JPH10144970A - 熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換モジュール

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JPH10144970A
JPH10144970A JP8314249A JP31424996A JPH10144970A JP H10144970 A JPH10144970 A JP H10144970A JP 8314249 A JP8314249 A JP 8314249A JP 31424996 A JP31424996 A JP 31424996A JP H10144970 A JPH10144970 A JP H10144970A
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Shinichi Moriya
信一 森谷
Takayuki Sudo
孝幸 須藤
Akio Moro
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱電変換モジュールにおいて、組み立て時等
の破損の問題、不良品の発生、信頼性の低下の問題、さ
らに部品点数が多いことに伴う組み立て工数が多く量産
性を阻害する問題の解決をはかるものである。 【解決手段】 熱電変換モジュールの熱伝達部26Hお
よび26Lが、セラミック層27がコーティングされた
金属板28もしくはセラミック層と金属層との積層体よ
り成り、熱電変換素子の金属セグメントと熱伝達部との
間の電気絶縁をはかり、かつ良好な熱伝導をはかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを電
力に変換する熱電変換モジュールに係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の熱電変換モジュールにおける高温
側および低温側の熱伝達がなされる熱伝達部は、熱伝導
性にすぐれた金属板によって構成されていることから、
この熱伝達部と、熱電変換素子の電極に接続されるある
いは電極を兼ねる金属セグメントとの結合は、熱伝達部
と金属セグメントとの間に、セラミック板等の電気的絶
縁薄板を介在させる必要があった。すなわち、熱電変換
モジュールの低温側および高温側において、金属熱伝達
部とセラミック薄板、セラミック薄板と金属セグメント
との間の2箇所、合計4箇所の接触部が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図4は、既に提案され
ている熱電変換モジュールの要部の概略断面図で、この
熱電変換モジュールは、図3にその概略断面図を示すよ
うに、対のn型およびp型の各熱電変換素子10を、互
いにその一方の電極12を、金属セグメント15Aに電
気的に接続し、各他方の電極12を互いに他の金属セグ
メント15Bに接続し、これら金属セグメント15Bを
発電出力端子とするいわゆるπ型熱電変換素子対によっ
て構成される。このπ型熱電変換素子の、各電極12の
各金属セグメント15Aおよび15Bに対する固定は、
固定ねじ18を各金属セグメント15Aおよび15Bを
貫通し、電極12に形成したねじ穴13に螺入すること
によって行うことができる。
【0004】そして、この構成によるπ型熱電変換素子
対を、図5の紙面と直交する面に2次元的にそれぞれ複
数個配列し、各π型熱電変換素子対の例えば金属セグメ
ント15A側において、共通の熱エネルギーを与える高
温側の熱伝達部16Hに、例えばセラミック薄板等によ
る絶縁性薄板17Aを介して電気的に絶縁して熱的に結
合し、また、他方の金属セグメント15Bを冷却側の熱
伝達部16Lに同様の例えばセラミック薄板等による絶
縁性薄板17Aを介して電気的に絶縁して熱的に結合し
て、それぞれ絶縁性のセラミック、テフロン等の固定ね
じ18によって固定する。また、各熱伝達部の各外側面
にもセラミック薄板等よりなる絶縁性薄板17Bを配置
する。
【0005】このように、各熱伝達部と、金属セグメン
トとの間、更にその表面にセラミック薄板による絶縁性
薄板を配置した構成とする場合、各重ね合わせ面の熱的
結合を密に行う必要があることから、各重ね合わせは、
ボルト締めや、大きな荷重を掛けてることによって、互
いに圧接させる必要があり、この圧接や、ボルト締めの
ための加工によって、セラミック薄板に破損を来すな
ど、不良品の発生、信頼性の低下を来し易く、また部品
点数が多いことに伴う組み立て工数が多いなど量産性に
問題がある。
【0006】本発明は、熱電変換モジュールにおいて、
上述した組み立て時の破損の問題、すなわち不良品の発
生、信頼性の低下の問題、さらに部品点数が多いことに
伴う組み立て工数が多く量産性を阻害する問題の解決を
はかるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱電変換モジ
ュールの熱伝達部が、セラミック層がコーティングされ
た金属板もしくは金属層より構成するか、あるいはセラ
ミック層と金属層との積層体より構成し、熱電変換素子
の金属セグメントと熱伝達部との間の電気絶縁をはか
り、かつ良好な熱伝導をはかる。
【0008】上述したように、本発明構成によれば、熱
電変換モジュールの熱伝達部が、セラミック層をコーテ
ィングした金属板、あるいはセラミック層と金属層が積
層された構造、すなわち電気的絶縁を行う部材と良好な
熱伝導を行う部材とが一体化された構成とされているの
で、従来におけるような両部材の相互の熱的結合を密に
するために、熱電変換モジュールの組み立てに当たって
両部材をボルト締めや、大きな荷重を掛けて圧接する作
業を回避でき、これに伴う各部の破損を回避できる。ま
た、部品点数の減少化がはかられることにより、これに
伴う組み立て工数の低減化をはかることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による熱電変換モ
ジュールの一実施例の要部の概略断面図を示す。まず、
図2に、その一例の概略断面図を示す、熱電変換モジュ
ールを構成する熱電変換素子10を構成する。この場
合、熱電変換素子本体11の作製と同時にこれと一体に
この熱電変換素子本体11に対する電極12を形成する
ことができる。この熱電変換素子本体11と電極12と
を一体に形成する方法としては、カーボンダイスの中空
内に、熱電変換素子本体11の構成材料とその上下に電
極12を構成する金属板を配置して、その上下からカー
ボンパンチを押圧し、大電流の通電によってプラズマア
ークを発生させて焼結ないしは接合を行うことができ
る。
【0010】電極12を構成する金属板の厚さは、任意
に選定し得るが、例えば最終的に得る熱電変換素子本体
11の厚さが4mmとする場合、電極金属板の厚さは、
3mm程度に選定し得る。また、電極12には、後述す
る固定ねじを螺入するねじ穴13が形成される。
【0011】このようにして熱電変換素子本体11の導
電型が、それぞれn型およびp型の各熱電変換素子を構
成する。
【0012】このような構成による熱電変換素子10
は、図3に示すように、対のn型およびp型の各熱電変
換素子10を、互いにその一方の電極12を、金属セグ
メント15Aに、電気的に接続し、各他方の電極12を
互いに他の金属セグメント15Bに接続するいわゆるπ
型熱電変換素子対を構成する。各電極12の各金属セグ
メント15Aおよび15Bに対する固定は、固定ねじ1
8を各金属セグメント15Aおよび15Bを貫通し、電
極12に形成したねじ穴13に螺入することによって行
うことができる。
【0013】そして、このπ型熱電変換素子対を、図1
に示すように、この図1の紙面と直交する面に2次元的
にそれぞれ複数個配列し、各π型熱電変換素子対の例え
ばセグメント15A側において、共通の熱エネルギーを
与える高温側の熱伝達部26Hに結合し、他方のセグメ
ント15Bを冷却側の熱伝達部26Lに結合する。この
場合、それぞれ絶縁性のセラミック、テフロン等の固定
ねじ18によって固定して熱電変換モジュールを構成す
ることができる。
【0014】そして、本発明による熱電変換モジュール
においては、高温側熱伝達部26Hおよび冷却側熱伝達
部26Lを、セラミックコーティングがなされた金属板
もしくは金属層によって構成する。すなわち、例えば金
属板28の必要箇所にねじ穴等を貫通穿設して後、全表
面に、厚さ10μm〜50μmに熱伝導度の高い、例え
ばAl2 3 を溶射してセラミック層27をコーティン
グすることによって構成する。このようにして、熱伝達
部26Hおよび26Lおいて、セラミック層27によっ
て電気的絶縁の機能例えば熱電変換素子10の金属セグ
メント15Aおよび15Bに対する電気的絶縁の機能を
持たしめ、金属板28によって主として熱伝達機能を持
たしめる。
【0015】このように、セラミック層27を金属板2
8にコーティングした熱伝達部26Hおよび26Lは、
セラミック層27と金属板28とが密着して一体化して
構成されることによって、セラミックの欠点である脆性
を内部の金属板28の靱性によって補償することができ
る。また、セラミック層27を、熱伝導度の高いアルミ
ナ(Al2 3 )によって構成することによって、金属
セグメントと金属板28との熱伝導、さらに金属板28
と他部との熱伝導を効率良く行うことができると共に、
電気的には確実に絶縁することができる。
【0016】そして、金属板28の表面にコーティング
したセラミック層27の表面を平滑にすることによっ
て、これら熱伝達部26Hおよび26Lと、金属セグメ
ント15Aおよび15Bとをより密着させることがで
き、熱的結合をより密に行うことができる。
【0017】また、上述の熱伝達部26Hおよび26L
において、その厚さ方向に生じる温度勾配によって熱伝
達部に反りが生じ、セラミック層27と金属板28との
結合が充分でなくなるおそれがある場合は、セラミック
層と金属層とをそれぞれ交互に溶射して積層した多層構
造とすることによって、各層間の相互作用によって温度
勾配による熱応力が熱伝達部内部で緩和され、セグメン
ト15Aおよび15Bと熱伝達部26Hおよび26Lと
の熱的結合および電気的絶縁を確実に行うことができる
ようにすることができる。また、このようなセラミック
スと金属の溶射による積層の際、セラミックスと金属を
混合するようにし、積層する際にセラミックスと金属の
混合の割合を連続的または階段状にすることによって、
熱伝達部に発生する熱応力を低減することができる。
【0018】また、本発明構成において、熱電変換素子
本体11は、例えば、中温域用において高い熱電変換効
率を示す熱電変換素子として知られているPbTe系
や、Ag−Sb−Ge−Te系、あるいは高温用の熱電
変換素子として知られているSi−Ge系熱電変換半導
体材料等によって構成することができる。
【0019】例えば、熱電変換素子本体11の熱電半導
体が、PbTe系熱電半導体材料によって構成される場
合は、電極12はFe系電極材料によって構成すること
によって、熱電変換素子本体11に対して電極12が良
好にオーミックコンタクトされる。また、この場合に
は、金属セグメント15Aおよび15Bは、Feより成
る構成とすることが電極12との電気的に安定にコンタ
クトする上で好ましい。そして、この場合には、熱伝達
部26は、Fe金属板28にアルミナ(Al23 )セ
ラミック層27をコーティングした構成とすることが好
ましい。
【0020】また、例えば熱電変換素子本体11の熱電
半導体が、Si−Ge系半導体材料によって構成される
場合は、電極12はMo系またはW系電極材料によって
構成することが、熱電変換素子本体11に対して電極1
2が良好にオーミックコンタクトする上で好ましい。ま
た、この場合には、金属セグメント15Aおよび15B
は、MoまたはWより成る構成とすることが電極12と
の電気的に安定にコンタクトする上で好ましい。そし
て、この場合には、熱伝達部26は、Mo金属板28に
アルミナ(Al23 )セラミック層27をコーティン
グした構成とすることが好ましい。
【0021】また、例えば熱電変換素子本体11の熱電
半導体が、Bi−Te系半導体材料によって構成される
場合は、電極12はCu系電極材料によって構成するこ
とが、熱電変換素子本体11に対して電極12が良好に
オーミックコンタクトされる上で好ましい。また、この
場合には、金属セグメント15Aおよび15Bは、Cu
より成る構成とすることが電極12との電気的に安定に
コンタクトする上で好ましい。そして、この場合には、
熱伝達部26は、CuまたはWより成る金属板28にア
ルミナ(Al2 3 )セラミック層27をコーティング
した構成とすることが好ましい。
【0022】また、電極12についても、熱電変換素子
の使用態様に応じて種々の形状を採ることができる。例
えば図3に示すように、固定ねじを螺入させるねじ穴1
3や、凹部等が形成された電極構成とする場合には、上
述したプラズマ活性化焼結工程で用いる電極材料の金属
板として、予め上述したねじ穴13や、凹部等が形成さ
れた金属板を用いるとか、熱電変換素子本体11と一体
に形成された電極12に対してねじ穴、凹部、透孔等を
形成することもできる。
【0023】図1の構成においては、両熱伝達部16H
および16L側からそれぞれ固定ねじ18によって固定
する構成としたが、或る場合は、熱伝導性の低い絶縁性
の固定ねじを、例えば予め熱電変換素子本体11に形成
した透孔を貫通させて固定する構成とすることができ
る。
【0024】また、上述した例では、熱電変換素子の電
極12とは別体に金属セグメント15Aおよび15Bを
設けた場合であるが、金属セグメント15Aおよび15
Bを電極12を兼ねる構成とすることができる。また金
属セグメントを熱伝達部26H,26Lのセラミック層
27に所定のパターンに被着形成した金属層によって構
成することもできる。
【0025】上述したように、本発明構成によれば、熱
電変換モジュールの熱伝達部が、セラミック層をコーテ
ィングした金属板もしくは金属層によって構成すると
か、セラミック層と金属層との繰り返し積層構造とし
て、電気的絶縁を行う部材と良好な熱伝導を行う部材と
が一体化された構成とされているので、両部材の相互の
熱的結合を密にするために、熱電変換モジュールの組み
立てに当たり、両部材をボルト締めや、大きな荷重を掛
けて圧接する作業を回避でき、これに伴う各部材の破損
を回避できる。また、部品点数の減少化がはかられるこ
とにより、これに伴う組み立て工数の低減化をはかるこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】上述したように、本発明構成によれば、
熱電変換モジュールの熱伝達部が、電気的絶縁を行うセ
ラミック層と熱的伝達を行う金属板もしくは金属層とが
一体化された構成とされているので、熱電変換モジュー
ルの組み立てに当たり、両部材の相互の熱的結合を密に
するために、両部材をボルト締めや、大きな荷重を掛け
て圧接する作業を回避でき、これに伴う各部材の破損を
回避でき、熱電変換特性および信頼性にすぐれ、したが
って長寿命化がはかられる熱電変換モジュールを構成す
ることができる。
【0027】また、部品点数の減少化がはかられること
により、これに伴う組み立て工数の低減化をはかること
ができ、量産性の向上、したがって、コストの低廉化を
はかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱電変換モジュールの一例の概略
断面図である。
【図2】本発明による熱電変換モジュールにおける熱電
変換素子の一例の概略断面図である。
【図3】本発明による熱電変換モジュールにおけるπ型
熱電変換素子対の一例の構成図である。
【図4】既に提案された熱電変換モジュールの概略断面
図である。
【符号の説明】
10 熱電変換素子 11 熱電変換素子本体 12 電極 15A,15B 金属セグメント 26H 高温側熱伝達部 26L 低温側熱伝達部 27 セラミック層 28 金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森谷 信一 宮城県角田市君萱字小金沢1 科学技術庁 航空宇宙研究所 角田宇宙推進技術研究セ ンター内 (72)発明者 須藤 孝幸 宮城県角田市君萱字小金沢1 科学技術庁 航空宇宙研究所 角田宇宙推進技術研究セ ンター内 (72)発明者 毛呂 明夫 宮城県角田市君萱字小金沢1 科学技術庁 航空宇宙研究所 角田宇宙推進技術研究セ ンター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電変換モジュールの熱伝達部が、セラ
    ミック層をコーティングした金属板もしくは金属層より
    成り、 熱電変換素子の金属セグメントと熱伝達部との間の電気
    絶縁をはかり、かつ良好な熱伝導をはかったことを特徴
    とする熱電変換モジュール。
  2. 【請求項2】 熱電変換モジュールの熱電変換素子の熱
    電半導体が、PbTe系熱電半導体材料より成り、 上記熱電変換素子の電極がFe系電極材料より成り、 金属セグメントが、Feより成り、 熱伝達部が、アルミナ(Al2 3 )セラミック層をコ
    ーティングしたFeよりなる金属板もしくは金属層より
    成ることを特徴とする熱電変換モジュール。
  3. 【請求項3】 熱電変換モジュールの熱電変換素子の熱
    電半導体が、Si−Ge系半導体材料より成り、 上記熱電変換素子の電極がMo系またはW系電極材料よ
    り成り、 金属セグメントが、MoまたはWより成り、 熱伝達部が、アルミナ(Al2 3 )セラミック層をコ
    ーティングしたMoまたはWの金属板もしくは金属層よ
    り成ることを特徴とする熱電変換モジュール。
  4. 【請求項4】 熱電変換モジュールの熱電変換素子の熱
    電半導体が、Bi−Te系半導体材料より成り、 上記熱電変換素子の電極がCu系電極材料より成り、 金属セグメントが、Cuより成り、 熱伝達部が、アルミナ(Al2 3 )セラミック層をコ
    ーティングしたCuまたはWの金属板もしくは金属層よ
    り成ることを特徴とする熱電変換モジュール。
  5. 【請求項5】 上記熱電変換モジュールの熱伝達部が、
    セラミック層と金属層とが交互に繰り返し積層された構
    成を有することを特徴とする請求項1、2、3または4
    に記載の熱電変換モジュール。
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