JPH10147534A - 腫瘍新生血管阻害物質及び医薬組成物 - Google Patents

腫瘍新生血管阻害物質及び医薬組成物

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JPH10147534A
JPH10147534A JP8324595A JP32459596A JPH10147534A JP H10147534 A JPH10147534 A JP H10147534A JP 8324595 A JP8324595 A JP 8324595A JP 32459596 A JP32459596 A JP 32459596A JP H10147534 A JPH10147534 A JP H10147534A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腫瘍新生血管阻害物質としてのサメ軟骨を抗
癌剤として有効に投与することができる医薬組成物を提
供し、更に、このような腫瘍新生血管阻害物質とIL−
12誘導物質とを併用して有用な抗癌作用剤を提供す
る。 【解決手段】 油脂マトリックス内に微粉末状のサメ軟
骨を包埋させ、前記マトリックス表面を、前記油脂とは
融点が異なる他の脂質類で更にコーティングしてなる腫
瘍新生血管阻害物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗癌作用及び鎮痛
作用に優れた腫瘍新生血管阻害物質、これを含有する医
薬組成物及び癌治療方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サメ(鮫)は軟骨魚綱に属する魚で、陸
部近郊に生息している。サメの骨格は軟骨であり、サメ
を捕獲、屠殺しその軟骨を取得して製するサメ軟骨は、
腫瘍抑制効果を有し、癌治療に有効であることが知られ
ており、例えば、米国産サメ軟骨製品であるカーティレ
イドは、抗腫瘍物質として市販されている。
【0003】腫瘍は、1〜2mm3 程度の大きさになる
と新生血管促進物質を産生し、腫瘍自身の増殖に必要な
栄養と酸素とを供給するようになる。この新生血管の増
殖を抑制することが腫瘍細胞の肥大化を抑制し癌治療に
有効であるところから、新生血管の阻害作用物質につい
ての種々の研究が行われているが、サメ軟骨にこの新生
血管を阻害する作用があることが判っている。
【0004】しかしながら、サメ軟骨は、その新生血管
阻害のための有効量が1日当たり50〜60gと極めて
多量であり、味、臭いとも不快であって経口投与が困難
な場合が多かった。サメ軟骨はムコ多糖類の混合物であ
って、経口投与による以外に適切な投与方法がなく、経
口投与時には強酸性である胃内では溶解せずに吸収部位
である腸において溶解する性質を有する必要があった。
また、癌患者の多くは衰弱が激しく経口投与が困難であ
る場合が多いので、このような味、臭い、及び、投与量
の問題を解決しなければ、サメ軟骨を有効でかつ汎用性
の高い抗癌剤として適用することができない状況であっ
た。そこで、サメ軟骨を有効な腫瘍新生血管阻害物質と
して活用することが強く求められていた。
【0005】ところで、インターロイキン12(IL−
12)は、初め、NK細胞の活性作用を有するサイトカ
インの一つとして発見されたものであるが、その後の研
究により、腫瘍細胞に対して特異的な細胞障害活性を有
するT細胞(キラーT細胞)の増殖作用及び活性作用を
有することが判明し、更には、キラーT細胞の活性化を
促す作用を有するインターフェロンγ(IFNγ)の産
生増強作用を有することが認められるに至り、ヒト癌患
者の治療に有用な物質として注目されている。
【0006】IL−12については、最近、米国におい
て、遺伝子操作により大量に生産されることに成功した
(レコンビナントIL−12(rt−IL−12))。
その後、IL−12を、癌細胞に直接投与する目的で、
このインターロイキン12産生遺伝子を癌細胞に遺伝子
導入手法により、直接導入する方法も試行されている。
【0007】IL−12を活用して腫瘍の増殖喪失又は
消失を図るためには、IL−12を外部から投与する方
法のほか、生体内に自己のIL−12を誘導せしめる方
法がある。このような自己IL−12は、異常な免疫反
応が生じるおそれがない等の利点をも有し、感受性の高
いものであるので、多大の腫瘍喪失消失効果が期待され
るものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の現状に鑑み、本
発明は、腫瘍新生血管阻害物質としてのサメ軟骨を抗癌
剤として有効に投与することができる医薬組成物を提供
することを目的とするものである。本発明の目的は、更
に、このような腫瘍新生血管阻害物質とIL−12誘導
物質とを併用して極めて有用な抗癌作用剤を提供するこ
とにもある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、油脂マトリッ
クス内に微粉末状のサメ軟骨を包埋させ、前記マトリッ
クス表面を、前記油脂とは融点が異なる他の脂質類で更
にコーティングしてなることを特徴とする腫瘍新生血管
阻害物質である。以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明の腫瘍新生血管阻害物質の主成分で
あるサメ軟骨は、微粉末状でなければならない。本明細
書において、微粉末状とは、その粒径が1〜90μmで
あることを意味する。このような微粉末状サメ軟骨を得
るためには、例えば、市販のサメ軟骨を微粉末化するこ
とが好ましい。上記微粉末化は、サメ軟骨中の有効成分
である蛋白質等が60℃を超えると熱変性して効力を失
うことから低温下に行うことが必要である。上記低温下
での微粉末化は、例えば、サメ軟骨を−196℃の液体
窒素で瞬間冷凍した後、オリエントミル等のカッター式
粉砕機を用いて粗粉砕し、次に、冷凍状態のままインペ
ラールミル等の高速ローター型粉砕機で粉砕し、更に、
ジェットミル等の気流式粉砕機にかけることにより行う
ことができる。
【0011】本発明の腫瘍新生血管阻害物質の調製にあ
たっては、油脂マトリックス内に上記微粉末状サメ軟骨
を包埋させる。上記油脂マトリックスを構成する油脂と
しては、医薬用として通常用いられているものであれば
特に限定されず、例えば、大豆油、ナタネ油、パーム
油、コーン油、綿実油等の植物硬化油;牛脂、豚脂、魚
油等の動物硬化油;これらの混合物等のうちから適宜選
択することができる。なかでも、融点が42〜56℃の
油脂が好ましい。また、場合によっては、ビタミンE、
カテキン等の抗酸化剤を併用してもよい。
【0012】上記微粉末状のサメ軟骨を上記油脂をマト
リックスとして包埋させる方法としては特に限定され
ず、例えば、溶解させた上記油脂と微粉末状サメ軟骨と
を混合しながら高速攪拌造粒機内において造粒させるこ
とにより包埋させることができる。
【0013】上記のようにして製造した微粉末状サメ軟
骨包埋油脂マトリックスは、次に、上記油脂とは融点が
異なる他の脂質類で、その表面を更にコーティングす
る。本発明の脂質類としては、先に油脂マトリックスを
作製するために用いた油脂とは融点が異なるもの、通常
は融点が高いものを選択すれば良い。具体的には、例え
ば、カルナバロウ、ライスワックス、ミツロウ等のワッ
クス類、動植物硬化油類、ステアリン酸、パルミチン酸
等の脂肪酸類、シェラックのような天然樹脂類、パルミ
チルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコ
ール類等を挙げることができる。また、上記コーティン
グにあたっては、例えば、パウダーコーティング法等の
方法を用いることができる。
【0014】本発明の腫瘍新生血管阻害物質を調製する
にあたっては、上記のほか、例えば、あらかじめ溶融さ
せた油脂中に上記微粉末状サメ軟骨を分散させて、スプ
レークーリングした後、転動造粒機内で、上記油脂とは
融点が異なる他の脂質類の微粉末状のものをコーティン
グする方法等を採用することもできる。
【0015】上記のようにして調製した本発明の腫瘍新
生血管阻害物質は、サメ軟骨を主成分とし、しかも、味
と臭いとが完全にマスキングされることによって経口投
与における困難性を完全に払拭することができる。ま
た、調製された腫瘍新生血管阻害物質の表面における摩
擦が低減することにより、流動性が向上しており、付着
力が低下して経口投与に極めて適切な製剤とすることが
できる。更に、胃内における強酸性状況では溶解せず、
吸収部位である腸において溶解するようにすることがで
きる。
【0016】本発明の微粉末状サメ軟骨は、粒径32μ
m以下のものが99.5重量%以上を占めるものであ
る。後に実施例で詳述するように、本発明の微粉末状サ
メ軟骨の粒径は、その効果に極めて大きな影響を有して
おり、粒径が大きすぎると、腫瘍新生血管阻害作用が低
下する。サメ軟骨の粒径を揃える方法としては、微粉末
状サメ軟骨を、例えば、所望のメッシュのフルイに通過
させる方法等を挙げることができる。
【0017】本発明に用いるサメ軟骨の原料となるサメ
の種類は限定されないが、特にヨシキリザメから取得さ
れるサメ軟骨が好ましい。ヨシキリザメから取得される
サメ軟骨は、含有されている有効成分である蛋白質、ム
コ多糖類が多く、特に良好である。なお、米国産のカー
ティレイドは、多種類のサメを原料として混合して製造
するものであるので、ロットによって製品にバラツキが
見られ、その効果も低いことが欠点となっている。
【0018】本発明の腫瘍新生血管阻害物質は、単に腫
瘍新生血管阻害作用を有するばかりではなく、確実な鎮
痛作用を有することが判っている。癌患者は、特に末期
癌の場合には、激しい疼痛を伴うことが通常である。従
って、疼痛を有する癌患者に本発明の腫瘍新生血管阻害
物質を抗癌剤として投与した場合、その抗癌作用と鎮痛
作用とが相乗効果を現して極めて有効な治療効果を得る
ことができる。
【0019】本発明の腫瘍新生血管阻害物質が、いかに
してその腫瘍新生血管阻害効果を発現するかについて検
討したところ、以下の実施例で詳述するように、apo
ptosisによるものであることが示唆されている。
【0020】本発明の腫瘍新生血管阻害物質は、抗癌剤
として極めて有用であるが、鎮痛効果をも有しているこ
とから、他の医薬用途として活用することができるの
で、本発明の腫瘍新生血管阻害物質を含有する医薬組成
物もまた、本発明の一つである。更に、本発明の腫瘍新
生血管阻害物質を、その腫瘍新生血管阻害効果を発現す
ることができる量だけ、投与することにより抗癌治療を
行う方法もまた、本発明の範囲に含まれるものである。
【0021】本発明の医薬組成物は、腫瘍新生血管阻害
物質とインターロイキン12誘導物質とを含有すること
を特徴とするものである。上記医薬組成物は、第二の本
発明を構成するものである。以下に、第二の本発明につ
いて詳述する。
【0022】本明細書において、「インターロイキン1
2誘導物質」という語は、単に生体内にインターロイキ
ン12(IL−12)を誘導しうる物質のみを意味する
ものではなく、IL−12そのものであっても良いし、
IL−12遺伝子導入癌細胞であっても良いし、rt−
IL−12であっても良く、要するに、生体内にIL−
12が生じるものであれば特に限定されるものではな
い。このようなものとして、例えば、活性化ヘミセルロ
ース(Active Hemi Cellulose
Compound(AHCC))等を挙げることができ
る。AHCCは、キノコの菌糸の細胞壁に含まれる植物
繊維を酵素処理した生理活性物質として既に公知の物質
であり、β−(1→3)D−グルカン、β−(1→6)
D−グルカンのほか、α−(1→4)D−グルカン等の
ヘテログルカン、ペプチドグルカン、プロテオグルカ
ン、レクチン、核酸、不消化性多糖等を含有するもので
ある。
【0023】本発明のIL−12誘導物質は、上記AH
CCのほか、キノコ菌糸体成分等を挙げることができ
る。上記キノコ菌糸体成分としては特に限定されず、例
えば、公知の抗癌剤として使用されているサルノコシカ
ケの菌糸体成分であるPSK、スエヒロタケの菌糸体成
分であるSPG、シイタケの菌糸体成分であるレンチナ
ン等を挙げることができる。また、このようなキノコ菌
糸体成分としては、更に、例えば、アガリスク、霊芝、
ニンギョータケ、カワリハラタケ、ニオウシメジ、カベ
ノアナタケ、マイタケ、ヤマブシタケ、ヒラタケ、マン
ネンタケ、ムキタケ、コブタケ、カイガラタケ、マツタ
ケ、ヒラタケ、ベッコウタケ、ナメタケ、エノキダケ等
のキノコ類菌糸体成分を挙げることができる。
【0024】本発明のIL−12誘導物質としては、更
に、溶連菌の菌体成分等を挙げることができる。このよ
うな溶連菌の菌体成分としては特に限定されず、例え
ば、OK−432等の公知の抗癌剤等を挙げることがで
きる。これらは、生物学的活性化物質(Biorogi
cal responsemodifier(BR
M))として、既に公知の物質である。
【0025】上記IL−12誘導物質は、キラーT細胞
の活性化を促す作用を有する。従って、上記IL−12
誘導物質によって、生体内キラーT細胞が活性化する。
一方、上に詳述した腫瘍新生血管阻害物質は、癌細胞
(腫瘍細胞)の新生血管の増殖を抑制する。新生血管の
増殖を抑制された腫瘍細胞は、その阻血によるストレス
により腫瘍表面に、Fas抗原、CD80、CD86等
の接着因子を発現する。キラーT細胞は、このようなF
as抗原、CD80、CD86等の接着因子を抗原認識
する能力を有しているので、発現したこれら接着因子は
キラーT細胞により容易に認識されうる状態となる。そ
して、このように容易に認識されるように変化した腫瘍
細胞は、キラーT細胞に容易に攻撃されやすくなること
となる。このような状態において、上記IL−12誘導
物質が存在すれば、単にIL−12誘導物質のみの作用
によるのと比較して格別顕著に腫瘍細胞を攻撃しやすく
なる。本発明の腫瘍新生血管阻害物質とIL−12誘導
物質との相乗効果は、上記メカニズムに従って行われ、
そのことにより、強力な抗癌作用が発現し、そして、a
poptosisが起こって腫瘍細胞が破壊されてゆく
こととなる。このことは、本発明者によって初めて見い
だされたものである。
【0026】本発明の医薬組成物をヒト又は動物に投与
する場合の形態としては特に限定されず、例えば、担体
に担持させて種々の医薬品に用いられる剤型として、適
宜適用することができる。このような担体としては、固
形、半固形、又は液状の希釈剤、充填剤、及びその他の
処方用の助剤一種以上が、例えば、0.1%〜99.5
%、好ましくは0.5〜90%の割合で用いられる。本
発明医薬組成物は、経口的又は非経口的に安全に投与す
ることができる。非経口の投与形態として、例えば、組
織内投与等の局所投与、皮下投与、筋肉内投与、動・静
脈内投与、経直腸投与等が挙げられる。周知慣用の技術
手段を用いてこれらの投与方法に適した製剤型を調製す
ればよい。
【0027】例えば、抗癌剤としての投与量は、患者の
年齢、体重、投与経路、疾病の種類や程度等を考慮した
上で設定することが望ましいが、ヒトへの投与の場合、
通常は、成人に対して有効成分量として、経口的に1〜
10g/日、好ましくは5〜6g/日で投与するのが一
般的である。また、非経口的には、投与経路により大き
く異なるが、通常、100〜10000mg/日、好ま
しくは2〜5g/日の範囲で投与すればよい。場合によ
っては、これ以下で充分であるし、また逆にこれ以上の
用量を必要とすることもある。また1日2〜4回に分割
して投与することもできる。
【0028】経口投与は、固形又は液状の用量単位、例
えば、末剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、シロッ
プ剤、エリキシル剤又は懸濁剤その他の剤型によって行
うことができる。
【0029】末剤は、活性物質を適当な細かさにするこ
とにより製造される。散剤は活性物質を適当な細かさと
し、ついで同様に細かくした医薬用担体、例えば澱粉、
マンニトールのような可食性炭水化物その他賦形剤と混
合することにより製造される。必要に応じ嬌味剤、保存
剤、分散剤、着色剤、香料その他のものを混じてもよ
い。
【0030】カプセル剤は、まず上述のようにして粉末
状にした末剤や散剤又は錠剤を顆粒化したものを、例え
ばゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の中へ充填す
ることにより製造される。また、充填前に滑沢剤や流動
化剤、例えばコロイド状のシリカ、タルク、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリ
エチレングリコール等を任意に混合しておいてもよい。
崩壊剤や可溶化剤、例えばカルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度
ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナ
トリウム、カルボキシスターチナトリウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸ナトリウム等を添加すれば、カプセル剤が摂
取されたときの医薬の有効性を改善することができる。
【0031】また、本品の微粉末を植物油、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散
し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とする
ことができる。
【0032】顆粒剤は、粉末状にした活性物質と上述の
賦形剤や崩壊剤を混合したものに、必要に応じ結合剤
(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアルコール等)、及び、湿潤
剤(例えばシロップ、澱粉糊、アラビアゴム、セルロー
ス溶液又は高分子物質溶液等)を加えて練合し、ついで
篩を強制通過させて調製することができる。このように
粉末を顆粒化するかわりに、まず打錠機にかけたのち、
得られる不完全な形態のスラグを破砕して顆粒にするこ
ともできる。あらかじめ溶解遅延化剤(例えば、パラフ
ィン、ワックス、硬化ヒマシ油等)、再吸収剤(例え
ば、四級塩等)又は吸着剤(例えばベントナイト、カオ
リン、リン酸ジカルシウム等)等を混合しておいてもよ
い。
【0033】錠剤は、このようにして作られる顆粒剤
に、滑沢剤としてステアリン酸、ステアリン酸塩、タル
ク、ミネラルオイルその他を添加し打錠することにより
調製することができる。こうして製造した素錠に更にフ
ィルムコーティングや糖衣を施してもよい。
【0034】本発明の活性成分は、上述のように顆粒化
やスラグ化の工程を経ることなく、流動性の不活性担体
と混合した後直接打錠してもよい。シェラックの密閉被
膜からなる透明又は半透明の保護被覆、糖や高分子材料
の被覆、及び、ワックスよりなる磨上被覆等も用いるこ
とができる。
【0035】他の経口投与剤型、例えばシロップ剤、エ
リキシル剤及び懸濁剤等もまたその一定量が薬物の一定
量を含有するように用量単位形態にすることができる。
シロップ剤は、活性物質を適当な香味水溶液に溶解して
製造され、またエリキシル剤は非毒性のアルコール性担
体を用いることにより製造される。懸濁剤は、活性物質
を非毒性担体中に分散させることにより処方される。懸
濁化剤や乳化剤(例えば、エトキシ化されたイソステア
リルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールエ
ステル類)、保存剤、嬌味剤(例えば、ペパミント油、
サッカリン)その他もまた任意に添加することができ
る。
【0036】必要に応じて、経口投与のための用量単位
処方はマイクロカプセル化してもよい。この処方はまた
被覆をしたり、高分子・ワックス等の中に活性物質を埋
めこんだりすることにより作用時間の延長や持続放出を
もたらすこともできる。
【0037】皮下、筋肉内又は動・静脈内投与は、液状
用量単位形態、例えば溶液や懸濁液の形態の注射剤とす
ることによって行うことができる。これらのものは、活
性物質の一定量を、注射の目的に適合する非毒性の液状
担体、例えば水性や油性の溶剤に溶解又は懸濁し、つい
でこの溶液又は懸濁液を滅菌することにより製造され
る。また、粉末又は凍結乾燥した活性物質の一定量をバ
イアルにとり、その後バイアルとその内容物を滅菌し密
閉してもよい。この場合、投与直前に溶解又は混合する
ために、予備的なバイアルや担体を準備しておいてもよ
い。注射液を等張にするために非毒性の塩や塩溶液を添
加してもよく、さらに安定化剤、保存剤、懸濁化剤及び
乳化剤等を併用することもできる。
【0038】経直腸投与剤型は、疎水性又は親水性の坐
剤基剤、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高
級エステル類(例えばパルミチン酸ミリスチルエステ
ル)及びそれらの混合物に活性物質を練合することによ
って調製することができる。
【0039】
【実施例】以下に本発明の製造例及び実施例を掲げて本
発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限
定されるものではない。 製造例1 サメ軟骨の油脂マトリックス被覆製剤の製造 高速攪拌造粒機(ハイスピードミキサー:深江工業社
製)に、平均粒径が27μmである微粉状サメ軟骨60
重量部を仕込み、機内温度を10℃に保ち、20〜10
0rpmの攪拌をかけながら、溶融した牛脂硬化油(融
点48℃)10重量部を噴霧した。溶融油脂は、微粉状
サメ軟骨を取り込みながらマトリックスを形成したが、
この段階では表面にサメ軟骨が露出していて、充分な被
覆性能が得られないので、更に、この一次マトリックス
の表面に融点の異なる脂質類として、平均粒径5μmの
微粉状ナタネ硬化油(融点68℃)30重量部を同一攪
拌機造粒機内において攪拌速度約1000rpmで30
分間攪拌し、配位、展着させることにより、耐酸性及び
徐放性を有する良好な油脂マトリックス被覆製剤を調製
した。
【0040】実施例1 マウスによる腫瘍新生血管抑制
作用試験(サメ軟骨粒径の評価) ドーサル・エア・サック(dorsal air sa
c)法により試験した。径5mmのプラスチックリング
の両面に、ミリポアフィルターをはり、その中に1×1
6 個のMH−134腫瘍細胞を培養液とともに注入し
てチャンバーを作成した。マウスを1群6匹に分け、マ
ウス背部皮下にこのチャンバーを挿入した。4つの群の
マウスに、4日間、下記に示すサメ軟骨を1000mg
/kg経口投与し、5日めに新生血管の阻害程度を評価
した。もう1つの群には、コントロールとしてサメ軟骨
を全く投与せずに経過させて5日めに同様に阻害程度を
評価した。腫瘍からの新生血管促進物質がミリポアフィ
ルターを透過するごとにチャンバーに接した面に新生血
管が増生して観察される。この腫瘍の新生血管はラセン
状を呈している。この新生血管の増生の阻害程度を、以
下の評価基準に従って評価した。 (++)3点:新生血管の増生が著明である (+)2点:新生血管が増生している (±)1点:新生血管がやや増生している (−)0点:新生血管の増生が全く認められない また、抑制率は、コントロール群に対するスコアの減少
率(%)で表した。
【0041】サメ軟骨(1):サメ軟骨の原料として、
米国産サメ軟骨製品であるカーティレイドを用い、この
ものを液体窒素(−196℃)で瞬間冷凍し、カッター
式粉砕機(オリエントミル)で粗粉砕した。次に冷凍状
態のまま、高速ローター型粉砕機(インペラールミル)
にて粉砕し、最後に気流式粉砕機(ジェットミル)にて
更に粉砕して取得し、採用した。 サメ軟骨(2):上記のサメ軟骨(1)を32μmのフ
ルイにかけて通過しなかったものを採用した。 サメ軟骨(3):上記のサメ軟骨(1)を32μmのフ
ルイにかけて通過したものを採用した。結果を、表1に
示した。
【0042】
【表1】
【0043】以上の結果から、サメ軟骨のうちでも、3
2μmのフルイを通過する程度の粒径を有したサメ軟骨
粉砕粉末が新生血管阻害作用が高いことが判った。
【0044】実施例2 マウスによる腫瘍新生血管抑制
作用試験(カーティレイドとベターシャークとの比較) 実施例1と同様にドーサル・エア・サック法を用いて米
国産サメ軟骨であるカーティレイドとヨシキリザメのサ
メ軟骨(ベターシャーク)との比較検討をした。結果を
表2に示した。カーティレイドでは、100mg/kg
投与群で抑制率(コントロール群に対する点数の低下
%)は、3.6%であったが、1000mg/kg投与
群では、抑制率が、21.4%であり、有意差(P<
0.05)が認められた。これに対して、ベターシャー
クでは、100mg/kg投与群で抑制率が17.9%
であり、有意差(P<0.05)が認められ、1000
mg/kg投与群で抑制率が35.7%と最も高い値を
示し、有意差(P<0.002)が認められた。また、
カーティレイドとベターシャークとの間でも、有意差が
認められた(P<0.05)。
【0045】
【表2】
【0046】以上の結果から、サメ軟骨のうちでも、カ
ーティレイドよりもベターシャークがより腫瘍新生血管
阻害活性が高いことが判った。
【0047】実施例3 マウスによる腫瘍増加抑制試験
(ベターシャークの効果発現量測定試験) 腫瘍細胞(Sarcoma−180)の1×106 個を
ICRマウス(雄、6週齡)を1群10匹で3群の背部
皮下に移植し、その直後から、カーティレイド(米国
産)を1000mg/kgで1日1回連続20日間経口
投与した群、ベターシャーク(ただし、粒径を32μm
以下に揃えたものであって、pH2において、3時間静
置しても安定であったもの)を同量同期間投与した群、
及び、何も投与しないで20日間飼育した群の3群を試
験に供して、25日経過後に屠殺して腫瘍重量を計測し
た。結果を表3に示した。抑制率は、コントロール群に
対する重量の減少率(%)で示した。カーティレイド投
与群では、コントロール群に対して、11.1%の抑制
率であったのに対して、ベターシャーク投与群では、4
7.0%で有意差(P<0.001)が認められた。ま
たカーティレイドとベターシャークとの比較でも、ベタ
ーシャークの方が、より強い抗腫瘍作用を有することが
判った(P<0.05)。
【0048】
【表3】
【0049】以上の結果から、ベターシャーク(粒径3
2μm以下)を用いた場合には、臨床においては、1日
20g/bodyでも充分の有効性が認められるものと
推察することができた。
【0050】実施例4 マウスによる鎮痛効果試験 ベターシャークの鎮痛効果を、酢酸ライシング(Wri
thing)で検討した。ICRマウス(雄、5週齡)
を1群10匹で5群に分け、各被検検体を各群に以下の
ように投与し、40日経過後に、2%酢酸を腹腔内に投
与して、酢酸投与後、10日〜20日の間にマウスが振
り返り反射を起こした回数を計測した。被検検体は、投
与後連日計測が終わるまで投与を続けた。カーティレイ
ド投与群は、カーティレイドを1日当たり1000mg
/kg経口投与、ベターシャーク投与群は、ベターシャ
ークを1日当たり1000mg/kg経口投与、ベター
シャーク投与群は、インダシン投与群は、インダシン
(非ステロイド系鎮痛剤。市販品)を1日当たり25m
g/kg経口投与、コンドロイチン硫酸投与群は、コン
ドロイチン硫酸(市販品)を1日当たり333mg/k
g経口投与、コントロール群は、何も投与しないで飼育
したものであった。抑制率は、コントロール群に対する
回数減少率(%)で表した。結果を、表4に示した。鎮
痛効果においても、ベターシャークの優位性が示され
た。
【0051】
【表4】
【0052】実施例5 ベターシャーク製剤投与の臨床
例による免疫学的特異抗原の発現 ヒト(男性、80歳)は上腹部不快感を訴え、胃内視鏡
で胃角上部位にIIc進行型の胃癌(印鑑細胞癌)があ
ると診断された。生検材料を電子顕微鏡、組織生検(免
疫学的検討)に用いた。心筋梗塞があるため、手術不能
であった。実施例1で用いたサメ軟骨(3)(以下、実
施例5において「ベータシャーク」という)を、上記の
患者に対して、1日20g経口連日投与した。電子顕微
鏡所見と免疫学的特殊染色所見(第1回の胃内視鏡)
は、ベターシャーク投与前では、通常の癌細胞の一般的
所見のみでapoptosisを示す所見は極めて軽度
であり、Fas抗原(特殊染色)の接着因子(蛍光抗体
法)も認められず、HSP60(ストレス蛋白、hea
t shock protein 蛍光抗体法)の発現
も認められなかった。第1回内視鏡から2カ月半経過し
た後の胃内視鏡では、癌の周辺は一見正常粘膜で覆われ
ているような所見で、周囲の癌の隆起も平坦になりつつ
あった。第2回の生検における電子顕微鏡所見は、細胞
膜と細胞質に特別の変化が認められないのに対して、癌
細胞の核のくびれ分裂が明らかとなり、apoptot
ic bodyが認められた。即ち、癌細胞におけるa
poptosisを示す陽性所見が認められた。
【0053】この時期の生体組織において免疫学的特殊
染色を行った。抗HSP60抗体、抗CD80抗体、抗
CD86抗体、更には抗Fas抗体を用いて癌細胞を検
討した。ベターシャーク製剤投与でFas抗原が陽性と
なり、更にHSP60及びCD80とCD86の接着因
子が陽性となった。第3回(第1回から約5カ月後)の
胃内視鏡で胃角上部の癌は完全に消失していた。胃癌が
あった部位の生検では、いずれも癌細胞は陰性であっ
た。
【0054】以上の所見をまとめると、ベターシャーク
製剤投与前に認められていないFas抗原、HSP60
抗原、CD80とCD86の接着因子が、ベターシャー
ク製剤投与後2カ月半でいずれも陽性となった。その
後、第3回の胃内視鏡で癌が完全に消失していた。この
現象は、ベターシャーク製剤投与により腫瘍の血流が阻
害されたため、ストレス蛋白(HSP60)が発現し、
Fas抗原、CD80とCD86の接着因子が陽性とな
ったと考えられ、その後第3回の内視鏡で腫瘍が完全腿
縮していることが証明された。
【0055】腫瘍免疫学の研究から、腫瘍の退縮には、
necrosis(壊孔)とapoptosisの2種
類があることが判っていた。necrosisは、非特
異的免疫が作用して炎症等の要因で腫瘍が消失する現象
であり、細胞膜、細胞質ついで核の変性の順で腫瘍細胞
が破壊される。このnecrosisの場合は、組織学
的には、好中球、マクロファージ、線繊維芽細胞等が浸
潤した後、石灰化、繊維化が起こり癌が消失する。その
結果、局所には痕跡が残る。
【0056】一方、apoptosisで腫瘍が消失す
る場合は、全く炎症は起こらずに痕跡が認められずに正
常組織に置き変わっている。この場合は、キラーT細胞
が腫瘍細胞の表面のFas抗原を認識して接着し、同時
にCD80及び/又はCD86等の接着因子の共同作用
でapoptosisを誘導することが判っている。ま
ず核の変性(核の分裂と核小体(apoptotic
body))が起こってから細胞質と細胞膜とがマクロ
ファージによって喰食される。従って痕跡が残らない。
ベターシャーク製剤投与例は、いずれの症例でも癌の消
失部位に石灰化繊維化等の炎症残存所見が認められてい
ないことから、apoptosisによる癌の消失が示
唆された。また、極めて短期間(1カ月〜1カ月半)で
癌が消失していることが明らかであった。
【0057】実施例6 マウスによる免疫学的特異性試
験 Sarcoma180腫瘍細胞をマウス背部に移植し、
TNP470(武田薬品工業社製)を10mg腹腔内投
与した群、ベターシャーク1000mg/kgを経口投
与した群、及び、アンジオスタチン(化学及血清療法研
究所製)を24μg腹腔内投与した群、について、何も
投与していないコントロール群との対比により腫瘍の発
育抑制効果を検討した。いずれの群も、コントロール群
に比較して2週め及び3週めで有意差(P<0.05)
をもって腫瘍増殖を抑制していることが判った。この時
期の腫瘍組織において、HSP60、Fas抗原、CD
80及びCD86の発現を免疫組織学的に検討した。そ
の結果、HSP60、Fas抗原、CD80及びCD8
6の発現が有意に増加していた。
【0058】一方、T細胞欠損マウスであるヌードマウ
スを用いて上記と同様の実験を行ったところ、ある程度
の腫瘍増殖抑制効果を認めたが有意差はなかった。腫瘍
組織の免疫組織学的検討では、HSP60、Fas抗
原、CD80及びCD86の発現は陽性であった。しか
し、apoptosisの所見は認められなかった。
【0059】以上の結果から、新生血管阻害剤の抗腫瘍
作用は単なる腫瘍に対する阻血のみによるものではな
く、腫瘍の阻血状態におけるストレス蛋白の発現、又
は、Fas抗原、CD80、CD86等の質的量的な発
現の変化をキラーT細胞が認識して、抗腫瘍作用を発揮
し、apoptosisが誘導されたものであると考え
られた。
【0060】実施例7〜10 AHCCとベータシャー
クとの併用投与例 表5に示す癌罹患ヒトについて、AHCCを3.0g/
日の用量で連日投与すると同時に、ベータシャークを2
0g/日の用量で経口投与により連日投与した。3カ月
投与した後、治療判定とNK活性、IL−12数値及び
CD4/CD8の値を測定した。実施例7及び実施例1
0においては、いずれも50%以上の腫瘍の縮小を認め
た。しかし、NK活性は、いずれも正常値であり活性が
亢進していないことが判った。実施例7〜10のいずれ
においても、IL−12値は、正常範囲をはるかに超え
て高い値を示した。腫瘍の縮小には、IL−12が関与
していることが推察できた。なお、表5中、CD4は、
ヘルパーT細胞、CD8は、キラーT細胞を表す。CD
4/CD8の値は、キラーT細胞の増量の度合いを表
し、1以下であれば、キラーT細胞が増量していること
を表す。正常値は、1.0〜1.5である。
【0061】
【表5】
【0062】
【発明の効果】本発明の腫瘍新生血管阻害物質は、サメ
軟骨の不快な味、臭いを消失させ、耐酸性かつ腸溶性で
あり経口投与に利便性があり、そのうえ確実な抗癌作用
と鎮痛作用とを併せ有するので医薬組成物として極めて
有用である。本発明の腫瘍新生血管阻害物質とインター
ロイキン12誘導物質との併用は、極めて高い抗癌活性
を示すので、医薬組成物として極めて有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂マトリックス内に微粉末状のサメ軟
    骨を包埋させ、前記マトリックス表面を、前記油脂とは
    融点が異なる他の脂質類で更にコーティングしてなるこ
    とを特徴とする腫瘍新生血管阻害物質。
  2. 【請求項2】 微粉末状のサメ軟骨からなる腫瘍新生血
    管阻害物質であって、前記微粉末状のサメ軟骨は、粒径
    32μm以下のものが99.5重量%以上を占めるもの
    である腫瘍新生血管阻害物質。
  3. 【請求項3】 サメ軟骨が、ヨシキリザメを原料とする
    ものである請求項1又は2記載の腫瘍新生血管阻害物
    質。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の腫瘍新生血管
    阻害物質を主成分とすることを特徴とする医薬組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の腫瘍新生血管
    阻害物質を主成分とすることを特徴とする抗癌剤。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3記載の腫瘍新生血管
    阻害物質を、腫瘍新生血管を阻害するのに充分な量投与
    することを特徴とする癌治療方法。
  7. 【請求項7】 腫瘍新生血管阻害物質とインターロイキ
    ン12誘導物質とを含有することを特徴とする医薬組成
    物。
  8. 【請求項8】 腫瘍新生血管阻害物質とインターロイキ
    ン12誘導物質とを含有することを特徴とする抗癌剤。
  9. 【請求項9】 腫瘍新生血管阻害物質とインターロイキ
    ン12誘導物質とを併用することを特徴とする癌治療方
    法。
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