JPH10152727A - 連続焼鈍による加工性に優れた冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

連続焼鈍による加工性に優れた冷延鋼板の製造方法

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JPH10152727A
JPH10152727A JP31317296A JP31317296A JPH10152727A JP H10152727 A JPH10152727 A JP H10152727A JP 31317296 A JP31317296 A JP 31317296A JP 31317296 A JP31317296 A JP 31317296A JP H10152727 A JPH10152727 A JP H10152727A
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JP
Japan
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steel sheet
workability
continuous annealing
rolled steel
cold rolled
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP31317296A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Sakai
司 酒井
Teruki Hayashida
輝樹 林田
Kazuhisa Yamashita
和久 山下
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の組成からなる鋼を用いて、連続焼鈍に
おいて表面性状に優れた冷延鋼板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 重量比でC:0.02〜0.06%、M
n:0.05〜0.3%、P:0.04%以下、S:
0.03%以下、Al:0.01〜0.04%、N:
0.004%以下、B:10〜30ppmを含有し、か
つB/Nが0.5〜1.5であり、残部Feおよび不可
避的不純物からなる鋼を定法により熱間圧延を行い、次
いで50℃/s以上の冷却速度で冷却を行い、150〜
400℃の温度で巻取り、酸洗、冷間圧延を行い、次い
で定法による連続焼鈍を施すことによる加工性に優れた
冷延鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続焼鈍を用いて
製造される鋼板にかかわるものであり、より詳細には、
熱延板段階での酸洗性が良好で加工性に優れた冷延鋼板
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍にて加工用の冷延鋼板を製造す
るためには、従来、熱間圧延後に高温で巻き取ることが
一般的な方法とされている。しかし、高温で巻取りを行
った場合には、酸化層が厚くなり、酸洗工程での酸洗性
が悪くなるので、完全な酸洗を行うために酸洗ラインの
通板速度を低下させる必要が生じ、生産性を著しく損ね
る結果となる。また、スケール量の増加に伴い酸洗液の
交換の頻度が高くなり、コスト増を引き起こすといった
問題があった。
【0003】これに対して、特開昭55−77910号
公報、特開昭56−166330号公報に開示されてい
るように、C、NをBの析出物とすることで、680℃
以下の巻取り温度で製造する方法が提案されている。し
かしながら、これらの方法で実施されている巻取り温度
は550〜670℃の範囲に過ぎず、冷却速度について
も特に規定はされていない。
【0004】そこで、酸洗性をさらに改善することを目
的として、巻取り温度をより低温とした場合の特性につ
いて調査を行ったところ、熱延後の冷却速度が従来並の
30℃/sの場合には、冷間圧延時の負荷が増加するた
めに、冷延コストが増加するという問題が生じた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱間圧延後
の冷却速度を限定し、かつ巻取り温度の範囲を規定する
ことにより、酸洗性に優れ、冷間圧延時の負荷の増加を
抑制しつつ、加工性に優れた連続焼鈍用冷延鋼板を製造
する方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、巻取り温
度を低温化し、酸洗性を改善しつつ、冷間圧延時の負荷
の増加を抑制して、加工性に優れた連続焼鈍用冷延鋼板
を提供すべく鋭意検討を行い、本発明を完成させたもの
である。すなわち、本発明の要旨とするところは、重量
比で、C:0.02〜0.06%、Mn:0.05〜
0.3%、P:0.04%以下、S:0.03%以下、
Al:0.01〜0.04%、N:0.004%以下、
B:10〜30ppmを含有し、かつB/Nが0.5〜
1.5であり、残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼を定法により熱間圧延を行い、次いで50℃/s以上
の冷却速度で冷却を行い、150〜400℃の温度で巻
取り、酸洗し、圧下率60%以上の冷間圧延を行い、次
いで定法による連続焼鈍を施すことを特徴とする加工性
に優れた冷延鋼板の製造方法にある。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず、成分の限定理由について述べる。Cは0.02〜
0.06%とする。Cは0.02%未満では連続焼鈍後
の時効劣化が大きいので望ましくない。また、Cが増加
すると加工性が劣化するので、問題のない0.06%を
上限とした。
【0008】Mnは0.05〜0.3%とする。Mnは
Sと結合して鋼の熱間脆性を防止する作用があるため、
その作用による所望の効果を確保するために0.05%
以上添加する。一方、Mnが多くなると加工性が劣化す
るので、悪影響を及ぼさない0.3%以下に限定した。
Pは含有量が多くなると硬化して加工性が劣化するの
で、悪影響を及ぼさない0.04%以下に限定した。
【0009】Sは含有量が多くなると熱間脆性の原因と
なるので、上限を0.03%に規制した。Alは0.0
1〜0.04%とする。Alは鋼の脱酸のためにのみ必
要な元素であるが、安定した脱酸処理及び鋼板の表面疵
をなくすためには、酸可溶Al量として最低0.01%
が必要である。また、Alを多量に含有すると加工性が
劣化するので、0.04%以下とする。
【0010】Nは多量に含有すると硬化して加工性が劣
化するので、悪影響を及ぼさない0.004%以下とし
た。但し、Nの量は単独で決定するのではなく、後述す
るBとの重量比により適正範囲で含有される。Bは10
〜30ppmとする。BはBNとしてNを固定するのに
有効な元素であり、その効果を得るためには10ppm
以上の添加が必要である。一方、Bを多量に含有すると
加工性が劣化するので30ppm以下とする。
【0011】B/Nの重量比を0.5以上とするのは、
これ未満では冷延焼鈍後の結晶粒が微細化し、加工性が
低下するためである。また、B/Nが1.5を超すと、
過剰なBがCと反応して、B炭化物が析出して加工性が
低下するため、上限を1.5に規定する。熱間圧延後の
冷却速度は、本発明において重要な要素である。酸洗性
を改善するために、より低い温度での巻取りを試みた
が、冷却速度を従来並の30℃/sで行うと、得られる
熱延鋼板の材質の安定性を欠き、その結果、冷延時の負
荷の増加、ゲージ振れなどの発生が問題となっていた。
本発明者らは、その原因が熱延板の時効によるものであ
ることをつきとめ、その改善策として、50℃/s以上
の速度で冷却をし、かつ下記のような温度で巻取りを行
うことが有効であることをつきとめた。
【0012】巻取り温度に関しては、酸洗性をさらに改
善するという観点から、低温とする必要がある。但し、
150℃未満まで低くすると、冷却速度を50℃/s以
上とした場合でも熱延板中のセメンタイトの析出が不十
分となり、固溶Cが増加して時効による硬化が生じ、そ
の結果、冷間圧延での負荷が増大して、冷延でのコスト
増を引き起こす。また、巻取り温度が400℃超〜60
0℃の場合も、熱延板の粒内へのセメンタイトの析出が
十分に生じないために、固溶Cが残って時効による硬化
が生じ、冷延時の負荷が増大してコスト増を引き起こ
す。
【0013】本発明者らは、C:0.045%、Mn:
0.15%、P:0.009%、S:0.006%、A
l:0.020%、N:0.0022%、B:18pp
mから成る化学組成の鋼を実験室で溶製し、板厚20m
mに分塊圧延し、1200℃で1時間加熱した後、仕上
げ温度890℃で熱延し、30℃/s、50℃/sの冷
却速度にて種々の温度まで冷却し、引き続き1時間の均
熱を行い、30℃/hの冷却速度で炉冷した鋼板を用い
て、脱スケール性、冷間圧延の負荷を調査した。酸洗性
の評価は、塩酸の水溶液中に鋼板を浸漬させ、酸化層が
除去されるまでの時間を比較して行った。図1には冷延
時の負荷の結果を、図2には脱スケール性の結果を示
す。
【0014】以上の調査より、冷延時の負荷を抑えるた
めには、冷却速度を50℃/s以上、巻取り温度を15
0℃以上400℃以下とすることが必要であることがわ
かった。また、上記の温度範囲であれば、酸洗性が改善
することもわかった。以上の結果より、巻取り温度の範
囲は150〜400℃の間に規定した。
【0015】
【実施例】表1に示すような成分を含有する鋼を溶製
し、通常の製法にて鋳造を行った後、鋼塊を定法に従い
板厚が3.3mmになるように熱間圧延を行った。次い
で、表2、表3(表2のつづき)に示すような条件にて
冷却し、種々の温度で熱延コイルに巻取った。条件1、
2、5、6、7、8、10、12、13、16、18は
本発明の範囲内であり、条件3、9、11、14、17
は巻取り温度が本発明の範囲外であり、条件4、9、1
5、17は冷却速度が本発明の範囲外である。得られた
熱延鋼板について、塩酸の水溶液を用いて酸洗時間を測
定し、酸洗性の比較を行った。巻取り後、酸洗を行い、
冷間圧延で0.8mmの板厚まで冷延し、引き続き連続
焼鈍ラインで750℃で40秒間の焼鈍を行い、次いで
100℃/sの冷却速度で450℃まで冷却し、450
〜350℃の範囲で120秒間の過時効処理を行い、そ
の後、1.2%の調質圧延を施した。得られた冷延鋼板
について、引張り試験を行い機械特性を測定した。酸洗
性の比較、冷延時の負荷の大きさ及び機械的特性につい
て表4に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】以上の表1〜表4の実施例の結果から明ら
かなように、本発明の範囲に入っているものは、従来の
550〜670℃で巻取ったものと同等以上の材質であ
り、さらに本発明範囲外のものに比べて酸洗性に優れて
おり、また冷間圧延時の負荷が小さいことがわかる。
【0021】
【発明の効果】以上、本発明について詳細に説明した
が、本発明の方法を用いることにより、連続焼鈍を用い
て加工性に優れた冷延鋼板を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 巻取り温度と圧延負荷との関係を示す図であ
る。
【図2】 巻取り温度と酸洗時間との関係を示す図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C:0.02〜0.06%、 Mn:0.05〜0.3%、 P:0.04%以下、 S:0.03%以下、 Al:0.01〜0.04%、 N:0.004%以下、 B:10〜30ppm を含有し、かつB/Nが0.5〜1.5であり、残部F
    eおよび不可避的不純物からなる鋼を定法により熱間圧
    延を行い、次いで50℃/s以上の冷却速度で冷却を行
    い、150〜400℃の温度で巻取り、酸洗、冷間圧延
    を行い、次いで定法による連続焼鈍を施すことを特徴と
    する加工性に優れた冷延鋼板の製造方法。
JP31317296A 1996-11-25 1996-11-25 連続焼鈍による加工性に優れた冷延鋼板の製造方法 Withdrawn JPH10152727A (ja)

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