JPH10152114A - 弁構造 - Google Patents

弁構造

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JPH10152114A
JPH10152114A JP8311532A JP31153296A JPH10152114A JP H10152114 A JPH10152114 A JP H10152114A JP 8311532 A JP8311532 A JP 8311532A JP 31153296 A JP31153296 A JP 31153296A JP H10152114 A JPH10152114 A JP H10152114A
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JP
Japan
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stem
agent
housing
hole
stem hole
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Application number
JP8311532A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Omori
利幸 大森
Yukiyori Hatsutori
雪頼 服部
Yoko Ishioka
洋子 石岡
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステム孔の目詰まりによる動作不良が起
き難い、信頼性に優れた弁構造を提供することである。 【解決手段】 剤導入口が形成されたハウジングと、一
部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方向に沿っ
て剤誘導路が形成されたステムとを具備し、前記ステム
を変位させることで、前記ハウジング内の剤が前記ステ
ムに形成されたステム孔を通過して前記ステムの剤誘導
路内に送り込まれるよう構成された弁構造であって、前
記ステム孔の径以下の径を有する剤透過孔が複数形成さ
れた仕切板を前記ハウジング内における前記剤導入口か
ら前記ステム孔に至る剤の流動経路の途中に設けた弁構
造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエアゾール
缶などに内蔵される弁の構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】現在、内部に充填され
た剤をLPガス、あるいは炭酸ガスなどの圧縮ガスの圧
力で噴射させるエアゾール缶が広く普及している。こう
したエアゾール缶は扱いやすいことが特長であり、それ
には弁が大きな役割を果たしている。ここで、図8およ
び図9を用いて、従来型の弁の構造を説明する。なお、
図8はエアゾール缶における弁部分の断面図、図9は弁
内部の剤流動経路を示す断面図である。
【0003】図8から判るように、弁は、エアゾール缶
のキャップ41に固定されたハウジング42と、下半分
がハウジング42内に収納されたステム43とからな
る。ハウジング42の底面には剤導入口44が、また、
ハウジング42の周面にはその内部にガス圧を導入する
ための細孔45が存在する。なお、この細孔45は必ず
しも必要なものではないため、設けられないこともあ
る。
【0004】ステム43は上側半分程度が中空状になっ
ており、これによって剤誘導路46が形成されている。
更に、ステム43には、その半径方向に沿って剤誘導路
46につながるステム孔47が設けられている。但し、
ステム43が定常位置にある状態では、ゴム製のシール
材48によって、ステム孔47は閉塞されている。ハウ
ジング42とステム43との間には、金属製のスプリン
グ49が介在させられている。このスプリング49の上
端はステム43の下端側に設けた環状凹部に嵌め込まれ
ており、一方、下端は台座50を用いてハウジング42
の底面にセットされている。
【0005】上記構造の弁における剤の流動経路を図9
に矢印で示す。同図から判るようにステム43をスプリ
ング49の弾撥力に抗して下方に変位させると、シール
材48が変形し、このシール材48とステム孔47との
間に隙間が形成される。つまり、ステム孔47が開放さ
れる。ハウジング42内の剤には、常時、ガス圧が作用
しているので、ステム孔47が開放されると、剤はそれ
を通って剤誘導路46内に送り込まれる。そして、ステ
ム43の上端部に嵌合されたノズル(図では省略)から
噴射される。
【0006】ところで、上記の弁が内蔵されたエアゾー
ル缶では、中身が十分に残っているにもかかわらず、急
に剤の出が悪くなったり、全く出なくなることがある。
これは弁の動作不良が原因であり、ほとんどの場合、こ
の動作不良はステム孔に異物が詰まることによって引き
起こされている。そこで、剤の充填工程では、異物を極
力混入させないよう注意しながら作業が行われている。
しかし、実際には、異物の混入を完全にゼロにすること
はできない。仮に、それが可能であったとしても、弁の
内部に自然発生する異物、すなわちスプリングの座巻で
ステムなどの樹脂部材が削られてできる樹脂屑について
は対処不能である。
【0007】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、ステム孔の目詰まりによる動作不良が起き難い信
頼性に優れた弁構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、剤導入口
が形成されたハウジングと、一部が前記ハウジング内に
収納され、かつ、軸方向に沿って剤誘導路が形成された
ステムとを具備し、前記ステムを変位させることで、前
記ハウジング内の剤が前記ステムに形成されたステム孔
を通過して前記ステムの剤誘導路内に送り込まれるよう
構成された弁構造であって、前記ステム孔の径以下の径
を有する剤透過孔が複数形成された仕切板を前記ハウジ
ング内における前記剤導入口から前記ステム孔に至る剤
の流動経路の途中に設けたことを特徴とする弁構造によ
って解決される。
【0009】特に、剤導入口が形成されたハウジング
と、一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方向
に沿って剤誘導路が形成されてなると共に、前記剤誘導
路と前記ハウジング内空間とをつなぐステム孔が前記軸
方向に対して交差する方向に沿って形成されたステム
と、このステムが定常位置にある状態で前記ステム孔を
閉塞するシール材とを具備し、前記ステムを定常位置か
ら変位させることで、前記シール材が変形して前記ステ
ム孔が開放され、前記ハウジング内の剤が前記ステム孔
を通過して前記ステムの剤誘導路内に送り込まれるよう
構成された弁構造であって、前記ステム孔の径以下の径
を有する剤透過孔が複数形成された仕切板を前記ハウジ
ング内における前記剤導入口から前記ステム孔に至る剤
の流動経路の途中に設けたことを特徴とする弁構造によ
って解決される。
【0010】更には、剤導入口が形成されたハウジング
と、一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方向
に沿って剤誘導路が形成されてなると共に、前記剤誘導
路と前記ハウジング内空間とをつなぐステム孔が前記軸
方向に対して交差する方向に沿って形成されたステム
と、このステムが定常位置にある状態で前記ステム孔を
閉塞するシール材と、前記ステムの下端部と前記ハウジ
ングの底面との間に介在させたスプリングとを具備し、
前記スプリングの弾撥力に抗して、前記ステムを定常位
置から変位させることで、前記シール材が変形して前記
ステム孔が開放され、前記ハウジング内の剤が前記ステ
ム孔を通過して前記ステムの剤誘導路内に送り込まれる
よう構成された弁構造であって、前記ステム孔の径以下
の径を有する剤透過孔が複数形成された仕切板を前記ハ
ウジング内における前記剤導入口から前記ステム孔に至
る剤の流動経路の途中であって、前記スプリングの位置
よりも下流側に設けたことを特徴とする弁構造によって
解決される。
【0011】また、上記の課題は、剤導入口が形成され
たハウジングと、一部が前記ハウジング内に収納され、
かつ、軸方向に沿って剤誘導路が形成されたステムとを
具備し、前記ステムを変位させることで、前記ハウジン
グ内の剤が前記ステムに形成されたステム孔を通過して
前記ステムの剤誘導路内に送り込まれるよう構成された
弁構造であって、前記ステムにおいて、前記ハウジング
内に収納され、かつ、このハウジング内を変移する部分
には、前記ステムの軸方向に沿って、前記ステム孔の径
以下の径を有する剤透過孔が複数形成されてなり、剤
が、前記剤透過孔を経て、前記ハウジング内を前記剤導
入口側から前記ステム孔側に流動するようにしたことを
特徴とする弁構造によって解決される。
【0012】あるいは、剤導入口が形成されたハウジン
グと、一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方
向に沿って剤誘導路が形成されたステムとを具備し、前
記ステムを変位させることで、前記ハウジング内の剤が
前記ステムに形成されたステム孔を通過して前記ステム
の剤誘導路内に送り込まれるよう構成された弁構造であ
って、前記ステムにおいて、前記ハウジング内に収納さ
れ、かつ、このハウジング内を変移する部分の外周面に
は、前記ステムの軸方向に沿って、最大幅が前記ステム
孔の径以下である剤透過溝が複数形成されてなり、剤
が、前記剤透過溝を経て、前記ハウジング内を前記剤導
入口側から前記ステム孔側に流動するようにしたことを
特徴とする弁構造によって解決される。
【0013】すなわち、上記構造の弁では、剤に混入し
た異物においてステム孔を詰まらせるような大きさのも
のは、仕切板を越えてステム孔側に移動できない。言い
換えれば、異物がステム孔に到達するのを仕切板によっ
て抑えられるから、ステム孔の目詰まりが起きない。そ
の上、仕切板の剤透過孔のいくつかが異物で詰まったと
しても、剤は他の正常に機能する剤透過孔を通ってステ
ム孔側に流動できる。したがって、仕切板の目詰まりに
起因した弁の動作不良も起き難い。更に、スプリングと
接する部材がスプリングの座巻で削られて生じる樹脂屑
についても、仕切板の作用によってステム孔には到達す
ることができない。このため、製造段階で混入した異物
だけではなく、使用途中で自然発生する樹脂屑によるス
テム孔の目詰まりも起きない。ゆえに、本発明の構造を
有する弁では、安定的に剤を吐出させることが可能であ
る。
【0014】また、ステムに直接、剤透過孔や剤透過溝
を形成してなる構造の弁についても同様のことが言え
る。すなわち、ステム孔を詰まらせるような大きさの異
物は、剤透過孔や剤透過溝を通ってステム孔側に移動す
ることはできないので、ステム孔の目詰まりが起きな
い。更に、剤透過孔や剤透過溝は、ステムに複数形成さ
れているので、それらが詰まることに起因した弁の動作
不良も起き難い。
【0015】なお、上記の弁構造において、仕切板は、
ステムと共に変位するよう前記ステムに固定されてなる
ことが好ましい。これは、仕切板をハウジング内周面に
一体的に形成するよりも、それを別部材とし、ステムに
固定する方が生産性に優れるからである。そして、この
場合、仕切板の外縁部がハウジングの内周面に密着する
ように構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第1実施形態とし
て説明する構造の弁は、剤導入口が形成されたハウジン
グと、一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方
向に沿って剤誘導路が形成されてなると共に前記剤誘導
路と前記ハウジング内空間とをつなぐステム孔が前記軸
方向に対して交差する方向に沿って形成されたステム
と、このステムが定常位置にある状態で前記ステム孔を
閉塞するシール材と、前記ステムの下端部と前記ハウジ
ングの底面との間に介在させたスプリングとを具備し、
前記スプリングの弾撥力に抗して、前記ステムを定常位
置から変位させることで前記シール材が変形して前記ス
テム孔が開放され、前記ハウジング内の剤が前記ステム
孔を通過して前記ステムの剤誘導路内に送り込まれるよ
う構成されており、前記ステム孔の径以下の径を有する
剤透過孔が複数形成された仕切板を前記ハウジング内に
おける前記剤導入口から前記ステム孔に至る剤の流動経
路の途中であって、前記スプリングの位置よりも下流側
に設けたことを特徴とする。特に、この弁にあっては、
仕切板はステムと共に変位するよう前記ステムに固定さ
れている。
【0017】図1〜図4を用いて、本発明の第1実施形
態を更に詳しく説明する。なお、図1はエアゾール缶に
おける弁部分の断面図、図2は仕切板の平面図、図3は
図2におけるX−X線での断面図、図4は弁内部の剤流
動経路を示す断面図である。本実施形態の弁は、図1か
ら判るように、エアゾール缶のキャップ1に固定された
ハウジング2と、下半分がハウジング2内に収納された
ステム3とを主要構成要素とする。
【0018】ハウジング2の底面には剤導入口4が、ま
た、ハウジング2の周面には、その内部にガス圧を導入
するための細孔(ガス導入孔)5が存在する。ステム3
の一部は中空状になっており、これによって軸方向に沿
った剤誘導路6が形成されている。更に、ステム3に
は、その軸方向に対して交差する方向に沿って、つまり
半径方向に沿って剤誘導路6につながるステム孔7が設
けられている。但し、ステム孔7は、ステム3が定常位
置、すなわち図1に示す位置にある状態では、ゴム製の
シール材8によって閉塞されている。
【0019】ハウジング2とステム3との間には、金属
製のスプリング9が介在させられている。このスプリン
グ9の上端はステム3の下端側に設けた環状凹部に嵌め
込まれており、一方、スプリング9の下端は台座10を
用いてハウジング2の底面にセットされている。なお、
台座10は4個の分割片からなっており、これら分割片
相互の位置関係はスプリング9の座巻によって規定され
ている。
【0020】ステム3には円環状の仕切板11が固定さ
れている。仕切板11は、その外縁部をハウジング2の
内周面に密着させた状態で、ステム3と共に上下動す
る。仕切板11には、図2や図3に示すごとく、30°
間隔で計12個の剤透過孔12が形成されている。この
剤透過孔12の径は、ステム孔7の径と等しいか、それ
より小さなものであればよい。本実施形態では、ステム
孔7の径を0.3mmとし、剤透過孔12の径をそれよ
りも小さい0.25mmとした。また、仕切板11の厚
みを剤透過孔12の径の約2倍とした。
【0021】なお、上記構造の弁が従来のものと同等の
剤吐出能力を得るには、剤透過孔12の開口面積の総和
が、剤導入口4およびガス導入孔5の開口面積の和に等
しいか、若しくはそれ以上であることが要求される。本
実施形態では、剤導入口4の径を0.65mmとしたの
で、その開口面積は0.332mm2 である。また、ガ
ス導入孔5の径を0.33mmとしたので、その開口面
積は0.085mm2である。よって、両者の開口面積
の和は0.417mm2 となる。一方、剤透過孔12の
径は上述したように0.25mmであるから、剤透過孔
12一つあたりの開口面積は0.049mm2 である。
したがって、剤透過孔12を最低9個設ければ、仕切板
11がない場合と同等の剤吐出能力が得られる。本実施
形態では剤透過孔12のいくつかが異物で詰まることを
予め想定し、それを最低必要な個数よりも3個多く形成
した。
【0022】上記構造の弁における剤の流動経路を図4
に矢印で示す。同図から判るようにステム3の上端部に
嵌合されたノズル(図1や図4では省略)を押し下げる
と、ステム3はスプリング9の弾撥力に抗して下方に変
位する。これに伴い、シール材8は、ステム3のテーパ
ー状周面の作用で下方に湾曲させられ、ステム孔7とシ
ール材8との間に隙間が形成される。つまり、ステム孔
7が開放される。
【0023】ハウジング2内の剤には、常時、LPガ
ス、あるいは炭酸ガスなどの圧縮ガスによる圧力が作用
しているので、ステム孔7が開放されると、剤はそれを
通過して剤誘導路6内に送り込まれる。そして、ステム
3の上端部に嵌合されたノズルから噴射される。ところ
で、本実施形態では、剤が、ステム孔7の手前に配置さ
れた仕切板11の剤透過孔12を通過するようになって
いる。したがって、剤にステム孔7を詰まらせるような
異物が混入していたとしても、剤透過孔12の径がステ
ム孔7の径よりも小さいことから、この異物は仕切板1
1に阻まれ、ステム孔7に到達できない。このため、ス
テム孔7の目詰まりは起きない。その上、異物が剤透過
孔12のいくつかを詰まらせたとしても、剤は他の正常
に機能する剤透過孔12を通ってステム孔7の側に流動
できる。よって、仕切板11の目詰まりに起因した動作
不良も起き難い。また、ハウジング2内には、ステム3
や台座10がスプリング9の座巻で削られて樹脂屑が生
成される。しかし、本実施形態では、仕切板11を樹脂
屑の生成される区域であるスプリング室と、ステム孔7
との間に存在させている。つまり、仕切板11をスプリ
ング9の位置よりも下流側に設けている。樹脂屑は製造
段階で混入した異物同様、この仕切板11を越えて移動
することはできないから、樹脂屑によるステム孔7の目
詰まりも発生しない。
【0024】続いて、本発明の第2実施形態を説明す
る。以下で第2実施形態として説明する構造の弁は、剤
導入口が形成されたハウジングと、一部が前記ハウジン
グ内に収納され、かつ、軸方向に沿って剤誘導路が形成
されたステムとを具備し、前記ステムを変位させること
で、前記ハウジング内の剤が前記ステムに形成されたス
テム孔を通過して前記ステムの剤誘導路内に送り込まれ
るよう構成されており、前記ステムにおいて、前記ハウ
ジング内に収納され、かつ、このハウジング内を変移す
る部分(ピストン部)には、前記ステムの軸方向に沿っ
て前記ステム孔の径以下の径を有する剤透過孔が複数形
成されてなり、剤が、前記剤透過孔を経て、前記ハウジ
ング内を前記剤導入口側から前記ステム孔側に流動する
ようにしたことを特徴とする。
【0025】図5および図6を用いて、本発明の第2実
施形態を更に詳しく説明する。ただし、図5はエアゾー
ル缶における弁部分の断面図、図6はステムのピストン
部の横断面図である。本実施形態の弁も、第1実施形態
と同様、エアゾール缶のキャップ21に固定されたハウ
ジング22と、下半分がこのハウジング22内に収納さ
れたステム23とを主要構成要素とする。
【0026】ハウジング22の底面には剤導入口24
が、また、ハウジング22の周面にはその内部にガス圧
を導入するための細孔(ガス導入孔)25が存在する。
ステム23の一部は中空状になっており、これによって
軸方向に沿った剤誘導路26が形成されている。更に、
ステム23には、その軸方向に対して交差する方向に沿
って、つまり半径方向に沿って剤誘導路26につながる
ステム孔27が設けられている。このステム孔27は、
ステム23が定常位置にある状態では、ゴム製のシール
材28によって閉塞されている。
【0027】ハウジング22とステム23との間には、
金属製のスプリング29が介在させられている。このス
プリング29の上端はステム23の下端側に設けた環状
凹部に嵌め込まれており、一方、スプリング29の下端
は台座30を用いてハウジング22の底面にセットされ
ている。ステム23において、ハウジング22内に収納
され、かつ、ハウジング22内を変移する部分、すなわ
ちピストン部31は、その外周面がハウジング22の内
周面に密着するよう構成されている。よって、ピストン
部31の外周面とハウジング22の内周面との間のクリ
アランスは極めて小さく、剤はこの部分を通ってステム
孔27側に流動することはできない。
【0028】ピストン部31の外周面とハウジング22
の内周面との間を剤が流動できないようにした代わり
に、ピストン部31には、その軸方向に沿って、剤透過
孔32を複数形成している。剤透過孔32は、ステム孔
27の径以下の径を有するものであって、剤は、この剤
透過孔32を経て、ハウジング22内を剤導入口24側
からステム孔27側に流動できるようになっている。な
お、本実施形態では、図6から判るように、剤透過孔3
2を45°間隔で計8個設けている。
【0029】上記構造の弁においては、ステム23の上
端部に嵌合されたノズル(図5では省略)を押し下げる
と、ステム23はスプリング29の弾撥力に抗して下方
に変位する。これに伴い、シール材28は、ステム23
のテーパー状周面の作用で下方に湾曲させられ、その結
果、ステム孔27が開放された状態となる。ハウジング
22内の剤には、常時、LPガス、あるいは炭酸ガスな
どの圧縮ガスによる圧力が作用しているので、ステム孔
27が開放されると、剤はそれを通過して剤誘導路26
内に送り込まれる。そして、ステム23の上端部に嵌合
されたノズルから噴射される。
【0030】ところで、本実施形態では、剤が、ステム
23のピストン部31に形成された複数の剤透過孔32
を経て、ステム孔27に供給されるようになっている。
したがって、剤にステム孔27を詰まらせるような異物
が混入していたとしても、剤透過孔32の径がステム孔
27の径以下の大きさであることから、この異物は剤透
過孔32を通過することができず、ステム孔27に到達
しえない。このため、ステム孔27の目詰まりは起きな
い。その上、異物が剤透過孔32のいくつかを詰まらせ
たとしても、剤は他の正常に機能する剤透過孔32を通
ってステム孔27の側に流動できる。よって、剤透過孔
32の目詰まりに起因した動作不良が起き難い。更に、
ハウジング22内に自然発生する樹脂屑についても、製
造段階で混入した異物と同様、ステム孔27を詰まらせ
るような大きさのものは、剤透過孔32を通過できな
い。ゆえに、樹脂屑によるステム孔27の目詰まりも発
生しない。
【0031】続いて、本発明の第3実施形態を説明す
る。以下で第3実施形態として説明する構造の弁は、剤
導入口が形成されたハウジングと、一部が前記ハウジン
グ内に収納され、かつ、軸方向に沿って剤誘導路が形成
されたステムとを具備し、前記ステムを変位させること
で、前記ハウジング内の剤が前記ステムに形成されたス
テム孔を通過して前記ステムの剤誘導路内に送り込まれ
るよう構成されており、前記ステムにおいて、前記ハウ
ジング内に収納され、かつ、このハウジング内を変移す
る部分(ピストン部)の外周面には、前記ステムの軸方
向に沿って、最大幅が前記ステム孔の径以下である剤透
過溝が複数形成されてなり、剤が、前記剤透過溝を経
て、前記ハウジング内を前記剤導入口側から前記ステム
孔側に流動するようにしたことを特徴とする。
【0032】ステムのピストン部の横断面を示す図7を
用いて、この第3実施形態を更に詳しく説明する。な
お、本実施形態の弁は、要部を除いて上記第2実施形態
と同じ構造である。したがって、全体構成についての説
明は省略する。第3実施形態の弁では、図7から判るよ
うに、ステムのピストン部33の外周面に、ステムの軸
方向に沿って複数の剤透過溝34が形成されている。こ
の剤透過溝34の最大幅は、ステム孔の径以下の大きさ
であって、剤は、この剤透過溝34(正確には、剤透過
溝34の円弧状面と、ハウジング内周面との間に形成さ
れる流路)を経て、ハウジング内を剤導入口側からステ
ム孔側に流動できるようになっている。なお、本実施形
態では、剤透過溝34を30°間隔で計12個設けてい
る。
【0033】このように構成された弁にあっても、ステ
ム孔を詰まらせるような大きさの異物は剤透過溝34を
通過することができず、したがってステム孔の目詰まり
は起きない。また、剤透過溝34が複数存在することか
ら、この剤透過溝34の目詰まりに起因した動作不良も
起き難い。
【0034】
【発明の効果】本発明の弁構造は、ステム孔の目詰まり
による動作不良が起き難く、信頼性に優れ、安定した剤
の吐出を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造の弁(第1実施形態)が内蔵
されたエアゾール缶における弁部分の断面図
【図2】第1実施形態の弁における仕切板の平面図
【図3】図2におけるX−X線での仕切板の断面図
【図4】第1実施形態の弁内部の剤流動経路を示す断面
【図5】本発明に係る構造の弁(第2実施形態)が内蔵
されたエアゾール缶における弁部分の断面図
【図6】第2実施形態の弁におけるステムのピストン部
の横断面図
【図7】本発明に係る構造の弁(第3実施形態)におけ
るステムのピストン部の横断面図
【図8】従来構造の弁が内蔵されたエアゾール缶におけ
る弁部分の断面図
【図9】従来構造の弁内部の剤流動経路を示す断面図
【符号の説明】
1 キャップ 2 ハウジング 3 ステム 4 剤導入口 5 ガス導入孔 6 剤誘導路 7 ステム孔 8 シール材 9 スプリング 10 台座 11 仕切板 12 剤透過孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剤導入口が形成されたハウジングと、 一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方向に沿
    って剤誘導路が形成されたステムとを具備し、 前記ステムを変位させることで、前記ハウジング内の剤
    が前記ステムに形成されたステム孔を通過して前記ステ
    ムの剤誘導路内に送り込まれるよう構成された弁構造で
    あって、 前記ステム孔の径以下の径を有する剤透過孔が複数形成
    された仕切板を前記ハウジング内における前記剤導入口
    から前記ステム孔に至る剤の流動経路の途中に設けたこ
    とを特徴とする弁構造。
  2. 【請求項2】 剤導入口が形成されたハウジングと、 一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方向に沿
    って剤誘導路が形成されてなると共に、前記剤誘導路と
    前記ハウジング内空間とをつなぐステム孔が前記軸方向
    に対して交差する方向に沿って形成されたステムと、 このステムが定常位置にある状態で前記ステム孔を閉塞
    するシール材とを具備し、 前記ステムを定常位置から変位させることで、前記シー
    ル材が変形して前記ステム孔が開放され、前記ハウジン
    グ内の剤が前記ステム孔を通過して前記ステムの剤誘導
    路内に送り込まれるよう構成された弁構造であって、 前記ステム孔の径以下の径を有する剤透過孔が複数形成
    された仕切板を前記ハウジング内における前記剤導入口
    から前記ステム孔に至る剤の流動経路の途中に設けたこ
    とを特徴とする弁構造。
  3. 【請求項3】 剤導入口が形成されたハウジングと、 一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方向に沿
    って剤誘導路が形成されてなると共に、前記剤誘導路と
    前記ハウジング内空間とをつなぐステム孔が前記軸方向
    に対して交差する方向に沿って形成されたステムと、 このステムが定常位置にある状態で前記ステム孔を閉塞
    するシール材と、 前記ステムの下端部と前記ハウジングの底面との間に介
    在させたスプリングとを具備し、 前記スプリングの弾撥力に抗して、前記ステムを定常位
    置から変位させることで、前記シール材が変形して前記
    ステム孔が開放され、前記ハウジング内の剤が前記ステ
    ム孔を通過して前記ステムの剤誘導路内に送り込まれる
    よう構成された弁構造であって、 前記ステム孔の径以下の径を有する剤透過孔が複数形成
    された仕切板を前記ハウジング内における前記剤導入口
    から前記ステム孔に至る剤の流動経路の途中であって、
    前記スプリングの位置よりも下流側に設けたことを特徴
    とする弁構造。
  4. 【請求項4】 仕切板はステムと共に変位するよう前記
    ステムに固定されてなることを特徴とする請求項1〜請
    求項3いずれかに記載の弁構造。
  5. 【請求項5】 剤導入口が形成されたハウジングと、 一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方向に沿
    って剤誘導路が形成されたステムとを具備し、 前記ステムを変位させることで、前記ハウジング内の剤
    が前記ステムに形成されたステム孔を通過して前記ステ
    ムの剤誘導路内に送り込まれるよう構成された弁構造で
    あって、 前記ステムにおいて、前記ハウジング内に収納され、か
    つ、このハウジング内を変移する部分には、前記ステム
    の軸方向に沿って、前記ステム孔の径以下の径を有する
    剤透過孔が複数形成されてなり、 剤が、前記剤透過孔を経て、前記ハウジング内を前記剤
    導入口側から前記ステム孔側に流動するようにしたこと
    を特徴とする弁構造。
  6. 【請求項6】 剤導入口が形成されたハウジングと、 一部が前記ハウジング内に収納され、かつ、軸方向に沿
    って剤誘導路が形成されたステムとを具備し、 前記ステムを変位させることで、前記ハウジング内の剤
    が前記ステムに形成されたステム孔を通過して前記ステ
    ムの剤誘導路内に送り込まれるよう構成された弁構造で
    あって、 前記ステムにおいて、前記ハウジング内に収納され、か
    つ、このハウジング内を変移する部分の外周面には、前
    記ステムの軸方向に沿って、最大幅が前記ステム孔の径
    以下である剤透過溝が複数形成されてなり、 剤が、前記剤透過溝を経て、前記ハウジング内を前記剤
    導入口側から前記ステム孔側に流動するようにしたこと
    を特徴とする弁構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016500620A (ja) * 2012-11-01 2016-01-14 プレシジョン・バルブ・コーポレーション 流動性エアゾールバルブ
JP2022021142A (ja) * 2020-07-21 2022-02-02 株式会社ダイゾー バルブハウジング

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