JPH10147698A - ポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器及びその製造方法

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JPH10147698A
JPH10147698A JP30839796A JP30839796A JPH10147698A JP H10147698 A JPH10147698 A JP H10147698A JP 30839796 A JP30839796 A JP 30839796A JP 30839796 A JP30839796 A JP 30839796A JP H10147698 A JPH10147698 A JP H10147698A
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JP
Japan
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polyester
polycarbonate
container
resin composition
acid
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Application number
JP30839796A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Fujimori
森 義 啓 藤
Kazushi Matsumoto
本 一 志 松
Katsuji Tanaka
中 克 二 田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐衝撃性、透明性、耐熱性等に優れ、未配向
のポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器及
びその製造方法。 【解決手段】 ポリエステル(A)60〜97重量部と
リン元素含有率1ppm以下のポリカーボネート(B)
40〜3重量部との樹脂組成物からなる未配向の容器
で、該容器のポリエステルマトリックス中のポリカーボ
ネートの分散粒子間の平均距離T(μm)が0.40μ
m以下であり、製容器。並びに、溶融混練した、溶融粘
度1×103 〜1×105 poiseのSb:10〜2
00ppm、Ti:1〜80ppm含有ポリカーボネー
ト/ポリエステル樹脂組成物(E)5〜40重量部と、
溶融粘度1×103 〜1×105 sec-1のポリエステ
ル(F)95〜60重量部をドライブレンドした後に溶
融成形して、未配向の容器を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性に優れたポリ
エステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器、及びそ
の製造方法に関する。詳細には、耐衝撃性、透明性、耐
熱性などに優れた、実質的に未配向の、トレイ、カッ
プ、中空容器等のポリエステル/ポリカーボネート樹脂
組成物製容器、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下「P
ET」と略す)をはじめとするポリエステル製容器は、
機械的強度、化学的安定性、透明性、ガスバリア性、衛
生性などに優れ、また比較的安価で軽量であるために、
各種食品・飲料容器等として幅広く用いられている。特
に最近では、廃棄物処理問題や環境保護の点から、従
来、ポリ塩化ビニルやポリスチレン製が多い押出ブロー
容器、押出成形してなるシートを絞り成形(以下「絞り
成形」と略す)して得られる容器、射出成形容器など
の、実質的に未配向の容器への展開が顕著である。この
ような容器の分野では、例えば、押出ブロー容器は、溶
融可塑化した樹脂をダイオリフィスを通して押し出して
円筒状のパリソンを形成し、これを金型で挟んで内部に
ガスを吹き込んで成形される。このような場合、容器は
実質的に未配向となり、従来のPETなどのポリエステ
ル製容器では、内容物を充填された状態で、地面、コン
クリート面、金属面等に落下させた場合等に耐衝撃性が
不足するという問題があった。これに対し、重合度の高
いPETを使用して耐衝撃性を改良することが試みられ
ているが、この場合でも耐衝撃性はなお十分とはいえな
い。また、高重合度のPETは重合に長時間かかるので
一般に低生産性で値段が高く、容器とした場合に経済的
に問題がある。
【0003】また、イソフタル酸や2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付
加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の共重合
による改質PETを用いて、ポリエステル製容器を製造
しようとする試みが種々行われているが、これらの容器
は融点降下により賦形性が良好である、あるいは結晶化
速度の低下により透明性が良好であるなどの特徴を有す
るものの、十分な耐衝撃性を有するには至っていない。
その上、これらの容器では、樹脂の熱安定性が悪いた
め、成形の際シリンダ内等に滞留したときに激しく劣化
し易く更に耐衝撃性が低下してしまう、また耐薬品性に
劣るため飲料容器等として水やアルコール等と接触させ
た場合などに経時劣化による耐衝撃性の低下が著しい、
或いは、耐熱性に劣るため飲料等を熱充填する際に変形
が著しいなどの問題もある。
【0004】また、ポリエステルにエチレン−グリシジ
ルメタクリレート共重合体等のエラストマーを配合し
て、耐衝撃性を改良することが試みられているが、この
場合耐衝撃性改良には一定の効果が認められるものの、
容器の透明性が著しく損なわれるという問題がある。ま
た、ポリエステルにポリカーボネートをブレンドするこ
とにより、ポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物
製容器を製造しようとする試みも行われている。多くの
場合これらの容器はポリエステルの耐薬品性はそのまま
に、耐熱性が向上する、また特定の共重合ポリエステル
を使用したり、第三成分として特定の相溶化剤を用いる
ことにより、ポリエステルの耐薬品性はそのままに透明
性が向上する、あるいは特定の溶融特性を持つポリカー
ボネートを用いることで賦形性が向上する、などの特徴
を有し、耐衝撃性に関してもポリカーボネート/ポリエ
ステルのブレンド比が1以上の場合については良好な耐
衝撃性が得られている。しかしながら、本発明の容器の
ようにポリカーボネート/ポリエステルのブレンド比が
40%以下というようなポリエステルを主体とするポリ
エステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器の場合に
は、十分な耐衝撃性が得られるには至っていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解決するためのものであって、従来の実質的
に未配向のポリエステル製容器およびポリエステルを主
体とするポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製
容器に比べ、内容物を充填された状態で地面、コンクリ
ート面、金属面等に落下させた場合に割れにくい等の耐
衝撃性に優れ、更に透明性、耐熱性にも優れた、実質的
に未配向のポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物
製容器、及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネー
トとポリエステルとをブレンドした組成物を、押出ブロ
ー成形または絞り成形または射出成形などの溶融成形を
行なうことにより得られる実質的に未配向のポリエステ
ル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器で、特定のポリ
カーボネート分散粒子間距離を有する容器は、耐衝撃性
に優れ、透明性、耐熱性も良好で、容器として好適であ
ること、並びに、リン元素の含有量が少ないポリカーボ
ネートとポリエステルを特定比率で予め溶融混練して得
られたものであり、かつ、特定溶融粘度を有し、しかも
金属成分として特定量のSbかつ/またはTiを含有す
るポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物を、更に
特定溶融粘度の他のポリエステルと特定比率でドライブ
レンドした後熱成形することにより、耐衝撃性に優れ、
透明性、耐熱性も良好な、実質的に未配向のポリエステ
ル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器が得られること
を見いだし、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明のポリエステル/ポリカーボ
ネート樹脂組成物製容器は、ポリエステル(A)60〜
97重量部とポリカーボネート(B)40〜3重量部と
の樹脂組成物からなる実質的に未配向のポリエステル/
ポリカーボネート樹脂組成物製容器であり、該容器のポ
リエステル/ポリカーボネートの相構造に於て、下記式
1により算出されるポリカーボネートを主成分とする分
散粒子の間の距離T(μm)の数平均値τ(μm)が、
0.40μm以下であることを特徴とするものである。 τ=d{(π/(6φ))1/3 −1} (式1) (但し、dは分散粒子の数平均粒径(μm)であり、φ
は分散粒子の体積分率を表わす。)
【0008】また、本発明のもう一つの発明であるポリ
エステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器の製造方
法は、リン元素の含有率が重量比1ppm以下であるポ
リカーボネート(C)60〜95重量部と、ポリエステ
ル(D)40〜5重量部とを溶融混練して得られたもの
であり、かつ260℃での剪断速度130sec-1にお
ける溶融粘度が1×103 〜1×105 poiseであ
り、かつ金属成分としてアンチモンかつ/またはチタン
を含有し、その含有量が、アンチモン元素として10〜
200ppm、チタン元素として1〜80ppmである
ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)5〜
40重量部と、260℃での剪断速度130sec-1
おける溶融粘度が1×103 〜1×105 sec-1であ
るポリエステル(F)95〜60重量部とを、ドライブ
レンドした後溶融成形することを特徴とするものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [I]ポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容
器の性状 (1) 相分散状態 本発明のポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製
容器は、ポリエステルとポリカーボネートをブレンドし
て溶融成形する過程を経て製造され、相構造として、ポ
リエステルを主成分とするマトリックス中に、ポリカー
ボネートを主成分とする粒子が分散した、いわゆる海島
構造をとる。またポリエステルとポリカーボネートのエ
ステル交換物が若干生成する。本発明のポリエステル/
ポリカーボネート樹脂組成物製容器は、上記のようなポ
リエステル/ポリカーボネートの相構造に於て、下記式
1により算出される図1により模式的に示されるポリカ
ーボネートを主成分とする分散粒子の間の距離T(μ
m)の数平均値τ(μm)が、0.40μm以下であ
り、好ましくは0.25μm以下であり、より好ましく
は0.15μm以下であり、特に好ましくは0.05〜
0.15μmである。 τ=d{(π/(6φ))1/3 −1} (式1) (但し、dは分散粒子の数平均粒径(μm)であり、φ
は分散粒子の体積分率を表わす。) τが大きいと、恐らくポリカーボネートを主体とする分
散粒子が、ポリエステルのマトリックスの塑性変形に寄
与しにくくなるため、本発明のポリエステル/ポリカー
ボネート樹脂組成物製容器の耐衝撃性改良効果がみられ
なくなることが多い。またτが小さいと、一般にはポリ
エステルとポリカーボネートのエステル交換が進み過ぎ
て、ポリカーボネートを主体とする分散粒子の耐衝撃性
が低下している場合が多いと考えられ、結果として本発
明のポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器
の耐衝撃性改良効果がみられなくなることや、あるいは
ポリカーボネート分率の増加によりτが小さくなる場合
には、容器のヘーズが上昇し、透明性が失われることが
多い。
【0010】(2) ポリエステル(A)及びポリカー
ボネート(B)の量比 本発明の容器に供されるポリエステル(A)及びポリカ
ーボネート(B)のブレンド比は、容器とした場合の耐
衝撃性と透明性の点で、通常ポリエステル(A)60〜
97重量部/ポリカーボネート(B)40〜3重量部で
あり、ポリエステル(A)80〜97重量部/ポリカー
ボネート(B)20〜3重量部であることが好ましく、
ポリエステル(A)80〜92重量部/ポリカーボネー
ト(B)20〜8重量部であることがより好ましい。
【0011】(3) ポリエステル(A)及びポリカー
ボネート(B)の組成ポリエステル(A) 本発明の容器に供されるポリエステル(A)は、任意の
ものを使用できるが、酸成分としてテレフタル酸を主成
分とするものであることが好ましく、より好ましくは全
酸成分の70モル%以上、特に好ましくは90モル%以
上であり、ジオール成分としてエチレングリコールを主
成分とし、より好ましくは全ジオール成分の70モル%
以上、特に好ましくは90モル%以上であり、本発明の
効果を損なわない範囲で、共重合成分として、テレフタ
ル酸以外のジカルボン酸成分や、エチレングリコール以
外のジオール成分を含んでいてもよい。これらの共重合
成分は、それぞれ全ジカルボン酸成分中またはジオール
成分中、通常50モル%以下、好ましくは30モル%以
下、特に好ましくは10モル%以下で用いられる。
【0012】本発明の容器に供されるポリエステル
(A)を構成するテレフタル酸以外のジカルボン酸成分
としては、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
イソフタル酸、オルトフタル酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、ジブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナ
トリウム、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルエーテ
ルジカルボン酸、ビフェニルスルフォンジカルボン酸、
ビフェニルケトンジカルボン酸、ビフェノキシエタンジ
カルボン酸、フェニレンジオキシジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸、またアジピン酸、セバシン酸、コハク
酸、グルタル酸、ピペリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等
の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0013】また、エチレングリコール以外のジオール
成分としては、例えばブチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメ
チレングリコール、デカメチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の脂
肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、2,5−ノルボルネンジメタノール等の脂環式グリ
コール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール等の分岐型脂肪族グリ
コール、キシリレングリコール等の芳香族グリコール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエ
チレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付
加物等が挙げられる。
【0014】さらに、本発明の容器に供されるポリエス
テル(A)は、本発明の効果を逸脱しない範囲で単官能
成分や多官能成分を少量含んでいてもよい。例えばステ
アリン酸、安息香酸などの単官能成分、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル
酸、没食子酸、トリメチロールプロパン、トリエチロー
ルエタン、ペンタエリスリトール、グリセリン、テトラ
キス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンな
どの3官能以上の多官能成分が挙げられる。
【0015】ポリカーボネート(B) 本発明の容器に供されるポリカーボネート(B)は、任
意のものが使用できるが、ビスフェノールAを主たる二
価フェノール単位とするものが好ましい。また本発明の
ポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器に供
されるポリカーボネート(B)は、本発明の効果を損な
わない範囲でビスフェノールA以外の二価フェノール単
位を含んでいてもよい。本発明の容器に供されるポリカ
ーボネート(B)を構成するビスフェノールA以外の二
価フェノール単位としては、例えばハイドロキノン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニルスルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−スルホン(以下「ビスフェノールS」と略す)、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのような化合物ま
たは(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニルプロ
パン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類を挙
げることができる。本発明のポリエステル/ポリカーボ
ネート樹脂組成物製容器に供されるポリカーボネート
(B)は、これらの二価フェノール単位が一種類のみ使
用されていても、二種類以上併用されていてもよい。ま
た、多官能性芳香族化合物を二価フェノール及び/又は
カーボネート前駆体と反応させた熱可塑性ランダム分岐
ポリカーボネートであってもよい。
【0016】(4) ポリエステル(A)及びポリカー
ボネート(B)の溶融粘度 本発明の容器に供されるポリエステル(A)およびポリ
カーボネート(B)は、その溶融粘度は任意でよいが、
実用的には、260℃での剪断速度130sec-1にお
ける溶融粘度が通常1×103 〜1×106 poise
であり、押出ブロー容器に供される場合には通常1×1
4 〜1×106 poiseであり、絞り容器に供され
る場合には通常1×103 〜1×105 poiseであ
り、射出成形容器に供される場合には通常1×103
1×105 poiseである。また、本発明の容器に供
されるポリエステル(A)およびポリカーボネート
(B)は、その溶融粘度は任意でよいが、実質的に未配
向の容器の成形性、および実質的に未配向の容器の分散
粒子間距離の数平均値τ・耐衝撃性・透明性等の点か
ら、ポリカーボネート(B)とポリエステル(A)の2
60℃での剪断速度130secー1における溶融粘度
(それぞれηB、ηAとする。自然対数値の比(log
ηB/log ηA)は、通常0.95〜1.20で
あり、好ましくは0.95〜1.10である。尚、上記
の溶融粘度とは、L=8.0mm、D=2.05mmの
キャピラリーを下部に装着し、所定温度に加熱調節した
直径9.55mmのバレル内に、樹脂ペレットを細粉状
に粉砕した試料10gを十分乾燥した後、充填して、3
分間保持した後、バレル上部よりプランジャーにて所定
の剪断速度にて押し出して測定した値である。
【0017】[II] ポリエステル/ポリカーボネート
樹脂組成物製容器の製造方法 (1) 概 説 本発明の実質的に未配向のポリエステル/ポリカーボネ
ート樹脂組成物製容器は、任意の方法により製造したも
ので構わないが、例えば、次のような方法で好適に製造
することができる。即ち、リン元素の含有率が重量比1
ppm以下であるポリカーボネート(C)60〜95重
量部と、ポリエステル(D)40〜5重量部とを溶融混
練して得られたものであり、かつ260℃での剪断速度
130sec-1における溶融粘度が1×103 〜1×1
5 poiseであり、かつ金属成分としてアンチモン
かつ/またはチタンを、アンチモン元素として10〜2
00ppm、チタン元素として1〜80ppm含有する
ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)5〜
40重量部と、260℃での剪断速度130sec-1
おける溶融粘度が1×103 〜1×105 sec-1であ
るポリエステル(F)95〜60重量部とを、ドライブ
レンドした後、溶融成形して、本発明の実質的に未配向
のポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器を
得ることができる。
【0018】(2) ポリカーボネート(C)の組成と
溶融粘度 ポリカーボネート(C)は、その組成は任意のものでよ
いが、ビスフェノールAを主たる二価フェノール単位と
するものであることが好ましい。またポリカーボネート
(C)は、本発明の効果を損なわない範囲でビスフェノ
ールA以外の二価フェノール単位を含んでいてもよい。
ポリカーボネート(C)を構成するビスフェノールA以
外の二価フェノール単位としては、例えばハイドロキノ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニルスルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−スルホン(以下「ビスフェノールS」と略
す)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのような化合
物または3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニルプ
ロパン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類を
挙げることができる。ポリカーボネート(C)は、これ
らの二価フェノール単位が一種類のみ使用されていて
も、二種類以上併用されていてもよい。また、多官能性
芳香族化合物を二価フェノール及び/又はカーボネート
前駆体と反応させた熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネ
ートであってもよい。
【0019】また、ポリカーボネート(C)に熱安定剤
等として含有されるリン化合物中のリン元素の比率は、
ポリカーボネート(C)に対し重量比1ppm以下であ
る。リン元素の含有量が前記範囲を越える場合は、ポリ
カーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)の製造時
に、リン元素を含む熱安定剤等の化合物により、恐らく
ポリカーボネート(C)とポリエステル(D)のエステ
ル交換が阻害される結果、ポリカーボネート/ポリエス
テル樹脂組成物(E)とポリエステル(F)との相溶性
が低下し、得られる容器の耐衝撃性が不十分なものとな
る。また、ポリカーボネート(C)は、その溶融粘度は
任意のものでよいが、260℃での剪断速度130se
-1における溶融粘度(測定方法は前記のとおり)が通
常1×103 〜1×106 poiseであり、ポリカー
ボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)が押出ブロー
容器の製造に供される場合には通常1×104 〜1×1
6 poiseであり、絞り容器の製造に供される場合
には通常1×103 〜1×105 poiseであり、射
出成形容器の製造に供される場合には通常1×103
1×105 poiseである。溶融粘度が上記範囲外で
は、ポリエステル(D)との相溶性が低下するほか、実
質的に未配向の容器の成形に供される場合の成形性が低
下するため、得られる容器の耐衝撃性が不十分なものと
なる。
【0020】(3) ポリエステル(D)の組成と溶融
粘度 ポリエステル(D)は、その組成は任意のものでよい
が、酸成分としてテレフタル酸を主成分とするものが好
ましく、より好ましくは全酸成分の70モル%以上、さ
らに好ましくは90モル%以上であり、ジオール成分と
してエチレングリコールを主成分とし、より好ましくは
全ジオール成分の70モル%以上、さらに好ましくは9
0モル%以上であり、本発明の効果を損なわない範囲
で、共重合成分として、テレフタル酸以外のジカルボン
酸成分や、エチレングリコール以外のジオール成分を含
んでいてもよい。これらの共重合成分は、それぞれジカ
ルボン酸成分中またはジオール成分中、好ましくは50
モル%以下、より好ましくは30モル%以下、特に好ま
しくは10モル%以下で用いられる。
【0021】ポリエステル(D)を構成するテレフタル
酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、オルトフタル
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジブロモイソフタル
酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、ビフェニルジカル
ボン酸、ビフェニルエーテルジカルボン酸、ビフェニル
スルフォンジカルボン酸、ビフェニルケトンジカルボン
酸、ビフェノキシエタンジカルボン酸、フェニレンジオ
キシジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またアジピ
ン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ピペリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカンジカルボン
酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸など
が挙げられる。
【0022】また、エチレングリコール以外のジオール
成分としては、例えばブチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメ
チレングリコール、デカメチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の脂
肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、2,5−ノルボルネンジメタノール等の脂環式グリ
コール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール等の分岐型脂肪族グリ
コール、キシリレングリコール等の芳香族グリコール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエ
チレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付
加物等が挙げられる。さらに、ポリエステル(D)は、
本発明の効果を逸脱しない範囲で単官能成分や多官能成
分を少量含んでいてもよい。例えばステアリン酸、安息
香酸などの単官能成分、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、没食子酸、ト
リメチロールプロパン、トリエチロールエタン、ペンタ
エリスリトール、グリセリン、テトラキス[メチレン−
3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタンなどの3官能以上の
多官能成分が挙げられる。
【0023】また、ポリエステル(D)に、その重合触
媒残さ等として含有される金属化合物中の金属は任意の
ものでよいが、少なくともアンチモン元素かつ/または
チタン元素が含まれていることが好ましい。好ましいア
ンチモン元素の量としては、ポリエステル(D)に対し
重量比100〜500ppmの範囲であり、200〜5
00ppmの範囲がさらに好ましく、250〜400p
pmが特に好ましい。、また好ましいチタン元素の量と
しては、ポリエステル(D)に対し重量比10〜200
ppmの範囲であり、30〜200ppmの範囲がさら
に好ましく、30〜100ppmの範囲が特に好まし
く、50〜100ppmの範囲がとりわけ好ましい。ま
た、ポリエステル(D)は、その溶融粘度は任意のもの
でよいが、260℃での剪断速度130sec-1におけ
る溶融粘度(測定方法は前記のとおり)が、通常1×1
3 〜1×106 poiseであり、ポリカーボネート
/ポリエステル樹脂組成物(E)が押出ブロー容器の製
造に供される場合には通常1×104〜1×106 po
iseであり、絞り容器の製造に供される場合には通常
1×103 〜1×105 poiseであり、射出成形容
器の製造に供される場合には通常1×103 〜1×10
5 poiseである。溶融粘度が上記範囲外では、ポリ
カーボネート(C)との相溶性が低下するほか、実質的
に未配向の容器の成形に供される場合の成形性が低下す
るため、得られる容器の耐衝撃性が不十分なものとな
る。
【0024】(4) ポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)の製造 (a) ポリカーボネート(C)とポリエステル(D)
の量比 ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)は、
ポリカーボネート(C)60〜95重量部とポリエステ
ル(D)40〜5重量部を溶融混練して得られたもので
あり、ポリカーボネート(C)80〜95重量部とポリ
エステル(D)20〜5重量部よりなるのが好ましく、
ポリカーボネート(C)80〜90重量部とポリエステ
ル(D)20〜10重量部よりなるのが特に好ましい。
ポリカーボネート(C)が60重量部未満で、ポリエス
テル(D)が40重量部を越える場合は、恐らくポリカ
ーボネート(C)とポリエステル(D)のエステル交換
が進みすぎて、ポリエステル(F)と混合されて実質的
に未配向の容器の成形に供された場合に、ポリカーボネ
ートを主体とする分散粒子の耐衝撃性が低下するため、
得られる容器の耐衝撃性が不十分なものとなる。ポリカ
ーボネート(C)が95重量部を越え、ポリエステル
(D)が5重量部未満である場合には、恐らくポリカー
ボネート(C)とポリエステル(D)のエステル交換が
不十分となり、ポリエステル(F)との相溶性が低下
し、得られる容器の耐衝撃性が不十分なものとなる。
【0025】(b) ポリカーボネート(C)とポリエ
ステル(D)の溶融混練 ポリカーボネート(C)及びポリエステル(D)を用い
て、ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)
を任意の方法により製造することができる。例えば、ポ
リカーボネート(C)及びポリエステル(D)の所定量
をドライブレンドした後、ホッパーからスクリューにて
シリンダー内に供給し溶融可塑化し、スクリューまたは
ニーディングディスクの剪断下シリンダ内を移動させな
がら一定の滞留時間を経た後、ノズルを通じてストラン
ド状に押し出し、ストランドカッターにて、冷却後ある
いは冷却前にチップ化する方法が適用される。この場合
の押出機の種類としてはベント付き2軸混練押出機が好
ましく、1台のみ使用しても、2台以上を組み合わせて
使用してもよい。この場合、使用されるスクリューは通
常3ヶ所以上のニーディングゾーンを有し、このニーデ
ィングゾーンの長さは、ポリカーボネート/ポリエステ
ル樹脂組成物(E)が製造されるまでに通過する全スク
リュー長さの30%以上の割合である。また成形温度、
具体的には押出機のシリンダおよびノズルの温度は通常
240〜350℃に設定され、下記式2により定義され
るスクリュー剪断速度γは通常40〜150sec-1
好ましくは80〜120sec-1であり、かつ樹脂がホ
ッパ下スクリューに食い込まれた後ノズルより吐出され
るまでの平均滞留時間は通常60秒以上、好ましくは1
20秒以上、より好ましくは180秒以上である。この
場合、平均滞留時間とは、ポリエステル(C)とポリカ
ーボネート(D)とから、ポリカーボネート/ポリエス
テル樹脂組成物(E)を得るまでのトータルのシリンダ
およびダイス内滞留時間の平均のことである。 (但し、πは円周率、Dはスクリュー直径(単位:m
m)、Nはスクリュー回転数(単位:sec-1)、hは
スクリューの樹脂搬送部に於ける溝深さ(単位:mmを
表わす。)。
【0026】(c) ポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)の溶融粘度 以上のようにして得られるポリカーボネート/ポリエス
テル樹脂組成物(E)は、260℃での剪断速度130
sec-1における溶融粘度(測定方法は前記のとおり)
が1×103 〜1×105 poiseであり、押出ブロ
ー容器の製造に供される場合には1×104 〜1×10
5 poiseであることが好ましく、絞り容器の製造に
供される場合には1×103 〜5×104 poiseで
あることが好ましく、射出成形容器の製造に供される場
合には1×103 〜5×104 poiseであることが
好ましい。溶融粘度が上記範囲外では、ポリエステル
(F)との相溶性が低下するほか、実質的に未配向の容
器を成形する時の成形性が低下するため、得られる容器
の耐衝撃性が不十分なものとなる。
【0027】(d) ポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)に含有される金属成分 また、ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物
(E)に含有される金属成分は任意であるが、アンチモ
ンかつ/またはチタンを含んでいるものが好ましい。好
ましいアンチモン元素の量としては10〜200pp
m、より好ましくは10〜100ppmであり、さらに
好ましくは25〜50ppmであり、好ましいチタン元
素の量としては1〜80ppm、より好ましくは1〜4
0ppm、さらに好ましくは5〜40ppmである。金
属成分の含有量が前記範囲を越える場合は、恐らく、ポ
リカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)の製造
時にポリカーボネート(C)とポリエステル(D)のエ
ステル交換が進みすぎて、ポリカーボネート/ポリエス
テル樹脂組成物(E)がポリエステル(F)と混合され
て実質的に未配向の容器の成形に供された場合に、ポリ
カーボネートを主体とする分散粒子の耐衝撃性が低下す
るため、得られる容器の耐衝撃性が不十分なものとな
る。また金属成分の含有量が前期範囲に満たない場合に
は、恐らくポリカーボネート(C)とポリエステル
(D)のエステル交換が不十分となり、ポリエステル
(F)との相溶性が低下し、得られる容器の耐衝撃性が
不十分なものとなる。
【0028】(5) ポリエステル(F)の組成と溶融
粘度 ポリエステル(F)は、260℃での剪断速度130s
ec-1における溶融粘度(測定方法は前記のとおり)が
通常1×103 〜1×105 poiseであり、押出ブ
ロー容器の製造に供される場合には通常1×104 po
ise〜1×105 poiseであり、絞り容器の製造
に供される場合には通常1×103 〜5×104 であ
り、射出成形容器の製造に供される場合には通常1×1
3 〜5×104 である。さらにポリエステル(F)
は、通常酸成分としてテレフタル酸を主成分とし、好ま
しくはそれらの酸成分の総和が全酸成分の70モル%以
上、より好ましくは90モル%以上であり、通常ジオー
ル成分としてエチレングリコールを主成分とし、好まし
くは全ジオール成分の70モル%以上、より好ましくは
90モル%以上であり、本発明の効果を損なわない範囲
で、共重合成分として、テレフタル酸以外のジカルボン
酸成分や、エチレングリコール以外のジオール成分を含
んでいてもよい。これらの共重合成分は、それぞれジカ
ルボン酸成分中またはジオール成分中、通常50モル%
以下、好ましくは30モル%以下、特に好ましくは10
モル%以下で用いられる。
【0029】ポリエステル(F)を構成するテレフタル
酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、イソフタル酸、オルトフタル
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジブロモイソフタル
酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、ビフェニルジカル
ボン酸、ビフェニルエーテルジカルボン酸、ビフェニル
スルフォンジカルボン酸、ビフェニルケトンジカルボン
酸、ビフェノキシエタンジカルボン酸、フェニレンジオ
キシジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またアジピ
ン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ピペリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカンジカルボン
酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸など
が挙げられる。
【0030】また、エチレングリコール以外のジオール
成分としては、例えばブチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメ
チレングリコール、デカメチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の脂
肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、2,5−ノルボルネンジメタノール等の脂環式グリ
コール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール等の分岐型脂肪族グリ
コール、キシリレングリコール等の芳香族グリコール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエ
チレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付
加物等が挙げられる。さらに、ポリエステル(F)は、
本発明の効果を逸脱しない範囲で単官能成分や多官能成
分を少量含んでいてもよい。例えばステアリン酸、安息
香酸などの単官能成分、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、没食子酸、ト
リメチロールプロパン、トリエチロールエタン、ペンタ
エリスリトール、グリセリン、テトラキス[メチレン−
3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタンなどの3官能以上の
多官能成分が挙げられる。
【0031】(6) ポリエステル/ポリカーボネート
樹脂組成物製容器の製造 (a) ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物
(E)とポリエステル(F)の量比 またポリエステル(F)については、本発明の効果を逸
脱しない範囲で、任意のものを用いることができるが、
ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)とポ
リエステル(F)との混合比率は、通常ポリカーボネー
ト/ポリエステル樹脂組成物(E)5〜40重量部に対
しポリエステル(F)95〜60重量部であり、好まし
くはポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)
5〜20重量部に対しポリエステル(F)95〜80重
量部、より好ましくはポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)10〜20重量部に対しポリエステル
(F)90〜80重量部である。ポリカーボネート/ポ
リエステル樹脂組成物(E)のポリエステル(F)との
配合比が上記範囲を越える場合には、得られる実質的に
未配向の容器において、ポリカーボネートを主成分とす
る分散粒子とポリエステルを主成分とするマトリックス
からなるいわゆる海島構造がみられなくなったり、得ら
れる実質的に未配向の容器の透明性が失われたりし、上
記範囲に満たない場合には、得られる容器の耐衝撃性が
不十分なものとなる。
【0032】(b) 容器の製造 ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)をポ
リエステル(F)とドライブレンドして用いることによ
り、従来からポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレンなどで一般的に用いられている実質
的に未配向の溶融成形法、具体的には押出ブロー成形、
絞り成形、射出成形などにより、本発明の耐衝撃性に優
れたポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器
を好適に製造することができる。
【0033】例えば押出ブロー中空容器を製造するにあ
たっては、例えばホッパーからスクリューにてシリンダ
ー内に供給し溶融可塑化し、スクリュー剪断下シリンダ
内を移動させながら一定の滞留時間を経た後、ノズルを
通じてチューブ状の溶融パリソンを押し出し、その後所
定形状を有する金型内に挟み込みブローする方法が適用
される。この場合の成形温度、具体的には成形機の加熱
シリンダ各部またはノズルの温度は240〜350℃の
範囲に設定される。また金型温度は通常0〜30℃に設
定される。得られた押出ブロー中空容器は、ポリカーボ
ネートを主成分とする分散粒子間距離が小さい為、耐衝
撃性に優れるとともに透明性が高い。また得られた押出
ブロー容器は熱水等を充填した場合にも変形せず、耐熱
性が高い。
【0034】絞り成形容器を製造するにあたっては、例
えば押出シートを成形し、該押出シートを絞り成形加工
して行う。具体的には、一軸または二軸の押出機にホッ
パーからスクリューにてシリンダー内に供給し溶融可塑
化し、スクリュー剪断下シリンダ内を移動させながら一
定の滞留時間を経た後、ダイを通して押出し、内部に冷
媒を循環させたキャスティングロール等によって巻取り
冷却することにより得たシートを、所定温度に予備加熱
後、所定形状を有する金型に接触させる方法が適用され
る。この場合、シート成形時の成形温度、具体的には成
形機のシリンダー各部およびノズルの温度は、樹脂の軟
化点以上、通常240〜320℃の範囲に設定され、巻
取り冷却時のキャスティングロール等の温度は通常0〜
30℃に設定される。この場合のシート厚みは100〜
800μm、好ましくは250〜500μmが実用的で
ある。また絞り成形加工時の予備加熱温度は上記押出シ
ートのガラス転移点以上、通常70〜150℃、好まし
くは80〜130℃の範囲に設定され、下記式3で定義
される絞り率Rは通常用いられる設定で構わないが、好
ましくは0.1〜10であり、より好ましくは1〜5で
ある。また金型温度は通常0〜30℃に設定されるが、
得られた絞り容器は、ポリカーボネートを主成分とする
分散粒子間距離が小さい為、耐衝撃性に優れるとともに
透明性が高い。また得られた絞り容器は熱水等を充填し
た場合にも変形せず、耐熱性が高い。 R=h/(S1/2 ) (式3) (但し、Rは絞り率、hは絞り深さ(単位:cm)、S
は絞り面積(単位:cm2 を表わす。)
【0035】射出成形容器を製造するにあたっては、例
えば、ホッパーからスクリューにてシリンダー内に供給
し溶融可塑化し一定量を一定時間滞留させた後、所定形
状を有する金型内に射出する方法が適用される。この場
合の成形温度、具体的には成形機のシリンダー各部およ
びノズルの温度は樹脂の軟化点以上、通常240〜32
0℃の範囲に設定される。金型温度は通常0〜30℃に
設定される。得られた射出成形容器は、ポリカーボネー
トを主成分とする分散粒子間距離が小さい為、耐衝撃性
に優れるとともに透明性が高い。また得られた絞り容器
は熱水等を充填した場合にも変形せず、耐熱性が高い。
【0036】(7) 補足事項 ポリカーボネート(C)、ポリエステル(D)、ポリエ
ステル(F)は、任意のものが使用できるが、実質的に
未配向の容器の成形に供される場合の成形性、および得
られる実質的に未配向の容器の分散粒子間距離の数平均
値τ・耐衝撃性・透明性等の点から、ポリカーボネート
(C)とポリエステル(D)の260℃での剪断速度1
30secー1における溶融粘度(それぞれηC、ηD
とする。測定方法は前記のとおり)の自然対数値の比
(log ηC/log ηD)は、通常0.95〜
1.20であり、好ましくは0.95〜1.10であ
る。且つ、ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物
(E)とポリエステル(F)の260℃での剪断速度1
30secー1における溶融粘度(それぞれηE、ηF
とする。測定方法は前記のとおり)の自然対数値の比
(log ηE/log ηF)は、通常0.95〜
1.10であり、好ましくは0.95〜1.05であ
る。また、本発明のポリエステル/ポリカーボネート樹
脂組成物製容器は、上記の方法により好適に製造される
が、上記の方法により製造されるものに限定されるもの
ではない。
【0037】[III ] 共通事項 (1) ポリエステル(A)、(D)、(F)の製造 本発明の容器及び製造法に供されるポリエステル
(A)、ポリエステル(D)、ポリエステル(F)は、
任意のものが使用できるが、ポリエチレンテレフタレー
トおよびその共重合体について従来から公知の、溶融重
合および必要ならばそれに続く固相重合による方法で製
造されたものを使用することができる。溶融重合につい
ては、例えばテレフタル酸、エチレングリコールを用い
て加圧下で直接エステル化反応を行った後、触媒の存在
下、更に昇温するとともに次第に減圧とし重縮合反応さ
せる方法がある。或いはテレフタル酸のエステル誘導
体、例えばテレフタル酸ジメチルエステルとエチレング
リコールを用いて触媒の存在下エステル交換反応を行
い、その後得られた反応物を、上記の直接エステル化反
応の場合と同様に重縮合反応させる方法がある。
【0038】以上の製造過程に於けるエステル化反応、
エステル交換反応、および重縮合反応では、エステル化
触媒、エステル交換触媒、重縮合触媒、安定剤などの必
要量を使用していてもよい。エステル化触媒はテレフタ
ル酸がエステル化反応の自己触媒となるので無添加でも
よいが、後述する重縮合触媒を使用してもよいし、また
少量の無機酸などを使用していてもよい。エステル交換
触媒としてはナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩
や、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属
塩、亜鉛、マンガン等の金属化合物が挙げられ、透明性
の観点からマンガン化合物が使用されていることが好ま
しい。これらの触媒の使用割合は、全重合原料中、触媒
中の金属元素の量として、通常5〜2000ppmの範
囲で用いられる。
【0039】重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合
物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合
物、錫化合物等の、反応系に可溶性の化合物が単独また
は併せて使用されていてよいが、少なくともゲルマニウ
ム化合物かつ/またはアンチモン化合物かつ/またはチ
タン化合物が使用されていることが好ましく、特にポリ
エステル(D)としては少なくともアンチモン化合物か
つ/またはチタン化合物が使用されていることがより好
ましい。ゲルマニウム化合物としては二酸化ゲルマニウ
ムが好ましく、アンチモン化合物としては三酸化二アン
チモンが好ましく、チタン化合物としてはテトラ−n−
ブトキシチタンが好ましい。安定剤としては、トリメチ
ルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−
ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなど
のリン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリ
スドデシルホスファイト、トリスノニルデシルホスファ
イトなどの亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフ
ェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルア
シッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチ
ルホスフェート、ジオクチルホスフェートなどの酸性リ
ン酸エステル、およびリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、
ポリリン酸などのリン化合物が使用されていることが好
ましい。これらの触媒あるいは安定剤の使用割合は、全
重合原料中、触媒の場合には触媒中の金属元素の重量と
して、通常5〜2000ppmの範囲で用いられている
ものが好ましいが、特にポリエステル(D)では重合後
のポリエステル中の触媒残さ中の金属が「[II]ポリエ
ステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器の製造方
法」の「(3)ポリエステル(D)の組成と溶融粘度」
に記したような種類・量となるように用いられているも
のが特に好ましい。また、安定剤の場合は、安定剤中の
リン元素の重量として、通常10〜1000ppmの範
囲で用いられているものが好ましく、10〜100pp
mの範囲であるものがより好ましい。
【0040】さらに必要に応じて、溶融重合で得られた
ポリマーをチップ化し、加熱処理を実施して、結晶化お
よび固相重合による高重合度化、低アセトアルデヒド
化、低オリゴマー化などを行ったポリエステルも使用で
きる。加熱処理は、通常、乾燥状態の窒素、アルゴン、
二酸化炭素等の不活性ガス下または水蒸気下または水蒸
気含有不活性ガス下で60〜180℃の温度でポリマー
チップ表面を結晶化させた後、減圧下または不活性ガス
下で樹脂の粘着温度直下ないし80℃低い温度で数十時
間以下の範囲内で実施される。また固相重合にあたって
は、ポリマーチップの粒状体同士が膠着しないように、
転動法、気体流動床法などの適当な方法で、ポリマーチ
ップを流動させながら行うのがよい。
【0041】(2) ポリカーボネート(B)、(C)
の製造 本発明の容器および製造法に供されるポリカーボネート
(B)、ポリカーボネート(C)は、その製造法は任意
のものでよいが、通常溶剤法、または、溶融重合法によ
り製造されたものを使用できる。例えば、溶剤法では塩
化メチレン等の溶剤中で、公知の重合触媒、分子量調製
剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなポリカ
ーボネート前駆体との界面重合、または二価フェノール
とジフェニルカーボネートようなカーボネート前駆体と
のエステル交換反応などによって製造されたものを使用
できる。重合触媒としてはトリエチルアミン、トリブチ
ルアミン等の脂肪族三級アミン、N,N’−ジメチルシ
クロヘキシルアミン、N,N’−ジエチルシクロヘキシ
ルアミン等の脂環式三級アミン、N,N’−ジメチルア
ニリン、N,N’−ジエチルアニリン等の芳香族三級ア
ミンなどが用いられる。分子量調節剤としてはフェノー
ル、p−t−ブチルフェノールなどの芳香族フェノール
や、メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール、
メルカプタン、フタル酸イミドなどが用いられる。ま
た、o−オキシン安息香酸、2−メチル−6−ヒドロキ
シフェニル酢酸などのカルボキシル基を有する芳香族化
合物を用いてもよい。
【0042】このようにして得られたポリカーボネート
樹脂溶液は、公知の方法により精製され、さらに公知の
方法によりフレークまたはペレット状に固形化されて、
用いることができる。精製法としては多段抽出法や、オ
リフィス塔撹拌槽などを用いた水洗法などを用いること
ができる。また固形化法としては、ポリカーボネート溶
液から連続的に溶媒を除去して濃縮溶液とし、溶融状態
で押し出すことによりペレット化する方法や、ポリカー
ボネート溶液からの急速溶媒除去法、ポリカーボネート
溶液に貧溶媒を加えてポリカーボネートを沈澱させる方
法、ポリカーボネートを結晶化させて粉砕する方法、ポ
リカーボネート溶液を温水中で粒状化および溶媒除去を
行う方法などを用いることができる。また本発明の容器
および製造法に供されるポリカーボネート(B)、ポリ
カーボネート(C)は、添加剤として、亜リン酸エステ
ル等の公知の安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系等の公知の紫外線吸収剤、カルボン酸エステル
等の公知の離型剤等を含んでいてもよい。但し、特にポ
リカーボネート(C)に関しては、これらの添加剤の内
のリン化合物中に含まれるリン元素の量については、対
ポリマー重量比1ppm以下である。
【0043】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。実施例における種々の測定
法および評価法を以下に示す。なお、溶融粘度の測定方
法は前述のとおりである。また以下の各実施例において
使用したポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物
(E)の製造法も以下に示す。なお、ポリカーボネート
/ポリエステル樹脂組成物(E)および成形品の製造に
用いた原料のポリカーボネート「PC−1」、「PC−
2]は、ビスフェノールAより形成されたポリカーボネ
ートであり、後述の表−1に示す安定剤を含有する。ま
たポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)お
よび成形品の製造に用いた原料のポリエステル「PEs
−1」、[PEs−2」、[PEs−3」、「PEs−
4」は、表−1に示す組成、触媒系により構成されるポ
リエステルである。これらのポリカーボネート及びポリ
エステルは、各実施例において、後述の表−2、表−
3、表−4、表−5、表−6に示す溶融粘度のものを用
いた。また、表−1に於いては、ポリエステルを構成す
る酸成分、ジオール成分として、テレフタル酸を「TP
A」、エチレングリコールを「EG」、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールを「CHDM」、ジエチレングリ
コールを「DEG」で示した。
【0044】(1) ポリエステル、ポリカーボネート
の組成決定 ポリエステルまたはポリカーボネートを、重水素化トリ
フルオロ酢酸に常温で溶解して3%溶液とする。日本電
子製JNM−EX270型核磁気共鳴装置にて、この溶
液の 1H−NMRを測定して各ピークを帰属し、その積
分比から算出した。
【0045】(2) ポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)の製造 以下の各実施例に示すポリカーボネート及びポリエステ
ルを、各実施例に示す配合比でドライブレンドした後、
十分乾燥した。日本製鋼所製二軸混練押出機「TEX3
0HSS−32.5BW−2V」を用い、バレル温度を
300℃、ノズル温度を290℃に設定し、以下の各実
施例に示すようなスクリューを使用し、スクリュー回転
数300rpmで、押出機内滞留時間が以下の各実施例
に示す値となるようにフィード量を調節し、水槽中にス
トランド状に押し出して冷却した後、ペレタイザーにて
チップ化し、ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成
物(E)を得た。
【0046】(3) 押出機内滞留時間の測定 ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物(E)の製
造中に、二軸混練押出機のホッパー内のスクリュー直上
に、PETベースの青色マスターバッチを少量投入した
後、投入時刻を0秒として、ダイから押し出されてくる
ストランドを10秒毎にサンプリングして青味を測定
し、最も青いストランドのサンプリング時間を、押出機
内滞留時間とした。
【0047】(4) 押出ブロー成形評価 以下の各実施例に示すポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)及びポリエステル(F)を、各実施例
に示す配合比でドライブレンドした後、十分乾燥した。
日本製鋼所製押出ブロー成形機「電動式小型中空成形機
JEB−7/P50/WS60S」を用い、シリンダ、
ノズルの温度を250℃〜280℃に設定し、約10k
g/時間の押出速度で、40秒前後の成形サイクルで、
容量2000ml、丸底、目付け90gの中空容器を押
出ブロー成形した。金型温度は15゜Cに制御した。実施
例中の成形温度は、ノズル直下の樹脂の温度を示す。
【0048】(5) 押出ブロー容器耐衝撃性評価 上記押出ブロー成形により得られた2000ml中空容
器に、1800mlの脱塩水を充填し、密栓して冷蔵庫
で5℃に冷却した。1時間冷却後、中空容器を冷蔵庫よ
り取り出し、中空容器外が気温23℃、相対湿度50%
の雰囲気で、1.0mの高さから厚さ5cmの鉄板上に
底面から衝突するように垂直に落下させ、割れがなけれ
ば、次に同じ中空容器を0.1m高い1.1mの高さか
ら同様に厚さ5cmの鉄板上に落下させる。このよう
に、割れがなければ落下高さを0.1mずつ上げていく
要領で、中空容器が割れるまで試験を行い、割れた時の
落下高さをもって、その中空容器の破壊高さとした。こ
れを10本の中空容器に対して行い、10本の容器の破
壊高さの平均値の一の位を四捨五入した値(平均破壊高
さ)をもって、その中空容器の耐衝撃性を評価した。
(平均破壊高さが高いほど耐衝撃性がよい。)
【0049】(6) 絞り成形評価 以下の各実施例に示すポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)及びポリエステル(F)を、各実施例
に示す配合比でドライブレンドした後、十分乾燥した。
田辺プラスチック社製40mmφ一軸押出機を用い、シ
リンダ、ノズル温度を250〜280℃に設定し、スク
リュー回転数40rpm、押出量40g/分に設定し、
肉厚500μmのシートを成形した。次に、該押出シー
トを110゜Cに予備加熱後、金型温を15℃とした
(株)浅野研究所製KF−0231−5型プラグアシス
ト付きの圧空真空成形機により、縦5cm、横5cm、
深さ5cmの絞り成形容器を成形した。
【0050】(7) 絞り成形容器耐衝撃性評価 容器内に23℃の脱塩水を満たし、開口部に金属製の蓋
を取付け、内容液が容器外に漏洩しないようにした後、
冷蔵庫で5℃に冷却した。1時間冷却後、容器を冷蔵庫
から取り出し、容器外が気温23℃、相対湿度50%の
雰囲気で、1.0mの高さから厚さ5cmの鉄板上に底
面から衝突するように垂直に落下させ、割れがなけれ
ば、次にこの容器を0.1m高い1.1mの高さから同
様に厚さ5cmの鉄板上に落下させる。このように、割
れがなければ落下高さを0.1mずつ上げていく要領
で、容器が割れるまで試験を行い、割れた時の落下高さ
をもって、その容器の破壊高さとした。これを10個の
容器に対して行い、10個の容器の破壊高さの平均値の
一の位を四捨五入した値(平均破壊高さ)をもって、そ
の容器の耐衝撃性を評価した。(平均破壊高さが高いほ
ど耐衝撃性がよい。)
【0051】(8) 射出成形評価 以下の各実施例に示すポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)及びポリエステル(F)を、各実施例
に示す配合比でドライブレンドした後、十分乾燥した。
東芝機械製射出成形機「IS−60B」を用い、樹脂温
を以下の各実施例に示すような設定温度とし、5kg/
cm2 前後の背圧、50kg/cm2 程度の射出圧力・
保圧力で、30秒前後の成形サイクルで、容量150m
l、平底、目付け60gの容器を射出成形した。金型温
度は15゜Cに制御した。成形に使用した樹脂は、すべて
あらかじめ十分乾燥して成形に供した。
【0052】(9) 射出成形容器耐衝撃性評価 容器内に23℃の脱塩水を満たし、開口部に金属製の蓋
を取付け、内容液が容器外に漏洩しないようにした後、
冷蔵庫で5℃に冷却した。1時間冷却後、容器を冷蔵庫
から取り出し、容器外が気温23℃、相対湿度50%の
雰囲気で、0.5mの高さから厚さ5cmの鉄板上に底
面から衝突するように垂直に落下させ、割れがなけれ
ば、次にこの容器を0.1m高い0.6mの高さから同
様に厚さ5cmの鉄板上に落下させる。このように、割
れがなければ落下高さを0.1mずつ上げていく要領
で、容器が割れるまで試験を行い、割れた時の落下高さ
をもって、その容器の破壊高さとした。これを10個の
容器に対して行い、10個の容器の破壊高さの平均値の
一の位を四捨五入した値(平均破壊高さ)をもって、そ
の容器の耐衝撃性を評価した。(平均破壊高さが高いほ
ど耐衝撃性がよい。)
【0053】(10) 分散粒子間距離の測定 上記各方法により得られた各容器の、底面の接地部の任
意の箇所を切断し、切断面をミクロトームで平滑化した
後、RuO4 にてポリカーボネートを主成分とする分散
粒子を染色し、試験片を作製した。日立製作所製透過型
電子顕微鏡「H9000NA」を用い、この試験片の1
0000倍の電子顕微鏡写真を撮影した。この写真の分
散粒子の単位面積あたりの個数、粒径分布、数平均粒径
d(μm)、面積分率(φ)を、コンピューターで画像
解析した。得られた結果より、分散粒子間距離の数平均
値τ(μm)を下記式4により計算して求めた。切断箇
所や観察箇所による値の違いはほとんどなかった。 τ=d{(π/(6φ))1/3 −1} (式4)
【0054】(11) 透明性の評価 上記各方法により得られた各容器の胴部を短冊状に切り
出し、スガ試験機(株)製全自動直読ヘーズメーター
「HGM−2DP」にてヘーズ(%)を測定し、透明性
を評価した。
【0055】(12) 耐熱性の評価 上記各方法により得られた各容器に、温度65℃、70
℃、75℃、80℃、85℃、90℃の水を、各温度に
つき10個の容器に満たし、キャッピングした後、室温
下に放置し冷却する。冷却後容器の変形を目視観察し、
変形がなければ○、胴部・底部等が若干変形していれば
△(開栓後変形がなくなる場合も△とする)、水充填直
後既にキャッピングが不可能な程変形していれば×とし
て評価し、10個の容器すべてが○となるような充填水
の温度をもってその容器の耐熱温度とする。
【0056】実施例1 ポリカーボネート(C)として表−1および表−2に示
す組成・溶融粘度の「PC−1」6.0kgと、ポリエ
ステル(D)として表−1および表−2に示す組成・溶
融粘度の「PEs−1」4.0kgとをドライブレンド
し、前記(2)の方法により、表−2に示すポリカーボ
ネート/ポリエステル樹脂組成物(E)「IM−1」を
製造した。製造は特に問題なく好適に行うことができ
た。製造条件・製造結果を表−2に示す。上記「IM−
1」2.0kgとポリエステル(F)として表−1およ
び表−2に示す組成・溶融粘度の「PEs−2」18.
0kgとを用いて、前記(4)の方法により押出ブロー
成形評価を行い、2000mlの押出ブロー中空容器を
得た。成形は特に問題なく好適に行うことができた。評
価条件・評価結果を表−3に示す。
【0057】実施例2〜18及び比較例1〜5 表−2に示した原料を用いたこと、及び、表−2〜3に
示した混練押出条件としたこと以外は実施例1と同様に
操作して、表−2〜3に示すポリカーボネート/ポリエ
ステル樹脂組成物(E)「IM−2」〜「IM−17」
を製造した。各製造は特に問題なく好適に行うことがで
きた。製造条件・製造結果を表−2〜3に示す。上記
「IM−2」〜「IM−17」と、ポリエステル(F)
を表−3に示す条件でドライブレンドし、前記(4)の
方法により押出ブロー成形評価を行い、2000mlの
押出ブロー中空容器を得た。成形は特に問題なく好適に
行うことができた。評価条件・評価結果を表−4〜6に
示す。
【0058】実施例19 ポリカーボネート(C)として表−1および表−2に示
す組成・溶融粘度の「PC−1」9.0kgと、ポリエ
ステル(D)として表−1および表−3に示す組成・溶
融粘度の「PEs−1」1.0kgとをドライブレンド
し、前記(2)の方法により、表−3に示すポリカーボ
ネート/ポリエステル樹脂組成物(E)「IM−18」
を製造した。製造は特に問題なく好適に行うことができ
た。製造条件・製造結果を表−7に示す。上記「IM−
18」2.0kgと、ポリエステル(F)として表−1
および表−4に示す組成・溶融粘度の「PEs−1」1
8.0kgを用いて、前記(6)の方法により絞り成形
評価を行った。成形は特に問題なく好適に行うことがで
きた。評価条件・評価結果を表−7に示す。
【0059】実施例20〜21及び比較例6 表−1に示した原料を用いたこと、及び表−3に示した
混練押出条件としたこと以外は実施例19と同様に操作
して、ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物
(E)「IM−19」、「IM−20」を製造した。各
製造は特に問題なく好適に行うことができた。製造条件
・製造結果を表−3に示す。上記「IM−19」、「I
M−20」とポリエステル(F)とを表−4に示す条件
でドライブレンドし、前記(6)の方法により絞り成形
評価を行った。各製造は特に問題なく好適に行うことが
できた。評価条件・評価結果を表−7に示す。
【0060】実施例22 実施例19で得られたポリカーボネート/ポリエステル
樹脂組成物(E)「IM−18」2.0kgと、ポリエ
ステル(F)として表−1および表−3に示す「PEs
−4」18.0kgを用いて、前記(8)の方法により
射出成形評価を行った。成形は特に問題なく好適に行う
ことができた。評価条件・評価結果を表−8に示す。
【0061】実施例23〜24及び比較例7 実施例20〜21で得られたポリカーボネート/ポリエ
ステル樹脂組成物(E)「IM−19」、「IM−2
0」とポリエステル(F)とを表−3に示す条件でドラ
イブレンドし、前記(6)の方法により射出成形評価を
行った。各製造は特に問題なく好適に行うことができ
た。評価条件・評価結果を表−8に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【発明の効果】本発明の実質的に未配向のポリエステル
/ポリカーボネート樹脂組成物製容器は、従来の実質的
に未配向のポリエステル製容器およびポリエステルを主
体とするポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製
容器に比べ、その相構造においてポリカーボネートを主
成分する分散粒子の間の距離が小さいため内容物を充填
された状態で、地面、コンクリート面、金属面等に落下
させた場合等の耐衝撃性に優れ、更に透明性、耐熱性な
どにおいても優れている。従って、大型の容器や、低温
で保存あるいは使用される容器としても、落下時に割れ
ることがなく、その商品価値が高い。また、本発明のポ
リエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器の製造
方法により得られるポリエステル/ポリカーボネート樹
脂組成物製容器は、従来の実質的に未配向のポリエステ
ル製容器およびポリエステルを主体とするポリエステル
/ポリカーボネート樹脂組成物製容器に比べ、その構造
においてポリカーボネートを主成分とする粒子の間の距
離が小さいため内容物を充填された状態で、地面、コン
クリート面、金属面等に落下させた場合においても割れ
にくい等の耐衝撃性に優れており、更に透明性、耐熱性
などにも優れた容器を好適に製造することができる。従
って、耐衝撃性に優れた実質的に未配向のポリエステル
容器の製造方法として優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のポリエステル/ポリカーボネー
トの相構造のポリカーボネートを主成分とする分散粒子
の距離Tを説明するための拡大模式図である。
【符号の説明】
1 ポリカーボネートを主成分とする分散粒子 2 ポリエステルを主成分とするマトリックス T 分散粒子の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/32 C08J 5/18 CFD // C08J 5/18 CFD B65D 1/00 A (C08L 67/02 69:00) B29K 67:00 69:00 B29L 7:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル(A)60〜97重量部とポ
    リカーボネート(B)40〜3重量部との樹脂組成物か
    らなる実質的に未配向の容器であって、本容器のポリエ
    ステル/ポリカーボネートの相構造に於て、下記式1に
    より算出されるポリカーボネートを主成分とする分散粒
    子の間の距離T(μm)の数平均値τ(μm)が、0.
    40μm以下であることを特徴とするポリエステル/ポ
    リカーボネート樹脂組成物製容器。 τ=d{(π/(6φ))1/3 −1} (式1) (但し、dは分散粒子の数平均粒径(μm)であり、φ
    は分散粒子の体積分率を表わす。)
  2. 【請求項2】ポリエステル(A)が、酸成分としてテレ
    フタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールを主
    成分とし、かつ/または、請求項1に記載のポリカーボ
    ネート(B)がビスフェノールAを主たる繰り返し単位
    とするものである、請求項1に記載のポリエステル/ポ
    リカーボネート樹脂組成物製容器。
  3. 【請求項3】ポリエステル(A)が、ジオール成分とし
    て1,4−シクロヘキサンジメタノールを、全ジオール
    成分の1〜30モル%の割合で含有する、請求項1又は
    2のいずれかに記載のポリエステル/ポリカーボネート
    樹脂組成物製容器。
  4. 【請求項4】押出ブロー成形により得られた容器であ
    る、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル/ポ
    リカーボネート樹脂組成物製容器。
  5. 【請求項5】押出成形して成るシートの絞り成形により
    得られた容器である、請求項1〜3のいずれかに記載の
    ポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器。
  6. 【請求項6】射出成形により得られた容器である、請求
    項1〜3のいずれかに記載のポリエステル/ポリカーボ
    ネート樹脂組成物製容器。
  7. 【請求項7】リン元素の含有率が重量比1ppm以下で
    あるポリカーボネート(C)60〜95重量部と、ポリ
    エステル(D)40〜5重量部とを溶融混練して得られ
    たものであり、かつ260℃での剪断速度130sec
    -1における溶融粘度が1×103 〜1×105 pois
    eであり、かつ金属成分としてアンチモンかつ/または
    チタンを、アンチモン元素として10〜200ppm、
    チタン元素として1〜80ppm含有することを特徴と
    する、ポリカーボネート/ポリエステル樹脂組成物
    (E)5〜40重量部と、260℃での剪断速度130
    sec-1における溶融粘度が1×103 〜1×105
    ec-1であるポリエステル(F)95〜60重量部と
    を、ドライブレンドした後溶融成形して、実質的に未配
    向のポリエステル/ポリカーボネート樹脂組成物製容器
    を得ることを特徴とするポリエステル/ポリカーボネー
    ト樹脂組成物製容器の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1460106A4 (en) * 2001-12-21 2005-04-20 Mitsubishi Gas Chemical Co THERMOPLAST RESIN COMPOSITION
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