JPH1015370A - 撹拌混合方法及び摩擦材の製造方法 - Google Patents

撹拌混合方法及び摩擦材の製造方法

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JPH1015370A
JPH1015370A JP17132396A JP17132396A JPH1015370A JP H1015370 A JPH1015370 A JP H1015370A JP 17132396 A JP17132396 A JP 17132396A JP 17132396 A JP17132396 A JP 17132396A JP H1015370 A JPH1015370 A JP H1015370A
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mixing
stirrer
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Katsuo Arai
勝男 新井
Akinobu Hashimoto
顕宣 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 能率良く、良好な分散状態の摩擦材原料を生
産することのできる撹拌混合方法及び摩擦材の製造方法
を得る。 【解決手段】 略粉粒状の第1種及び第2種の2つの原
材料を撹拌機2に投入して撹拌混合する場合、前記第1
種及び第2種の各原材料は、予め、互いに正負逆の電荷
を帯電させた上で撹拌機2へ投入して、撹拌機2内での
撹拌混合処理におけるそれぞれの材料粒子の絡み付き
を、それぞれの材料粒子に帯電させた正負逆の電荷相互
の吸引作用によって向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の構成成分
(材料)相互が所定の比率で均等に絡み付いた良好な分
散状態の混合物を得ることのできる撹拌混合方法、及
び、その撹拌混合方法を利用した摩擦材の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等のディスクブレーキ用パ
ッドは、先ず、略粉粒状の各種構成成分を撹拌機によっ
て撹拌混合して各種構成成分が良好に分散した摩擦材原
料を形成した後、その摩擦材原料を予備成形金型に投入
して圧縮成形し、次いで、その予備成形品に対して所定
の圧力、温度による熱成形処理を施して本成形品を成形
し、更に、その本成形品に対して後熱処理や研磨処理等
を適宜実施することで、所望形状の摩擦材として完成さ
れる。
【0003】ここに、摩擦材原料の構成成分は、繊維
材、結合材、各種添加材等である。繊維材としては、一
般に、金属繊維や、無機繊維又は有機繊維等が使用され
る。また、結合材としては、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂粉末等が使用され
る。更に、各種添加材としては、例えば、摩擦調整材
や、潤滑材や、機械的強度アップのための増量材等があ
り、摩擦調整材としてはセラミックス粉やゴムダスト、
レジンダスト、金属粉等が、潤滑材としては黒鉛や二硫
化モリブデン等が、そして増量材としては炭酸カルシウ
ムや硫酸バリウム等のフィラーが使用されている。この
ような摩擦材原料は、摩擦材として要求される物理的性
能等に応じて、構成成分相互の配合比が調整されること
になる。
【0004】このような摩擦材原料の構成成分の撹拌混
合方法としては、従来より、構成成分相互を乾燥した状
態のまま撹拌機で撹拌混合処理する乾式の撹拌混合方
法、または、構成成分相互を適度に湿潤させた状態で撹
拌機に投入して撹拌混合処理する湿式の撹拌混合方法が
普及している。
【0005】成形処理の前に行なう摩擦材原料の撹拌混
合処理は、各構成成分の分散を均一化すること、詳しく
は、構成成分中の金属繊維や無機繊維又は有機繊維等の
各繊維材に他の構成成分が所定の比率で均等に絡み付い
た良好な分散状態を得ることを目的としたものである。
例えば、摩擦材原料中に、繊維材に対して一部の構成成
分のみが所定の比率を超えて多量に絡み付いたり、ある
いは繊維材から他の構成成分が分離した偏析状態が生じ
ていると、その摩擦材原料の成形処理時に例えば成形用
金型からの離型が困難になる等の不都合が生じたり、あ
るいは、製造したパッドに摩擦係数の不足部や耐摩耗性
の低下部等の構造欠陥が発生し、パッドの品質を不安定
にする虞がある。
【0006】従って、製造したパッドの品質を安定させ
るためには、前記繊維材に他の構成成分が所定の比率で
均等に絡み付いた良好な分散状態が得られるように、撹
拌処理を最適化することが必要不可欠で、前述した乾式
あるいは湿式の撹拌混合方法においては、撹拌時間や撹
拌速度の最適化が重要なポイントとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、摩擦材原料の
各種構成成分は、粒度、比重、形状、他の成分に対する
絡み付き性(付着性)等の物性が各構成成分毎にかなり
相異しているため、単純な乾式の撹拌混合方法では、繊
維材に他の構成成分が所定の比率で均等に絡み付いた良
好な分散状態を得ることがかなり難しいという問題があ
った。一方、湿式の撹拌混合方法によれば、乾式の場合
と比較して、良好な分散状態を得やすくはなるが、撹拌
混合処理後に乾燥工程が必要になり、該乾燥工程にかな
りの時間がかかって生産性の向上が困難になったり、あ
るいは、湿潤環境で撹拌混合を行なうために構成成分の
選択に制限が生じるという問題があった。
【0008】本発明は上記実情に鑑みなされたものであ
り、粒度、比重、形状、他の成分に対する絡み付き性
(付着性)等の物性にかなりの相異がある材料同士で
も、単純な乾式の撹拌混合方法を利用して、能率良く、
良好な分散状態に撹拌混合することができる撹拌混合方
法を提供することを目的とし、更には、能率良く、良好
な分散状態の摩擦材原料を生産することができ、従っ
て、品質の安定した摩擦材を効率よく製造することので
きる摩擦材の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載した本発明の撹拌混合方法は、略粉粒
状の第1種及び第2種の2つの原材料を撹拌機に投入し
て撹拌混合する場合に、前記第1種及び第2種のそれぞ
れの原材料は、予め、互いに正負逆の電荷を帯電させた
上で撹拌機へ投入し、撹拌機内での撹拌混合処理におけ
る原材料の絡み付きを、それぞれの材料粒子に帯電させ
た電荷相互の吸引作用によって向上させることを特徴と
するものである。
【0010】また、上記目的を達成するための請求項2
に記載した本発明の撹拌混合方法は、略粉粒状の複数種
の原材料を撹拌機に投入して撹拌混合する場合に、2種
の原材料を前記撹拌機へ投入して所定時間の撹拌処理を
実施する投入・撹拌工程を、撹拌混合処理する原材料相
互間における接触帯電列の順位順に、適宜数繰り返すこ
とで摩擦帯電し、当初の複数種の材料全てを撹拌混合す
ることを特徴とするものである。
【0011】さらに、上記目的を達成するための請求項
3に記載した本発明の摩擦材の製造方法は、繊維材を基
材として各種の略粉粒状の摩擦材構成成分を撹拌機によ
り撹拌混合して、前記繊維材に他の構成成分を絡み付か
せた摩擦材原料を形成し、前記摩擦材原料に対して予備
成形処理、熱成形処理等を順次に実施することで、所定
形状の摩擦材とする摩擦材の製造方法において、前記撹
拌機による各摩擦材構成成分相互の撹拌混合処理には、
請求項1又は2に記載の撹拌混合方法を使用して、所定
の摩擦材構成成分を撹拌混合した摩擦材原料を得ること
を特徴とするものである。
【0012】そして、本発明の攪拌混合方法によれば、
略粉粒状の複数種の原材料は、予め静電荷が帯電され
て、あるいは、攪拌混合により摩擦帯電されているの
で、特定の原材料同士の付着力を向上させることがで
き、従って、各原材料を均一に分散させた混合・攪拌物
が得られる。また、上記の攪拌混合方法を使用して、均
一に分散した混合・攪拌物を成形することにより、制動
特性の安定したブレーキ用摩擦材を製造することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る攪拌混合方法
及び摩擦材の製造方法の好適な実施の形態を図面を参照
して詳細に説明する。図1は本発明に係る摩擦材の製造
方法に使用する撹拌混合処理装置の構成を示し、図2は
本発明に係る摩擦材の製造方法の一実施形態を示したも
のである。この撹拌混合処理装置1は、投入された材料
を撹拌混合する撹拌機2と、撹拌機2に材料を投入する
ためのホッパ3と、撹拌混合の対象となる材料をホッパ
3に導く2つの材料供給路4、5と、一方の材料供給路
4に装備されて材料供給路4内を送給される第1種の原
材料粒子Aに正の電荷を帯電させる第1の帯電装置7
と、他方の材料供給路5に装備されて材料供給路5内を
送給される第2種の原材料粒子Bに負の電荷を帯電させ
る第2の帯電装置8と、撹拌混合処理装置1の撹拌混合
処理を終えた撹拌物を一方の材料供給路4に戻す再処理
送給路10と、撹拌混合処理装置1の撹拌混合処理を終
えた最終撹拌物を取り出す排出路11とを具備して構成
され、2つの材料供給路4、5からホッパ3を介して投
入される2種類の原材料を撹拌機2で撹拌混合する。
【0014】第1の帯電装置7および第2の帯電装置8
は、不要な場合には、動作を止めることができる。ま
た、撹拌機2は、撹拌速度や撹拌時間が任意に設定可能
にされている。
【0015】本発明の一実施形態の摩擦材の製造方法
は、繊維材や結合材や摩擦調整材や潤滑材等の各種の略
粉粒状の摩擦材構成成分を前述の撹拌混合処理装置1に
よって撹拌混合して、前記繊維材に他の構成成分を絡み
付かせた摩擦材原料を形成し、前記摩擦材原料に対して
予備成形処理、熱成形処理等を順次に実施することで、
所定形状の摩擦材とするもので、撹拌混合処理装置1に
よる撹拌混合処理に特徴を有している。
【0016】さらに詳述すると、本発明に係る摩擦材の
製造方法は、前記撹拌混合処理装置1において2種の原
材料を前記撹拌機2へ投入して所定時間の撹拌処理を実
施する投入・撹拌工程を適宜回数繰り返すことで、摩擦
材原料の構成成分である複数の材料全てを撹拌混合させ
るものである。前記撹拌混合処理装置1による投入・撹
拌工程は、図2に示すように、最初に絡み付き(付着
性)が著しく悪い材料同士の撹拌混合に有効な積極帯電
による撹拌混合方法(ステップ101)と、絡み付きが
それほど悪くない材料同士の撹拌混合に有効な摩擦帯電
による撹拌混合方法(ステップ201)とを順に行なう
ものである。
【0017】ステップ101に示した積極帯電による撹
拌混合方法とは、略粉粒状の第1種及び第2種の2つの
原材料を材料供給路4、5を介して撹拌機2に投入して
撹拌混合する場合に、前記第1種及び第2種のそれぞれ
の原材料は、供給路上のそれぞれの帯電装置7、8によ
って互いに正負逆の電荷を帯電させた上で、撹拌機2へ
投入し、撹拌機2内での撹拌混合処理における原材料の
絡み付きを、それぞれの材料粒子に帯電させた電荷相互
の吸引作用によって向上させるものである。
【0018】ステップ201に示した摩擦帯電による撹
拌混合方法とは、2種の原材料を材料供給路4、5を介
して前記撹拌機2へ投入して所定時間の撹拌処理を実施
する投入・撹拌工程を、撹拌混合処理する材料相互間に
おける接触帯電列の順位順に、適宜数繰り返すことで摩
擦帯電し、当初の複数種の原材料全てを撹拌混合して撹
拌物を得るものである。
【0019】これらのステップ101、201の処理
は、必要に応じて、適宜数繰り返すことができる。
【0020】実際の撹拌混合処理を、車両のディスクブ
レーキのパッド等に使用される摩擦材の摩擦材原料の場
合で説明する。摩擦材原料を構成する略粉粒状の各種構
成成分が、主成分の繊維材にはポリアミド繊維、結合材
には熱硬化性樹脂粉末であるフェノール樹脂、機械的強
度アップ兼増量材には炭酸カルシウム等のフィラー、潤
滑材には黒鉛、摩擦材調整材にはゴムダストを使用する
構成の場合、これらの各構成成分相互は、粒度、比重、
形状、他の成分に対する絡み付き性(付着性)等の物性
にかなりの相違がある。
【0021】そして、摩擦調整材として添加されるゴム
ダストは、絡み付き性(付着力)が非常に弱く、他の構
成成分と一緒に通常に撹拌混合をした場合には、繊維材
として投入されるポリアミド繊維に均質に絡み付かせる
ことが、極めて難しい。そこで、このように付着力が著
しく弱い材料同士を撹拌混合する場合には、前述したス
テップ101に示した積極帯電による撹拌混合方法で撹
拌混合する。
【0022】具体的には、ポリアミド繊維とゴムダスト
と2つの材料を、これらの材料相互の接触帯電列(接触
帯電列上では、ポリアミド繊維の方がゴムダストよりも
正電荷側に位置する)に従って、ポリアミド繊維は材料
供給路4を介して投入し、ゴムダストは材料供給路5か
ら投入する。それぞれの供給路上の帯電装置7、8は予
め作動させておいて、材料供給路4を通るポリアミド繊
維の粒子には正の電荷を帯電させ、材料供給路5を通る
ゴムダストの粒子には負の電荷を帯電させる。
【0023】そして、正負逆の電荷が帯電したポリアミ
ド繊維とゴムダストとを撹拌機2で撹拌すると、撹拌混
合処理自体は単純な乾式の撹拌混合であっても、正負逆
の電荷が帯電したポリアミド繊維とゴムダストとは電荷
相互の吸引作用によって積極的に付着し合い、かつ、同
じ電荷が帯電しているポリアミド繊維同士またはゴムダ
スト同士は電荷相互の反発作用によって離散し合うた
め、撹拌機2内の物理的な撹拌動作と相俟って、同じ材
料同士は効率良く離散し、かつ異なった材料同士は効率
良く付着し合い、ポリアミド繊維にゴムダストが所定の
比率で均等に絡み付いた良好な分散状態を得ることがで
きる。
【0024】残っているフェノール樹脂、炭酸カルシウ
ム等のフィラー、潤滑材としての黒鉛等のその他の構成
成分は、前述のゴムダストの場合と比較すれば、ポリア
ミド繊維に付着しやすい。そこで、残ったこれらの構成
成分は、前述のステップ201に示した摩擦帯電による
撹拌混合方法によって、これらの構成成分相互間におけ
る接触帯電列の順位順に一成分毎に繰り返し実施するこ
とで、先に撹拌混合処理したポリアミド繊維とゴムダス
トの撹拌物に加えていく。
【0025】即ち、残った構成成分の接触帯電列が、図
3に示すように、正電荷側から、炭酸カルシウムのフィ
ラー、フェノール樹脂、黒鉛であれば、最初は、先の撹
拌混合処理の生成物(即ち、ポリアミド繊維とゴムダス
トの撹拌物)を再処理送給路10により一方の材料供給
路4に戻すと共に、炭酸カルシウムのフィラーを他方の
材料供給路5に送給して、先の生成物と炭酸カルシウム
のフィラーに所定の撹拌混合を実施する。
【0026】次いで、その生成物(即ち、ポリアミド繊
維とゴムダストと炭酸カルシウムのフィラーとの撹拌
物)である撹拌物を一方の材料供給路4に戻すと共に、
フェノール樹脂を他方の材料供給路5に送給して、同様
に所定の撹拌混合を繰り返す。さらに、その生成物(即
ち、ポリアミド繊維とゴムダストと炭酸カルシウムのフ
ィラーとフェノール樹脂との撹拌物)である撹拌物を一
方の材料供給路4に戻すと共に、黒鉛を他方の材料供給
路5に送給して、同様に所定の撹拌混合を実施する。
【0027】以上の摩擦帯電による撹拌混合方法の場合
は、帯電装置7、8は作動させずに材料の投入を行な
う。材料粒子への帯電は、撹拌混合処理時の材料粒子相
互の摩擦によっても起こる。そして、この摩擦による帯
電で、正負どちらの電荷が帯電するかは、物質相互間に
おける帯電傾向を示す接触帯電列上の順位に従って決
る。即ち、接触帯電列上で、正電荷側に位置する第1種
の原材料と、この第1種の原材料よりも負電荷側に位置
する第2種の原材料とを撹拌処理によって摩擦させる
と、第1種の原材料の粒子には正の電荷が帯電し、第2
種の原材料の粒子には負の電荷が帯電する。
【0028】帯電の程度は、撹拌処理時の摩擦の程度に
比例する。従って、予め専用の帯電装置7、8を用いて
帯電処理した積極帯電による撹拌混合方法の場合と比較
すると、帯電の程度をコントロールすることが難しくな
るが、予め帯電装置7、8を用いて帯電処理した場合と
同様に、それぞれの材料粒子に帯電した電荷相互の吸引
作用や反発作用によって、撹拌混合時の分散性を向上さ
せることができる。
【0029】従って、以上のように接触帯電列に従って
順に構成成分を撹拌混合すれば、摩擦帯電した電荷によ
る吸引作用や反発作用を有効に活用して、撹拌混合時の
分散性を向上させることができ、ポリアミド繊維に他の
構成成分が所定の比率で均等に絡み付いた良好な分散状
態の摩擦材原料を効率良く生産することができ、品質の
安定した摩擦材を効率よく製造することが可能になる。
そして、このように、各材料の接触帯電列の順に従っ
て、2種の材料の投入・撹拌工程を繰り返し実施する撹
拌混合方法の場合には、専用の帯電装置7、8が不要
で、安価な設備で、良好な分散性の撹拌物を得ることが
可能になる。
【0030】なお、以上の一実施形態で示した積極帯電
による撹拌混合方法や摩擦帯電による撹拌混合方法は、
略粉粒の複数の材料を撹拌混合により均一に分散させる
場合に広く利用でき、用途が摩擦材原料の撹拌混合処理
に限定されるものではない。
【0031】
【発明の効果】以上記載したとおり、本発明に係る撹拌
混合方法では、撹拌機自体の撹拌混合処理自体は単純な
乾式の撹拌混合であっても、正負逆の電荷が帯電させた
材料粒子相互は、電荷相互の吸引作用によって積極的に
付着し合い、かつ、同じ電荷が帯電している材料粒子同
士は電荷相互の反発作用によって離散し合うため、撹拌
機内の物理的な撹拌動作と相俟って、同じ材料同士は効
率良く離散し、かつ異なった材料同士は効率良く付着し
合い、付着性の弱い材料粒子を添加撹拌するような場合
でも、一方の材料粒子に対して他方の材料粒子が所定の
比率で均等に絡み付いた良好な分散状態を得ることがで
きる。また、材料粒子への帯電は、撹拌混合処理時の材
料粒子相互の摩擦によっても起こる。そして、この摩擦
による帯電で、正負どちらの電荷が帯電するかは、物質
相互間における帯電傾向を示す接触帯電列上の順位に従
って決り、例えば、接触帯電列上で、正電荷側に位置す
る第1種の原材料と、この第1種の原材料よりも負電荷
側に位置する第2種の原材料とを撹拌処理によって摩擦
させると、第1種の原材料の粒子には正の電荷が帯電
し、第2種の原材料の粒子には負の電荷が帯電する。そ
の場合の帯電の程度は、撹拌処理時の摩擦の程度に比例
する。従って、予め専用の帯電装置を用いて帯電処理し
た場合と比較すると、帯電の程度をコントロールするこ
とが難しくなるが、予め専用の帯電装置を用いて帯電処
理した場合と同様に、それぞれの材料粒子に帯電した電
荷相互の吸引作用や反発作用によって、撹拌混合時の分
散性を向上させることができる。従って、撹拌混合する
材料が3種以上の複数種の場合、それらの材料相互の接
触帯電列を調べ、本発明の撹拌混合方法を実施すれば、
摩擦帯電した電荷による吸引作用や反発作用を有効に活
用して、撹拌混合時の分散性を向上させることができ、
複数種の材料粒子が均一に絡み合った良好な分散状態の
撹拌物を得ることが可能になる。しかも、専用の帯電装
置が不要で、安価な設備で、良好な分散性の撹拌物を得
ることが可能になる。また、自動車等のディスクブレー
キのパッドとして使用される摩擦材の原料となる摩擦材
原料は、繊維材、結合材、各種添加材等の各種構成成分
を撹拌混合したもので、各構成成分相互は、粒度、比
重、形状、他の成分に対する絡み付き性(付着性)等の
物性にかなりの相異があり、例えば、摩擦調整材として
添加されるゴムダストは、付着力が非常に弱く、他の構
成成分と一緒に通常に撹拌混合をした場合には、繊維材
として投入したポリアミド繊維に均質に絡み付かせるこ
とが、極めて難しい。しかし、繊維材として投入するポ
リアミド繊維と摩擦調整材としてのゴムダストとを、こ
れらの材料相互の接触帯電列に従って、予め、ポリアミ
ド繊維には正の電荷を帯電させると共にゴムダストには
負の電荷を帯電させた上で撹拌機に投入して撹拌混合を
実施すると、撹拌混合処理自体は単純な乾式の撹拌混合
であっても、前述した電荷相互間に働く吸引作用、反発
作用によって、ポリアミド繊維にゴムダストが所定の比
率で均等に絡み付いた良好な分散状態を得ることができ
る。また、結合材としての熱硬化性樹脂粉末であるフェ
ノール樹脂、機械的強度アップ兼増量材としての炭酸カ
ルシウム等のフィラー、潤滑材としての黒鉛等のその他
の構成成分は、前述のゴムダストの場合と比較すれば、
ポリアミド繊維に付着し易い。そこで、残ったこれらの
構成成分は、2種の材料を撹拌機へ投入して所定時間の
撹拌処理を実施する投入・撹拌工程を、これらの構成成
分相互間における接触帯電列の順位順に一成分毎に繰り
返し実施する撹拌混合方法を利用することで、ポリアミ
ド繊維にその他の全ての構成成分が所定の比率で均等に
絡み付いた良好な分散状態の摩擦材原料を効率良く生産
することができ、品質の安定した摩擦材を効率よく製造
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撹拌混合方法を実施する撹拌混合
処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る摩擦材の製造方法の一実施形態の
処理手順を示すフローチャートである。
【図3】摩擦材原料の構成成分(材料)相互間の接触帯
電列の説明図である。
【符号の説明】
1 撹拌混合処理装置 2 撹拌機 3 ホッパ 4、5 材料供給路 7 第1の帯電装置 8 第2の帯電装置 10 再処理送給路 11 排出路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略粉粒状の第1種及び第2種の2つの原
    材料を撹拌機に投入して撹拌混合する場合に、前記第1
    種及び第2種のそれぞれの原材料は、予め、互いに正負
    逆の電荷を帯電させた上で撹拌機へ投入し、 撹拌機内での撹拌混合処理における原材料の絡み付き
    を、それぞれの材料粒子に帯電させた電荷相互の吸引作
    用によって向上させることを特徴とする撹拌混合方法。
  2. 【請求項2】 略粉粒状の複数種の原材料を撹拌機に投
    入して撹拌混合する場合に、2種の原材料を前記撹拌機
    へ投入して所定時間の撹拌処理を実施する投入・撹拌工
    程を、撹拌混合処理する原材料相互間における接触帯電
    列の順位順に、適宜数繰り返すことで摩擦帯電し、当初
    の複数種の原材料全てを撹拌混合することを特徴とする
    撹拌混合方法。
  3. 【請求項3】 繊維材を基材として各種の略粉粒状の摩
    擦材構成成分を撹拌機により撹拌混合して、前記繊維材
    に他の構成成分を絡み付かせた摩擦材原料を形成し、前
    記摩擦材原料に対して予備成形処理、熱成形処理等を順
    次に実施することで、所定形状の摩擦材とする摩擦材の
    製造方法において、 前記撹拌機による各摩擦材構成成分相互の撹拌混合処理
    には、請求項1又は2に記載の撹拌混合方法を使用し
    て、所定の摩擦材構成成分を撹拌混合した摩擦材原料を
    得ることを特徴とする摩擦材の製造方法。
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