JPH10144518A - 超電導コイル - Google Patents

超電導コイル

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JPH10144518A
JPH10144518A JP30220396A JP30220396A JPH10144518A JP H10144518 A JPH10144518 A JP H10144518A JP 30220396 A JP30220396 A JP 30220396A JP 30220396 A JP30220396 A JP 30220396A JP H10144518 A JPH10144518 A JP H10144518A
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JP
Japan
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winding
terminal
outer layer
superconducting
coil
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Pending
Application number
JP30220396A
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English (en)
Inventor
Shoji Iwasaki
庄治 岩崎
Kenji Goto
謙次 後藤
Nobuyuki Sadakata
伸行 定方
Takashi Saito
隆 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導コイルの端末を電源リードと接続する
際に、屈曲歪みによる特性の劣化が防止された超電導コ
イルを得る。 【解決手段】 超電導巻線11が巻枠12とフランジ1
3a,13bとからなるボビン14に複数の層を形成し
て巻回されてなるコイル10であって、このボビンの2
箇所に電源リードLを接続する接続端子15,16が形
成され、巻線の内層端末11aと外層端末11bとが、
それぞれの巻回曲率を保持したまま、それぞれの接続端
子15,16に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源リードとの接
続端末に生じる超電導線の歪みが解消され、超電導特性
の劣化が防止された超電導コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】交流超電導コイル、超電導変圧器、超電
導マグネット、超電導永久電流スイッチなどの各種超電
導機器に用いられる超電導コイルの材質としては、臨界
温度Tcと臨界磁場Hcが他の金属元素超電導体や合金
超電導体に比べ比較的高いために、Nb3Sn、Nb3
l、V3Gaなどの化合物超電導体が多く用いられるよ
うになってきている。
【0003】ところが、これらの化合物超電導体は一般
に非常に脆い性質を有していて、コイルの巻線などとし
て用いるために湾曲すると、導体内に歪みが発生して超
電導特性を劣化させる問題があった。そこで、化合物超
電導体を巻線として用いて超電導コイルを製造する際に
は、一般にワインド・アンド・リアクト法(W&R法)
と呼ばれる方法が用いられている。
【0004】W&R法は、例えばNb3Sn超電導体の
場合について一例を示せば、Cu−Sn合金の線材をマ
トリクスとし、この中に多数本のNb細線を埋め込んで
複合線材を形成し、これを延伸して極細のNbフィラメ
ントを含む多心線を作成し、この多心線を耐熱性ボビン
に巻いた後に、例えば500℃〜700℃程度の温度で
焼成を行い、Cu−Sn合金中のSnと心材のNbとを
反応させて、Nb3Snからなる超電導導体を生成させ
る。この方法によれば、超電導導体がコイルに巻かれた
状態を安定状態として形成されるので、特性劣化の少な
い超電導コイルが得られる。
【0005】しかし、W&R法は、ボビンがステンレス
鋼など耐熱性の素材に限定されるため重く、また絶縁材
も、後から巻き戻して施すことができないので700℃
以上の耐熱性絶縁材が要求されるなど制約が多く、経費
が嵩むことになる。
【0006】そこで、前記のW&R法とは逆に、線材中
に超電導体を形成した後にコイルに巻く、いわゆるリア
クト・アンド・ワインド法(R&W法)が検討された。
この方法を実用化するためには、少なくともコイルの巻
枠の曲率程度の屈曲に耐える超電導材が開発される必要
があった。しかし、Nb3Snなどの化合物超電導体は
本質的に屈曲歪みに敏感であるために、この方法は現状
では実用化に至っていない。しかし、最近になって、高
強度の超電導線材が開発され、R&W法にも実用化の見
通しが立てられるようになってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高強度の超電導線材を
用い、R&W法によって超電導コイルを製造する場合
は、比較的緩やかな曲率となる巻線部では、屈曲による
特性劣化が軽減される。しかし、コイルの巻線端末にお
いては、ボビンのフランジに固定しかつ電源リードと接
続するために、超電導巻線にほぼ直角の屈曲が要求され
る。現状ではこのように深い屈曲に耐える超電導線材は
開発されていないので、巻線端末の屈曲に関しては従来
と同様にW&R法による処理が行われている。すなわ
ち、図2に示すように、未焼成の線材1の端末1aを治
具2で屈曲状態に固定した状態で焼成し、化合物超電導
体を生成させた後に治具2を取り外して超電導巻線端末
を形成する方法が採られていた。
【0008】しかし、前記のように予め巻線端末を屈曲
した状態で超電導コイルを製造しても、ボビンを焼成用
のものから実使用のものに巻き替えたり、絶縁被覆を施
したり、実使用のボビン上で端末の固定化処理を行った
り、電源リードと接続したりする過程では端末を一時的
に直線状態に延ばす必要が生じ、このときは大きな曲率
変化が起こるので、巻線端末の屈曲部に歪みが発生する
可能性があった。
【0009】超電導線は、その一部にでも歪みが発生す
ると、この部分の超電導特性が劣化して通電時に過大な
発熱が起こり、臨界温度Tcを越えて超電導線全体が超
電導状態から常電導状態に転移する現象、いわゆるクエ
ンチを起こし、超電導コイルとしての性能が損なわれる
ことになる。
【0010】本発明は、この問題を解決するためになさ
れたものであって、従ってその目的は、巻線端末におけ
る超電導線の急激な屈曲を不要とし、歪みの原因を解消
したことによって超電導特性の劣化が防止された超電導
コイルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する手
段として本発明は、巻線が巻枠とフランジとからなるボ
ビンに複数の層を形成して巻回されてなるコイルであっ
て、このボビンの2箇所に電源リードを接続する接続端
子が形成され、巻線の内層端末と外層端末とが、それぞ
れの巻回曲率を保持したまま、それぞれの接続端子に接
続されてなる超電導コイルを提供する。
【0012】前記のコイルは、巻線の内層端末用の接続
端子がボビンの巻枠とフランジとの接合部に形成され、
この内層端末用の接続端子が、巻枠の曲率と同じ曲率で
かつ巻線径と同じ幅で、巻枠の周面またはフランジ内面
と面一に延びる内層接続面を有し、この内層接続面に、
巻線の内層端末が接続されてなるものであることが好ま
しい。
【0013】また、前記のコイルは、巻線の外層端末用
の接続端子がフランジに形成され、この外層端末用の接
続端子が、巻線の外層端末が接触するフランジ内面の位
置に、この外層端末の巻回曲率と同じ曲率でかつ巻線径
と同じ幅で、外層端末に沿ってフランジ内面と面一に延
びる外層接続面を有し、この外層接続面に、巻線の外層
端末が接続されてなるものであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により図面を用いて説明する。図1(a)(b)は、
本発明の一実施例を示している。図1(a)(b)にお
いて、このコイル10は、概略、筒状の巻枠12と、そ
の両側の端部に接合されたフランジ13a,13bとか
らなるボビン14に、1本の巻線11が複数の層を形成
して巻回されてなっている。
【0015】このボビン14には、その巻枠12と一方
のフランジ13aとの接合部に、巻線11の内層端末1
1a用の銅製の接続端子(内層端子)15が形成されて
いる。この内層端子15は、巻枠12とフランジ13a
との接合線に沿って互いに断面L字形をなして延びる内
層接続面15a、15bを有している。この内層接続面
15a、15bは、巻枠12の曲率と同じ曲率でかつ巻
線11の直径と同じ幅を有し、それぞれ巻枠12の周面
およびフランジ13aの内面と面一に形成されている。
そして、この内層接続面15a、15bに、巻線の内層
端末11aが、その巻回曲率を変えることなく半田づけ
により接続されている。
【0016】この内層端子15は、ボビン14内部を貫
通してフランジ13aの外面に延び、更にフランジ外面
から突設された電源リード接続ピン15cに接続されて
いる。この接続ピン15cは、端末に受孔が形成された
一方の電源リードLの受孔に嵌入され、半田づけにより
接続されるようになっている。
【0017】このフランジ13aには、その端縁近傍
に、巻線11の外層端末11b用の接続端子(外層端
子)16が形成されている。この外層端子16は、フラ
ンジ13aの内面の、巻線の外層端末11bが接触する
位置に、この外層端末11bの巻回曲率と同じ曲率で、
かつ巻線の直径と同じ幅で、外層端末11bに沿ってフ
ランジ13aの内面と面一に延びる扇形の外層接続面1
6aを有している。そして、この外層接続面16aに、
巻線の外層端末11bが、その巻回曲率を変えることな
く半田づけにより接続されている。
【0018】この外層端子16は、フランジ13aの端
縁部を断面コ字状に屈曲して外面に延び、更にフランジ
外面から突設された電源リード接続ピン16cに接続さ
れている。この接続ピン16cは、端末に受孔が形成さ
れたもう一方の電源リードLの受孔に嵌入され、半田づ
けにより接続されるようになっている。
【0019】このコイル10は、前記の電源リード用接
続ピン15c,16cに、それぞれ電源リードL,Lを
接続し、極低温冷媒に浸漬して通電すれば、巻線11が
超電導状態に転移し、超電導コイルとして使用すること
ができる。このとき、巻線11の内層端末11aにおい
ても、外層端末11bにおいても、巻線11がコイルに
巻かれたときの曲率が保たれているので、このコイルが
R&W法を適用して作成されたものであっても、電源リ
ードとの接続部における深い屈曲に起因する超電導体の
歪みが発生しない。従って、巻線端末の屈曲に起因する
クエンチを防止することができる。
【0020】また、内層接続面15a,15bと外層接
続面16aとは、いずれも、コイル10に巻かれた巻線
11のそれぞれの端末と密着し、かつ巻線の直径と等し
い幅に成形されているので、それぞれの端末11a,1
1b以外の巻線部分に触れることはなく、短絡の惧れは
ない。
【0021】本発明のコイルにおいて、巻線11は、超
電導線であれば、合金超電導線、化合物超電導線、金属
酸化物超電導線など、いずれも適用できる。特に、大き
い屈曲によって導体内に歪みが発生し、超電導特性に障
害をもたらす可能性が大きいR&W法による化合物超電
導線などを用いるときに有利である。本発明のコイルに
おいて、巻線11は、冷媒による冷却効率を高めるため
に、スペーサなどを用いて上下左右に隣合う巻線が間隔
巻きにされていてもよい。
【0022】本発明に用いるボビンの材質としては、耐
極低温性であり、かつ変動磁界による渦電流損失を低減
させるために比抵抗の高いものが好ましい。その例とし
ては、例えばFRP、エポキシ樹脂、フェノール樹脂な
どを挙げることができる。また内層端子と外層端子は、
導電性の良好な常電導体であればいずれの材質のもので
もよい。好ましい素材の例は銅、銀、金などである。巻
線11および電源リードとの半田づけの容易さから銅を
用いることが好ましい。
【0023】(実施例)図1に示したものと同様の構成
を有するコイルを作成した。外径120mm、長さ12
0mmの円筒形の巻枠12と、その両側の端部に接合さ
れた直径160mm、厚さ15mmのフランジ13a,
13bとを有するFRP製のボビンを作成し、このボビ
ンの巻枠12とフランジ13aとの接合線に沿って、幅
1mm、長さ60mmの内層接続面15a、15bを有
する銅製の内層端子15を組み込んだ。
【0024】また、フランジ13aの内面の、巻線の外
層端末11bが接触する位置に、幅1mm、長さ120
mmの、最外層の巻線と等しい曲率を有する扇形の外層
接続面16aを有する銅製の外層端子16を組み込ん
だ。これらの内層端子15と外層端子16はそれぞれ、
フランジ13aの外面に突設された電源リード接続ピン
15c,16cに接続されている。
【0025】このボビンの内層接続面15a,15bに
沿わせて、R&W法で製造した線径1mmのNb3Sn
超電導線の一方の端末(内層端末11a)を半田づけ
し、巻線11を巻枠12上に巻回して層状に巻き進め、
20層が形成されたとき、その巻き終わりの外層端末1
1bを外層接続面16aに沿わせて半田づけし、実施例
のコイルを製造した。
【0026】製造されたコイル10のそれぞれの電源リ
ード接続ピン15c,16cに電源リードL,Lを半田
づけにより接続し、このコイル全体を液体ヘリウム中に
浸漬し、電源リードL,Lから電流を負荷し、このコイ
ルの超電導特性を試験した。結果は、コイルの臨界電流
値Icが、巻き線を行う以前のNb3Sn超電導素線と
同等であり、巻線端末11a,11bを含む全ての超電
導体部分において、超電導特性の劣化が防止されてい
た。
【0027】
【発明の効果】本発明の超電導コイルは、超電導巻線の
端末が、それぞれの巻回曲率を保持したまま、ボビン表
面に形成された電源リードとの接続端子に接続されてい
るので、巻線端末における超電導線の屈曲が巻回曲率と
同等となり、コイルの全ての部分において超電導特性の
劣化が防止される。本発明の超電導コイルは、特にR&
W法を適用する場合に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す立断面図(a)と、
ボビンのフランジ内側面で切った横断面図(b)。
【図2】 従来の超電導コイルの巻線端末の処理方法の
一例を示す断面図。
【符号の説明】
10…超電導コイル、11…超電導巻線、11a…内層
端末、11b…外層端末、12…ボビン巻枠、13a,
13b…フランジ、14…ボビン、15…内層接続端
子、15a,15b…内層接続面、16…外層接続端
子、16a…外層接続面、L…電源リード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 隆 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導巻線が巻枠とフランジとからなる
    ボビンに複数の層を形成して巻回されてなるコイルであ
    って、このボビンの2箇所に電源リードを接続する接続
    端子が形成され、巻線の内層端末と外層端末とが、それ
    ぞれの巻回曲率を保持したまま、それぞれの接続端子に
    接続されてなることを特徴とする超電導コイル。
  2. 【請求項2】 巻線の内層端末用の接続端子がボビンの
    巻枠とフランジとの接合部に形成され、この内層端末用
    の接続端子が、巻枠の曲率と同じ曲率でかつ巻線径と同
    じ幅で巻枠の周面またはフランジ内面と面一に延びる内
    層接続面を有し、この内層接続面に、巻線の内層端末が
    接続されてなることを特徴とする請求項1に記載の超電
    導コイル。
  3. 【請求項3】 巻線の外層端末用の接続端子がフランジ
    に形成され、この外層端末用の接続端子が、巻線の外層
    端末が接触するフランジ内面の位置に、この外層端末の
    巻回曲率と同じ曲率でかつ巻線径と同じ幅で、外層端末
    に沿ってフランジ内面と面一に延びる外層接続面を有
    し、この外層接続面に、巻線の外層端末が接続されてな
    ることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
JP30220396A 1996-11-13 1996-11-13 超電導コイル Pending JPH10144518A (ja)

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