JPH10146200A - シグナル配列を用いた遺伝子のクローニング方法 - Google Patents

シグナル配列を用いた遺伝子のクローニング方法

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JPH10146200A
JPH10146200A JP8305365A JP30536596A JPH10146200A JP H10146200 A JPH10146200 A JP H10146200A JP 8305365 A JP8305365 A JP 8305365A JP 30536596 A JP30536596 A JP 30536596A JP H10146200 A JPH10146200 A JP H10146200A
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coxvb
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シグナル配列を用いて新規遺伝子をクローニ
ングする方法および手段を提供する。 【解決手段】 オルガネラへの局在化に関するシグナル
配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレ
オチドを用いて、オルガネラに局在するタンパク質をコ
ードする新規遺伝子をクローニングする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シグナル配列を用
いて新規遺伝子をクローニングする方法に関する。さら
に詳しくは、オルガネラへの局在化に関するシグナル配
列をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオ
チドを用いて、該オルガネラに局在化するタンパク質を
コードする新規遺伝子をクローニングする方法に関す
る。さらに本発明は、このクローニングにより得られた
イネの呼吸鎖において機能するタンパク質複合体を構成
するサブユニットおよびそれをコードする遺伝子に関す
る。さらに詳しくは、イネCOXVbタンパク質、およびそ
れをコードするcoxVb遺伝子に関する。さらに本発明
は、coxVb遺伝子に相補的なヌクレオチド配列、この相
補的なヌクレオチド配列を用いてCOXVbタンパク質の発
現を抑制する方法、いわゆる「アンチセンス法」、およ
びCOXVbタンパク質に結合する抗体に関する。さらに本
発明は、COXVbタンパク質およびcoxVb遺伝子の改変体の
利用に基づく、植物新品種の育成法に関する。
【0002】
【従来の技術】ミトコンドリアは、ほとんどの真核細胞
にみられる細胞小器官であり、細胞内での物質代謝に寄
与する。ミトコンドリアの主要な役割は、エネルギー変
換器官として、物質の酸化によるエネルギーを用いてAT
Pを合成することである。ATP合成において多数の酵素が
機能している。例えば、ピルビン酸や脂肪酸からアセチ
ルCoAを生成するもの、クエン酸回路によってアセチルC
oAを酸化するものなどがある。この酸化過程で生じる最
終産物はCO2とNADHであり、CO2は細胞から老廃物として
排出され、NADHは呼吸鎖に沿って流れる電子の主な供給
源となる。呼吸鎖を構成する酵素は複合体を形成してミ
トコンドリア内部に埋め込まれており、膜結合型呼吸酵
素複合体と呼ばれる。これらの酵素複合体は、正常時に
は電気化学的プロトン勾配を形成しており、これらを経
由して電子は移動し、最終的に酸素に至る。現在まで
に、3つの主要な膜結合型呼吸酵素複合体が同定、精製
されており、それぞれNADH脱水素酵素複合体、チトクロ
ムb-c1複合体、チトクロム酸化酵素複合体と呼ばれてい
る。呼吸鎖において、NADH脱水素酵素複合体は、NADHか
ら電子を受け取り、フラビンと少なくとも5個の鉄−硫
黄中心を介してユビキノンに渡す。ユビキノンは、電子
を次のチトクロムb-c1複合体に渡す。次いでb-c1複合体
は、受け取った電子をチトクロムcに渡し、チトクロムc
からチトクロム酸化酵素複合体に渡され、最終的にチト
クロム酸化酵素複合体から酸素に渡される。これらの膜
結合型呼吸酵素複合体の中で最も研究が進んでいるの
は、チトクロム酸化酵素複合体であり、哺乳動物では、
約30万ドルトンの二量体として単離されている。単量体
は9種以上のポリペプチドからなり、チトクロム2個と
銅原子2個を含むことが知られており、これらのポリペ
プチドをコードする数種の遺伝子がクローニングされて
いる。哺乳動物におけるこのような研究にも関わらず、
植物においては、チトクロム酸化酵素複合体を構成する
因子および呼吸鎖機構の解明は進んでいない。
【0003】細胞の生命活動に重要な位置を占めるエネ
ルギー変換の場であるミトコンドリアの呼吸鎖機構を解
明することは、真核細胞および生命体の生理機能の解明
およびその調節、さらには分子生物学的アプローチによ
る植物新品種の創出のために重要である。
【0004】ミトコンドリアに限られず、真核生物等に
おけるオルガネラの機能を解明することは、有用な物質
生産、新規植物体の創出、病気の治療等にとっても重要
である。そのためには、オルガネラのタンパク質、特に
オルガネラに局在するタンパク質の機能を解明すること
はきわめて重要である。
【0005】ミトコンドリアのようなオルガネラにおい
て、局所的に存在するタンパク質をコードする構造遺伝
子のクローニングは、タンパク質の精製、アミノ酸配列
決定、cDNAライブラリーのスクリーニング、および
塩基配列決定と多大な労力が必要とされる。これは、遺
伝子およびオルガネラの機能解析の進展を妨げるもので
ある。ホモロジー検索からポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を利用したクローニング法等が開発されているが、
これらの方法では、既知構造遺伝子に塩基配列の相同性
が高い遺伝子のクローニングに限られる。従って従来の
技術では、特定のオルガネラに関連する、塩基配列およ
びタンパク質の機能が異なる多種多様な未知遺伝子を効
率良くクローニングすることは困難である。従って、特
定のオルガネラに局在化するタンパク質をコードする遺
伝子を効率良くクローニングする方法が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためのものであり、その目的とするところは、
前駆体ポリペプチドに含まれるシグナル配列を用いる新
規の遺伝子単離技術を提供することにある。このような
遺伝子をクローニングする方法が提供され、新規遺伝子
の構造、機能が明らかにされることによって、オルガネ
ラの構造、機能が解明される。従って本発明は、例え
ば、植物における新品種の育成、あるいはバイオセンサ
ーおよび人工ミトコンドリアの作出に道を開くものであ
る。
【0007】さらには、植物のミトコンドリアの呼吸鎖
において電子伝達に機能するチトクロム酸化酵素複合体
を構成するサブユニットをコードするcoxVb遺伝子を提
供することであり、さらには、coxVb遺伝子の種々の改
変体およびcoxVb遺伝子に相補的な配列を有するポリヌ
クレオチドを用いて植物の新品種を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、オルガネラに
局在するタンパク質をコードする遺伝子をクローニング
する方法であって、オルガネラへの局在化に関連するシ
グナル配列をコードするヌクレオチド配列を有するポリ
ヌクレオチドをプローブとして用いてハイブリダイゼー
ションを行う工程を包含する、方法に関する。
【0009】好適な実施態様においては、前記オルガネ
ラはミトコンドリアであり、前記プローブは、ミトコン
ドリアへの局在化に関連するシグナル配列をコードする
ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドである。
【0010】好適な実施態様においては、前記プローブ
は、少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含有する
ポリヌクレオチドであって、配列番号4または5によっ
て示されるヌクレオチド配列中に存在するヌクレオチド
配列を有する。
【0011】好適な実施態様においては、前記プローブ
は、少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含有する
ポリヌクレオチドであって、配列番号4または5によっ
て示されるヌクレオチド配列を有する。
【0012】好適な実施態様においては、前記プローブ
は、少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含有する
ポリヌクレオチドであって、配列番号6または7によっ
て示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列
を有する。
【0013】好適な実施態様においては、前記プローブ
は、少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含有する
ポリヌクレオチドであって、配列番号6または7によっ
て示されるアミノ酸配列において1もしくは複数のアミ
ノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列をコ
ードするポリヌクレオチドである。
【0014】好適な実施態様においては、前記プローブ
は、少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含有する
ポリヌクレオチドであって、配列番号8または9によっ
て示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列
を有する。
【0015】好適な実施態様においては、前記プローブ
は、少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含有する
ポリヌクレオチドであって、配列番号8または9によっ
て示されるアミノ酸配列において1もしくは複数のアミ
ノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列をコ
ードするポリヌクレオチドである。
【0016】本発明は、イネCOXVbタンパク質であっ
て、該ポリペプチド配列が、配列番号2によって示され
るアミノ酸配列、該アミノ酸配列において1もしくは複
数のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸
配列であって該COXVbと生物学的に同等の活性を有する
配列またはそれらの断片である、タンパク質に関する。
【0017】本発明は、イネCOXVbをコードするcoxVb
伝子を有するポリヌクレオチドであって、該遺伝子のヌ
クレオチド配列が、配列番号2によって示されるアミノ
酸配列、該アミノ酸配列において1もしくは複数のアミ
ノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列であ
って生物学的に該COXVbと同等の活性を有する配列また
はそれらの断片をコードする配列である、ポリヌクレオ
チドに関する。
【0018】本発明は、さらにイントロンを含む、前記
coxVb遺伝子に関する。
【0019】本発明は、前記coxVb遺伝子を有する、組
換えベクターに関する。
【0020】本発明は、前記COXVbタンパク質を産生す
る方法であって、該タンパク質をコードする遺伝子が発
現する適切な条件下で、該遺伝子を含有するベクターを
有する細胞を培養する工程、およびそのように産生され
た該タンパク質を回収する工程を包含する、方法に関す
る。
【0021】本発明は、前記coxVb遺伝子のヌクレオチ
ド配列の全部または一部に相補的な配列あるいは該遺伝
子のヌクレオチド配列と2本鎖を形成するに十分な相補
的な配列を有するポリヌクレオチド配列に関する。
【0022】本発明は、前記ポリヌクレオチド配列に相
補的な配列を有し、前記ヌクレオチド配列と相補的なポ
リヌクレオチドを生産し得るようにプロモーターに接続
されている、ベクターに関する。
【0023】本発明は、細胞におけるcoxVb遺伝子の機
能を抑制する方法であって、前記ベクターを該細胞に導
入する工程を包含する、方法に関する。
【0024】本発明は、前記ポリペプチドに結合する、
抗体に関する。
【0025】好適な実施態様においては、前記抗体は、
ポリクローナル抗体である。
【0026】好適な実施態様においては、前記抗体は、
モノクローナル抗体である。
【0027】本発明は、前記coxVb遺伝子を改変したヌ
クレオチド配列を有する、植物細胞に関する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、特に記載がない限り、
分子生物学、生化学、遺伝学、遺伝子工学、微生物学、
および植物育種学等の分野の従来技法を用いて実施し得
る。
【0029】本明細書において「ポリヌクレオチド」と
は、ヌクレオチドの重合体を意味し、特定の鎖長に限定
されない。
【0030】本明細書において「ベクター」とは、外来
のポリペプチドが、その転写および翻訳に必要なエレメ
ントと作動可能に連結されており、さらに宿主細胞での
複製および組換え体の選択に必要な因子を備えた、外来
のポリペプチドを宿主細胞内に伝達する媒体をいう。好
ましいベクターはプラスミドである。植物細胞もしくは
酵母および/または細菌に伝達するものが特に好まし
い。本発明の上記ベクターのタイプおよび使用される各
調節エレメントの種類が、宿主細胞に応じて変更し得る
ことは、当該分野における周知事項である。
【0031】本明細書において「オルガネラ」とは、真
核生物に存在する一定の機能を有する構造単位をいい、
ミトコンドリア、ペルオキシソーム、色素体、小胞体、
ゴルジ体、リソソーム、エンドソーム、および分泌小胞
を包含する。
【0032】本明細書において「ライブラリー」とは、
目的の遺伝子を含有するゲノムDNA、cDNAなどの
核酸を、プラスミドまたはファージなどの適切なベクタ
ーに結合したものをいう。ライブラリーの種類が用いら
れるスクリーニングの方法に応じて変わり得ることは、
当業者に周知である。
【0033】本明細書において「相補的な配列」とは、
特定の遺伝子の転写産物と水素結合により2本鎖のリボ
ヌクレオチド複合体を形成し得るリボヌクレオチドをコ
ードする配列をいう。
【0034】本明細書において「抗体またはポリクロー
ナル抗体」は、抗原またはレセプターでの免疫化に対し
て産生されるタンパク質を包含する。用語「モノクロー
ナル抗体」は、細胞の単一のクローンに由来する免疫グ
ロブリンを包含する。このクローンに由来する全てのモ
ノクローナル抗体は、化学的および構造的に同一であ
り、1つの抗原決定基に特異的である。
【0035】本明細書において「シグナル配列」とは、
染色体上にコードされる、成熟タンパク質には通常見出
されないポリペプチド配列であって、その配列の下流に
コードされる前駆体タンパク質の局在化に関連するポリ
ペプチド配列を包含する。
【0036】本明細書において「ハイブリダイゼーショ
ン」とは、遺伝学的研究、生化学的研究、および臨床診
断に使用されている、1本鎖分析物ポリヌクレオチドと
その配列に相補的な1本鎖核酸プローブとをハイブリダ
イズさせ、標識2本鎖ポリヌクレオチドから放出される
シグナルを検出する技法であって、種々の改変された方
法を包含する。例えば、Maniatisら、Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Press, C
old Spring Harbor, N.Y. (1989)を参照のこと。
【0037】本発明において、「プローブ」とは、検出
可能なシグナルを提供し得る標識されたポリヌクレオチ
ドであり、標識は、蛍光、放射活性、発色、磁性、酵素
活性などを用いて行われ得る。
【0038】本発明において、「1もしくは複数のアミ
ノ酸の改変」とは、周知技術である部位特異的変異誘発
法(例えば、Nucleic Acids Res.、10:6487-6500(1982)
を参照のこと)あるいはPCR法(例えば、Saikiら(19
88)、Science、230:1350-1354を参照のこと)により、
付加、欠失または置換できる程度のアミノ酸の改変を意
味する。
【0039】本発明者は、リボソームタンパク質の一種
であるミトコンドリアRPS11をコードするイネs11-1の前
駆体配列のアミノ酸配列解析の結果から、イネs11-1
が、植物由来のATPアーゼβサブユニットの前駆体配
列のN末端と高い相同性を有していること、およびs11-
1にコードされるRPS11のN末端に位置するポリペプチド
がミトコンドリアへの輸送シグナルとして機能すること
を見出した。このことから、機能的に異なる複数のタン
パク質前駆体が、相同性の高いシグナル配列を共有して
いることが示唆される。本発明者は、特定のシグナル配
列が、遺伝子の重複と組換えにより、他の遺伝子の前駆
体配列として機能しているという仮説を想定した。
【0040】この仮説を実証するために、本発明者は、
他の遺伝子(イネの核ゲノムに存在する、RPS11をコー
ドするもう一つのコピー遺伝子s11-2)の5’末端のポ
リヌクレオチドをプローブとして用いて、プラークハイ
ブリダイゼーションを行い、リボゾームタンパク質とは
全く機能も構造も異なる、ミトコンドリアのチトクロム
c酸化酵素複合体サブユニットVbをコードする新規遺伝
coxVbを単離することに成功した。以下、本発明につ
いて詳細に説明する。
【0041】本発明は、機能が異なるタンパク質が、相
同性の高いシグナル配列を共有し、その結果、特定のオ
ルガネラに局在化されているという仮説をたてたことに
起因する。まず表1は、s11-1遺伝子がコードするリボ
ソームタンパク質RPS11の前駆体のN末端部分の35アミ
ノ酸残基からなるアミノ酸配列(表中のrice RPS11)
と、植物核ゲノムにコードされた3種のミトコンドリア
タンパク質前駆体のN末端部分アミノ酸配列(46〜55ア
ミノ酸残基)とを、比較したものである。表中のNpBATP
ase、HbBATPaseおよびOsBATPaseは、各々、Nicotiana p
lumbaginifoliaHevea brasiliensisおよびOryzae sat
iva由来のミトコンドリアATPアーゼβサブユニット
を表す。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示すように、機能も起源も異なるタ
ンパク質であるイネの核ゲノムにコードされるRPS11前
駆体のN末端部分のアミノ酸配列と、他の植物のミトコ
ンドリアタンパク質前駆体のN末端部分のアミノ酸配列
とは高い相同性を有していることがわかった。このこと
は、機能が異なるタンパク質が、相同性の高いシグナル
配列を共有し、その結果、特定のオルガネラに局在化さ
れているという本発明者の仮説を支持するものである。
【0044】さらに、本発明者は、他のタンパク質前駆
体間においても相同性の高いシグナル配列が保存されて
いることを想定し、イネゲノム中に存在するRPS11の他
のコピー遺伝子s11-2の5’末端の推定上のシグナル配
列を用いて、プラークハイブリダイゼーションを行っ
た。その結果、核にコードされるミトコンドリアの新規
遺伝子coxVbの単離に成功した。このことから、本発明
者の仮説が正しいことが実証された。
【0045】表2は、本発明の方法により単離された新
規遺伝子イネcoxVbs11-2遺伝子の5’末端領域および
その近隣のヌクレオチド配列の比較表である。表中の−
は欠失を、*は両者のヌクレオチド配列が同一であるこ
とを示す。イネcoxVbs11-2とのヌクレオチド配列の相
同性は、145ヌクレオチドにわたり、86%同一である。
これは、複数の遺伝子間で相同性が高い前駆体配列が保
存されていることを示しており、本発明者の上記仮説を
さらに支持するものである。
【0046】
【表2】
【0047】なお、本発明の方法により単離された新規
遺伝子が、イネcoxVbであると推定したのはアミノ酸配
列の相同性解析の結果である。
【0048】イネcoxVbと、イネs11-2、ヒトゲノムにコ
ードされるチトクロムc酸化酵素複合体サブユニットVb
(ヒトCOXVb)および酵母ゲノムにコードされるチトク
ロムc酸化酵素複合体サブユニットIV(酵母COXIV)と
の全アミノ酸配列の比較を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】各アミノ酸残基は1文字表記で表してい
る。表中のrice COXVb、human COXVb、Yeast COXIX、s1
1-2は、各々イネCOXVb、ヒトCOXVb、酵母COXIV、イネs1
1-2タンパク質を表す。表中の−は欠失を示す。
【0051】イネCOXVbとヒトCOXVbまたは酵母COXIVと
のアミノ酸配列の相同性は、それぞれ49%および35%で
ある。この上記アミノ酸配列相同性の解析結果に基づ
き、本発明の方法により単離された新規遺伝子が、イネ
におけるチトクロム酸化酵素複合体を構成するサブユニ
ットVbをコードするcoxVb遺伝子であることがわかっ
た。
【0052】このことから、本発明のシグナル配列をコ
ードするポリヌクレオチドを用いることにより、これま
で見出されなかった新規遺伝子が単離され得ることが証
明された。
【0053】本発明者は、上記の研究結果から、特定の
タンパク質前駆体に存在するシグナル配列をコードする
ヌクレオチド配列を有するポリペプチドを用いて、ハイ
ブリダイゼーションを行うことにより、相同なシグナル
配列を有する異なる遺伝子を単離し得ることを見出し、
本発明を完成させた。本発明によれば、真核生物におい
て特定のオルガネラに局在化されるタンパク質をコード
する新規遺伝子を単離することができる。
【0054】以下、本発明を、オルガネラとしてミトコ
ンドリアを例にあげて説明する。
【0055】植物のミトコンドリアに局在するタンパク
質をコードする遺伝子のクローニングは、s11-2遺伝子
あるいはcoxVb遺伝子の5’末端に存在する少なくとも1
5個の連続したポリヌクレオチドをプローブとして植物
由来のライブラリーをスクリーニングすることにより達
成される。プローブとして用いられるポリヌクレオチド
は、天然の材料から調製され得るか、または当該分野で
公知の方法により合成され得る。例えば、ポリヌクレオ
チドのクローニング、化学的架橋技術、化学合成、酵素
的組立、それらの組み合わせ、または他の適切な方法を
用いて調製されるが、これらに限定されない。プローブ
は、配列番号4によって示されるヌクレオチド配列中に
存在するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドで
あるか、または配列番号5によって示されるアミノ酸配
列、あるいは配列番号5によって示されるアミノ酸配列
において1もしくは複数のアミノ酸が付加、欠失もしく
は置換されたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配
列を有するポリヌクレオチドであり得る。ここで「1も
しくは複数のアミノ酸」とは、周知技術である部位特異
的変異誘発法(例えば、Nucleic Acids Res.、10:6487-
6500(1982)を参照のこと)あるいはPCR法(例えば、
Saikiら(1988)、Science、230:1350-1354を参照のこ
と)により、付加、欠失または置換できる程度のアミノ
酸を意味する。さらに、このようなプローブは、同一の
アミノ酸をコードするが異なるヌクレオチド配列を有す
る複数のポリヌクレオチドの混合物、いわゆる「ミック
スプローブ(mixed probe)」(例えば、Maniatisら、前
出を参照のこと)の形態でもあり得る。
【0056】他の新規遺伝子のクローニングは、オルガ
ネラを有する真核生物由来のライブラリーをスクリーニ
ングすることにより達成される。好ましくは、λファー
ジクローニングベクターを用いる常法により、ミトコン
ドリアDNAライブラリー、cDNAライブラリーまた
は核ゲノムDNAライブラリーが作成され、スクリーニ
ングに使用され得る。市販のゲノムライブラリーも好適
に使用され得る。
【0057】5’末端に位置する、シグナル配列をコー
ドするポリヌクレオチド断片をプローブとして用いて、
プラークハイブリダイゼーションを実施し、該プローブ
と相同配列を有するcDNAクローンを選抜し得る。プ
ローブに用いられるポリヌクレオチドは、特定のタンパ
ク質のアミノ酸配列をコードする天然に存在するヌクレ
オチド配列、または該タンパク質のアミノ酸配列におい
て1もしくは複数のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換
されたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有
し得る。ハイブリダイゼーションは、当業者に公知の一
般的な条件下で行われ得る。ストリンジェンシーの程度
は、当業者に公知の範囲で変化し得る。例えば、Maniat
isら、前出を参照のこと。得られた陽性クローンより、
ライブラリー由来のDNA断片を取得する。次いで、当
該分野で公知のヌクレオチド配列解析法(Sangerらのジ
デオキシ法等)または市販されている自動シーケンサー
により、上記DNA断片のヌクレオチド配列を決定し得
る。決定されたヌクレオチド配列から推定されるアミノ
酸配列を用いてホモロジー解析を行い、クローン化した
遺伝子によりコードされるタンパク質を推定する。クロ
ーン化された遺伝子の発現は、クローン化DNAを挿入
した適切な原核宿主または真核宿主に適合する発現ベク
ターの構築、宿主細胞への発現ベクターの導入、ならび
に組換え宿主細胞の培養および生産物の回収により達成
される。タンパク質の機能は、当該分野で公知の方法、
例えば、このタンパク質をコードする遺伝子の欠損株ま
たは過剰発現株を作成し、それらの表現型を解析するこ
とにより、同定され得る。
【0058】以下、coxVb遺伝子のクローニングおよび
その発現等について記載するが、これらの方法が、他の
オルガネラあるいはミトコンドリアの他のタンパク質の
スクリーニングおよび発現に用いられることは言うまで
もない。
【0059】上記で得られた、s11-2遺伝子の5’末端
に位置する、推定上のシグナル配列をコードするポリヌ
クレオチドをプローブとして用いて、イネ由来のライブ
ラリーに対してハイブリダイゼーションを行うことによ
coxVb遺伝子を含有するクローンを選抜し得る。用い
られるイネ由来のライブラリーは、λファージクローニ
ングベクターを用いる常法により作成され、ミトコンド
リアDNAライブラリー、cDNAライブラリーまたは
核ゲノムDNAライブラリーがスクリーニングに使用さ
れ得る。市販のゲノムライブラリーも好適に使用され得
る。ハイブリダイゼーションは、当業者に公知の種々の
方法を用いて行われ得る。プラークハイブリダイゼーシ
ョンが好適に使用され得るが、これに限定されない。ハ
イブリダイゼーションの条件は、当業者に公知の条件下
で行われ得る。例えば、Maniatisら、前出を参照のこ
と。ハイブリダイゼーションにより得られたポジティブ
クローンを単離し、DNAを抽出し、塩基配列を決定し
得る。塩基配列の決定は、一般的な塩基配列決定法によ
り達成され得る。得られたヌクレオチド配列および推定
されるアミノ酸配列を、一般に利用可能なデータベース
を通じて、ホモロジー解析プログラムにより、ホモロジ
ー解析を行い、coxVb遺伝子を同定する。このcoxVb遺伝
子を用いて、本発明の方法を実施し得る。
【0060】本発明のcoxVb遺伝子のクローン化は、イ
ネ由来のライブラリーを用いて、上記と同様の方法によ
り行われ得る。あるいは、配列番号1によって示され
る、coxVb遺伝子のヌクレオチド配列の一部を直接プロ
ーブとして、植物核ゲノムに存在するcoxVb遺伝子を含
むクローンを単離し得る。
【0061】さらに、上記ライブラリーに含まれるイネ
ゲノムDNAまたはcDNAを鋳型として、PCR(ポ
リメラーゼ連鎖反応)(Saikiら(1988)、Science、230:
1350-1354)を実施し、coxVb遺伝子を含む増幅されたヌ
クレオチド配列を使用することも容易である。あるい
は、本明細書に開示されるヌクレオチド配列情報を基
に、公知のDNA合成法(例えば、ホスホアミダイト
法)により化学的に合成されたDNA断片もまた、本発
明のcoxVb遺伝子として好適に用いられ得る。
【0062】本発明のcoxVb遺伝子の作製において、配
列番号3によって示されるCOXVbの天然に存在するアミ
ノ酸配列内の一次構造の小さな変更が、本タンパク質が
有するチトクロム酸化酵素複合体を構成するサブユニッ
トとしての機能を失わない範囲で行われ得ることは、当
業者であれば、理解し得ることである。このような変更
には、本シグナルペプチドのアミノ酸配列内における、
1もしくは複数のアミノ酸の付加、欠失もしくは置換が
包含され、周知技術である部位特異的変異誘発法(site
-directed mutagenesis)(例えば、Nucleic Acids Re
s.、10:6487-6500(1982年)を参照)あるいはPCR法
(Saikiら(1988)、Science、230:1350-1354)により実
施し得る。ここで「1もしくは複数のアミノ酸」とは、
上記部位特異的変異誘発法あるいはPCR法により、付
加、欠失または置換できる程度の数のアミノ酸を意味す
る。
【0063】得られた本発明の遺伝子は、そのままもし
くは適切なリンカーを連結させて以下に示す組換えベク
ターの構築に利用され得る。
【0064】coxVb遺伝子と、該遺伝子を宿主細胞内で
発現させるための種々の調節エレメント(プロモータ
ー、リボゾーム結合部位、ターミネーター、エンハンサ
ー、発現レベルを制御する種々のシスエレメントを包含
する)とを包含する組換え発現ベクターの構築において
は、当該分野でよく理解されている種々の制限酵素によ
るポリヌクレオチド切断技法(restriction)およびポ
リヌクレオチド断片連結技法(ligation)が用いられ
る。ベクターおよびその構築に使用される調節エレメン
トの種類は、宿主細胞のタイプに依存している。
【0065】酵母を宿主とした場合の好ましいベクター
は、2μプラスミド複製系(ori)を有するYEp型ベクタ
ーであるが、これに限定されず、他の発現ベクターも使
用し得る。酵母と大腸菌とのシャトルベクターの使用が
好ましい。使用するプロモーターとしては、酵母F1−
ATPアーゼ、ジヒドロ葉酸還元酵素に関するプロモー
ター、あるいは種々の解糖系における酵素に関するプロ
モーター、例えば、アルコールデヒドロゲナーゼ、グリ
セルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ピ
ルベートキナーゼホスホグリコイソメラーゼ等に関する
プロモーターが好適に使用され得る。
【0066】これらのプロモーターをエンハンサー、オ
ペレーター等の調節配列と共に使用する。レポーター遺
伝子としては、酵母F1−ATPアーゼ遺伝子、ジヒド
ロ葉酸還元酵素遺伝子が好適に使用され得るが、これら
に限定されない。酵母宿主としては、一般的なSaccharo
myces cerevisiaeの他、Zygosaccharomyces rouxiiSc
hizosaccharomyces pombe、さらにPichiaおよびCandida
等も使用し得る。アミノ酸要求性または塩基要求性株の
使用が好ましい。
【0067】植物細胞を宿主とした場合の上記ベクター
の構築例を以下に説明する。プロモーターとして、カリ
フラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモ
ーター、ノパリン合成酵素(NOS)プロモーター等が
一般的に使用され得るがこれらに限定されない。本発明
の実施に用いられ得るターミネーターは、特に限定され
ない。CaMV35SあるいはNOSのターミネーター
領域が好適に使用され得る。作製された上記遺伝子構築
物を、アグロバクテリウム属細菌を介して植物に導入し
得るプラスミド(例えばpBI系プラスミド(Clontech
社製))あるいはpUC系プラスミドに導入することに
よって、植物細胞を宿主とする本発明の組換えベクター
が構築され得る。
【0068】本発明の組換えベクターは、上記ポリヌク
レオチド構築物に加え、さらに選択可能なマーカー遺伝
子を含有し得る。選択可能なマーカー遺伝子は、本発明
のポリヌクレオチドを導入された宿主細胞を選択するた
めに使用される。一般に使用され得る選択可能なマーカ
ー遺伝子は、用いる宿主細胞によって異なる。例えば、
酵母の場合は、栄養要求性を相補する遺伝子(LeuUr
aTrp等)、植物細胞の場合は、カナマイシン耐性を付
与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NTPI
I)またはハイグロマイシン耐性を付与するハイグロマ
イシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)等の抗生物質耐
性遺伝子が好適に使用され得るが、これらに限定されな
い。
【0069】使用する宿主細胞に依存して、その細胞に
適する標準的技法を用いて、上記ベクターによる宿主細
胞の形質転換を行い得る。
【0070】原核生物細胞の場合、Cohen, S. N.ら(197
2)(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、69、2110頁)により
報告された塩化カルシウム処理法が用いられ得る。電気
穿孔法(エレクトロポレーション)は、原核生物細胞の
他、酵母、植物細胞等の真核生物細胞にも適用できる。
【0071】ある種の高等植物細胞においては、アグロ
バクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tum
efaciens)を介する方法(Shaw, C. H.ら(1983)、Gen
e、23:315)が広く用いられ得る。この方法は、まず構
築したベクター(pBI系プラスミド等)を、エレクト
ロポレーション等によってアグロバクテリウム・チュメ
ファシエンスに導入し、次いで形質転換された該細菌
を、リーフディスク法(Horsch, R. B.ら(1985)、Scien
ce、227:1229-1231)等の周知の手法により、宿主植物
細胞に導入する。
【0072】ベクターを導入してCOXVbタンパク質生産
能力を獲得した宿主細胞による目的タンパク質の生産
は、COXVbが発現するような適切な条件下で上記の宿主
細胞を培養することにより達成される。適切な条件は、
当業者に周知の方法を用いて決定され得る。例えば、本
明細書で参考として援用するManiatisら、上記を参照の
こと。培養物を遠心分離または濾過することによって宿
主細胞を分離して上清を得る。この上清から通常の手
段、例えば、塩析法、溶媒沈澱(例えばエタノール、ア
セトン等)によってタンパクを沈澱させる、あるいは、
限外濾過(例えばダイヤフローメンブレンYC、アミコ
ン社製)により濃縮させることにより、目的のポリペプ
チドを含む画分を得る。この画分に更に沈澱、濾過ある
いは遠心分離、脱塩処理などの処理を行い粗ポリペプチ
ドを得る。更にこの粗ポリペプチドを、凍結乾燥、等電
点沈澱、電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、晶
出等の通常のポリペプチドの精製手段を適宜組み合わせ
ることによって、精製ポリペプチドを回収することがで
きる。
【0073】さらに本発明は、COXVbをコードするcoxVb
遺伝子のヌクレオチド配列に相補的な配列を有するポリ
ヌクレオチド、この相補的な配列を有するポリヌクレオ
チドを生産し得るベクター、およびこのベクターを細胞
に導入する工程を包含するCOXVbタンパク質の機能を抑
制する方法、いわゆる「アンチセンス法」に関する。co
xVb遺伝子の発現を抑制することにより、ATPの生産が低
下し、エネルギー使用と生産のバランスが崩れることに
よる花粉退化(雄性不稔)および花の変異などを生じる
遺伝子組換え植物、菌類、あるいは酵母を作成し得る。
COXVbをコードするヌクレオチド配列に相補的な配列を
有するポリヌクレオチドは、前記のようにして得られた
COXVbをコードする遺伝子の相補鎖として入手可能であ
る。従って、相補的な配列を有するポリヌクレオチドを
生産し得るベクターは、COXVbをコードするポリヌクレ
オチドを前記のような適切なベクターに本来COXVbが発
現される向きに対して逆向き(アンチセンス)にするこ
とにより構築され得る。ベクターおよびその構築に用い
られる調節エレメントの種類ならびに構築の方法の詳細
は、前記と同様である。
【0074】coxVb遺伝子の機能を抑制する方法は、前
記COXVbをコードするヌクレオチド配列に相補的な配列
を有するポリヌクレオチド配列を生産し得るベクターを
宿主細胞に導入することにより達成され得る。ベクター
を宿主細胞に導入するプロセスの詳細は、前記と同様で
ある。
【0075】さらに本発明は、COXVbタンパク質と特異
的に複合体を形成し得る抗体を提供する。このような抗
体は、イネミトコンドリアを内膜、外膜、およびマトリ
ックスなどに分画する際のマーカーとして有用である。
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を産生す
るための方法は、当該分野において周知事項である。本
明細書中で参考として援用する、HarlowおよびLane、An
tibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring arbor L
aboratory, New York (1988)を参照のこと。本発明のモ
ノクローナル抗体の産生は、COXVbまたはその断片を動
物、例えば、マウスあるいはウサギに導入することによ
り生物学的に実施され得る。手短には、このプロセス
は、免疫源をマウス、または他の適切な動物に注射する
工程を包含する。続いてその動物を屠殺し、そしてその
脾臓から採取した細胞をミエローマ細胞と融合する。そ
の結果、「ハイブリドーマ」と呼ばれるハイブリッド細
胞が得られ得る。ハイブリドーマの集団をスクリーニン
グし、個々のクローンを単離する。各クローンは、抗原
に対して単一の抗体種を分泌する。異なるハイブリドー
マ細胞株をスクリーニングして所望の抗原に対する抗体
を産生するハイブリドーマ細胞株を同定した後、個々の
ハイブリドーマ細胞株により産生される抗体を、好まし
くは、スクリーニングして、COXVbに対して最も高い親
和性を有する抗体を同定する。
【0076】さらに本発明は、coxVb遺伝子の種々の改
変体を含有するゲノムを有する細胞を作製することによ
り植物新品種を創出する方法に関する。coxVb遺伝子へ
の変異の導入によりチトクロム酸化酵素の活性を上昇ま
たは低下し得る。変異の変異は、当該分野で公知の方法
により行われ得、点変異導入法、ランダム変異導入法、
挿入、欠失を導入する方法などを包含するが、これらに
限定されない。例えば、Kunkel, T.A. Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 82, 488 (1985) およびManiatis, Tら、前出を
参照のこと。活性上昇した植物ではATP高生産によ
り、成長速度が向上した高生産性植物を創出し得る。
【0077】以下の実施例において、本発明をさらに詳
細に説明するが、これらはなんら本発明を限定するもの
ではない。
【0078】
【実施例】実施例1 (イネ核ゲノムからのcoxVb遺伝子の単離) (1).ゲノムライブラリーの調製 100gのイネ成熟葉を、1リットルのホモジネーション緩
衝液(0.44Mサッカロース、2.5%(w/v)Ficoll-400(Pha
rmacia社製)、5%Dextran 40、25mMのHepes(pH7.5)、
10mMのMgCl2、10mMのβ-メルカプトエタノールおよび0.
1%(w/v)ポリビニルピロリドン)中でホモジナイズし
た。このホモジネートを濾過後、3,000gで5分間遠心分
離した。次いで沈澱物を、0.5%(w/v)TritonX-100を含
む上記ホモジネーション緩衝液50mlに再懸濁し、さらに
3,000gで5分間遠心分離した。得られた沈澱物を20mlの
50mMトリス塩酸緩衝液(10mMのEDTA、0.4mg/mlのプロテ
イナーゼK、および2%(w/v)ザルコシルを含む、pH7.
5)中に溶解した。不溶物は、20,000gで5分間の遠心分
離によって除去した。得られたDNAをエチジウムブロ
ミドの存在下で塩化セシウム密度勾配遠心法によって精
製した。高分子量の核ゲノムDNAを制限酵素Sau3Aで
切断し、得られた約15〜20kb断片をしょ糖密度勾配遠心
によって分離精製した。これらの断片をλファージベク
ターDASHII(Stratagene製)のBamHIサイトに挿入し、
イネゲノムライブラリーを作製した。
【0079】(2).cDNAライブラリーの調製 イネ成熟葉から全RNAを抽出し、常法に基づいてポリ
A付加RNAを調製した(Ausubel, F. M.らの「Curren
t Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & S
ons, Inc., NY, 1987)を参照)。ファルマシア社製c
DNA合成キットを用いて、上記ポリA付加RNAから
合成したcDNAを、ラムダ ZAPIIベクター(Stratage
ne製)のEcoRIサイトに挿入し、イネcDNAライブラ
リーを調製した。
【0080】(3).各ライブラリーのスクリーニングおよ
び陽性クローンの単離 イネcoxVb遺伝子 イネs11-2遺伝子の約0.8kbのXhoI-NotI断片をプローブ
として用いた。マルチラベリングシステム(Amersham,
Buckinghamshire, UK)を用いて、この断片を[α-32P]d
CTPにより標識した。標識したプローブを用いる通常の
プラークハイブリダイゼーション法(Sambrookら、198
9)によって、上記(1).および(2).で調製した各ライブ
ラリーをスクリーニングし、s11-2遺伝子のシグナル配
列をコードするヌクレオチド配列にハイブリダイズした
陽性ゲノムクローンおよびcDNAクローンを単離し
た。
【0081】実施例2coxVb遺伝子の配列決定)上記単離したポジティブク
ローンをベクターpBluescriptIISK-(Stratagene製)に
サブクローンした。得られたサブクローンについて、エ
キソヌクレアーゼIIIを用いた通常のデリーション操作
(Henikoff, S.(1984)、Gene、28:351)を施し、一連の
欠失DNA断片を作製した。得られた一連の欠失DNA
断片を用いて、市販のDNAシーケンサー(ファルマシア社
製、A.L.F. DNA SeaquencerII)を製造者の提供した使
用説明書に準じて使用して、ポジティブクローンのヌク
レオチド配列を決定した。配列番号1に示す通り、この
クローンは、5つのイントロンを挟んで、507bpのオー
プンリーディングフレーム(coxVb)を有することが明
らかとなった。
【0082】実施例3coxVb配列のコンピューター分析)ヌクレオチドおよ
び推定上のアミノ酸配列を、コンピューターソフトウェ
アGENETYX(Software Development Co., LTD., Tokyo,
Japan)により分析した。ヌクレオチドおよびアミノ酸
配列の相同性の解析を、DDBJ/EMBL/GeneBankデータベー
スを通じて、FASTAプログラム(PearsonおよびLipman,
1988)およびBLAST(Altschulら、1990)により実施し
た。表3は、上記のCOXVbと、ヒトゲノムにコードされ
るチトクロムc酸化酵素サブユニットVb(COXVb)およ
び酵母ゲノムにコードされるチトクロムc酸化酵素複合
体サブユニットIV(COXIV)との全アミノ酸配列の比較
表である。各アミノ酸残基は1文字表記で表している。
表中の−は欠失を示す。白抜きで示したアミノ酸は、CO
XVbの当該位置のアミノ酸残基と同一であることを示
す。COXVbとCOXVbまたはCOXIVとのアミノ酸配列の相同
性は、それぞれ49%および35%である。
【0083】本発明者は、上記アミノ酸配列相同性の解
析結果に基づき、本COXVbが、イネにおけるチトクロム
酸化酵素複合体を構成するサブユニットVbをコードする
coxVb遺伝子であることを見出した。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、オルガネラに局在する
タンパク質をコードする核ゲノム由来の遺伝子を単離す
る方法が提供される。さらに、植物のミトコンドリアの
呼吸鎖において機能するチトクロム酸化酵素複合体を構
成するサブユニットをコードするcoxVb遺伝子が提供さ
れ、さらには、coxVb遺伝子の種々の改変体またはcoxVb
遺伝子に相補的な配列を有する植物の新品種が提供され
る。
【0085】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:507 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 ATGTGGCGCC GCCTCCAAAC CCTGGCCCCG GCCCTGCGCC GCGCCGCCTC CGCCTCCGCC 60 TCCGCGGCGG CATCGGGCGC CGCGGGCCCC GCCTCCCTCG CCCGCGCCGC GCCGCTCTCC 120 ACGGCGGCCG CCGCCGCCTT CCGCCGCACC AGCCCTCTCC TGTCCGGGGA CAAGCCGGCG 180 ACGGTGGAGG ACGTCATGCC CATCGCCACG GGGCTGGAGC GCGAGGAGCT CGCGGCGGAG 240 CTCAAGGGGG AGAAGCGGTT CGACATGGAT CCTCCCGTAG GCCCATTTGG TACCAAGGAG 300 GCCCCAGCTG TCATTGAATC CTACTATAAC AAGAGGATAG TTGGTTGTCC TGGTGGTGAA 360 GGAGAGGATG AGCATGATGT TGTATGGTTC TGGTTGAAAA AAGATGAACC GCATGAGTGC 420 CCAGTCTGTT CACAATATTT TGTGCTTAAG GTCATTGGTG ATGGTGGTGA TCCAGATGGA 480 CATGATGATG ACGACGAGCA TCACCAC 507
【0086】配列番号:2 配列の長さ:169 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列 Met Trp Arg Arg Leu Gln Thr Leu Ala Pro Ala Leu Arg Arg Ala Ala 1 5 10 15 Ser Ala Ser Ala Ser Ala Ala Ala Ser Gly Ala Ala Gly Pro Ala Ser 20 25 30 Leu Ala Arg Ala Ala Pro Leu Ser Thr Ala Ala Ala Ala Ala Phe Arg 35 40 45 Arg Thr Ser Pro Leu Leu Ser Gly Asp Lys Pro Ala Thr Val Glu Asp 50 55 60 Val Met Pro Ile Ala Thr Gly Leu Glu Arg Glu Glu Leu Ala Ala Glu 65 70 75 80 Leu Lys Gly Glu Lys Arg Phe Asp Met Asp Pro Pro Val Gly Pro Phe 85 90 95 Gly Thr Lys Glu Ala Pro Ala Val Ile Glu Ser Tyr Tyr Asn Lys Arg 100 105 110 Ile Val Gly Cys Pro Gly Gly Glu Gly Glu Asp Glu His Asp Val Val 115 120 125 Trp Phe Trp Leu Lys Lys Asp Glu Pro His Glu Cys Pro Val Cys Ser 130 135 140 Gln Tyr Phe Val Leu Lys Val Ile Gly Asp Gly Gly Asp Pro Asp Gly 145 150 155 160 His Asp Asp Asp Asp Glu His His His 165
【0087】配列番号:3 配列の長さ:59 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列 Met Trp Arg Arg Leu Gln Thr Leu Ala Pro Ala Leu Arg Arg Ala Ala 1 5 10 15 Ser Ala Ser Ala Ser Ala Ala Ala Ser Gly Ala Ala Gly Pro Ala Ser 20 25 30 Leu Ala Arg Ala Ala Pro Leu Ser Thr Ala Ala Ala Ala Ala Phe Arg 35 40 45 Arg Thr Ser Pro Leu Leu Ser Gly Asp Lys Pro 50 55
【0088】配列番号:4 配列の長さ:268 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 配列の種類:genomic DNA 配列 ATCAAATCGA GAGAGAGCCC CCATCTCGCC TCGCCTCGCC GCCTCCTCCC TCCCCCCATT 60 CCCCCGCCGC CGCCGCTGCG AGCGCCGCGA CATGAGAGCA CGCCTCCAAA CCCTGGCCCC 120 GGCCCTGCGC CGCGCCGCCT CCGCCTCCGC CACGGGCCCC GCCTCCGCCT CCGCCGCGGG 180 CCCCGCCTCC CTCGCCAGCG CCGCGCCGCT CTCCACGGCG GCCGCCGCCG CCTTCCCACC 240 TCCTCAGTCT AAAACCGCTT CACGTATG 268
【0089】配列番号:5 配列の長さ:287 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 配列の種類:genomic DNA 配列 ATCAAATCGA GAGAGAGCCC CATCTCGCCT CGCCTCCTCC TCCCTCCTCC CCATTCCCCC 60 GCCGCCGCCG CCGAGGGCGC CGCGACCTGA GAGCACACGC ACGCCCGCCA TGTGGCGCCG 120 CCTCCAAACC CTGGCCCCGG CCCTGCGCCG CGCCGCCTCC GCCTCCGCCT CCGCGGCGGC 180 ATCGGGCGCC GCGGGCCCCG CCTCCCTCGC CCGCGCCGCG CCGCTCTCCA CGGCGGCCGC 240 CGCCGCCTTC CGCCGCACCA GCCCTCTCCT GTCCGGGGAC AAGCCGG 287
【0090】配列番号:6 配列の長さ:59 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列 Met Arg Ala Arg Leu Gln Thr Leu Ala Pro Ala Leu Arg Arg Ala Ala 1 5 10 15 Ser Ala Ser Ala Thr Gly Pro Ala Ser Ala Ser Ala Ala Gly Pro Ala 20 25 30 Ser Leu Ala Ser Ala Ala Pro Leu Ser Thr Ala Ala Ala Ala Ala Phe 35 40 45 Pro Pro Pro Gln Ser Lys Thr Ala Ser Arg Met 50 55
【0091】配列番号:7 配列の長さ:59 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列 Met Trp Arg Arg Leu Gln Thr Leu Ala Pro Ala Leu Arg Arg Ala Ala 1 5 10 15 Ser Ala Ser Ala Ser Ala Ala Ala Ser Gly Ala Ala Gly Pro Ala Ser 20 25 30 Leu Ala Arg Ala Ala Pro Leu Ser Thr Ala Ala Ala Ala Ala Phe Arg 35 40 45 Arg Thr Ser Pro Leu Leu Ser Gly Asp Lys Pro 50 55
【0092】配列番号:8 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列 Met Trp Arg Arg Leu Gln Thr Leu Ala Pro Ala Leu Arg Arg Ala Ala 1 5 10 15 Ser Ala Ser Ala 20
【0093】配列番号:9 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 配列 Ala Ala Gly Pro Ala Ser Leu Ala Arg
Ala Ala Pro Leu Ser Thr Ala 1 5
10 15 Ala Ala Ala Ala Phe 20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガネラに局在するタンパク質をコー
    ドする遺伝子をクローニングする方法であって、オルガ
    ネラへの局在化に関連するシグナル配列をコードするヌ
    クレオチド配列を有するポリヌクレオチドをプローブと
    して用いてハイブリダイゼーションを行う工程を包含す
    る、方法。
  2. 【請求項2】 前記オルガネラが、ミトコンドリアであ
    り、前記プローブがミトコンドリアへの局在化に関連す
    るシグナル配列をコードするヌクレオチド配列を有する
    ポリヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記プローブが、少なくとも15個の連続
    したヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドであっ
    て、該ポリヌクレオチドは、配列番号4または5によっ
    て示されるヌクレオチド配列中に存在するヌクレオチド
    配列を有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記プローブが、少なくとも15個の連続
    したヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドであっ
    て、該ポリヌクレオチドは、配列番号6または7によっ
    て示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列
    を有する、請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記プローブが、少なくとも15個の連続
    したヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドであっ
    て、該ポリヌクレオチドは、配列番号6または7によっ
    て示されるアミノ酸配列において1もしくは複数のアミ
    ノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列をコ
    ードするヌクレオチド配列を有する、請求項1または2
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記プローブが、少なくとも15個の連続
    したヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドであっ
    て、該ポリヌクレオチドは、配列番号8または9によっ
    て示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列
    を有する、請求項1または2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記プローブが、少なくとも15個の連続
    したヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドであっ
    て、該ポリヌクレオチドは、配列番号8または9によっ
    て示されるアミノ酸配列において1もしくは複数のアミ
    ノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列をコ
    ードするヌクレオチド配列を有する、請求項1または2
    に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006212019A (ja) * 2004-04-30 2006-08-17 National Institute Of Agrobiological Sciences 植物を用いたユビキノン−10の製造方法

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