JPH10260045A - 圧電振動ジャイロ - Google Patents

圧電振動ジャイロ

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JPH10260045A
JPH10260045A JP9066946A JP6694697A JPH10260045A JP H10260045 A JPH10260045 A JP H10260045A JP 9066946 A JP9066946 A JP 9066946A JP 6694697 A JP6694697 A JP 6694697A JP H10260045 A JPH10260045 A JP H10260045A
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JP
Japan
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electrode
piezoelectric
electrodes
vibration
vibrating gyroscope
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JP9066946A
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Inventor
Hisahiro Ishikawa
寿洋 石川
Noriko Miyazaki
紀子 宮崎
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 出力電極が駆動電界に悪影響を与えないよう
にしたエネルギー閉じ込め振動モードを利用した圧電振
動ジャイロを提供すること。 【解決手段】 厚さ方向に分極軸成分を有する圧電板1
0の一方の主面の中央部に,3つの頂点を備えた多角形
からなる電極11,12,13を120゜ずつ回転対称
になる位置に,又は正三角形を構成する各頂点の位置に
同じ大きさであり,且つ電極形状が長方形を含む四角形
で,且つ前記正三角形の各頂点において,垂直二等分線
を軸として線対称となるような3個の第1乃至第3の電
極を形成し,第1の電極と第2及び第3の電極との間に
駆動電圧を印加して,第1の電極の正面方向にエネルギ
ー閉じ込め厚みすベリ振動を励振し,圧電板を主面に垂
直な軸のまわりに回転させたとき,第2の電極と第3の
電極との間に生ずるコリオリ力による振動に対応する起
電力を検出するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,自動車のナビゲー
ションシステムやカメラー体型VTRカメラの手ブレ補
正などに用いられるジヤイロスコープの内,圧電振動子
の超音波振動を利用した圧電振動ジャイロに関し,特に
圧電振動子の振動モードとしてエネルギー閉じ込め振動
モードを利用し,構造が簡単で支持が容易な耐振動特性
及び耐衝撃性に優れた圧電振動ジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】圧電振動ジャイロスコープ(以下,単に
圧電振動ジャイロと呼ぶ)は,圧電振動子を一定方向に
励振しておいた状態で,この圧電振動子がその振動方向
に直角な方向の軸のまわりに回転した際,その励振方向
及び回転軸に直角の方向に生ずるコリオリ力を検知し
て,回転角速度を検出するもので,種々の応用がある
が,最近では,例えば,自動車のナビゲーションシステ
ムや,VTRカメラの手振れ補正機構などに用いられる
ようになってきている。
【0003】圧電振動ジャイロとして,振動のエネルギ
ーが駆動電極近傍に集中しているエネルギー閉じ込め振
動モードで振動する圧電振動子を用いたエネルギー閉じ
込め振動モードを利用した圧電振動ジャイロが,特開昭
62−162915号公報及び特開平5−322580
号公報(以下,夫々従来技術1及び2と呼ぶ)に提案さ
れている。そのエネルギー閉じ込め振動モードを利用し
た圧電振動ジャイロは,振動エネルギーが圧電振動子の
局部に集中しているので,圧電振動子の支持が簡単容易
であり,遊離しているリード線が不要となる利点があ
る。
【0004】上記従来技術1には,振動エネルギーを局
部に閉じ込めるために,圧電振動子の厚みを局部的に厚
く形成しその部分を厚み方向に分極し,厚い局部の対向
端面に駆動電極を設け,対向側面に検出電極を設けたも
のが開示されている。また,他の例として,駆動電極と
検出電極を圧電板の一面に設け,駆動電極間に検出電極
として交差指電極を設けたものが開示されている。
【0005】一方,従来技術2には,圧電板の一部領域
を厚み方向に分極し,その分極領域の主面上に2組の対
向電極を,対向方向を直角にして設け,一方の対向電極
を駆動電極に,他方の対向電極を検出電極とした圧電振
動ジャイロが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来技
術1によるエネルギー閉じ込め振動モードを利用した圧
電振動ジャイロは,圧電板の厚みを局部的に厚くしなく
てはならないとか交差指電極を形成しなければならない
といった製造上の難点がある。また,一対の駆動電極と
一対の検出電極が互いに近傍に設けられているので,駆
動電極から圧電板内に印加した駆動電界が検出電極に影
響され,駆動電界方向が変化して精度が得られないとい
う欠点を有する。
【0007】一方,従来技術2によるエネルギー閉じ込
め振動モードを利用した圧電振動ジャイロは,構成は簡
単で製造も容易であるが,一対の駆動電極と一対の検出
電極が互いに近傍に設けられているので,駆動電極から
圧電板内に印加した駆動電界が検出電極に影響され,駆
動電界方向が変化し,精度の良い検出出力を得ることが
困難であるという欠点を有した。
【0008】従って,本発明の一技術的課題は,小型で
構造及び製造が簡単,高精度のエネルギー閉じ込め振動
モードを利用した圧電振動ジャイロを提供することにあ
る。
【0009】また,本発明の他の技術的課題は,圧電板
の主面の限定された領域に,出力電極を駆動電極の一部
に供用することによって,出力電極が駆動電界に悪影響
を与えないようにしたエネルギー閉じ込め振動モードを
利用した圧電振動ジャイロを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電振動ジャイ
ロは,厚さ方向に分極軸成分を有する圧電板の少なくと
も一方の主面に,少なくとも3つの頂点を備えた多角形
からなる電極を120゜ずつ回転対称になる位置に3個
の第1乃至第3の電極を形成し,前記第1の電極と前記
第2及び第3の電極との間に駆動電圧を印加して,前記
第1の電極の正面方向にエネルギー閉じ込め厚みすベリ
振動を励振し,前記圧電板を主面に垂直な軸のまわりに
回転させたとき,前記第2の電極と前記第3の電極との
間に生ずるコリオリ力による振動に対応する起電力を検
出するようにしたことを特徴としている。
【0011】また,本発明の圧電振動ジャイロは,前記
圧電振動ジャイロにおいて,前記前記第1の電極と前記
第2及び第3の電極の形状は,先端部分がほぼ120゜
の角をなす矢印形状であることを特徴としている。
【0012】また,本発明の圧電振動ジャイロは,厚さ
方向に分極軸を有する圧電板の一方の主面に,正三角形
を構成する各頂点の位置に同じ大きさで,且つ電極形状
が長方形を含む四角形で,且つ前記正三角形の各頂点に
おいて,垂直二等分線を軸として線対称となるような第
1,第2,及び第3の電極を配置し,前記第1の電極と
前記第2及び第3の電極との間に駆動電圧を印加して,
前記第1の電極と垂直方向にエネルギー閉込め厚みすベ
リ振動を励振し,前記圧電板を主面に垂直な軸のまわり
に回転させたとき,前記第2の電極と前記第3の電極と
の間に生ずるコリオリ力による振動に対応する起電力を
検出するようにしたことを特徴としている。
【0013】また,本発明の圧電振動ジャイロは,前記
圧電振動ジャイロにおいて,前記第1乃至第3の電極
は,長い方の底辺を前記正三角形の内側に向けた台形形
状であることを特徴としている。
【0014】ここで,本発明の圧電振動ジャイロでは,
上記したいずれかの圧電振動ジャイロにおいて,前記圧
電板として圧電セラミックスを用い,前記圧電セラミッ
クスの前記第1乃至第3の電極間隔及びその近傍の前記
円内を,厚さ方向に分極されていることが好ましい。
【0015】また,本発明の圧電振動ジャイロでは,前
記圧電板として厚み方向に分極軸成分を有する圧電結晶
板を用いることもできる。
【0016】また,本発明の圧電振動ジャイロは,駆動
及び検出回路として,前記第1及び第2の電流検出回路
の出力間に接続され前記第1及び第2の電流検出回路の
出力電圧の差を検出するための差動回路と,前記差動回
路出力に接続された同期検波回路と,前記同期検波回路
に接続された整流回路と,前記第1及び第2の電流検出
回路の出力間に接続され自励振駆動用周波数の信号を発
信するための発振回路と,前記発振回路の出力に接続さ
れ前記自励振駆動用周波数の交流電圧を前記第1の電極
に印加する駆動回路とを備えることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0018】図1は本発明の第1の実施の形態における
エネルギー閉じ込めモードを利用した圧電振動ジャイロ
の圧電振動子の構成を示す斜視図である。図1に示すよ
うに,圧電振動子1は,例えば,PZTやチタン酸バリ
ウムなどの圧電セラミックスからなる圧電板10で構成
されている。この圧電板10は,中央部が,厚さ方向に
分極軸成分を有する。この圧電板10の前記中央部の主
面上に,矢印状の電極を120゜ずつ回転対称になる位
置に3個の第1乃至第3の電極11〜13が夫々形成さ
れている。第1乃至第3の電極11,12,13の先端
(矢印部分)は,ほぼ120゜の角をなしている。
【0019】これら第1乃至第3の電極11,12,1
3には,外部に導出するための第1乃至第3の端子部1
4,15,16が夫々接続されている。なお,これら第
1乃至第3の電極11,12,13および第1乃至第3
の端子部14,15,16は,銀ペーストあるいは金ス
パッタで構成されると良い。もちろん他の導電膜を採用
することができる。外部に導出するための端子部は,圧
電振動子1上に設けず,リード線を用いても良い。
【0020】図1の圧電振動子を用いた圧電振動ジャイ
ロの動作について説明する。図1に示す通り,厚み方向
をZ軸,第1の電極11の矢印方向をX軸,これらに直
交する方向をY軸とする三次元座標を定める。第1の電
極11と,第2及び第3の電極12,13との間に駆動
電圧(交流)を印加すると,X方向に振動が励振され
る。この状態で,圧電板10がZ軸の回りに回転する
と,Y方向にコリオリ力による振動が発生し,これによ
り,第2及び第3の電極12及び13間に起電力が発生
する。この起電力を検知することによってコリオリ力に
よる振動の大きさを,したがって回転角速度を検知する
ことができる。なお,振動のエネルギーは圧電板の前記
中央に閉じ込められ,周辺に及ばないので,圧電板の周
辺部を支持することが容易である。
【0021】図2は図1の圧電振動子1に接続される回
路構成を示すブロック図である。図2を参照すると,圧
電振動子1の第2及び第3の電極12及び13には,第
1及び第2の電流検出回路18,19が夫々接続されて
いる。第1及び第2の電流検出回路18,19の出力側
には,差動増幅回路22が接続され,同期検波回路2
3,整流回路24を介して,圧電振動ジャイロのセンサ
出力となる。
【0022】一方,第1及び第2の電流検出回路18,
19は,自励発振条件を満たすための発振回路25に接
続され,X振動駆動回路26を介して第1の電極11に
接続されており,自励発振回路を構成している。この自
励発振回路25により,圧電振動子1の厚みすべり振動
の共振周波数にほぼ等しい周波数の交流電圧が電極11
に印加されている。
【0023】図3は図2のエネルギー閉じ込め振動モー
ドを利用した圧電振動ジャイロに用いた仮想設置機能を
有する電流検出回路の構成例を示す図である。図3に示
すように,演算増幅器31の非反転入力素子は基準電圧
に設置されており,演算増幅器31の仮想設置機能によ
り反転端子に抵抗器Rにより電圧に変換される。よっ
て,図3に示す第1及び第2の電流検出回路18,19
は,機能的には,入力インピーダンスがほぼ0で,入力
電流に比例した出力電圧を得ることができる回路であ
る。
【0024】次に更に具体的に,本発明の第1の実施の
形態による圧電振動ジャイロの圧電振動子の駆動原理を
図面を参照して説明する。
【0025】図4(a)及び(b)は,図1及び図2示
した平行電界励振型厚みすべりエネルギー閉じ込め振動
子の基本構造を夫々示す平面図及び端子部T1 ,T2
取り除き電極部分のみを示す側面図である。
【0026】図4(a)及び(b)を参照すると,厚さ
方向(Z軸方向)に分極された圧電板10の中央部の同
一面上に,X軸方向に問隔をもって対向するストリップ
状の電極D1 およびD2 が形成されている。T1 および
2 は端子部である。端子T1 およびT2 間に電圧を印
加すると,対向する電極D1 およびD2 の間の圧電板1
0の領域(電極間領域)には,ほぼ板の面に平行な方向
(X軸方向)の電界が印加されるため,この電界と直交
する厚さ方向(Z軸方向)の分極との相互作用により,
電極間領域にはX方向にひずみが生じることになる。電
極D1 ,D2 の寸法を,圧電板10の特性に合わせて適
当に設計すると,この部分に厚みすべり振動を励起する
ことができる。その振動は電極間領域の周辺には減衰し
て伝搬せずに閉じ込められる。すなわちエネルギー閉じ
込め型圧電振動子を構成することができる。また,この
振動は圧電板10の面に平行な電界によって生じる厚み
すべり振動なので,平行電界励振形厚みすべり振動とよ
ばれる。なお,厚みすべリ振動とは,変位の方向がに板
面に平行で,波の伝搬方向が板の厚さ方向の振動であ
る。この振動の様子を図解するために,図5に半波長で
共振している場合の厚さ方向(Z軸方向)の変位分布を
示す。
【0027】図1および図2の圧電振動子は図4(a)
及び(b)に示した基本構造を利用したものである。す
なわち,第1の電極11がD1 電極であり,第2の電極
12および第3の電極13がD2 電極である。D2 電極
は検出電極を構成するために2分割され第2の電極12
および第3の電極13を構成し,それぞれ仮想接地機能
を備える第1及び第2の電流検出回路18および19に
接続している。これにより,第2の電極12および第3
の電極13は仮想的に基準電位に保たれているから,電
位的には接地端子とみなすことができる。したがって第
1の電極11に圧電板10の厚みすべり振動モードの共
振周波数にほぼ等しい周波数の励振用の駆動電圧を印加
すると,図4の圧電振動子と同様に,第1,第2,およ
び第3の電極11,12,13によって囲まれる領域
に,第1の電極11の矢印方向(即ち,X方向)のエネ
ルギー閉じ込め振動モードの厚みすべり振動が発生す
る。
【0028】この状態で,圧電板10をその主面と直交
する軸の回りに回転させると,コリオリ力の作用によ
り,前記励振されている厚みすべり振動の方向と直角な
方向の厚みすべり振動が発生する。このコリオリ力によ
り発生した厚みすべり振動により,第1の電極11と第
2の電極12との間,及び第1の電極11と第3の電極
13との間のインピーダンスが変化し,その結果とし
て,第1及び第2の電流検出回路18,19に流れ込む
電流値が変化する。第2の電極12と第3の電極13は
励振されている厚みすべり振動の方向に対して対称に配
置されているため,コリオリ力により変化する電流は,
振幅が等しく,互いに180度位相の異なった電流とな
る。
【0029】従って,第1及び第2の電流回路18及び
19の出力電圧も振幅が等しく,互いに180度位相の
異なった電圧となり,これらの出力電圧の差の電圧を検
出し,この電圧を所定のタイミングで同期検波をするこ
とにより,印加した回転角速度に比例した出力電圧を得
ることができる。
【0030】一方,第1及び第2の電流検出回路18,
19は,自励発振条件を満足するための発振回路25と
振動子駆動回路26を介して電極11に接続され,自励
発振ループを構成している。これにより,振動子の共振
周波数を自動的に追尾して効率よく振動子を駆動できる
から,高感度なジャイロを得ることができる。ここで,
圧電板10としてセラミックスを用いた場合には,公知
のように分極処理を必要とするが,分極域は圧電板の全
体にわたっても良いし,振動を閉じ込める領域のみに限
っても良い。一方,圧電板10として,圧電結晶板を用
いることができる。その場合,厚み方向の分極軸をもた
せるためにZカットの板が最も好ましいが,回転Yカッ
トの板を用いることもできる。
【0031】図6は本発明の第2の実施の形態における
エネルギー閉込め型圧電振動ジャイロの圧電振動子の構
成を示す図で,(a)は平面図,(b)は側面図であ
る。図6において,電極及び端子部は,斜線を施して示
している。図6に示すように,第2の実施の形態では,
電極形状が異なる他は,ほぼ等しい構成を有するので,
第1の実施の形態で使用したもの電極も含めて同じ符号
を用いる。
【0032】図6に示すように,圧電振動子は,例え
ば,PZTやチタン酸バリウムなどの圧電セラミックス
板で構成されている。この圧電セラミックス板には,中
央部が厚さ方向に分極軸成分を有する圧電板10を用い
る。この圧電板10の前記中央部の主面上に,台形状
(長方形を含む)で同じ大きさの電極を正三角形の各頂
点で,垂直二等分線を軸に線対称となるような位置に3
個の第1乃至第3の電極11,12,13が形成されて
いる。これら第1乃至第3の電極11,12,13に
は,外部に導出するための第1,第2,及び第3の端子
部14,15,16が接続されている。なお,これら電
極および端子部は,銀ペーストあるいは金スパッタで構
成されると良い。もちろん他の導電膜を採用することが
できる。外部に導出するための第1乃至第3の端子部1
4,15,16は,圧電振動子上に設けず,リード線を
用いても良い。
【0033】図6に示すとおり,圧電板10の厚み方向
をZ軸,第1の電極11の垂線方向をX軸,これらに直
交する方向をY軸とする三次元座標を定める。第1の実
施の形態と同様に,第1の電極11と第2および第3の
電極の間に駆動電圧(交流)を印加すると,X方向の振
動が励振される。この状態で,圧電版10がZ軸の周り
に回転すると,Y方向にコリオリ力による振動が発生
し,これにより第2および第3の電極12,13間に起
電力が発生する。この起電力を検知することによって,
コリオリ力による振動の大きさを,したがって,回転角
速度を検出することができる。なお,振動のエネルギー
は圧電板の前記中央部に閉じ込められ,周辺に及ばない
ので,圧電板10の周辺部を支持することが容易であ
る。
【0034】次に,更に具体的に本発明の第2の実施の
形態による圧電振動子の駆動原理を図面を参照して説明
する。
【0035】図6より,第1の電極11,第2の電極1
2及び第3の電極13をそれぞれ正三角形の頂角の位置
で,かつ電極11と電極12,13が各頂角における垂
直二等分線を軸として線対称となるように配置し,第2
の電極12及び第3の電極13をそれぞれ仮想接地機能
を有する第1及び第2の電流検出回路18及び19に接
続する。第2の電極12及び第3の電極13は,第1及
び第2の電流検出回路18,19の仮想接地機能により
仮想的に基準電位に保たれているから,電位的にはアー
ス端子とみなすことができる。
【0036】従って,第1の電極11に圧電板の厚みす
べりモードの共振周波数にほぼ等しい周波数の励振用の
駆動電圧を印加すると,第1,第2,及び第3の電極1
1,12及び13によって囲まれる領域に,第1の電極
11の中心と,第2及び第3の電極12及び13の中心
を結ぶ直線の中点を結ぶ直線の方向のエネルギー閉じ込
め振動モードのすべり振動が発生する。この状態で,前
記圧電板10をその主面と直交する軸の回りに回転させ
たると,コリオリ力の作用により,前記励振されている
厚みすべり振動の方向と直角な方向の厚みすべり振動が
発生する。このコリオリ力により発生した厚みすべり振
動により,第1の電極11と第2の電極12間,及び第
1の電極11と第3の電極13間のインピーダンスが変
化し,その結果として,前記電流検出回路18及び19
に流れ込む電流値が変化する。第2の電極12と第3の
電極13は前述したように,励振されている厚みすべり
振動の方向に対して対称に配置されているため,コリオ
リ力により変化する電流は,振幅が等しく,互いに18
0度位相の異なった電流となる。
【0037】従って,図2に示す回路構成と同様なもの
を用いると,第1及び第2の電流検出回路18及び19
の出力電圧も,互いに180度位相の異なった電圧とな
り,これらの出力電圧を差動回路22により差の電圧を
検出し,同期検波回路23によって,この電圧を所定の
タイミングで同期検波し,整流回路24で整流すること
により,印加した回転角速度に比例した直流の出力電圧
を得ることが出来る。
【0038】一方で,第1及び第2の電流検出回路1
8,19は自励発振条件を満足するための発振回路25
と振動子駆動回路26を介して電極11に接続され,自
励発振ループを構成している。これにより,振動子の共
振周波数を自動的に追尾して効率よく振動子を駆動でき
るから,高感度ジャイロを得ることができる。
【0039】図7(a)は図6の圧電振動子の励振方向
をXとした時のインピーダンス特性を,図7(b)は図
6の圧電振動子の励振方向をY方向としたときのインビ
ーダンス特性を示す図である。図7(a)および図7
(b)の比較から,電極配置の対称性より励振方向がX
軸,Y軸方向共に共振周波数がほぼ等しくなることが分
かる。
【0040】また,図8は図7(a)及び(b)のX軸
方向の励振,Y軸方向の励振を夫々行ったときのインピ
ーダンス特性実験を図示のように接続電極を変化させた
場合のインピーダンス特性を示している。図8の結果よ
り,各電極間のインピーダンスの周波数特性がほぼ等し
くなることが分かる。これは電極配置の対称性より,X
方向,Y方向の二つの振動モードが縮退していると考え
られ,固有の振動モードを持たない等方性の振動子とな
っていることを示している。
【0041】ここで,本発明に用いる圧電板10が「厚
み方向の分極を有する」とは,厚み方向にのみ分極され
ているものに限定するものではなく,厚み方向の分極成
分を有するものも含むものとする。もちろん厚み方向の
分極成分の大きな方が良いので,厚み方向のみに分極さ
れているものが最も有利である。
【0042】なお,本発明の第2の実施の形態として
は,第1乃至第3の電極11,12,13に台形の電極
を用いた場合を示したが,電極の形状を長方形としても
良い。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
第1の電極と第2及び第3の電極との間で駆動を行い,
第2の電極と第3の電極で検出を行うので,駆動電界が
検出電極の存在によって悪影響を受けず,X振動を励振
するための電界を保ったままY振動を検出することがで
き,また,ほぼ120゜の矢印状の電極によって電極間
の電界が均一になるため,厚みすべり振動が励振されや
すいので,高精度高感度の圧電振動ジャイロを提供する
ことができる。
【0044】また,本発明によれば,第1の電極と第2
及び第3の電極配置の対称性により,X方向,Y方向の
共振周波数差が小さくなる。また,同じ理由により,X
方向,Y方向の二つの振動モードが縮退していると考え
られ,固有の振動モードを持たない等方性の振動子とな
るので,振動モードを考慮する必要がなく,特性の良い
振動子が得られる。
【0045】また,本発明によれば,エネルギー閉じ込
め振動を用いているので信頼性の高い圧電振動ジャイロ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による圧電振動子の
構成を示す斜視図である。
【図2】図1の圧電振動子を用いた圧電振動ジャイロの
回路構成を示すブロック図である。
【図3】図2の回路で用いる電流検出回路の一例を示す
回路図である。
【図4】図1及び図2の圧電振動子に採用した振動子基
本構造を示す図で,(a)は平面図,(b)は電極の端
子部を除いた側面図である。
【図5】図4の基本構造の振動子の厚みすべり振動にお
ける厚み方向の変位分布を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるエネルギー
閉込め型圧電振動ジャイロの圧電振動子の構成を示す図
で,(a)は平面図,(b)は側面図である。
【図7】(a)は図6の圧電振動子の励振方向をXとし
た時のインピーダンス特性を示す図である。(b)は図
6の圧電振動子の励振方向をY方向としたときのインビ
ーダンス特性を示す図である。
【図8】図7(a)及び(b)のX軸方向の励振,Y軸
方向の励振を夫々行ったときのインピーダンス特性実験
を図示のように接続電極を変化させた場合のインピーダ
ンス特性を示している。
【符号の説明】
1 圧電振動子 10 圧電板 11 第1の電極 12 第2の電極 13 第3の電極 14,15,16 第1〜第3の端子部 18 第1の電流検出回路 19 第2の電流検出回路 22 差動回路 23 同期検波回路 24 整流回路 25 発振回路 26 駆動回路 31 演算増幅器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ方向に分極軸成分を有する圧電板の
    少なくとも一方の主面に,少なくとも3つの頂点を備え
    た多角形からなる電極を120゜ずつ回転対称になる位
    置に3個の第1乃至第3の電極を形成し,前記第1の電
    極と前記第2及び第3の電極との間に駆動電圧を印加し
    て,前記第1の電極の正面方向にエネルギー閉じ込め厚
    みすベリ振動を励振し,前記圧電板を主面に垂直な軸の
    まわりに回転させたとき,前記第2の電極と前記第3の
    電極との間に生ずるコリオリ力による振動に対応する起
    電力を検出するようにしたことを特徴とする圧電振動ジ
    ャイロ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電振動ジャイロにおい
    て,前記前記第1の電極と前記第2及び第3の電極の形
    状は,先端部分がほぼ120゜の角をなす矢印形状であ
    ることを特徴とする圧電振動ジャイロ。
  3. 【請求項3】 厚さ方向に分極軸を有する圧電板の一方
    の主面に,正三角形を構成する各頂点の位置に同じ大き
    さで且つ電極形状が長方形を含む四角形で,且つ前記正
    三角形の各頂点において,垂直二等分線を軸として線対
    称となるような第1,第2,及び第3の電極を配置し,
    前記第1の電極と前記第2及び第3の電極との間に駆動
    電圧を印加して,前記第1の電極と垂直方向にエネルギ
    ー閉込め厚みすベリ振動を励振し,前記圧電板を主面に
    垂直な軸のまわりに回転させたとき,前記第2の電極と
    前記第3の電極との間に生ずるコリオリ力による振動に
    対応する起電力を検出するようにしたことを特徴とする
    圧電振動ジャイロ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の圧電振動ジャイロにおい
    て,前記第1乃至第3の電極は,長い方の底辺を前記正
    三角形の内側に向けた台形形状であることを特徴とする
    圧電振動ジャイロ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれかに記載の
    圧電振動ジャイロにおいて,前記圧電板として圧電セラ
    ミックスを用い,前記圧電セラミックスの前記第1乃至
    第3の電極間隔及びその近傍の前記円内を,厚さ方向に
    分極したことを特徴とする圧電振動ジャイロ。
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