JP2884486B2 - ミトコンドリアリボソームタンパク質遺伝子およびその使用 - Google Patents

ミトコンドリアリボソームタンパク質遺伝子およびその使用

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JP2884486B2
JP2884486B2 JP7248150A JP24815095A JP2884486B2 JP 2884486 B2 JP2884486 B2 JP 2884486B2 JP 7248150 A JP7248150 A JP 7248150A JP 24815095 A JP24815095 A JP 24815095A JP 2884486 B2 JP2884486 B2 JP 2884486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミトコンドリアへ
の輸送シグナルペプチドを含むミトコンドリアリボソー
ムタンパク質前駆体およびそれをコードする遺伝子に関
し、さらに詳しくは、イネ核ゲノム由来のrps11遺伝子
に関する。さらに本発明は、ミトコンドリアリボソーム
タンパク質の輸送シグナルペプチドに基づく、宿主細胞
において産生されたタンパク質のミトコンドリアへの輸
送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ミトコンドリアは、独自のゲノムおよび
リボソームを有し、多種類のタンパク質を含む細胞小器
官である。高等動物のミトコンドリアDNAは、全鎖長
が約16,600塩基対(bp)と短かく、ミトコンドリアタンパ
ク質の多くは核ゲノムDNAにコードされている。例え
ば、ヒトのミトコンドリアリボソームタンパク質はいず
れも核ゲノムDNAにコードされている(Anderson, S.
ら(1981)、Nature、290:457-465)。
【0003】他方、植物のミトコンドリアDNAは、お
よそ20万〜240万の塩基対からなり、植物の生理機
能上重要な比較的多くの遺伝子を含んでいる。例えば、
苔類および被子植物のミトコンドリアDNAには、数種
のミトコンドリアリボソームタンパク質がコードされて
いる(Takemura, M.ら(1992)、Nucl. Acids. Res.、20:
3199-3205、Gualberto, J. M.ら(1988)、Mol. Gen. Gen
et.、215:118-127、Suzuki, T.ら(1991)、Curr. Gene
t.、20:331-337、Bland, M. M.ら(1986)、Mol. Gen. Ge
net.、204:8-16を参照)。さらに、植物の雄性不稔を決
定する遺伝子(T)がイネ、トウモロコシなどのミトコ
ンドリアで発見されている(Dewey, R. E.ら(1987)、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA、84:5374-5378)。
【0004】従って、種々の生理活性物質および遺伝子
発現調節物質をミトコンドリアへ輸送する手段の確立
は、植物細胞および植物体の生理機能の解明およびその
調節、さらには分子生物学的アプローチによる植物新品
種の創出のために重要であり、要望されている。
【0005】核ゲノムにコードされるミトコンドリアタ
ンパク質の多くは、細胞質で前駆体として合成された
後、細胞質ゾルからミトコンドリア内部に取り込まれ、
成熟体に転換される。最近の遺伝子工学の進歩によっ
て、これまでにさまざまな生物で約100種のミトコンド
リアタンパク質前駆体の遺伝子がクローニングされ、こ
れらタンパク質前駆体のN末端部分には、ミトコンドリ
アへのタンパク質輸送に関与する、およそ20〜80ア
ミノ酸残基から成るシグナルペプチドが存在することが
明らかになっている。上記シグナルペプチドは、そのN
末端領域において、一方の側に正に荷電したアミノ酸残
基、他方の側に疎水性アミノ酸残基が配置されるαヘリ
ックス構造(両親媒性構造)を形成すること(Takeda,
M.ら(1986)、J. Biol. Chem.、261:15126-15133)が知
られ、該シグナルペプチドのミトコンドリアへの貫入に
は、ATP(またはGTP)および種々の細胞質因子の
存在が必要であることが知られている(竹田(1994)の総
説(蛋白質核酸酵素、39:611-621)を参照)が、ミトコ
ンドリア膜透過機構の全容は明らかにされていない。さ
らに植物細胞における核ゲノムDNAにコードされたミ
トコンドリアタンパク質のミトコンドリアへの輸送の詳
細は全く解明されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、その目的とするところは、ミトコ
ンドリアリボソームタンパク質前駆体をミトコンドリア
へ輸送する輸送シグナルペプチドをコードするヌクレオ
チド配列を有するポリヌクレオチドを提供することであ
り、さらには、該輸送シグナルペプチドに基づく、宿主
細胞における外来タンパク質のミトコンドリアへの輸送
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、植物の核ゲノ
ムDNAにコードされる、ミトコンドリアリボソームタ
ンパク質前駆体のN末端部分に存在するミトコンドリア
への輸送シグナルペプチド部分をコードするヌクレオチ
ド配列を有するポリヌクレオチドを提供するものであ
る。
【0008】さらに詳しくは、イネの核ゲノム由来のS
11ミトコンドリアリボソームタンパク質の前駆体に存
在する、本明細書における配列番号3によって示される
ミトコンドリアへの輸送シグナルペプチドのアミノ酸配
列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数のア
ミノ酸が付加、欠失もしくは置換され、かつ、該ミトコ
ンドリアへの輸送シグナルペプチドとしての機能を保持
し得るアミノ酸配列をコードする配列を有するポリヌク
レオチドに関する(以下、本発明のポリヌクレオチドと
いう)。本明細書において「ポリヌクレオチド」とは、
ヌクレオチドの重合体を意味するものであって、特定の
鎖長に限定されない。本発明の実施に好ましいポリヌク
レオチドは、配列番号2によって示されるアミノ酸配列
をコードするヌクレオチド配列を有する。配列番号1に
よって示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオ
チドもまた、本発明の実施に好適である。本発明のポリ
ヌクレオチドは、イントロンを含み得る。
【0009】さらに本発明は、本発明のポリヌクレオチ
ドを有する組換えベクター(以下、本発明の組換えベク
ターという)に関する。本明細書において「ベクター」
とは、遺伝子工学的に構築された外来のポリヌクレオチ
ドを宿主細胞中に伝達する媒体をいう。好ましいベクタ
ーはプラスミドである。植物細胞もしくは酵母および/
または細菌に伝達するものが特に好ましい。本発明の上
記ベクターのタイプおよび使用される各調節エレメント
の種類が、宿主細胞に応じて変更し得ることは、当該分
野における周知事項である。
【0010】さらに本発明は、外来タンパク質をミトコ
ンドリアへ輸送する方法であって: (a)本発明のポリヌクレオチドから、ミトコンドリア
への輸送シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配
列を含むポリヌクレオチド断片を調製する工程; (b)該輸送シグナルペプチドと外来タンパク質とをコ
ードするポリヌクレオチドを構築する工程; (c)該構築されたポリヌクレオチドを宿主細胞中で発
現可能な状態で含有する組換えベクターを構築する工
程; (d)該組換えベクターを宿主細胞に導入する工程;お
よび (e)該構築されたポリヌクレオチドを宿主細胞内で発
現させる工程;を包含する方法を提供する(以下、本発
明の輸送方法という)。本明細書において「外来タンパ
ク質」とは、遺伝子工学的に構築された外来のポリヌク
レオチドにコードされたタンパク質であって、該ポリヌ
クレオチドの発現の結果、宿主細胞において産生される
タンパク質を指す。従って、本明細書における「外来タ
ンパク質」は、宿主細胞に内在性のタンパク質であっ
て、上記外来のポリヌクレオチドから誘導されたタンパ
ク質を包含する。本発明の輸送方法の実施に好ましい宿
主細胞は、酵母、菌類、および植物細胞である。組織培
養法および細胞またはカルスからの再分化技術が確立し
ている高等植物の細胞が特に好ましい。
【0011】本発明者は、従来、植物界において下等植
物に属するゼニゴケおよび藻からのみクローニングされ
ていた、リボソームタンパク質(RPと略す)の一種であ
るミトコンドリアRPS11をコードする遺伝子rps11を高等
植物であるイネのミトコンドリアゲノムから単離するこ
とに成功した。しかしながら、上記遺伝子は正常なタン
パク質を生産できない偽遺伝子であったことから、本発
明者は、RPS11をコードした実際に発現し得る遺伝子が
ミトコンドリアゲノムではなく核ゲノムに存在すること
を想定して、イネのcDNAライブラリーおよびイネの
核ゲノムから上記RPS11の前駆体をコードする遺伝子rps
11(以下、本rps11遺伝子という)を単離し、さらにそ
の配列情報を解析した結果、本rps11遺伝子にコードさ
れるRPS11前駆体のN末端部分がミトコンドリアへのタ
ンパク質輸送に関与するシグナルペプチドであることを
同定した。以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明者によって単離されたイネゲノム由
来のrps11遺伝子のヌクレオチド配列を配列番号1に示
す。本rps11遺伝子は、2つのイントロンを挟んでRPS11
前駆体をコードしている遺伝子である。本rps11遺伝子
がコードするRPS11前駆体の全アミノ酸配列を配列番号
2に示す。
【0013】表1は、本rps11遺伝子にコードされるRPS
11前駆体のアミノ酸配列(表中のrice nuc)と、イネミ
トコンドリアゲノムのrps11偽遺伝子にコードされる推
定RPS11配列(表中のrice mt)、ゼニゴケのミトコンド
リアゲノムDNAにコードされるRPS11成熟体(表中のl
iverwort mt)およびイネ葉緑体ゲノムDNAにコード
されるRPS11成熟体(表中のrice cp)との全アミノ酸配
列の比較表である。各アミノ酸残基は一文字表記で表し
ている。表中のタ゛ッシュ(−)は欠失、ト゛ット(.)は、本rps11
遺伝子にコードされるRPS11前駆体の当該位置のアミノ
酸残基と同一であることを示し、rice mt中のXはストッ
プコドンを示す。
【0014】
【表1】
【0015】本rps11にコードされるRPS11前駆体のアミ
ノ酸配列と、イネミトコンドリアゲノム由来の推定RPS1
1配列、ゼニゴケミトコンドリアゲノム由来のRPS11成熟
体、およびイネ葉緑体ゲノム由来のRPS11成熟体のアミ
ノ酸配列との相同性は、各々、73.1%、36.9%、および
30.4%である。表1に示す通り、本rps11遺伝子にコー
ドされるRPS11前駆体は、他のRPS11アミノ酸配列との比
較の結果、N末端部分におよそ100アミノ酸残基にも及
ぶ延長ペプチドを有しているタンパク質であることが明
らかとなった(以下、本RPS11前駆体という)。このよ
うな長鎖の延長ペプチドを有するリボソームタンパク質
前駆体は、従来全く知られていない。
【0016】さらに本発明者は、上記アミノ酸配列相同
性の解析結果に基づき、本RPS11前駆体における上記延
長ペプチド部分が、植物細胞における核ゲノムDNAに
コードされ細胞質で合成されたタンパク質前駆体をミト
コンドリアへ輸送するシグナルペプチド(transit pept
ideとも称する)であることを想定し、他の公知のミト
コンドリアタンパク質前駆体のN末端部分のアミノ酸配
列と上記延長ペプチドアミノ酸配列との相同性の解析を
行った。その結果、上記延長ペプチド部分が、細胞質で
合成されたタンパク質をミトコンドリアへ輸送するため
のシグナルペプチド(以下、本シグナルペプチドとい
う)として機能し得る配列であることを見出し、本発明
を完成させた。
【0017】本rps11遺伝子がコードするRPS11前駆体の
本シグナルペプチド部分のアミノ酸配列を配列番号3に
示す。表2は、本rps11遺伝子がコードするRPS11前駆体
のN末端部分の35アミノ酸残基からなるアミノ酸配列
(表中のrice RPS11)と、植物核ゲノムにコードされた
3種のミトコンドリアタンパク質前駆体のN末端部分ア
ミノ酸配列(46〜55アミノ酸残基)とを、比較したもの
である。表中のNpBATPase、HbBATPaseおよびOsBATPase
は、各々、Nicotiana plumbaginifoliaHevea brasili
ensisおよびOryzae sativa由来のATPアーゼβサブユ
ニットを表す。
【0018】
【表2】
【0019】表2に示すように、本RPS11前駆体のN末
端部分のアミノ酸配列は、他のミトコンドリアタンパク
質前駆体のN末端部分のアミノ酸配列と高い相同性を有
している。このことは、本rps11遺伝子にコードされる
タンパク質が、ミトコンドリアへの輸送シグナルペプチ
ドを有する前駆体として細胞質で合成されていることを
支持するものである。しかしながら、本シグナルペプチ
ドのC末端側部分を含むアミノ酸配列については、他の
公知の核ゲノムDNAにコードされたミトコンドリアタ
ンパク質のシグナルペプチドとの顕著な配列相同性は、
認められていない。 本発明によれば、宿主細胞、特に
植物細胞、酵母、ならびに菌類の細胞において誘導され
た外来タンパク質を宿主細胞のミトコンドリア内へ輸送
することができる。本発明のポリヌクレオチドおよび組
換えベクターは、外来タンパク質を宿主細胞ミトコンド
リア内へ輸送するための手段として好適に利用され得
る。従って、本発明の実施により、例えば、リプレッサ
ー等の遺伝子発現調節物質をミトコンドリア内へ輸送し
得、ミトコンドリアゲノムに存在する遺伝子の発現を調
節し得る。さらにまた、ミトコンドリアゲノムに存在す
る遺伝子の発現を制御し得る遺伝子組換え植物、菌類、
あるいは酵母を作成し得る。
【0020】本発明の輸送方法において、本シグナルペ
プチドと外来タンパク質とをコードするポリヌクレオチ
ドを発現させるために使用されるプロモーター、エンハ
ンサー等からなる調節領域の選択に応じて、これらポリ
ヌクレオチドからの転写が調節され得ることは、当該分
野の周知事項である。従って、いわゆる当業者であれ
ば、プロモーター、エンハンサー等の調節遺伝子を適宜
選択して本発明を実施することによって、本シグナルペ
プチドを含む外来タンパク質の合成量を調節し得る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、以下のように実施され
得る。本発明の実施は、特に記載がない限り、分子生物
学、生化学、遺伝学、遺伝子工学、微生物学、および植
物育種学等の分野の従来技法を用いて実施し得る。
【0022】(1)rps11遺伝子の単離 λファージクローニングベクターを用いる常法により、
イネミトコンドリアDNAライブラリー、イネcDNA
ライブラリーまたはイネ核ゲノムDNAライブラリーを
作成する。市販のゲノムライブラリーも好適に使用し得
る。ゼニゴケミトコンドリアゲノムDNAに存在するrp
s11遺伝子(Takemura, M.ら(1992)、Nucleic Acids Re
s.、20:3199-3205、「GenBank」アクセスNo.M68929)をプロ
ーブにして、プラークハイブリダイゼーションを実施
し、該プローブと相同配列を有するイネミトコンドリア
クローンを選抜する。次にイネミトコンドリアrps11
伝子をプローブに用いて同様の作業を行い、核コードrp
s11遺伝子を単離する。あるいは、配列番号1によって
示される、本rps11遺伝子のヌクレオチド配列の一部を
直接プローブとして、植物核ゲノムに存在するrps11
含むクローンを単離する。
【0023】(2)RPS11前駆体の配列決定 上記(1)で得られた陽性クローンより、イネ由来のD
NAフラグメントを取得する。次いで、当該分野で公知
のヌクレオチド配列解析法(Sangerらのジデオキシ法
等)または市販されている自動シーケンサーにより、上
記DNAフラグメントのヌクレオチド配列を決定し得
る。
【0024】(3)ポリヌクレオチドの作製 本発明のポリヌクレオチドは、公知の遺伝子工学的手法
により、上記単離されたDNAフラグメントの全長すな
わち本RPS11をコードする全ヌクレオチド配列またはRPS
11前駆体中の本シグナルペプチド部分をコードするヌク
レオチド配列を含有するように構築され得る。さらに上
記ライブラリーに含まれるイネゲノムDNAまたはcD
NAを鋳型として、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)
(Saikiら(1988)、Science、230:1350-1354)を実施
し、本シグナルペプチドコーディング領域を含む増幅さ
れた領域のヌクレオチド配列を使用することも容易であ
る。あるいは、本明細書に開示されるヌクレオチド配列
情報を基に、公知のDNA合成法(例えば、ホスホアミ
ダイト法)により化学的に合成されたDNA断片もま
た、本発明のポリヌクレオチドとして好適に用いられ得
る。
【0025】本発明のポリヌクレオチドの作製におい
て、配列番号3によって示される本シグナルペプチドの
正確なアミノ酸配列内の一次構造の小さな変更が、本シ
グナルペプチドが有するミトコンドリアへの輸送シグナ
ルペプチドとしての機能を失わない範囲で行い得ること
は、当業者であれば、理解し得ることである。このよう
な変更には、本シグナルペプチドのアミノ酸配列内にお
ける、1もしくは複数のアミノ酸の付加、欠失もしくは
置換が包含され、周知技術である部位特異的変異誘発法
(site-directed mutagenesis)(例えば、Nucleic Aci
ds Res.、10:6487-6500(1982年)を参照)あるいはPC
R法(Saikiら(1988)、Science、230:1350-1354)によ
り実施し得る。ここで「1もしくは複数のアミノ酸」と
は、上記部位特異的変異誘発法あるいはPCR法によ
り、付加、欠失または置換できる程度の数のアミノ酸を
意味する。
【0026】得られた本発明のポリヌクレオチドは、そ
のままもしくは適切なリンカーを連結させて以下に示す
組換えベクターの構築に利用され得る。
【0027】(4)組換えベクターの構築 本シグナルペプチドをN末端部分に含むように構築され
た外来タンパク質をコードするポリヌクレオチドと、該
ポリヌクレオチドを宿主細胞内で発現させるための種々
の調節エレメント(プロモーター、リボゾーム結合部
位、ターミネーター、エンハンサー、発現レベルを制御
する種々のシスエレメントを包含する)とを包含する組
換え発現ベクターの構築においては、当該分野でよく理
解されている種々の制限酵素によるポリヌクレオチド切
断技法(restriction)およびポリヌクレオチド断片連
結技法(ligation)が用いられる。ベクターおよびその
構築に使用される調節エレメントの種類は、宿主細胞の
タイプに依存している。
【0028】酵母を宿主とした場合の好ましいベクター
は、2μプラスミド複製系(ori)を有するYEp型ベクタ
ーであるが、これに限定されず、他の発現ベクターも使
用し得る。酵母と大腸菌とのシャトルベクターの使用が
好ましい。使用するプロモーターとしては、酵母F1−
ATPアーゼ、ジヒドロ葉酸還元酵素に関するプロモー
ター、あるいは種々の解糖系における酵素に関するプロ
モーター、例えば、アルコールデヒドロゲナーゼ、グリ
セルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ピ
ルベートキナーゼホスホグリコイソメラーゼ等に関する
プロモーターが好ましく使用され得る。これらのプロモ
ーターをエンハンサー、オペレーター等の調節配列と共
に使用する。レポーター遺伝子としては、酵母F1−A
TPアーゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子が好適
に使用し得るが、これらに限定されない。酵母宿主とし
ては、一般的なSaccharomyces cerevisiaeの他、Zygosa
ccharomyces rouxiiSchizosaccharomyces pombe、さ
らにPichiaおよびCandida等も使用し得る。アミノ酸要
求性または塩基要求性株の使用が好ましい。
【0029】植物細胞を宿主とした場合の上記ベクター
の構築例を以下に説明する。プロモーターとして、カリ
フラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモ
ーター、ノパリン合成酵素(NOS)プロモーター等が
一般的に使用され得るがこれらに限定されない。部位特
異的プロモーターを使用すれば、本発明の輸送方法を植
物体の部位(組織)特異的に実施することができる。本
発明の実施に用いられ得るターミネーターは、特に限定
されない。CaMV35SあるいはNOSのターミネー
ター領域が好適に使用され得る。作製された上記遺伝子
構築物を、アグロバクテリウム属細菌を介して植物に導
入し得るプラスミド(例えばpBI系プラスミド(Clont
ech社製))あるいはpUC系プラスミドに導入すること
によって、植物細胞を宿主とする本発明の組換えベクタ
ーが構築され得る。
【0030】本発明の組換えベクターは、上記ポリヌク
レオチド構築物に加え、さらに選択可能なマーカー遺伝
子を含有し得る。選択可能なマーカー遺伝子は、本発明
のポリヌクレオチドを導入された宿主細胞を選択するた
めに使用される。一般に使用され得る選択可能なマーカ
ー遺伝子は、用いる宿主細胞によって異なる。例えば、
酵母の場合は、栄養要求性を相補する遺伝子(LeuUr
aTrp等)、植物細胞の場合は、カナマイシン耐性を付
与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NTPI
I)またはハイグロマイシン耐性を付与するハイグロマ
イシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)等の抗生物質耐
性遺伝子が好適に使用され得るが、これらに限定されな
い。
【0031】(5)宿主細胞の形質転換 使用する宿主細胞に依存して、その細胞に適する標準的
技法を用いて、上記ベクターによる宿主細胞の形質転換
を行い得る。
【0032】原核生物細胞の場合、Cohen, S. N.ら(197
2)(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、69、2110頁)により
報告された塩化カルシウム処理法が用いられ得る。電気
穿孔法(エレクトロポレーション)は、原核生物細胞の
他、酵母、植物細胞等の真核生物細胞にも適用できる。
【0033】ある種の高等植物細胞においては、アグロ
バクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tum
efaciens)を介する方法(Shaw, C. H.ら(1983)、Gen
e、23:315)が広く用いられ得る。この方法は、まず構
築したベクター(pBI系プラスミド等)を、エレクト
ロポレーション等によってアグロバクテリウム・チュメ
ファシエンスに導入し、次いで形質転換された該細菌
を、リーフディスク法(Horsch, R. B.ら(1985)、Scien
ce、227:1229-1231)等の周知の手法により、宿主植物
細胞に導入する。
【0034】以下の実施例において、本発明をさらに詳
細に説明するが、これらはなんら本発明を限定するもの
ではない。
【0035】
【実施例】実施例1 (イネ核ゲノムからのrps11遺伝子の単離) (1).ゲノムライブラリーの調製 100gのイネ成熟葉を、1リットルのホモジネーション緩
衝液(0.44Mサッカロース、2.5%(w/v)Ficoll-400(Pha
rmacia社製)、5%Dextran 40、25mMのHepes(pH7.5)、
10mMのMgCl2、10mMのβ-メルカプトエタノールおよび0.
1%(w/v)ポリビニルピロリドン)中でホモジナイズし
た。このホモジネートを濾過後、3,000gで5分間遠心分
離した。次いで沈澱物を、0.5%(w/v)TritonX-100を含
む上記ホモジネーション緩衝液50mlに再懸濁し、さらに
3,000gで5分間遠心分離した。得られた沈澱物を20mlの
50mMトリス塩酸緩衝液(10mMのEDTA、0.4mg/mlのプロテ
イナーゼK、および2%(w/v)ザルコシルを含む、pH7.
5)中に溶解した。不溶物は、20,000gで5分間の遠心分
離によって除去した。得られたDNAをエチジウムブロ
ミドの存在下で塩化セシウム密度勾配遠心法によって精
製した。高分子量の核ゲノムDNAを制限酵素Sau3Aで
切断し、得られた約15〜20kbフラグメントをしょ糖密度
勾配遠心によって分離精製した。これらフラグメントを
λファージベクターDASHII(Stratagene製)のBamHIサ
イトに挿入し、イネゲノムライブラリーを作製した。
【0036】(2).cDNAライブラリーの調製 イネ成熟葉から全RNAを抽出し、常法に基づいてポリ
A付加RNAを調製した(Ausubel, F. M.らの「Curren
t Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & S
ons, Inc., NY, 1987)を参照)。ファルマシア社製c
DNA合成キットを用いて、上記ポリA付加RNAから
合成したcDNAを、ラムダ ZAPIIベクター(Stratage
ne製)のEcoRIサイトに挿入し、イネcDNAライブラ
リーを調製した。
【0037】(3).各ライブラリーのスクリーニングおよ
び陽性クローンの単離 ゼニゴケミトコンドリアRPS11(表1中のliverwort m
t)またはイネミトコンドリアRPS11(表1中のrice m
t)をコードするヌクレオチド配列をプローブとして用
いた通常のプラークハイブリダイゼーション法によっ
て、上記(1).および(2).で調製した各ライブラリーをス
クリーニングし、本rps11遺伝子を含む陽性ゲノムクロ
ーンおよびcDNAクローンを単離した。
【0038】実施例2 (本rps11遺伝子の配列決定)上記単離したポジティブ
クローンをベクターpBluescriptIISK-(Stratagene製)
にサブクローンした。得られたサブクローンについて、
エキソヌクレアーゼIIIを用いた通常のデリーション操
作(Henikoff, S.(1984)、Gene、28:351)を施し、一連
の欠失DNA断片を作製した。得られた一連の欠失DN
A断片を用いて、市販のDNAシーケンサー(ファルマシア社
製、A.L.F. DNA SeaquencerII)を製造者の提供した使
用説明書に準じて使用して、イネ核ゲノムに存在する本
rps11遺伝子のヌクレオチド配列を決定した。配列番号
1に示す通り、本rps11遺伝子は、2つのイントロンを
挟んで、254アミノ酸残基からなるRPS11(配列番号2)
をコードする領域を含む、1629塩基対からなることが明
らかとなった。
【0039】実施例3 (本発明のrps11に関するノーザン解析)イネ幼葉から
ポリA付加RNAおよびミトコンドリアRNAを常法に
より調製した。得られたRNA2μgをホルマリンを含
む1%変性アガロースゲル上で電気泳動した。泳動終了
後、20×SSCでナイロンメンブレンに転写し、市販のU
Vクロスリンカーを用いて、該メンブレン上に転写した
上記RNAを架橋固定した。プレハイブリダイゼーショ
ンは5×SSC、0.1%SDS、5×デンハルト液、100μg/m
lのDNA溶液、50%ホルムアルデヒド条件下、42℃で
一晩行った。ハイブリダイゼーション操作は、上記反応
バッファー中に、上記実施例2で得た本rps11遺伝子の
ポリヌクレオチド断片を32P標識したものをプローブと
して加え、42℃で20時間インキュベートして行った。そ
の後、2×SSC、0.1%SDSの条件下、室温で2回、15分
づつ2回洗浄し、さらに0.1×SSC、0.1%SDSの条件下、
68℃で2回、15分づつ洗浄した。洗浄後、上記メンブレ
ンを感光増強スクリーンを伴うXARフィルム(Kodak製)
に、-80℃で48時間曝した。得られたオートラジオグラ
ムから、上記プローブとハイブリダイズしたRNAを検
出した。結果を図1に示す。図1中の左側がポリA付加
RNAを泳動したレーン(polyA RNA)、右側がミトコ
ンドリアRNA(mt RNA)を泳動したレーンである。本
ノーザン解析の結果は、上記実施例1および2において
単離されたrps11遺伝子が、イネ細胞中で実際に発現し
ていることを示している。
【0040】実施例4 (酵母用組換え発現ベクターの構築)通常のPCR法に
より、上記単離されたイネrps11cDNAクローンを鋳
型にして、配列番号3によって示される本シグナルペプ
チド領域をコードするポリヌクレオチドフラグメントを
調製した。他方、通常のPCR法により、酵母F1−A
TPアーゼβサブユニットの成熟体部分(Takeda, M.ら
(1985)、J. Biol. Chem.、260:15458-15465)コーディ
ング領域およびその3'末端非コーディング領域からなる
ポリヌクレオチドの3'末端にBamHI認識部位を付加した
ポリヌクレオチドフラグメントを調製した。同様に、酵
母F1−ATPアーゼβサブユニット遺伝子のプロモー
ター領域の5'末端側にBamHI認識部位を付加したポリヌ
クレオチドフラグメントを調製した。次いで、上記3種
のフラグメントを連結し、酵母用発現プラスミドとして
周知のYEp13(図2参照)のtetR(テトラサイクリン抵
抗遺伝子)領域中のBamHI部位に挿入し、組換え発現ベ
クターを構築した。得られたYEp13ベースの組換えプラ
スミドの構築図を図3に示す。図3中のPATPaseβは、
1−ATPアーゼβサブユニットのプロモーター領
域、ならびに、RPS11ssおよびATPaseβは、各々、イネr
ps11中のシグナル配列コーディング領域およびF1−A
TPアーゼβサブユニット成熟体のコーディング領域を
示す。YEp13は酵母と大腸菌とのシャトルベクターであ
るので、上記構築した組換えプラスミドは大腸菌に導入
して増やした。
【0041】実施例5 (組換え発現ベクターの酵母細胞への導入および発現)
上記実施例4で構築した発現ベクターを用いて、宿主酵
母細胞をリチウムアセテート法(Ito, H.ら(1983)、J.
Bacteriol.、153:163-168)により形質転換した。宿主
酵母細胞のロイシン栄養要求性の該ベクターによる相補
(LEU2+)を選択マーカーとして、形質転換酵母をスク
リーニングした。単離した形質転換酵母において産生さ
れた本シグナルペプチドとF1−ATPアーゼβサブユ
ニットとの融合タンパク質のミトコンドリアへの輸送お
よび該F1−ATPアーゼβサブユニットのミトコンド
リアにおける局在は、抗F1−ATPアーゼβサブユニ
ット抗体を用いて、常法のウエスタンブロット法(Burn
ette, W. H.(1981)、Anal.Biochem.、112:195)によっ
て確認した。
【0042】実施例6 (植物細胞用組換え発現ベクターの構築)通常のPCR
法により、上記単離されたイネrps11cDNAクローン
を鋳型にして、配列番号3によって示される本シグナル
ペプチド領域をコードする領域からなるポリヌクレオチ
ドフラグメントを調製した。他方、通常のPCR法によ
り、上記F1−ATPアーゼβサブユニットの成熟体部
分コーディング領域の3'末端にSacI認識部位を付加した
ポリヌクレオチドフラグメントを調製した。次いで、上
記2つのフラグメントを連結し、植物細胞用発現ベクタ
ーとして周知のプラスミドpBI121(Clontech社より購
入)からGUSコーディング領域(SmaI−SacI断片)を
除いたものに導入した。
【0043】実施例7 (組換えプラスミドのタバコ細胞への導入) (1).アク゛ロハ゛クテリウム・チュメファシエンスの形質転換アク゛ロハ゛クテリウム・チュメファシエンス LBA4404株(Clontech社より購
入)を250μg/mlのストレプトマイシンと50μg/mlのリ
ファンピシンを含むLB培地中、28℃で培養した。Nagel
ら(1990)(Microbiol. Lett.、67:325)の方法に従っ
て、細胞懸濁液を調製し、実施例4で構築したプラスミ
ドベクターをエレクトロポレーションにより、上記菌株
に導入した。
【0044】(2).イネゲノム由来のRPS11をコードする
ポリヌクレオチドのタバコ細胞への導入 上記(1)で得
られた形質転換アク゛ロハ゛クテリウム・チュメファシエンスLBA4404株とタバ
コ(N.tabacum 'Samsun')葉片とを共存培養したリーフ
ディスク法(Horsch, R. B.ら(1985)、Science、227:12
29-1231)により、タバコ細胞に上記組換えベクターを
導入した。培養を開始して2〜3日後に抗生物質を含む
培地で上記細菌を除去した。2週間ごとに上記葉片を継
代し、上記ポリヌクレオチドと同時にタバコ細胞に導入
されたpBI121由来のNPTII遺伝子発現によるカナマイシ
ン抵抗性の有無で形質転換したタバコ細胞塊(カルス)
を選抜し、インドール酢酸(0.1ppm)、ベンジルアミノ
プリン(1ppm)を含むムラシゲ・スクーグ培地中で増殖
させた。得られた形質転換タバコ細胞中において産生さ
れた本シグナルペプチドとF1−ATPアーゼβサブユ
ニットとの融合タンパク質のミトコンドリアへの輸送お
よび該F1−ATPアーゼβサブユニットのミトコンド
リアにおける局在は、上記実施例5と同様に、抗F1
ATPアーゼβサブユニット抗体を用いて、常法のウエ
スタンブロット法によって確認した。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ミトコンドリアリボソ
ームタンパク質前駆体由来のミトコンドリアへの輸送シ
グナルペプチド部分をコードするヌクレオチド配列を有
するポリヌクレオチドが提供される。本発明のポリヌク
レオチドおよび該ポリヌクレオチドを有する組換えベク
ターは、宿主細胞において外来タンパク質をミトコンド
リアへ輸送するために使用され得る。さらに、本発明の
ポリヌクレオチドを植物細胞に導入することにより、ミ
トコンドリアゲノムにコードされた遺伝子の発現を調節
し得る植物品種が提供される。
【0046】
【配列表】
【0047】
【配列番号:1】 配列の長さ:1629 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列 CTCCCCATCC TCCTCCTCCT CCGCCGCCGC CGCCGTCGGG AAGTACACCT GTGCTCTGGT 60 TCCGGCGACA CCGCGAGCGA GGAGAGGAGA GGTGGGGGTG AGGGAGTGAG GGTGAGGCCG 120 GGGTTGGGCA CCACCAGCAA GCCAGCCAGC CCCCCCGTCC CCTTAGATCC GGGCCGGGCG 180 TTCTCCGGCG ATCTCACGGC C ATG GCG TCC CGC CGC CTC TTC GCC TCC CTC 231 Met Ala Ser Arg Arg Leu Phe Ala Ser Leu 1 5 10 CTC AGG TCC ACC GCG GCG CCG CGC ACC CCG TCC ACG CCC GGG TGC CTC 279 Leu Arg Ser Thr Ala Ala Pro Arg Thr Pro Ser Thr Pro Gly Cys Leu 15 20 25 TTC AAC CGC GCC GCC GCC GCC GCC TAC TCC TCG TCC GCC CCC TAC AAC 327 Phe Asn Arg Ala Ala Ala Ala Ala Tyr Ser Ser Ser Ala Pro Tyr Asn 30 35 40 GGC CAG GTACTCTTGT TTGTATGCGC CATGGATAAC GTATATCTCG AAGCTAATGA 383 Gly Gln TGAATTGATG ATATCCCCAA GCGCACTGGA TGTTTTCACC TTGGTTAGCA GTAATTGCAG 443 AGATTATTTT CTTTCCTTTT CTCTTTCAAC AATATATTTC AGTAATAATA AGAATGGTTA 503 ATGTGAGCCA CCCAGCTGAA TCATCGGTAC ATACCAAAGT ACTCTTTAGA GATTTTGCTC 563 AATTCAGTTT AATTTCTCTG CCTCATTTTT TTTCATTCAC CTTGTGGAAT ATCGATATTA 623 CGCCTCGTTA TATTATCATA GATGCTGAGA TCAGACTGCA TCAATCACTG AATCTCACAA 683 TTTGACAAGA TCGATTTTGT CTGTCCGTCC AG GGT TTT CCA CTT CCT CAG TCT 736 Gly Phe Pro Leu Pro Gln Ser 45 50 GAA ACT GCT TCA CGT CTG GGT TTG TTC TCC AGT CCC GGC GAC ACA CGC 784 Glu Thr Ala Ser Arg Leu Gly Leu Phe Ser Ser Pro Gly Asp Thr Arg 55 60 65 CAA CCT TCA TAC GGA GAC CGT CTA ATG CAG TCA CAA CAG CTG AGT CAA 832 Gln Pro Ser Tyr Gly Asp Arg Leu Met Gln Ser Gln Gln Leu Ser Gln 70 75 80 GAC TAC CGT GCT AGG ACA CAG GCC AAT AAT GCG CCA CGT TTT GGT GAC 880 Asp Tyr Arg Ala Arg Thr Gln Ala Asn Asn Ala Pro Arg Phe Gly Asp 85 90 95 ACA AT GTGAGTAGGC AAATGGTATT TCCATGTACG CTCATATGAT TTATGTATTC 935 Thr Met 100 CATGTTCTGC TGATTGTTCA TTCCTGCCTC ATTCTGTATT AAG G TCC AGG ATA 988 Ser Arg Ile GCT GGT GGC GAG AAC TCT TCC TAC TTT GGG ACC CCA TCA CGC ATC TTT 1036 Ala Gly Gly Glu Asn Ser Ser Tyr Phe Gly Thr Pro Ser Arg Ile Phe 105 110 115 120 GAC GAA CAC AAA CAA TCT TTG GTG AAA GGA AAG AGA GAT TTT GTC CAT 1084 Asp Glu His Lys Gln Ser Leu Val Lys Gly Lys Arg Asp Phe Val His 125 130 135 GTC TTG CTG AAG AGA AAT AAG ACC TTT GTG ACC GTG ACA GAC GTT AGG 1132 Val Leu Leu Lys Arg Asn Lys Thr Phe Val Thr Val Thr Asp Val Arg 140 145 150 GGG AAC AAA AAG ACC GGG GCA TCC GCT GGT TGT TTG GAG GAC AGG AAA 1180 Gly Asn Lys Lys Thr Gly Ala Ser Ala Gly Cys Leu Glu Asp Arg Lys 155 160 165 GGG CGC TCT CGT CTT TCC AAA TAT GCT GCT GAA GCA ACT GCA GAA CAT 1228 Gly Arg Ser Arg Leu Ser Lys Tyr Ala Ala Glu Ala Thr Ala Glu His 170 175 180 GTC GGG CGT GCT GCC AGG AAG ATG GGT TTA AAA TCT GTG GTC ATG AAA 1276 Val Gly Arg Ala Ala Arg Lys Met Gly Leu Lys Ser Val Val Met Lys 185 190 195 200 GTG AAG GGA ACT ACA TTT TTC AAT AAG AAG AAG AAA GTG ATC CTG AGC 1324 Val Lys Gly Thr Thr Phe Phe Asn Lys Lys Lys Lys Val Ile Leu Ser 205 210 215 TTT AGA GAA GGC TTT CGG GGT GAA AGA GTA AGG GAG CAA TCT CCT GTG 1372 Phe Arg Glu Gly Phe Arg Gly Glu Arg Val Arg Glu Gln Ser Pro Val 220 225 230 GTG CTC ATC CAC GAT GTG ACC CAA CTT CCA CAC AAC GGA TGC CGA CTC 1420 Val Leu Ile His Asp Val Thr Gln Leu Pro His Asn Gly Cys Arg Leu 235 240 245 CCC AAA CAA CGC CGG GTT TAGGTCTCAG CGAGCTGGAA TCGAACCTGA 1468 Pro Lys Gln Arg Arg Val 250 GTTGAGAGGA GTCGAAGCAT TCAAGGTGAT CTGGAAGCTC TATTTAAGCT GTGTGATGTT 1528 GGTCTAGTTG ACCTAAGACA GATATGTATT GTTTCTCTTG GCTCTGCTAC TTGAATTGGT 1588 TTTGGCATGA CTTATGTTAC TCAGTTAGTT AAGTTATCAT C 1629
【0048】
【配列番号:2】 配列の長さ:254 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 配列 Met Ala Ser Arg Arg Leu Phe Ala Ser Leu Leu Arg Ser Thr Ala Ala 1 5 10 15 Pro Arg Thr Pro Ser Thr Pro Gly Cys Leu Phe Asn Arg Ala Ala Ala 20 25 30 Ala Ala Tyr Ser Ser Ser Ala Pro Tyr Asn Gly Gln Gly Phe Pro Leu 35 40 45 Pro Gln Ser Glu Thr Ala Ser Arg Leu Gly Leu Phe Ser Ser Pro Gly 50 55 60 Asp Thr Arg Gln Pro Ser Tyr Gly Asp Arg Leu Met Gln Ser Gln Gln 65 70 75 80 Leu Ser Gln Asp Tyr Arg Ala Arg Thr Gln Ala Asn Asn Ala Pro Arg 85 90 95 Phe Gly Asp Thr Met Ser Arg Ile Ala Gly Gly Glu Asn Ser Ser Tyr 100 105 110 Phe Gly Thr Pro Ser Arg Ile Phe Asp Glu His Lys Gln Ser Leu Val 115 120 125 Lys Gly Lys Arg Asp Phe Val His Val Leu Leu Lys Arg Asn Lys Thr 130 135 140 Phe Val Thr Val Thr Asp Val Arg Gly Asn Lys Lys Thr Gly Ala Ser 145 150 155 160 Ala Gly Cys Leu Glu Asp Arg Lys Gly Arg Ser Arg Leu Ser Lys Tyr 165 170 175 Ala Ala Glu Ala Thr Ala Glu His Val Gly Arg Ala Ala Arg Lys Met 180 185 190 Gly Leu Lys Ser Val Val Met Lys Val Lys Gly Thr Thr Phe Phe Asn 195 200 205 Lys Lys Lys Lys Val Ile Leu Ser Phe Arg Glu Gly Phe Arg Gly Glu 210 215 220 Arg Val Arg Glu Gln Ser Pro Val Val Leu Ile His Asp Val Thr Gln 225 230 235 240 Leu Pro His Asn Gly Cys Arg Leu Pro Lys Gln Arg Arg Val 245 250
【0049】
【配列番号:3】 配列の長さ:105 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 フラグメント型:N末端フラグメント 配列 Met Ala Ser Arg Arg Leu Phe Ala Ser Leu Leu Arg Ser Thr Ala Ala 1 5 10 15 Pro Arg Thr Pro Ser Thr Pro Gly Cys Leu Phe Asn Arg Ala Ala Ala 20 25 30 Ala Ala Tyr Ser Ser Ser Ala Pro Tyr Asn Gly Gln Gly Phe Pro Leu 35 40 45 Pro Gln Ser Glu Thr Ala Ser Arg Leu Gly Leu Phe Ser Ser Pro Gly 50 55 60 Asp Thr Arg Gln Pro Ser Tyr Gly Asp Arg Leu Met Gln Ser Gln Gln 65 70 75 80 Leu Ser Gln Asp Tyr Arg Ala Arg Thr Gln Ala Asn Asn Ala Pro Arg 85 90 95 Phe Gly Asp Thr Met Ser Arg Ile Ala 100 105
【図面の簡単な説明】
【図1】本rps11遺伝子から誘導されたRPS11前駆体のm
RNAを検出したアガロースゲル電気泳動像のオートラ
ジオグラム写真を示す。
【図2】プラスミドYEp13の概略図である。
【図3】プラスミドYEp13由来の組換え発現プラスミド
構築の概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) BIOSIS(DIALOG) GenSeq/DDBJ WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミトコンドリアリボソームタンパク質前
    駆体をミトコンドリアへ輸送する輸送シグナルペプチド
    をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチ
    ドであって、該ヌクレオチド配列が配列番号3によって
    示されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列において1
    もしくは複数のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換され
    たアミノ酸配列をコードする配列である、ポリヌクレオ
    チド。
  2. 【請求項2】 配列番号2によって示されるアミノ酸配
    列をコードするヌクレオチド配列を有する、請求項1に
    記載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 さらにイントロンを含む、請求項1また
    は2に記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のポリ
    ヌクレオチドを有する、組換えベクター。
  5. 【請求項5】 外来タンパク質をミトコンドリアへ輸送
    する方法であって: (a)請求項1から3のいずれかに記載のポリヌクレオ
    チドから、ミトコンドリアへの輸送シグナルペプチドを
    コードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド断
    片を調製する工程; (b)該輸送シグナルペプチドと該外来タンパク質とを
    コードするポリヌクレオチドを構築する工程; (c)該構築されたポリヌクレオチドを宿主細胞中で発
    現可能な状態で含有する組換えベクターを構築する工
    程; (d)該組換えベクターを宿主細胞に導入する工程;お
    よび (e)該構築されたポリヌクレオチドを宿主細胞内で発
    現させる工程;を包含する方法。
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