JPH10144139A - ビアホール充填用導電性ペースト及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

ビアホール充填用導電性ペースト及びそれを用いたプリント配線板

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JPH10144139A
JPH10144139A JP30036296A JP30036296A JPH10144139A JP H10144139 A JPH10144139 A JP H10144139A JP 30036296 A JP30036296 A JP 30036296A JP 30036296 A JP30036296 A JP 30036296A JP H10144139 A JPH10144139 A JP H10144139A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント配線板の導体層間の電気接続に用い
る導電性ペーストの導電性を高めながら低粘度化を図
る。この導電性ペーストをビアホールに充填することに
より、信頼性の高い導体層間の電気接続を有するプリン
ト配線板を提供する。 【解決手段】 導電性ペーストを構成する導体フィラの
全部又は一部として液体金属を含有している。好ましく
は、導電性ペーストが80〜95重量%の固体金属、
0.1〜20重量%の液体金属、残りの樹脂及び硬化剤
からなる。液体金属として、例えばGa−Sn、Ga−
In、Ga−Sn−In、Ga−Sn−Zn等の合金を
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面プリント配線
板や多層プリント配線板の導電層間の電気接続のために
ビアホールに充填される導電性ペーストと、それを用い
たプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の軽薄短小化が強く求め
られるに伴って、電子機器を構成する電子部品及びプリ
ント配線板に対する軽薄短小化の要求が益々強くなって
きている。この要求に応えるために、高密度実装技術の
開発が重要視されている。実装技術の開発には、大きく
分けて実装部品からのアプローチと、プリント配線板及
び実装方式からのアプローチとががある。
【0003】実装部品からのアプローチとして、例えば
半導体の端子ピッチをみると、現在では0.5mmから
0.3mmピッチまでの狭ピッチ化が進んでいる。また
チップ部品のサイズは現在では1005チップ(1.0
×0.5mm)が普通に使用されるに至っている。部品
サイズや端子ピッチをこれ以上小形化すると、実装方式
の観点からはかえって実装コストが高くなるという状況
にある。
【0004】したがって、高密度実装を実現する上で、
プリント配線板および実装方式の開発が重要なポイント
である。現在、高密度実装用のプリント配線板として一
般的なものにガラスエポキシ基板がある。これは、ガラ
ス織布に耐熱性のエポキシ樹脂を含浸させたものを絶縁
層材料として用いたものである。このようなガラスエポ
キシ基板の導電層間の電気接続をドリリングと銅メッキ
によって行うスルーホール技術は長年の実績があり、確
立された技術である。
【0005】しかし、このドリリングと銅メッキによる
スルーホールは以下のような欠点を有し、さらなる高密
度化の要求に対して十分に応えることができない。つま
り、スルーホール(貫通穴)が配線スペースを減少させ
るので、配線長が長くなり高密度化が妨げられるととも
に、CAD(computer aided design)による自動配線が
困難になる。さらに、スルーホールが小径化するとドリ
リングによる孔明けが困難になり、加工コストの低減が
難しいといった問題もある。
【0006】そこで、ドリリングと銅メッキによるスル
ーホールと異なる方法として、導電性ペーストをビアホ
ールに充填することによって導体層間の電気接続をとる
方法が注目されている。この技術は、例えば特開平5−
175650号公報、特開平7−176846号公報等
に開示されている。この方法によれば、完全なインナー
ビアホール(IVH:interstitial Via Hole)によって内層
の導電層間の電気接続がとられた多層基板を製造するこ
とができる。
【0007】このような導体層間の電気接続方法に用い
られる導電性ペーストは、通常、2000pa・s程度
以下の低粘度が要求される。低粘度化の方法として、従
来は、導体フィラ量を減らしたり、溶剤や反応性希釈剤
を添加する方法が用いられてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビアー
ホールの小径化を図りながら、導電層間の電気接続の高
導電率(低電気抵抗)を実現するには、むしろ導体フィ
ラの含有率を上げて導電性ペーストの導電性を高める必
要があり、低粘度化との両立が困難になる。また溶剤や
反応性希釈剤を添加した場合は、加熱加圧時に揮発成分
のために基材に膨れが生じたり基材と導体層(配線銅
箔)との接着力が弱くなるといった問題がある。
【0009】そこで本発明は、導電性ペーストの導電性
を高めながら低粘度化を実現すること、そして、この導
電性ペーストを用いて導電層間の電気接続をとった信頼
性の高いプリント配線板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による導電性ペーストは、導体フィラの全部
又は一部として液体金属を含有していることを特徴とす
る。これによって、導電性ペーストの粘度を上げること
なく導電性を上げることができる。
【0011】好ましくは、導電性ペーストが80〜95
重量%の固体金属、0.1〜20重量%の液体金属、残
りの樹脂及び硬化剤からなる。樹脂及び硬化剤として、
例えば、従来から用いられている液状エポキシ樹脂と一
般的な硬化剤(アミン系、尿素系、酸無水物系、芳香族
アミン系等)を用いることができる。これによって、容
易に硬化でき、高い信頼性を得ながら、液体金属の使用
によって粘度を上げることなく導電性を上げることがで
きる。
【0012】また、さらに分散剤を添加することによ
り、印刷等の条件に合わせて導電性ペーストの粘性挙動
を制御することができる。液体金属として、Ga−Sn
からなる合金、Ga−Inからなる合金、Ga−Sn−
Inからなる合金、又はGa−Sn−Znからなる合金
を用いることが好ましい。
【0013】以上のような本発明の導電性ペーストをプ
リント配線板のビアホールに充填して導電層間の電気接
続をとることにより、信頼性の高い高密度実装に適した
プリント配線板を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施例を用いて本
発明を詳しく説明する。本発明による導電性ペースト
は、例えば以下のようにして作られる。まず、固体の導
体フィラとしての銅、及び樹脂成分としてのエポキシ樹
脂にチクソ性を付与するための分散剤として0.3μm
程度の粒径のSiO2 を加えて三本ロールミルで混練す
る。次にこのペーストに硬化剤としてのアミン系の硬化
剤と、液体金属としてGa−Sn、Ga−In、Ga−
Sn−In、又はGa−Sn−Znを加えてシンプソン
ミルで混練し、揮発性の溶剤を加えない導電性ペースト
を作る。
【0015】液体金属は、共晶組成、Ga−Sn(9
2:8)、Ga−In(75.5:24.5)、Ga−
In−Sn(62:25:13)、Ga−In−Zn
(67:29:4)では融点が常温以下となる。融点以
上の温度では液体金属の粘度は高々数mpa・sであ
り、液体金属を0.1〜20重量%含有させることによ
って容易にペーストの粘度を下げることができ、かつ導
電性も向上する。実験によると、液体金属の含有量が
0.1重量%以下では粘度を下げる効果がほとんど得ら
れず、逆に20重量%以上になると経時的な粘度変化の
ために、ビアホール充填用導電性ペーストとして使用で
きる時間が限られてしまう。つまり、時間の経過に伴っ
て液体金属と固体金属成分との合金化が生じ、これによ
って粘度が高くなってしまう。
【0016】上記の4種類の液体金属のそれぞれについ
て、液体金属の含有率1.0重量%と2.0重量%との
二種類、さらに液体金属の含有率が2.0重量%のもの
については分散剤を添加した場合としなかった場合との
二通りについて、合計12通りの組み合わせの導電性ペ
ーストを作製した。これらの組成及び粘度を表1に導電
性ペースト番号5から16として示す。また、表1にお
いて、導電性ペースト番号1から4は、液体金属を含ま
ない導電性ペーストで固体金属、樹脂及び硬化剤の含有
率を変えた比較例である。
【0017】
【表1】
【0018】この表から分かるように、導電性ペースト
中の導体フィラ(固体金属)の含有量を増やしても、液
体金属を添加することにより導電性ペーストの粘度を低
く抑えることができる。
【0019】次に、厚さ150μm程度のアラミド製不
織布を用いたプリプレグに孔径200μmのビアホール
をあけた基材を用意し、このビアホールに表1の各ペー
ストを充填し、加熱加圧したプリント配線板を作製し
た。各ペースト(番号1〜16)について得られたプリ
ント配線板のビアホール抵抗値と、はんだリフロー(2
60℃、10秒)に3回通したときの抵抗値変化率、及
びオイルディップ(20℃〜240℃)を200サイク
ル行った場合の抵抗値変化率を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】この表の実施例(導電性ペースト番号5〜
16)に示すように、ビアホールによる電気接続の抵抗
値が低く、抵抗値変化が少ない高信頼性のプリント配線
板が得られた。
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
導電性ペーストの導電性を高めるとともに低粘度化を図
ることができ、この導電性ペーストを導体層間を接続す
るためのビアホールに充填することにより、導体層間の
電気接続の信頼性が高いプリント配線板を提供すること
ができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント配線板の導電層間の電気接続の
    ためにビアホールに充填される導電性ペーストであっ
    て、導体フィラの全部又は一部として液体金属を含有し
    ていることを特徴とする導電性ペースト。
  2. 【請求項2】 80〜95重量%の固体金属、0.1〜
    20重量%の液体金属、残りの樹脂及び硬化剤からなる
    請求項1記載の導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 さらに分散剤が添加されている請求項1
    又は2記載の導電性ペースト。
  4. 【請求項4】 前記液体金属がGa−Snからなる合金
    である請求項1、2又は3記載の導電性ペースト。
  5. 【請求項5】 前記液体金属がGa−Inからなる合金
    である請求項1、2又は3記載の導電性ペースト。
  6. 【請求項6】 前記液体金属がGa−Sn−Inからな
    る合金である請求項1、2又は3記載の導電性ペース
    ト。
  7. 【請求項7】 前記液体金属がGa−Sn−Znからな
    る合金である請求項1、2又は3記載の導電性ペース
    ト。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項記載の導
    電性ペーストをビアホールに充填することによって導電
    層間の電気接続がとられているプリント配線板。
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