JPH10150234A - 電子デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

電子デバイスおよびその製造方法

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JPH10150234A
JPH10150234A JP9236007A JP23600797A JPH10150234A JP H10150234 A JPH10150234 A JP H10150234A JP 9236007 A JP9236007 A JP 9236007A JP 23600797 A JP23600797 A JP 23600797A JP H10150234 A JPH10150234 A JP H10150234A
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organic
electrode
interface
organic material
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JP9236007A
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Masatoshi Sakurai
正敏 櫻井
Katsuyuki Naito
勝之 内藤
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機物を含有する薄膜と隣接する層とのエネ
ルギー変換、あるいはエミッタの電子放出を効率良く行
い、より実用性の高い電子デバイスを得る。 【解決手段】 有機薄膜と隣接する層との接合界面の断
面輪郭形状について、フラクタル次元の一つであるハウ
スドルフ次元とその物差し長を規定し、1.5≦D≦
2.0のハウスドルフ次元を持つ素子界面を作成した有
機薄膜素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異種物質間の接合
界面においてエネルギー変換を行う有機薄膜素子例えば
有機太陽電池、有機EL素子、エミッタ、エレクトロク
ロミック表示素子、電気化学発光素子、薄膜二次電池、
及びゲルアクチュエータ等とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機太陽電池においては、エネル
ギー変換に際して、入射光が光吸収層において励起子を
生じさせ、その励起子が接合界面へ拡散することにより
電荷分離が行われているため、より多くの励起子が接合
界面へ到達する必要がある。
【0003】しかし、実際の励起子の拡散距離はおよそ
数nmであり、接合界面から離れた領域で生じた励起子
は界面まで到達できない。一方、有機色素からなる光吸
収層の光吸収係数はおよそ104 cm-1であるため、励
起子は受光面より深さ1μmにわたり生じていると考え
られる。このことから、平坦な接合界面を持つ有機太陽
電池の場合、実際に光電変換に寄与するのは、生じた励
起子の数%程度であると予想される。現在までのところ
平坦な接合界面を持つ有機太陽電池の変換効率は1%程
度にとどまっている。
【0004】最近、粒径100nm以下の酸化チタン微
粒子表面でのルテニウム錯体の光反応を利用した湿式の
有機太陽電池が開発され、10%程度の光電変換効率が
得られているが、素子の系が湿式であるため可搬性に問
題を残している。
【0005】また、最近、実用化に向けた研究が加速し
ている有機EL素子の場合も、電極から有機薄膜へのキ
ャリア注入が律速段階となっており、より多くのキャリ
アが有機薄膜へ注入できる界面構造が望ましい。
【0006】また、エレクトロクロミック表示素子や電
気化学発光素子の場合、界面を挟む片方の層中に存在す
るイオンを、素子の両端に電圧を印加することにより、
もう片方の層へ移動させ、それぞれ表示・発光を起こさ
せる。これらの素子では、イオンが界面へ到達する行程
が律速段階となっており、現在までのところ表示・発光
速度は数秒から数十秒に留まっている。
【0007】電界放出デバイスでは、エミッタ電極の先
端を尖鋭化することにより、室温付近でも電子を放出で
きる冷陰極が用いられているが、エミッタ電極の尖鋭化
には、マスクプロセスを必要としている。マスクプロセ
スにより得られるエミッタ電極ではスピント型冷陰極が
代表的であり、これは開口部ごとにエミッタ電極表面に
1つの尖鋭部分を持つ。また、エミッタ電極の尖鋭部分
を得るための別の方法としてマスク処理の過程で微粒子
をエミッタ表面に分散し、その微粒子をマスクとして用
いる方法もある。この手法では、1つの開口部のエミッ
タ電極表面に複数の尖鋭部分が得られる。
【0008】ゲルアクチュエータにおいてもゲル表面へ
の分子の拡散が律速段階であり、現在のところ駆動速度
は数秒から数十秒に留まっている。
【0009】薄膜二次電池では、充電時に電極表面に蓄
えられるイオンの単位面積当たりの量と、イオンの電極
表面からの拡散効率が、電極容量密度に影響を与えるた
め、電極表面積を増加させるだけでなくイオン拡散に効
率的な構造の電極表面を得ることが効果的である。
【0010】このような従来の有機薄膜素子には、以下
のような問題があった。
【0011】有機太陽電池では、平坦な界面形状を持っ
た固体接合構造の場合、入射光を有効に吸収するのに必
要な光吸収層の厚さと、光吸収により生じた励起子が界
面まで到達し得る自由行程の短さとが異なるため、光電
変換効率向上に悪影響を与えていた。また、界面形状を
微粒子とした湿式有機太陽電池では変換効率は高いもの
が得られるが、可搬性に問題があった。
【0012】有機EL素子では、電子もしくはホールの
電極から有機薄膜層への注入効率が低いため発光効率向
上に悪影響を与えていた。
【0013】電界放出デバイスでは、エミッタ電極の尖
鋭化にマスクプロセスを必要とし、スピント型冷陰極で
は尖鋭部分が開口部分ごとに一つである。また、マスク
プロセス中に微粒子を用いる手法では、マスクプロセス
の最後に微粒子を除去するプロセスを必要としている。
一つの部分により多くの尖鋭部を持つエミッタ電極表面
がより少ない工程で得られることが望まれている。
【0014】エレクトロクロミック表示素子、電気化学
発光素子、及びゲルアクチュエータでは、平坦な界面形
状の場合、イオンもしくは有機分子の界面までの拡散速
度が素子動作速度の向上に悪影響を与えていた。また、
界面に微粒子構造を持つエレクトロクロミック表示素
子、電界発光素子、ゲルアクチュエータではイオンもし
くは有機分子の界面への拡散経路が有効に確保できない
ため、素子動作の高速化に悪影響を与えていた。
【0015】また、薄膜二次電池では、無秩序な微細孔
を持つ電極表面形状では、イオンの拡散経路が非効率的
なため電極容量密度向上に悪影響を与えていた。
【0016】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題に鑑みてなされたもので、有機物を含有する薄
膜と隣接する層とのエネルギー変換、あるいはエミッタ
の電子放出を効率良く行なうことにより、より実用性の
高い電子デバイスを得ることを目的とする。
【0017】また、本発明の他の目的は、このような素
子を得るために有効な製造方法を得ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、第1
の電極と、該第1の電極上に設けられた有機材料を含有
する層と、該有機材料含有層上に設けられた第2の電極
層とを含む有機薄膜素子において、前記有機材料含有層
の断面における隣接する層との界面の輪郭形状は、その
ハウスドルフ次元Dが1.5≦D≦2.0で表わされる
ことを特徴とする有機薄膜素子を提供する。
【0019】本発明は、第2に、第1の電極、該第1の
電極上に設けられた第1の有機材料含有層、該第1の有
機材料含有層上に設けられた第2の電極とを含む有機薄
膜層の製造方法であって、前記第1の有機材料含有層及
び前記第2の有機材料含有層は、二種類の有機材料を混
合し、電界、磁界、光照射、温度勾配、及び遠心力のう
ち少なくとも1つを与えることにより、二種類の有機材
料の分離を行うことにより形成され、かつ前記第1の有
機材料含有層及び前記第2の有機材料含有層の断面にお
ける界面の輪郭形状のハウスドルフ次元Dは、1.5≦
D≦2.0であることを特徴とする有機薄膜素子の製造
方法を提供する。
【0020】本発明は、第3に、基板と、該基板上に規
則的に形成された電子エミッタ層と、前記基板上の前記
エミッタを除く領域上に形成された絶縁体層と、前記絶
縁体層上に形成されるゲート電極層よりなる電界放出デ
バイスであって、前記電子エミッタ層表面の断面輪郭形
状のハウスドルフ次元Dが、100nm以上1μm以下
の物差し長において1.7<D≦2.0で表されること
を特徴とする電界放出デバイスを提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明においては、上記課題を解
決するために有機物質を含有する層と隣接する層との界
面、あるいはエミッタ表面の改良が行なわれる。
【0022】本発明の第1の観点によれば、第1の電極
と、該第1の電極上に設けられた有機材料を含有する層
と、該有機材料含有層上に設けられた第2の電極層とを
含む有機薄膜素子において、前記有機材料含有層の断面
における隣接する層との界面の輪郭形状は、そのハウス
ドルフ次元Dが1.5≦D≦2.0で表わされることを
特徴とする有機薄膜素子が提供される。
【0023】輪郭形状は、樹枝状構造の集合体であるこ
とが好ましい。
【0024】第1の観点にかかる発明は、大まかに、以
下の光電変換装置と、電気化学装置に分けられる。
【0025】第1の観点にかかる光電変換装置は、第1
の電極と、該第1の電極上に設けられた有機材料を含有
する層と、有機材料含有層上に設けられた第2の電極層
とを含む光電変換装置であって、有機材料含有層の断面
における有機材料含有層と隣接する層との界面の輪郭形
状は、そのハウスドルフ次元Dが1.7≦D≦2.0で
表わされ、かつ有機材料含有層は、この界面で電子もし
くは励起子の吸着または放出を行なうことを特徴とす
る。
【0026】また、第1の観点にかかる電気化学装置
は、第1の電極と、第1の電極上に設けられた有機材料
を含有する層と、有機材料含有層上に設けられた第2の
電極層とを含む電気化学装置において、有機材料含有層
の断面における隣接する層との界面の輪郭形状は、その
ハウスドルフ次元Dが1.5≦D≦2.0で表わされ、
かつ有機材料含有層は、この界面でイオンの吸着あるい
は放出をおこなうことを特徴とする。
【0027】第1の観点にかかる光電変換装置には、下
記第1及び第2の好ましい態様があげられる。
【0028】第1の好ましい態様によれば、光電変換装
置の一例として有機太陽電池が提供される。この有機太
陽電池は、第1の電極と、第1の電極上に設けられた第
1の有機層と、第1の有機層上に設けられた第2の有機
層と、第2の有機層上に設けられた第2の電極とを具備
し、第1の有機層と第2の有機層との界面は連続し、か
つ有機太陽電池の断面における界面の輪郭形状は、その
ハウスドルフ次元Dが、100nmの物差し長において
1.7≦D≦2.0で表わされる。
【0029】界面は、底面の幅10μm以上の微小ピラ
ミッドの集合体からなる形状を有することが好ましい。
【0030】第2の好ましい態様によれば、光電変換装
置の他の一例として、有機EL素子が提供される。この
有機EL素子は、第1の電極と、第1の電極上に設けら
れたn型有機層と、n型有機層上に設けられたp型有機
層と、p型有機層上に設けられた第2の電極とを具備
し、第1の電極とn型有機層との間の第1の界面、及び
第2の電極とp型有機層との間の第2の界面のうち、少
なくとも1つが連続し、かつ有機EL素子の断面におけ
る連続した第1の界面及び第2の界面のうち少なくとも
1つは、その輪郭形状のハウスドルフ次元Dが、10n
mの物差し長において1.7≦D≦2.0で表わされ
る。
【0031】また、第1の観点にかかる電気化学装置と
しては、下記第3ないし第6の好ましい態様があげられ
る。
【0032】第3の好ましい態様によれば、電気化学装
置の一例としてエレクトロクロミック表示素子が提供さ
れる。
【0033】このエレクトロクロミック表示素子は、第
1の電極と、第1の電極上に設けられた電解質層と、電
解質層上に設けられたポリマー層と、ポリマー層上に設
けられた第2の電極とを具備し、電解質層とポリマー層
の界面は連続し、かつエレクトロクロミック層の断面に
おける界面の輪郭形状は、そのハウスドルフ次元Dが1
0μmの物差し長において1.7≦D≦2.0で表わさ
れる。
【0034】第4の好ましい態様によれば、電気化学装
置のさらに他の一例として、電気化学発光素子が提供さ
れる。この電気化学発光素子は、第1の電極と、第1の
電極上に設けられたポリマー及び電解質の混合層と、混
合層上に設けられた第2の電極とを具備し、第1の電極
と混合層との界面は連続し、かつ電気化学発光素子の断
面における界面の輪郭形状は、そのハウスドルフ次元D
が10μmの物差し長において1.7≦D≦2.0で表
わされる電気化学発光素子が提供される。
【0035】第5の好ましい態様によれば、電気化学装
置のさらにまた他の一例として、ゲルアクチュエータが
提供される。
【0036】このゲルアクチュエータは、第1の電極
と、第1の電極上に設けられた電解質層と、電解質層上
に設けられた高分子ゲル層と、高分子ゲル層上に設けら
れた第2の電極を有する積層体と、積層体周囲に設けら
れた弾性材料とを具備するにおいて、ゲルアクチュエー
タ断面における電解質層と前記高分子ゲル層との界面の
輪郭形状は、そのハウスドルフ次元Dが1μmの物差し
長において1.5≦D≦2.0で表わされる。
【0037】第6の好ましい態様によれば、電気化学装
置のさらに他の一例として、薄膜二次電池が提供され
る。
【0038】この薄膜二次電池は、第1の電極と、第1
の電極上に設けられた電解質層と、電解質層の上に設け
られた高分子層と、高分子層上に設けられた第2の電極
とを具備し、高分子層は、その断面における電解質層と
の界面の輪郭形状が、高さ10μm以上の樹枝状構造の
集合体であり、そのハウスドルフ次元Dが10μmの物
差し長において1.7≦D≦2.0である。
【0039】本発明の第2の観点は、第1の観点にかか
る有機薄膜素子の製造方法の一例を示すものである。
【0040】この製造方法は、第1の電極、該第1の電
極上に設けられた第1の有機材料含有層、該第1の有機
材料含有層上に設けられた第2の電極とを含む有機薄膜
層の製造方法であって、前記第1の有機材料含有層及び
前記第2の有機材料含有層は、二種類の有機材料を混合
し、電界、磁界、光照射、温度勾配、及び遠心力のうち
少なくとも1つを与えることにより、二種類の有機材料
の分離を行うことにより形成され、かつ前記第1の有機
材料含有層及び前記第2の有機材料含有層の断面におけ
る界面の輪郭形状のハウスドルフ次元Dは、1.5≦D
≦2.0である。
【0041】本発明の第3の観点によれば、基板上に所
定のパターンで形成された電子エミッタ層と、基板上の
電子エミッタ層以外の領域に形成された絶縁体層と、絶
縁体層の上に形成されるゲート電極層よりなる電界放出
デバイスにおいて、電子エミッタ層の表面の断面輪郭形
状のハウスドルフ次元Dが100nm以上1μm以下の
物差し長において1.7<D<2.0で表される電界放
出デバイスとして使用される電子デバイスが提供され
る。
【0042】電子エミッタ層の表面は、樹枝状構造の集
合体であることが望ましい。
【0043】また、第3の観点にかかる電子デバイス
は、好ましくは表示装置に使用することができる。
【0044】以下、図面を参照し、本発明の実施形態に
ついて説明する。
【0045】図1に、本発明の第1の観点にかかる有機
薄膜素子の一例の断面形状を表わすモデル図を示す。こ
こでは2層の有機物含有層が用いられる。この有機薄膜
素子は、図1に示すように第1の電極1、第1の有機物
質含有層2、第2の有機物質含有層3、第2の電極層4
とから構成される。この素子では、有機物質を含有する
層2と隣接する層3との接合界面でエネルギー変換を行
う。その接合界面5の断面における輪郭形状は、例えば
図1に示すごとく、樹脂状構造の集合体であり、自己相
似性を持ったフラクタル形状とする。この樹脂状構造
は、その枝別れが少なくとも1回以上の部分を有するこ
とが好ましい。本発明では、その形状を記述するハウス
ドルフ次元を規定したエネルギー変換素子が得られる。
【0046】ハウスドルフ次元については、たとえば朝
倉書店 高安秀樹著「フラクタル」第1章に説明されて
いる。つまり、図形のフラクタル次元を記述する方法と
して、いくつかの手法が存在するが、ハウスドルフ次元
は対象を正方形による細分ではかるフラクタル次元であ
る。
【0047】詳しくは、空間(平面)を1辺がrの立方
体(正方形)の細胞に分割し、対象となる形の一部を含
むような細胞の数N(r)を考える。対象のハウスドル
フ次元Dは、rとN(r)とから N(r)〜r-D の関係式によって導出される。Dの値は直線や平面など
の均一な構造の場合、それぞれ1、2と整数の値をとる
が、例えば入り組んだ曲線などは1次元と2次元の間の
非整数の値となり、対象となる構造の複雑さを示す指標
となる。このハウスドルフ次元は、空間(平面)を分割
する立方体(正方形)のサイズ(物差し長)に固有のも
のである。従って、実際の固体表面の断面輪郭形状のハ
ウスドルフ次元を様々な物差し長で評価することによ
り、それぞれの物差し長における表面の形状評価を行う
ことができる。
【0048】実際のハウスドルフ次元の測定方法を以下
に記す。例えば、素子界面に対し、透過型電子顕微鏡も
しくは共焦点型レーザー顕微鏡等の断面形状が実像とし
て得られる手法により、様々な倍率における素子の断面
像を得る。この画像をコンピュータに読み取り、界面の
断面輪郭形状を抽出する。この断面輪郭形状を、ある一
定の長さの辺を持つ正方形で細分し、それぞれの画像中
に輪郭部分を含む正方形の数を数える。この正方形の数
と正方形の辺の長さを互いに対数軸でプロットし、得ら
れた曲線の傾きをその辺の長さ、すなわち物差し長での
ハウスドルフ次元とする。この作業を1つの界面におい
て様々な倍率の画像で行い、その素子の界面形状のハウ
スドルフ次元を求める。
【0049】ハウスドルフ次元が、物差し長において2
に近い値をとる断面輪郭形状を有する表面は、その物差
し長に近いサイズの凹凸が大きい表面であることを示し
ており、表面からその物差し長だけ離れた空間を平坦な
表面に比べてより多く持っていることを示している。
【0050】また、より広い物差し長の領域で一定のハ
ウスドルフ次元の値を持つ断面輪郭形状を有する表面
は、その物差し長領域においてどの部分にも特異点を持
たないため、粒子は、この表面のどの部分へも均等に拡
散することができる。したがって、表面・界面反応にお
ける寿命の短い粒子のより効率的な捕獲はその粒子の自
由工程に見合った物差し長とその近傍におけるハウスド
ルフ次元をより大きな値とすることで、また、表面への
粒子の捕獲の高速化及び効率化は、その粒子の拡散係数
及び希望とする応答速度に見合った物差し長と、その近
傍におけるハウスドルフ次元を、より大きな値とするこ
とで達成できる。
【0051】また、断面輪郭が高いハウスドルフ次元を
持つ構造は、微粒子を含んだ界面によっても作成でき
る。しかし、微粒子を含んだ界面には粒界が存在し、界
面において生じたキャリアやイオンを有効に輸送する場
合の支障となる。
【0052】本発明においては、所定のハウスドルフ次
元の断面輪郭形状を持った界面の作成法として、過飽和
条件下での薄膜成長もしくはエッチングを行うことがで
きる。薄膜成長、エッチングなどの非平衡現象として
は、たとえば朝倉書店 高安秀樹編集「フラクタル科
学」第2章に示されるように、界面不安定性と表面張力
とのバランスによって、界面構造が変化することがあげ
られる。そして、ある一定以上の過飽和条件下では、表
面張力よりも界面不安定性の効果が大きくなり、界面
は、一定の波長の凹凸が成長した構造となり得る。従っ
て、素子界面の断面輪郭形状の希望の物差し長における
ハウスドルフ次元を制御するためには、界面形成時の条
件を、ある一定の過飽和状態に保つことが必要である。
非平衡度を制御し得る界面形成法として、電界重合やエ
ッチングによる表面形成後の接合形成、もしくは混合状
態からの分離による接合界面形成がある。
【0053】次に、上述の本発明の好ましい態様につい
てさらに述べる。
【0054】本発明にかかる有機太陽電池においては、
第1の有機材料含有層と第2の有機材料含有層の界面が
連続しており、かつその第1の有機材料含有層と第2の
有機材料含有層の断面における界面の輪郭形状のハウス
ドルフ次元Dが100nmの物差し長、好ましくは10
0nm〜1μmの物差し長、さらに好ましくは10nm
〜1μmの物差し長において1.7≦D≦2.0であ
る。この界面構造により、この有機太陽電池では、光吸
収層が深さ方向に1μm以上に亘り存在するため、入射
光が十分吸収される。入射光により生じた励起子もま
た、上述のように規定された物差し長近傍に界面が存在
するため、励起子の再結合による消滅の前に、界面まで
到達し、電荷分離を行うことができる。なお、ここで
は、界面の凹凸は、好ましくは深さ方向に1μm以上で
ある。
【0055】また、注目する物差し長におけるハウスド
ルフ次元の値と、他の大きく異なる物差し長でのハウス
ドルフ次元の値とは、ほぼ独立と考えられる。したがっ
て、界面反応において2種類以上の粒子の拡散が関係し
ており、それぞれの求める物差し長、ハウスドルフ次元
が異なる場合には、一つの界面に複数のハウスドルフ次
元を異なる物差し長で設定することができる。
【0056】例えば、有機太陽電池において、界面が連
続しており、かつ界面の断面輪郭形状のハウスドルフ次
元Dが100nmの物差し長、好ましくは10nm〜1
00nmの物差し長において1.7≦D≦2.0であ
り、さらに、可視光の波長より長い1μmの物差し長、
好ましくは1μm〜10μmの物差し長において1.0
≦D≦1.4であることにより、入射光の散乱を、励起
子の捕獲に必要な励起子の自由行程の物差し長である1
0nm〜100nmの領域の構造とは独立に、制御する
ことができる。つまり、界面が底面の幅が10μm以上
の微小ピラミッドの集合体からなる構造を持ち、そのピ
ラミッド表面に、その断面輪郭形状のハウスドルフ次元
Dが100nm、好ましくは10nm〜100nmの領
域において1.7≦D≦2.0であるような微細構造を
持つことで入射光が界面において複数回散乱し、なおか
つ生じた励起子を有効に捕獲することができる。
【0057】また、有機EL素子においては、電極と有
機材料を含有する物質の断面において、その界面の輪郭
形状のハウスドルフ次元Dが10nmの物差し長、好ま
しくは10nm〜100nmの物差し長で、1.7≦D
≦2.0であることにより、電極からの電子もしくはホ
ールキャリアの注入を高効率で行うことができる。
【0058】また、エレクトロクロミック表示素子もし
くは電気化学発光素子においては、界面が連続してお
り、エレクトロクロミック表示素子の場合、その断面の
電解質層とポリマー層との界面、もしくは電気化学発光
素子の場合、その断面のポリマー・電解質の混合物と電
極との界面は、ハウスドルフ次元Dが10μmの物差し
長、好ましくは1μm〜10μmの物差し長、さらに好
ましくは1μm〜100μmの物差し長において1.7
≦D≦2.0である。これにより、これらの素子では、
電解質中を拡散するイオンが規定された物差し長程度で
拡散することで界面に到達するため、表示もしくは発光
を高速に行うことができる。
【0059】また、ゲルアクチュエータでは、その断面
における高分子ゲルと電解質との間の界面の輪郭形状に
ついて、そのハウスドルフ次元Dが1μmの物差し長、
好ましくは1μm〜10μmの物差し長、さらに好まし
くは100nm〜10μmの物差し長において1.5≦
D≦2.0である。これにより,電解質中を拡散する分
子が規定された物差し長程度拡散するゲル表面に達する
ため、高速の動作を行うことができる。
【0060】また、薄膜二次電池の場合、その断面にお
ける高分子層のその断面における高分子層正極もしくは
負極側の界面輪郭形状が、高さ10μm以上の樹枝状構
造の集合体であり、さらにその輪郭形状のハウスドルフ
次元Dが、10μmの物差し長、好ましくは1μm〜1
0μmの物差し長、さらに好ましくは1μm〜100μ
mの物差し長、最も好ましくは100nm〜100μm
の物差し長において1.7≦D≦2.0である。広い範
囲の物差し長で高いハウスドルフ次元を持つことで、表
面が自己相似的な構造となり、この結果,電極表面積の
増加だけでなく、充放電時のイオンの拡散経路を効率よ
く確保することができるため、電極容量密度の増加につ
ながる。
【0061】本発明によれば、上述の有機薄膜素子の作
成法の一例として、ある一定の電圧において電界重合に
より導電性ポリマーの樹枝状表面構造を持った薄膜を成
長させ、しかる後に電解質を含んだ液体との接合を形成
することにより湿式接合構造を得る方法が用いられる。
【0062】図2に、電界重合に使用される装置の該略
図を示す。図2に示すように、電界重合に使用される装
置は、電解槽30と、電解槽30内に収容されたモノマ
ーを含む電解液34と、電解液34中に浸漬された作用
極(陽極)31及び対極(陰極)32と、両極間に設け
られた電源33とから構成される。この装置を用いて電
界重合を行なうことにより、作用極31表面に樹枝状表
面構造を有する導電性ポリマーが形成される。導電性ポ
リマーが形成された作用極上に、必要であれば所望の層
を積層し、その上に対極を配し、接合を行なう。
【0063】ここで、樹枝状構造とは、成長膜の表面に
枝分かれ構造を少なくとも1回以上持った柱状もしくは
紐状もしくは面状構造を備えたものである。樹枝状構造
は枝分かれ回数が多いほど大きなハウスドルフ次元を持
つ。
【0064】導電性ポリマーとしては、ポリピロール、
ポリチエニレン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリ
フェニレン、ポリアニリン、ポリN−ビニルカルバゾー
ルなどが挙げられ、電解質としては、過塩素酸塩、四フ
ッ化ホウ酸塩、六フッ化リン酸塩などが挙げられる。こ
の方法は、特に有機太陽電池、ゲルアクチュエーター、
エレクトロクロミック表示素子、電気化学発光素子、有
機EL素子等の製造に有効に使用される。
【0065】また、接合時に電解質部分に光重合材料を
混入させ、接合形成後に、光や熱処理による重合処理を
行うことで電解質部分のゲル化を行うことができる。こ
れにより湿式接合素子で問題となる電解質部分の漏れ出
しを解決することができ、可搬性に優れた特性を持つ。
ゲル化を行う材料としてポリビニルアルコールおよびポ
リアクリル酸、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
【0066】この素子作成手法とは別に、固体接合構造
を、初めから作成する手法も可能である。つまり、本発
明では、一対の電極間に、接合を形成する二種類の物質
を混合した層を配置し、この層に、電界、磁界、光照
射、温度勾配、遠心力の少なくとも1つを与えて二種類
の物質の分離を行うことにより、有機薄膜素子断面の有
機材料含有層とその隣接層との界面の輪郭形状のハウス
ドルフ次元Dが1.5≦D≦2.0である接合界面を得
ることができる。
【0067】さらに、混合時に少なくとも一方の物質の
融点以上の温度で行うことにより均一な混合と分離時の
急峻な界面を形成する。
【0068】さらにまた、分離の際に、電界、磁界、光
照射、温度勾配、遠心力のうち少なくとも2つ以上を同
時あるいは順次与えることにより、10nmから100
μmまでの異なる物差し長で、その断面輪郭形状のハウ
スドルフ次元Dが0.3以上異なる接合界面を得ること
ができる。有機太陽電池において、入射光の散乱を、励
起子の捕獲に必要な励起子の自由行程の物差し長である
10nm〜100nmの領域の構造とは独立に制御し、
しかも素子が固体のみからなるために可搬性に優れた特
性を持つことができる。固体接合を作成する材料として
は、結晶性もしくはアモルファス性の有機分子を用い
る。結晶性を持つものとして、各種金属フタロシアニ
ン、ペリレンテトラカルボン酸、ペリレンやコロネン等
多環芳香族、TTF、TCNQ等電荷移動錯体、アモル
ファス材料としては例えばAlq3 、ジアミン、各種オ
キサジアゾール、TTPAE、BCXEB、TCXE
B、及びTCPEなどが挙げられる。上記アモルファス
材料の分子構造を表わす構造式を化1ないし7に示す。
【0069】
【化1】
【0070】
【化2】
【0071】
【化3】
【0072】
【化4】
【0073】
【化5】
【0074】
【化6】
【0075】
【化7】
【0076】また、電界放出デバイスにおいては、開口
部における電子エミッタ層表面の断面輪郭形状のハウス
ドルフ次元Dが100nm以上1μm以下の物差し長に
おいて、1.7≦D≦2.0であり、好ましくは、樹枝
状構造の集合体であることにより、1つの開口部に多重
の電子放出点を有し、また低電圧の電子放出が可能とな
る。また、従来のマイクプロセスや微粒子散布・除去プ
ロセスを必要としないため、低コストで電界放出デバイ
スを作成できる。
【0077】
【実施例】以下、本発明の好ましい態様について各々そ
の具体例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0078】実施例 1 図3は、本発明の第1の好ましい態様にかかる有機太陽
電池の一例の主要部の構造を表わす模式図である。
【0079】図示するように、この有機太陽電池は、ネ
サガラス基板1と、p型ポリピロールフィルム2と、図
示しないMgフタロシアニン塗布層と、その上に六フッ
化リン酸塩を含んだ電解質水溶液層3を介して設けられ
たアルミニウム電極4との積層構造を有する。p型ポリ
ピロールフィルム2の電解質水溶液層側表面は、高さ数
μmの樹枝状構造を有する。
【0080】このような有機太陽電池を、以下のように
して作成した。
【0081】まず、作用電極(正極)としてネサガラス
基板1、対極(負極)として白金電極、参照電極として
飽和カロメル電極、及び電解質として六フッ化リン酸塩
を用いて、電解重合により、p型ポリピロールフィルム
2をネサガラス1上に成長させた。電解重合の条件とし
て、印加電圧を5.0Vとし、ポリピロールフィルム2
の膜厚が1μm程度になるよう設定した。得られたポリ
ピロールフィルム2の断面をTEM観察すると、図3の
ように、高さ数μmの樹枝状構造12が観測された。
【0082】図4は、コンピュータによるポリピロール
フィルム表面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元計算に
より断面もしくは平面を分割して得られた正方形の一辺
の長さrと、対象となるポリピロールフィルムの表面を
含む正方形の数との関係を表わす対数グラフである。図
3に示すように、成長されたポリピロールフィルムの表
面の断面輪郭形状は、100nmの物差し長で、ハウス
ドルフ次元Dが、1.8±0.1を示した。
【0083】この高分子フィルム2表面に、Mgフタロ
シアニンのアセトニトリル溶液を塗布し、厚さ10nm
程度のMgフタロシアニン塗布層を設けた。
【0084】Mgフタロシアニン塗布層を乾燥した後、
表面から1μm程度の距離に六フッ化リン酸塩を含んだ
電解質水溶液層3を介してアルミニウム電極4を設ける
ことにより、湿式有機太陽電池を作成した。
【0085】得られた湿式有機太陽電池は、Mgフタロ
シアニン塗布層における入射光の吸収とそれに伴う励起
子の生成、Mgフタロシアニン塗布層表面での励起子の
電荷分離と六フッ化リン酸イオンへの電子移動、六フッ
化リン酸イオンのアルミニウム電極表面における電子移
動、六フッ化リン酸イオンのアルミニウム電極表面への
拡散とそれに続くアルミニウム電極表面における電子移
動、及びMgフタロシアニン層からポリピロールフィル
ムを通ってネサガラスへのホール移動、アルミニウム電
極及びネサガラスへのホール移動、アルミニウム電極及
びネサガラスからの外部への電流供給により動作する。
ポリピロールフィルム表面の断面輪郭形状のハウスドル
フ次元Dは、100nmの物差し長において1.0<D
<2.0の値を取り得るが、Dが1.8±0.1の値を
とることにより、六フッ化リン酸イオンのMgフタロシ
アニン塗布層表面からアルミニウム電極への拡散速度が
向上し、その結果、光電変換率が向上する。
【0086】この湿式有機太陽電池について、ワコム社
製疑似太陽光源を用いて、750mW/cm2 の光量で
光照射を行ない、その光電変換効率をケースレー社のソ
ースメジャーユニット236により、素子の可搬性を振
盪器上での液漏れ試験により、計測した。得られた結果
を下記表1に示す。
【0087】実施例 2 図5に、本発明の第1の好ましい態様にかかる有機太陽
電池の他の例の主要部の構造を表わす模式図を示す。
【0088】図示するように、この有機太陽電池は、ネ
サガラス基板1と、p型ポリピロールフィルム2と、図
示しないMgフタロシアニン塗布層と、その上に六フッ
化リン酸塩を含んだ電解質水溶液層3を介して設けられ
たアルミニウム電極4との積層構造を有する。p型ポリ
ピロールフィルム2の電解質水溶液層側表面は、高さ数
μmの樹枝状構造13を有する。
【0089】この実施例 2では、まず、電界重合条件
として、ポリピロール膜厚が0〜1μmまでの間、印加
電圧を3.0Vに設定し、ポリピロール膜厚が1μm〜
1.1μmまでの間印加電圧を6.0Vに設定すること
以外は、実施例 1と同様にして、p型ポリピロールフ
ィルム2をネサガラス1上に成長させた。得られたポリ
ピロールフィルム2の断面をTEM観察すると、高さ数
μmの樹枝状構造13が観測された。
【0090】コンピュータによる樹枝状構造13断面の
輪郭形状のハウスドルフ次元計算では、印加電圧を2段
階とし、その電圧を急激に変化させたことにより、10
nmの物差し長におけるハウスドルフ次元は1.8±
0.1、1μmの物差し長におけるハウスドルフ次元は
1.3±0.1を示した。
【0091】この高分子フィルム2表面に、実施例 1
と同様にしてMgフタロシアニンのアセトニトリル溶液
を塗布し、厚さ10nm程度のMgフタロシアニン塗布
層を設けた。
【0092】Mgフタロシアニン塗布層を乾燥した後、
実施例 1と同様にして表面から1μm程度の距離に六
フッ化リン酸塩を含んだ電解質水溶液層3を介してアル
ミニウム電極4を設けることにより、湿式有機太陽電池
を作成した。
【0093】得られた湿式有機太陽電池は、Mgフタロ
シアニン塗布層における入射光の吸収とそれに伴う励起
子の生成、Mgフタロシアニン塗布層表面での励起子の
電荷分離と六フッ化リン酸イオンへの電子移動、六フッ
化リン酸イオンのアルミニウム電極表面における電子移
動、六フッ化リン酸イオンのアルミニウム電極表面への
拡散とそれに続くアルミニウム電極表面における電子移
動、及びMgフタロシアニン層からポリピロールフィル
ムを通ってネサガラスへのホール移動、アルミニウム電
極及びネサガラスへのホール移動、アルミニウム電極及
びネサガラスからの外部への電流供給により動作する。
ポリピロールフィルム表面の断面輪郭形状のハウスドル
フ次元Dは、1.0≦D≦2.0の値をとり得るが、D
が1μmの物差し長において、1.3±0.1の値をと
ることによりMgフタロシアニン塗布層における入射光
の吸収確立が向上し、さらにDが10nmの物差し長に
おいて、1.8±0.1の値をとることにより、六フッ
化リン酸イオンのMgフタロシアニン塗布層表面からア
ルミニウム電極への拡散速度が向上する。その結果、光
電変換効率が向上する。
【0094】この湿式有機太陽電池について、実施例
1と同様にして750mW/cm2の光量で光照射を行
ない、その光電変換効率及び素子の可搬性を計測した。
得られた結果を表1に示す。
【0095】実施例 3 図6は、本発明の第1の好ましい態様にかかる有機太陽
電池のさらに他の一例の主要部の構造を表わす模式図で
ある。
【0096】図示するように、この有機太陽電池は、ネ
サガラス基板1と、p型ポリピロールフィルム2と、M
gフタロシアニン塗布層5と、六フッ化リン酸塩を含ん
だ電解質水溶液層3を介して設けられたアルミニウム電
極4との積層構造を有する。p型ポリピロールフィルム
2の電解質水溶液層側3表面は、無数の微小孔をもつ高
さ10μmの複数の四角錐状の凸部14を有する。
【0097】このような有機太陽電池を、以下のように
して作成した。
【0098】まず、作用電極(正極)として、ネサガラ
ス基板1、対極(負極)として白金電極、参照電極とし
て飽和カロメル電極、及び電解質として六フッ化リン酸
塩を用いて、電界重合により、表面形状が平坦なp型ポ
リピロールフィルムをネサガラス1上に成長させた。電
解重合の条件として、印加電圧を3.0Vとし、ポリピ
ロールフィルムの膜厚が10μm程度になるよう設定し
た。
【0099】得られた基板表面に、幅10μm、高さ1
0μmの四角錐状の凹部の並んだ型を200℃の温度下
で押しあて、成形加工を施すことでポリピロールフィル
ム表面に無数の微小ピラミッドを設けた。この基板1に
対し、H2 SO4 の溶液中でエッチング処理を行い、1
0nm程度の無数の微小孔を、ピラミッド表面に設ける
ことにより、微小孔をもつ無数の微小ピラミッドを有す
るポリピロールフィルム2を得た。
【0100】図7は、コンピュータによるポリピロール
フィルム表面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元計算に
より空間を分割して得られた立方体の一辺の長さrと、
対象となるポリピロールフィルムの表面を含む立方体の
数とのの関係を表わす対数グラフである。図7に示すよ
うに、成長されたポリピロールフィルム表面の断面輪郭
形状は、100nmの物差し長で、ハウスドルフ次元D
が、1.8±0.1を示し、1μmの物差し長で1.2
±0.1μmを示した。
【0101】この高分子フィルム表面に、実施例 1と
同様にしてMgフタロシアニンのアセトニトリル溶液を
塗布し、厚さ10nm程度のMgフタロシアニン塗布層
を設けた。
【0102】Mgフタロシアニン塗布層を乾燥した後、
実施例 1と同様にして表面から1μm程度の距離に六
フッ化リン酸塩を含んだ電解質水溶液を介してアルミニ
ウム電極4を設けることにより、湿式有機太陽電池を作
成した。
【0103】得られた湿式有機太陽電池は、Mgフタロ
シアニン塗布層における入射光の吸収とそれに伴う励起
子の生成、Mgフタロシアニン塗布層表面での励起子の
電荷分離と六フッ化リン酸イオンへの電子移動、六フッ
化リン酸イオンのアルミニウム電極表面への拡散とそれ
に続くアルミニウム電極表面における電子移動、および
Mgフタロシアニン層からポリピロールフィルムを通っ
てネサガラスへのホール移動、アルミニウム電極及びネ
サガラスからの外部への電流供給により動作する。ポリ
ピロールフィルム表面が微小ピラミッド構造を持つこと
により、Mgフタロシアニン塗布層における入射光の吸
収確立が向上し、さらに、ポリピロールフィルム表面の
断面輪郭形状のハウスドルフ次元Dが100nmの物差
し長おいて1.8±0.1の値をとることにより六フッ
化リン酸イオンのMgフタロシアニン塗布層表面からア
ルミニウム電極への拡散速度が向上する。その結果、光
電変換効率が向上する。
【0104】得られた湿式有機太陽電池について、実施
例 1と同様にして750mW/cm2 の光量で光照射
を行ない、その光電変換効率及び素子の可搬性を計測し
た。得られた結果を表1に示す。
【0105】実施例 4 実施例 1、実施例 2、及び実施例 3で得られた有
機太陽電池の電解質水溶液部分に、ポリビニルアルコー
ル及びポリアクリル酸を等量ずつ混合し、100℃前後
で2時間熱処理を行う事で、電解質溶液部分のゲル化を
行なった。この結果、得られたゲル化有機太陽電池は光
電変換効率を損なわずに電解質部分の漏れだしが無く、
可搬性に優れた特性を持っていた。
【0106】実施例 5 図8に、本発明の第1の好ましい態様にかかる有機太陽
電池のさらにまた他の例の主要部の構造を表わす模式図
である。
【0107】図示するように、この有機太陽電池は、ネ
サガラス基板1と、BCPEB(ビス−シアノフェニル
エチニルベンゼン)フィルム6と、TTPAE(テトラ
キストリフェニルアミノエチレン)フィルム7と、アル
ミニウム電極16とを積層した構造を有する。
【0108】この有機太陽電池の断面において、BCP
EBとTTPAEの界面は、高さ500nmの樹枝状構
造を有する。
【0109】このような有機太陽電池を、本発明の第4
の観点にかかる以下のような製造方法を用いて作成し
た。
【0110】まず、BCPEB(融点140℃)とTT
PAE(融点297℃)の粉末を等量ずつ混合し、ネサ
ガラス基板1とアルミニウム基板16で挟み込んだ。こ
のとき図示しないスペーサーを用いることで基板同士の
間隔を1μmとした。これを、BCPEBとTTPAE
が共に融解する300℃まで昇温し、1℃/秒の速度で
室温まで降温させ、有機太陽電池を得た。このとき、2
97℃〜140℃において、ネサガラス基板1に、+1
0Vの電圧を印加した。
【0111】降温を終え、室温下で基板間を断面TEM
により観察すると、アルミ電極/BCPEB層/TTP
AE層/ネサガラスの層状構造が観測され、この有機太
陽電池断面における界面の輪郭形状のハウスドルフ次元
は100nmの物差し長で1.8±0.1を示した。
【0112】得られた有機太陽電池は、BCPEBもし
くはTTPAEでの光吸収とそれに続く励起子生成、生
じた励起子の拡散と再結合による消滅、拡散している励
起子のBCPEBとTTPAEとの界面への到達、励起
子の界面での電荷分離とそれに続く電子とホールの生
成、電子のBCPEBを通したアルミニウム電極への移
動、ホールのTTPAEを通したネサガラス基板への電
流供給により動作する。BCPEBとTTPAEの接合
界面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元Dは100nm
の物差し長において、1.0<D<2.0の値をとり得
るが、Dが1.8±0.1の値をとることにより、励起
子のBCPEBとTTPAEとの界面への到達確立が向
上し、その結果、光電変換効率が向上する。
【0113】得られた有機太陽電池について、実施例
1と同様にして750mW/cm2の光量で光照射を行
ない、その光電変換効率及び素子の可搬性を計測した。
得られた結果を表1に示す。
【0114】実施例 6 図9は、本発明の第1の好ましい態様にかかる有機太陽
電池のさらに他の例の主要部の構造を表わす模式図であ
る。
【0115】図示するように、この有機太陽電池は、ネ
サガラス基板1と、BCPEBフィルム6と、TTPA
E7と、アルミニウム電極16とを積層した構造を有す
る。
【0116】このような有機太陽電池を、以下のよう
に、本発明の第8の観点にかかる方法を用いて作成し
た。
【0117】まず、実施例 5と同様にしてBCPEB
とTTPAEの粉末を等量ずつ混合し、ネサガラス基板
1とアルミニウム基板4で挟み込み、スペーサーを用い
ることで基板同士の間隔を1μmとした。これを、30
0℃まで昇温後、1℃/秒の速度で室温まで降温させた
とき297℃〜200℃においてネサガラス基板に+1
0V、200℃〜140℃において+15Vの電圧を印
加する。
【0118】降温を終え、室温下で基板間を断面TEM
により観察すると、アルミ電極/BCPEB/TTPA
E/ネサガラスの層状構造が観測された。ここでは、電
圧を2段階にして与え、電圧の急激な変化を与えること
により、BCPEB、TTPAEの界面の断面輪郭形状
のハウスドルフ次元は10nmの物差し長で1.8±
0.1、1μmの物差し長で1.3±0.1を示した。
【0119】得られた有機太陽電池について、実施例
1と同様にして750mW/cm2の光量で光照射を行
ない、その光電変換効率及び素子の可搬性を計測した。
得られた結果を表1に示す。
【0120】比較例1 真空蒸着法により、ネサガラス基板上にMgフタロシア
ニン100nm、PTCDA 100nm、Al電極1
000nmの順で積層させ、乾式有機太陽電池を得た。
【0121】素子断面のTEM観察の結果、フタロシア
ニン・PTCDA界面の断面輪郭形状のハウスドルフ次
元は100nmの物差し長において1.1±0.1を示
した。
【0122】得られた有機太陽電池について、実施例
1と同様にして750mW/cm2の光量で光照射を行
ない、その光電変換効率及び素子の可搬性を計測した。
得られた結果を表1に示す。
【0123】比較例2 ネサガラス基板上に、粒径100nm以下のTiO2
粒子を、厚さ10μm積層させ、450℃にて焼成し
た。この微粒子表面に、4−tert−ブチルピリジン
を1分子層程度吸着させた後、ルテニウム錯体、RuL
2 (NCS)2 およびリチウムヨウ素/ヨウ素アニオン
電解質を含んだアセトニトリル溶液を介して白金電極を
取り付け、湿式有機太陽電池を得た。
【0124】素子断面のTEM観察の結果、微粒子界面
の輪郭形状のハウスドルフ次元は100nmの物差し長
において1.9±0.1を示した。しかし、この界面は
微粒子間の粒界を持つため、連続した界面とはならなか
った。
【0125】得られた有機太陽電池について、実施例
1と同様にして750mW/cm2の光量で光照射を行
ない、その光電変換効率及び素子の可搬性を計測した。
得られた結果を表1に示す。
【0126】
【表1】
【0127】表1に示すように、本発明にかかる有機太
陽電池は、優れた光電変換効率を有する。実施例 1な
いし3のように、p型ポリピロールフィルムと、Mgフ
タロシアニン塗布層と、六フッ化リン酸塩を含んだ電解
質水溶液層とを用いた場合は、可搬性がやや劣るが、こ
れは実施例 4のごとくゲル化を行なうことで解決し得
る。また、実施例 5及び6に示すように、BCPEB
フィルムと、TTPAEフィルムを用いた場合には、可
搬性及び光電変換効率ともに優れた有機太陽電池が得ら
れる。これに対し、比較例1及び2の有機太陽電池は、
光電変換効率が格段に低い。
【0128】実施例 7 図10に、本発明の第2の好ましい態様にかかる有機E
L素子の一例の主要部を表わす概略図を示す。
【0129】図示するように、このEL素子は、ネサガ
ラス基板1と、TTPAE層6と、図示しないAlq3
(アルミニウムキノリール)層と、TCPEB7層と、
アルミニウム電極16とを積層した構造を有する。ネサ
ガラス基板1のTTPAE層6側の表面は、微小孔で覆
われた構造を有する。
【0130】このようなEL素子を、以下のようにして
作成した。
【0131】まずネサガラス基板1表面に、プラズマエ
ッチング処理を行うことにより、い、微小孔で覆われた
構造を得た。この構造の断面における輪郭形状のハウス
ドルフ次元は、10nmの物差し長で、1.8±0.1
を示した。
【0132】このネサガラス基板1の上に、TTPAE
6を膜厚100nm積層させた後に、Alq3 を10
nm,TCPEB 7を100nm積層させ、その上に
アルミニウム薄膜16を1μm程度蒸着し、有機EL素
子を作成した。
【0133】得られた有機EL素子は、ネサガラス基板
からTTPAE層へのホール注入とアルミニウム電極か
らAlq3 層への電子注入、TTPAE層中のホール移
動とAlq3 層中の電子移動、TTPAE層とAlq3
層との界面における電子とホールの再結合とそれにつづ
く励起子の生成、励起子の発光により動作する。ネサガ
ラス基板表面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元Dは、
10nmの物差し長二おいて1.0<D<2.0の値を
とり得るが,Dが1.8±0.1の値をとることにより
ネサガラス基板からTTPAE層へのホール注入の効率
が上昇し、発光効率が向上する。
【0134】この有機EL素子について、その界面の断
面輪郭形状のハウスドルフ次元(物差し長)及び発光効
率を調べた。その結果を表2に示す。
【0135】比較例3 真空蒸着法により、平坦なネサガラス基板上に、TTP
AEを膜厚100nm積層させた後にAlq3を10n
m、TCPEBを100nm積層させ、その上にアルミ
ニウム薄膜を1μm程度蒸着し、有機EL素子を作成し
た。
【0136】得られた有機EL素子について、実施例
7と同様にして、そのハウスドルフ次元(物差し長)及
び発光効率を調べた。その結果を表2に示す。
【0137】
【表2】
【0138】表2に示すように、本発明にかかるEL発
光素子は、従来のEL発光素子の2倍以上のEL発光効
率を示す。
【0139】実施例 8 図11に、本発明の第3の好ましい態様にかかるエレク
トロクロミック表示素子の一例の主要部を表わす該略図
を示す。
【0140】図示するように、このエレクトロクロミッ
ク表示素子は、ネサガラス基板1とp型ポリピロールフ
ィルム2と、0.1M H2 SO4 中にキノン系色素5
mMを含んだ溶液層13を介して設けられたネサガラス
電極4との積層構造を有する。p型ポリピロールフィル
ム2の溶液層13側表面は、高さ数十μmの樹枝状構造
を有する。
【0141】このようなエレクトロクロミック表示素子
は、以下のようにして作成した。
【0142】まず、作用電極(正極)としてネサガラス
基板1、対極(負極)として白金電極、参照電極として
飽和カロメル電極、及び電解質として六フッ化リン酸塩
を用いて、電界重合により、p型ポリピロールフィルム
2をネサガラス1上に作成した。電界重合の条件とし
て、印加電圧を5.0Vとし、ポリピロールフィルム2
の膜厚が10μm程度になるよう設定した。成長させた
ポリピロールフィルムの断面をTEM観察すると、図1
1に示すように、高さ数十μmの樹枝状構造17が観測
された。
【0143】コンピュータによる樹枝状構造17表面の
断面輪郭形状のハウスドルフ次元計算では、10μmの
物差し長でハウスドルフ次元が1.8±0.1を示し
た。この高分子薄膜と白金電極との間に、0.1M H
2 SO4 中にキノン系色素5mMを含んだ溶液を配置す
ることで、エレクトロクロミック表示素子を得た。
【0144】得られたエレクトロクロミック表示素子
は、発色は、白金電極表面におけるキノン系色素の負イ
オン化、キノン系色素イオンの電解質中の拡散、高分子
薄膜表面へのキノン系色素イオンの吸着により動作し、
消色は、高分子薄膜表面に負電圧を印加することによる
高分子薄膜表面からのキノン系色素の脱離により動作す
る。高分子薄膜表面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元
Dは、10μmの物差し長において1.0<D<2.0
の値をとり得るが、Dは1.8±0.1の値をとること
により、発色では、高分子薄膜表面へのキノン系色素イ
オンの吸着、消色では、高分子薄膜表面からキノン径色
素の脱離がより高速になり、発色及び消色速度が向上す
る。
【0145】得られたエレクトロクロミック表示素子の
界面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元(物差し長)お
よび当該素子に対し、高分子薄膜に+0.8Vの電圧印
加を行うことにより、発色速度を計測した。その結果を
表3に示す。
【0146】比較例4 電界重合時の印加電圧として5.0Vではなく、3.0
Vをかけた以外は、実施例 8と同様の作成法でエレク
トロクロミック素子を得た。
【0147】ポリピロールフィルムの断面をTEM観察
すると、平坦な界面構造が観測された。コンピュータに
よるポリピロールフィルム表面の断面輪郭形状のハウス
ドルフ次元計算では、10μmの物差し長におけるハウ
スドルフ次元が1.2±0.1を示した。
【0148】得られたエレクトロクロミック表示素子に
ついて、実施例 8と同様にして高分子薄膜に+0.8
Vの電圧印加を行うことにより、発色速度を計測した。
その結果を表3に示す。
【0149】実施例 9 図12に、本発明の第4の好ましい態様にかかる電気化
学発光素子の一例の主要部を表わす該略図を示す。
【0150】図示するように、この電気化学発光素子
は、ネサガラス基板1と、ポリフェニレンビニレンフィ
ルム18と、アルミニウム電極16との積層構造を有す
る。ポリフェニレンビニレンフィルム18とアルミニウ
ム電極16との界面は、高さ数十μmの樹枝状構造を有
する。
【0151】このような電気化学発光素子は、以下のよ
うにして作成した。
【0152】まず、作用電極(正極)としてネサガラス
基板1、対極(負極)として白金電極、参照電極として
飽和カロメル電極、電解質として六フッ化リン酸塩を用
いて、電界重合により、ポリフェニレンビニレンフィル
ム18をネサガラス1上に作成した。電界重合の条件と
して、印加電圧を5.0Vとし、ポリフェニレンビニレ
ンフィルム18の膜厚が100μm程度になるよう設定
した。成長させたポリフェニレンビニレンフィルム18
の断面をTEM観察すると、高さ数十μmの樹枝状構造
19が観測された。
【0153】コンピュータによるポリフェニレンビニレ
ンフィルム18表面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元
計算では、10μmの物差し長の間でハウスドルフ次元
が1.8±0.1を示した。この高分子薄膜18表面
に、レーザー色素Kitonred 620の薄膜を膜
厚1μm程度、塗布法により成長し、後に真空蒸着法に
よりアルミニウム電極16で覆うことで電気化学発光素
子を得た。
【0154】得られた電気化学発光素子は電極への電圧
印加によりネサガラス表面で生じたホール、アルミニウ
ム電極表面で生じた電子がポリフェニレンビニレン層中
を移動し、色素層もしくはポリフェニレンビニレン層中
で電子とホールが再結合することによる励起子の生成、
その励起子の発光により動作する。ポリフェニレンビニ
レン表面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元Dが高さ数
十μmの樹脂状構造をとることにより、アルミニウム電
極表面で生じるホールの色素層もしくはポリフェニレン
ビニレン層への拡散がより高速に行なわれるため、発光
効率が向上する。
【0155】得られた電気化学発光素子の高分子薄膜に
5.0Vの電圧印加することにより得られた発光応答速
度を表3に示す 比較例5 電界重合時の印加電圧として5.0Vではなく、3.0
Vをかけた以外は実施例 9と同様の作成法で電気化学
発光素子を得た。ポリフェニレンビニレンフィルム表面
の断面をTEM観察すると平坦な界面構造が観測され
た。コンピュータによる表面の断面輪郭形状のハウスド
ルフ次元計算では、10μmの物差し長においてハウス
ドルフ次元が1.2±0.1を示した。実施例 9、比
較例6で得られた電気化学発光素子の界面の断面輪郭形
状のハウスドルフ次元(物差し長)および当該素子に対
し、高分子薄膜に5.0Vの電圧印加することで得られ
た発光応答速度を表3に示す。
【0156】実施例 10 図13に、本発明の第5の好ましい態様にかかるゲルア
クチュエータの一例の主要部を表わす該略図を示す。
【0157】図示するように、このゲルアクチュエータ
は、一対の電極4,44と、該電極間のうち該電極4上
に設けられた棒状高分子ゲル8と、棒状高分子ゲル8と
電極44との間に設けられたNa2 CO3 等の電解質溶
液21とからなる積層体と、この積層体周囲に設けられ
た弾性体9を含む構造を有する。棒状高分子ゲル8の電
解質溶液21側表面は、多数の微小孔を有する。
【0158】このようなゲルアクチュエータは、以下の
ようにして作成した。
【0159】まず、ポリビニルアルコールとポリアクリ
ル酸とからなる高分子ゲルを直径5mm程度、長さ3c
m程度の棒状に加工した。
【0160】得られた棒状高分子ゲルの端より2cm程
度に酸処理などエッチング処理を行い、棒状高分子ゲル
の表面に微小孔を設けた。
【0161】この微小孔の断面輪郭形状のハウスドルフ
次元は、10μmの物差し長で1.8±0.1を示し
た。棒状高分子ゲルの微小孔を設けた部分を、Na2
3 等の電解質溶液中に浸堰し、電解質溶液層21及び
棒状高分子ゲル2を介して各々一対の電極4を設け、全
体を弾性を持った材料9で覆うことによりゲルアクチュ
エータを得た。
【0162】得られたゲルアクチュエータは、電極への
電圧印加による電解質の高分子ゲル中へのドーピング
と、それに伴う高分子ゲルの体積変化により動作する。
高分子ゲル表面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元D
は、10μmの物差し長において、1.0<D<2.0
の値をとり得るが、Dが1.8±0.1の値をとること
により、電解質の高分子ゲル中へのドーピング速度が向
上し、それによりアクチュエータの動作速度が向上す
る。
【0163】このアクチュエータについて、その界面の
断面輪郭形状のハウスドルフ次元(物差し長)および当
該素子に±20Vのパルス電圧を印加し、動作速度を測
定した。得られた結果を表3に示す。
【0164】比較例6 棒状高分子ゲルにエッチング処理を行わない以外は、実
施例 10と同様の作成法でゲルアクチュエータを得
た。
【0165】得られたアクチュエータについて実施例
10と同様にしてハウスドルフ次元(物差し長)および
当該素子に±20Vのパルス電圧を印加し、動作速度を
測定した。得られた結果を表3に示す。
【0166】
【表3】
【0167】表3にから明らかなように、本発明にかか
るエレクトロクロミック表示素子、電気化学発光素子、
及びゲルアクチュエータは、従来のものに比べ、各々、
優れた発光速度、発光応答速度、及び動作速度を有す
る。
【0168】Emboddiment 11 図14に、本発明の第6の好ましい態様にかかる薄膜二
次電池の一例の主要部を表わす概略図を示す。
【0169】図示するように、この薄膜二次電池は、一
対の白金電極4,44と、該電極間の白金電極4側に設
けられたポリピロールフィルム層2と、該ポリピロール
フィルム層2とニッケル電極21との間に設けられた酸
化バナジウムを含むポリエチレンオキシド粉末層20と
の積層構造を有する。ポリピロールフィルム層2と酸化
バナジウムを含むポリエチレンオキシド粉末層20との
界面は、高さ数百μmの樹枝状構造を有する。
【0170】このような薄膜二次電池を以下のようにし
て作成した。
【0171】まず、作用電極(正極)4、対極(負極)
として白金電極、参照電極として飽和カロメル電極、電
解質としてリチウム塩を用いて、電界重合により、ポリ
ピロールを作用電極4上に作成した。電解重合の条件と
して、印加電圧を5.0Vとし、ポリピロールフィルム
の膜厚が100μm程度になるよう設定した。
【0172】成長させた表面の断面をTEM観察すると
高さ数百μmの樹枝状構造が観測された。コンピュータ
による表面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元計算で
は、10μmの物差し長の間でハウスドルフ次元が1.
8±0.1を示した。
【0173】この高分子薄膜上に酸化バナジウムを含ん
だポリエチレンオキシド粉末塗布層20を形成した上か
らニッケル電極板44で挟み込むことにより薄膜二次電
池を作成した。
【0174】得られた薄膜二次電池は、充電時は、ポリ
ピロール薄膜に負電圧をかけることによるポリエチレン
オキシド粉末塗布層中のリチウム塩のポリピロール薄膜
への拡散と、それに続くドーピング、放電時は、ポリピ
ロール薄膜からリチウム塩の脱ドープによる正電荷の発
生と、リチウム塩のポリピロール薄膜表面からポリエチ
レンオキシド粉末塗布層への拡散により動作する。ポリ
ピロール薄膜表面の形状が高さ100μm以上の樹脂状
構造の集合体であることにより、充電時は、ポリエチレ
ンオキシド粉末塗布層からポリピロール薄膜へのリチウ
ム塩の拡散、また放電時は、リチウム塩のポリピロール
薄膜表面からポリエチレンオキシド粉末塗布層への拡散
速度が向上し、かつ電極表面の単位面積当たりのドープ
量も増加するため、電流容量密度が向上する。
【0175】この薄膜二次電池について、定電流電源及
び電圧記録計による電圧降下測定により、負極容量密度
を測定した。その結果を表4に示す。
【0176】比較例7 電界重合時の印加電圧として、5.0Vではなく3.0
Vをかけた以外は、実施例 11と同じ手法で薄膜二次
電池を作成した。
【0177】比較例8、実施例 11で作成した薄膜二
次電池の界面の断面輪郭形状のハウスドルフ次元(物差
し長)および負極容量密度を表4に示す。
【0178】
【表4】
【0179】表4から明らかなように、本願発明にかか
る薄膜二次電池は、従来のものに比べて優れた負極容量
密度を示す。
【0180】実施例 12 図15に本発明の第4の観点にかかる電界放出デバイス
の一例の主要部を表す該略図を示す。
【0181】図示するように、この電界放出デバイス
は、基板52と、基板52上に所定のパターンで形成さ
れた電子エミッタ層50と、基板上に形成され、電子エ
ミッタ層50が形成された領域上に開孔を有する絶縁体
層53と、絶縁体層53に形成されたゲート電極層4と
を積層した構造を有する。
【0182】このような電界放出デバイスを以下のよう
にして作成した。
【0183】基板としては、ガス、セラミックまたはシ
リコンのような材料を含むことが望ましい。この基板表
面上に所望のパターンにて電子エミッタ材料層を積層す
る。電子エミッタ層の材料としてはMo、W、Cs等の
金属、LaB6 、YB6 、AlNなどの化合物、または
これらの材料の組合わせからなる。この電子エミッタ層
の表面をプラズマエッチング、もしくは電気化学的な手
法によりエッチング処理を行なうか、もしくは電子エミ
ッタ層としてMo、W、Cs等の金属を含む場合には、
メッキ処理により、電子エミッタ層表面に樹枝状構造の
集合体が得られる。この樹枝状構造は、周囲に尖鋭部を
もつ複数の枝部分で囲まれた構造であり、この尖鋭部の
先端に現れる電場の集中が低電圧での電子放出に利用さ
れる。
【0184】得られた電子エミッタ層の上に従来のマス
ク処理により開口部をもつ絶縁体層とゲート電極層を設
ける絶縁体層としては、例えばSiO2 、ガラス、セラ
ミックまたはこれらの材料の組合わせがあげられる。ゲ
ート電極層としては、例えばCu、Cr、Ni、Nb、
Mo、及びW等の金属、及びその合金があげられる。
【0185】こうして得られた電界放出デバイスは、ゲ
ート電極層及び絶縁体層の一つの開口部分内の露出され
た電子エミッタ層表面に、複数の尖鋭部分をもつ樹枝状
構造の集合体を持ち、この尖鋭部分が電子放出点となる
ため、1つの開口部に多数の電子放出点を持つことが可
能となる。また、樹枝状構造は、従来のマスク処理など
の処理とは異なり、自己組織的に形成される構造であ
り、より簡単な方法で尖鋭な構造を得ることができる。
【0186】図16に示すように、こうして得られた電
界放出デバイスに、例えばスペーサ64を用いて電界放
出デバイスとの間に一定の距離をおいて、蛍光体層63
と、陽極層62と、透明絶縁基板61とを積層してフラ
ットパネル表示装置を構成することができる。蛍光体層
63と電界放出デバイスとの間を真空60として、符合
65に示すように、電子エミッタ層50、ゲート電極層
51、及び陽極層62に電力供給を行なうことにより、
エミッタより電子を放出させることができる。
【0187】陽極層62としては、一般的にインジウ
ム、スズ酸化物などの透明導体が用いられる。透明絶縁
基板としては、一般的にガラスが用いられる。印加する
電界は、一般的に電子エミッタ層とゲート電極との間で
50V/μm以下、好ましくは25V/μm以下、さら
に好ましくは15V/μm以下である。電界印加によっ
て活性化された電子エミッタ層から電界放出した電子
は、真空を介して蛍光体層に達し、蛍光体層を発光させ
た後、陽極層に達する。
【0188】
【発明の効果】本発明によれば、エネルギー変換を行な
う薄膜に望ましいハウスドルフ次元と物差し長を持った
断面輪郭形状を有する界面を作成することにより、電子
デバイスのエネルギー変換効率の向上、例えば有機太陽
電池の光電変換効率の向上、有機EL素子の発光効率の
向上、エミッタの電子放出の低電圧化、エレクトロクロ
ミック表示素子の表示速度向上、電気化学発光素子の発
光速度向上、ゲルアクチュエータの動作速度の向上、薄
膜二次電池の電極容量密度、電流密度の向上が行なえ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機薄膜素子の一例の断面形状を表
わすモデル図
【図2】 電解重合に使用される装置の一例を表わす該
略図
【図3】 本発明の第1の例にかかる有機太陽電池の主
要部の構造を表わす模式図
【図4】 図3の有機薄膜素子の接合界面輪郭形状のハ
ウスドルフ次元解析図
【図5】 本発明の第2の例にかかる有機太陽電池の主
要部の構造を表わす模式図
【図6】 本発明の第3の例にかかる湿式太陽電池の主
要部の構造を表わす模式図
【図7】 図6の有機薄膜素子の接合界面の輪郭形状の
ハウスドルフ次元解析図
【図8】 本発明の第5の例にかかる有機太陽電池の主
要部の構造を表わす模式図
【図9】 本発明の第6の例にかかる有機太陽電池の主
要部の構造を表わす模式図
【図10】 本発明の第7の例にかかる有機EL素子の
主要部を表わす概略図
【図11】 本発明の第8の例にかかるエレクトロクロ
ミック表示素子の主要部を表わす該略図
【図12】 本発明の第9の例にかかる電気化学発光素
子の主要部を表わす該略図
【図13】 本発明の第10の例にかかるゲルアクチュ
エータの主要部を表わす該略図
【図14】 本発明の第11の例にかかる薄膜二次電池
の主要部を表わす概略図
【図15】 本発明の第3の観点にかかる電界放出デバ
イスの一例を表す図
【図16】 図15に示すデバイスを用いた表示装置を
表す図である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極と、該第1の電極上に設けら
    れた有機材料を含有する層と、該有機材料含有層上に設
    けられた第2の電極層とを含む有機薄膜素子において、
    前記有機材料含有層の断面における隣接する層との界面
    の輪郭形状は、そのハウスドルフ次元Dが1.5≦D≦
    2.0で表わされることを特徴とする有機薄膜素子とし
    て使用される電子デバイス。
  2. 【請求項2】 前記輪郭形状は、樹枝状構造の集合体で
    あることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 【請求項3】 前記ハウスドルフ次元Dが1.7≦D≦
    2.0で表わされ、かつ前記有機材料含有層は前記界面
    で電子もしくは励起子の吸着または放出を行なう光電変
    換装置として適用される請求項1に記載の電子デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 前記有機材料含有層は、第1の有機層
    と、第2の有機層とを含み、該第1の有機層と該第2の
    有機層との界面は連続し、かつ前記第1の有機層と第2
    の有機層の断面における前記界面の輪郭形状は、そのハ
    ウスドルフ次元Dが、100nmの物差し長において
    1.7≦D≦2.0で表わされ、有機太陽電池として適
    用される請求項3に記載の電子デバイス。
  5. 【請求項5】 前記界面は、底面の幅10μm以上の微
    小ピラミッドの集合体からなる形状を有することを特徴
    とする請求項4に記載の電子デバイス。
  6. 【請求項6】 前記有機材料含有層は、n型有機層と、
    該n型有機層上に設けられたp型有機層とを含み、前記
    第1の電極と前記n型有機層との間の第1の界面及び前
    記第2の電極と前記p型有機層との間の第2の界面のう
    ち少なくとも1つが連続し、かつ前記第1の電極、前記
    n型有機層、前記p型有機層、及び前記第2の電極の断
    面における該連続した第1の界面及び第2の界面のうち
    少なくとも1つは、その輪郭形状のハウスドルフ次元D
    が、10nmの物差し長において1.7≦D≦2.0で
    表わされ、有機EL素子として使用される請求項3に記
    載の電子しデバイス。
  7. 【請求項7】 前記ハウスドルフ次元Dが1.5≦D≦
    2.0で表わされ、かつ前記有機材料含有層は、前記界
    面において、イオンの吸着あるいは放出が行なわれ、電
    気化学装置として適用される請求項1の電子デバイス。
  8. 【請求項8】 前記有機材料含有層は、電解質層と、該
    電解質層上に設けられたポリマー層とを含み、前記ハウ
    スドルフ次元Dが10μmの物差し長において1.7≦
    D≦2.0で表わされるエレクトロクロミック表示素子
    として適用される請求項7に記載の電子デバイス。
  9. 【請求項9】 前記有機材料含有層は、ポリマー及び電
    解質の混合層を含み、前記第1の電極と前記混合層との
    界面は連続し、かつ前記電気化学発光素子の断面におけ
    る前記界面の輪郭形状は、そのハウスドルフ次元Dが1
    0μmの物差し長において1.7≦D≦2.0で表わさ
    れ、電気化学発光素子として適用される請求項8に記載
    の電子デバイス。
  10. 【請求項10】 前記有機材料含有層は、電解質層、及
    び高分子ゲル層を含み、前記第1の電極と、前記有機材
    料含有層と、前記第2の電極を有する積層体と、該積層
    体周囲に設けられた弾性材料とを具備し、前記有機材料
    含有層断面における前記電解質層と前記高分子ゲル層と
    の界面の輪郭形状は、そのハウスドルフ次元Dが1μm
    の物差し長において1.5≦D≦2.0で表わされ、ゲ
    ルアクチュエータに適用される請求項7に記載の電子デ
    バイス。
  11. 【請求項11】 前記有機材料含有層は、電解質層と、
    高分子層と、該高分子層を含み、前記高分子層は、有機
    材料含有層の断面における電解質層との界面の輪郭形状
    が、高さ10μm以上の樹枝状構造の集合体であり、そ
    のハウスドルフ次元Dが10μmの物差し長において
    1.7≦D≦2.0で表され、薄膜二次電池として適用
    される請求項7に記載の電子デバイス。
  12. 【請求項12】 第1の電極、該第1の電極上に設けら
    れた第1の有機材料含有層、該第1の有機材料含有層上
    に設けられた第2の電極とを含む有機薄膜層の製造方法
    であって、前記第1の有機材料含有層及び前記第2の有
    機材料含有層は、二種類の有機材料を混合し、電界、磁
    界、光照射、温度勾配、及び遠心力のうち少なくとも1
    つを与えることにより、二種類の有機材料の分離を行う
    ことにより形成され、かつ前記第1の有機材料含有層及
    び前記第2の有機材料含有層の断面における界面の輪郭
    形状のハウスドルフ次元Dは、1.5≦D≦2.0であ
    る有機薄膜素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 基板と、該基板上に規則的に形成され
    た電子エミッタ層と、前記基板上の前記エミッタを除く
    領域上に形成された絶縁体層と、前記絶縁体層上に形成
    されるゲート電極層よりなる電界放出デバイスであっ
    て、前記電子エミッタ層表面の断面輪郭形状のハウスド
    ルフ次元Dが、100nm以上1μm以下の物差し長に
    おいて1.7<D≦2.0で表される電界放出デバイス
    として使用される電子デバイス。
  14. 【請求項14】 前記電子エミッタ層表面が、樹枝状構
    造の集合体であることを特徴とする請求項13に記載の
    電子デバイス。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の電子デバイスを用
    いた表示装置。
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