JPH10145019A - 低誘電率プリント回路用積層板 - Google Patents
低誘電率プリント回路用積層板Info
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- JPH10145019A JPH10145019A JP31425596A JP31425596A JPH10145019A JP H10145019 A JPH10145019 A JP H10145019A JP 31425596 A JP31425596 A JP 31425596A JP 31425596 A JP31425596 A JP 31425596A JP H10145019 A JPH10145019 A JP H10145019A
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- Japan
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- low dielectric
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- laminate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の低誘電率プリント回路用積層板など
は、誘電率、誘電正接に優れ、これを用いたプリプレ
グ、および低誘電率プリント回路用積層板は、従来のガ
ラスエポキシ銅張積層板と同一の製造装置で製造でき、
加工性、低コストに優れ、高速、高周波回路用として好
適なものを得るためである。 【解決手段】 絶縁層として繊維基材に、(A)ジシク
ロペンタジエニル骨格を有するエポキシ樹脂、(B)予
めシアネート基の当量比20〜50%を三量化処理したビス
フェノールAジシアネート樹脂を必須成分とする低誘電
率樹脂組成物を塗布含浸・乾燥した積層板用プリプレグ
を用いて、加熱加圧一体に成形してなる低誘電率プリン
ト回路用積層板、低誘電率樹脂組成物および積層板用プ
リプレグである。
は、誘電率、誘電正接に優れ、これを用いたプリプレ
グ、および低誘電率プリント回路用積層板は、従来のガ
ラスエポキシ銅張積層板と同一の製造装置で製造でき、
加工性、低コストに優れ、高速、高周波回路用として好
適なものを得るためである。 【解決手段】 絶縁層として繊維基材に、(A)ジシク
ロペンタジエニル骨格を有するエポキシ樹脂、(B)予
めシアネート基の当量比20〜50%を三量化処理したビス
フェノールAジシアネート樹脂を必須成分とする低誘電
率樹脂組成物を塗布含浸・乾燥した積層板用プリプレグ
を用いて、加熱加圧一体に成形してなる低誘電率プリン
ト回路用積層板、低誘電率樹脂組成物および積層板用プ
リプレグである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛生通信関連機
器、高周波帯通信機器等、高クロック演算回路等、高周
波帯における波形保持性、高速伝送性が要求される回路
の配線に適し、低価格で加工性に優れた低誘電率プリン
ト回路用積層板、並びにそれに用いる積層板用プリプレ
グおよび低誘電率樹脂組成物に関する。
器、高周波帯通信機器等、高クロック演算回路等、高周
波帯における波形保持性、高速伝送性が要求される回路
の配線に適し、低価格で加工性に優れた低誘電率プリン
ト回路用積層板、並びにそれに用いる積層板用プリプレ
グおよび低誘電率樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術の革新は目覚ましく、電
子機器のダウンサイジングは止まるところを知らない。
それは実装技術の高密度化、半導体の高集積化および半
導体パッケージの小形化技術によるものであり、高集積
化したデバイスは必然的に高速化し、また、高速化自体
が時代の要請となっているため、コンピュータおよびそ
の周辺機器、デジタル通信機器等のクロック周波数は民
生品においてすでに100MHz に迫りつつある。
子機器のダウンサイジングは止まるところを知らない。
それは実装技術の高密度化、半導体の高集積化および半
導体パッケージの小形化技術によるものであり、高集積
化したデバイスは必然的に高速化し、また、高速化自体
が時代の要請となっているため、コンピュータおよびそ
の周辺機器、デジタル通信機器等のクロック周波数は民
生品においてすでに100MHz に迫りつつある。
【0003】また、高度情報社会は、多様化するメディ
アの高密度媒体として通信衛星の民生利用を推進し、小
形化した電子機器は移動体通信・携帯電話などの新たな
需要を生み出している。これら新しいメディアは、既存
の周波数割当ての域を避けるため、また携帯無線電話に
は多くのチャンネルを確保する必要上、高周波域が割り
当てられている。このような状況により、高周波回路を
搭載した電子機器は増加の一途を辿っており、プリント
回路用基板にも高周波回路に対応できる特性が求められ
るようになってきた。ところが、従来プリント回路用積
層板として用いられてきたガラスクロス等の基材に、エ
ポキシ樹脂を含浸・乾燥たプリプレグと銅箔を加熱加圧
一体に成形してなる銅張積層板は、必ずしも高速・高周
波回路の配線に適したものとはいえなかった。
アの高密度媒体として通信衛星の民生利用を推進し、小
形化した電子機器は移動体通信・携帯電話などの新たな
需要を生み出している。これら新しいメディアは、既存
の周波数割当ての域を避けるため、また携帯無線電話に
は多くのチャンネルを確保する必要上、高周波域が割り
当てられている。このような状況により、高周波回路を
搭載した電子機器は増加の一途を辿っており、プリント
回路用基板にも高周波回路に対応できる特性が求められ
るようになってきた。ところが、従来プリント回路用積
層板として用いられてきたガラスクロス等の基材に、エ
ポキシ樹脂を含浸・乾燥たプリプレグと銅箔を加熱加圧
一体に成形してなる銅張積層板は、必ずしも高速・高周
波回路の配線に適したものとはいえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電磁信号の伝達速度は
基板の誘電率の平方根に反比例する。即ち、基板の誘電
率が低い程、信号は高速に伝達されるが、ガラスエポキ
シ銅張積層板は決して誘電率が低い材料という訳ではな
い。また、高周波信号はその波形の保持や信号の減衰損
失の影響が、低周波のそれに比べて深刻であるため、高
周波回路基板には損失の少ない低誘電正接基板が要求さ
れるが、ガラスエポキシ銅張積層板は誘電正接も決して
小さくない。
基板の誘電率の平方根に反比例する。即ち、基板の誘電
率が低い程、信号は高速に伝達されるが、ガラスエポキ
シ銅張積層板は決して誘電率が低い材料という訳ではな
い。また、高周波信号はその波形の保持や信号の減衰損
失の影響が、低周波のそれに比べて深刻であるため、高
周波回路基板には損失の少ない低誘電正接基板が要求さ
れるが、ガラスエポキシ銅張積層板は誘電正接も決して
小さくない。
【0005】そこで、これらの用途には従来、誘電率、
誘電正接の低いガラスPTFE積層板や、ガラスシアノ
エステル積層板、ガラスポリイミド積層板などが用いら
れてきた。しかし、ガラスPTFE積層板は高価であ
り、また製造にも加工にも従来基板とは異なる設備と技
術を必要とする。ガラスシアノエステル積層板は、製造
・加工設備こそガラスエポキシ積層板と同一のものが用
いられるが樹脂コストは高く、また高熱長時間の製造工
程を必要とする。ガラスポリイミド積層板は、ガラスシ
アノエステル積層板とほぼ同様の問題点を抱えている上
に肝心の誘電率が要求される特性を満たすほど低くはな
く、高周波帯域で誘電正接が上昇する傾向がある。
誘電正接の低いガラスPTFE積層板や、ガラスシアノ
エステル積層板、ガラスポリイミド積層板などが用いら
れてきた。しかし、ガラスPTFE積層板は高価であ
り、また製造にも加工にも従来基板とは異なる設備と技
術を必要とする。ガラスシアノエステル積層板は、製造
・加工設備こそガラスエポキシ積層板と同一のものが用
いられるが樹脂コストは高く、また高熱長時間の製造工
程を必要とする。ガラスポリイミド積層板は、ガラスシ
アノエステル積層板とほぼ同様の問題点を抱えている上
に肝心の誘電率が要求される特性を満たすほど低くはな
く、高周波帯域で誘電正接が上昇する傾向がある。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、従来のガラスエポキシ銅張積層板と同様な設備で
製造でき、加工性に優れ、コストが低く、高速・高周波
回路の形成に適した低誘電率プリント回路用積層板、並
びにそれに用いる積層板用プリプレグおよび低誘電率樹
脂組成物を提供しようとするものである。
ので、従来のガラスエポキシ銅張積層板と同様な設備で
製造でき、加工性に優れ、コストが低く、高速・高周波
回路の形成に適した低誘電率プリント回路用積層板、並
びにそれに用いる積層板用プリプレグおよび低誘電率樹
脂組成物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、特定のエポキシ
樹脂、特定のビスフェノールAジシアネート樹脂を含む
低誘電率樹脂組成物を用いることによって、上記の目的
を達成できることを見いだし、本発明を完成したもので
ある。
を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、特定のエポキシ
樹脂、特定のビスフェノールAジシアネート樹脂を含む
低誘電率樹脂組成物を用いることによって、上記の目的
を達成できることを見いだし、本発明を完成したもので
ある。
【0008】即ち、本発明は、絶縁層の少なくとも片面
に導電層を設けたプリント回路用積層板において、該絶
縁層として、繊維基材に(A)ジシクロペンタジエニル
骨格を有するエポキシ樹脂、および(B)予めシアネー
ト基の当量比20〜50%を三量化処理したビスフェノール
Aジシアネート樹脂を必須成分とする低誘電率樹脂組成
物を塗布含浸・乾燥した積層板用プリプレグを用いて、
加熱加圧一体に成形してなることを特徴とする低誘電率
プリント回路用積層板である。また、この低誘電率プリ
ント回路用積層板に用いる積層板用プリプレグおよび低
誘電率樹脂組成物である。
に導電層を設けたプリント回路用積層板において、該絶
縁層として、繊維基材に(A)ジシクロペンタジエニル
骨格を有するエポキシ樹脂、および(B)予めシアネー
ト基の当量比20〜50%を三量化処理したビスフェノール
Aジシアネート樹脂を必須成分とする低誘電率樹脂組成
物を塗布含浸・乾燥した積層板用プリプレグを用いて、
加熱加圧一体に成形してなることを特徴とする低誘電率
プリント回路用積層板である。また、この低誘電率プリ
ント回路用積層板に用いる積層板用プリプレグおよび低
誘電率樹脂組成物である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の低誘電率樹脂組成物は、(A)ジ
シクロペンタジエニル骨格を有するエポキシ樹脂、
(B)予めシアネート基の当量比20〜50%を三量化した
ビスフェノールAジシアネート樹脂を必須成分とするも
のである。ここで用いる(A)ジシクロペンタジエニル
骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば、EXA7
200(大日本インキ化学工業社製、商品名)等が挙げ
られ、これらは単独又は混合して使用することができ
る。低誘電率樹脂組成物のガラス転移点を調節するた
め、このエポキシ樹脂の他に液状エポキシ樹脂や多官能
エポキシ樹脂を配合することができる。また、(B)ビ
スフェノールAジシアネート樹脂としては、予めシアネ
ート基の当量比20〜50%を三量化したものを用いる。三
量化処理が当量比20%未満では24差引請求額が低く、誘
電率が高くなってしまい不適であり、50%を超えると相
溶性、含浸性等が低下し好ましくない。難燃性を必要と
する場合には、難燃剤としてテトラブロモビスフェノー
ルAや高臭素化エポキシ樹脂を添加配合することができ
る。十分な難燃性を確保するため全体の樹脂固形分に対
して臭素含有量が15%以上になるように難燃剤を配合す
ることが望ましい。これらの各成分を配合して容易に低
誘電率樹脂組成物とすることができる。低誘電率樹脂組
成物に溶媒を加えてワニスとするが、ワニスには本発明
の目的に反しない範囲において、着色剤、補強剤、高熱
伝導性あるいは低誘電率の充填剤を配合することができ
る。熱伝導性の良い充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、シリカ等が挙げられ、また低誘電率の充填剤として
フッ素樹脂粉末、中空ガラスビーズ等が挙げられる。ま
た、必要に応じてタルク、炭酸カルシウム等を適宜配合
することができる。
シクロペンタジエニル骨格を有するエポキシ樹脂、
(B)予めシアネート基の当量比20〜50%を三量化した
ビスフェノールAジシアネート樹脂を必須成分とするも
のである。ここで用いる(A)ジシクロペンタジエニル
骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば、EXA7
200(大日本インキ化学工業社製、商品名)等が挙げ
られ、これらは単独又は混合して使用することができ
る。低誘電率樹脂組成物のガラス転移点を調節するた
め、このエポキシ樹脂の他に液状エポキシ樹脂や多官能
エポキシ樹脂を配合することができる。また、(B)ビ
スフェノールAジシアネート樹脂としては、予めシアネ
ート基の当量比20〜50%を三量化したものを用いる。三
量化処理が当量比20%未満では24差引請求額が低く、誘
電率が高くなってしまい不適であり、50%を超えると相
溶性、含浸性等が低下し好ましくない。難燃性を必要と
する場合には、難燃剤としてテトラブロモビスフェノー
ルAや高臭素化エポキシ樹脂を添加配合することができ
る。十分な難燃性を確保するため全体の樹脂固形分に対
して臭素含有量が15%以上になるように難燃剤を配合す
ることが望ましい。これらの各成分を配合して容易に低
誘電率樹脂組成物とすることができる。低誘電率樹脂組
成物に溶媒を加えてワニスとするが、ワニスには本発明
の目的に反しない範囲において、着色剤、補強剤、高熱
伝導性あるいは低誘電率の充填剤を配合することができ
る。熱伝導性の良い充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、シリカ等が挙げられ、また低誘電率の充填剤として
フッ素樹脂粉末、中空ガラスビーズ等が挙げられる。ま
た、必要に応じてタルク、炭酸カルシウム等を適宜配合
することができる。
【0011】本発明の積層板用プリプレグは、こうして
得たワニスを、繊維基材に含浸・乾燥してプリプレグを
つくり、このプリプレグをプリント回路用積層板の絶縁
層として使用することができる。ここで用いる繊維基材
としては、ガラスクロス、ガラスペーパー、紙、合成繊
維(アラミド、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂)等からな
る不織布や織布、金属繊維からなる織布やマット類等、
熱硬化性樹脂積層板に用いられるものは全て使用するこ
とができる。本発明の低誘電性を活かすには、Dガラス
クロス、Sガラスクロス、アラミドペーパーなど誘電率
の小さい基材と併用することにより一層効果的となる。
これらの基材は単独または混合して使用することができ
る。こうして得たプリプレグをプリント回路用積層板の
絶縁層とすることができる。この絶縁層の少なくとも片
面に形成する導電層は、金属箔、金属鍍金層、導電性ペ
ースト層等で回路形成が可能なものであればよい。特に
銅箔等の金属箔を使用する場合には、上述したプリプレ
グを複数枚重ねて、その少なくとも片面に金属箔を配置
し、ステンレス板間に挟み加熱プレスによって一体に積
層成形し、選択エッチングにより導電層を形成すること
ができるので、大量生産に適しておりその製造上のメリ
ットは大きい。金属鍍金層を用いる場合には、接着剤付
積層板を作り接着剤の表面に必要部分のみ鍍金して導電
層を形成させる。また導電性ペースト層で回路形成する
場合には、積層板の表面にスクリーン印刷等によって導
電層を形成することができる。
得たワニスを、繊維基材に含浸・乾燥してプリプレグを
つくり、このプリプレグをプリント回路用積層板の絶縁
層として使用することができる。ここで用いる繊維基材
としては、ガラスクロス、ガラスペーパー、紙、合成繊
維(アラミド、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂)等からな
る不織布や織布、金属繊維からなる織布やマット類等、
熱硬化性樹脂積層板に用いられるものは全て使用するこ
とができる。本発明の低誘電性を活かすには、Dガラス
クロス、Sガラスクロス、アラミドペーパーなど誘電率
の小さい基材と併用することにより一層効果的となる。
これらの基材は単独または混合して使用することができ
る。こうして得たプリプレグをプリント回路用積層板の
絶縁層とすることができる。この絶縁層の少なくとも片
面に形成する導電層は、金属箔、金属鍍金層、導電性ペ
ースト層等で回路形成が可能なものであればよい。特に
銅箔等の金属箔を使用する場合には、上述したプリプレ
グを複数枚重ねて、その少なくとも片面に金属箔を配置
し、ステンレス板間に挟み加熱プレスによって一体に積
層成形し、選択エッチングにより導電層を形成すること
ができるので、大量生産に適しておりその製造上のメリ
ットは大きい。金属鍍金層を用いる場合には、接着剤付
積層板を作り接着剤の表面に必要部分のみ鍍金して導電
層を形成させる。また導電性ペースト層で回路形成する
場合には、積層板の表面にスクリーン印刷等によって導
電層を形成することができる。
【0012】本発明の低誘電率プリント回路用積層板
は、上述した金属箔、本発明のプリプレグを組み合わせ
て加熱加圧一体に成形して容易に製造することができ
る。こうして製造した低誘電率プリント回路用積層板
は、衛星通信関連機器、高周波帯通信機器、高クロック
演算回路など高周波帯における波形保持性、高速伝送性
を要求される回路の搭載に適する回路板として好適に使
用できる。
は、上述した金属箔、本発明のプリプレグを組み合わせ
て加熱加圧一体に成形して容易に製造することができ
る。こうして製造した低誘電率プリント回路用積層板
は、衛星通信関連機器、高周波帯通信機器、高クロック
演算回路など高周波帯における波形保持性、高速伝送性
を要求される回路の搭載に適する回路板として好適に使
用できる。
【0013】
【作用】本発明に用いる低誘電率樹脂組成物は、π電子
を持たないポリシクロ構造のジシクロペンタジエニル骨
格および対称性の高いトリアジン骨格を持つシアネート
樹脂からなり、通常用いられるビスフェノールA型エポ
キシ樹脂よりも嵩高く、エポキシ樹脂硬化時に誘電率を
引き上げる水酸基を生じないため低誘電である。また、
ジシクロペンタジエニル骨格はビスフェノールA型エポ
キシ樹脂より熱膨張率が小さいため、スルーホール信頼
性を保持したまま積層板の樹脂含有量を増加させること
ができ、低誘電効果をさらに高くすることができた。こ
の樹脂組成物を用いることによって、従来のガラスエポ
キシプリプレグ、積層板の製造と、同一の装置と方法に
より加工性、コストに優れ、高速、高周波回路の形成に
適した低誘電率プリント回路用積層板を製造することが
できる。
を持たないポリシクロ構造のジシクロペンタジエニル骨
格および対称性の高いトリアジン骨格を持つシアネート
樹脂からなり、通常用いられるビスフェノールA型エポ
キシ樹脂よりも嵩高く、エポキシ樹脂硬化時に誘電率を
引き上げる水酸基を生じないため低誘電である。また、
ジシクロペンタジエニル骨格はビスフェノールA型エポ
キシ樹脂より熱膨張率が小さいため、スルーホール信頼
性を保持したまま積層板の樹脂含有量を増加させること
ができ、低誘電効果をさらに高くすることができた。こ
の樹脂組成物を用いることによって、従来のガラスエポ
キシプリプレグ、積層板の製造と、同一の装置と方法に
より加工性、コストに優れ、高速、高周波回路の形成に
適した低誘電率プリント回路用積層板を製造することが
できる。
【0014】
【実施例】本発明を実施例によって具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。
が、本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。
【0015】実施例 ジシクロペンタジエニル骨格を有するエポキシ樹脂EX
A7200(大日本インキ化学工業社製、商品名)20
部、難燃剤として臭素化エポキシ樹脂EP−153T
(大日本インキ化学工業社製、商品名)80部、硬化剤と
してシアネート基の40%にプレトリメライズを施したビ
スフェノールAジシアネート樹脂AROCY−B40
(チバガイギー社製、商品名)63部を配合して低誘電率
樹脂組成物とした。この組成物をメチルエチルケトンに
溶解して積層用ワニスとした。このワニスを塗工機で厚
さ 0.18mm のガラスクロスに含浸・乾燥し半硬化状態と
して積層用プリプレグを得た。このプリプレグ 8枚の両
面に銅箔を重ねてステンレス板間に挟み、加熱加圧一体
に成形して厚さ 1.6mmの低誘電率プリント回路用積層板
を製造した。
A7200(大日本インキ化学工業社製、商品名)20
部、難燃剤として臭素化エポキシ樹脂EP−153T
(大日本インキ化学工業社製、商品名)80部、硬化剤と
してシアネート基の40%にプレトリメライズを施したビ
スフェノールAジシアネート樹脂AROCY−B40
(チバガイギー社製、商品名)63部を配合して低誘電率
樹脂組成物とした。この組成物をメチルエチルケトンに
溶解して積層用ワニスとした。このワニスを塗工機で厚
さ 0.18mm のガラスクロスに含浸・乾燥し半硬化状態と
して積層用プリプレグを得た。このプリプレグ 8枚の両
面に銅箔を重ねてステンレス板間に挟み、加熱加圧一体
に成形して厚さ 1.6mmの低誘電率プリント回路用積層板
を製造した。
【0016】比較例 厚さ 1.6mm汎用ガラス基材エポキシプリント回路用積層
板(FR−4グレード)を用意した。
板(FR−4グレード)を用意した。
【0017】実施例および比較例のプリント回路用積層
板について、ガラス転移点、誘電率、誘電正接、スルー
ホール信頼性を試験したのでその結果を表1に示した。
本発明は各特性のバランスに優れており、本発明の効果
が確認された。
板について、ガラス転移点、誘電率、誘電正接、スルー
ホール信頼性を試験したのでその結果を表1に示した。
本発明は各特性のバランスに優れており、本発明の効果
が確認された。
【0018】
【表1】 *1 :LCRメーターによる1 MHz における測定値。
【0019】
【発明の効果】以上の説明および表1から明らかなよう
に、本発明に用いる低誘電率樹脂組成物は、誘電率、誘
電正接に優れ、これを用いたプリプレグ、および低誘電
率プリント回路用積層板は、従来のガラスエポキシ銅張
積層板と同一の製造装置で製造でき、加工性、低コスト
に優れ、高速、高周波回路用として好適なものである。
に、本発明に用いる低誘電率樹脂組成物は、誘電率、誘
電正接に優れ、これを用いたプリプレグ、および低誘電
率プリント回路用積層板は、従来のガラスエポキシ銅張
積層板と同一の製造装置で製造でき、加工性、低コスト
に優れ、高速、高周波回路用として好適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 73/00 C08G 73/00
Claims (3)
- 【請求項1】 絶縁層の少なくとも片面に導電層を設け
たプリント回路用積層板において、該絶縁層として、繊
維基材に(A)ジシクロペンタジエニル骨格を有するエ
ポキシ樹脂、および(B)予めシアネート基の当量比20
〜50%を三量化処理したビスフェノールAジシアネート
樹脂を必須成分とする低誘電率樹脂組成物を塗布含浸・
乾燥した積層板用プリプレグを用いて、加熱加圧一体に
成形してなることを特徴とする低誘電率プリント回路用
積層板。 - 【請求項2】 繊維基材に、(A)ジシクロペンタジエ
ニル骨格を有するエポキシ樹脂、および(B)予めシア
ネート基の当量比20〜50%を三量化処理したビスフェノ
ールAジシアネート樹脂を必須成分とする低誘電率樹脂
組成物を塗布含浸・乾燥してなることを特徴とする積層
板用プリプレグ。 - 【請求項3】 (A)ジシクロペンタジエニル骨格を有
するエポキシ樹脂、および(B)予めシアネート基の当
量比20〜50%を三量化処理したビスフェノールAジシア
ネート樹脂を必須成分としてなることを特徴とする低誘
電率樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31425596A JPH10145019A (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 低誘電率プリント回路用積層板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31425596A JPH10145019A (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 低誘電率プリント回路用積層板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10145019A true JPH10145019A (ja) | 1998-05-29 |
Family
ID=18051157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31425596A Pending JPH10145019A (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 低誘電率プリント回路用積層板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10145019A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115323828A (zh) * | 2022-08-11 | 2022-11-11 | 黄河三角洲京博化工研究院有限公司 | 一种对位芳纶纸氰酸酯高频覆铜板及其制备方法 |
-
1996
- 1996-11-11 JP JP31425596A patent/JPH10145019A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115323828A (zh) * | 2022-08-11 | 2022-11-11 | 黄河三角洲京博化工研究院有限公司 | 一种对位芳纶纸氰酸酯高频覆铜板及其制备方法 |
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