JPH10148532A - エネルギー閉じ込め型圧電振動ジャイロスコープ - Google Patents

エネルギー閉じ込め型圧電振動ジャイロスコープ

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JPH10148532A
JPH10148532A JP8308405A JP30840596A JPH10148532A JP H10148532 A JPH10148532 A JP H10148532A JP 8308405 A JP8308405 A JP 8308405A JP 30840596 A JP30840596 A JP 30840596A JP H10148532 A JPH10148532 A JP H10148532A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非調和高次モードの振動がなく、且つ/ある
いは、スプリアスの少ない高感度のエネルギー閉じ込め
振動モードを利用した圧電振動ジャイロを提供するこ
と。 【解決手段】 圧電板の厚さをt、励振方向の長さをL
1とし、圧電板の上に形成した駆動用の平行電極間距離
をdとしたとき、d/t<7、および/または、L1/
d≧3を満足するように設ける

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転角速度を検出
するためのジャイロスコープに関し、特に、圧電振動子
のエネルギー閉じ込め振動モードを利用した圧電振動ジ
ャイロスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動ジャイロスコープ(以下簡単の
ために圧電振動ジャイロと呼ぶ)は、圧電振動子を一定
方向に励振しておいた状態で、該圧電振動子がその励振
方向に直角な方向の軸の周りにに回転した際、その励振
方向及び回転軸に直角の方向に生ずるコリオリ力を検知
して、回転角速度を検出するもので、種々の応用がある
が、最近では、例えば、自動車のナビゲーションシステ
ムや、VTRカメラの手振れ補正機構などに用いられる
ようになって来ている。
【0003】圧電振動ジャイロとして、振動のエネルギ
ーが駆動電極近傍に集中しているエネルギー閉じ込め振
動モードで振動する圧電振動子を用いたエネルギー閉じ
込め振動モードを利用した圧電振動ジャイロが、例え
ば、特開昭62−162915号や特開平3−3225
80号に提案されている。
【0004】エネルギー閉じ込め振動モードを利用した
圧電振動ジャイロは、振動エネルギーが圧電振動子の局
部に集中しているので、圧電振動子の支持が簡単容易で
あり、遊離しているリード線が不要となるとの利点があ
る。
【0005】特開昭62−162915号は、振動エネ
ルギーを局部に閉じ込めるために、振動子の厚みを局部
的に厚く形成しその部分を厚み方向に分極し、厚い局部
の対向端面に駆動電極を設け、対向側面に検出電極を設
けたものを開示している。また、他の例として、駆動電
極と検出電極を圧電板の一面に設け、駆動電極間に検出
電極として交差指電極を設けたものを開示している。
【0006】特開平3−322580号は、圧電板の一
部領域を厚み方向に分極し、その分極領域の主面上に2
組の対向電極を、対向方向を直角にして設け、一方の対
向電極を駆動電極に、他方の対向電極を検出電極とした
圧電振動ジャイロを開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−1629
15号に開示したエネルギー閉じ込め振動モードを利用
した圧電振動ジャイロは、圧電板の厚みを局部的に厚く
しなければならないとか交差指電極を形成しなければな
らないといった製造上の難点がある。また、一対の駆動
電極と一対の検出電極が互いに近傍に設けられているの
で、駆動電極から圧電板内に印加した駆動電界が検出電
極に影響され、駆動電界方向が変化して精度が得られな
いとの欠点が見られる。
【0008】特開平3−322580号に開示したエネ
ルギー閉じ込め振動モードを利用した圧電振動ジャイロ
は、構成は簡単で製造も容易であるが、一対の駆動電極
と一対の検出電極が互いに近傍に設けられているので、
駆動電極から圧電板内に印加した駆動電界が検出電極に
影響され、駆動電界方向が変化し、精度の良い検出出力
を得ることが困難である。
【0009】従って、本発明は、非調和高次モードの振
動がなく、高精度のエネルギー閉じ込め振動モードを利
用した圧電振動ジャイロを提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、使用周波数以外の周波数
のスプリアス振動の発生の少ない、高精度のエネルギー
閉じ込め振動モードを利用した圧電振動ジャイロを提供
することを目的とする。
【0011】更に、本発明は、圧電板の主面の限定され
た領域に出力電極を駆動電極の一部に共用することによ
って、出力電極が駆動電界に悪影響を与えないようにし
た、小型で、構造簡単で、高精度のエネルギー閉じ込め
振動モードを利用した圧電振動ジャイロを提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、厚みt
の圧電板の厚み方向に分極を有する領域の主面上に駆動
用の平行電極を形成して該平行電極間にエネルギー閉じ
込め厚みすベり振動を励振し、該圧電板に厚み方向を回
転軸とした回転が加わったときに生じるコリオリ力によ
る振動に対応した起電力を検知して回転角速度を検出す
る圧電振動ジャイロスコープにおいて、前記駆動用の平
行電極を、d/t<7を満たす間隔dを持って形成した
ことを特徴とするエネルギー閉じ込め型圧電振動ジャイ
ロスコープが得られる。
【0013】また、本発明によれば、長さL1の圧電板
のほぼ中央部の厚み方向に分極を有する領域の主面上に
駆動用の平行電極を形成して該平行電極間にエネルギー
閉じ込め厚みすベり振動を励振し、該圧電板に厚み方向
を回転軸とした回転が加わったときに生じるコリオリ力
による振動に対応した起電力を検知して回転角速度を検
出する圧電振動ジヤイロスコープにおいて、前記駆動用
の平行電極を、前記L1の長さの方向にL1/d≧3を
満たす間隔dを持って形成したことを特徴とするエネル
ギー閉じ込め型圧電振動ジャイロスコープが得られる。
【0014】本発明の一つの態様によれば、前記主面上
に第1の方向に前記の所定間隔dだけ離れた二位置の
内、一方の位置に前記第一の方向と直角の方向に延在し
てストリップ状の第1の電極を形成し、他方の位置に前
記第1のストリップ状の電極とほぼ平行な方向に互いに
間隔をおいて延在したストリップ状の第2および第3の
電極を形成し、前記第1の電極と前記第2及び第3の電
極とを前記駆動用の平行電極として励振用の駆動電圧を
印加し、前記第2及び第3の電極間に生じる前記コリオ
リ力による振動に対応した起電力を検知するようにし、
前記第1の電極と前記第2および第3の電極との間に生
ずるエネルギー閉じ込め振動モードを利用したことを特
徴とする圧電振動ジャイロスコープが得られる。
【0015】本発明の前記の圧電振動ジャイロスコープ
においては、前記第2及び第3の電極はそれぞれ仮想接
地機能を備えた第1及び第2の電流検出回路に接続して
あり、前記第1の電極に励振用の駆動電圧を印加し、前
記第1及び第2の電流検出回路出力間に生ずる差電圧を
検出出力とする構成とする。
【0016】本発明の圧電振動ジャイロスコープは、駆
動及び検出回路として、前記第1及び第2の電流検出回
路の出力間に接続され該両電流検出回路の出力電圧の差
を検出するための差動回路と、該差動回路出力に接続さ
れた同期検波回路と、該同期検波回路の出力に接続され
た整流回路と、前記第1及び第2の電流検出回路の出力
間に接続され自励振駆動用周波数の信号を発振するため
の発振回路と、該発振回路の出力に接続され前記自励振
駆動用周波数の交流電圧を前記第1の電極に印加する駆
動回路とを備えると良い。
【0017】前記圧電板としては、圧電セラミックスを
用い、該圧電セラミックスの前記第1乃至第3の電極間
及びその近傍の領域のみを厚さ方向に分極するものとす
る。
【0018】また、前記圧電板として厚み方向に分極軸
を有する圧電結晶板を用いることもできる。
【0019】
【作用】圧電板の厚み方向に分極を有する領域の主面の
ほぼ中央部に、駆動あるいは検出用の複数の電極を形成
して構成した平行電界励振型エネルギー閉じ込め厚みす
べり振動を利用した圧電振動ジャイロにおいて、前記駆
動あるいは検出用の複数の電極の全てを含む円の内で最
も小さな円(この円内領域を電極部と呼ぶ)の直径を
d、前記圧電板の厚さをtとしたとき、図6に示すよう
な振動モードの次数0、1、2に対応する厚みすベりモ
ードS0、S1、S2の共振周波数は図7に示すよう
に、d/tによって変化する。図7において、ω0 は電
極部の共振周波数であり、ω0'は電極のない周辺部の共
振周波数である。厚み振動は、駆動周波数をω0 とω0'
の間に設定することによって電極部に閉じ込められる。
この閉じ込め振動の振動モードは、基本モードS0の他
に高次の振動モードS1、S2、・・・がある。d/t
が大きい場合、たとえばd/t=Pにおいてω0 とω0'
の間でS0、S1、S2の3つのモードが起こりうる。
本発明の構造を用いた場合、d/t<7の範囲で非調和
高次対称モードが生じないので、副振動のない共振子が
得られる。
【0020】また、前記圧電板の励振方向の長さをL1
としたとき、厚みすべり振動の励振方向の変位分布は図
8に示すような曲線で表される。本発明の構造を用いた
場合、L1/d≧3の範囲でスプリアス振動のが小さく
その影響は無視できる。
【0021】よつて、本発明の構造を用いることによ
り、非調和高次モードがなく、スプリアスの少ない、高
感度の圧電振動ジャイロが得られる。
【0022】本発明の振動ジャイロの特筆すべき点は、
d/tの値を7未満とし、L1/dを3以上としたこと
で、より支持の影響のない高感度の振動ジャイロを得ら
れることである。
【0023】従って、本発明において、重要な点は、各
電極対が対向する領域に不要振動の無いきれいなエネル
ギー閉じ込め振動を励振することであり、d/tの値を
7未満とし、L1/dを3以上とすることで、この目的
を達成することが出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の一
例におけるエネルギ一閉じ込め型振動ジャイロの振動子
の構成を示す斜視図である。図1に示すように、圧電振
動子は、例えば、PZTやチタン酸バリウムなどの圧電
セラミックス板で構成した、中央部が厚さ方向に分極軸
を有する圧電板10を用いる。この圧電板10の前記中
央部の主面上にストリップ状の第1の電極11が設けら
れている。この第1の電極11と所定距離だけ離れた位
置に該第1の電極と平行に、第2の電極12および第3
の電極13が互いに離れて成されている。これら電極1
1、12、13には、外部に導出するための端子部1
4、15、16が接続されている。なお、これら電極お
よび端子部は、銀ペーストあるいは金スパッタで構成さ
れると良い。もちろん他の導電膜を採用することができ
る。外部に導出するための端子部は振動子上に設けずリ
ード線を用いても良い。
【0025】図示のとおり、厚み方向をZ軸、電極の対
向方向をX軸、これらに直交する方向をY軸とする三次
元座標を決める。
【0026】圧電板10が、図示の通り、縦横(図でX
およびY方向)寸法L1×L2、厚みtを有するものと
し、電極11と電極12および13とは寸法L1を持つ
X方向で対向し、その対向間距離dは、d/t<7およ
びL1/d≧3を満足するように設けられている。
【0027】動作を説明すると、第1の電極11と第2
および第3の電極12および13との間に駆動電圧(交
流)を印加すると、X方向の振動が励振される。この状
態で、圧電板10がZ軸の周りに回転すると、Y方向に
コリオリ力による振動が発生し、これにより、第2およ
び第3の電極間に起電力が発生する。この起電力を検知
することによって、コリオリ力による振動の大きさを、
したがって、回転角速度を検出することができる。
【0028】なお、振動のエネルギーは圧電板の前記中
央部に閉じ込められ、周辺に及ばないので、圧電板の周
辺部を支持することが容易である。
【0029】特に、電極11、12および13の位置
が、前記式d/t<7およびL1/d≧3を満足するよ
うに選ばれているから、非調和高次モードの振動がな
く、スプリアスの少ない圧電振動ジャイロが実現されて
いる。
【0030】図2は図1の圧電振動子1に接続される回
路構成を示すブロック図である。図2を参照をすると、
圧電振動子1の第2及び第3の電極12及び13には、
電流検出回路18、19がそれぞれ接続されている。電
流検出回路18、19の出力側には、差動増幅回路22
が接続され、同期検波回路23、整流回路24を介し
て、圧電振動ジャイロの検出出力が得られる。一方、電
流検出回路18、19は自励発振条件を満たすための発
振回路25に接続され、X方向振動を与えるための駆動
回路26を介して第1の電極11に接続されており、自
励発振回路を構成している。この自励発振回路により圧
電振動子の厚みすベり振動の共振周波数にほぼ等しい周
波数の交流電圧が電極11に印加される。
【0031】図3は、図2の電流検出回路18および1
9の構成例を示す図で、第2および第3の電極12およ
び13を仮想的に接地させる機能を備えるものである。
この回路は、演算増幅器31の非反転入力端子(+)は
基準電圧に接地されており、演算増幅器31の出力端子
から反転入力端子に抵抗器Rが接続されている。反転入
力端子(−)は,演算増幅器の仮想接地機能により常に
前記の接地基準電位に保たれる。この反転端子に電流が
流入すると、抵抗器Rにより電圧に変換される。すなわ
ち、Vout=−iRなる出力を得る。すなわち、この
電流検出回路は、機能的には入カインピーダンスがほぼ
0で、入力電流に比例した出力電圧を得ることが出来る
回路である。
【0032】この電流検出回路を図2の電流検出回路1
8および19に用いる。その際、反転入力端子(−)を
第2および第3の電極12および13に接続する。これ
により、駆動電圧は、第1の電極11と第2および第3
の電極12および13との間に加わることになり、第2
および第3の電極12および13間の起電力は、電流検
出回路18および19の出力間の電位差として検出でき
ることになる。
【0033】次に、本発明の上記実施の形態における圧
電振動子の駆動原理を、図面を参照して具体的に説明す
る。
【0034】図4(a)及び(b)は、図1および図2
に示したエネルギー閉じ込め型振動子の基本構造をそれ
ぞれ示す平面図及び電極部分のみを示す断面図である。
図4(a)及び(b)を参照すると、厚さ方向(Z軸方
向)に分極された圧電板10の中央部の同一面上に、X
軸方向に間隔を持って対向するスリット状の電極D1お
よびD2が形成されている。なお、T1およびT2は端
子部である。端子T1およびT2間に電圧を印加する
と、対向する電極D1およびD2の間の圧電板10の領
域(電極間領域)には、ほぼ板の面に平行な方向(X方
向)の電界が印加されるため、この電界と直交する厚さ
方向(Z軸方向)の分極との相互作用により、電極間領
域にはX方向にひずみが生ずることになる。電極D1、
D2の寸法を圧電板10の特性に合わせて設計し、印加
電圧を電極間領域の共振周波数に合った周波数の交流電
圧とすると、電極間領域に厚みすべり振動を励起するこ
とができる。その振動は電極間領域の周囲には減衰して
伝搬せずに閉じ込められる。すなわちエネルギー閉じ込
め振動子を構成することができる。また、この振動は、
圧電板の面に平行な電界によって生ずる厚みすべり振動
であるので、平行電界励振型厚みすべり振動と呼ばれ
る。なお、厚みすべり振動とは、圧電板の変位の方向が
板面に平行で、波の伝搬方向が板の厚さ方向の振動であ
る。この振動の様子を図解するために、図5に半波長で
共振している場合の厚さ方向(Z軸方向)の変位分布を
示す。
【0035】図1および図2の振動子は、上の基本構造
を利用したものである。すなわち、第1の電極11がD
1電極であり、これと対向する、第2の電極12および
第3の電極13がD2電極である。D2電極は、検出電
極を構成するために2分割され第2の電極12および第
3の電極13を構成し、それぞれ仮想接地機能を備える
電流検出回路18および19に接続している。これによ
り、第2の電極12および第3の電極13は、仮想的に
基準電位に保たれているから、電位的には接地端子とみ
なすことができる。従って、第1の電極11に前記圧電
板の厚みすベり振動モードの共振周波数にほぼ等しい周
波数の励振用の駆動電圧を印加すると、図4の振動子と
同様に、第1、第2、および第3の電極11、12およ
び13によって囲まれる領域(電極間領域)に、第1の
電極11の中心と、第2および第3の電極12および1
3の中心を結ぶ直線の中点を結ぶ直線の方向(X方向)
のエネルギー閉じ込め振動モードの厚みすベり振動が発
生する。
【0036】この状態で、前記圧電板10をその主面と
直交する軸の回りに回転させたると、コリオリ力の作用
により、前記励振されている厚みすベり振動の方向と直
角な方向(Y方向)の厚みすベり振動が発生する。この
コリオリ力により発生した厚みすベり振動により、第1
の電極11と第2の電極12の間、および第1の電極1
1と第3の電極13との間のインピーダンスが変化し、
その結果として、前記電流検出回路18及び19に流れ
込む電流値が変化する。第2の電極12と第3の電極1
3は前述したように、励振されている厚みすベり振動の
方向(X方向)に対して対称に配置されているため、電
流検出回路18、19に流れ込むコリオリ力による振動
によって変化する電流は、振幅が等しく、互いに180
度位相の異なった電流となる。従って、電流検出回路1
8および19の出力電圧も、互いに180度位相の異な
った電圧となり、これらの出力電圧の差を差動回路22
により差電圧として検出し、同期検波回路23によって
この電圧を所定のタイミングで同期検波し、整流回路2
4で整流することにより、印加した回転角速度に比例し
た直流の出力電圧を検出出力として得ることが出来る。
【0037】一方、電流検出回路18、19は自励発振
条件を満足するための発振回路25と振動子駆動回路2
6を介して電極11に接続され、自励発振ループを構成
している。これにより、振動子の共振周波数を自動的に
迫尾して効率よく振動子を駆動できるから、高感度なジ
ャイロを得ることができる。
【0038】図9は、他の回路構成を示すもので、第1
の電極11を接地し、第2および第3の電極間に抵抗R
1およびR2の直列回路からなる分圧回路を接続し、そ
の分圧電圧で発振駆動回路27を制御する。この発振駆
動回路は、接地され、これにより、第1の電極11と第
2および第3の電極との間に駆動電圧が印加される。な
お、発振駆動回路27は図2の発振回路25と駆動回路
26とからなるものである。分圧回路の両端は、差動回
路22に接続される。この差動回路22、検波回路2
3、整流回路24は、図2と同様である。
【0039】ここで、本発明に用いる圧電板が「厚み方
向の分極を有する」とは、厚み方向にのみ分極されてい
るものに限定するものではなく、厚み方向の分極成分を
有するものも含むものとする。もちろん厚み方向の分極
成分の大きな方が良いので、厚み方向のみに分極されて
いるものが最も有利である。
【0040】圧電板10として圧電セラミックスを用い
た場合には、公知のように分極処理を必要とするが、分
極領域は、圧電板の全体に亘っても良いし、振動を閉じ
込める領域のみに限っても良い。
【0041】圧電板10として、圧電結晶板(例えば水
晶、LiNbO3、LiTO3等)を用いることができ
る。その場合、厚み方向の分極軸を持たせるために、Z
カットの板が最も好ましいが、回転Yカットの板を用い
ることもできる。
【0042】尚、上記実施の形態においては、d/t<
7およびL/d≧3の両条件を同時に満たすものを示し
たが、高調波振動モードの抑制とスプリアス振動の抑制
のいずれか一方のみを図る場合には、それに対応した一
方の条件のみを満たすようにすれば良いことは言う迄も
ない。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、エネルギー閉じ込め型
圧電振動ジャイロにおいて、駆動電極および検出電極を
d/t<7、および/あるいは、L1/d≧3を満足す
るように設けることによって、被調和高次モードの振動
が発生せず、かつ/あるいは、スプリアスの少ない、高
感度の圧電振動ジャイロを得ることができる。
【0044】また、本発明によれば、電板の主面上に平
行に配置した1対のスリット状電極のみを用いて駆動を
行い、該一対の電極の内の一方の電極を2分割して検出
電極として検出を行うので、駆動電界が検出電極の存在
によって悪影響を受けず、X方向振動を励振するための
電界を保ったままY方向振動を検出することができ、小
型、構造が簡単、高精度、高感度の振動ジャイロを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による圧電振動子の構成を
示す斜視図である。
【図2】圧電振動子を用いたジャイロの回路構成を示す
ブロック図である。
【図3】図2の回路で用いる電流検出回路の一例を示す
回路図である。
【図4】図1および図2の圧電振動子に採用した振動子
基本構造を示す図で、(a)は平面図、(b)は、電極
の端子部を除いた側面図である。
【図5】図4の基本構造の振動子の厚みすべり振動にお
ける厚み方向の変位分布を示す図である。
【図6】振動モードの次数に対応するX方向の振動波形
を示す図である。
【図7】圧電板のX方向の長さと厚みの比に応じて発生
する振動周波数と各振動モードの次数との関係を示すグ
ラフである。
【図8】厚みすべり振動の励振方向(X方向)の変位分
布を示す図である。
【図9】圧電振動子を用いたジャイロの他の回路構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 圧電振動子 10 圧電板 11 第1の電極 12 第2の電極 13 第3の電極 14、15、16 端子部 18 電流検出回路 19 電流検出回路 22 差動回路 23 同期検波回路 24 整流回路 25 発振回路 26 駆動回路 27 発振駆動回路 31 演算増幅器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みtの圧電板の厚み方向に分極を有す
    る領域の主面上に駆動用の平行電極を形成して該平行電
    極間にエネルギー閉じ込め厚みすベり振動を励振し、該
    圧電板に厚み方向を回転軸とした回転が加わったときに
    生じるコリオリ力による振動に対応した起電力を検知し
    て回転角速度を検出する圧電振動ジャイロスコープにお
    いて、前記駆動用の平行電極を、d/t<7を満たす間
    隔dを持って形成したことを特徴とするエネルギー閉じ
    込め型圧電振動ジャイロスコープ。
  2. 【請求項2】 長さL1の圧電板のほぼ中央部の厚み方
    向に分極を有する領域の主面上に駆動用の平行電極を形
    成して該平行電極間にエネルギー閉じ込め厚みすベり振
    動を励振し、該圧電板に厚み方向を回転軸とした回転が
    加わったときに生じるコリオリ力による振動に対応した
    起電力を検知して回転角速度を検出する圧電振動ジヤイ
    ロスコープにおいて、前記駆動用の平行電極を、前記L
    1の長さの方向にL1/d≧3を満たす間隔dを持って
    形成したことを特徴とするエネルギー閉じ込め型圧電振
    動ジャイロスコープ。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2の圧電振動ジャイロ
    スコープにおいて、前記主面上に第1の方向に前記所定
    間隔dだけ離れた二位置の内、一方の位置に前記第一の
    方向と直角の方向に延在してストリップ状の第1の電極
    を形成し、他方の位置に前記第1のストリップ状の電極
    とほぼ平行な方向に互いに間隔をおいて延在したストリ
    ップ状の第2および第3の電極を形成し、前記第1の電
    極と前記第2及び第3の電極とを前記駆動用の平行電極
    として励振用の駆動電圧を印加し、前記第2及び第3の
    電極間に生じる前記コリオリ力による振動に対応した起
    電力を検知するようにし、前記第1の電極と前記第2お
    よび第3の電極との間に生ずるエネルギー閉じ込め振動
    モードを利用したことを特徴とする圧電振動ジャイロス
    コープ。
  4. 【請求項4】 請求項3の圧電振動ジャイロスコープに
    おいて、前記第2及び第3の電極はそれぞれ仮想接地機
    能を備えた第1及び第2の電流検出回路に接続してあ
    り、前記第1の電極に励振用の駆動電圧を印加し、前記
    第1及び第2の電流検出回路出力間に生ずる差電圧とし
    て検出出力を得るように構成したことを特徴とする圧電
    振動ジャイロスコープ。
  5. 【請求項5】 請求項4の圧電振動ジャイロスコープに
    おいて、前記第1及び第2の電流検出回路の出力間に接
    続され該両電流検出回路の出力電圧の差を検出するため
    の差動回路と、該差動回路出力に接続された同期検波回
    路と、該同期検波回路の出力に接続された整流回路と、
    前記第1及び第2の電流検出回路の出力間に接続され自
    励振駆動用周波数の信号を発振するための発振回路と、
    該発振回路の出力に接続され前記自励振駆動用周波数の
    交流電圧を前記第1の電極に印加する駆動回路とを備え
    ていることを特徴とする圧電振動ジャイロスコープ。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の圧電
    振動ジャイロスコープにおいて、前記圧電板として圧電
    セラミックスを用い、該圧電セラミックスの前記第1乃
    至第3の電極間及びその近傍の領域のみを厚さ方向に分
    極したことを特徴とする圧電振動ジャイロスコープ。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれかに記載の圧電
    振動ジャイロスコープにおいて、前記圧電板として厚み
    方向に分極軸を有する圧電結晶板を用いたことを特徴と
    する圧電振動ジャイロスコープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100415076B1 (ko) * 1999-10-20 2004-01-13 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 각속도 검출 방법 및 진동 자이로스코프

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