JPH10146949A - 製版装置 - Google Patents

製版装置

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JPH10146949A
JPH10146949A JP30901796A JP30901796A JPH10146949A JP H10146949 A JPH10146949 A JP H10146949A JP 30901796 A JP30901796 A JP 30901796A JP 30901796 A JP30901796 A JP 30901796A JP H10146949 A JPH10146949 A JP H10146949A
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light source
stamp
light
plate
ink
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JP30901796A
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Inventor
Mitsunobu Suda
光信 須田
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製版作業に際して原稿シートとスタンプ用基
板とに照射する光源体の駆動手段を簡素化する。 【解決手段】 製版装置におけるケース2上面の透明板
3の上に、画線部を有する光透過性の原稿シートと、カ
ーボンブラックを分散させて含有し、且つ連続気泡を有
してスタンプインキが含浸可能な発泡樹脂材製のスタン
プ用基板とを重ねて、その上から押圧蓋体6にて押圧す
る一方、ケース2内には、大径駆動プーリ13及び大径
従動プーリ16に巻掛けたタイミングベルト12と、小
径駆動プーリ14及び小径従動プーリ17に巻掛けたタ
イミングベルト14とに光反射体32の裏面を固定し、
光反射体32の内径に配置した線状の光源体30が透明
板3の下方にて点灯しながら一周移動する循環経路を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続気泡を有し、
スタンプインキが含浸可能な多孔性シートと所望の画線
部を有する光透過性の原稿シートとを重ねて原稿シート
側から光照射することにより、多孔性シートの表面に前
記画線部に対するインキ滲出部と非画線部に対するイン
キ非滲出部とを形成するための製版装置の構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハガキ等の印刷媒体に絵、文
字等の所望の印像を印刷するためには、スタンプ等の各
種印刷装置が利用されている。このうち、特開平7−2
85258号公報では連続気泡を有してスタンプインキ
を含浸可能なシートの表面に、所望の印影原稿の鏡像と
なるインキ滲出部と、連続気泡を塞いだインキ非滲出部
とからなる印面を形成した印版を使用し、その印版のイ
ンキ滲出部に複数色のインキを直接吸入させ、この印版
表面にハガキ等の印刷媒体を押しつけて印刷するという
多色スタンプの製造方法が提案されている。
【0003】前記公報において、所定の印影原稿の鏡像
となるインキ滲出部と、連続気泡を塞いだインキ非滲出
部とからなる印面を形成した印版を製造(製版)する第
1の方法として、連続気泡を有してスタンプインキ含浸
可能な素材シート(多孔性シート)の表面に熱転写用シ
ートを重ね、その上に所望の印影を有する原稿シートを
鏡像となるように重ね、該素材シートを圧縮した状態で
原稿シートの上方より赤外線を含む閃光を照射すること
より、素材シートの表面に熱転写性インキの転写部と非
転写部とを形成し、転写部がインキ非滲出部となり、非
転写部がインキ滲出部となる印面を有するようにするこ
とが開示されている。
【0004】また第2の方法としては、連続気泡を有し
てスタンプインキ含浸可能な素材シートの表面に、カー
ボン及び高分子物質からなる群から選ばれた少なくとも
1種からなる加熱板を重ね、さらに、吸液性不透明シー
トからなる所望の印影を有する原稿シートに難揮発物質
を浸透させて印影原稿像が鏡像となるように重ね、次に
原稿シート側より赤外線を含む閃光を照射することによ
り、印影原稿像以外の部分に対応する加熱板が発熱して
素材シートの表面を溶融してインキ非滲出部となり、一
方、印影原稿像に対応する素材シートの表面は溶融しな
いでインキ滲出部となる印面を有するようにすることが
開示されている。
【0005】これらの製版方法においては、光照射側
に、アクリル透明板等の支持板上に原稿シートを載置
し、次いで、その上に熱転写用シートや加熱板を重ね、
さらにその上に素材シートを重ねて、その上方を押圧板
により押圧力を掛けた状態にして、前記支持板側からフ
ラッシュバルブにて閃光を発射するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記フ
ラッシュバルブは一回限りの閃光にて交換しなければな
らない消耗品であり、製版のためのランニングコストが
非常に高くなるという欠点がある。これに代えて、前記
支持板の下面側にて進行方向と直交する方向に長いハロ
ゲンランプを直線的に移動させることが考えられたが、
この場合、ハロゲンランプを直線経路に沿って所定距離
だけ移動させた後停止させるので、ハロゲンランプの駆
動手段は正逆回転可能に構成する必要があり、また、一
回の直線的な移動にて製版を完了するには、ハロゲンラ
ンプの長手寸法は、スタンプ用基板の幅方向寸法より長
くする必要があって、いずれも製版装置のコストが高く
なる原因となっていた。
【0007】本発明はこの従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであって、製版装置のコスト及びラ
ンニングコストの低い製版装置を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の製版装置は、連続気泡を有
してスタンプインキが含浸可能な多孔性シートからなる
スタンプ用基板と、所望の画線部を有する光透過性の原
稿シートとを透明板上に重ねて押圧した状態にて、透明
板側から光照射することにより、スタンプ用基板の表面
に前記画線部に対するインキ滲出部と非画線部に対する
インキ非滲出部とを形成するためのスタンプ製版装置に
おいて、前記透明板の下方には、光源体を透明板とほぼ
平行状にて循環経路に沿って一方向に移動させるための
駆動手段を配置し、前記循環経路のうち光源体がほぼ直
線状に移動する往復経路上にわたって前記原稿シートと
スタンプ用基板とを配置したものである。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の製版装置において、前記直線状の往復経路は、
前記透明板上に載置するスタンプ用基板の長手方向に沿
うように形成し、前記循環経路の進行方向に対して交差
する方向に長手の光源体は前記スタンプ用基板の幅方向
のほぼ半分の長さに設定したものである。そして、請求
項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の
製版装置において、前記光源体には、前記透明板に向か
って光照射を集中するための光反射体を添設したもので
ある。
【0010】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の製版装置において、
前記駆動手段は、前記光源体が循環経路を一周して停止
するように構成されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明を具体化した実施形態
について説明する。図1は本発明のスタンプ用基板を使
用してスタンプを製版する製版装置1の概略斜視図、図
2は押圧蓋体6を除去した状態の製版装置の概略平面図
である。図1及び図2において、製版装置1には、平面
視ほぼ矩形状のケース2の上面板2aのほぼ中央部位に
形成された平面視ほぼ四周枠状の段差部4に対して、矩
形状のアクリル樹脂等の透明板3が着脱自在に載置され
ている。
【0012】また、上面板2aの一側には、一対のブラ
ケット5,5を介して押圧蓋体6の基端が上下回動可能
に枢着され、押圧蓋体6の自由端側に下向きに設けられ
た付勢ばね付きロック爪7にてケース2の側面上側縁部
の係合部8に係脱する構成である。図1〜図3に示すよ
うに、前記ケース2内のフレーム2bには、光反射体3
2は、その長手方向が後述するタイミングベルト12,
14の移動方向に対して直交するように取付けられ、ま
た、スタンプ用基板25の長手方向の寸法Lに沿って、
駆動軸9と従動軸10とを適宜隔てて、各々軸受11
(図3にて一方のみ示す)を介して回転可能に立設す
る。そして、駆動軸9には、大径駆動プーリ13と同じ
く小径駆動プーリ15との組を固定し、従動軸10にも
同じく大径従動プーリ16と小径従動プーリ17との組
を固定し、大径駆動プーリ13と大径従動プーリ16と
にタイミングベルト12を巻掛けし、小径駆動プーリ1
5と小径従動プーリ17とにタイミングベルト14を巻
掛けすることより、後述する光源体30が透明板3の下
面に沿って一方向に循環的に移動するための循環経路を
形成する。
【0013】この循環経路に沿って光源体30を移動さ
せるための駆動手段は、ケース2内に配置した一方向に
のみ回転可能な駆動モータ18からの回転力を、複数の
歯車からなる減速ギヤ機構19を介して駆動軸9に固定
した伝動歯車31に伝達されるように構成する。前記光
源体30は、前記搬送経路に沿って進行する方向に対し
て直交する方向に長いハロゲンランプにて構成されて、
上向き開放の断面ほぼU字状の光反射体32内に配置さ
れている。この光反射体32の裏面に取付けられた2つ
のブラケット33,34を前記2つのタイミングベルト
12,14に固定し、この両タイミングベルト12,1
4の軸線に対して光源体30の軸線が直交するように配
置される。例えば、光反射体32の断面が略楕円の一部
もしくは双曲線状である場合に、それらの曲線の焦点位
置に光源体30を配置することにより、透明板3の下面
に向かって平行状の光線群を照射することができる。従
って、光源体30からの光及び光反射体32にて反射さ
れた光の照射は、光源体30が進行する方向に対して直
交する方向に長く、且つ進行方向に沿っては短い集中光
となる。
【0014】そして、前記循環経路のうち光源体30が
ほぼ直線状に移動する往復経路上にわたって原稿シート
26とスタンプ用基板25とを配置し、前記直線状の往
復経路は、前記透明板3上に載置するスタンプ用基板2
5の長手方向に沿うように形成し、前記循環経路の進行
方向に対して直交する方向に長手の光源体30は前記ス
タンプ用基板25の幅方向のほぼ半分の長さに設定する
ものである。
【0015】なお、ケース2内には、前記大径駆動プー
リ13と大径従動プーリ16とに巻掛けしたタイミング
ベルト12の外周側に沿って水平板状のガイド部35を
設け、光反射体32裏面に設けたボール等の転動体36
をガイド部35にて支持すると共に、ガイド部35の上
面にほぼリング状に設けた電源用配線37a,37bに
摺接する集電シュー38a,38bを光反射体32裏面
に設け、光源体30に給電するように構成されている
(図3参照)。
【0016】他方、前記可動蓋である押圧蓋体6の下面
には、スタンプ用基板25と、透明シート22と、光透
過性の原稿シート26とを重ねて透明板3上面に均等の
圧力で押圧するためのスポンジ、ゴム等の平板状の押圧
部材39が貼着されている(図3参照)。次に、本発明
のスタンプ用基板25の構成およびそれを使用した製版
方法を詳細に説明する。第1実施例のスタンプ用基板2
5は、連続気泡を有し、スタンプインキが含浸可能な多
孔性を有する材料に、カーボンブラックまたは光エネル
ギー吸引性物質を分散させて含有するものであり、基本
となる材料はポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂等の発泡樹脂材で、多孔性シ
ートに形成したとき可撓性(軟質性)を有することが好
ましい。従って、製版前のスタンプ用基板25の少なく
とも広幅表面25aには、連続気泡の気孔が全面にわた
って露出している(図4(a)参照)。
【0017】また、ゴム系の材料を使用することも可能
である。スタンプ用基板25の厚さは1mm 〜 5mm程度で
ある。このように、カーボンブラックまたは光エネルギ
ー吸引性物質を含有することにより、この種のスタンプ
用基板25の表面側に光が照射されると加熱され、溶融
されて表面に露出する気孔が閉塞される性質を備えるこ
とになる。そして、前記圧縮状態でスタンプ用基板25
の表面側が溶融された後、固化して表面に露出する気孔
が閉塞し、インキ非滲出部となり、溶解しなかった部分
は前記気孔が表面に露出したインキ滲出部となる。
【0018】含有されるカーボンブラックまたは光エネ
ルギー吸引性物質の重量比率は、実施例では、ポリウレ
タン系発泡樹脂に対し、カーボンブラックの含有率が1.
0 重量%〜1.5 重量%である。なお、カーボンブラック
の含有率はこれに限定されるものではなく、0.1 重量%
〜15重量%の範囲であれば良い。カーボンブラックの含
有率が15重量%より大きいと、スタンプ用基板25自体
が黒色となってしまい、塗布したスタンプインキが何色
か分からなくなり、さらには、スタンプインキを塗布し
たかどうかも分からなくなってしまうという欠点があ
り、0.1 重量%より小さいと、充分な発熱が得られず、
スタンプ用基板25の表面を溶融できないという問題が
ある。
【0019】また、光エネルギー吸引性物質としては、
塩化銀、臭化銀等がある。製版に際して、予め、原稿シ
ート26として、PPC用紙(トレーシング用原稿紙)
等の光透過性の用紙の表面に、黒色、白色、金色、銀色
等の任意の色彩の光非透過性のインキ、油性マーカ、ペ
イント、絵の具等で光非透過性の画線部21を描く。
【0020】他方、この原稿シート26と前記スタンプ
用基板25の広幅下面25aとの間に介挿する透明シー
ト22を準備する。この透明シート22は、スタンプ用
基板25の融点( 軟質ポリウレタン系樹脂の場合は約1
20℃、軟質ポリオレフイン系樹脂の場合は約70℃で
ある) より高い温度にて溶融する性質を有する。その実
施例として高い融点(約230℃)を有する透明なPE
T(ポリエチレンテレフタレート)樹脂フィルムが好ま
しく、その各シートの厚さは0.025mm 〜0.2mm程度であ
る。
【0021】次に、透明板3上に原稿シート26を前記
画線部21が上になるようにして載置し、次いで、透明
シート22を重ね、さらにこの上に前記スタンプ用基板
25を気孔露出側面が下向きとなるようにして重ねる
(図4(b)参照)。そして、押圧蓋体6を順次重ねて
作業者が所定の押圧力を加えてロック爪7を係合部8に
係止させると、当該係合部8に備えた作動スイッチ(図
示せず)がONして光源体30を連続点灯させると共
に、駆動モータ18が駆動開始する。
【0022】そして、例えば、図2の矢印A方向に光源
体30が循環移動して、最初の所定の位置に設けたリミ
ットスイッチ(図示せず)に光反射体32等の部品が当
接すると、停止すると共に消灯するのである。このよう
にすると、光源体30が前記循環経路における一方の直
線経路を光源体30が移動することより、スタンプ用基
板25の幅寸法の一方の半分の部分を光照射したのち、
従動大径プーリ16及び従動小径プーリ17の箇所で反
転した光源体30が矢印B方向に沿って他方の直線経路
を移動し、前記スタンプ用基板25の幅寸法の他方の半
分の部分を光照射することができ、次いで、大径駆動プ
ーリ13と小径駆動プーリ15との箇所で再度方向転換
して後、直線移動して、光源体30が前記循環経路に沿
って一巡することで、前記スタンプ用基板25の全面に
わたって光照射が完了し、スタンプ用基板25の中央部
も両端部も、単位面積当たりにほぼ同じ量の光エネルギ
ーを受けることができる。
【0023】このとき、光源体30の長さをスタンプ用
基板25の幅寸法の半分とすることにより、大きな光源
体30を使用しなくても良いから、製版装置1の製造コ
ストを低減することができる。また、駆動モータ18は
一方向にのみ回転する構造のもので良いから、そのコス
トも低減できる。そして、原稿シート26における画線
部21以外の箇所(非画線部)を通過した光エネルギー
は透明シート22をそのまま通過し、その光エネルギー
にてスタンプ用基板25における前記画線部21以外の
箇所(非画線部)に対応する表面(光照射側表面)付近
のカーボンブラックは吸熱し(図4(c)参照)、スタ
ンプ用基板25における前記画線部21以外の箇所(非
画線部)に対応する表面部分は加熱されて溶融し、その
後固化すると表面の気孔が閉塞され、所定の厚さのイン
キ非滲出部23aが形成される(図4(d)及び図5参
照)。
【0024】他方、原稿シート26はその画線部21が
カーボンブラックを含む黒色の場合には、前記透明板3
方向から照射した光エネルギーにて画線部21が加熱さ
れ、温度上昇するが、当該画線部21に対応する透明シ
ート22ではそのシートの厚み内の横方向等に熱伝導す
る。換言すると、原稿シート26側で発生した熱は透明
シート22にて吸収・分散され、前記画線部21に対応
するスタンプ用基板25の表面箇所は、加熱されず、画
線部21の形状通りに気孔が露出したままインキ滲出部
24となる。また、画線部21が黒色以外の場合には、
光エネルギーが画線部21により遮断・反射され、前記
画線部21に対応するスタンプ用基板25の表面箇所
は、加熱されず、気孔が露出したインキ滲出部24とな
る。
【0025】従って、前記光照射後に、前記透明シート
22と原稿シート26とをスタンプ用基板25の広幅表
面25aから除去すると、図4(d)及び図5に示すよ
うに、原稿シート26における画線部21の鏡像の形状
通りの気孔が露出したままでインキ滲出部24となり、
非画線部に対応するインキ非滲出部23aがスタンプ用
基板25の広幅表面25aに形成された所定の印面のス
タンプSとして製版できるのである。
【0026】なお、好ましくは透明シート22はスタン
プ用基板25の広幅面と接触する面をサンドブラスト加
工したり、細かいエンボス加工もしくはシボ塗装を施す
ことにより、透明シート22とスタンプ用基板25の広
幅表面との間に薄い断熱空気層が形成され、原稿シート
の画線部21にて発生した熱が、効率良く透明シート2
2にて吸収・分散され、スタンプ用基板25の表面方向
に伝達されないから、画線部21の鏡像の形状通りの気
孔が露出したままとなり、インキ滲出部24の印影のエ
ッジが鮮明となるという効果を奏する。
【0027】なお、押圧蓋体6に設けた圧力センサ(図
示せず)によるスタンプ用基板25の複数箇所の圧力を
感知すると、その各箇所の圧力が標準圧力との偏差があ
れば、その偏差量に応じて標準の移動速度に対して増減
させるという速度制御を実行しても良い。この場合、標
準圧力より高い圧力箇所では移動速度を速くし、標準圧
力より低い圧力箇所では移動速度を遅くするという制御
を実行すればよい。
【0028】なお、他の実施形態は、スタンプ用基板2
5が、カーボンブラックまたは光エネルギー吸引性物質
を含有しないで、連続気泡を有し、スタンプインキが含
浸可能な多孔性シートにより構成したものであり、その
材料は前記のものと同じである。この場合には、スタン
プ用基板25の広幅面(気孔が露出した面)に当接する
加熱シートには、カーボンブラック等の黒色顔料を予め
混入、もしくは表面に印刷したものを使用する。この実
施形態では、透明板3側から照射した光が原稿シート2
6を通過し、非画像部に対応する箇所では、黒色の加熱
シートにて吸収された光エネルギーにより加熱され、対
面するスタンプ用基板25の表面が前記熱により一旦溶
融した後固化するから、スタンプインキが滲出ないイン
キ非滲出部23aとなり、画線部21に対応する箇所で
は、前記光が透過しないので、原稿シート26における
画線部21の鏡像の形状通りの気孔が露出したままでイ
ンキ滲出部24となり、非画線部に対応するインキ非滲
出部23aがスタンプ用基板25の広幅表面に形成さ
れ、且つ前記画線部21の鏡像となる所定の印面のスタ
ンプSとして製版できるのである。
【0029】なお、印刷作業を実行するには、製版済の
スタンプSの画線部(印面)を下向きにして載置し、製
版済のスタンプSの裏面(印面と反対側)の両端部に両
面接着テープ(図示せず)を貼着した後、把手付き押圧
ローラ(図示せず)を転がし移動させると、当該押圧ロ
ーラの周面にスタンプSの裏面が巻きつき固定される。
次いで、前記スタンプSの画線部に対応するインキ滲出
部24に所定の色のインキを吸入させ、インキ非滲出部
23aに付着したインキを拭き取った後、支持台上に被
印刷媒体である用紙(図示せず)を載せ、前記把手付き
押圧ローラを押圧しながら転がすと用紙への印刷は完了
できるのである。なお、インキ滲出部24の別の箇所に
別の色のスタンプインキを吸入させることにより、多色
刷のスタンプとすることは勿論である。
【0030】前述のプーリとタイミングベルトとによる
循環経路に代えて、サークル状のガイド通路とその中心
部の直線ガイド通路とを設け、前記光源体30付き光反
射体32の裏面に設けた回転コロを前記サークル状のガ
イド通路とその中心部の直線ガイド通路とに沿って走行
し、且つサークル状のガイド通路に沿って移動する駆動
輪を前記光反射体32の裏面に固定した駆動モータにて
作動するように構成しても良い。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載
の発明の製版装置は、連続気泡を有してスタンプインキ
が含浸可能な多孔性シートからなるスタンプ用基板と、
所望の画線部を有する光透過性の原稿シートとを透明板
上に重ねて押圧した状態にて、透明板側から光照射する
ことにより、スタンプ用基板の表面に前記画線部に対す
るインキ滲出部と非画線部に対するインキ非滲出部とを
形成するためのスタンプ製版装置において、前記透明板
の下方には、光源体を透明板とほぼ平行状にて循環経路
に沿って一方向に移動させるための駆動手段を配置した
ものである。
【0032】従って、透明板側からスタンプ用基板に向
かって光照射する光源体は循環経路に沿って一周させる
ように駆動手段を制御すればよく、駆動手段の構成は従
来のように直線的往復すべく正逆回転させる必要がない
ので構成が簡単となって、製版装置のコストを低減でき
る。また、前記循環経路のうち光源体がほぼ直線状に移
動する往復経路上にわたって前記原稿シートとスタンプ
用基板とを配置したものであるので、光源体が前記循環
経路における一方の直線経路を光源体が移動することよ
り、スタンプ用基板の幅寸法の一方の半分の部分を光照
射したのち、反転した光源体が他方の直線経路を移動
し、前記スタンプ用基板の幅寸法の他方の半分の部分を
光照射することができ、光源体が前記循環経路に沿って
一周することで、前記スタンプ用基板の全面にわたって
光照射が完了し、スタンプ用基板に単位面積当たりにほ
ぼ同じ量の光エネルギーを受けさせることができる。
【0033】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の製版装置において、前記直線状の往復経路は、
前記透明板上に載置するスタンプ用基板の長手方向に沿
うように形成し、前記循環経路の進行方向に対して交差
する方向に長手の光源体は前記スタンプ用基板の幅方向
のほぼ半分の長さに設定したものである。このように構
成すると、光源体の長さ寸法は、スタンプ用基板の長手
方向と直交する方向の寸法の短い幅寸法の半分となり、
光源体をコンパクトで出力の小さいものを使用すること
ができ、この点からも製版装置のコストを低減できる。
【0034】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
1または請求項2に記載の製版装置において、前記光源
体には、前記透明板に向かって光照射を集中するための
光反射体を添設したものである。このように、光反射体
にて、光源体の移動する箇所と対面するスタンプ用基板
の表面の近傍のみに強い光エネルギーを照射するので、
出力の小さい光源体であっても、スタンプ用基板に形成
できる印面の性能を全体にわたって均一にすることがで
きるという効果を奏する。
【0035】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の製版装置において、
前記駆動手段は、前記光源体が循環経路を一周して停止
するように構成されているものである。従って、次回の
製版作業に際しても光源体は同じ箇所から移動開始で
き、製版の仕上がりが均一にできるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】製版装置の概略斜視図である。
【図2】可動蓋を除いた製版装置の概略平面図である。
【図3】一部切欠き要部拡大断面図である。
【図4】(a)はスタンプ用基板の斜視図、(b)は原
稿シートと透明シートとスタンプ用基板とを重ねて配置
した状態の断面図、(c)は光照射状態を示す断面図、
(d)は透明シートからスタンプ用基板を離した状態の
断面図である。
【図5】製版仕上がり状態のスタンプの斜視図である。
【符号の説明】
1 製版装置 2 ケース 3 透明板 6 押圧蓋体 9 駆動軸 10 従動軸 12,14 タイミングベルト 13 大径駆動プーリ 15 小径駆動プーリ 16 大径従動プーリ 17 小径従動プーリ 18 駆動モータ 19 減速ギヤ機構 25 スタンプ用基板 26 原稿シート 30 光源体 32 光反射体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続気泡を有してスタンプインキが含浸
    可能な多孔性シートからなるスタンプ用基板と、所望の
    画線部を有する光透過性の原稿シートとを透明板上に重
    ねて押圧した状態にて、透明板側から光照射することに
    より、スタンプ用基板の表面に前記画線部に対するイン
    キ滲出部と非画線部に対するインキ非滲出部とを形成す
    るためのスタンプ製版装置において、前記透明板の下方
    には、光源体を透明板とほぼ平行状にて循環経路に沿っ
    て一方向に移動させるための駆動手段を配置し、前記循
    環経路のうち光源体がほぼ直線状に移動する往復経路上
    にわたって前記原稿シートとスタンプ用基板とを配置し
    たことを特徴とする製版装置。
  2. 【請求項2】 前記直線状の往復経路は、前記透明板上
    に載置するスタンプ用基板の長手方向に沿うように形成
    し、前記循環経路の進行方向に対して交差する方向に長
    手の光源体は前記スタンプ用基板の幅方向のほぼ半分の
    長さに設定したことを特徴とする請求項1に記載の製版
    装置。
  3. 【請求項3】 前記光源体には、前記透明板に向かって
    光照射を集中するための光反射体を添設したことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の製版装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動手段は、前記光源体が循環経路
    を一周して停止するように構成されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製版装
    置。
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