JPH10152407A - 樹幹注入剤 - Google Patents
樹幹注入剤Info
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- JPH10152407A JPH10152407A JP25449397A JP25449397A JPH10152407A JP H10152407 A JPH10152407 A JP H10152407A JP 25449397 A JP25449397 A JP 25449397A JP 25449397 A JP25449397 A JP 25449397A JP H10152407 A JPH10152407 A JP H10152407A
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Abstract
に、松類)の枯損を防止するための有効な樹幹注入剤を
開発することである。 【解決手段】(1) 殺菌性又は殺虫性有効成分(2) 精油類
及び(3) 界面活性剤を含有することを特徴とする樹幹注
入剤を開発すること及び該樹幹注入剤を樹幹に注入する
ことにより病害虫を駆除することを特徴とする樹木の保
護方法を提供することである。
Description
樹幹注入剤による樹木の保護方法に関する。更に詳しく
は、殺虫性又は殺菌性有効成分及び界面活性剤からなる
樹幹注入剤に特に精油類を含有させることによって、有
効成分の活性を増強し、且つ持続化させた樹幹注入剤及
び該樹幹注入剤を樹幹に注入することによる樹木の保護
方法に関する。
類)の枯損を有効に防止するために従来から樹幹注入剤
が使用されている。樹幹注入された薬剤は、根から吸収
されて、仮導管を通って葉に移動する樹体内の水に溶解
して、枝などに移行するため、樹幹注入剤に使用する有
効成分には、ある程度の水に対する溶解度が必要とされ
ている。このことについて、松浦は水に対する溶解度が
1000ppmを越える薬剤のみが樹幹注入により松枯
れ病に対して有効性を示したと報告している。(植物防
疫、38巻、p27〜31、1984年)。このため、
水に対する溶解度が低い場合には、注入部位周辺で相当
量の薬剤が結晶析出を起こし、水分の通導阻害が起き、
その結果として、樹体内の有害生物に対する効果が安定
的に持続しないとされる。この点を解決する方法とし
て、可溶化製剤が提案されている。(特開平8ー175
914号公報) ところが、これら有害生物に活性な有効成分には、安定
性に乏しい化合物も多く、特に水中では、有効成分が加
水分解を受けて消失してしまうため、生物活性の早期の
消滅が生じ易く、効力の充分な持続性が得られなかった
りするという欠点が生じてしまう。また、化合物によっ
ては、樹中の有効成分濃度が高くなりすぎると樹木に対
し薬害を生じさせる有効成分もある。このため、注入後
の早い機会に、生物活性を発揮するのに必要充分な濃度
になるように有効成分を行き渡らせることは勿論必要で
あるが、一時に全部の有効成分を樹体全体に拡散させて
しまうことは、返って不利になることも多い。むしろ、
残余の有効成分は、注入点の周辺に、結晶が析出せず、
薬害のでない状態で貯蔵し、必要に応じて徐々に樹幹流
に溶解させて樹幹流中に放出する方が、効力の持続性並
びに薬害の両面から有利である。また、例えば、マツノ
ザイセンチュウは松樹の樹幹水の中のみにいるものでは
なく木質部にも生存するといわれるから、単に樹幹流に
溶解させて水中にのみ有効成分を存在させても、木質部
に生存するセンチュウには効果を発揮することが出来
ず、不充分な効果しか得られない場合もある。
題点を解決した、効力の持続期間が長く、且つ薬害の少
ない樹幹注入剤を提供することにある。
な目的を達成するために、鋭意検討した結果、注入直後
に、樹体内における有効成分濃度を生物活性に必要な濃
度にまで上げた後は、必要以上に上昇させず、その後、
徐々に有効成分を樹体内に放出することによって、樹体
内濃度を生物的に必要な濃度に長期に亘って薬害をおこ
させることなく維持させることに成功し、本発明を完成
した。
菌性有効成分、(2) 精油類、及び(3) 界面活性剤を含有
することを特徴とする樹幹注入剤、並びに該樹幹注入剤
を松類等の樹幹に注入し、樹体内に転流することによっ
て、樹体内濃度を生物的に必要な濃度に長期に亘って薬
害をおこさせることなく維持させることによりマツノザ
イセンチュウを初めとする種々の病害虫を駆除する樹木
の保護方法である。
檜等の山林樹ばかりでなく、柑橘、リンゴ、梨、いちじ
く、柿、桃、ぶどう、栗、桜桃、プラム、プルーン、び
わ、ぐみ、梅のような果樹、サルスベリ、サザンカ、ツ
バキ、ムクゲ、桜等の花木類、樫類、ヒメシャラ、モク
セイ、もみじのような庭木類に発生する病害虫である。
イムシ、ハマキガ、スカシバ類のような樹木の中に入り
込んで食害する穿孔性害虫、マツノザイセンチュウのよ
うな樹木の中で繁殖し樹液の流れを阻止するようなセン
チュウ類、アブラムシ、カイガラムシ類、ロウムシ類の
ような吸汁性害虫、アオムシ、ハマキガ類、シャクトリ
ムシ、ミノムシ、ケムシ類、ハバチ類のような食害性害
虫、ハダニ類のような害虫、及びうどんこ病、黒点病、
黒星病、赤星病、腐らん病、炭そ病、灰星病、かいよう
病、べと病のような病害を挙げることができる。
性有効成分としては、例えばイソキサチオン、エチルチ
オメトン、フェニトロチオン、プロチオホス、プロパホ
ス、ホスチアゼート、及びピラクロホスなどの有機リン
系殺虫剤、RH−7988のようなベンゾイミダゾール
系駆虫剤、オキサミル、メソミル、ベンフラカルブのよ
うなカーバメート系殺虫剤、ペルメスリン、サイペルメ
スリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェンのよ
うな合成ピレスロイド殺虫剤、クロルフルアズロン、フ
ルフェノクスロンのような昆虫生長制御剤、ピリミジフ
ェン、ダイコホルのような殺ダニ剤、ミルベマイシンA
3 、A4 、α11、α14、ミルベマイシン13位誘導体、
アベルメクチンB1a、B1b 、ネマデクチン、モキシデ
クチンのようなマクロライド系殺虫・殺ダニ剤、イミダ
クロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド等のネオニ
コチノイド系殺虫剤などが挙げられる。
「ミルベマイシン類」、「アベルメクチン類」、「ネマ
デクチン類」の一般名とそれらの構造を以下に挙げる。
昭56−45890号、特公昭56−46791号、ミ
ルベマイシンDについては、特公平2−17555号
に、ミルベマイシンα11、α14については、特公平1−
193270号、特公平7−8871号に、アベルメク
チンB1a、B1bについては、特開昭52−151197
号、特開昭53−130695号に、特開昭54−35
293号に、ネマデクチンについては特開昭61−10
589号、モキシデクチンについては特開昭63−11
9486号、特開昭62−265288号に公知であ
る。
平5−255343号に開示された誘導体を示し、特
に、13−[2−フェニル−2−(2−ピリミジニルチ
オ)アセトキシミルベマイシンA4 及び13−[2−フ
ェニル−2−(2−ピリミジニルチオ)アセトキシミル
ベマイシンA3 を示す。また、欧州特許公開公報第67
5133号に開示された誘導体を示し、特に、13−
(α−メトキシイミノフェニルアセトキシ)ミルベマイ
シンA4 及び13−(α−メトキシイミノフェニルアセ
トキシ)ミルベマイシンA3 を示す。
ジメノール、プロピコナゾールのようなトリアゾール系
殺菌剤、キャプタンのようなポリハロアルキルチオ系殺
菌剤、ベノミル、チオファネートメチルのようなベンゾ
イミダゾール系殺菌剤、メタラキシル、オキサジキシル
のようなアシルアラニン系殺菌剤、ピリフェノックス、
プロクロラッツのようなエルゴステロール生合成阻害剤
及びカスガマイシン、ポリオキシン、ストレプトマイシ
ンのような抗生物質などが上げられる。これらの殺虫性
あるいは殺菌性有効成分は単独又は2種以上を併用して
使用することが出来る。
は、有効成分の種類や物理性によって大きく異なるが、
通常は0.01〜50%程度、好ましいのは0.1〜3
0%程度である。
から得られるそれぞれ特有の芳香をもつ揮発性の油で、
水に溶けず、一般に有機溶剤には良く溶ける性質を有す
る。種々の植物から水蒸気蒸留によって得ることがで
き、成分は普通数種類の化合物から成り、その主なもの
はテルペン族又は芳香族の炭化水素、アルコール、アル
デヒド及びケトン、フェノール類、各種のエステル類な
どである。代表的な精油としては、テレピン油、樟脳
油、レモン油、ベルガモット油、ういきょう油、ハッカ
油、シトロネラ油、メリッサ油、ユーカリ油、レモング
ラス油、橙皮油、ウインターグリーン油、スイートバー
チ油、及びこれらの蒸留精製区分等を挙げることができ
る。
ものであり、植物との親和性が良く、植物に対して薬害
要因になりにくいうえ、多くの有機物質を溶解する性質
を有する.また、これら精油類は比較的極性の低い化合
物により構成されているものが多く、加水分解を受け易
い有効成分であっても安定に保つことが出来る場合が多
い。これら精油類を用いて製剤した樹幹注入剤が、どの
ような機構で本発明の効果を発揮するのかは明らかでは
ないが、精油類の上記のような性質から考えると、以下
のような機構が考えられる。
されると、一部の有効成分は樹幹流に溶解し、水の流れ
に乗って樹体内に満遍なく行き渡るが、樹幹流に溶解し
なかった残余の有効成分は、これら精油類に溶解したま
ま注入点付近に止まるか樹脂流に乗って樹体内を移動
し、以後樹幹流との間で分配を繰り返し、徐々に有効成
分を樹幹流中に放出する役目を果たすものと思われる。
とが出来るだけ使用するのが望ましい。従って、これら
精油類の配合量は一般的には1〜90%、好ましくは1
〜70%、更に好ましくは2〜60%程度である。精油
の配合量を増減することによって、注入直後に樹幹流に
乗って樹体内に移動する有効成分の量をある程度調節す
ることが出来る。
ど溶けないものが多いので、精油に有効成分を溶解した
だけでは、注入された有効成分はほとんど樹幹流に溶解
しない。このため、有効成分が樹体内で有効濃度に達し
ないままに終わってしまう。樹体内における初期の有効
成分濃度を生物的に有効な濃度まで上げるためには、界
面活性剤を用いることが必須である。界面活性剤はノニ
オン、アニオン、カチオン、両性界面活性剤のどれでも
良く、特に限定はない。
オキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエ
チレンアリルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、エチレンオキシドとプロピレンオ
キシドのコポリマー、ポリオキシエチレンヒマシ油エー
テル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル、蔗糖
脂肪酸エステル、並びに上記アルキレンオキシドを有す
るノニオン界面活性剤のアルキレンオキサイド末端をリ
ン酸エステル又は硫酸エステル化したもの、若しくはそ
れらの塩類等挙げることができる。また、アニオン界面
活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル
キル硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高
級脂肪酸塩等を、カチオン界面活性剤としては、アルキ
ルアミン類、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジ
ウム塩類等を、また、両性界面活性剤としては、アミノ
酸型、ベタイン型等を挙げることができる。
面活性剤単独、或いはそれらにアニオン界面活性剤を混
合して使用する。ノニオン界面活性剤の内で、ポリオキ
シアルキレン(ポリ)スチレン化フェノール、ポリオキ
シアルキレン(ポリ)スチレン化クレゾール及びこれら
の硫酸エステル又はリン酸エステル又はそれらの塩は最
も良好な界面活性剤である。(ここでアルキレンはエチ
レン又はプロピレンを示し、(ポリ)とは1ヶ又は2ヶ
以上のスチレン基で置換されていることを示す)。 こ
れら界面活性剤は単独で使用してもよいし、混合して使
用してもよい。これら界面活性剤の種類と配合量によっ
て、注入直後に樹幹流に乗って樹体内に移動する有効成
分の量をある程度調節することが出来る。界面活性剤の
配合量は、一般には、0.1〜50%程度、好ましくは
1〜30%、更に好ましくは5〜25%程度である。
して必要に応じて、水やその他の有機溶剤、種々の安定
化剤、効力増強剤、肥料成分、植物に活性化作用を有す
る微量要素等を配合することも可能である。
おける初期の有効成分濃度を有効濃度に上げるために必
要に応じて使用する。従って、これらは水と容易に混和
する溶剤が好ましく、例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、ヘキシルアルコールのような低級アルコール類、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール及びこれらのエステル及びエーテル類のよう
なグリコール類並びにこれらの誘導体、シクロヘキサノ
ン、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、
酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、ジメチル
スルホキシド(以下、DMSOと略称する)のようなス
ルホキシド類、グリセリン及びそのエステル並びにエー
テルのようなグリセリン誘導体、Nーメチルピロリド
ン、Nーエチルピロリドンのようなピロリドン類、アセ
トニトリルのようなニトリル類、テトラヒドロフラン、
ジオキサンのようなエーテル類をあげることができる
が、好適には、グリコール類、ケトン類、エステル類、
スルホキシド類であり、更に好適には、ケトン類であ
り、特に好適には、シクロヘキサノンである。これら有
機溶剤の種類と配合量によってもまた、注入直後に樹幹
流に乗って樹体内に移動する有効成分の量をある程度調
節することが出来る。これら有機溶剤の配合量は、有効
成分の種類と配合量によって異なるが、一般には0〜9
0%程度、好ましくは10〜80%程度、更に好ましく
は30〜80%程度である。 安定化剤は、有効成分の
製剤中或いは樹幹注入後の安定性を維持するために必要
に応じて配合する。例えば、酸、アルカリの如きpH調
節剤、BHT、ブチルヒドロキシアニソール、アスコル
ビン酸、クエン酸イソプロピル、トコフェロール、没食
子酸プロピルのような酸化防止剤、EDTA、ジメチル
グリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセチルアセト
ン、グリシン、ニトリロトリ酢酸等のキレート剤、サリ
チル酸誘導体、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体、安息
香酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、クマリン誘導体のような
紫外線吸収剤等を上げることができる。これら安定剤の
配合量は通常0〜5%、好ましくは0〜1%である。
揮させるように配合する。例えば、ピペロニルブトキサ
イド等を上げることが出来る。これらの配合量は通常0
〜30%、好適には0〜20%程度である。
要素を樹幹注入剤中に配合することは、病虫害によって
衰弱した樹木を活性化させるのに有効である。このよう
な成分には窒素、リン酸、カリといった肥料の3大要素
の他に、カルシウム、硫黄、亜鉛、銅、モリブデン、ホ
ウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、種々のビタミン類
といった微量要素も含まれる。これらの配合量は、通常
0〜30%、好ましくは0〜20%、更に好ましくは0
〜10%程度である。
殺菌性の有効成分を0.1〜50%、精油類を1〜90
%、界面活性剤を0.1〜50%を必須成分として含有
する均一系である。
して調製する。調製方法は、適当な大きさのタンク中
で、混合機を用いて全量を混合溶解すればよいが、低温
又は高温で結晶が析出し易い不安定な系では、先に述べ
たように注入点付近で有効成分が晶出してしまう恐れが
あるので、温度に対して充分な安定性を有することが必
要である。
剤は適当な容器に入れ、樹木にあけた注入孔から注入す
ることによって達成することが出来る。注入の方法は自
然注入でも加圧注入でもどちらでもよい。
からなる適当なものを用いればよいが、重さ、割れ安
さ、空瓶の処理のし易さ、加圧耐性等から考えて合成樹
脂製のものが有利である。注入時に注入剤が漏れないよ
うに、注入孔の径に合わせて同一の外径を有し、長さ5
cm程度の注入口を有するものが有利である。
期、樹齢、被害の状況等により適宜変更が可能である。
実施の態様をより詳細に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではないことはいうまでもない。
ン(ミルベマイシンA3 :A4 =3:7の混合物)を2
及び5%含有する樹幹注入剤を得た。
%含有する樹幹注入剤を得た。
含有する樹幹注入剤を得た。
を10%含有する樹幹注入剤を得た。
10%含有する樹幹注入剤を得た。
を2%含有する樹幹注入剤を得た。
クチン、ミルベマイシンα14、化合物1をそれぞれ2%
含有する樹幹注入剤を得た。
ンを2及び5%含有する樹幹注入剤を得た。
例1〜3に示した樹幹注入剤を5年生のアカマツに、1
本当たり有効成分として0.05gになるように注入し
た。1部の樹には、1ヶ月後、1年後、2年後に強毒性
マツノザイセンチュウ懸濁液(100000頭/ml)
0.3mlを接種し、その3ヶ月後に枯損防止効果を調
べた。また1部の樹は1ヶ月後、3ヶ月後、1年後、2
年後に主幹から伸びる最先端の1節を切断し、その部分
に含まれるミルベマイシンの濃度を測定した。結果を表
4に示した。枯損木数は1区10本中の枯損木数を、ま
た主幹中濃度は3樹平均のミルベメクチンの濃度(pp
m)を示す。
は、いずれも比較例の製剤に比し安定した枯損防止効果
を示した。主幹先端部の有効成分濃度は、比較例1、2
の製剤では初期に比較的高い値を示したが、のち急激に
低い値となった。また比較例3の製剤では初期濃度も低
く、期間中を通して有効濃度に達しなかったものと思わ
れる。一方、本発明の製剤では、初期の有効成分濃度は
比較例1、2に比して同等かやや低い値であったが、そ
の後も急激な低下は見られず、2年後にも有効濃度を維
持した。尚、いずれの区にも薬害の兆候は見られなかっ
た。
ぞれ有効成分として1.2gに相当する実施例1、2、
5、6及び10〜13並びに比較例1及び3の樹幹注入
剤を注入した(3月15日)。6月10日に樹液の益出
を確認後、高さ約2.5mの位置に強毒性マツノザイセ
ンチュウ懸濁液(100000頭/ml)0.5mlを
接種し、その3ヶ月後に枯損防止効果を調べた。生存木
には更に翌年の6月20日に、高さ約2.5mの位置に
強毒性マツノザイセンチュウ懸濁液(100000頭/
ml)0.5mlを接種し、その3ヶ月後に枯損防止効
果を調べた。結果を表5に示した。
も比較例の製剤に比し、安定した枯損防止効果を示し
た。いずれの区にも薬害の兆候は見られなかった。
尚、2年後に、それぞれの樹にトドマツノハダニを接種
し、1ヶ月後にハダニの被害を調べたところ、実施例
1、2、5、6、10〜13ではいずれの樹でもハダニ
は認められなかったが、比較例1、3では多くのハダニ
の寄生が認められた。
さ3mのサルスベリの木に10ml注入した(4月20
日)。付近の木は7月になるとうどん粉病が発生した
が、注入木には発生を認めなかった。注入木に薬害はな
かった。
の木に0.5ml注入した(2月20日)。樹幹注入剤
を注入しなかった木には、5月にアブラムシが発生し、
その後すす病が生じたが、注入した木にはその年の落葉
までアブラムシは発生しなかった。注入木に薬害はなか
った。
州みかんの木に20ml注入した(2月20日)。樹幹
注入剤を注入しなかった木には、ヤノネカイガラムシが
大量に発生したが、注入した木にはその年を通して発生
を見なかった。注入木に薬害はなかった。
比較的水に溶けにくい有効成分を、組成中に精油類を配
合することによって、安定化した効果を発揮しうるよう
にした樹幹注入剤である。本発明によって、長期間に亘
って効果が持続し、薬害の心配もない樹幹注入剤を得る
ことができるようになった。本発明によれば、作業者が
直接薬剤に触れることなく、手軽に薬剤の処理ができる
ので、使用者の健康面での心配もなくなり、農・林業及
び自然環境保護の面での寄与は大きい。
Claims (10)
- 【請求項1】(1) 殺虫性又は殺菌性有効成分、(2) 精油
類、及び(3) 界面活性剤を含有することを特徴とする樹
幹注入剤。 - 【請求項2】殺虫性有効成分が、ミルベマイシン類、ア
ベルメクチン類、ネマデクチン類から選ばれる1種以上
を含有する請求項1に記載の樹幹注入剤。 - 【請求項3】殺虫性有効成分が、ミルベマイシンA3 、
A4 、D、α11、α14、及びミルベマイシンの13位誘
導体から選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載
の樹幹注入剤。 - 【請求項4】精油がテレピン油、樟脳油より選ばれる1
種以上である請求項1乃至3に記載の樹幹注入剤。 - 【請求項5】界面活性剤がポリオキシアルキレン(ポ
リ)スチレン化フェノール、ポリオキシアルキレン(ポ
リ)スチレン化クレゾール及びこれらの硫酸エステル又
はリン酸エステル又はそれらの塩より選ばれる1種以上
である請求項1乃至4に記載の樹幹注入剤。 - 【請求項6】有機溶剤を含有する請求項1乃至5に記載
の樹幹注入剤。 - 【請求項7】有機溶剤が低級アルコール類、グリコール
類並びにそれらの誘導体、エーテル類、ケトン類、エス
テル類、スルホキシド類、ニトリル類、ピロリドン類、
グリセリン類から選ばれる1種以上である請求項6に記
載の樹幹注入剤。 - 【請求項8】有機溶剤が、シクロヘキサノンである請求
項6乃至請求項7に記載の樹幹注入剤。 - 【請求項9】請求項1乃至8記載の樹幹注入剤を立木類
の樹幹又は根部に注入し、樹体内に転流させることによ
り病害虫を駆除する樹木の保護方法。 - 【請求項10】立木が松樹であり駆除対象がマツノザイ
センチュウである請求項9記載の樹木の保護方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25449397A JP3314148B2 (ja) | 1996-09-24 | 1997-09-19 | 樹幹注入剤 |
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---|---|---|---|
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JP8-251295 | 1996-09-24 | ||
JP25449397A JP3314148B2 (ja) | 1996-09-24 | 1997-09-19 | 樹幹注入剤 |
Publications (2)
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JP (1) | JP3314148B2 (ja) |
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