JPH10147876A - 保護膜形成方法 - Google Patents

保護膜形成方法

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JPH10147876A
JPH10147876A JP8306503A JP30650396A JPH10147876A JP H10147876 A JPH10147876 A JP H10147876A JP 8306503 A JP8306503 A JP 8306503A JP 30650396 A JP30650396 A JP 30650396A JP H10147876 A JPH10147876 A JP H10147876A
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一廣 山▲崎▼
Mamoru Murakoshi
護 村越
Teruaki Inaba
輝明 稲葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲なアルミニウム蒸着膜の上に均一厚の
保護膜を形成できる保護膜形成方法の提供。 【解決手段】 合成樹脂製基材Wの表面に形成されたア
ルミニウム蒸着膜32の上にシリコーン系保護膜34を
形成する方法において、表面にアルミニウム蒸着膜32
を形成した基材WをチャンバC内に収容し、基材Wと正
対し基材と略同等の面積を占めるように複数の高周波誘
導放電式プラズマ源40をチャンバCに並設し、前記プ
ラズマ源によってプラズマ状態にしたチャンバC内に蒸
気状シリコーン系オイルを導入して、アルミニウム蒸着
膜32の上にプラズマ重合膜34を形成するようにした
もので、プラズマ源40を並設することで、保護膜形成
領域Aが拡大され、この領域A内に配置された基材(の
アルミニウム蒸着膜32)の上に保護膜であるプラズマ
重合膜34が均一な膜厚に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製基材の
表面に形成されたアルミニウム蒸着膜の上にシリコーン
系保護被膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ヘッドランプ等の自動車用灯具
に使用されるリフレクタは、最近では、軽量化および製
造の容易化という点から、図9,10に示すように、合
成樹脂製のリフレクタ基材1の表面に、反射面を構成す
るアルミニウム蒸着膜3が形成され、さらに、アルミニ
ウム蒸着膜3の上には、耐候性を確保するためのシリコ
ーン系保護膜4が形成された構造となっている。なお、
符号2は、リフレクタ基材1の表面に形成されたアンダ
ーコート層で、基材1表面の平滑性を確保するととも
に、アルミニウム蒸着膜3の密着性を高めるためのもの
である。
【0003】そして、リフレクタ基材1に反射面を形成
する従来の方法としては、まず、図11(a),(b)
に示されるように、所定形状に成形されたリフレクタ基
材1の内側に、スプレーガン5aによりアンダーコート
塗装を行なう。次に、図11(c)に示されるように、
アンダーコート層2が硬化すると、図11(d)に示さ
れるように、蒸着チャンバ6内にリフレクタ基材1を入
れ、抵抗加熱式蒸着処理を行なって、リフレクタ基材1
の表面にアルミニウム蒸着膜3を形成する。そして、最
後に、図11(e)に示されるように、スプレーガン5
bによりトップコート塗装を行ない、図11(f)に示
されるように、トップコート層4を硬化させることで、
図9,10に示すリフレクターが完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リフレクタの
反射面を形成する前記した従来の方法では、アルミニウ
ム蒸着膜3の上に形成する保護膜(トップコート層)4
をスプレー等の塗装により形成するため、次のような問
題があった。
【0005】まず、塗装時に、空気中の塵埃が取込まれ
て保護膜(トップコート層)4に付着し、外観を損ね
る。さらに、リフレクタは平坦な形状ではなく、一般に
容器状であるため、塗装後、塗料が自重で垂れ、膜厚差
が生じたり、垂れ跡ができることで、外観を損ねる。
【0006】また、塗装し易くするために有機溶剤を使
用しており、環境上、好ましくないことに加え、溶剤の
揮散および塗装膜の硬化に時間がかかる。
【0007】また、塗装により形成した保護膜4の膜厚
が薄い(例えば、2ミクロン以下)と、塗料の表面張力
により膜が剥がれて、適正な反射面の形成ができないた
め、一定以上の厚さに塗装する必要があり、それだけ作
業時間がかかる。さらに、保護膜の膜厚が厚いため、そ
れだけ光の透過率が低く、光の損失も大きい。
【0008】また、保護膜4は、スプレーガン5bに正
対する基材の前面1aに形成されているものの、側縁端
面1bや側縁背面1cにまで回り込んでおらず、それだ
けアルミニウム蒸着膜3が酸化されたり、腐食されるお
それがあり、また剥離し易いという問題もあった。
【0009】また、アルミニウム蒸着膜3の形成はチャ
ンバ6内で行い、保護膜の形成工程は、チャンバ6から
取り出して行なうため、作業効率が悪いという問題もあ
った。
【0010】本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、その第1の目的は、広範囲なアルミニ
ウム蒸着膜の上に均一厚の保護膜を形成できる保護膜形
成方法を提供することであり、その第2の目的は、アル
ミニウム蒸着膜を形成したチャンバ内で引きつずき保護
膜を形成できる保護膜形成方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る保護膜形成方法においては、合成樹
脂製基材の表面に形成されたアルミニウム蒸着膜の上に
シリコーン系保護膜を形成する方法において、表面にア
ルミニウム蒸着膜を形成した基材をチャンバ内に収容
し、基材と正対し基材と略同等の面積を占めるように複
数の高周波誘導放電式プラズマ源をチャンバに並設し、
前記プラズマ源によってプラズマ状態にしたチャンバ内
に蒸気状シリコーン系オイルを導入して、アルミニウム
蒸着膜の上にシリコーンプラズマ重合膜を形成するよう
にしたもので、プラズマ源に正対する保護膜形成領域内
に配置された基材(のアルミニウム蒸着膜)の上に、保
護膜であるシリコーンプラズマ重合膜が短時間の内に形
成される。また、並設された複数の高周波誘導放電式プ
ラズマ源は、チャンバ内におけるプラズマ状態の保護膜
形成領域を拡大するとともに、保護膜形成領域に導入さ
れた蒸気状シリコーン活性物質の密度分布を均一化し、
基材に形成される保護膜の膜厚を均一化するべく作用す
る。また、チャンバ内でシリコーン系保護膜を形成する
ので、従来の塗装による方法に比べ、空気中の塵埃が保
護膜に付着するおそれがない。また、従来の塗装方法の
ように、有機溶剤を一切使用しないので、環境問題が生
ずるおそれがなく、形成された保護膜を硬化させるため
に時間がかかることもない。請求項2においては、保護
膜であるシリコーンプラズマ重合膜の形成に使用するチ
ャンバ内において、合成樹脂製基材に表面を活性化する
ためのプラズマ処理を施した後、アルミスパッタリング
蒸着処理により、基材表面にアルミニウム蒸着膜を形成
し、さらに同チャンバ内において、請求項1記載の保護
膜形成方法によって、アルミニウム蒸着膜上に保護膜を
形成するようにしたもので、基材を収容したチャンバ
を、プラズマ処理工程,アルミニウム蒸着処理工程およ
び保護膜形成工程に順次移動させるようにすることで、
アルミニウム蒸着膜の形成から保護膜の形成までを、同
一チャンバ内において、連続して行なうことができる。
請求項3においては、請求項1記載の保護膜形成方法に
よって、基材表面のアルミニウム蒸着膜の上にシリコー
ン系保護膜が形成された自動車用灯具構成部材であっ
て、前記保護膜であるシリコーンプラズマ重合膜を、チ
ャンバ内の面状プラズマ源に対面する基材前面から基材
側縁端面を経て基材裏面周縁部に至る連続した領域に形
成するようにしたもので、高周波誘導放電式プラズマ源
により形成されたシリコーンプラズマ重合膜は、基材の
プラズマ源に正対する基材前面領域は勿論、基材前面か
ら基材側縁端面を経て基材裏面周縁部に至る領域にまで
回り込んで形成され、アルミニウム蒸着膜が保護膜によ
って覆われた形態となる。また、このシリコーンプラズ
マ重合膜は、塗装により形成された保護膜に比べて薄厚
で、光の透過率が高く、光の損失も小さい。請求項4に
おいては、請求項3記載の自動車用灯具構成部材におい
て、少なくとも1以上の孔が形成されたリフレクタまた
はエクステンションリフレクタによって自動車用灯具構
成部材を構成するようにしたもので、保護膜形成工程に
おいて、リフレクター基材の側縁端部やリフレクタ基材
に形成されている孔からプラズマ状態のシリコーンがリ
フレクタ基材の裏面側に回り込み、基材内側縁端面(孔
内周面)を経て基材裏面の孔周縁部に至る領域へのシリ
コーンプラズマ重合膜の形成を促進する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図8は、本発明方法の一実施例を示
すもので、図1は本発明方法を実施するための装置の全
体構成を示す水平断面図、図2は基材表面を活性化する
ためのプラズマ処理工程におけるチャンバの水平断面
図、図3はアルミニウム蒸着処理工程におけるチャンバ
の水平断面図、図4はプラズマ重合膜形成工程における
チャンバの水平断面図、図5はシリコーンプラズマ重合
膜形成工程におけるチャンバ内のプラズマ源とリフレク
タ基材の配置を示す図、図6は並設されたプラズマ源に
より形成されるシリコーンプラズマ重合膜の合成膜厚を
示す図(図5に示す線VI−VI位置における合成膜厚
を示す図)、図7は図1に示す装置により反射面の形成
されたリフレクタの水平断面図、図8は同リフレクタの
一部拡大断面図である。
【0014】これらの図において、符号10は、合成樹
脂製のリフレクタ基材Wにプラズマ処理を施し、次に、
プラズマ処理した基材Wの前面にアルミニウム蒸着処理
を施し、さらに、アルミニウム蒸着処理面にシリコーン
系保護膜を形成するという一連の処理を行なうリフレク
タの反射面形成装置である。なお、リフレクタ基材W
は、放物面形状に形成され、その中央部には、バルブ挿
着孔Hが形成されている。
【0015】同装置10は、装置外壁を構成する固定ケ
ーシング12内に、半径方向外方に開口する容器状の基
材収容ケース22を周方向等分4ヵ所に備えた回動ユニ
ット20が設けられた構造で、回動ユニット20が90
度の角度で間欠水平回動し、周方向等分4ヵ所のP1
4 位置において、各収容ケース22が固定ケーシング
構成壁13と協働して、それぞれ密閉されたチャンバC
を構成するようになっている。符号11は、回動ユニッ
ト20の回動中心である。
【0016】符号P1 位置のチャンバCは、基材取付取
外し用のチャンバで、固定ケーシング12側に設けられ
ているスライド式ドア14を開けて、反射面を形成しよ
うとするリフレクタ基材Wを収容ケース22内に収容し
たり、一連の処理が施されて反射面が形成されたリフレ
クタ基材Wをケース22から取り出すためのチャンバで
ある(図1参照)。なお、リフレクタ基材Wの収容ケー
ス22内への固定は、治具15を使って行い、基材Wの
前面開口部がケース22の開口側に向くように配置す
る。
【0017】符号P2 位置のチャンバCは、プラズマ処
理用のチャンバで、固定ケーシング12側には、収容ケ
ース22内の基材Wに正対するように電極16が設けら
れており、真空状態下のチャンバC内に不活性ガスを導
入し、電極16に通電し、チャンバC内をプラズマ状態
にして、基材Wの表面を物理的,化学的に活性化するた
めのチャンバである(図1,2参照)。
【0018】このプラズマ処理用のチャンバC内でプラ
ズマ処理された基材Wの表面(電極16に正対した面)
には、図8符号30に示すように、OH基やCO基等の
酸素系官能基が付与された活性化層が形成されて、次工
程において形成されるアルミニウム蒸着膜の密着性が高
められている。なお、このプラズマ処理に要す時間は短
く、例えば、基材がポリプロピレンの場合は、15〜2
0秒、基材がABSの場合は、5〜10秒、基材がポリ
カーボネイトの場合は、5〜15秒、基材がBMCの場
合は、5〜15秒である。
【0019】符号P3 位置のチャンバCは、アルミスパ
ッタリング蒸着処理用のチャンバで、固定ケーシング1
2側には、図3に示すように、収容ケース22内の基材
Wに正対するようにアルミニウムターゲット18が設け
られており、真空状態下のチャンバC内に不活性ガス
(Arガス)が導入され、チャンバ内においてターゲッ
ト18を担持する電極19に通電されることで、チャン
バC内には、誘導放電によりプラズマが生成される。プ
ラズマ中のイオンはターゲット18をスパッタし、ター
ゲット18から飛び出したスパッタ粒子であるアルミニ
ウム粒子が基材Wの表面に付着し、図7符号32に示す
ように、ターゲット18と正対する基材の前面全体にア
ルミニウム蒸着膜が形成される。
【0020】なお、アルミニウム蒸着膜32の膜厚は、
厚い程、光の透過率が減少し、光の反射率が高くなる
が、自動車用ヘッドランプに使用されるリフレクタで
は、光の反射率が85%以上であることが望まれ、アル
ミニウム蒸着膜32の膜厚は100nm以上必要であ
る。
【0021】符号P4 位置のチャンバCは、保護膜形成
用のチャンバで、固定ケーシング12側には、収容ケー
ス22内の基材Wに正対するように高周波誘導放電式プ
ラズマ源40が設けられており、蒸気状シリコーン系オ
イルがプラズマ状態のチャンバC内に導入されること
で、図7,図8符号34に示されるように、基材Wのア
ルミニウム蒸着膜32上に保護膜であるシリコーンプラ
ズマ重合膜が形成される。
【0022】即ち、固定ケーシング12側には、収容ケ
ース22内の基材Wに正対するようにプラズマ室41が
設けられ、高周波コイル42が巻回されたプラズマ室4
1には、シリコーンモノマーガスが導入されるようにな
っている。そして、高周波コイル42からプラズマ室4
1に高周波が導入されると、プラズマ室41で放電が起
こり、チャンバC内がプラズマ状態となり、このプラズ
マ状態のチャンバC内にシリコーンモノマーガスが導入
され、基材Wのアルミニウム蒸着膜32上にシリコーン
プラズマ重合膜34が形成される。符号44は、ガス導
入用のパイプである。
【0023】プラズマ源40は、図4,5に示されるよ
うに、左右に2列、上下に3列、合計6個並設されるこ
とで、チャンバC内において、各プラズマ源40による
膜厚20nm以上のシリコーンプラズマ重合膜形成領域
1 が符号Aで示す領域(図5斜線で示す)まで拡大さ
れるとともに、この拡大されたプラズマ重合膜形成領域
Aに供給されるシリコーンラジカルの密度分布が均一化
されて、基材Wの表面に形成されるシリコーンプラズマ
重合膜34の膜厚が均一となるように構成されている。
【0024】即ち、図5,6における符号A1 は、各プ
ラズマ源40それぞれによって20nm以上の膜厚のシ
リコーンプラズマ重合膜を形成できる領域を示し、符号
Aは、並設された6個のプラズマ源によって20nm以
上の膜厚のシリコーンプラズマ重合膜を形成できる領域
を示しており、この領域A内において、2つのワークW
がそれぞれプラズマ源40に正対するように配置されて
いる。
【0025】図4に示す斜線部は、チャンバC内におけ
るシリコーンモノマーガスの導入領域を示しており、シ
リコーンは、基材Wの側縁端部およびバルブ挿着孔Hか
ら基材裏面側にも回り込む。このため、図7に示される
ように、シリコーンプラズマ重合膜34は、プラズマ源
40に正対する基材前面W1 は勿論、基材の内外側縁端
面W2 ,W3 から基材裏面の内外周縁部W4 ,W5 に至
る連続した領域に形成されて、アルミニウム蒸着膜32
が保護膜34で確実に覆われて、それだけ耐候性(耐酸
化性,耐腐食性)および耐久性に優れた反射面構造とな
っている。
【0026】そして、リフレクタとして適切な保護膜3
4としては、アルミニウム蒸着膜の酸化や腐食を防止す
るためには、膜厚が20nm以上であることが望まし
く、また、光の損失を少なくし光の透過率を95%以上
とするには、膜厚が400nm以下であることが望まし
い。
【0027】なお、保護膜を形成する方式としては、チ
ャンバ内に電極を対設し、電極間に基材を配置し、グロ
ー放電により基材表面にプラズマ重合膜を形成する電極
間グロー放電方式も可能である。しかし、電極間グロー
放電方式では、保護膜の形成に時間がかかりすぎると
か、特に、電極の面積より大きな面積をもつ基材に対し
ては膜厚を均一にできないとか、基材が直接プラズマ状
態下にさらされるため、基材が劣化し易い等の問題があ
る。しかるに、本実施例に示す高周波誘導放電式プラズ
マ源方式では、10〜20秒という短時間の内に均一な
膜厚の保護膜を形成できることから、電極間グロー放電
方式に比べて優れているといえる。
【0028】このように、P1 位置で収容ケース22に
収容された基材Wは、回動ユニット20を90度の角度
で間欠回動すると、P2 位置においてプラズマ処理さ
れ、P3 位置においてアルミニウム蒸着膜32が形成さ
れ、P4 位置においてシリコーンプラズマ重合膜34が
形成され、そしてP1 位置に戻ると、反射面の形成され
た基材Wを取り出すことができる。なお、各位置P1
4 において必要な最大時間は、プラズマ重合処理が1
5秒であることから、真空排気時間等を含め基材Wを2
5秒で処理することとなる。また、P1 〜P4 位置にお
ける各チャンバCでは、それぞれの処理が同時に行なわ
れるので、短時間の内に大量の基材を処理できることに
なる。
【0029】なお、前記した実施例では、リフレクタの
反射面を形成する方法について説明したが、本発明は、
ランプボディとリフレクタ間やランプボディと投射レン
ズ間の隙間を隠すために使用されるエクステンションリ
フレクタについても同様に適用できる。なお、エクステ
ンションリフレクターの場合には、リフレクターにおけ
るバルブ挿着孔の代わりに、リフレクターや投射レンズ
に対応する孔が設けられている。
【0030】さらに、本発明方法は、リフレクタやエク
ステンションリフレクタの反射面の形成に限られるもの
ではなく、表面にアルミニウム蒸着膜の形成されてい
る、例えば枠形状のリムその他の自動車用灯具構成部材
の表面処理にも適用できる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に係る保護膜形成方法によれば、チャンバ内で高周波
誘導放電式プラズマ源方式によりシリコーン系保護膜を
形成するので、従来の塗装方法に比べ、空気中の塵埃が
付着するおそれがなく、外観良好な反射面を形成でき
る。また、従来の塗装方法のように、有機溶剤を一切使
用しないので、環境問題が生ずるおそれがなく、しかも
短時間で保護膜を形成できるので、大量処理に適してい
る。また、高周波誘導放電式プラズマ源方式により、シ
リコーン系保護膜の膜厚を200〜400nmと非常に
薄く形成することで、光の高透過率が得られ、光の損失
を極めて少なくできるので、高効率の反射面を形成でき
る。また、複数の高周波誘導放電式プラズマ源を並設す
ることで、単一のプラズマ源では形成困難な大きな基材
表面のアルミニウム蒸着膜の上に均一な膜厚のシリコー
ン系保護膜を形成することができる。また、請求項2に
よれば、単一のチャンバ内において、アルミニウム蒸着
膜の形成から保護膜の形成までを連続して行なうことが
できるので、反射面の形成工程が簡潔となる上に、大量
処理が可能となる。また、請求項3によれば、基材表面
のアルミニウム蒸着膜の上に形成された保護膜であるプ
ラズマ重合膜は、基材前面から基材側縁端面を経て基材
裏面周縁部に至る連続した領域に形成されているため、
アルミニウム蒸着膜が確実に保護されて、反射面の耐候
性(耐酸化性,耐腐食性)および耐久性が長期にわたっ
て保証される。また、請求項4によれば、リフレクタま
たはエクステンションリフレクタといった孔のある基材
では、シリコーンプラズマ重合膜が孔の裏面側周縁部に
まで形成されるので、アルミニウム蒸着膜の保護がさら
に確実となって、長期にわたって高反射効率を維持でき
るリフレクタ(エクステンションリフレクタ)が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の全体構成を
示す水平断面図
【図2】基材表面を活性化するためのプラズマ処理工程
におけるチャンバの水平断面図
【図3】アルミニウム蒸着処理工程におけるチャンバの
水平断面図
【図4】プラズマ重合膜形成工程におけるチャンバの水
平断面図
【図5】プラズマ重合膜形成工程におけるチャンバ内の
プラズマ源とリフレクタ基材の配置を示す図
【図6】並設されたプラズマ源により形成されるプラズ
マ重合膜の合成膜厚を示す図
【図7】図1に示す装置における反射面の形成されたリ
フレクタの水平断面図
【図8】同リフレクタの一部拡大断面図
【図9】従来のリフレクタの断面図
【図10】リフレクタの一部拡大断面図
【図11】リフレクタの反射面を形成する工程説明図
【符号の説明】
12 チャンバの一部を構成する固定ケーシング 13 固定ケーシング構成壁 20 回動ユニット 22 チャンバの一部を構成する基材収容ケース 30 活性化層 32 アルミニウム蒸着膜 34 シリコーン系保護膜であるシリコーンプラズマ
重合膜 40 高周波誘導放電式プラズマ源 41 プラズマ室 42 高周波コイル 44 シリコーンモノマーガス導入パイプ W 自動車用灯具構成部材である合成樹脂製リフレク
タ基材 W1 基材前面 W2 ,W3 基材側縁端面 W4 ,W5 基材裏面周縁部 H バルブ挿着孔 A1 各プラズマ源におけるシリコーンプラズマ重合膜
形成領域 A プラズマ源全体におけるシリコーンプラズマ重合
膜形成領域 C チャンバ P1 基材取付取外し用チャンバ位置 P2 プラズマ処理用チャンバ位置 P3 アルミスパッタリング蒸着処理用チャンバ位置 P4 保護膜形成用チャンバ位置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製基材の表面に形成されたアル
    ミニウム蒸着膜の上に、シリコーン系保護膜を形成する
    方法において、表面にアルミニウム蒸着膜を形成した基
    材をチャンバ内に収容し、基材と正対し基材と略同等の
    面積を占めるように、複数の高周波誘導放電式プラズマ
    源を並設し、前記プラズマ源によってプラズマ状態にし
    たチャンバ内に蒸気状シリコーン系オイルを導入して、
    アルミニウム蒸着膜の上にシリコーンプラズマ重合膜を
    形成することを特徴とする保護膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記チャンバ内における合成樹脂製基材
    は、同チャンバ内において、表面を活性化するためのプ
    ラズマ処理がされた後、アルミスパッタリング蒸着処理
    により、表面にアルミニウム蒸着膜が形成されたことを
    特徴とする請求項1記載の保護膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の保護膜形成方法によっ
    て、基材表面のアルミニウム蒸着膜の上にシリコーン系
    保護膜が形成された自動車用灯具構成部材であって、前
    記保護膜は、チャンバ内の面状プラズマ源に対面する基
    材前面から基材側縁端面を経て基材裏面周縁部に至る連
    続した領域に形成されたことを特徴とする自動車用灯具
    構成部材。
  4. 【請求項4】 前記自動車用灯具構成部材は、少なくと
    も1以上の孔が形成されたリフレクタまたはエクステン
    ションリフレクタであることを特徴とする請求項3記載
    の自動車用灯具構成部材。
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