JPH10153179A - 圧縮機の異常保護装置および冷凍サイクル装置 - Google Patents

圧縮機の異常保護装置および冷凍サイクル装置

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JPH10153179A
JPH10153179A JP31191396A JP31191396A JPH10153179A JP H10153179 A JPH10153179 A JP H10153179A JP 31191396 A JP31191396 A JP 31191396A JP 31191396 A JP31191396 A JP 31191396A JP H10153179 A JPH10153179 A JP H10153179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機の異常たとえば液圧縮に際し圧縮機の
十分な安全を確保できる圧縮機の異常保護装置および冷
凍サイクル装置を提供する 【解決手段】 ブラシレス直流モータ40の回転により
冷媒を吸込んで圧縮する圧縮機1がある。この圧縮機1
におけるブラシレス直流モータ40のロータ42の1回
転を複数の区間に分け、各区間におけるロータ42の回
転速度を検出し、検出した回転速度に応じて圧縮機1の
異常を検出する。異常検出に際しては、圧縮機1の吸込
冷媒量(液冷媒の吸込量)を低減して圧縮機を保護す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧縮機の異常時
の保護を行う圧縮機の異常保護装置および冷凍サイクル
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機や冷蔵庫などのいわゆる冷凍
装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、および蒸発器などを
順次に配管接続した冷凍サイクルを備える。圧縮機は、
密閉ケースにモータを収容し、そのモータの動力によっ
て冷媒を吸込み圧縮する。
【0003】このような冷凍サイクルでは、蒸発器で蒸
発しきれなかった液冷媒がそのまま圧縮機に吸込まれる
ことによる、いわゆる液圧縮を生じることがある。この
液圧縮は、圧縮機故障の大きな要因となる。
【0004】すなわち、液圧縮が生じると、圧縮室内の
圧力が異常上昇し(リギッドハンマリング現象)、吐出
弁の破損、シャフト軸のかじり、シリンダの破損、吐出
マフラの破損などに波及する。圧縮機ばかりでなく、圧
縮機に接続のパイプや部品が破損するなど、冷凍サイク
ル全体の故障に波及することもある。
【0005】対策として、冷凍サイクルの低圧側にアキ
ュームレータを設ける、冷凍サイクルの冷媒封入量をな
るべく少なくする、膨張弁によるスーパヒート制御を行
う、圧縮機モータの最高回転数をインバータにより制限
する、圧縮機の起動時の回転数をインバータにより徐々
に上げるなど、種々の工夫がなされている。
【0006】冷媒の吸込管がシリンダに直接的に接続さ
れ且つケース内圧力がそのまま冷凍サイクルの高圧側圧
力となるようなロータリ形やスクロール形の圧縮機を持
つ冷凍サイクルの場合、あるいは冷媒量の多い冷凍サイ
クルの場合、アキュームレータの設置は必須となってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アキュームレ
ータがあっても、それだけで全ての問題を解決できるこ
とにはならない。たとえば、据付け現地で冷媒の追加調
整を要するタイプの冷凍サイクルでは、冷媒が過充填さ
れることがある。過充填がなされると、たとえアキュー
ムレータがあっても、圧縮機への液冷媒の吸込みは避け
られない。
【0008】この発明は上記の事情を考慮したもので、
その目的とするところは、圧縮機の異常たとえば液圧縮
に際し圧縮機の十分な安全を確保できる圧縮機の異常保
護装置を提供することにある。また、この発明は、圧縮
機の異常たとえば液圧縮に際し圧縮機の十分な安全を確
保できる冷凍サイクル装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明の圧縮機の異
常保護装置は、圧縮機のロータの1回転を複数の区間に
分け、各区間におけるロータの回転速度を検出する速度
検出手段と、この速度検出手段により検出される回転速
度に応じて圧縮機の異常を検出する異常検出手段と、こ
の異常検出手段が異常を検出したとき、圧縮機を保護す
る保護手段と、を備える。
【0010】第2の発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機
および弁開度の制御が可能な膨張弁を備えた冷凍サイク
ルと、上記圧縮機のロータの1回転を複数の区間に分
け、各区間におけるロータの速度を検出する速度検出手
段と、この速度検出手段により検出される回転速度に応
じて圧縮機の異常を検出する異常検出手段と、この異常
検出手段が異常を検出したとき、上記膨張弁の開度を絞
る開度制御手段と、を備える。
【0011】第3の発明の圧縮機の異常保護装置または
冷凍サイクル装置は、第1の発明または第2の発明にお
いて、異常検出手段は、圧縮機の指令回転速度と速度検
出手段の検出速度との差に基づき異常を検出する。
【0012】第4の発明の圧縮機の異常保護装置または
冷凍サイクル装置は、第1の発明または第2の発明にお
いて、異常検出手段は、各区間のうち所定の区間におけ
る、速度検出手段の現時点の検出結果と前回の検出結果
との差に基づき、異常を検出する。
【0013】第5の発明の圧縮機の異常保護装置または
冷凍サイクル装置は、第1の発明または第2の発明にお
いて、異常検出手段は、各区間のうち所定の区間におけ
る速度検出手段の検出結果と、その所定の区間より1つ
手前の区間における速度検出手段の検出結果との差に基
づき、異常を検出する。
【0014】第6の発明の圧縮機の異常保護装置は、第
1、第3、第4、および第5の発明のいずれかにおい
て、保護手段は、異常検出時、圧縮機の吸込冷媒量を低
減する。
【0015】第7の発明の圧縮機の異常保護装置は、第
6の発明において、保護手段は、異常検出時、圧縮機の
回転速度を所定値だけ低下させる。第8の発明の圧縮機
の異常保護装置は、第1の発明において、圧縮機が接続
された冷凍サイクルを備え、この冷凍サイクルに、開放
により冷媒をバイパスさせるバイパス回路を備え、保護
手段は、異常検出時に上記バイパス回路を開放する。
【0016】第9の発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機
の異常を検出する異常検出手段と、この異常検出手段が
異常を検出したとき、上記圧縮機の吸込冷媒量を低減す
る保護手段と、上記異常検出手段が異常を検出したとき
の空気調和機の運転状態に関する複数のデータを記憶す
る記憶手段と、空気調和機の運転状態が上記記憶手段に
記憶されている状態と一致するとき、上記保護手段の前
回の動作結果に応じて圧縮機の吸込冷媒量を制御する第
2の保護手段と、を備える。
【0017】第10の発明の冷凍サイクル装置は、第9
の発明において、異常検出手段は、圧縮機のロータの1
回転を複数の区間に分け、各区間におけるロータの回転
速度に応じて圧縮機の異常を検出する。第11の発明の
冷凍サイクル装置は、第9の発明において、異常検出手
段は、圧縮機の運転電流に応じて圧縮機の異常を検出す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例につい
て図面を参照して説明する。一実施例として、空気調和
機への適用を説明している。図1に示すように、圧縮機
1の吐出口に四方弁2を介して室外熱交換器3が配管接
続される。この室外熱交換器3に電動膨張弁4を介して
室内熱交換器5が配管接続される。そして、室内熱交換
器5に上記四方弁2を介して圧縮機1の吸込口が配管接
続される。電動膨張弁4は、供給される駆動パルスの数
(pls )に応じて開度が変化する。
【0019】この配管接続により、冷房および暖房が可
能なヒートポンプ式冷凍サイクルが構成される。なお、
アキュームレータは設けていない。冷房時は、圧縮機1
から吐出される冷媒が図示実線矢印の方向に流れ、室外
熱交換器3が凝縮器、室内熱交換器5が蒸発器として機
能する。
【0020】暖房時は、四方弁2の切換により、圧縮機
1から吐出される冷媒が図示破線矢印の方向に流れ、室
内熱交換器5が凝縮器、室外熱交換器3が蒸発器として
機能する。
【0021】圧縮機1の吐出口と四方弁2との間の高圧
側配管にバイパス回路(配管)6の一端が接続され、そ
のバイパス回路6の他端が室外熱交換器3と電動膨張弁
4との間の液側配管に接続される。そして、バイパス回
路6の中途部に二方弁7が設けられる。
【0022】室外熱交換器3に対し室外ファン8が設け
られる。この室外ファン8の運転により、室外熱交換器
3に室外空気が供給される。室内熱交換器5に対し室内
ファン9が設けられる。この室内ファン9の運転によ
り、室内空気が室内熱交換器5を通して循環する。そし
て、室内ファン9の吸込風路に室内温度センサ10が設
けられる。
【0023】圧縮機1の密閉ケース(後述する)にケー
ス温度センサ11が取付けられる。室外熱交換器3に熱
交換器温度センサ12が取付けられる。室内熱交換器5
に熱交換器温度センサ13が取付けられる。
【0024】圧縮機1は、図2に示すように、密閉ケー
ス31で覆われている。この密閉ケース31の下部に吸
込管32が取付けられ、上部に吐出管33が取付けられ
る。さらに、密閉ケース31の上部にターミナル端子3
4が設けられる。
【0025】密閉ケース31の内部には、電動機部とし
てブラシレス直流モータ40が収容されるとともに、圧
縮機部50が収容される。ブラシレス直流モータ40
は、ステータ41およびロータ42からなる。ステータ
41の内周面には多数の巻線収容スロットが配列され、
これらスロットに複数の相巻線43が埋め込み装着され
る。ロータ42は、円盤状の多数枚の鋼板を軸方向に積
層し、芯となる部分にシャフト44を通すとともに、そ
のシャフト44を囲む位置にたとえば4つの永久磁石片
を収容している。
【0026】ステータ41の各相巻線43に対する通電
が順次切換えられることにより(転流)、各相巻線43
に順次に磁界が生じ、それとロータ42の各永久磁石片
が作る磁界との相互作用により、ロータ42に回転トル
クが生じる。
【0027】圧縮機部50は、上記シャフト44を支持
するためのメインベアリング51およびサブベアリング
52を有し、この両ベアリング51,52間にシリンダ
53を有する。シリンダ53内にはシャフト44の偏心
部44aが収容される。この偏心部44aの外周にロー
ラ54が装着され、そのローラ54の周りに圧縮室55
が形成される。圧縮室55には吸込口56が連通され、
その吸込口56に上記吸込管32が連通される。また、
シリンダ53において、圧縮室55と対応する位置に吐
出口(図示しない)が形成される。
【0028】ブラシレス直流モータ40が駆動されてロ
ータ42およびシャフト44が回転することにより、圧
縮機部50のローラ54が偏心回転し、圧縮室55に吸
入圧が生じる。この吸入圧によって吸込管32から圧縮
室55に冷媒が吸込まれる。吸込まれた冷媒は圧縮室5
5で圧縮された後、上記吐出口から密閉ケース31内へ
吐出される。密閉ケース31内へ吐出された冷媒は、上
記吐出管33を介して上記冷凍サイクルに供給される。
【0029】密閉ケース31の内底部には潤滑油(図示
しない)が収容される。この潤滑油は、圧縮機部50の
機械的な潤滑作用を確保するとともに、圧縮機部50を
冷却するためのものである。
【0030】一方、商用交流電源20にインバータ回路
21が接続される。インバータ回路21は、電源電圧を
整流し、それを複数のスイッチング素子のオン・オフに
より後述の制御部23からの指令に応じた周波数の電圧
に変換して出力するもので、出力のディジタル制御が可
能である。このインバータ回路21の出力は、圧縮機1
の上記ターミナル端子34を介してブラシレス直流モー
タ40に駆動電力として供給される。
【0031】インバータ回路21とブラシレス直流モー
タ40との接続ラインに位置検知回路22が接続され
る。位置検知回路22は、ブラシレス直流モータ40の
各相巻線のうち非通電相巻線に生じる誘起電圧を取込
み、その取込み電圧のレベルと基準値との比較に基づき
ブラシレス直流モータ40のロータ42の回転位置を検
知する。
【0032】制御部23は、空気調和機の全般にわたる
制御を行う。この制御部23に、上記四方弁2、電動膨
張弁4、二方弁7、室外ファン8、室内ファン9、室内
温度センサ10、ケース温度センサ11、インバータ回
路21、位置検知回路22、は受光部24が接続され
る。
【0033】受光部24は、リモートコントロール式の
操作器(以下、リモコンと略称する)25から発せられ
る運転条件設定用の赤外線光を受光する。制御部23
は、主要な機能手段として次の[1]ないし[7]を備
える。
【0034】[1]室内温度センサ10の検知温度Ta
をリモコン25の設定室内温度Tsに収束させるべく、
圧縮機1の回転速度(=ブラシレス直流モータ40の回
転速度)を指令する手段。
【0035】[2]ブラシレス直流モータ40の各相巻
線を励磁するための相電圧をインバータ回路11から順
次に出力させ、その各相電圧のオン・オフデューティを
上記指令される回転速度に応じて調節し、かつ各相電圧
の出力タイミング(=出力周波数)を位置検知回路22
で検知される回転位置に基づき制御する回転速度制御手
段。
【0036】[3]圧縮機1のブラシレス直流モータ4
0のロータ42の1回転を複数の区間(ブラシレス直流
モータ40が4極3相なら12区間)に分け、各区間に
おけるロータ42の回転速度を検出する速度検出手段。
【0037】[4]速度検出手段により検出される回転
速度に応じて圧縮機1の異常を検出する異常検出手段。 [5]異常検出手段が異常を検出したとき、圧縮機1を
保護する第1の保護手段。
【0038】[6]異常を検出した時の状況データを記
憶する記憶手段。 [7]次回の運転時に、状況に応じ記憶したデータ(状
況データ)を基に異常発生を回避して運転を継続する第
2の保護手段。
【0039】つぎに、上記の構成の作用を説明する。運
転中、室内温度センサ10の検知温度Taとリモコン2
5の設定室内温度Tsとの差に応じて圧縮機1の回転速
度(ブラシレス直流モータ40の回転速度)が制御され
る。この回転速度制御により、室内温度Taが設定室内
温度Tsへ向け変化する。
【0040】この運転中において、圧縮機1の1回転中
の速度が常に監視され、この速度が大きく低下した時、
液圧縮状態等の異常発生と判断する。そして、この異常
発生時には、その時の圧縮機1の回転速度が所定値だけ
(本実施例では16rps )低下される。同時に、この時の
運転状況、たとえば冷媒の凝縮器・蒸発器温度や外気温
度などが検出され、この運転状況データに対応付けられ
て異常発生時の圧縮機1の回転速度が異常時回転速度デ
ータ値Sabとして記憶される。さらに、この際、低下さ
せられた圧縮機1の回転速度(Sab−16rps )が回転速
度制限データ値Smax(Tc,Te)として運転状況データに対
応付けて記憶される。
【0041】以後、運転中は、異常発生時と同じ運転状
況下で、圧縮機1の回転速度(指令値)が回転速度制限
データ値Smax(Tc,Te)を超える場合、一旦Smax(Tc,Te)
にて回転速度上昇を抑え、その後、所定時間ごとに徐々
に圧縮機1の回転速度を上昇させる(本実施例では 5分
ごとに2rps)。但し、圧縮機1の回転速度が異常時回転
速度データ値Sabを超えることがないよう制限される。
【0042】すなわち、一旦異常が検出された場合、そ
の後、異常発生時と同じ状況下では、異常発生時の圧縮
機回転速度を超えることがなく、かつ異常発生時の圧縮
機回転速度に至るまで低い圧縮機回転速度から徐々に回
転速度を上昇させる。この結果、最終的には異常時回転
速度データ値Sabと回転速度制限データ値Smax(Tc,Te)
が一致するようになる。そして、この時の異常時回転速
度データ値Sabがそのときの状況下で圧縮機1が異常発
生なく運転可能な許容最大回転速度となる。したがっ
て、種々の状況下で予め実験的に許容最大回転速度を定
めておく必要がなくなる。
【0043】また、空気調和機の設置条件によってこの
許容最大回転速度は異なるが、予め実験的に許容最大回
転速度を定める場合、安全許容度を大きくとって、許容
最大回転速度を低い値に設定する必要がある。しかしな
がら、本制御によれば、空気調和機自身がその設置状況
における最適な許容最大回転速度を決定するため、許容
最大回転速度が低い値に制限されることはない。
【0044】回転速度制御の具体例を図3のフローチャ
ートに示している。指令回転速度Fが取込まれるととも
に(ステップ101 )、熱交換器温度センサ12,13の
検知温度である凝縮器温度Tcと蒸発器温度Teが読込
まれる(ステップ102 )。
【0045】続いて、凝縮器温度Tcと蒸発器温度Te
に対応付けられている回転速度制限データ値Smax(Tc,T
e)が制御部23のメモリから読出され(ステップ103
)、それと指令回転速度Fとが比較される(ステップ1
04 )。
【0046】指令回転速度Fが回転速度制限データ値S
max(Tc,Te)と同じまたはそれより大きく(ステップ104
のYES )、かつ指令回転速度Fが前回の値と変わってい
る場合には(ステップ105 のYES )、目標回転速度Fn
としてSmax(Tc,Te)が決定される(ステップ106 )。そ
して、圧縮機1の回転速度を徐々に上昇させるためのタ
イマT1 がリセットされて再スタートされた後(ステッ
プ107 )、圧縮機1が目標回転速度Fnとなるようイン
バータ駆動がなされる(ステップ108 )。
【0047】指令回転速度Fが回転速度制限データ値S
max(Tc,Te)より小さい場合には(ステップ104 のNO)、
目標回転速度Fnとして指令回転速度Fがそのまま決定
される(ステップ109 )。そして、圧縮機1が目標回転
速度Fnとなるようインバータ駆動がなされる(ステッ
プ108 )。
【0048】指令回転速度Fが回転速度制限データ値S
max(Tc,Te)と同じまたはそれより大きく(ステップ104
のYES )、かつ指令回転速度Fが前回の値と変わりない
場合には(ステップ105 のNO)、タイマT1 のカウント
値と設定値Tset とが比較される(ステップ110 )。
【0049】カウント値が例えば 5分である設定値Tse
t に達しないうちは(ステップ110のNO)、目標回転速
度Fnに変更はない。カウント値が設定値Tset に達す
ると(ステップ110 のYES )、目標回転速度Fnとして
[Smax(Tc,Te)+2rps]が決定される(ステップ111
)。ただし、この目標回転速度Fnと異常時回転速度
データ値Sabとの比較がなされる(ステップ112 )。異
常時回転速度データ値Sabは、後述するが、過去の異常
発生時の目標回転速度であり、凝縮器温度Tcおよび蒸
発器温度Teに対応付けてメモリに記憶されている。
【0050】目標回転速度Fnが異常時回転速度データ
値Sabと同じまたはそれより小さい場合には(ステップ
112 のNO)、目標回転速度Fn(=Smax(Tc,Te)+2rp
s)と元々の指令回転速度Fとが比較される(ステップ1
13 )。この比較において、目標回転速度Fnが指令回
転速度Fと同じまたはそれより小さければ目標回転速度
Fnの変更はなく、目標回転速度Fnが指令回転速度F
より大きい場合には指令回転速度Fが目標回転速度Fn
として変更設定される(ステップ114 )。
【0051】目標回転速度Fnが異常時回転速度データ
値Sabより大きい場合には(ステップ112 のYES )、異
常時回転速度データ値Sabが目標回転速度Fnとして変
更設定される(ステップ115 )。
【0052】こうして得られる目標回転速度Fnは、以
後の回転速度制限データ値Smax(Tc,Te)として更新され
る(ステップ116 )。一方、圧縮機1に液冷媒が過多に
吸込まれる状況として、起動後の数分間、低温運転時、
室外熱交換器3の除霜時などがある。その他、液冷媒の
過多の吸込みは、冷凍サイクルに冷媒が過充填された際
など頻繁に発生し易く、また複数の室内ユニットを有す
るマルチタイプの空気調和機であれば室内ユニットの運
転台数の切替時に発生し易い。
【0053】たとえば、除霜時を例に説明すると、暖房
時は、室外熱交換器(蒸発器)3に徐々に霜が付着し、
そのままでは熱交換ができなくなって暖房能力の低下を
招いてしまう。そこで、室外熱交換器3の着霜時、四方
弁2が切換えられ(反転され)、圧縮機1から吐出され
る高温冷媒がそのまま室外熱交換器3に供給されるいわ
ゆる除霜サイクルが形成される(逆サイクル除霜とも称
す)。
【0054】四方弁2の切換に際しては、圧縮機1を一
旦停止してから四方弁2を切換え、その後で圧縮機1を
再起動するという制御が実行される。この再起動に際
し、圧縮機1に蓄えられていた熱量、圧縮機1の新たな
圧縮作用により生じる冷媒ガスの昇温、さらにはブラシ
レス直流モータ40の発熱などが室外熱交換器3に加わ
り、除霜が始まる。このとき、室外熱交換器3に供給さ
れたガス冷媒は液化され、それに冷凍サイクル中に残存
していた液冷媒が加わることで、多量の液冷媒が室内側
熱交換器5を通って圧縮機1の吸入管32に流入し、圧
縮室55に吸込まれる。
【0055】圧縮室55に多量の液冷媒が吸込まれる
と、そこで液圧縮が生じ、圧縮機1の圧縮負荷が異常上
昇する。このときの圧力は、通常時の数倍から10倍にも
達するようになる。
【0056】この異常発生時、大きな負荷トルクが発生
することから、ブラシレス直流モータ40の回転速度や
角速度が一瞬低下したり、しばらくその状態が続く現象
が見られる。
【0057】液冷媒の多量の吸込みは、除霜時だけでな
く、起動直後からしばらくの間や、冷凍サイクルに冷媒
を過充填した際などは頻繁に発生し易い。そこで、運転
中、図4のフローチャートに示す異常検出制御が行われ
る。
【0058】ブラシレス直流モータ40のロータ42の
1回転が複数の区間(4極3相なら12区間)に等分さ
れ、その各区間が位置検知回路22の回転位置検知に基
づいて捕捉されるごとに(ステップ201 のYES )、タイ
マT2 の時間カウントTmが読取られる(ステップ202
)。
【0059】ブラシレス直流モータ40ではロータ42
の回転位置に基づき転流が行われており、4極のモータ
の場合は1回転が12等分の区間に等分されて、1回転の
うち12回の転流が行われる。上記時間カウントTmは1
回転の1/12の区間の回転に要した時間であり、その各区
間におけるロータ42の回転速度R(i) が1/12・Tmと
して算出される(ステップ203 )。
【0060】回転速度R(i) が算出されると、タイマT
2 がリセットされて再スタートされるとともに(ステッ
プ204 )、今回算出の回転速度R(i) と前回算出の回転
速度Ro(i)との差が所定値20rps 以上あるかどうかの判
別がなされる(ステップ205)。
【0061】今回算出の回転速度R(i) が前回算出の回
転速度Ro(i)に対し所定値20rps 以上低下している場合
には、圧縮機1の圧縮負荷が異常上昇したとの判断の下
に、異常処理制御が実行される(ステップ206 )。そし
て、次回の判別のために、今回算出の回転速度R(i) が
Ro(i)として更新記憶される(ステップ207 )。
【0062】異常処理制御は、ブラシレス直流モータ4
0の回転速度を低下させ、この回転速度低下によって圧
縮機1への吸込冷媒量、つまり液冷媒の吸込量を低減さ
せる。具体例を図5のフローチャートに示している。
【0063】すなわち、熱交換器温度センサ12,13
の検知温度である凝縮器温度Tcと蒸発器温度Teが読
込まれ(ステップ301 )、それに対応付ける形で、その
ときの指令回転速度Fが異常時回転速度データ値Sabと
してメモリに記憶される(ステップ302 )。
【0064】目標回転速度Fnから所定値16(rps) を減
算した値が新たな目標回転速度Fnとして設定されると
ともに(ステップ303 )、その新たな目標回転速度Fn
が回転速度制限データ値Smax(Tc,Te)としてメモリに記
憶される(ステップ304 )。そして、圧縮機1が新たな
目標回転速度Fnとなるようインバータ駆動がなされる
(ステップ305 )。
【0065】制御部23のメモリに記憶される回転速度
制限データ値Smax(Tc,Te)および異常時回転速度データ
値Sabのフォーマットを次の表1、表2、表3、表4に
示す。いずれも凝縮器温度Tcと蒸発器温度Teを運転
状況データとして、これに対応付ける形で各データ値S
max(Tc,Te)、Sabを記憶している。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】表1は運転開始に際して初期設定される回
転速度制限データ値Smax(Tc,Te)、表2は運転開始に際
して初期設定される異常時回転速度データ値Sabをそれ
ぞれ示しており、運転許容範囲外である58℃<Tc、−
10℃<TeまたはTe>21℃では圧縮機停止となってい
るが、これ以外の範囲においては、インバータ回路21
に設定されている最大回転数max が記憶されている。す
なわち、初期状態においては、回転速度の制限はない。
なお、運転開始当初は室内温度や外気温度が高いために
Te>21℃となっている場合もあるため、このTe温度
の条件(Te>21℃)による圧縮機1の停止判断は運転
開始から空気調和機の運転が安定する数分後に初めて実
施されるような条件付けをする必要がある。
【0071】その後、実際に運転し、何度かの異常が発
生した後には、この表1の回転速度制限データ値Smax
(Tc,Te)は表3のように変化し、異常時回転速度データ
値Sabは表4のように変化している。
【0072】例えば、18℃<Te≦21℃および50℃<T
c≦53℃の範囲では、異常時回転速度データ値Sabには
95rps が記憶され、回転速度制限データ値Smax(Tc,Te)
には91rps が記憶されている。すなわち、この温度範囲
においては、過去に圧縮機回転速度が95rps で異常が検
出されており、このときの回転速度が記憶される。
【0073】この際、回転速度制限データ値Smax(Tc,T
e)には79rps(=95-16) が記憶されていたはずであるが、
回転速度制限データ値Smax(Tc,Te)の91rps は、その後
の運転において、回転速度制限データ値Smax(Tc,Te)が
徐々に上昇し、91rps の値にまで異常発生なく運転して
きたことを表わしている。
【0074】なお、本制御によれば、圧縮機1の回転速
度が低めに抑制されるため、極力、条件を厳しくするこ
とが望ましい。そのため、本実施例では凝縮器温度Tc
と蒸発器温度Teとの組合せを条件としたが、さらに外
気温度、室内温度などのより多くの異常発生時の状況パ
ラメータを追加し、これらの条件に対応させて回転速度
制限データ値Smax(Tc,Te)、異常時回転速度データ値S
abを記憶させておくことが望ましい。
【0075】インバータ駆動は次のように行われる。目
標回転速度Fnからロータ42の1回転に要する時間T
r(=1/Fn)が求められ、さらに上記時間カウント
Tmに基づきロータ42の1回転に要している実際の時
間Tt(=ΣTm(i) )が求められる( i= 1〜12)。
【0076】Tr>Ttなら、通電相の通電PWM幅が
拡大されて出力トルクが増大され、回転速度の増加され
る。逆のTr<Ttなら、通電相の通電PWM幅が縮小
されて出力トルクが低下され、回転速度が低減される。
【0077】このように、圧縮機1の異常に際してブラ
シレス直流モータ40の回転速度を所定値だけ低下さ
せ、圧縮機1への吸込冷媒量(液冷媒の吸込量)が低減
することにより、圧縮室55におけるそれ以上の液圧縮
が防止される。これにより、リギッドハンマリング現
象、吐出弁33の破損、シャフト44のかじり、シリン
ダ53の破損、吐出マフラの破損などの不具合が回避さ
れ、圧縮機1をはじめとする冷凍サイクル機器の安全性
および信頼性が向上する。
【0078】実験では、ブラシレス直流モータ40の回
転速度を半分に低下した場合、圧縮室55内の圧力が少
なくとも1/4以下になることが確認されている。圧力
を低下する手段としては、もちろん、圧縮機1を停止す
る方法もある。
【0079】また、冷凍サイクルにアキュームレータを
設けることなく液圧縮を防止できるので、部品コストの
低減が図れる。また、冷凍サイクルへの冷媒の封入量を
制限する必要もないので、装置の基本性能を犠牲にする
ことなく、安全を確保することができる。
【0080】なお、ステップ305 で回転速度低下の制御
が実行された後、制御フローは図3のスタートに戻り、
ステップ101 からステップ105,110,107 を通り、タイマ
1を起動する。その後、 5分経過後、ステップ101 で
の判断がYES となり、ステップ111 で圧縮機1の回転速
度が 2rps だけ上昇される。その後、記憶された異常時
回転速度データ値Sabを下回り、かつ指令回転速度Fが
そのときの目標回転速度Fnを上回っている限り、タイ
マT1 が 5分を計時するたびに目標回転速度Fnが 2rp
s ずつ増加される。
【0081】通常運転への復帰後は、上記記憶された異
常時回転速度データ値Sabおよび回転速度制限データ値
Smax(Tc,Te)が機能するので、液圧縮の再発が極力防止
される。
【0082】以下、変形例について説明する。 (1)上記実施例では、ロータ42の12等分の区間の回
転速度R(i) を計算によって求めるようにしたが、各区
間ごとのカウント時間Tmを速度に相当する値として使
用することも可能である。
【0083】この場合、回転速度R(i) の算出処理(ス
テップ203 )が不要となり、回転速度変化の判断とし
て、(Ro(i)−20)>R(i) に代わり、(Tmo+t)>
Tmが用いられる。Tmoは前回の1回転の12等分の区間
の回転に要した時間、tは回転速度低下基準時間であ
る。
【0084】(2)上記実施例では、現時点の回転速度
R(i) と前回算出の回転速度Ro(i)との差に基づいて圧
縮機1の異常を検出したが、所定の区間における回転速
度R(i) とそれよりも1つ手前の区間における回転速度
Ro(i-1)との差に基づいて圧縮機1の異常を検出するよ
うにしてもよい。この場合の処理を図6のフローチャー
トに示している。上記実施例のステップ205 の判別に代
わり、ステップ205aの判別がなされ、所定の区間におけ
る回転速度R(i) が区分番号1の区間に対応するとき
(i=1 )、1つ手前の区間の回転速度Ro(i-1)として区
分番号12の区間が対応する。
【0085】(3)目標回転速度Fnと回転速度R(i)
との差に基づいて圧縮機1の異常を検出するようにして
もよい。この場合の処理を図7のフローチャートに示し
ている。回転速度R(i) が目標回転速度Fnに対し所定
値20rps 以上低下した場合に、圧縮機1の圧縮負荷が異
常上昇しているとの判断になる。なお、指令回転速度F
と回転速度R(i) との比較によって圧縮機1の回転速度
異常低下を検出することも可能であるが、実際の圧縮機
1の回転速度は異常時回転速度データ値Sabと回転速度
制限データ値Smax(Tc,Te)により制限される場合もある
ため、これらの制限が加わっている状況下では、指令回
転速度Fと回転速度R(i) との比較による圧縮機1の回
転速度異常低下検出は困難である。
【0086】(4)図1に示すようにインバータ回路2
1と圧縮機1と接続ラインに電流センサ14を取付けて
ブラシレス直流モータ40への入力電流Iを検出し、そ
の検出電流Iと設定値Iset との比較に基づいて圧縮機
1の異常を検出するようにしてもよい。この場合の処理
を図8のフローチャートに示し、電流変化の例を図9に
示している。
【0087】すなわち、入力電流Iが検出され(ステッ
プ401 )、その検出電流Iと設定値Iset とが比較され
る(ステップ402 )。圧縮負荷が異常上昇すると、検出
電流Iが急上昇してピーク値を示し、検出電流Iが設定
値Iset を超える(ステップ402 のYES )。このとき、
異常処理制御が実行される(ステップ403 )。
【0088】(5)上記実施例では、圧縮機1の異常
時、ブラシレス直流モータ40の回転速度を低下させる
ことで圧縮機1への吸込冷媒量(液冷媒の吸込量)を低
減したが、二方弁7を開いて除霜用のバイパス回路6を
開放し、高温・高圧のガス冷媒の一部をバイパス回路6
を通して液側ラインに供給することで圧縮機1への液バ
ックを抑制するようにしてもよい。
【0089】(6)上記実施例において、異常検出後の
再度の異常発生防止のために凝縮器温度と蒸発器温度を
パラメータとして回転速度を抑制したが、他のパラメー
タを用いて異常発生を回避するようにしてもよい。例え
ば、異常検出時の運転モード(冷房・暖房・除霜)及び
ケース温度センサ11の検知温度(圧縮機1の密閉ケー
ス31の温度)Tcaを当該空気調和機の運転状態として
メモリに記憶しておき、これに基づき圧縮機1の異常発
生を予防してもよい。すなわち、液冷媒の吸込み時は液
冷媒が圧縮機1内で蒸発するため、圧縮機1の温度が急
速に低下する。したがって、運転中の運転モードが記憶
された以前の運転モードと一致し、かつケース温度セン
サ11の検知温度Tcaが記憶された圧縮機1の異常検出
時の圧縮機温度に対し、所定値α以内に近付いた時、つ
まり液圧縮が再発する可能性の高い状態になったとき、
圧縮機1の吸込冷媒量を低減するようにすれば、圧縮室
55での液圧縮が未然に防止できる。液圧縮が発生する
度に圧縮機1にダメージを与えることから、このような
予防処置は非常に有効である。
【0090】この場合、液圧縮を予防するための回転速
度低下を行うごとに、液圧縮の再発判別用の所定値αを
安全サイド側に若干量ずつ更新するようにしてもよい。
液圧縮を予防するための回転速度低下は圧縮機1の安全
を確保する上で重要であるが、その予防処置(回転速度
低下)は暖房の立上がりを遅くするなど、空調性能を犠
牲にしてしまう心配がある。対策として、所定値αを安
全サイド側に若干量ずつ更新することにより、圧縮負荷
の異常上昇が発生せずにしかも空調性能が犠牲にならな
い、最適な運転状態を設定することができる。
【0091】この場合、所定値αの安全サイド側への更
新が何度か繰り返されるうちに、液圧縮が再発する可能
性があるが、その場合には、当初に設定される所定値α
と最後に更新設定された所定値αと間に最適条件がある
はずである。
【0092】設計者は、所定値αとして最低必要なもの
を初期設定しておけばよい。単に冷凍サイクル機器の故
障を回避するだけではなく、システム自身が経験値を基
に最適な性能と信頼性を両立したシステムを作り上げる
ことになる。
【0093】これは、設計者にとっても極めて楽である
ばかりでなく、多様化した市場環境に順応した最適なシ
ステムを提供することになる。つまり、システム自身が
自己最適化する機能を持つことになり、設計者が固定的
に設定した設計値よりより高い性能と信頼性を得ること
が保証される。
【0094】また、設計者は、開発負担を大幅に減らせ
得るばかりではなく、上記記憶内容を読むことが出来れ
ば、類似の設計に反映がし易くなるとともに、運転状況
の判断が可能となって冷媒量を調整するなどのサービス
がし易くなる利点がある。
【0095】(7)上記実施例では、回転速度の低下に
よって吸込冷媒量を低減する構成としたが、電動膨張弁
4の開度を絞ることで吸込冷媒量を低減する構成として
もよい。
【0096】すなわち、運転中に液圧縮状態等の異常発
生が検出された場合、その時の電動膨張弁4の開度が所
定値だけ(本実施例では16pls )減少される。同時に、
この時の運転状況、たとえば凝縮器・蒸発器温度Tc,
Te及び目標回転速度Fnが取込まれ、この運転状況デ
ータに対応付けられて異常発生時の電動膨張弁4の開度
が異常時弁開度データ値Svab として記憶される。さら
に、この際、減少された電動膨張弁4の開度(Svab −
16pls )が膨張弁最大開度制限データ値Svmax(Tc,Te,F
n)として運転状況データ(Tc,Te,Fn)に対応付けて記憶さ
れる。
【0097】以後、運転中、電動膨張弁4の開度はスー
パーヒート制御による指令弁開度Vに基づき制御される
が、凝縮器・蒸発器温度Tc,Te及び目標回転速度F
nが以前の異常発生時と同じ運転状況下で、指令弁開度
Vが膨張弁最大開度制限データ値Svmax(Tc,Te,Fn)を超
える場合、一旦Svmax(Tc,Te,Fn)にて弁開度の上昇を抑
え、その後、所定時間ごとに徐々に弁開度を大きくする
(本実施例では 5分ごとに2pls)。但し、電動膨張弁4
の開度が異常時弁開度データ値Svab を超えることがな
いよう制限される。
【0098】すなわち、一旦異常が検出された場合、そ
の後、異常発生時と同じ状況下では、異常発生時の弁開
度を超えることがなく、かつ異常発生時の弁開度に至る
まで徐々に弁開度を大きくする。この結果、最終的には
異常時弁開度データ値Svabと膨張弁最大開度制限デー
タ値Svmax(Tc,Te,Fn)が一致するようになる。そして、
この時の異常時弁開度データ値Svab がそのときの状況
下で圧縮機1が異常発生なく運転可能な許容弁開度とな
る。
【0099】なお、本制御により圧縮機1での液冷媒圧
縮を防止できるのは、電動膨張弁4の開度を小さく(絞
る)すれば、冷媒は凝縮器に溜まり、蒸発器を流れる冷
媒量が減少し、冷媒は確実に蒸発器で蒸発するようにな
り、圧縮機1まで液冷媒が流れ込むことがなくなること
による。
【0100】この場合の弁開度制御を図10のフローチ
ャートに示している。指令弁開度Vが取込まれるととも
に(ステップ501 )、熱交換器温度センサ12,13の
検知温度である凝縮器温度Tcと蒸発器温度Te、およ
び目標回転速度Fnが読込まれる(ステップ502 )。
【0101】凝縮器温度Tc、蒸発器温度Te、目標回
転速度Fnに対応付けられている膨張弁最大開度制限デ
ータ値Svmax(Tc,Te,Fn)が制御部23のメモリから読出
され(ステップ503 )、それと指令弁開度Vとが比較さ
れる(ステップ504 )。
【0102】指令弁開度Vが膨張弁最大開度制限データ
値Svmax(Tc,Te,Fn)と同じまたはそれより大きく(ステ
ップ504 のYES )、かつ指令弁開度Vが前回の値と変わ
っている場合には(ステップ505 のYES )、目標弁開度
VnとしてSvmax(Tc,Te,Fn)が決定される(ステップ50
6 )。そして、タイマT1 がリセットされて再スタート
された後(ステップ507 )、目標弁開度Vnとなるよう
電動膨張弁4の開度が制御される(ステップ508 )。
【0103】指令弁開度VがSvmax(Tc,Te,Fn)より小さ
い場合には(ステップ504 のNO)、目標弁開度Vnとし
て指令弁開度Vがそのまま決定される(ステップ509
)。そして、目標弁開度Vnとなるよう電動膨張弁4
の開度が制御される(ステップ508 )。
【0104】指令弁開度VがSvmax(Tc,Te,Fn)と同じま
たはそれより大きく(ステップ504のYES )、指令弁開
度Vが前回の値と変わりない場合には(ステップ505 の
NO)、タイマT1 のカウント値と設定値Tset とが比較
される(ステップ510 )。
【0105】カウント値が設定値Tset に達しないうち
は(ステップ510 のNO)、目標弁開度Vnに変更はな
い。カウント値が設定値Tset に達すると(ステップ51
0 のYES )、目標弁開度Vnとして[Svmax(Tc,Te,Fn)
+2pls]が決定される(ステップ511 )。ただし、この
目標弁開度Vnと異常時弁開度データ値Svab との比較
がなされる(ステップ512 )。異常時弁開度データ値S
vab は、後述するが、過去の異常発生時の電動膨張弁4
の開度であり、凝縮器温度Tc、蒸発器温度Te、目標
回転速度Fnに対応付けてメモリに記憶されている。
【0106】目標弁開度VnがSvab と同じまたはそれ
より小さい場合には(ステップ512のNO)、目標弁開度
Vn(=Svmax(Tc,Te,Fn)+2pls)と元々の指令弁開度
Vとが比較される(ステップ513 )。この比較におい
て、目標弁開度Vnが指令弁開度Vと同じまたはそれよ
り小さければ目標弁開度Vnの変更はなく、目標弁開度
Vnが指令弁開度Vより大きい場合に限り、指令弁開度
Vが目標弁開度Vnとして変更設定される(ステップ51
4 )。
【0107】目標弁開度VnがSvab より大きい場合に
は(ステップ512 のYES )、Svabが目標弁開度Vnと
して変更設定される(ステップ515 )。こうして得られ
る目標弁開度Vnは、以後の膨張弁最大開度制限データ
値Svmax(Tc,Te,Fn)として更新される(ステップ516
)。
【0108】このような開度制御に加え、上記実施例と
同様の異常検出の処理があり、さらに図11のフローチ
ャートに示す異常処理制御がある。ここでの異常処理制
御は、電動膨張弁4の開度を縮小方向に制御し、この開
度縮小によって圧縮機1への吸込冷媒量(液冷媒の吸込
量)を低減させる。
【0109】すなわち、凝縮器温度Tcと蒸発器温度T
eが読込まれ(ステップ601 )、それに対応付ける形
で、そのとき電動膨張弁4の実際の開度Vaが異常時弁
開度データ値Svab として記憶される(ステップ602
)。
【0110】現時点の目標弁開度Vnから所定開度16(p
ls) 分を減算した値が新たな目標弁開度Vnとして設定
されるとともに(ステップ603 )、その新たな目標弁開
度Vnが膨張弁開度制限データ値Svmax(Tc,Te) として
メモリに記憶される(ステップ604 )。そして、新たな
目標弁開度Vnとなるよう電動膨張弁4の開度が制御さ
れる(ステップ605 )。
【0111】(9)上記実施例では、ブラシレス直流モ
ータ40の回転速度を位置検知回路22による回転位置
検知に基づいて間接的に検出したが、ロータ42の回転
速度をセンサで直接的に検知してもよい。
【0112】圧縮機モータとして交流モータを用いる場
合には、モータのシャフトにホール素子を設けたり、ロ
ータリエンコーダを取付けるなどの方法で速度検出を行
うことが可能である。
【0113】(10)上記実施例では、指令回転速度と実
際の回転速度との対比によって圧縮負荷を検知したが、
圧縮機1の圧縮室55内の圧力を圧力センサで直接的に
検知し、その検知圧力をそのまま圧縮負荷として捕らえ
るようにしてもよい。
【0114】(11)インバータ駆動でない容量固定式の
圧縮機を用いている場合には、回転速度制御が不可能な
ため、一般に知られているアンローダ装置との組合せに
よって圧縮負荷の異常上昇を緩和することが可能であ
る。
【0115】(12)空気調和機への適用について説明し
たが、それに限らず、冷蔵庫など他の装置への適用が可
能である。なお、以上の実施例によれば、圧縮機1での
液冷媒圧縮が低減されるため、今まで圧縮機1への液冷
媒の流れ込み防止のために冷凍サイクル中に設けられて
いたアキュームレータを取り除くことも可能である。
【0116】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
圧縮機の異常たとえば液圧縮に際し圧縮機の十分な安全
を確保できる圧縮機の異常保護装置を提供できる。ま
た、この発明によれば、圧縮機の異常たとえば液圧縮に
際し圧縮機の十分な安全を確保できる冷凍サイクル装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の冷凍サイクルおよび制御回路の構成
を示す図。
【図2】同実施例における圧縮機の内部の構成を断面し
て示す図。
【図3】同実施例の回転速度制御を説明するためのフロ
ーチャート。
【図4】同実施例の異常検出制御を説明するためのフロ
ーチャート。
【図5】同実施例の異常処理制御を説明するためのフロ
ーチャート。
【図6】同実施例の異常処理制御の変形例を説明するた
めのフローチャート。
【図7】同実施例の異常処理制御の他の変形例を説明す
るためのフローチャート。
【図8】同実施例の異常検出制御の変形例を説明するた
めのフローチャート。
【図9】図8の変形例におけるモータ電流波形の一例を
示す図。
【図10】同実施例の変形例として示す弁開度制御を説
明するためのフローチャート。
【図11】図10の変形例における異常処理制御を説明
するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…四方弁、3…室外熱交換器、4…電動
膨張弁、5…室内熱交換器、6…バイパス回路、7…二
方弁、10…室内温度センサ、11…ケース温度セン
サ、12,13…熱交換器温度センサ、20…商用交流
電源、21…インバータ回路、22…位置検知回路、2
3…制御部、25…リモコン、40…ブラシレス直流モ
ータ、41…ステータ、42…ロータ、50…圧縮機
部、53…シリンダ、55…圧縮室。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機のロータの1回転を複数の区間に
    分け、各区間におけるロータの回転速度を検出する速度
    検出手段と、 この速度検出手段により検出される回転速度に応じて圧
    縮機の異常を検出する異常検出手段と、 この異常検出手段が異常を検出したとき、圧縮機を保護
    する保護手段と、 を備えたことを特徴とする圧縮機の異常保護装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機および弁開度の制御が可能な膨張
    弁を備えた冷凍サイクルと、 前記圧縮機のロータの1回転を複数の区間に分け、各区
    間におけるロータの速度を検出する速度検出手段と、 この速度検出手段により検出される回転速度に応じて圧
    縮機の異常を検出する異常検出手段と、 この異常検出手段が異常を検出したとき、前記膨張弁の
    開度を絞る開度制御手段と、 を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の圧縮機の異常保護装置
    または請求項2に記載の冷凍サイクル装置において、 異常検出手段は、圧縮機の指令回転速度と速度検出手段
    の検出速度との差に基づき異常を検出することを特徴と
    する圧縮機の異常保護装置または冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の圧縮機の異常保護装置
    または請求項2に記載の冷凍サイクル装置において、 異常検出手段は、各区間のうち所定の区間における、速
    度検出手段の現時点の検出結果と前回の検出結果との差
    に基づき、異常を検出することを特徴とする圧縮機の異
    常保護装置または冷凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の圧縮機の異常保護装置
    または請求項2に記載の冷凍サイクル装置において、 異常検出手段は、各区間のうち所定の区間における速度
    検出手段の検出結果と、その所定の区間より1つ手前の
    区間における速度検出手段の検出結果との差に基づき、
    異常を検出することを特徴とする圧縮機の異常保護装置
    または冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項3、請求項4、および
    請求項5のいずれかに記載の圧縮機の異常保護装置にお
    いて、 保護手段は、異常検出時、圧縮機の吸込冷媒量を低減す
    ることを特徴とする圧縮機の異常保護装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の圧縮機の異常保護装置
    において、 保護手段は、異常検出時、圧縮機の回転速度を所定値だ
    け低下させることを特徴とする圧縮機の異常保護装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の圧縮機の異常保護装置
    において、 圧縮機が接続された冷凍サイクルを備え、 この冷凍サイクルに、開放により冷媒をバイパスさせる
    バイパス回路を備え、 前記保護手段は、異常検出時に前記バイパス回路を開放
    する、 ことを特徴とする圧縮機の異常保護装置。
  9. 【請求項9】 圧縮機の異常を検出する異常検出手段
    と、 この異常検出手段が異常を検出したとき、前記圧縮機の
    吸込冷媒量を低減する保護手段と、 前記異常検出手段が異常を検出したときの空気調和機の
    運転状態に関する複数のデータを記憶する記憶手段と、 空気調和機の運転状態が前記記憶手段に記憶されている
    状態と一致するとき、前記保護手段の前回の動作結果に
    応じて圧縮機の吸込冷媒量を制御する第2の保護手段
    と、 を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の冷凍サイクル装置に
    おいて、 異常検出手段は、圧縮機のロータの1回転を複数の区間
    に分け、各区間におけるロータの回転速度に応じて圧縮
    機の異常を検出することを特徴とする冷凍サイクル装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の冷凍サイクル装置に
    おいて、 異常検出手段は、圧縮機の運転電流に応じて圧縮機の異
    常を検出することを特徴とする冷凍サイクル装置。
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