JPH1015288A

JPH1015288A - 全自動洗濯機

Info

Publication number: JPH1015288A
Application number: JP8172380A
Authority: JP
Inventors: Minoru Tadano; 穣多々納
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1996-07-02
Filing date: 1996-07-02
Publication date: 1998-01-20

Abstract

(57)【要約】【課題】洗浄効果の向上を図り、脱水運転への移行を
スムーズにし、脱水運転中の振動を抑制する。【解決手段】洗濯兼脱水槽３の底部には、洗濯水又は
濯ぎ水と共に洗濯物を撹拌するためのパルセータ５が配
設され、そして水受槽２の下部には、モーター４により
発生した回転駆動力を洗濯兼脱水槽３又はパルセータ５
に選択的に伝達するクラッチ機構６が設けられている。
三角錐形状のバッフル２０が洗濯兼務水槽３の内周壁に
設けられており、当該バッフル２０の頂点は洗濯兼務水
槽３の回転中心軸方向に向いている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、全自動洗濯機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、洗濯物の洗浄効果の向上を図
るために様々な洗濯機が提案されており、例えば、特開
平１−５２４９９号公報には、洗濯槽の内下部に撹拌体
を配設し、下面に抵抗体を有する蓋体を撹拌体上方の洗
濯槽中間部に装着した洗濯機が開示されている。当該洗
濯機によれば、洗濯物は、撹拌体と接するときは、この
撹拌体の突起との摩擦により洗濯され、洗濯槽と接する
ときは、洗濯槽との摩擦により洗濯され、そして洗濯物
同士の摩擦によっても洗濯される。さらに、洗濯槽に蓋
体を装着した場合では、洗濯物は蓋体の抵抗体である突
起と接してそれとの摩擦によっても洗濯される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の洗濯機では、洗濯物は、それらの突起と摩擦するこ
とにより強く洗濯されるだけであり、これらの突起のた
めに、洗濯物が絡まったり、ねじれたりする。その結
果、洗濯物を傷めたり、形くずれさせる原因となるばか
りか、洗濯工程が終わった時、洗濯物が洗濯槽内で片側
に寄っていたり、均一になっていないため、アンバラン
ス状態となり、脱水時の振動を大きくしたり、脱水運転
が立ち上がらず、アンバランス検知ＳＷを作動させる原
因ともなる。

【０００４】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであり、洗浄効果の向上を図ると共に、
脱水運転への移行をスムーズにし、脱水運転中の振動を
抑制する全自動洗濯機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、洗濯
物を収容し且つ回転自在な洗濯兼脱水槽と、当該洗濯兼
脱水槽を内包し且つ回転自在に支持する水受槽と、前記
洗濯兼脱水槽の底部に配設され且つ洗濯水又は濯ぎ水と
共に洗濯物を撹拌するための撹拌体と、前記洗濯兼脱水
槽および前記撹拌体に回転駆動力を付与するための駆動
手段と、当該駆動手段により発生した回転駆動力を選択
的に前記洗濯兼脱水槽または前記撹拌体に伝達するため
のクラッチ機構と、前記洗濯兼脱水槽の内周壁に設けら
れた三角錐形状の凸部とを備えたことを特徴とする全自
動洗濯機である。

【０００６】請求項２の発明は、請求項１において、前
記三角錐形状の凸部は、前記洗濯兼脱水槽の内周壁に複
数設けられ、そして当該複数の凸部のうち少なくとも一
つの凸部の設置位置が他の凸部の設置位置と異なること
を特徴とする全自動洗濯機である。

【０００７】請求項３の発明は、請求項１又は２におい
て、前記三角錐形状の凸部は、洗濯水又は濯ぎ水を吸い
込むための吸入口と、当該洗濯水又は濯ぎ水を排出する
ための吐出口とを有すると共に、糸屑を捕獲するための
フィルターが当該凸部内に着脱自在に装着されているこ
とを特徴とする全自動洗濯機である。

【０００８】請求項４の発明は、請求項１又は２におい
て、前記三角錐形状の凸部は、前記洗濯兼脱水槽と一体
成形されたものであることを特徴とする全自動洗濯機で
ある。

【０００９】請求項５の発明は、請求項１又は２におい
て、前記三角錐形状の凸部は、頂点側の内側部材と、底
面側の外側部材とからなり、そして前記内側部材は、当
該凸部内に組み込まれた付勢手段により、前記洗濯兼脱
水槽の回転中心軸方向に常時付勢されていることを特徴
とする全自動洗濯機である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の全自動洗濯機につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。図１は本発明
の全自動洗濯機にかかる第一実施形態を示す概略構成図
であり、図２は図１の駆動部及びクラッチ機構を示す要
部拡大図である。図１において、１は全自動洗濯機の外
箱、２は水受槽、３は洗濯物を収容し且つ回転自在な洗
濯兼脱水槽である。水受槽２は洗濯兼脱水槽３を内包し
且つ回転自在に指示している。また、また、４は水受槽
２の下部に配設されたモーターである。

【００１１】洗濯兼脱水槽３の底部には、洗濯水又は濯
ぎ水と共に洗濯物を撹拌するためのパルセータ５が配設
され、そして水受槽２の下部には、モーター４により発
生した回転駆動力を洗濯兼脱水槽３又はパルセータ５に
選択的に伝達するクラッチ機構６が設けられている。

【００１２】このクラッチ機構６は、図２に示されるよ
うに、パルセータ５を駆動する洗い軸７に直結された従
動側プーリー８と、この従動側プーリー８の回転力を脱
水軸９に伝えて洗濯兼脱水槽３を高速回転させるスプリ
ングクラッチ１０とから成る。１１はモーター４の回転
軸１２に直結された駆動側プーリーで、プーリー片１
３、冷却ファン１４及びネジ１５によって結合され、一
体的に構成されている。１６は駆動側プーリー１１と従
動側プーリー８との間に掛けられたＶベルトである。な
お、２１は脱水時の洗濯兼脱水槽３の回転による振動を
抑制するためのバランサーである。

【００１３】洗濯運転を行う際には、モーター４への通
電によりモーター４が正・逆回転をくり返す。これをＶ
ベルト１６によりモーター４に直結されている駆動側プ
ーリー１１から従動側プーリー８に伝えられ、従動側プ
ーリー８に洗い軸７を介して連結されているパルセータ
５が正・逆回転をくり返す。この時、洗濯兼脱水槽３は
クラッチレバー１７により回転するのを防止されてい
る。また、脱水運転を行う際には、クラッチレバー１７
をソレノイド１８の動作により開放し、スプリングクラ
ッチ１０が脱水軸９に動力を伝達する形でモーター４に
通電し、従動側プーリー８と洗濯兼脱水槽３を同じ回転
数で回転させる事になる。

【００１４】図３は図１の洗濯兼脱水槽の概略縦断面図
であり、図４は図３のＡ矢視図であり、図５は図３のＢ
矢視図である。図３乃至図５から明らかなように、三角
錐形状のバッフル２０（樹脂成形品、ＳＵＳプレス品）
が洗濯兼務水槽３の内周壁に設けられており、当該バッ
フル２０の頂点は洗濯兼務水槽３の回転中心軸方向に向
いている。また、バッフル２０の底面の二等辺で形成さ
れた頂点が垂直方向に向くように、バッフル２０はネジ
２２により洗濯兼脱水槽３の内周壁に固定されている。
なお、バッフル２０の設置位置は、洗濯兼脱水槽３の内
周面の設定最小水位以下である。本実施形態では、バッ
フル２０は洗濯兼脱水槽３の外周面からネジ止めにより
洗濯兼脱水槽３に取り付けられているが、嵌め込み式で
あってもよい。

【００１５】洗濯運転時には、パルセーター５の回転に
より、洗濯兼脱水槽３内に発生する一方向のうず巻き水
流が、三角錐形状のバッフル２０により右回りに下部か
ら上部へ回転する水流ｂ、左回りに下部から上部へ回転
する水流ｃ、中心に向かって下部から上部へ回転する水
流ａとに変化させられる。これらの水流により、洗濯物
同士が絡まることなく回転することができ、洗濯物とバ
ッフル２０が摩擦することにより、洗浄効果を上げるこ
とができる。さらに、洗濯物も傷まず、片寄らなくなる
ため、脱水運転への移行をスムーズにし、脱水運転中の
洗濯物の片寄りから起こる振動の増加を防止することが
できる。

【００１６】図６は複数のバッフルが洗濯兼脱水槽の内
周壁に設けられた場合を示す概略縦断面図であり、図７
は図６のＣ矢視図である。図６および７に示されるよう
に、設置位置の高さを変え且つ９０°ピッチで四つのバ
ッフル２０が洗濯兼脱水槽の内周壁に取り付けられてい
る。このようにバッフル２０を配設することにより、洗
濯物の容量に拘わらず、水位が高い所でも、水流を変化
させられ、水流もより複雑化させることができ、より洗
浄効果を上げることができる。なお、１２０°ピッチで
３ケ所、または各設定水位に対応すべく、高さを変えて
数ケ所にバッフル２０を配設してもよいことは勿論であ
る。

【００１７】図８は本発明の全自動洗濯機にかかる第二
実施形態の洗濯兼脱水槽を示す概略縦断面図であり、図
９は図８のＤ矢視図である。本実施形態においては、洗
濯兼脱水槽３の内周壁に設けられた三角錐形状のバッフ
ル４０は、フィルターカバー２３と、フィルタケース２
４とから形成されており、上記実施形態と同様に、洗浄
効果を上げることができる。また、フィルターカバー２
３は、洗濯兼脱水槽３にその外側からのネジ２９止めに
より固定され、フィルターケース２４は、その上部に形
成されているツメ部３０によりフィルターカバー２３内
に着脱可能に装着できる構造となっている。

【００１８】次に、糸屑を捕獲するためのフィルターに
ついて説明する。糸屑捕獲用フィルター２５は、図８に
示されるように、フィルターケース２４内に着脱自在に
装着されている。したがって、洗濯運転中において、洗
濯水は、図９に示されるように、フィルターカバー２３
の上部に形成された吸入口２６から吸い込まれ、フィル
ターケース内に装着されている糸屑捕獲フィルター２５
を通ってフィルターカバー２３下部に形成されている吐
出口２７から吐出される。この洗濯水の流れは、パルセ
ーター裏羽根２８が回転しておこるポンプ作用によるも
のである。上記構造を有するバッフル４０により、洗浄
効果を上げるだけでなく、糸屑捕獲の機能もはたすこと
ができる。そして、洗濯運転終了後、ユーザーは、フィ
ルターカバー２３からフィルターケース２４を取り外
し、その中から糸屑フィルター２５を取り外すことによ
り、捕獲された糸屑を取り除くことができる。

【００１９】図１０は本発明の全自動洗濯機にかかる第
三実施形態の洗濯兼脱水槽を示す概略縦断面図である。
本実施形態では、洗濯兼脱水槽３はステンレス鋼板から
なると共に、洗濯兼脱水槽３の内周壁に設けられた三角
錐形状のバッフル４１は、その洗濯兼脱水槽３の側面部
分のプレス加工時に、三角錐形状の凸部材を始めから組
み込み形成されたものである。このことにより、バッフ
ルをネジ等の固定部材で取り付けなくとも、上記実施形
態と同様の効果が得られる。なお、本実施形態において
は、洗濯兼脱水槽３用材料としてステンレス鋼板が用い
られたが、ポリプロピレン等の樹脂製のものであっても
よく、その場合、一体成形によりバッフルが形成され
る。

【００２０】図１１は本発明の全自動洗濯機にかかる第
四実施形態の洗濯兼脱水槽を示す概略縦断面図であり、
図１２は図１１のＥ矢視図である。本実施形態では、洗
濯兼脱水槽３の内周壁に設けられた三角錐形状のバッフ
ル４２は、図１１および１２に示されるように、その頂
点側の内側部材３１と、その内側部材３１の外周端を包
囲する底面側の外側部材３２とからなり、上記実施形態
と同様に、洗浄効果を上げることができる。外側部材３
２は洗濯兼脱水槽３の外側からのネジ２２止めにより固
定されている。

【００２１】また、内側部材３１は、洗濯兼脱水槽３と
の間に当該洗濯兼脱水槽３の回転中心軸方向に常時付勢
しているスプリング３３を介して外側部材３２内に取り
付けられる。すなわち、内側部材３１の外周端は上方に
開口したカギ型になっており、外側部材３２の内囲部を
抱く構造となっている。洗濯物の投入前は、バッフル４
２の内側部材３１の頂点は、スプリング３３により限界
位置の高さまで到達しているが、洗濯物が投入されて、
その洗濯物の圧力がバッフル４２に加わると、図１３に
示されるように、スプリング３３は付勢力に抗して圧縮
され、内側部材３１の頂点位置は、投入前と比較して低
くなる。その結果、洗濯物を傷めることなく、洗濯物は
スムーズに回転する。

【００２２】

【発明の効果】請求項１記載の全自動洗濯機によれば、
洗濯兼脱水槽の内周壁に三角錐形状の凸部を設けること
により、洗濯時の水流が、一方向のうず巻き水流から、
右回りに下部から上部へ回転する水流、左回りに下部か
ら上部へ回転する水流、中心に向って下部から上部へ回
転する水流に変化し、洗濯物同士が洗濯兼脱水槽内を絡
まることなく回転し、洗濯物と三角錐形状の凸部とが摩
擦することにより、洗浄効果を上げることができ、又、
洗濯物も傷まず、片寄らなくなるため、脱水運転への移
行をスムーズにし、脱水運転中の洗濯物の片寄りから起
こる振動の増加を防止することができる。

【００２３】請求項２記載の全自動洗濯機によれば、三
角錐形状の凸部を洗濯兼脱水槽の内周壁に複数設けるこ
とにより、より水流を複雑化させると共に、洗濯物の容
量による各水位高さに対応することが可能となるので、
より洗浄効果を上げることができる。

【００２４】請求項３記載の全自動洗濯機によれば、糸
屑捕獲用フィルターを上記三角錐形状の凸部内に装着す
ることにより、１つの部品で従来の機能も対応できるこ
とになり、部品点数の削減、コストダウンを図ることが
できる。

【００２５】請求項４記載の全自動洗濯機によれば、三
角錐形状の凸部を洗濯兼脱水槽と一体成形することによ
り、部品点数の削減、組立て時間の削減により、コスト
ダウンを図ることができる。

【００２６】請求項５記載の全自動洗濯機によれば、三
角錐形状の凸部を頂点側の内側部材と、底面側の外側部
材との二部品から構成し、その内側部材を付勢手段によ
り洗濯兼脱水槽の回転中心軸方向に常時付勢することに
より、当該内側部材の頂点位置は、洗濯物から受ける圧
力により自動可変するため、洗濯物を傷めることなく、
洗濯物はスムーズに回転するため、より洗浄効果を上げ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全自動洗濯機にかかる第一実施形態を
示す概略構成図である。

【図２】図１の駆動部及びクラッチ機構を示す要部拡大
図である。

【図３】図１の洗濯兼脱水槽の概略縦断面図である。

【図４】図３のＡ矢視図である。

【図５】図３のＢ矢視図である。

【図６】複数のバッフルが洗濯兼脱水槽の内周壁に設け
られた場合を示す概略縦断面図である。

【図７】図６のＣ矢視図である。

【図８】本発明の全自動洗濯機にかかる第二実施形態の
洗濯兼脱水槽を示す概略縦断面図である。

【図９】図８のＤ矢視図である。

【図１０】本発明の全自動洗濯機にかかる第三実施形態
の洗濯兼脱水槽を示す概略縦断面図である。

【図１１】本発明の全自動洗濯機にかかる第四実施形態
の洗濯兼脱水槽を示す概略縦断面図である。

【図１２】図１１のＥ矢視図である。

【図１３】図１１のバッフルに洗濯物の圧力が加わった
場合を示す概略部分縦断面図である。

【符号の説明】

１外箱２水受槽３洗濯兼脱水槽４モーター５パルセータ６クラッチ機構７洗い軸８従動側プーリー９脱水軸１０スプリングクラッチ１１駆動側プーリー１２回転軸１３プーリー片１４冷却ファン１５ネジ１６Ｖベルト１７クラッチレバー１８ソレノイド２０バッフル２１バランサー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯物を収容し且つ回転自在な洗濯兼脱
水槽と、当該洗濯兼脱水槽を内包し且つ回転自在に支持
する水受槽と、前記洗濯兼脱水槽の底部に配設され且つ
洗濯水又は濯ぎ水と共に洗濯物を撹拌するための撹拌体
と、前記洗濯兼脱水槽および前記撹拌体に回転駆動力を
付与するための駆動手段と、当該駆動手段により発生し
た回転駆動力を選択的に前記洗濯兼脱水槽または前記撹
拌体に伝達するためのクラッチ機構と、前記洗濯兼脱水
槽の内周壁に設けられた三角錐形状の凸部とを備えたこ
とを特徴とする全自動洗濯機。
【請求項２】前記三角錐形状の凸部は、前記洗濯兼脱
水槽の内周壁に複数設けられ、そして当該複数の凸部の
うち少なくとも一つの凸部の設置位置が他の凸部の設置
位置と異なることを特徴とする請求項１記載の全自動洗
濯機。
【請求項３】前記三角錐形状の凸部は、洗濯水又は濯
ぎ水を吸い込むための吸入口と、当該洗濯水又は濯ぎ水
を排出するための吐出口とを有すると共に、糸屑を捕獲
するためのフィルターが当該凸部内に着脱自在に装着さ
れていることを特徴とする請求項１又は２記載の全自動
洗濯機。
【請求項４】前記三角錐形状の凸部は、前記洗濯兼脱
水槽と一体成形されたものであることを特徴とする請求
項１又は２記載の全自動洗濯機。
【請求項５】前記三角錐形状の凸部は、頂点側の内側
部材と、底面側の外側部材とからなり、そして前記内側
部材は、当該凸部内に組み込まれた付勢手段により、前
記洗濯兼脱水槽の回転中心軸方向に常時付勢されている
ことを特徴とする請求項１又は２記載の全自動洗濯機。