JPH10154302A - 磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録方法

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JPH10154302A
JPH10154302A JP34885497A JP34885497A JPH10154302A JP H10154302 A JPH10154302 A JP H10154302A JP 34885497 A JP34885497 A JP 34885497A JP 34885497 A JP34885497 A JP 34885497A JP H10154302 A JPH10154302 A JP H10154302A
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JP
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signal
recording
audio
audio signal
video
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JP34885497A
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Inventor
Hiroaki Takahashi
宏明 高橋
Takashi Furuhata
隆 降旗
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数モードの映像および音声情報を記録あるい
は再生するシステムを実現する。 【構成】第1の映像情報を、アジマス角の絶対値が第1
の角度をなすように記録し、第1の音声情報および第2
の映像情報および第2の音声情報を、アジマス角の絶対
値が、互いに実質的に等しく、かつ第1の角度よりも実
質的に大きな第2の角度をなすように記録する磁気記録
方法とする。 【効果】複数モードにおける映像情報とこれに付随また
は関連する音声情報の記録を、同一のメカニズムにより
シンプルな構成で実現可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転ヘッド型の磁気記
録方法に関し、特に、家庭用VTRとして普及率の最も
高いVHS方式VTRとの互換性を確保可能で、かつ複
数モードの映像情報、およびこれらに付随または関連す
る音声情報を記録する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、次世代のテレビジョン方式とし
て、水平走査線数を従来の2倍以上に増やした高品位テ
レビが注目されている。日本国内では、日本放送協会が
中心となって開発された、走査線数1125本を有する
ハイビジョン方式に基づき実験放送が行なわれている。
ハイビジョンの本格的な普及のためには、ハイビジョン
を受信するための受信機のみならず、放送を録画するた
めの家庭用VTRが必須となる。ハイビジョン放送では
その高品位な画質に合わせて、音質の優れたディジタル
音声が伝送される。したがって、ハイビジョンに代表さ
れる次世代のテレビに対応した家庭用高品位VTRで
は、音声はディジタル記録が可能であることが要求され
る。
【0003】さらに、消費者側のニーズとして、家庭用
高品位VTRが市場に導入されたとき、これが従来の家
庭用VTR、とりわけ現在普及率の最も高いVHS方式
VTRと互換性を有することが望まれる。ここで言う互
換性とは、仮に、あるフォーマットに従って設計された
高品位VTRが市場に出回ったとして、このVTRがV
HS方式による記録済テープを何らかの形で再生するこ
とができる、ということである。
【0004】従来、家庭用VTRにおいてディジタル音
声信号、いわゆるPCM音声信号を記録する方法として
は、8mmビデオで採用されているような、シリンダに
対するテープの巻きつけ角を180゜以上として、PC
M音声信号をテープのオーバーラップ領域に記録するオ
ーバーラップPCM方式が知られている。しかしなが
ら、この方式を他の家庭用VTR、例えばVHS方式の
VTRに適用した場合、テープ巻きつけ角の変更によっ
て、テープ上の記録パターンが異なってしまい従来方式
との互換性がなくなるという問題が生じる。
【0005】上記の問題を解決する手段としては、特開
昭63−171402号公報に記載のように、PCM音
声信号を、映像信号よりも低い周波数のキャリアによっ
て変調し、上記変調後の音声信号を映像信号用のヘッド
とは別のしかもアジマス角の異なる音声専用ヘッドを用
いて、テープの厚み方向に対して映像信号の下方に記録
する方法が知られている。このような、いわゆる深層記
録方式によれば、従来の映像信号の記録パターンを変更
することなくPCM音声を記録することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記深層
記録方式では、音声信号の記録再生に専用のヘッドが必
要となるという問題が生じる。上記したような家庭用高
品位VTRにおいては、例えばVHS方式VTRとの互
換性を保とうとした場合、シリンダ上に取り付けるべき
ヘッドが、高品位テレビ信号の記録再生のための映像用
ヘッド及び音声用ヘッド、現行のテレビ信号の記録再生
のための映像用ヘッド及び音声用ヘッドと非常に多くな
る結果、コストアップの要因となり、特に大きな問題と
なる。
【0007】従来技術のかかる問題点に鑑み、本発明
は、回転ヘッド型の磁気記録方法において、特に、現在
家庭用VTRとして普及率の最も高いVHS方式VTR
と互換性を確保可能で、かつ複数モードの映像情報、お
よびこれらに付随または関連する音声情報をシンプルな
構成で実現可能の記録方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では以下の方法とする。すなわち、回転ヘッ
ドにより磁気テープに信号を記録する磁気記録方法であ
って、第1の映像信号およびこれに付随する第1の音声
信号を記録し、VHS方式に基づく第1のモードと、第
2の映像信号およびこれに付随する第2の音声信号を記
録し、前記VHS方式とは記録される信号の形態が異な
る第2のモードとを有してなり、前記第1のモードにお
いて、前記磁気テープ上に、前記第1の映像信号をアジ
マス角が±6°をなすように記録し、かつ前記第2の音
声信号をアジマス角が±30°をなすように記録し、前
記第2のモードにおいて、前記磁気テープ上に、前記第
2の映像信号および前記第2の音声信号をアジマス角が
±30°をなすように記録する方法とする。
【0009】
【作用】上記手段によれば、第1のモードにおいて、V
HS方式VTRとの互換性を確保可能とし、かつ、第2
のモードにおいて、VHS方式とは記録される信号の形
態が異なるような、例えば高品位テレビ信号を記録する
ことのできる複数モード対応のVTRを、シンプルな構
成により実現可能の磁気記録方法を提供することができ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。
【0011】図1は、本発明の一実施例を示す図であっ
て、次世代の高品位テレビ信号の一例としてハイビジョ
ン信号、また、現行のテレビ信号の一例としてNTSC
信号のそれぞれの映像信号および音声信号を記録するこ
とのできるVTRの記録システムの構成を示している。
【0012】図1において、1、2、3、4はハイビジ
ョン信号の入力端子であって、それぞれ輝度信号Y,色
信号Pb,Pr,および同期信号Sの入力端子を示して
いる。5はハイビジョン映像信号処理回路、6、7は音
声信号左チャンネルL,右チャンネルRのそれぞれの入
力端子、8はPCM音声信号処理回路、9は加算回路、
10は切り換えスイッチ、11は記録アンプ、15、1
6はハイビジョン信号およびPCM音声信号を記録また
は再生するための磁気ヘッド、12はNTSC信号の入
力端子、13はNTSC信号の処理回路、14は記録ア
ンプ、17、18はNTSC信号を記録または再生する
ための磁気ヘッド、19は磁気テープ、20、21は副
音声信号左チャンネルL’、右チャンネルR’のそれぞ
れの入力端子、22はHi−Fi音声信号処理回路、2
3はバイアス発振回路、24は加算回路である。
【0013】また、図2は回転シリンダ上の磁気ヘッド
の配置を示す図である。
【0014】図2で、30は回転シリンダであり、その
他の部品は、図1に示された部品と同一の部品を示して
いる。ここで、磁気ヘッド15、16のアジマス角はそ
れぞれ+30゜、−30゜となっており、一方、磁気ヘ
ッド17、18のアジマス角はそれぞれ+6゜、−6゜
となっている。また、上記4つのヘッドは図2に示され
るように、シリンダ回転角に対してそれぞれ90゜の角
度をなす位置に配置されている。
【0015】図1において、まずハイビジョン信号を記
録する場合につき説明する。入力端子1、2、3、4よ
りそれぞれ入力された輝度信号Y,色信号Pb,Pr,
および同期信号Sは、ハイビジョン映像信号処理回路5
に送られる。図3にハイビジョン映像信号処理回路5の
一構成例を示す。図3において、51、52、53はそ
れぞれ輝度信号Y,色信号Pb,PrをA/D変換する
ためのA/D変換器、54は上記二つの色信号を線順次
色信号に変換するための線順次化回路、55は同期信号
Sを時間軸の基準として各タイミング信号を生成するタ
イミング信号生成回路、56は所定の容量を有し、線順
次色信号と輝度信号とを時間軸圧縮多重処理(Time
Compressed Integration−T
CI処理)するためのメモリ、57は上記時間軸圧縮多
重処理後の映像信号(TCI信号と称す)をFM変調す
るためのFM変調回路である。図4にTCI信号の一形
態を示す。TCI信号は、図4に示されるように負極同
期信号、再生時の時間軸誤差を検出するためのバースト
信号、線順次色信号及び輝度信号が時間軸上に多重され
た映像信号であり、ハイビジョン信号などの高品位テレ
ビ信号の伝送や記録に多く用いられている信号形態であ
る。上記の構成および機能を有するハイビジョン映像信
号処理回路5にて処理された映像信号は、加算回路9に
入力される。
【0016】一方、ハイビジョン映像信号に付随する音
声信号は、例えば、ステレオ2チャンネルの場合には、
左チャンネル入力端子6、右チャンネル入力端子7のそ
れぞれから入力され、PCM音声信号処理回路8に送ら
れる。図5にPCM音声信号処理回路の一構成例を示
す。図5において、81、82はそれぞれ左チャンネル
入力端子、右チャンネル入力端子より入力された音声信
号をA/D変換するためのA/D変換器、83は入力さ
れたディジタル信号に対してエラー訂正符号を付加する
などの処理を行なうディジタル信号処理回路、84は上
記処理後の信号をテープ上に記録しやすい信号に変換す
るための4相位相変調回路(QPSK変調回路である。
上記構成および機能を有するPCM音声処理回路にて処
理された音声信号は、加算回路9に入力される。
【0017】加算回路9では、アナログ加算回路によっ
て上記FM変調後のハイビジョン信号および4相位相変
調後のPCM音声信号が周波数多重される。図6は多重
後の映像信号および音声信号の周波数軸上の配置を示す
図である。映像信号は上記したようにFM変調されてお
り、その周波数アロケーションは、例えば、同期先端が
20MHz,白ピークが28MHzと定められている。
一方、変調後のPCM音声信号のキャリア周波数は2.
5MHz、また占有帯域幅は±1.3MHzである。こ
のような周波数配置とすることで、映像及び音声間での
妨害を実用上問題のないレベルまで低くすることによ
り、映像信号及びPCM音声信号を同一のヘッドで記録
することができる。次にこの加算信号は、切り換えスイ
ッチ10を経て記録アンプ11に送られる。記録アンプ
11では入力された信号を記録に適したレベルまで増幅
し、記録信号を磁気ヘッド15及び16に供給する。
【0018】磁気ヘッド15及び16は、先に述べたよ
うにアジマス角がそれぞれ+30゜、−30゜となって
いる。このとき、シリンダ20が比較的小径の場合、す
なわち、例えば、直径がVHS方式のVTRと同じ62
mmである場合、上記のような周波数の高い信号を通常
の回転数(1800r/min)で記録すると、テープ
とヘッドの相対速度が5.8m/secと遅いために白
ピークに対応する最短記録波長が0.2μmと非常に短
くなる結果、十分なSN比を得ることが困難となる。こ
のために、本実施例ではシリンダの回転数を上記した通
常回転数の4倍(7200r/min)とし、テープヘ
ッド間の相対速度を23.4m/secと高速化するこ
とで記録波長の短波長化を防ぎ、SN劣化を防止してい
る。本実施例のVTRでは、映像信号の白ピークに対応
する波長は約0.83μmとなり、高いSN比が要求さ
れるハイビジョン信号の記録再生を行なうのに十分実用
的な値となる。
【0019】図7はハイビジョン信号記録時のテープ上
のトラックパターンを示す図である。シリンダの4倍回
転に伴って、映像信号の1フィールドは水平走査線を単
位として4つの部分(セグメントと称する)に分割さ
れ、各セグメントがそれぞれ対応する1本ずつのトラッ
クに記録される。その結果、1フィールドが合計4本の
トラックに分散されて記録される。このような記録方式
はセグメント記録方式と呼ばれており、例えば、特開昭
61−029283にその詳細な技術内容が開示されて
いる。図7で第1フィールドは1、2、3、4で示され
た4本のトラックに分散記録されており、第2フィール
ドは1’、2’、3’、4’で示された4本のトラック
に分散記録されている。また、図中の+、−はそのトラ
ックに対応したヘッドアジマス角の正、負を示してい
る。セグメント記録方式では連続した1つのフィールド
内の映像信号が複数のトラックに分散記録されるため、
トラック間で生じるヘッド切換えに伴って、再生される
1フィールドの映像信号に時間的不連続が生じるという
問題がある。この問題に対しては、上記公開公報に詳し
く述べられているように、各トラックの入側と出側、即
ち、各セグメントのつなぎ目に1ないし2H程度のブラ
キング期間(映像信号の記録されていない期間)を設
け、このブランキング期間中にヘッド切換えを行なうよ
うにすることによって、記録再生過程では映像信号の欠
落または時間的な不連続を一切生じないようにすること
ができる。
【0020】以上述べたように、本実施例では、ハイビ
ジョン信号を記録または再生する場合(ハイビジョンモ
ード)には磁気ヘッド15および16の2つのヘッドの
みを用いることで映像信号並びにPCM音声信号の両方
を記録することができる構成となっている。
【0021】次に、本実施例において、現行のテレビ信
号、例えばNTSC信号を記録または再生する場合につ
き、再び図1を用いて説明する。VTRに記録されるべ
きNTSC信号は、NTSC信号入力端子12より入力
され、NTSC映像信号処理回路13に送られる。NT
SC信号処理回路13では、入力されたNTSC信号に
含まれる輝度信号および色信号が分離され、輝度信号は
FM変調、色信号は低域側に周波数変換処理される。図
8はS−VHS方式における各信号の周波数配置を示し
た図であり、(a)はFM変調後の輝度信号、及び周波
数変換された色信号のスペクトルを模式的に示してい
る。この後、FM変調された輝度信号および周波数変換
された色信号は、記録アンプ14に送られる。記録アン
プ14では記録に適する所定のレベルまで信号が増幅さ
れ、この信号がNTSC映像信号記録再生用ヘッド1
7、18に送られて磁気テープ19に記録される。ヘッ
ド17、18はアジマス角がそれぞれ+6゜、−6゜で
あり、上記したハイビジョン用のヘッド15、16のア
ジマス角±30゜とは異なっている。
【0022】次に、NTSC信号に付随または関連する
音声信号は、S−VHS規格のPCM音声記録方式、お
よびFM音声記録方式いわゆるHi−Fi音声記録方式
に基づき以下のように記録される。即ち、アナログ音声
入力端子6、7より入力された左右2チャンネルの主音
声信号LおよびRは、まず、PCM音声信号処理回路8
に入力される。図5に示した通り、PCM音声処理回路
ではハイビジョン信号に付随する音声信号の処理の場合
と全く同様に、入力された2チャンネルの主音声信号を
A/D変換器にてディジタル信号に変換し、これにエラ
ー訂正用の符号を付加し、その後QPSK変調(4相位
相変調)する。こうして得られたQPSK信号は加算回
路24に送られる。一方、アナログ音声入力端子20、
21より入力された左右2チャンネルの副音声信号L’
およびR’は、Hi−Fi音声信号処理回路22に入力
される。Hi−Fi音声信号処理回路では入力された2
チャンネルの副音声信号を、それぞれ1.3MHz、
1.7MHzをキャリア中心周波数としてFM変調す
る。こうして得られたFM音声信号は、加算回路24に
送られる。加算回路24には、さらにバイアス発振回路
23にて生成される11MHzのバイアス信号が入力さ
れる。このバイアス信号は、上記PCM音声信号および
Hi−Fi音声信号の両方の信号をバイアス記録方式に
て記録するためのものであり、記録過程におけるPCM
音声信号とHi−Fi音声信号の間の干渉を抑圧し、S
N比の良好な再生信号を得るために効果がある。この結
果、加算回路24にはPCM音声信号、FM音声信号、
バイアス信号の3つの信号が入力され、これら3つの信
号が周波数多重される。図8の(b)は上記周波数多重
後の各信号の周波数配置を示している。加算回路24よ
り出力された信号は、10の切り換えスイッチを経由し
て記録アンプ11に送られる。記録アンプ11では入力
された信号が記録に適する所定のレベルまで増幅され、
磁気ヘッド15、16によって磁気テープ19に記録さ
れる。
【0023】図9は、S−VHS方式における磁気テー
プ上のトラックパターンを示している。図中、実線で描
かれた斜めの長方形の部分が映像信号の記録されている
トラックであり、点線で描かれている部分が音声信号の
記録されているトラックである。SPモードにおいては
映像トラックのトラック幅は58μmであり、音声トラ
ックのトラック幅は28μm程度に選ばれることが多
い。このとき、映像信号用ヘッド17、18のアジマス
角は±6゜、音声信号用ヘッド15、16のアジマス角
は±30゜であり、また、音声用ヘッドは、映像用ヘッ
ドに対して1トラック分だけ先行して信号を記録するよ
うに配置されている。図10は、この深層記録方式にお
ける磁性層の磁化状態を模式的に示した図である。図1
0に示されるように、PCM音声信号およびHi−Fi
音声信号は磁気テープの磁性層の厚み方向に対して深層
側に、また映像信号は表層側に記録されているのがわか
る。
【0024】図11は、本実施例のVTRにおける再生
システムの構成を示した図である。
【0025】図11において、部品の番号が図1に記載
の部品番号と一致しているものは、同一の部品を示して
いる。
【0026】今、このVTRに、ハイビジョン信号が記
録されているテープあるいはカセットが挿入されたもの
とする。このときは、テープ上に記録された信号のスペ
クトルの検出、カセットハーフの形状識別、もしくはカ
セットハーフに設けられた識別孔の検出、等の手段によ
って、VTRに挿入されたテープあるいはカセットの識
別がおこなわれ、再生システムがハイビジョン再生モー
ドに設定される。上記再生モードの検出を行なうのが再
生モード検出手段100である。ハイビジョン再生モー
ドでは、シリンダの回転数が4倍回転,すなわち720
0r/minに設定され、磁気ヘッド15、16を用い
て再生が行なわれる。磁気ヘッド15、16によって磁
気テープ19から再生されたハイビジョン信号は、再生
プリアンプ110によって所定のレベルまで増幅され切
り換えスイッチ111に送られる。切り換えスイッチ1
11は、再生モード検出手段100における検出結果に
応じて切り換えられ、ハイビジョンモードではスイッチ
が上方に切り換えられている。切り換えスイッチ111
を経た再生信号は分離回路112に送られ、高域側に記
録されているハイビジョン信号と低域側に記録されてい
るPCM音声信号とに分離される。このうち、ハイビジ
ョン信号はハイビジョン映像信号再生処理回路114に
送られ、一方、PCM音声信号はPCM音声信号再生処
理回路115に送られる。上記2つの信号処理回路で
は、入力された信号に対してそれぞれ所定の処理が施さ
れ、ハイビジョン映像信号再生処理回路114の出力端
子117からは輝度信号Y、同じく端子118、119
からは色信号Pb、Pr、端子120からは同期信号S
が出力される。また、PCM音声信号再生処理回路11
5の出力端子121、122からは、左チャンネル音声
信号L、右チャンネル音声信号Rがそれぞれ出力され
る。
【0027】次に、このVTRに、S−VHS方式に準
拠してNTSC信号の記録されたテープ(カセット)が
挿入された場合の動作について説明する。この場合に
は、まず、再生モード検出手段100により、テープ上
に記録されている信号の種類が識別され、NTSC信号
であることが検出される。シリンダの回転数は通常の1
800r/minに設定され、テープ19より、磁気ヘ
ッド15、16が、テープの深層に記録されたPCM音
声信号およびHi−Fi音声信号を再生し、この信号を
再生プリアンプ110に送る。再生プリアンプ110で
は入力された信号を所定のレベルまで増幅し、切り換え
スイッチ111に送る。S−VHSモードでは、切り換
えスイッチ111は下方になっており、再生された信号
は分離回路113に送られる。分離回路113では、再
生された信号からPCM音声信号とHi−Fi音声信号
を分離し、それぞれPCM音声信号再生処理回路11
5、Hi−Fi音声信号処理回路116に送られる。こ
れら2つの処理回路では入力された信号に対して、それ
ぞれ所定の処理が施され、PCM音声信号再生処理回路
115からは主音声信号LおよびRが、主音声信号出力
端子121、122より出力される。また、Hi−Fi
音声信号再生処理回路116からは副音声信号L’およ
びR’が、副音声信号出力端子123、124より出力
される。一方、NTSC映像信号は磁気ヘッド17、1
8によって再生され、再生プリアンプ130で所定のレ
ベルまで増幅された後、NTSC映像信号再生処理回路
131で所定の処理をされて映像信号出力端子132に
出力される。
【0028】以上のように、本実施例のVTRでは記録
時、再生時ともに、VTRに入力された映像信号の種
類、または磁気テープに記録されている映像信号の種類
に従ってVTRの動作モードが定まり、ハイビジョン信
号、現行のテレビ信号のいずれに対しても、映像信号お
よび音声信号の記録再生が可能となる。
【0029】図12は、本発明の他の実施例における記
録システムの構成を示す図である。図12において、部
品番号が図1における番号と一致しているものは同一の
機能を有する部品である。図12では、ハイビジョン映
像信号処理回路5より出力されたTCI信号は、さらに
時間軸圧縮回路101に入力され、ここで所定の圧縮率
に従って時間軸圧縮処理が行われる。一方、PCM音声
信号処理回路8より出力されたPCM音声信号も、一旦
時間軸圧縮回路102に入力され、ここで時間軸圧縮処
理される。これら2つの時間軸圧縮回路101、102
より出力された信号は2入力の切り替えスイッチ103
に入力され時間軸多重される。
【0030】図13は上記の時間軸圧縮および時間軸多
重処理を模式的に示した波形図である。図13の(a)
で、1トラック分映像信号と示された部分は1トラック
内に記録されるべきTCI信号の時間的な長さを示して
おり、シリンダの回転角では180゜に相当する。上記
TCI信号は時間軸圧縮回路101では、図13の
(b)に示されるように5/6の圧縮率で時間軸圧縮さ
れる。したがって、上記圧縮後のTCI信号の長さはシ
リンダ回転角では150゜に相当する長さとなる。一
方、上記のようにTCI信号の時間軸を圧縮した結果、
1トラックのうちシリンダ回転角にして30゜の部分に
空きが生じる。時間軸圧縮回路102より出力されたP
CM音声信号はこの30゜の部分に記録できるように圧
縮される。すなわち、PCM音声信号の圧縮率は1/6
となる。なお、このときPCM音声信号の変調方式は、
図5に示されるような4相位相変調方式に限らず、圧縮
後のデータ伝送レート、テープ上に記録される信号の周
波数や波長などを考慮して最も適するディジタル変調方
式が選択される。図13の(c)は、時間軸圧縮後のT
CI信号およびPCM音声信号を時間軸多重した後の記
録信号を示したものである。図12において、この時間
軸多重信号は切り替えスイッチ103より出力され、切
り替えスイッチ10を経由して記録アンプ11に送られ
る。図12の他の部品は図1におけるのとまったく同様
の動作をする。
【0031】図14は、上記説明による実施例におけ
る、ハイビジョン信号およびこれに付随または関連する
音声信号のテープ上の記録パターンを示す図である。図
14において、各トラックは2つの部分に分割されてお
り、ヘッド入側が映像信号の記録エリア、一方、ヘッド
出側の斜線で示された部分は音声信号が記録されるエリ
アとなっている。トラック内に示された数字は1フィー
ルド内のセグメント番号を示しており、1、2、3、4
は第1フィールド内の各セグメントを、1’、2’、
3’、4’は第2フィールド内の各セグメントを示して
いる。また、トラック内に記された(+)、(−)はそ
のトラックニ対応するヘッドのアジマス角を示してい
る。図14に示されるようなエリア分割方式で映像信号
および音声信号を記録すれば、記録済のテープに後から
音声信号のみを記録する、いわゆるアフレコ機能に対応
することができる。
【0032】図15は、上記アフレコ機能を実現する他
の実施例を示す図であって、図12における時間軸圧縮
回路101の時間軸圧縮率を1、すなわち、TCI信号
については時間軸圧縮を行わず、時間軸圧縮回路102
の圧縮率を例えば1/9とした場合のテープ上の記録パ
ターンを示している。図15における1本のトラック
で、映像信号記録エリアはシリンダ回転角で180゜に
相当し、斜線で示されたPCM音声記録エリアは20゜
に相当する。このPCM音声記録エリアは、図に示され
たようにVHS方式VTRにおけるリニア音声の記録エ
リアを利用することにより確保することができ、いわゆ
るオーバラップ方式によるPCM音声記録を実現するこ
とができる。また、この方式によればVHS方式VTR
におけるシリンダのリード角を変更する必要がなく、し
たがって、VHS方式VTRとの互換性を保持したまま
でオーバラップ記録を実現できる。
【0033】以上、説明したように、本実施例ではハイ
ビジョン映像信号およびこれに付随するPCM音声信号
の記録再生をする場合には、アジマス角が±30゜の磁
気ヘッド15、16を用い、NTSC映像信号およびこ
れに付随するPCM音声信号並びにHi−Fi音声信号
の記録再生をする場合には、S−VHS方式VTRの規
格の従って映像信号用としては、±6゜のアジマス角を
有する磁気ヘッド17、18を用い、音声信号用として
は、±30゜のアジマス角を有する磁気ヘッド15、1
6を用いるように構成されている。このような構成とす
ることで、ハイビジョン信号の記録再生、およびNTS
C信号の音声信号の深層記録方式による記録再生には、
アジマス角およびトラック幅が共通な同一のヘッドを用
いることが可能となる。この結果、4つの磁気ヘッド1
5、16、17、18による極めてシンプルな構成で、
ハイビジョンおよびNTSCの2つのモードの映像信号
並びに音声信号を記録再生することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転ヘッド型の磁気記録方法において、普及率の最も高
いVHS方式VTRと互換性を確保可能で、かつ複数モ
ードの映像情報、およびこれらに付随または関連する音
声情報をシンプルな構成により実現することが出来る記
録方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す記録システムの構成図
である。
【図2】シリンダ上のヘッド配置を説明する図である。
【図3】ハイビジョン映像信号記録処理回路の構成図で
ある。
【図4】TCI信号の形態を示す図である。
【図5】PCM音声信号処理回路の構成図である。
【図6】ハイビジョンモードにおける各信号の周波数配
置を示す図である。
【図7】ハイビジョン記録時のテープ上のトラックパタ
ーンを示す図である。
【図8】S−VHSモードにおける各信号の周波数配置
を示す図である。
【図9】S−VHSにおけるテープ上のトラックパター
ンを示す図である。
【図10】テープ磁性層の断面図である。
【図11】本発明の一実施例を示す再生システムの構成
図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す記録システムの構
成図である。
【図13】映像信号と音声信号の時間軸多重処理を示す
図である。
【図14】本発明の他の実施例におけるハイビジョン信
号記録時のテープ上のトラックパターンを示す図であ
る。
【図15】本発明の他の実施例におけるハイビジョン信
号記録時のテープ上のトラックパターンを示す図であ
る。
【符号の説明】
1…輝度信号Y入力端子、2…色信号Pb入力端子、3
…色信号Pr入力端子、4…同期信号S入力端子、5…
ハイビジョン映像信号処理回路、6…主音声信号Lch
入力端子、7…主音声信号Rch入力端子、8…PCM
音声信号処理回路、9…加算回路、10…切り換えスイ
ッチ、11…記録アンプ、12…NTSC映像信号Vi
deo入力端子、13…NTSC映像信号処理回路、1
4…記録アンプ、15、16…音声信号、ハイビジョン
映像信号記録再生用磁気ヘッド、17、18…NTSC
映像信号記録再生用磁気ヘッド、19…磁気テープ、2
0…副音声信号L’ch入力端子、21…副音声信号
R’ch入力端子、22…Hi−Fi音声信号処理回
路、23…バイアス発振回路、24…加算回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転ヘッドにより磁気テープに信号を記録
    する磁気記録方法であって、 第1の映像信号およびこれに付随する第1の音声信号を
    記録し、VHS方式に基づく第1のモードと、 第2の映像信号およびこれに付随する第2の音声信号を
    記録し、前記VHS方式とは記録される信号の形態が異
    なる第2のモードとを有してなり、 前記第1のモードにおいて、前記磁気テープ上に、前記
    第1の映像信号をアジマス角が±6°をなすように記録
    し、かつ前記第2の音声信号をアジマス角が±30°を
    なすように記録し、 前記第2のモードにおいて、前記磁気テープ上に、前記
    第2の映像信号および前記第2の音声信号をアジマス角
    が±30°をなすように記録することを特徴とする磁気
    記録方法。
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