当なレンジブ
ロックに分割する処理ユニット21とを含む。各レンジ
ブロックは、例えば、4×4画素を有するとしてもよ
い。処理ユニット22は原画像を多数のドメインブロッ
クに分割する。例えば、各ドメインブロックのサイズ
は、各レンジブロックのサイズの4倍であり、即ち、ド
メインブロックは8×8画素からなる。画像のドメイン
ブロックへの分割は、完全に自由ではなく、図3を参照
して説明された如くの境界条件に関係付けられる。
【0119】レンジブロックテーブル23には、レンジ
ブロックに関係した画素値と、レンジブロックが原画像
内で占める位置に関する情報とが格納される。しかし、
位置に関する情報は、テーブル内の夫々のレンジブロッ
クの位置により予め暗黙的に定めても構わない。ドメイ
ンブロックテーブル25は、夫々のドメインブロックの
画素値を適当な方法で順番に格納する。
【0120】ドメインブロックを用いてレンジブロック
をできる限り巧くシミュレートするため、ドメインブロ
ックに特定の変形が施される。それらの変形の中には、
回転、鏡映、輝度の乗算(又は画素の輝度信号値の倍率
a(コントラスト率)による乗算)、並びに、輝度の移
動(又は、画素の輝度信号値の値bによる移動)が含ま
れる。かかる変換演算は、変換演算テーブル24に格納
される。
【0121】選択ユニット26は、レンジブロックテー
ブル23内のレンジブロックを選択し得る。選択及び変
換ユニット27は、変換演算テーブル24内の変換を選
択し、変換を行う。更なる選択及び変換ユニット28
は、ドメインブロックテーブル25のための選択及び変
換ユニットである。選択ユニット26によるレンジブロ
ックの所定の選択により、関連した画素の輝度値が、選
択及び変換ユニット27、並びに、選択及び変換ユニッ
ト28と共に利用可能になる。選択及び変換ユニット2
8は、ドメインブロックテーブル25からより小さいド
メインブロックを探す目的のため、利用可能にされたレ
ンジブロックを使用する。
【0122】上記処理において、ドメインブロックテー
ブル25内の各ドメインブロックは、レンジブロックの
サイズまで連続的に縮小され、次に、生成された最も有
力な値は選択されたレンジブロックの値と比較される。
このようにして、許容範囲内で選択されたレンジブロッ
クの輝度値の非常に優れたシミュレーションを与える適
当なドメインブロックが検出されたならば、このドメイ
ンブロックは、選択されたレンジブロックに関係するド
メインブロックとして固定される。この場合、選択され
たレンジブロックを写像するため、ドメインブロックに
対し更なる変換を行う必要はない。ドメインブロック
は、選択及び変換ユニット27と選択及び変換ユニット
28との間の接続を介して通知される。しかし、このよ
うな方法で適当なドメインブロックを検出できない場合
が頻繁にある。この場合、当該ドメインブロックは、更
なる変換が実行されることを要求する。この更なる変換
には、上記の回転、輝度の乗算、及び、輝度の移動が含
まれる。選択及び変換ユニット27は上記変換の実行を
引き受ける。選択及び縮小されたドメインブロックの関
係した輝度値は、この場合、選択及び変換ユニット28
からの接続を介して、選択及び変換ユニット27で利用
可能になる。
【0123】原則として、レンジブロックに関係した適
当なドメインブロックの探索は従来技術から公知であ
る。利用可能な探索方法の優れた概説は、オックスフォ
ード・ユニバーシティ・プレスから1995年に発行さ
れたJ.M. Blockledge 編による数学的方法及び応用に掲
載されたDietmar Saupe と Raouf Hamzaoui による論文
“フラクタル画像圧縮のための複雑性縮小方法(Complex
ity reduction method for fractal image compressio
n) ”、画像処理に関するE.M.A.会議予稿集であ
る。
【0124】選択及び変換ユニット27の出力で、要求
された変換演算に関係する情報が加算点29に配布され
る。選択及び縮小ユニット28は、選択されたレンジブ
ロックに属するドメインブロックに関する情報を配布す
る。選択されているレンジブロックがどれであるかにつ
いても選択ユニット26により加算点29に伝えられ
る。かかる情報は全て変換テーブル30に送られる。選
択ユニット32は、変換テーブル30内で情報が格納さ
れる位置を予め決める。変換テーブル30に格納された
情報は、仮のフラクタル符号を表わす。得られた仮のフ
ラクタル符号は、収束性検査ユニット31内で収束性が
検査される。収束性検査ユニット31の動作モードにつ
いては、図5を参照して後述する。収束性検査ユニット
31はどのレンジブロックが仮のフラクタル符号の収束
性問題を処理するかに関する情報を判定する。調節ユニ
ット33は、収束性判定規準が満たされるように上記レ
ンジブロックに対する関連する変換パラメータが変更さ
れることを保証する。かくして得られたフラクタル符号
は符号化ユニット34においてエントロピーに関して符
号化される。その結果は、完全なフラクタル符号であ
り、記憶ユニット35に格納される。完全なフラクタル
符号は、例えば、送信局を介して送出され、次に、受信
局により復号化され得る。
【0125】以下、図5のフローチャートを参照して収
束性検査ユニット31の動作モードを詳しく説明する。
ステップ40においてプログラムがスタートする。レン
ジ/ドメインブロック割り当て及び関連した変換係数に
関して得られた情報は、プログラムステップ41におい
て、縮小行列A”を設定するため使用される。これは、
上記の規則に従って行われる。縮小行列αi,j のエント
リーに対し、j番目のドメインブロックからi番目のド
メインブロック内に在るレンジブロックへの写像を表わ
す倍率ak の和が計算される。殆どの場合に単一の関連
したドメインブロックがレンジブロックに対して決定さ
れるので、倍率ak の値は零である。
【0126】次のプログラムステップ42において、行
和ノルムZSNi (行の和のノルム)が縮小行列A”の
各行に対し計算される。かくして得られた行和ノルム
は、1よりも大きい値を有するか否かがプログラムステ
ップ43において検査される。いずれの行和ノルムに対
しても検査結果が否定的であるならば、得られたフラク
タル符号は収束しているので、プログラムステップ53
においてプログラムが終了される。
【0127】行和ノルムが1よりも大きい値をもつこと
が検出された行に対し、プログラムは続いてプログラム
ステップ44を実行する。このプログラムステップ44
において、当該行は、2×ND 行列を形成するため、残
りの全ての行と組み合わされる。その結果として、ND
−1個の異なる2×ND 行列が得られる。次に、プログ
ラムステップ45において、上記の各行列に対し2×2
行列が設定される。例えば、2×ND 行列が縮小行列の
行k及びlから生成された後、列k及びlだけを残すこ
とにより、2×ND 行列から2×2行列が形成される。
その結果として失われた行の全ての要素の絶対値は、こ
の行に関係した2×2行列の主対角要素が0以上である
ならば主対角要素に加算され、主対角要素が0未満であ
るならば主対角要素から減算される。その結果として、
2×ND 行列の全ての要素が考慮される。
【0128】プログラムステップ46において、上記の
如く生成された2×2行列から最大絶対固有値
【0129】
【外7】
【0130】が、例えば、数学的に公知のフォン・ミー
ゼス法を用いて判定される。次に、プログラムステップ
47において、最大絶対固有値の絶対値が1よりも大き
いか否かが検査される。結果が否定的であるならば、2
×2行列に関する考察はこれ以上行われない。最大絶対
固有値の絶対値が1よりも大きいならば、ステップ48
において、2×ND 行列に基づいて3×ND 行列が設定
される。この場合、2×2行列が生成された関連した2
行は、残りのND −2個の各行と組み合わされる。その
結果として、ND −2個の異なる3×ND 行列が得られ
る。
【0131】各3×ND 行列は、ステップ49におい
て、以下の方法を用いて3×3行列に変換される。行列
の関連している3行に対し、3×ND 行列の割り当てら
れた列は、新しい行列に引き継がれる。ある行の引き継
がれない列要素の絶対値の和は、その列要素が0以上で
あるならば対応する行の主対角要素に加算され、その列
要素が0未満であるならば主対角要素から減算される。
【0132】プログラムステップ50において最大絶対
固有値
【0133】
【外8】
【0134】は、上記の各3×3行列から判定される。
この場合に、その絶対値が1未満であるならば、当該行
列はこれ以上考察されず、プログラムステップ53にお
いてプログラムが終了される。最大絶対固有値の検査は
プログラムステップ51で行われる。この実施例では、
最大固有値の絶対値が1よりも大きいならば、プログラ
ムステップ52において変換パラメータak の適応が行
われる。3×3行列の場合に、12個のレンジブロック
に対応する3個のドメインブロックが関係し、その結果
として、関連する変換パラメータを調節する必要があ
る。調節は、例えば、全ての関係するパラメータak
一括して倍率k<1で乗算することにより行うことが可
能であり、これにより、対応する固有値判定規準が充足
される。このとき、夫々の場合に、関係したレンジブロ
ックに対する関連した倍率bを再判定する必要がある
が、これはフラクタル符号の収束性に影響を与えない。
上記の具体的な可能性は、対応する判定規準が値1から
僅かに異なるときに生じる。
【0135】この可能性に対する代替策として、全く新
しいドメインブロック及び新しい変換規則を関係するレ
ンジブロックに対してプログラムステップ52において
決定してもよい。適当な境界条件が上記変換規則に付加
され得る。上記境界条件は、結果として得られる変換が
収束性に関して最初に選択された変換よりも臨界的では
ないように構成される。例えば、コントラスト率ak
1未満になるように選択することは、この場合に適当な
判定規準である。
【0136】変換パラメータの調節後、プログラムは、
プログラムステップ53において終了される。上記プロ
グラムは、新たにスタートされ、調節されたフラクタル
符号の収束性がもう一度新たに検査される。収束性検査
は、調べられるべき全ての判定規準の検査が1未満の値
を生成したとき終了する。図5において、破線は、収束
性検査のため僅かな計算コストしか利用できない場合
に、条件分岐ステップ43及び47の終了後、できるだ
け早く調節ステップ52に進み得ることを示している。
しかし、例えば、3×3行列しか検査しない場合でも、
最大固有値の評価はかなり正確であることに注意する必
要がある。縮小行列の最大固有値の判定をもっと厳密に
行う必要があるならば、同一のスキームに従って、関連
した4×4行列、又は、より高次の行列を設定すること
が可能である。勿論、この場合に、固有値を判定するた
め計算コストの実質的な増加が伴う。
【0137】行和ノルムを検査する代わりに、例えば、
列和ノルムを計算してもよい。かかる構成も本発明の保
護範囲に含まれる。
【0138】
【実施例】上記本発明の収束性検査法は、例えば、復号
化装置で使用することが可能である。この場合に、検査
は、例えば、エラー検出の目的で行われる。収束が発生
していないことを直接的に検出するため、伝送されたフ
ラクタル符号を用いることが可能であるならば、復号化
装置は、例えば、頻繁に現れた画像の再表示、或いは、
エラーメッセージの出力等の適当なエラー対策を実行し
得る。
【0139】本発明の実現可能なアプリケーションは、
例えば、テレビ電話、ディジタルビデオレコーダ、ディ
ジタルカメラ、ディジタルビデオディスク等の分野で見
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】符号化された画像に対する変換係数の度数分布
を表わす図である。
【図2】符号化されるべき画像をレンジブロック及びド
メインブロックと共に表わす図である。
【図3】符号化されるべき画像のレンジブロック及び関
係したドメインブロックへの有利な分割を表わす図であ
る。
【図4】フラクタル画像符号化用の符号化装置の概略的
なブロック図である。
【図5】収束性検査方法のフローチャートである。
【符号の説明】
10 レンジブロック 11,12,13 ドメインブロック 14 画素 20 記憶ユニット 21,22 処理ユニット 23 レンジブロックテーブル 24 変換演算テーブル 25 ドメインブロックテーブル 26,32 選択ユニット 27,28 選択及び変換ユニット 29 加算点 30 変換テーブル 31 収束性検査ユニット 33 調節ユニット 34 符号化ユニット 35 記憶ユニット
フロントページの続き (72)発明者 ペーター ズィーペン ドイツ連邦共和国,46049 オーバーハオ ゼン,モエーネシュトラーセ 57

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル化された画像が多数のレンジ
    ブロック及び多数のドメインブロックに分割され、 相似したドメインブロックが各レンジブロックに関係し
    て判定され、 ドメインブロックをレンジブロック上に写像するためド
    メインブロックの変換が部分的に行われ、 ドメインブロックのレンジブロックへの割り当てはフラ
    クタル符号を表わす変換パラメータを含み、 縮小された変換行列が上記フラクタル符号の収束性を検
    査する目的のため設定されるフラクタル画像符号化にお
    ける収束性を検査する方法であって、 第1のステップにおいて少なくとも上記縮小された変換
    行列の行の行和ノルムが検査され、上記縮小された変換
    行列の最大絶対固有値を近似的に判定することにより、
    上記フラクタル符号の収束性を検査する方法。
  2. 【請求項2】 ある行の行和ノルムが所定の値よりも大
    きいとき、当該行は、列数ND がドメインブロックの個
    数を示す2行ND 列の行列を形成するため上記縮小され
    た行列の残りの行と組み合わされ、 上記2行ND 列の行列に対し選択された上記縮小された
    変換行列の行数に対応する列を選択し、行内の削除され
    た要素の絶対値の和を上記行に属する主対角要素が零よ
    りも大きいときに上記主対角要素に加算し、上記行に属
    する主対角要素が零よりも小さいときに上記主対角要素
    から上記行内の削除された要素の絶対値の和を減算する
    ことにより、上記2行ND 列の行列が2行2列の行列に
    変換され、 少なくとも上記2行2列の行列の最大絶対固有値が判定
    される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記2行2列の行列の最大絶対固有値
    は、ミーゼス法を用いて判定される請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 2行2列の行列の最大絶対固有値の絶対
    値が所定の値よりも大きいとき、上記第1のステップに
    おいて、3行ND 列の行列を形成するため、上記2行N
    D 列の行列を生成する上記縮小された行列の行を、上記
    縮小された行列の残りの各行と組み合わせ、上記関係し
    た行に対応しない列要素を除くことによって上記3行N
    D 列の行列を3行3列の行列に変換することにより、全
    ての関係した3行3列の行列が設定され、 ある行の上記除かれた列要素の絶対値の和を、対応する
    行の主対角要素が0以上であるとき上記主対角要素に再
    度加算し、上記対角要素が0未満であるとき上記主対角
    要素から上記絶対値の和を減算し、 少なくとも3行3列の各行列の最大絶対固有値が判定さ
    れる請求項2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】 3行3列の行列の上記最大絶対固有値の
    絶対値が所定の値よりも大きいとき、上記第1のステッ
    プにおいて、関連する更に高次の正方行列が対応した方
    法で設定され、上記高次の正方行列の最大絶対固有値が
    検査される請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記縮小された変換行列のある行の行和
    ノルムが所定の値よりも大きいとき、関係したレンジブ
    ロックに対する変換パラメータは上記行和ノルムを上記
    所定の値よりも下に抑えるため調節される請求項1記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 上記2行2列の行列の最大絶対固有値が
    所定の値よりも大きいとき、上記2行2列の行列に関係
    するレンジブロックの変換パラメータは上記最大絶対固
    有値を上記所定の値よりも下に抑えるため調節される請
    求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】 上記3行3列の行列の最大絶対固有値が
    所定の値よりも大きいとき、上記3行3列の行列に関係
    するレンジブロックの変換パラメータは上記最大絶対固
    有値を上記所定の値よりも下に抑えるため調節される請
    求項4記載の方法。
  9. 【請求項9】 収束性判定規準の中の一つが満たされな
    いとき、ドメインブロックの新しい割り当てが少なくと
    も関係するレンジブロックに対し行われ、新しい関係し
    た変換パラメータが上記縮小された変換行列の最大絶対
    固有値を上記所定の値より下に抑えるため決定される請
    求項1乃至5のうちいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 フラクタル画像を符号化する装置に使
    用される請求項1乃至9のうちいずれか1項記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 画像用のフラクタル符号を復号化する
    装置に使用される請求項1乃至9のうちいずれか1項記
    載の方法。
JP9271412A 1996-10-07 1997-10-03 フラクタル画像符号化における収束性検査方法 Pending JPH10155092A (ja)

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