JPH10145794A - 画像符号化方法及び画像符号化装置 - Google Patents

画像符号化方法及び画像符号化装置

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JPH10145794A
JPH10145794A JP29858596A JP29858596A JPH10145794A JP H10145794 A JPH10145794 A JP H10145794A JP 29858596 A JP29858596 A JP 29858596A JP 29858596 A JP29858596 A JP 29858596A JP H10145794 A JPH10145794 A JP H10145794A
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JP29858596A
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English (en)
Inventor
Yasuko Matsumura
靖子 松村
Toshihisa Nakai
敏久 中井
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デマンドリフレッシュのために符号量を徒に
増加させない。 【解決手段】 動画像1フレームをある大きさの領域に
分割して符号化、伝送し、受信側で動画像符号化データ
を復号して誤りが生じている場合、そのことを送信側に
通知し、通知された送信側よりその誤りの影響のないリ
フレッシユ画像を符号化して伝送する画像符号化方法に
関する。そして、受信側から誤り通知を伝送された場合
に、送信側ではそれまでに変化の大きかった画像の分割
領域を推定して、その分割領域をリフレッシュして符号
化し伝送することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像符号化方法及び
画像符号化装置に関し、特に、復号エラーが複数枚の連
続画像に影響を与えることを防止するためのリフレッシ
ュ機能の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
文献1『TTC標準(高位レイヤプロトコル符号化方
式)JT‐H.261勧告』 デジタル通信において、膨大な情報量を持つ動画像デー
タを送信しようとする場合には、動画像データは情報圧
縮が施されて冗長性を削られる。一般に、標準化になっ
ている動画像符号化方式(例えば、文献1参照)におい
ては、時間的に前のフレームから予測画像を作りその差
分を符号化(以下、フレーム間符号化又はINTERモ
ード符号化と呼ぶ)して時間方向の冗長度を削減した
り、あるいは、前後するフレーム間の差分をとらずに符
号化対象画像に直交変換を施して符号化(以下、フレー
ム内符号化又はINTRAモード符号化と呼ぶ)するこ
とにより空間方向の冗長度を削減したりする圧縮方法を
併用している。
【0003】このように符号化された動画像圧縮データ
に誤りが生じた場合には、画像が大きく歪み、INTE
Rモードでは、時間的に前のフレームとの差分を符号化
しているので後のフレームに歪みがそのまま伝搬してい
く。
【0004】多地点会議システムのような双方向の通信
が可能なシステムにおいて、このような誤りに対処する
ため、「画面更新要求」という機能が準備されている
(文献1参照)。受信側で誤りが検出されると、送信側
に対して画面更新要求信号を伝送し、送信側ではその画
面更新要求信号を受け取ると、その符号化装置は次の画
面1フレームを強制的にINTRAモードで符号化して
伝送する。INTRAモードで符号化を行なうと前のフ
レームの歪みの影響を受けることはない。
【0005】以下では、前のフレームの歪みの影響を受
けないような符号化方式で画像1フレーム全体又は一部
分を符号化し(文献1の符号化方式では、画像lフレー
ム全体又は一部分を強制的にINTRAモードで符号化
することに相当)伝送することを、リフレッシュすると
呼び、リフレッシユされた画像のことをリフレッシュ画
像と呼ぶことにする。受信側から更新要求の信号を伝送
し、それに対応して送信側からリフレッシュ画像を伝送
することをデマンドリフレッシュと呼ぶ。
【0006】図2は、デマンドリフレッシュ方式を説明
する図である。左から右に向かって時間がながれている
とし、送信側では画像1フレームずつ符号化して受信側
に伝送する。図中の斜線で塗られている四角の面積によ
って、送信される画像1フレーム当りの符号量を表して
いる。一般に、INTRAモードのみで符号化する場合
はINTERモードを含んで符号化する場合よりも符号
量が多くなる。例えば、3フレーム目を復号しようとす
るときに誤りが検出されたとすると、受信側は送信側に
向かって画面更新要求信号を伝送する。送信側は、画面
更新要求信号を受け取ると、次に伝送する画像フレーム
(6フレーム目)を強制的にINTRAモードで符号化
する。画像全体をINTRAモードで符号化するので、
符号量が膨大に増えることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、INTERモ
ードで符号化した場合と比べると、INTRAモードで
符号化した場合、符号量が著しく増加する。誤りによる
画像の歪み及びその時間方向への伝搬を、文献1で用意
されている画面更新要求機能を用いて回復していこうと
する場合、画面1フレーム分を全てINTRAモードで
伝送しなければならず、符号量が大幅に増えることにな
る。INTRAモード符号化の符号量の増加によるバッ
ファのオーバーフローを避けるように符号化パラメータ
を変化させると、量子化が粗くなってブロック歪みなど
の画像の劣化が生じるといった課題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明は、動画像1フレームをある大きさの
領域に分割して符号化、伝送し、受信側で動画像符号化
データを復号して誤りが生じている場合、そのことを送
信側に通知し、通知された送信側よりその誤りの影響の
ないリフレッシユ画像を符号化して伝送する画像符号化
方法において、受信側から誤り通知が伝送された場合
に、送信側ではそれまでに変化の大きかった画像の分割
領域を推定して、その分割領域をリフレッシュして符号
化し伝送することを特徴とする。
【0009】また、第2の本発明は、動画像1フレーム
をある大きさの領域に分割して符号化、伝送し、受信側
から、動画像符号化データを復号して誤りが生じている
ことを通知されたときに、その誤りの影響のないリフレ
ッシユ画像を符号化して伝送する画像符号化装置におい
て、誤り通知が伝送した場合に、それまでに変化の大き
かった画像の分割領域を推定して、その分割領域をリフ
レッシュして符号化し伝送させるリフレッシュ領域決定
手段を有することを特徴とする。
【0010】第1及び第2の本発明においては、画像内
容の時間変化の特徴に基いて、デマンドリフレッシュ対
象の分割領域を決定するようにしたので、復号できない
場合に画質劣化が著しい分割領域について、伝送でデー
タ誤りやデータ欠落が生じても、そのことの通知に基づ
くリフレッシュにより画質劣化を迅速に回復できるよう
になり、また、伝送効率をリフレッシュのためにほとん
ど低下させることもない。
【0011】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態 以下、本発明による画像符号化方法及び画像符号化装置
の第1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0012】第1の実施形態におけるデマンドリフレッ
シュ方法と従来のデマンドリフレッシュ方法の異なる点
は、従来の方法では、受信側の誤りの情報として画面更
新要求信号を受け取ると、1フレーム全体をINTRA
ヘモードで符号化しているのに対して、第1の実施形態
では、図3の下段斜線部に示すように、INTRAモー
ドで符号化する画像部分をうまく選択して符号量の増加
が著しくならないようにすることである。第1の実施形
態は従来の方法と同様に受信側で受け取った画像データ
に誤りを検出した場合には、画面更新要求信号を送信側
に伝送する。
【0013】まず、INTERモードで符号化されてい
る場合、誤り検出されたときには、どのように誤りが後
続するフレームに伝搬するかを説明する。例えば、図3
の上段の2フレーム目で点線で囲まれた部分が誤り検出
されて復号することができない場合、前のフレームの同
じ部分で補われる。その部分の画像が動き(変化)の大
きい場合には、図3のように大きく歪み、後続するフレ
ーム(上段3フレーム目)にまで伝搬する。このような
部分は受信側からの画面更新要求信号を送信側で受け取
ったときにINTRAモードで符号化しなければ歪みが
消えない部分である。
【0014】逆に考えると、背景などの動き(変化)の
ない部分は画像の歪みが非常に小さく、歪み伝搬も少な
いので、送信側で画面更新要求信号を受け取ったとして
も、強制的に、符号量が増加してしまうINTRAモー
ドで符号化(リフレッシュ)する必要はない。従って、
受信側からの誤り情報として画面更新要求信号を送信側
で受け取ったときには、動き(変化)の大きい画像部分
だけをリフレッシュ(INTRAモードで符号化)すれ
ば良いことになる。
【0015】そこで、この第1の実施形態では、符号化
側において、伝送するフレームの各々の画像部分が動き
(変化)があるか否かの情報を残しておいて、画像更新
要求信号を受け取ったときには、動きのあった画像部分
のみをリフレッシュすることとした。
【0016】図1は、第1の実施形態の画像符号化装置
(動画像符号器)の構成を示すブロック図である。
【0017】図1において、第1の実施形態の画像符号
化装置は、情報源符号器101、ビデオ信号多重化符号
器102、送信バッファ103、伝送路符号器104、
符号化制御部105及びSADメモリ106を備えてい
る。なお、点線部分で囲まれている情報源符号器10
1、ビデオ信号多重化符号器102、送信バッファ10
3、伝送路符号器104及び符号化制御部105の部分
は、上記文献1で規定されている符号化器と同じであ
る。
【0018】画像符号化装置に入力される動画像の原デ
ータであるビデオ信号は、世界共通の中間フォーマット
(CIF,QCIF)で表されており、この動画像デー
タを符号化する場合には、図4のように、GOB(グル
ープオブブロック;group of block)、
マクロブロック(Macroblock)、8×8画素
のブロック(Block)に階層的に分割する。図4に
おいて、ピックチャー(Picture)の中の番号
(ClF:1〜12、QClF:1,3,5)はGOB
番号、GOBの中の番号(1〜33)はマクロブロック
アドレス、マクロブロックの中の番号(1〜6)はブロ
ック番号である。ブロックにおける数字8は、1ブロッ
ク当りの縦横それぞれの画素数である。
【0019】符号化では、ビデオ信号を入力とし、情報
源符号器101で情報源符号化される。情報源符号器1
01では、符号化制御部105からの出力に従ってマク
ロブロック毎に動き補償フレーム間予測の予測誤差(I
NTERモードの場合)あるいは原データ(INTRA
モードの場合)の直交変換を行ない、量子化する。情報
源符号器101より符号化制御部105に対して、IN
TRA/INTERモードを判定するための情報を出力
する。一般的に、INTRA/INTERモードを判定
するには予測誤差データと原データの分散値を比較する
ことで行なわれるので、符号化しようとするマクロブロ
ックの予測誤差データ及び原データの分散値を情報源符
号化器101から符号化制御部105に出力する。この
予測誤差データは、フレーム内の同一位置だけでなく、
ある限定された画素範囲内(例えば、±15画素)でず
らし、最も差分が小さくなる位置での予測誤差データで
ある。
【0020】量子化されたデータは、ビデオ信号多重化
符号器102に入力されて、可変長符号化されてヘッダ
情報の多重化が行なわれる。
【0021】ビデオ信号多重化符号器102で多重化さ
れたデータは送信バッファ103を通って、伝送路符号
器104において伝送路符号化されて送信される。伝送
路符号には、例えばBCH符号等の誤り訂正符号が用い
られる。
【0022】送信符号量を制御するために送信バッファ
103からバッファの中の状態を符号化制御部105に
伝え、符号化制御部105は情報源符号器101及びビ
デオ信号多重化符号器102に対して量子化ステップサ
イズを制御信号として出力する。また、符号化制御部1
05は、情報源符号器101から最小予測誤差データと
原データの分散値を受け取り、制御信号として、符号化
するINTRA/INTERモードの判定結果を出力す
る。動きの大きさの情報は、同一位置のマクロブロック
の誤差データの分散値(SADと呼ぶことにする)を用
いる。
【0023】第1の実施形態では符号化された画像のS
ADを、最小予測誤差データの分散値及び原データの分
散値とともに、情報源符号器101から符号化制御部1
05に出力し、さらに符号化制御部105はSADメモ
リ106に受け取ったSADを記憶しておく。
【0024】従来においては、画面更新要求信号を受け
取った場合には、その次に符号化する画面lフレーム全
てをINTRAモードで符号化する。この第1の実施形
態においては、誤り情報として画面更新要求信号を受け
取った場合には、送信側で各画像部分の動きの大きさに
ついての情報がSADメモリ106に残してあるので、
動きの大きい部分のみを強制的にINTRAモードで符
号化する。画面更新要求信号を受け取った場合、第1の
実施形態では、誤りが発生してから画面更新要求信号を
受け取るまでに符号化された画像及びこれから符号化し
ようとする画像の各マクロブロック毎のSADの和を求
め、その和があるしきい値よりも大きいマクロブロック
はINTRAモードで符号化(リフレッシュ)するよう
に符号化制御部105から情報源符号器101に制御信
号を出力する。それ以外のマクロブロックは符号量が小
さくなるように通常のINTRA/INTERモード判
定を行ない、その判定モードで符号化するように符号化
制御部105から情報源符号器101に制御信号を出力
する。
【0025】図5は、この第1の実施形態におけるデマ
ンドリフレッシュ方法の動作を説明するフローチャート
である。
【0026】従来の方法では、画面更新要求信号を送信
側が受け取ったときには、これから符号化しようとする
フレームの全てをINTRAモードで符号化(リフレッ
シユ)するが、第1の実施形態では、INTRAモード
で符号化する画像部分(マクロブロック)を符号化側で
残しておいた画像の動きの大きさの情報(SAD)を用
いることにより決定する。図2のような例の場合、誤り
を検出したフレーム(3フレーム目)から画面更新要求
信号を受け取るまでのフレーム(5フレーム目)の3つ
のフレーム分だけSADを記憶させておく。このフレー
ム数(3)をLとおく。QCIFの画像サイズの場合、
マクロブロックは99個あるので、99×3つだけSA
Dを記憶させておかなければならない。1フレーム当り
のマクロブロック総数(99)をMBKSとおく。
【0027】次に、図5のフローチャートに従って、第
1の実施形態におけるデマンドリフレッシュ方法の動作
を説明する。図5は、lフレーム分を処理する符号化側
での動作であり、主に図1の符号化制御部105の動作
を表している。
【0028】まず、ステップA1でマクロブロック番号
MBKを0にセットする。マクロブロック番号MBKは
処理しようとするマクロブロック番号を表し、0〜MB
KS−1の値をとる。
【0029】次に、ステップA2で符号化しようとする
マクロブロック(マクロブロック番号MBK)のSAD
を計算し、SAD[L+1][MBK]に格納する。こ
こでは、同一位置のマクロブロックの誤差データの分散
値をSADとおく。
【0030】続いて、ステップA3で画面更新要求信号
を受け取ったか否かを判定する。画面更新要求信号は、
1フレーム分の処理と次の1フレーム分の処理との間に
届くものとする。すなわち、フローチャートの「スター
ト」時に画面更新要求信号を受け取ったか否かは既に分
かっているものとする。
【0031】画面更新要求信号を受け取った場合には、
1フレーム分の処理をしている間(すなわちフローチャ
ートで「エンド」にくるまでの間)は、ステップA3で
YESの方に進み、画面更新要求信号を受け取らない場
合には、1フレーム分の処理をしている間(すなわちフ
ローチャートで「エンド」にくるまでの間)は、ステッ
プA3でNOの方に進む。
【0032】ステップA3でYESだった場合には、ス
テップA4に進み、SAD総和パラメータDEFを0
に、フレーム数パラメータFRをL+1にセットする。
SAD総和パラメータDEFは、マクロブロック番号M
BKの誤りにより歪んだフレーム(図2では、3フレー
ム目から5フレーム目まで)のSAD及びこれから符号
化しようとするフレームのSADの総和である。すなわ
ち、ステップA6及びA7を、ステップA5で、フレー
ム数パラメータFRが0になるまで繰り返すことによ
り、マクロブロック番号MBKの誤りにより歪んだフレ
ームのSAD及びこれから符号化しようとするフレーム
のSADの総和を求める。
【0033】ステップA4〜A7の処理によりで求めた
SAD総和パラメータDEFを、前もって決定した閾値
αと比較し(ステップA8)、SAD総和パラメータD
EFの方が閾値αよりも大きいならば、マクロブロック
番号MBKのマクロブロックをリフレッシュするマクロ
ブロックとしてINTRAモードで符号化する(ステッ
プA9)。
【0034】ステップA3でNOだった場合には通常の
モード判定(分散によるモード判定)を行ない、判定モ
ードでマクロブロック番号MBKのマクロブロックを符
号化する(ステップA10)。また、ステップA8でS
AD総和パラメータDEFが閾値αよりも小さい場合
も、同様に、通常のモード判定を行ない、判定モードで
マクロブロック番号MBKのマクロブロックを符号化す
る(ステップA10)。
【0035】そして、ステップA11で、マクロブロッ
ク番号MBKを1だけ増やして、次のマクロブロックの
処理に移る準備をする。ここで、マクロブロック番号M
BKがMBKS−1以下ならば(ステップA12でNO
の場合)、ステップA2に戻る。
【0036】ステップA12でYESであった場合に
は、全てのフレームFR(FR=1、2、…、L)の全
てのマクロブロックMBK(MBK=1、2、…、MB
KS−1)に対して、そのSAD[FR][MBK]
に、次のフレームFR+1でのSAD[FR+1][M
BK]を代入する。この処理により、例えば、SADメ
モリ106に残されていた一番古いフレームのSAD
(代入する前のSAD[0]MBK])は、その次に古
いフレームのSAD(代入する前のSAD[1][MB
K])に置き換えられることになる。ステップA12の
処理は、現在のフレームL+1を含めたL個のフレーム
のSADを用意しておく処理である。そして、lフレー
ム分の処理を終了する。
【0037】以上のように、第1の実施形態によれば、
送信側で誤り位置情報を受け取ったときには、画像1フ
レーム分全てをINTRAモードで必ずしも伝送する必
要はなく、誤りによる画像の歪みから回復するために伝
送する符号量を減少させることができる。符号量を減少
できることにより、量子化をより細かくすることがで
き、ブロック歪みなどの画像の劣化を減少させることが
できる。
【0038】(B)第2の実施形態 次に、本発明による画像符号化方法及び画像符号化装置
の第2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0039】第2の実施形態の画像符号化装置は、第1
の実施形態とほぼ同様なものであって、第1の実施形態
と同様に、SADを計算することによってリフレッシュ
する部分を決定するものである。
【0040】図6は、第2の実施形態の画像符号化装置
(動画像符号器)の構成を示すブロック図であり、上述
した図1との同一、対応部分には、同一符号を付して示
している。
【0041】図6及び図1の比較から明らかなように、
第lの実施形態のSADメモリ106に代えて、動きフ
ラグメモリ206を備えている点が第1の実施形態と異
なっている。すなわち、第1の実施形態では符号化した
SADそのものを符号化側のSADメモリ106で残し
ておいたが、第2の実施形態では、動きフラグメモリ2
06にSADから求めた動きフラグを格納している。そ
して、第2の実施形態では、画面更新要求信号を受け取
った場合には、動きフラグメモリ206に格納されてい
るデータを参照することにより、符号化しようとする画
像部分(マクロブロック)を強制的にINTRAモード
で符号化するか否かを決定するようにしている。
【0042】図7は、第2の実施形態におけるデマンド
リフレッシュ方法の動作を説明するフローチャートであ
る。第2の実施形態は、第1の実施形態とほぼ同様なも
のでであるが、上述したように、符号化側で記憶させて
おく値の計算方法が若干異なっている。第1の実施形態
では、INTRAモードで符号化する画像部分(マクロ
ブロック)を符号化側で残しておいた画像の動きの大き
さの情報SADを用いることにより決定するが、第2の
実施形態では、SADの代わりにSADと前もって決定
しておいた閾値βとの比較結果、すなわちSAD>βな
らば1、そうでなければ0という値を動きフラグとして
残しておいて、それらを用いてINTRAモードで符号
化する画像部分(マクロプロック)を決定する。
【0043】画面更新要求信号を受け取った場合には、
歪んでいる画像(図2の場合であると3フレーム目から
5フレーム目)及びこれから符号化しようとするフレー
ム(図2の場合6フレーム目)の動きフラグのうち1つ
のフレームでもlが立っていれば、そのマクロブロック
をリフレッシュ(INTRAモードで符号化)する。図
2のような例の場合、誤りを検出したフレーム(3フレ
ーム目)から画面更新要求信号を受け取るまでのフレー
ム(5フレーム目)の3つのフレーム分だけ動きフラグ
を記憶させておく。このフレーム数(3)をLとおく。
QCIFの画像サイズの場合、マクロブロックは99個
あるので、99×3つだけ動きフラグを記憶させてお
く。1フレーム当たりのマクロブロック総数(99)を
MBKSとおく。動きフラグメモリ206は、MBKS
×Lビットだけの大きさが必要である。
【0044】以下、図7のフローチャートに従って第2
の実施形態におけるデマンドリフレッシュ方法の動作を
説明する。図7は、第1の実施形態の説明と同様に1フ
レーム分を処理する符号化側での動作であり、主に、第
2の実施形態の符号化制御部105の動作を示してい
る。
【0045】まず、ステップB1でマクロブロック番号
MBKを0にセットする。ここでも、マクロブロック番
号MBKは処理しようとするマクロブロック番号を表
し、0〜MBKS−1の値をとる。
【0046】次に、ステップB2で、符号化しようとす
るマクロブロック(マクロブロック番号MBK)のSA
D(同一位置のマクロブロックの誤差データの分散値)
を計算し、そのSADが前もって決定しておいた閾値β
より大きいならばSAD[L+1][MBK]に1を格
納し、そうでないのならばSAD[L+1][MBK]
に0を格納する。この0又は1を動きフラグと呼ぶこと
にする。なお、SAD[L+1][MBK]という表記
は、第1の実施形態と同様であるが、この第2の実施形
態では、このSAD[L+1][MBK]に動きフラグ
が格納されている。
【0047】これ以降の処理は、第1の実施形態とほぼ
同様である。そのため、処理の流れは省略するが、以下
の点が異なっている。異なる点は、画面更新要求信号を
受け取った場合に、ステップB4〜B7の処理により、
複数フレームについて累積される値(動きフラグ総和パ
ラメータDEF)が動きフラグの値である点と、ステッ
プB8で、動きフラグの累積値DEFを0と比較してい
る点と(従って、複数フレームの中に1個でも動きフラ
グが1のものがあればステップB8でYESが得られ
る)、ステップB13で更新されるSAD[FR][M
BK]が動きフラグを格納している点である。
【0048】以上のように、第2の実施形態によれば、
送信側で誤り位置情報を受け取ったときには、画像1フ
レーム分全てをINTRAモードで必ずしも伝送する必
要はなく、誤りによる画像の歪みから回復するために伝
送する符号量を減少させることができる。そのために符
号化側で必要なメモリ量は、第2の実施形態では、第1
の実施形態と比較してより少なくすることができる。符
号量を減少できることにより、量子化をより細かくする
ことができ、ブロック歪みなどの画像の劣化を減少させ
ることができる。
【0049】(C)他の実施形態 第1及び第2の実施形態における符号化方式として、動
き補償、直交変換、量子化をベースとする、文献1で規
定される符号化方式を例に挙げて説明したが、画像フレ
ームの分割や動きベクトルの範囲を含め、本発明が対象
とする符号化方式はこれに限られるものではない。
【0050】また、第1及び第2の実施形態において、
リフレッシュする画像単位をマクロブロックとしたが、
これに限られるものではなく、スライス(複数のマクロ
ブロックの集まり)の大きさでも、あるいはもっと小さ
な単位でも適用できる。
【0051】さらに、第1及び第2の実施形態におい
て、SADは同一位置のマクロブロックの誤差データの
分散値としたが、同じ位置の画像がどれだけ変化したか
を表す値であるならば他の計算値でも良く、これに限ら
れるものではない。例えば、各画素毎の絶対値誤差の和
でも良い。
【0052】さらにまた、第1の実施形態において、S
ADの総和DEFと閾値を比較してリフレッシュするか
否かを決定していたが、総和DEFの大きい順番からあ
る決められた数(N個)のマクロブロックをリフレッシ
ュするという制御規則も適用することができる。例え
ば、符号量がかなり制限される通信路ではNを小さい値
に設定することで、符号量を抑えてバッファのオーバー
フローを防ぐことができる。
【0053】また、第2の実施形態において、記憶され
ている動きフラグのうち1つでも1がたっているか否か
を判定する際に加算を用いているが(ステップB6)、
排他的論理和を用いることもできる。
【0054】さらに、第1及び第2の実施形態におい
て、通信路の誤り状況や、画像の性質によって、閾値
α、βを可変にすることも可能である。
【0055】さらにまた、第1及び第2の実施形態にお
いては、総和DEFが閾値α、0より大きいマクロブロ
ックをリフレッシュ対象としたものを示したが、その周
囲のマクロブロックもリフレッシュ対象とするようにし
ても良い。
【0056】また、第1及び第2の実施形態において
は、リフレッシュ対象でないことを確認してから、その
マクロブロックをどちらの符号化モードで符号化するか
を決定するものを示したが、逆に、マクロブロックをど
ちらの符号化モードで符号化するかを先に決定し、IN
TERモードで符号化することに決定されたマクロブロ
ックについてリフレッシュ対象か確認するようにしても
良い。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の画像符号化装置
及び方法によれば、各分割領域についての画像内容の時
間変化の特徴に基いて、デマンドリフレッシュ対象の分
割領域を決定するようにしたので、復号できない場合に
画質劣化が著しい分割領域について、伝送でデータ誤り
やデータ欠落が生じても、デマンドリフレッシュにより
画質劣化を迅速に回復でき、また、デマンドリフレッシ
ュのために符号量を徒に増加させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の装置構成を示すブロック図で
ある。
【図2】デマンドリフレッシュ方法の説明図である。
【図3】第1の実施形態のデマンドリフレッシュの考え
方の説明図である。
【図4】画像の分割の説明図である。
【図5】第1の実施形態の送信側でのデマンドリフレッ
シュの処理フローチャートである。
【図6】第2の実施形態の装置構成を示すブロック図で
ある。
【図7】第2の実施形態の送信側でのデマンドリフレッ
シュの処理フローチャートである。
【符号の説明】
101…情報源符号器、105…符号化制御部、106
…SADメモリ、206…動きフラグメモリ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動画像1フレームをある大きさの領域に
    分割して符号化、伝送し、受信側で動画像符号化データ
    を復号して誤りが生じている場合、そのことを送信側に
    通知し、通知された送信側よりその誤りの影響のないリ
    フレッシユ画像を符号化して伝送する画像符号化方法に
    おいて、 受信側から誤り通知が伝送された場合に、送信側ではそ
    れまでに変化の大きかった画像の分割領域を推定して、
    その分割領域をリフレッシュして符号化し伝送すること
    を特徴とする画像符号化方法。
  2. 【請求項2】 送信側において、誤り通知を受け取るま
    で符号化したフレームとその1つ前に符号化したフレー
    ムとの同じ分割領域の差分の分散値又は絶対値差分の総
    和を記憶させておき、それらの差分分散値又は絶対値差
    分総和に基づいて、リフレッシュする分割領域を決定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像符号化方法。
  3. 【請求項3】 記憶されている差分分散値又は絶対値差
    分総和について、各分割領域毎に総和を求め、求めた総
    和が閾値以上である分割領域をリフレッシュする分割領
    域に決定することを特徴とする請求項2に記載の画像符
    号化方法。
  4. 【請求項4】 記憶させておいた差分分散値又は絶対値
    差分総和について、各分割領域毎に総和を求め、その総
    和が大きいものからある決められた個数分の分割領域を
    リフレッシュする分割領域に決定することを特徴とする
    請求項2に記載の画像符号化方法。
  5. 【請求項5】 送信側において、誤り通知を受け取るま
    で符号化したフレームとその1つ前に符号化したフレー
    ムとの同じ分割領域の差分の分散値又は絶対値差分の総
    和を求め、それらの差分分散値又は絶対値差分総和が閾
    値よりも大きいか否かのフラグを記憶させておき、それ
    らのフラグに基づいて、リフレッシュする分割領域を決
    定することを特徴とする請求項1に記載の画像符号化方
    法。
  6. 【請求項6】 記憶させておいたフラグ値が1個でもセ
    ットされている分割領域をリフレッシュする分割領域に
    決定することを特徴とする請求項5に記載の画像符号化
    方法。
  7. 【請求項7】 動画像1フレームをある大きさの領域に
    分割して符号化、伝送し、受信側から、動画像符号化デ
    ータを復号して誤りが生じていることを通知されたとき
    に、その誤りの影響のないリフレッシユ画像を符号化し
    て伝送する画像符号化装置において、 誤り通知が伝送された場合に、それまでに変化の大きか
    った画像の分割領域を推定して、その分割領域をリフレ
    ッシュして符号化し伝送させるリフレッシュ領域決定手
    段を有することを特徴とする画像符号化装置。
  8. 【請求項8】 上記リフレッシュ領域決定手段が、 誤り通知を受け取るまで符号化したフレームとその1つ
    前に符号化したフレームとの同じ分割領域の差分の分散
    値又は絶対値差分の総和を記憶する変化量記憶部と、 それらの差分分散値又は絶対値差分総和に基づいて、リ
    フレッシュする分割領域を決定する対象分割領域決定部
    とでなることを特徴とする請求項7に記載の画像符号化
    装置。
  9. 【請求項9】 上記対象分割領域決定部が、記憶されて
    いる差分分散値又は絶対値差分総和について、各分割領
    域毎の総和を求め、求めた総和が閾値以上である分割領
    域をリフレッシュする分割領域に決定することを特徴と
    する請求項8に記載の画像符号化装置。
  10. 【請求項10】 上記対象分割領域決定部が、記憶され
    ている差分分散値又は絶対値差分総和について、各分割
    領域毎の総和を求め、その総和が大きいものからある決
    められた個数分の分割領域をリフレッシュする分割領域
    に決定することを特徴とする請求項8に記載の画像符号
    化装置。
  11. 【請求項11】 上記リフレッシュ領域決定手段が、 誤り通知を受け取るまで符号化したフレームとその1つ
    前に符号化したフレームとの同じ分割領域の差分の分散
    値又は絶対値差分の総和を求め、それらの差分分散値又
    は絶対値差分総和が閾値よりも大きいか否かのフラグを
    記憶する変化量記憶部と、 それらのフラグに基づいて、リフレッシュする分割領域
    を決定する対象分割領域決定部とでなることを特徴とす
    る請求項7に記載の画像符号化装置。
  12. 【請求項12】 上記対象分割領域決定部が、記憶され
    ているフラグ値が1個でもセットされている分割領域を
    リフレッシュする分割領域に決定することを特徴とする
    請求項11に記載の画像符号化装置。
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