JPH10142992A - 加熱ローラ - Google Patents
加熱ローラInfo
- Publication number
- JPH10142992A JPH10142992A JP34573296A JP34573296A JPH10142992A JP H10142992 A JPH10142992 A JP H10142992A JP 34573296 A JP34573296 A JP 34573296A JP 34573296 A JP34573296 A JP 34573296A JP H10142992 A JPH10142992 A JP H10142992A
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- JP
- Japan
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- film
- heat
- organopolysiloxane
- weight
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
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- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Control Of Resistance Heating (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 密着性が良好で電気絶縁性の高い耐熱性絶縁
膜を有し、高い耐湿性と耐熱性を有し、密着性が良好で
電気絶縁性の高い絶縁性保護膜を有し、高い耐湿性と耐
熱性を有する加熱ローラの提供。 【解決手段】 円柱状外周面を有する金属基材11と、
金属基材の外周面を覆うよう形成された絶縁膜14と、
絶縁膜上に設けられた発熱抵抗膜13と、発熱抵抗膜を
覆うよう形成された保護膜とを有し、絶縁膜および/ま
たは保護膜は、無機物質粉体が分散されたオルガノポリ
シロキサン樹脂よりなる。絶縁膜および/または保護膜
は、無機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキサン
ワニスよりなる塗布液の硬化塗膜よりなる。オルガノポ
リシロキサンワニスは、アルコキシシランと、反応性水
酸基含有オルガノポリシロキサンとの部分共加水分解生
成物を含有し、更に金属アルコキシドを複合化させ、エ
ポキシ基含有シランカップリング剤と硬化触媒とを添加
して得られる。
膜を有し、高い耐湿性と耐熱性を有し、密着性が良好で
電気絶縁性の高い絶縁性保護膜を有し、高い耐湿性と耐
熱性を有する加熱ローラの提供。 【解決手段】 円柱状外周面を有する金属基材11と、
金属基材の外周面を覆うよう形成された絶縁膜14と、
絶縁膜上に設けられた発熱抵抗膜13と、発熱抵抗膜を
覆うよう形成された保護膜とを有し、絶縁膜および/ま
たは保護膜は、無機物質粉体が分散されたオルガノポリ
シロキサン樹脂よりなる。絶縁膜および/または保護膜
は、無機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキサン
ワニスよりなる塗布液の硬化塗膜よりなる。オルガノポ
リシロキサンワニスは、アルコキシシランと、反応性水
酸基含有オルガノポリシロキサンとの部分共加水分解生
成物を含有し、更に金属アルコキシドを複合化させ、エ
ポキシ基含有シランカップリング剤と硬化触媒とを添加
して得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子写真複
写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等におけるトナー
像加熱定着装置などに用いられる加熱ローラに関するも
のである。
写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等におけるトナー
像加熱定着装置などに用いられる加熱ローラに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば電子写真複写機などにおいて、記
録材上に形成されたトナー像を加熱定着するための方式
として、従来より、未定着トナーよりなるトナー像が形
成された記録材を、加熱ローラと、これに対接配置され
た加圧ローラとの間に通過させることにより、未定着ト
ナーを加圧下で加熱してトナー像を記録材に定着させる
加熱ローラ方式が広く使用されている。
録材上に形成されたトナー像を加熱定着するための方式
として、従来より、未定着トナーよりなるトナー像が形
成された記録材を、加熱ローラと、これに対接配置され
た加圧ローラとの間に通過させることにより、未定着ト
ナーを加圧下で加熱してトナー像を記録材に定着させる
加熱ローラ方式が広く使用されている。
【0003】そして、この加熱ローラ方式に用いられる
加熱ローラとして、円柱状外周面を有する金属基材の外
周面上に発熱抵抗膜が設けられてなる構成のものが、例
えば特開平6−186877号公報および特開平8−8
7192号公報に示されている。
加熱ローラとして、円柱状外周面を有する金属基材の外
周面上に発熱抵抗膜が設けられてなる構成のものが、例
えば特開平6−186877号公報および特開平8−8
7192号公報に示されている。
【0004】図1〜図3を参照して従来の加熱ローラに
ついて説明すると、図1および図2に示すように、加熱
ローラ10においては、円筒状の金属基材11の外周面
を覆うよう耐熱性絶縁膜12が形成されており、この耐
熱性絶縁膜12の外面上には発熱抵抗膜13が積層して
形成されており、この発熱抵抗膜13の表面を覆うよ
う、絶縁性保護膜14が耐熱性絶縁膜12上に形成され
ている。そして、この絶縁性保護膜14上には、更に、
主としてトナーに対する離型性を向上させるための例え
ばフッ素系樹脂よりなる離型層15が形成されている。
ついて説明すると、図1および図2に示すように、加熱
ローラ10においては、円筒状の金属基材11の外周面
を覆うよう耐熱性絶縁膜12が形成されており、この耐
熱性絶縁膜12の外面上には発熱抵抗膜13が積層して
形成されており、この発熱抵抗膜13の表面を覆うよ
う、絶縁性保護膜14が耐熱性絶縁膜12上に形成され
ている。そして、この絶縁性保護膜14上には、更に、
主としてトナーに対する離型性を向上させるための例え
ばフッ素系樹脂よりなる離型層15が形成されている。
【0005】発熱抵抗膜13は、通電によってジュール
熱を発生する抵抗発熱物質よりなるものであり、図2お
よび図3に示すように、例えば幅2mm、厚さ5〜20
μmの帯状体よりなる主発熱部分の多数が、各々金属基
材11の軸方向に並行して伸びるよう形成され、その一
端および他端において隣接する主発熱部分と接続部分に
よって接続されて全体としてジグザグ状とされた形態を
有し、例えば銀ペーストなどよりなる発熱抵抗膜形成用
インクがスクリーン印刷法によって印刷されることによ
り、形成される。そして、この発熱抵抗膜13に通電す
るための給電リング31,32が発熱抵抗膜13の一部
による終端電極部131,132上に設けられている。
熱を発生する抵抗発熱物質よりなるものであり、図2お
よび図3に示すように、例えば幅2mm、厚さ5〜20
μmの帯状体よりなる主発熱部分の多数が、各々金属基
材11の軸方向に並行して伸びるよう形成され、その一
端および他端において隣接する主発熱部分と接続部分に
よって接続されて全体としてジグザグ状とされた形態を
有し、例えば銀ペーストなどよりなる発熱抵抗膜形成用
インクがスクリーン印刷法によって印刷されることによ
り、形成される。そして、この発熱抵抗膜13に通電す
るための給電リング31,32が発熱抵抗膜13の一部
による終端電極部131,132上に設けられている。
【0006】耐熱性絶縁膜12は、金属基材11と発熱
抵抗膜13との間に介在して、発熱抵抗膜13で発生さ
れたジュール熱を金属基材11に伝導すると共に、金属
基材11と発熱抵抗膜13とが電気的に短絡することが
ないよう、両者間の電気絶縁性を確保するものであるこ
とが必要である。そして、従来において、この耐熱性絶
縁膜12は、シリカまたはアルミナなどの耐熱性無機材
料により、厚さ50〜100μmの膜として形成されて
いる。
抵抗膜13との間に介在して、発熱抵抗膜13で発生さ
れたジュール熱を金属基材11に伝導すると共に、金属
基材11と発熱抵抗膜13とが電気的に短絡することが
ないよう、両者間の電気絶縁性を確保するものであるこ
とが必要である。そして、従来において、この耐熱性絶
縁膜12は、シリカまたはアルミナなどの耐熱性無機材
料により、厚さ50〜100μmの膜として形成されて
いる。
【0007】また、絶縁性保護膜14は、発熱抵抗膜1
3の表面を覆うよう形成されて当該発熱抵抗膜13を保
護すると共に、発熱抵抗膜13から加熱ローラ10の表
面に電流が流れることを防止するものであることが必要
である。そして、従来において、この絶縁性保護膜14
は、シリカなどの耐熱性無機材料により、例えば厚さが
50〜100μm程度の膜として形成されている。
3の表面を覆うよう形成されて当該発熱抵抗膜13を保
護すると共に、発熱抵抗膜13から加熱ローラ10の表
面に電流が流れることを防止するものであることが必要
である。そして、従来において、この絶縁性保護膜14
は、シリカなどの耐熱性無機材料により、例えば厚さが
50〜100μm程度の膜として形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかして、従来の加熱
ローラ10における耐熱性絶縁膜12および絶縁性保護
膜14は、それを形成する耐熱性無機材料が多孔性のも
のであるため、例えば高温高湿の環境で保管されたり使
用される場合には、(イ)耐熱性絶縁膜12が大気中の
水分を吸収または吸着し、そのために当該耐熱性絶縁膜
12の電気絶縁性が低下して、金属基材11と発熱抵抗
膜13との間に必要な電気絶縁性が確保されなくなる、
(ロ)絶縁性保護膜14が大気中の水分を吸収または吸
着し、そのために当該絶縁性保護膜14の電気絶縁性が
低下する、という問題点がある。
ローラ10における耐熱性絶縁膜12および絶縁性保護
膜14は、それを形成する耐熱性無機材料が多孔性のも
のであるため、例えば高温高湿の環境で保管されたり使
用される場合には、(イ)耐熱性絶縁膜12が大気中の
水分を吸収または吸着し、そのために当該耐熱性絶縁膜
12の電気絶縁性が低下して、金属基材11と発熱抵抗
膜13との間に必要な電気絶縁性が確保されなくなる、
(ロ)絶縁性保護膜14が大気中の水分を吸収または吸
着し、そのために当該絶縁性保護膜14の電気絶縁性が
低下する、という問題点がある。
【0009】具体的に説明すると、図1に示されている
ように、加熱ローラ10の両端部領域には耐熱性絶縁膜
12の外面が露出している個所が存在し、この露出部分
において耐熱性絶縁膜12に高湿度の空気が接触するこ
とにより耐熱性絶縁膜12が吸湿し、その結果、金属基
材11と発熱抵抗膜13との間に必要な電気絶縁性が失
われることとなる。
ように、加熱ローラ10の両端部領域には耐熱性絶縁膜
12の外面が露出している個所が存在し、この露出部分
において耐熱性絶縁膜12に高湿度の空気が接触するこ
とにより耐熱性絶縁膜12が吸湿し、その結果、金属基
材11と発熱抵抗膜13との間に必要な電気絶縁性が失
われることとなる。
【0010】また、絶縁性保護膜14の表面上には、離
型層15が積層されているが、離型層15は、通常若干
ながら通気性を有するものであるため、当該絶縁性保護
膜14も水分を吸収または吸着することとなり、その結
果、絶縁性保護膜14の電気絶縁性が低下し、しかも、
この絶縁性保護膜14に吸収された水分は、当該絶縁性
保護膜14と直接的に接する部分において耐熱性絶縁膜
12に移動するようになり、その結果、耐熱性絶縁膜1
2の電気絶縁性が低下することとなる。
型層15が積層されているが、離型層15は、通常若干
ながら通気性を有するものであるため、当該絶縁性保護
膜14も水分を吸収または吸着することとなり、その結
果、絶縁性保護膜14の電気絶縁性が低下し、しかも、
この絶縁性保護膜14に吸収された水分は、当該絶縁性
保護膜14と直接的に接する部分において耐熱性絶縁膜
12に移動するようになり、その結果、耐熱性絶縁膜1
2の電気絶縁性が低下することとなる。
【0011】耐熱性絶縁膜12の電気絶縁性が低下する
と、給電リングからの電流は電気抵抗値の小さい金属基
材11を流れるようになって危険であり、また、発熱抵
抗膜13には所要の電流が供給されないために加熱ロー
ラとして所期の作用が達成されないこととなる。一方、
絶縁性保護膜14の絶縁性が低下すると、加熱ローラ1
0の表面を形成する離型層15に人が触れたときには、
発熱抵抗膜13に流れる電流により感電するおそれがあ
る。また、発熱抵抗膜13と離型層15との間に高電圧
がかかった場合には、絶縁性保護膜14の電気絶縁性の
低下により、当該絶縁性保護膜14には容易に絶縁破壊
が起きやすく、そのため、絶縁性保護膜14および離型
層15に孔が形成され、発熱抵抗膜13が破壊し、加熱
ローラ10の表面温度が低下して定着動作に支障をきた
したり、孔が形成された箇所に人が触れたときには感電
するおそれがある。
と、給電リングからの電流は電気抵抗値の小さい金属基
材11を流れるようになって危険であり、また、発熱抵
抗膜13には所要の電流が供給されないために加熱ロー
ラとして所期の作用が達成されないこととなる。一方、
絶縁性保護膜14の絶縁性が低下すると、加熱ローラ1
0の表面を形成する離型層15に人が触れたときには、
発熱抵抗膜13に流れる電流により感電するおそれがあ
る。また、発熱抵抗膜13と離型層15との間に高電圧
がかかった場合には、絶縁性保護膜14の電気絶縁性の
低下により、当該絶縁性保護膜14には容易に絶縁破壊
が起きやすく、そのため、絶縁性保護膜14および離型
層15に孔が形成され、発熱抵抗膜13が破壊し、加熱
ローラ10の表面温度が低下して定着動作に支障をきた
したり、孔が形成された箇所に人が触れたときには感電
するおそれがある。
【0012】また、発熱抵抗膜13は、既述のように、
例えばスクリーン印刷法によって形成されるが、発熱抵
抗膜形成用インクが印刷された後に例えば400〜50
0℃で加熱して耐熱性絶縁膜12に一体に焼結させる工
程が必要である。然るに、従来においては、この焼結処
理工程において、耐熱性絶縁膜12が金属基材11から
剥離することがある。具体的に説明すると、耐熱性絶縁
膜12の形成においては、耐熱性絶縁膜用の膜形成用組
成物が塗布され、150〜250℃の温度に加熱されて
硬化処理されるが、この塗膜中には未反応の水酸基など
の反応性官能基が残存するため、更に250℃以上の温
度に加熱されると、当該塗膜が更に硬化収縮するように
なる。そしてそのために金属基材11の熱膨張による寸
法の変化に追従することができなくなる結果、塗膜の剥
離が生ずるものと考えられる。更には、当該塗膜の高温
加熱に伴って生ずるガスなどによるピンホールやマイク
ロクラックなども、当該耐熱性絶縁膜12の電気絶縁性
の低下の原因の一つとなっていると考えられる。
例えばスクリーン印刷法によって形成されるが、発熱抵
抗膜形成用インクが印刷された後に例えば400〜50
0℃で加熱して耐熱性絶縁膜12に一体に焼結させる工
程が必要である。然るに、従来においては、この焼結処
理工程において、耐熱性絶縁膜12が金属基材11から
剥離することがある。具体的に説明すると、耐熱性絶縁
膜12の形成においては、耐熱性絶縁膜用の膜形成用組
成物が塗布され、150〜250℃の温度に加熱されて
硬化処理されるが、この塗膜中には未反応の水酸基など
の反応性官能基が残存するため、更に250℃以上の温
度に加熱されると、当該塗膜が更に硬化収縮するように
なる。そしてそのために金属基材11の熱膨張による寸
法の変化に追従することができなくなる結果、塗膜の剥
離が生ずるものと考えられる。更には、当該塗膜の高温
加熱に伴って生ずるガスなどによるピンホールやマイク
ロクラックなども、当該耐熱性絶縁膜12の電気絶縁性
の低下の原因の一つとなっていると考えられる。
【0013】一方、離型層15は、絶縁性保護膜14の
表面上にフッ素系樹脂よりなる離型層形成用樹脂フィル
ムを配置し、その後、例えば400℃程度で加熱処理す
ることにより形成される。然るに、従来においては、こ
の加熱処理工程において、絶縁性保護膜14にクラック
が発生することがある。これは、金属基材11および耐
熱性絶縁膜12の熱膨張による寸法の変化に追従するこ
とができなくなるためであると考えられる。また、絶縁
性保護膜14は、発熱抵抗膜13の表面を覆うよう耐熱
性絶縁膜12上に形成されているが、耐熱性絶縁膜12
上に形成される部分と発熱抵抗膜13上に形成される部
分とではその厚みが異なるために収縮応力に差が生じ、
その結果、絶縁性保護膜14には、耐熱性絶縁膜12と
発熱抵抗膜13との段差部分を被覆する部分においてク
ラックが発生し、特に、このクラックが大きいものであ
るときには、当該絶縁性保護膜14が剥離することがあ
る。
表面上にフッ素系樹脂よりなる離型層形成用樹脂フィル
ムを配置し、その後、例えば400℃程度で加熱処理す
ることにより形成される。然るに、従来においては、こ
の加熱処理工程において、絶縁性保護膜14にクラック
が発生することがある。これは、金属基材11および耐
熱性絶縁膜12の熱膨張による寸法の変化に追従するこ
とができなくなるためであると考えられる。また、絶縁
性保護膜14は、発熱抵抗膜13の表面を覆うよう耐熱
性絶縁膜12上に形成されているが、耐熱性絶縁膜12
上に形成される部分と発熱抵抗膜13上に形成される部
分とではその厚みが異なるために収縮応力に差が生じ、
その結果、絶縁性保護膜14には、耐熱性絶縁膜12と
発熱抵抗膜13との段差部分を被覆する部分においてク
ラックが発生し、特に、このクラックが大きいものであ
るときには、当該絶縁性保護膜14が剥離することがあ
る。
【0014】本発明は以上のような問題点を解決するも
のであって、その目的は、十分に高い電気絶縁性を有す
ると共に、金属基材に対する密着性が良好な耐熱性絶縁
膜を有し、高い耐湿性と高い耐熱性を有する加熱ローラ
を提供することにある。本発明の他の目的は、十分に高
い電気絶縁性を有すると共に、耐熱性絶縁膜および発熱
抵抗膜に対する密着性が良好な絶縁性保護膜を有し、高
い耐湿性と高い耐熱性を有する加熱ローラを提供するこ
とにある。
のであって、その目的は、十分に高い電気絶縁性を有す
ると共に、金属基材に対する密着性が良好な耐熱性絶縁
膜を有し、高い耐湿性と高い耐熱性を有する加熱ローラ
を提供することにある。本発明の他の目的は、十分に高
い電気絶縁性を有すると共に、耐熱性絶縁膜および発熱
抵抗膜に対する密着性が良好な絶縁性保護膜を有し、高
い耐湿性と高い耐熱性を有する加熱ローラを提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による加熱ローラ
は、円柱状外周面を有する金属基材と、この金属基材の
外周面を覆うよう形成された耐熱性絶縁膜と、この耐熱
性絶縁膜上に設けられた、通電によって発熱する発熱抵
抗膜と、この発熱抵抗膜を覆うよう形成された絶縁性保
護膜とを有してなり、前記耐熱性絶縁膜および前記絶縁
性保護膜の少なくともいずれか一方は、無機物質粉体が
分散されたオルガノポリシロキサン樹脂よりなることを
特徴とする。
は、円柱状外周面を有する金属基材と、この金属基材の
外周面を覆うよう形成された耐熱性絶縁膜と、この耐熱
性絶縁膜上に設けられた、通電によって発熱する発熱抵
抗膜と、この発熱抵抗膜を覆うよう形成された絶縁性保
護膜とを有してなり、前記耐熱性絶縁膜および前記絶縁
性保護膜の少なくともいずれか一方は、無機物質粉体が
分散されたオルガノポリシロキサン樹脂よりなることを
特徴とする。
【0016】以上において、耐熱性絶縁膜および絶縁性
保護膜の少なくともいずれか一方は、無機物質粉体が分
散されたオルガノポリシロキサンワニスよりなる膜形成
用塗布組成物が硬化して形成された塗膜よりなるもので
あることが好ましい。また、当該オルガノポリシロキサ
ンワニスは、アルコキシシランと、反応性水酸基含有オ
ルガノポリシロキサンとの部分共加水分解生成物を含有
するものであることが好ましく、更に、そのような部分
共加水分解生成物に、金属アルコキシドを複合化させ、
更にエポキシ基含有シランカップリング剤と硬化触媒と
を添加して得られるものが好ましい。
保護膜の少なくともいずれか一方は、無機物質粉体が分
散されたオルガノポリシロキサンワニスよりなる膜形成
用塗布組成物が硬化して形成された塗膜よりなるもので
あることが好ましい。また、当該オルガノポリシロキサ
ンワニスは、アルコキシシランと、反応性水酸基含有オ
ルガノポリシロキサンとの部分共加水分解生成物を含有
するものであることが好ましく、更に、そのような部分
共加水分解生成物に、金属アルコキシドを複合化させ、
更にエポキシ基含有シランカップリング剤と硬化触媒と
を添加して得られるものが好ましい。
【0017】
【作用】無機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキ
サン樹脂よりなる膜は、その物性により、高温高湿の環
境下においても吸湿することがなくてそれ自体の有する
非常に高い電気絶縁性が損なわれることがないものであ
る。従って、このような膜を、耐熱性絶縁膜として用い
ることにより、金属基材と発熱抵抗膜との間の電気絶縁
性が低下することがなく、しかも金属基材に対して良好
な密着性が得られる。また、このような膜を、絶縁性保
護膜として用いることにより、当該絶縁性保護膜の絶縁
性が低下することがなく、しかも耐熱性絶縁膜および発
熱抵抗膜に対して良好な密着性が得られる。
サン樹脂よりなる膜は、その物性により、高温高湿の環
境下においても吸湿することがなくてそれ自体の有する
非常に高い電気絶縁性が損なわれることがないものであ
る。従って、このような膜を、耐熱性絶縁膜として用い
ることにより、金属基材と発熱抵抗膜との間の電気絶縁
性が低下することがなく、しかも金属基材に対して良好
な密着性が得られる。また、このような膜を、絶縁性保
護膜として用いることにより、当該絶縁性保護膜の絶縁
性が低下することがなく、しかも耐熱性絶縁膜および発
熱抵抗膜に対して良好な密着性が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明においては、図1に示すよ
うに、例えば円筒状の金属基材11の円柱状外周面を覆
うよう形成された耐熱性絶縁膜12上に発熱抵抗膜13
が設けられ、この発熱抵抗膜13を覆うよう絶縁性保護
膜14が形成された加熱ローラ10において、耐熱性絶
縁膜12および絶縁性保護膜14の少なくともいずれか
一方は、無機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキ
サン樹脂により構成されている。耐熱性絶縁膜12を無
機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキサン樹脂に
より構成する場合には、当該耐熱性絶縁膜12は、無機
物質粉体が分散されたオルガノポリシロキサンワニスよ
りなる膜形成用塗布組成物を金属基材11の外周面に塗
布した後、この塗膜を硬化させることによって形成され
る。また、絶縁性保護膜14を無機物質粉体が分散され
たオルガノポリシロキサン樹脂により構成する場合に
は、当該絶縁性保護膜14は、無機物質粉体が分散され
たオルガノポリシロキサンワニスよりなる膜形成用塗布
組成物を、発熱抵抗膜13が覆われるよう耐熱性絶縁膜
12の外面上に塗布した後、この塗膜を硬化させること
によって形成される。
うに、例えば円筒状の金属基材11の円柱状外周面を覆
うよう形成された耐熱性絶縁膜12上に発熱抵抗膜13
が設けられ、この発熱抵抗膜13を覆うよう絶縁性保護
膜14が形成された加熱ローラ10において、耐熱性絶
縁膜12および絶縁性保護膜14の少なくともいずれか
一方は、無機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキ
サン樹脂により構成されている。耐熱性絶縁膜12を無
機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキサン樹脂に
より構成する場合には、当該耐熱性絶縁膜12は、無機
物質粉体が分散されたオルガノポリシロキサンワニスよ
りなる膜形成用塗布組成物を金属基材11の外周面に塗
布した後、この塗膜を硬化させることによって形成され
る。また、絶縁性保護膜14を無機物質粉体が分散され
たオルガノポリシロキサン樹脂により構成する場合に
は、当該絶縁性保護膜14は、無機物質粉体が分散され
たオルガノポリシロキサンワニスよりなる膜形成用塗布
組成物を、発熱抵抗膜13が覆われるよう耐熱性絶縁膜
12の外面上に塗布した後、この塗膜を硬化させること
によって形成される。
【0019】以上において、金属基材11は従来から用
いられている金属基材と同様のものでよいが、動作中の
加熱ローラ10の外周面における温度分布を十分に均一
化する作用を得る目的から、熱伝導率の高い金属材料か
らなるものであることが好ましく、特に熱伝導率が10
0W/(m・K)以上の金属材料であることが望まし
く、具体的にはマグネシウムおよびケイ素を微量に含有
するアルミニウム合金を好適に用いることができる。
いられている金属基材と同様のものでよいが、動作中の
加熱ローラ10の外周面における温度分布を十分に均一
化する作用を得る目的から、熱伝導率の高い金属材料か
らなるものであることが好ましく、特に熱伝導率が10
0W/(m・K)以上の金属材料であることが望まし
く、具体的にはマグネシウムおよびケイ素を微量に含有
するアルミニウム合金を好適に用いることができる。
【0020】また、耐熱性絶縁膜12および絶縁性保護
膜14は、そのいずれか一方のみが、無機物質粉体が分
散されたオルガノポリシロキサン樹脂により構成されて
いてもよく、その両方が無機物質粉体が分散されたオル
ガノポリシロキサン樹脂により構成されていてもよい。
具体的には、耐熱性絶縁膜12を無機物質粉体が分散さ
れたオルガノポリシロキサン樹脂により構成する場合に
は、絶縁性保護膜14を例えば厚さが10〜400μm
程度のシリカなどの耐熱性無機材料により構成すること
ができ、絶縁性保護膜14を無機物質粉体が分散された
オルガノポリシロキサン樹脂により構成する場合には、
耐熱性絶縁膜12を例えば厚さ10〜400μmのシリ
カまたはアルミナなどの耐熱性無機材料により構成する
ことができる。また、耐熱性絶縁膜12および絶縁性保
護膜14の両方を無機物質粉体が分散されたオルガノポ
リシロキサン樹脂により構成する場合には、これらを形
成するための膜形成用塗布組成物として、それぞれ同一
の組成のものまたは異なる組成のものを用いることがで
きる。
膜14は、そのいずれか一方のみが、無機物質粉体が分
散されたオルガノポリシロキサン樹脂により構成されて
いてもよく、その両方が無機物質粉体が分散されたオル
ガノポリシロキサン樹脂により構成されていてもよい。
具体的には、耐熱性絶縁膜12を無機物質粉体が分散さ
れたオルガノポリシロキサン樹脂により構成する場合に
は、絶縁性保護膜14を例えば厚さが10〜400μm
程度のシリカなどの耐熱性無機材料により構成すること
ができ、絶縁性保護膜14を無機物質粉体が分散された
オルガノポリシロキサン樹脂により構成する場合には、
耐熱性絶縁膜12を例えば厚さ10〜400μmのシリ
カまたはアルミナなどの耐熱性無機材料により構成する
ことができる。また、耐熱性絶縁膜12および絶縁性保
護膜14の両方を無機物質粉体が分散されたオルガノポ
リシロキサン樹脂により構成する場合には、これらを形
成するための膜形成用塗布組成物として、それぞれ同一
の組成のものまたは異なる組成のものを用いることがで
きる。
【0021】そして、耐熱性絶縁膜12および絶縁性保
護膜14の少なくともいずれか一方の形成において、特
定の膜形成用塗布組成物が用いられる。この塗布組成物
は、以下に詳述するオルガノポリシロキサンワニスに無
機物質粉体が分散されてなるものである。
護膜14の少なくともいずれか一方の形成において、特
定の膜形成用塗布組成物が用いられる。この塗布組成物
は、以下に詳述するオルガノポリシロキサンワニスに無
機物質粉体が分散されてなるものである。
【0022】オルガノポリシロキサンワニスは、以下の
A成分〜E成分および水によって調製される。 A成分: 一般式 R1 n Si(OR2 )4-n (式中、R1 は炭素数が1〜6のアルキル基またはアリ
ール基、R2 はメチル基またはエチル基を示し、nは0
〜2の整数である。)で表わされるアルコキシシランか
ら選ばれた1種または2種以上 B成分: 反応性水酸基を有するオルガノポリシロキサ
ン
A成分〜E成分および水によって調製される。 A成分: 一般式 R1 n Si(OR2 )4-n (式中、R1 は炭素数が1〜6のアルキル基またはアリ
ール基、R2 はメチル基またはエチル基を示し、nは0
〜2の整数である。)で表わされるアルコキシシランか
ら選ばれた1種または2種以上 B成分: 反応性水酸基を有するオルガノポリシロキサ
ン
【0023】C成分: 一般式 M(OR3 )m (式中、R3 は炭素数が1〜4のアルキル基、Mはチタ
ニウム、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属、mは
3または4である。)で表わされる金属アルコキシドか
ら選ばれた1種または2種以上 D成分: 一般式 R4 p (R5 )Si(OR6 )3-p (式中、R4 およびR6 は、それぞれメチル基またはエ
チル基、R5 はエポキシ基を有する有機基を示し、pは
0〜2の整数である。)で表わされるエポキシ基含有シ
ランカップリング剤 E成分: エポキシ基と反応性水酸基との結合反応を促
進する硬化触媒
ニウム、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属、mは
3または4である。)で表わされる金属アルコキシドか
ら選ばれた1種または2種以上 D成分: 一般式 R4 p (R5 )Si(OR6 )3-p (式中、R4 およびR6 は、それぞれメチル基またはエ
チル基、R5 はエポキシ基を有する有機基を示し、pは
0〜2の整数である。)で表わされるエポキシ基含有シ
ランカップリング剤 E成分: エポキシ基と反応性水酸基との結合反応を促
進する硬化触媒
【0024】上記のA成分のアルコキシシランと、B成
分の反応性水酸基含有オルガノポリシロキサンとは、そ
の混合物に水が添加されて部分共加水分解され、その反
応生成物に、C成分の金属アルコキシドが複合化され、
更にD成分のエポキシ基含有シランカップリング剤とE
成分の硬化触媒とが添加されて、オルガノポリシロキサ
ンワニスが得られる。
分の反応性水酸基含有オルガノポリシロキサンとは、そ
の混合物に水が添加されて部分共加水分解され、その反
応生成物に、C成分の金属アルコキシドが複合化され、
更にD成分のエポキシ基含有シランカップリング剤とE
成分の硬化触媒とが添加されて、オルガノポリシロキサ
ンワニスが得られる。
【0025】A成分 A成分のオルガノポリシロキサンを表わす一般式 R1
n Si(OR2 )4-nにおいて、R1 は炭素数が1〜6
のアルキル基またはアリール基であるが、具体的にはメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
フェニル基などを挙げることができ、またR2 はメチル
基またはエチル基である。
n Si(OR2 )4-nにおいて、R1 は炭素数が1〜6
のアルキル基またはアリール基であるが、具体的にはメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
フェニル基などを挙げることができ、またR2 はメチル
基またはエチル基である。
【0026】このようなA成分の具体例としては、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピ
ルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、
ジエチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、メチルフェニルジメ
トキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン
などを挙げることができる。A成分としては、これらの
1種または2種以上を選択して用いる。
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピ
ルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、
ジエチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、メチルフェニルジメ
トキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン
などを挙げることができる。A成分としては、これらの
1種または2種以上を選択して用いる。
【0027】一般式 R1 n Si(OR2 )4-n におい
て、R1 またはR2 における炭素数が過大のものである
場合には、後述する共加水分解反応速度が極端に低下
し、加熱硬化後も塗膜中に相当の割合のアルコキシ基若
しくは水酸基が残存することがある。そのため、その後
の高温加熱処理において当該塗膜の収縮が生じ、クラッ
クの発生による絶縁性の低下や膜の剥離を誘発するおそ
れがある。このような理由から、(A)成分として、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン
の中から選択して用いることが好ましい。また、A成分
は、それを構成する全Si濃度中の30モル%以上がジ
メチルジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシラ
ンなどのジメチルジアルコキシシラン、すなわちnが2
であるものが好ましい。
て、R1 またはR2 における炭素数が過大のものである
場合には、後述する共加水分解反応速度が極端に低下
し、加熱硬化後も塗膜中に相当の割合のアルコキシ基若
しくは水酸基が残存することがある。そのため、その後
の高温加熱処理において当該塗膜の収縮が生じ、クラッ
クの発生による絶縁性の低下や膜の剥離を誘発するおそ
れがある。このような理由から、(A)成分として、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン
の中から選択して用いることが好ましい。また、A成分
は、それを構成する全Si濃度中の30モル%以上がジ
メチルジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシラ
ンなどのジメチルジアルコキシシラン、すなわちnが2
であるものが好ましい。
【0028】B成分 B成分は、上記A成分と共加水分解反応に供されるオル
ガノポリシロキサンであり、その側鎖基がメチル基、エ
チル基またはフェニル基であり、分子構造中に反応性水
酸基を有する直鎖状または梯子状のシロキサン重合体で
ある。このB成分としては、その水酸基価が30〜50
0mgKOH/g、好ましくは40〜400mgKOH
/g、特に好ましくは50〜300mgKOH/gの範
囲であり、またポリスチレン換算重量平均分子量(M
w)が1000〜50000、好ましくは2000〜3
0000、特に好ましくは3000〜15000の範囲
のものが選択される。
ガノポリシロキサンであり、その側鎖基がメチル基、エ
チル基またはフェニル基であり、分子構造中に反応性水
酸基を有する直鎖状または梯子状のシロキサン重合体で
ある。このB成分としては、その水酸基価が30〜50
0mgKOH/g、好ましくは40〜400mgKOH
/g、特に好ましくは50〜300mgKOH/gの範
囲であり、またポリスチレン換算重量平均分子量(M
w)が1000〜50000、好ましくは2000〜3
0000、特に好ましくは3000〜15000の範囲
のものが選択される。
【0029】水酸基価が30mgKOH/g未満のもの
では、得られる塗膜の金属基材や発熱抵抗膜などに対す
る密着性が低くてしかも硬化速度が小さくなり、一方5
00mgKOH/gを超えるものでは、塗布組成物の保
存安定性が悪く、得られる塗膜は、例えば発熱抵抗膜の
形成のための焼結工程や離型層の形成工程などの高温加
熱処理においてクラックが発生しやすいものとなり、優
れた耐熱性を有しないものとなる。また、Mwが100
0未満のものでは、得られる塗膜は、密着性および耐湿
性が低く、高温加熱処理においてクラックが発生しやす
いものとなり、一方Mwが50000を超えるもので
は、A成分との相溶性が低いものとなり、得られる塗膜
は密着性が低くてしかも硬化速度が小さいものとなる。
では、得られる塗膜の金属基材や発熱抵抗膜などに対す
る密着性が低くてしかも硬化速度が小さくなり、一方5
00mgKOH/gを超えるものでは、塗布組成物の保
存安定性が悪く、得られる塗膜は、例えば発熱抵抗膜の
形成のための焼結工程や離型層の形成工程などの高温加
熱処理においてクラックが発生しやすいものとなり、優
れた耐熱性を有しないものとなる。また、Mwが100
0未満のものでは、得られる塗膜は、密着性および耐湿
性が低く、高温加熱処理においてクラックが発生しやす
いものとなり、一方Mwが50000を超えるもので
は、A成分との相溶性が低いものとなり、得られる塗膜
は密着性が低くてしかも硬化速度が小さいものとなる。
【0030】A成分とB成分 上記A成分とB成分とは混合され、この混合物は、その
pHが例えば1〜4のような酸性に調整された水が添加
されることによって共加水分解・重縮合反応を起こして
オルガノポリシロキサンプレポリマー(a)を生成す
る。この反応において、共加水分解に用いられる水の量
はアルコキシシラン1モルに対して0.5〜1.5モル
とされる。また、A成分とB成分との混合比は、A成分
100重量部に対してB成分3〜50重量部、好ましく
は5〜40重量部、特に好ましくは8〜30重量部とさ
れる。このB成分の量が3重量部未満では、得られる塗
膜が密着性および耐湿性の低いものとなり、一方50重
量部を超えると、A成分との相溶性が低くなり、また高
温加熱処理においてクラックが発生しやすいものとな
る。
pHが例えば1〜4のような酸性に調整された水が添加
されることによって共加水分解・重縮合反応を起こして
オルガノポリシロキサンプレポリマー(a)を生成す
る。この反応において、共加水分解に用いられる水の量
はアルコキシシラン1モルに対して0.5〜1.5モル
とされる。また、A成分とB成分との混合比は、A成分
100重量部に対してB成分3〜50重量部、好ましく
は5〜40重量部、特に好ましくは8〜30重量部とさ
れる。このB成分の量が3重量部未満では、得られる塗
膜が密着性および耐湿性の低いものとなり、一方50重
量部を超えると、A成分との相溶性が低くなり、また高
温加熱処理においてクラックが発生しやすいものとな
る。
【0031】C成分 上記のオルガノポリシロキサンプレポリマー(a)から
なるオルガノポリシロキサンワニスは、これをそのまま
用いる場合には、塗布して硬化させる際の加熱温度が1
50〜180℃の中温度領域であると硬化速度が低いも
のであり、そのために長時間にわたる加熱硬化処理が必
要となる。これらの欠点を改良し、中温度領域での加熱
によって塗膜を確実に1次架橋させるために、C成分が
オルガノポリシロキサンプレポリマー(a)に添加され
て複合化される。
なるオルガノポリシロキサンワニスは、これをそのまま
用いる場合には、塗布して硬化させる際の加熱温度が1
50〜180℃の中温度領域であると硬化速度が低いも
のであり、そのために長時間にわたる加熱硬化処理が必
要となる。これらの欠点を改良し、中温度領域での加熱
によって塗膜を確実に1次架橋させるために、C成分が
オルガノポリシロキサンプレポリマー(a)に添加され
て複合化される。
【0032】このC成分としては、一般式 M(O
R3 )m で表わされる金属アルコキシド、具体的にはT
i(OR)4 、Zr(OR)4 、Al(OR)3 などが
用いられる。C成分の使用量は、オルガノポリシロキサ
ンプレポリマー(a)100重量部に対して0.1〜2
0重量部、好ましくは3〜15重量部、特に好ましくは
5〜10重量部である。このC成分の使用量が0.1重
量部未満であると、塗膜の硬化速度が低く、一方20重
量部を超えると塗布組成物の保存安定性が悪くてゲル化
が生じ、また、塗膜の硬化速度が高すぎて内部気孔(ク
ローズドポア)が発生し、得られる膜の絶縁性が低下す
るおそれがある。更に、得られる組成物は、金属基材な
どに塗布すると塗膜の密着性が低いものとなる。
R3 )m で表わされる金属アルコキシド、具体的にはT
i(OR)4 、Zr(OR)4 、Al(OR)3 などが
用いられる。C成分の使用量は、オルガノポリシロキサ
ンプレポリマー(a)100重量部に対して0.1〜2
0重量部、好ましくは3〜15重量部、特に好ましくは
5〜10重量部である。このC成分の使用量が0.1重
量部未満であると、塗膜の硬化速度が低く、一方20重
量部を超えると塗布組成物の保存安定性が悪くてゲル化
が生じ、また、塗膜の硬化速度が高すぎて内部気孔(ク
ローズドポア)が発生し、得られる膜の絶縁性が低下す
るおそれがある。更に、得られる組成物は、金属基材な
どに塗布すると塗膜の密着性が低いものとなる。
【0033】一般式 M(OR3 )m で表わされる金属
アルコキシドのRとしては、炭素数が1〜4のアルキル
基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などを挙げる
ことができる。そして、この金属アルコキシドの具体例
としては、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテ
トライソプロポキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキ
シド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテ
トライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブト
キシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムト
リエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、ア
ルミニウムトリ−n−ブトキシドなどを挙げることがで
きる。C成分としては、これらの1種または2種以上を
選択して用いる。
アルコキシドのRとしては、炭素数が1〜4のアルキル
基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などを挙げる
ことができる。そして、この金属アルコキシドの具体例
としては、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテ
トライソプロポキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキ
シド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテ
トライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブト
キシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムト
リエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、ア
ルミニウムトリ−n−ブトキシドなどを挙げることがで
きる。C成分としては、これらの1種または2種以上を
選択して用いる。
【0034】D成分 このようにオルガノポリシロキサンプレポリマー(a)
にC成分の金属アルコキシドを複合化させることによっ
て得られる変性オルガノポリシロキサン(b)は、その
塗膜を中温度領域で加熱すると1次架橋するものであ
り、従って、この変性オルガノポリシロキサン(b)に
よって形成される塗膜は、初期の密着性、電気絶縁性お
よび耐熱性に優れたものとなる。しかしながら、この変
性オルガノポリシロキサン(b)においては、各構成成
分の水酸基もしくは水酸基とアルコキシ基が反応する程
度が低く、特に中温度領域での加熱によっては当該反応
を十分に進行させることは困難である。
にC成分の金属アルコキシドを複合化させることによっ
て得られる変性オルガノポリシロキサン(b)は、その
塗膜を中温度領域で加熱すると1次架橋するものであ
り、従って、この変性オルガノポリシロキサン(b)に
よって形成される塗膜は、初期の密着性、電気絶縁性お
よび耐熱性に優れたものとなる。しかしながら、この変
性オルガノポリシロキサン(b)においては、各構成成
分の水酸基もしくは水酸基とアルコキシ基が反応する程
度が低く、特に中温度領域での加熱によっては当該反応
を十分に進行させることは困難である。
【0035】すなわち、A成分、B成分およびC成分に
よって得られる変性オルガノポリシロキサン(b)によ
る塗膜においては、未反応の水酸基およびアルコキシ基
が相当の割合で残存するため、発熱抵抗膜の焼結工程ま
たは離型層の形成工程において例えば250℃以上の高
温環境に曝されると塗膜が硬化収縮する現象が生じ、特
に急速加熱や空冷もしくは水冷などによる急速冷却を行
ったときに塗膜が金属基材などの熱変形に追従できず、
密着性が低下して剥離が生ずることがある。また、残存
する水酸基やアルコキシ基のために、十分な耐水性およ
び耐湿性を得ることができない。
よって得られる変性オルガノポリシロキサン(b)によ
る塗膜においては、未反応の水酸基およびアルコキシ基
が相当の割合で残存するため、発熱抵抗膜の焼結工程ま
たは離型層の形成工程において例えば250℃以上の高
温環境に曝されると塗膜が硬化収縮する現象が生じ、特
に急速加熱や空冷もしくは水冷などによる急速冷却を行
ったときに塗膜が金属基材などの熱変形に追従できず、
密着性が低下して剥離が生ずることがある。また、残存
する水酸基やアルコキシ基のために、十分な耐水性およ
び耐湿性を得ることができない。
【0036】以上のような問題点を解決するために、変
性オルガノポリシロキサン(b)にD成分およびE成分
が添加される。D成分はエポキシ基含有シランカップリ
ング剤であり、E成分は、当該シランカップリング剤の
エポキシ基を開環させて反応性水酸基やアルコキシ基と
の結合反応を促進する硬化触媒である。このD成分とE
成分とを添加することにより、A成分の水酸基もしくは
アルコキシ基とB成分に含有される活性の高い水酸基と
を、オルガノポリシロキサンワニス中または塗膜の硬化
工程において結合させることができ、その結果、得られ
る塗膜を、金属基材や発熱抵抗膜などに対する密着性お
よび耐湿性の優れたものとすることができる。
性オルガノポリシロキサン(b)にD成分およびE成分
が添加される。D成分はエポキシ基含有シランカップリ
ング剤であり、E成分は、当該シランカップリング剤の
エポキシ基を開環させて反応性水酸基やアルコキシ基と
の結合反応を促進する硬化触媒である。このD成分とE
成分とを添加することにより、A成分の水酸基もしくは
アルコキシ基とB成分に含有される活性の高い水酸基と
を、オルガノポリシロキサンワニス中または塗膜の硬化
工程において結合させることができ、その結果、得られ
る塗膜を、金属基材や発熱抵抗膜などに対する密着性お
よび耐湿性の優れたものとすることができる。
【0037】D成分のエポキシ基含有シランカップリン
グ剤の配合量は、変性オルガノポリシロキサン(b)1
00重量部に対して0.01〜30重量部、特に好まし
くは0.1〜20重量部である。この範囲を超えると、
オルガノポリシロキサンワニスの硬化反応が鈍くなり、
耐湿性および密着性などの塗膜特性が低下したものとな
る。
グ剤の配合量は、変性オルガノポリシロキサン(b)1
00重量部に対して0.01〜30重量部、特に好まし
くは0.1〜20重量部である。この範囲を超えると、
オルガノポリシロキサンワニスの硬化反応が鈍くなり、
耐湿性および密着性などの塗膜特性が低下したものとな
る。
【0038】D成分の一般式 R4 p (R5 )Si(O
R6 )3-p で表わされるエポキシ基含有シランカップリ
ング剤において、R5 はエポキシ基を含有する有機基で
あって、その例としてはグリシドキシメチル基、β−グ
リシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシル基などを挙げることが
できる。また、R4 およびR6 はいずれもメチル基また
はエチル基である。
R6 )3-p で表わされるエポキシ基含有シランカップリ
ング剤において、R5 はエポキシ基を含有する有機基で
あって、その例としてはグリシドキシメチル基、β−グ
リシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシル基などを挙げることが
できる。また、R4 およびR6 はいずれもメチル基また
はエチル基である。
【0039】D成分として用いられるエポキシ基含有シ
ランカップリング剤の具体例としては、グリシドキシメ
チルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエト
キシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラ
ン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピル(メチル)ジメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピル(ジメチル)メトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピル(エチル)ジメトキシシラン、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシランなどを挙げることができる。D成分としては、
これらの1種または2種以上を選択して用いる。
ランカップリング剤の具体例としては、グリシドキシメ
チルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエト
キシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラ
ン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピル(メチル)ジメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピル(ジメチル)メトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピル(エチル)ジメトキシシラン、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシランなどを挙げることができる。D成分としては、
これらの1種または2種以上を選択して用いる。
【0040】E成分の硬化触媒は、D成分のエポキシ基
含有シランカップリング剤におけるエポキシ基の開環反
応と、前述の変性オルガノポリシロキサン(b)におけ
る残存する水酸基もしくはアルコキシ基との結合反応を
促進するものであり、窒素原子を異種原子として含有す
るイミダゾールなどの異節環状アミン、金属アセチルア
セトナート化合物などの公知の触媒を使用することがで
きる。硬化触媒の使用量は、D成分のエポキシ基含有シ
ランカップリング剤100重量部に対して0.01〜1
0重量部、特に好ましくは1〜5重量部とされる。この
範囲を外れると、オルガノポリシロキサンワニスは各成
分の相溶性が低下したり、塗膜の金属基材や発熱抵抗膜
などに対する密着性が低いものとなる。
含有シランカップリング剤におけるエポキシ基の開環反
応と、前述の変性オルガノポリシロキサン(b)におけ
る残存する水酸基もしくはアルコキシ基との結合反応を
促進するものであり、窒素原子を異種原子として含有す
るイミダゾールなどの異節環状アミン、金属アセチルア
セトナート化合物などの公知の触媒を使用することがで
きる。硬化触媒の使用量は、D成分のエポキシ基含有シ
ランカップリング剤100重量部に対して0.01〜1
0重量部、特に好ましくは1〜5重量部とされる。この
範囲を外れると、オルガノポリシロキサンワニスは各成
分の相溶性が低下したり、塗膜の金属基材や発熱抵抗膜
などに対する密着性が低いものとなる。
【0041】E成分の硬化触媒の具体例としては、ピペ
ラジン、イミダゾール類などの異節環状アミン、並びに
アルミニウムアセチルアセトナート、クロムアセチルア
セトナート、チタニルアセチルアセトナート、ニッケル
アセチルアセトナートなどを挙げることができる。E成
分としては、これらの1種または2種以上を選択して用
いる。
ラジン、イミダゾール類などの異節環状アミン、並びに
アルミニウムアセチルアセトナート、クロムアセチルア
セトナート、チタニルアセチルアセトナート、ニッケル
アセチルアセトナートなどを挙げることができる。E成
分としては、これらの1種または2種以上を選択して用
いる。
【0042】以上のようなオルガノポリシロキサンワニ
スに無機物質粉体が分散されて、本発明の膜形成用塗布
組成物が得られる。すなわち、この無機物質粉体が分散
されることにより、得られる塗膜は、密着性、厚膜化、
電気絶縁性、耐熱性などの諸特性が向上したものとな
る。無機物質粉体が含有されない場合には、オルガノポ
リシロキサンワニスは、その膜厚が十分に大きい塗膜を
形成することが困難なものとなり、十分に高い電気絶縁
性を有する塗膜を形成することができない。すなわち、
無機物質粉体が分散されることにより、オルガノポリシ
ロキサンワニスそれ自体の有する金属基材に対する密着
性および造膜性を犠牲にすることなく、電気絶縁性およ
び耐熱性に優れた硬化被膜を形成することができる。こ
こに、オルガノポリシロキサンワニスは、それが加熱硬
化されることによって、オルガノポリシロキサン樹脂よ
りなる膜体を形成するものとなると共に、無機物質粉体
に対する結合剤として作用するものとなる。
スに無機物質粉体が分散されて、本発明の膜形成用塗布
組成物が得られる。すなわち、この無機物質粉体が分散
されることにより、得られる塗膜は、密着性、厚膜化、
電気絶縁性、耐熱性などの諸特性が向上したものとな
る。無機物質粉体が含有されない場合には、オルガノポ
リシロキサンワニスは、その膜厚が十分に大きい塗膜を
形成することが困難なものとなり、十分に高い電気絶縁
性を有する塗膜を形成することができない。すなわち、
無機物質粉体が分散されることにより、オルガノポリシ
ロキサンワニスそれ自体の有する金属基材に対する密着
性および造膜性を犠牲にすることなく、電気絶縁性およ
び耐熱性に優れた硬化被膜を形成することができる。こ
こに、オルガノポリシロキサンワニスは、それが加熱硬
化されることによって、オルガノポリシロキサン樹脂よ
りなる膜体を形成するものとなると共に、無機物質粉体
に対する結合剤として作用するものとなる。
【0043】上記の無機物質粉体としては、例えば粒
状、鱗片状、ファイバー状または針状の金属酸化物、炭
化物、窒化物などを挙げることができる。粒状のものは
主として電気絶縁性、耐熱性、密着性などの特性の向上
に有効であり、鱗片状、ファイバー状または針状のもの
は主として厚膜化、耐クラック性の向上に有効であり、
両者を併用することも可能である。
状、鱗片状、ファイバー状または針状の金属酸化物、炭
化物、窒化物などを挙げることができる。粒状のものは
主として電気絶縁性、耐熱性、密着性などの特性の向上
に有効であり、鱗片状、ファイバー状または針状のもの
は主として厚膜化、耐クラック性の向上に有効であり、
両者を併用することも可能である。
【0044】無機物質粉体の具体例としては、二酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、ジルコン、スピネル、ムライ
ト、ペロブスカイト化合物、炭化珪素、窒化珪素、窒化
硼素、窒化アルミニウム、サイアロン、クレー、タル
ク、マイカ、ベントナイト、アルミナファイバー、ジル
コニアファイバーなどを挙げることができ、これらの無
機物質粉体の1種または2種以上を選択して用いる。な
お、上記の無機物質粉体の平均中心粒径は特に限定され
るものではないが、0.01〜100μm、好ましくは
0.1〜50μm、特に好ましくは1〜20μmであ
る。
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、ジルコン、スピネル、ムライ
ト、ペロブスカイト化合物、炭化珪素、窒化珪素、窒化
硼素、窒化アルミニウム、サイアロン、クレー、タル
ク、マイカ、ベントナイト、アルミナファイバー、ジル
コニアファイバーなどを挙げることができ、これらの無
機物質粉体の1種または2種以上を選択して用いる。な
お、上記の無機物質粉体の平均中心粒径は特に限定され
るものではないが、0.01〜100μm、好ましくは
0.1〜50μm、特に好ましくは1〜20μmであ
る。
【0045】絶縁性保護膜用の膜形成用塗布組成物にお
いては、用いられる無機物質粉体は、その全体の3〜3
0重量%となる割合で鱗片状、ファイバー状または針状
のものが含有されていることが好ましく、また、鱗片
状、ファイバー状または針状の無機物質粉体としては、
そのアスペクト比が2〜500の範囲のものが好まし
い。このような無機物質粉体が含有されることにより、
塗膜中において無機物質粉体の粒子同士が絡み合い若し
くは重なり合い、これにより、加熱硬化する際に生ずる
ガス等によってピンホールやマイクロクラックが発生す
ることが防止され、更に耐熱性絶縁膜と発熱抵抗膜との
段差部分を被覆する部分においてクラックが発生するこ
とがなくて良好に耐熱性絶縁膜および発熱抵抗膜を被覆
することができる。
いては、用いられる無機物質粉体は、その全体の3〜3
0重量%となる割合で鱗片状、ファイバー状または針状
のものが含有されていることが好ましく、また、鱗片
状、ファイバー状または針状の無機物質粉体としては、
そのアスペクト比が2〜500の範囲のものが好まし
い。このような無機物質粉体が含有されることにより、
塗膜中において無機物質粉体の粒子同士が絡み合い若し
くは重なり合い、これにより、加熱硬化する際に生ずる
ガス等によってピンホールやマイクロクラックが発生す
ることが防止され、更に耐熱性絶縁膜と発熱抵抗膜との
段差部分を被覆する部分においてクラックが発生するこ
とがなくて良好に耐熱性絶縁膜および発熱抵抗膜を被覆
することができる。
【0046】上記の割合が3重量%未満であると、得ら
れる塗膜は耐熱性絶縁膜と発熱抵抗膜との段差部分を被
覆する部分においてクラックが発生しやすく、絶縁性が
低下するおそれがある。一方、上記の割合が30重量%
を超えると塗膜のレベリング性が低下するため、内部気
孔が発生しやすく、絶縁性の低下を招くおそれがある。
また、アスペクト比が2未満のものでは、上記の効果が
得られにくくなり、一方、アスペクト比が500を超え
るものでは、均一に分散させることが困難となり、また
塗膜のレベリング性が低下するため、内部気孔が発生し
やすく、絶縁性の低下を招くおそれがある。
れる塗膜は耐熱性絶縁膜と発熱抵抗膜との段差部分を被
覆する部分においてクラックが発生しやすく、絶縁性が
低下するおそれがある。一方、上記の割合が30重量%
を超えると塗膜のレベリング性が低下するため、内部気
孔が発生しやすく、絶縁性の低下を招くおそれがある。
また、アスペクト比が2未満のものでは、上記の効果が
得られにくくなり、一方、アスペクト比が500を超え
るものでは、均一に分散させることが困難となり、また
塗膜のレベリング性が低下するため、内部気孔が発生し
やすく、絶縁性の低下を招くおそれがある。
【0047】膜形成用塗布組成物における無機物質粉体
の含有割合は、オルガノポリシロキサンワニス100重
量部に対して30〜500重量部、好ましくは50〜3
00重量部、特に好ましくは80〜200重量部であ
る。この無機物質粉体の割合が30重量部未満の場合に
は、膜厚の大きい塗膜を形成することが困難であって、
塗膜は耐熱性および電気絶縁性が低いものとなり、一方
500重量部を超える場合には、塗膜の膜厚の制御が困
難となって膜厚の不均一さのために塗膜は密着性および
耐湿性が低いものとなる。
の含有割合は、オルガノポリシロキサンワニス100重
量部に対して30〜500重量部、好ましくは50〜3
00重量部、特に好ましくは80〜200重量部であ
る。この無機物質粉体の割合が30重量部未満の場合に
は、膜厚の大きい塗膜を形成することが困難であって、
塗膜は耐熱性および電気絶縁性が低いものとなり、一方
500重量部を超える場合には、塗膜の膜厚の制御が困
難となって膜厚の不均一さのために塗膜は密着性および
耐湿性が低いものとなる。
【0048】膜形成用塗布組成物には、必要に応じて、
種々の添加剤を配合することができる。この添加剤とし
ては、分散剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤などを挙
げることができる。また、必要に応じて、適宜の溶剤を
適宜の割合で用いることができる。好適な溶剤として
は、アルコール、ケトン、エステル、セロソルブ、環状
エーテルなどを挙げることができる。アルコールとして
はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどの低
級アルコール、ケトンとしてはアセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、エステルとしては酢
酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブとしてはメチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、環状エ
ーテルとしてはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ンなどを、単独または混合して用いることができる。ま
た、これらの溶剤の中には、オルガノアルコキシシラン
などの部分共加水分解反応や重縮合反応で遊離するアル
コールも含まれる。
種々の添加剤を配合することができる。この添加剤とし
ては、分散剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤などを挙
げることができる。また、必要に応じて、適宜の溶剤を
適宜の割合で用いることができる。好適な溶剤として
は、アルコール、ケトン、エステル、セロソルブ、環状
エーテルなどを挙げることができる。アルコールとして
はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどの低
級アルコール、ケトンとしてはアセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、エステルとしては酢
酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブとしてはメチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、環状エ
ーテルとしてはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ンなどを、単独または混合して用いることができる。ま
た、これらの溶剤の中には、オルガノアルコキシシラン
などの部分共加水分解反応や重縮合反応で遊離するアル
コールも含まれる。
【0049】以上のような膜形成用塗布組成物は、例え
ばサンドブラストなどの公知の方法によって表面処理が
施された金属基材11の外周面に、公知の塗布方法、例
えばスプレーコート法、ディップコート法などによって
均一な膜厚で塗布され、その後、150〜180℃の中
温度領域の温度で20〜40分間加熱されることにより
硬化され、これによってオルガノポリシロキサン樹脂中
に無機物質粉体が分散されてなる耐熱性絶縁膜12が形
成される。また、膜形成用塗布組成物は、発熱抵抗膜1
3が形成された耐熱性絶縁膜12の表面に、上記と同様
にして塗布、硬化され、これによってオルガノポリシロ
キサン樹脂中に無機物質粉体が分散されてなる絶縁性保
護膜14が形成される。
ばサンドブラストなどの公知の方法によって表面処理が
施された金属基材11の外周面に、公知の塗布方法、例
えばスプレーコート法、ディップコート法などによって
均一な膜厚で塗布され、その後、150〜180℃の中
温度領域の温度で20〜40分間加熱されることにより
硬化され、これによってオルガノポリシロキサン樹脂中
に無機物質粉体が分散されてなる耐熱性絶縁膜12が形
成される。また、膜形成用塗布組成物は、発熱抵抗膜1
3が形成された耐熱性絶縁膜12の表面に、上記と同様
にして塗布、硬化され、これによってオルガノポリシロ
キサン樹脂中に無機物質粉体が分散されてなる絶縁性保
護膜14が形成される。
【0050】以上において、膜形成用塗布組成物の塗膜
における加熱硬化処理後の膜厚は、10〜400μm、
好ましくは30〜150μm、特に好ましくは40〜1
00μmである。この膜厚が10μm未満の場合には、
密着性および耐熱性は良好であっても、ピンホールが生
じたものとなりやすいために電気絶縁性が低いものとな
るおそれがある。一方、膜厚が400μmを超える場合
には、塗膜の歪みが大きくなって金属基材11や発熱抵
抗膜13などに対する密着性および耐熱性が低いものと
なり、その結果、高温加熱処理において耐熱性絶縁膜1
2または絶縁性保護膜14の一部が金属基材11または
発熱抵抗膜13から剥離するおそれがあり、更に当該加
熱ローラ10の使用による高温によっても剥離が生ずる
おそれがある。
における加熱硬化処理後の膜厚は、10〜400μm、
好ましくは30〜150μm、特に好ましくは40〜1
00μmである。この膜厚が10μm未満の場合には、
密着性および耐熱性は良好であっても、ピンホールが生
じたものとなりやすいために電気絶縁性が低いものとな
るおそれがある。一方、膜厚が400μmを超える場合
には、塗膜の歪みが大きくなって金属基材11や発熱抵
抗膜13などに対する密着性および耐熱性が低いものと
なり、その結果、高温加熱処理において耐熱性絶縁膜1
2または絶縁性保護膜14の一部が金属基材11または
発熱抵抗膜13から剥離するおそれがあり、更に当該加
熱ローラ10の使用による高温によっても剥離が生ずる
おそれがある。
【0051】
【実施例】 〈実施例1〜3〉図1に示されている構成に従い、外径
20mm、肉厚1.5mm、長さ304mmのアルミニ
ウム合金よりなる金属基材11の外周面に、下記の処方
によって調製された3種の耐熱性絶縁膜形成用塗布組成
物1〜3の各々を、加熱硬化処理後の膜厚が70μmと
なるように塗布し、空気中にて180℃に30分間加熱
硬化処理して耐熱性絶縁膜12を形成した。そして、こ
の耐熱性絶縁膜12の外面上に、銀ペーストよりなる発
熱抵抗膜形成インクをスクリーン印刷法により図3に示
されているパターンに従って付着させ、450℃で15
分間焼結処理を行うことにより、合計3種の加熱ローラ
材を作製した。なお、B成分の水酸基含有オルガノポリ
シロキサンとしては「KR−242A」(信越化学工業
株式会社製、固形分濃度50%)を用いた。
20mm、肉厚1.5mm、長さ304mmのアルミニ
ウム合金よりなる金属基材11の外周面に、下記の処方
によって調製された3種の耐熱性絶縁膜形成用塗布組成
物1〜3の各々を、加熱硬化処理後の膜厚が70μmと
なるように塗布し、空気中にて180℃に30分間加熱
硬化処理して耐熱性絶縁膜12を形成した。そして、こ
の耐熱性絶縁膜12の外面上に、銀ペーストよりなる発
熱抵抗膜形成インクをスクリーン印刷法により図3に示
されているパターンに従って付着させ、450℃で15
分間焼結処理を行うことにより、合計3種の加熱ローラ
材を作製した。なお、B成分の水酸基含有オルガノポリ
シロキサンとしては「KR−242A」(信越化学工業
株式会社製、固形分濃度50%)を用いた。
【0052】 (1)塗布組成物1(実施例1) 結合剤 A成分:テトラメトキシシラン 7重量部 メチルトリメトキシシラン 18重量部 ジメチルジメトキシシラン 75重量部 B成分:水酸基含有オルガノポリシロキサン 27重量部 水 :(pH2) 13重量部 C成分:チタニウムテトライソプロポキシド 11重量部 D成分:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 9重量部 E成分:アルミニウムアセチルアセトナート 0.45重量部 無機物質粉体 アルミナ 172重量部 マイカ 12重量部 溶剤 イソプロパノール 20重量部
【0053】 (2)塗布組成物2(実施例2) 結合剤 A成分:ジメチルジメトキシシラン 100重量部 B成分:水酸基含有オルガノポリシロキサン 23重量部 水 :(pH2) 13重量部 C成分:チタニウムテトライソプロポキシド 11重量部 D成分:β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 9重量部 E成分:2−メチルイミダゾール 0.45重量部 無機物質粉体 アルミナ 127重量部 マイカ 8重量部 溶剤 イソプロパノール 18重量部
【0054】 (3)塗布組成物3(実施例3) 結合剤 A成分:テトラメトキシシラン 12重量部 ジメチルジメトキシシラン 88重量部 B成分:水酸基含有オルガノポリシロキサン 35重量部 水 :(pH2) 13重量部 C成分:ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド 11重量部 D成分:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 9重量部 E成分:アルミニウムアセチルアセトナート 0.45重量部 無機物質粉体 アルミナ 130重量部 マイカ 8重量部 溶剤 イソプロパノール 20重量部
【0055】以上のようにして得られた加熱ローラ材の
各々について、下記の項目についてテストを行い、評価
した。 (イ)初期電気絶縁性 JIS−C−1303に準じて直流500Vにより電気
抵抗値を求めた。結果は、いずれの加熱ローラ材も、1
000MΩ以上であった。 (ロ)熱処理後の電気絶縁性 空気中450℃の環境下で1時間放置した後の電気絶縁
性を上記(イ)と同様にして求めた。結果は、いずれの
加熱ローラ材も、1000MΩ以上であった。
各々について、下記の項目についてテストを行い、評価
した。 (イ)初期電気絶縁性 JIS−C−1303に準じて直流500Vにより電気
抵抗値を求めた。結果は、いずれの加熱ローラ材も、1
000MΩ以上であった。 (ロ)熱処理後の電気絶縁性 空気中450℃の環境下で1時間放置した後の電気絶縁
性を上記(イ)と同様にして求めた。結果は、いずれの
加熱ローラ材も、1000MΩ以上であった。
【0056】(ハ)高温高湿環境保管後の電気絶縁性 温度60℃、相対湿度95%の環境下に10日間保管
し、取り出して室温下に24時間放置した後の電気絶縁
性を上記(イ)と同様にして求めた。結果は、いずれの
加熱ローラ材も、1000MΩ以上であった。 (ニ)熱処理および高温高湿環境保管後の電気絶縁性 上記(ロ)と同様に熱処理し、更に上記(ハ)と同様に
処理した後の電気絶縁性を上記(イ)と同様にして求め
た。結果は、いずれの加熱ローラ材も、1000MΩ以
上であった。
し、取り出して室温下に24時間放置した後の電気絶縁
性を上記(イ)と同様にして求めた。結果は、いずれの
加熱ローラ材も、1000MΩ以上であった。 (ニ)熱処理および高温高湿環境保管後の電気絶縁性 上記(ロ)と同様に熱処理し、更に上記(ハ)と同様に
処理した後の電気絶縁性を上記(イ)と同様にして求め
た。結果は、いずれの加熱ローラ材も、1000MΩ以
上であった。
【0057】(ホ)耐熱性a 空気中450℃の環境下で1時間放置した後、直ちに空
冷により室温にまで冷却したときの塗膜の密着性および
クラックの有無を観察した。結果は、いずれの加熱ロー
ラ材も、塗膜は十分な密着性を有し、塗膜にクラックは
生じていなかった。 (ヘ)耐熱性b 空気中450℃の環境下で1時間放置した後、直ちに水
中に投入して冷却したときの塗膜の密着性およびクラッ
クの有無を観察した。結果は、いずれの加熱ローラ材
も、塗膜は十分な密着性を有し、塗膜にクラックは生じ
ていなかった。
冷により室温にまで冷却したときの塗膜の密着性および
クラックの有無を観察した。結果は、いずれの加熱ロー
ラ材も、塗膜は十分な密着性を有し、塗膜にクラックは
生じていなかった。 (ヘ)耐熱性b 空気中450℃の環境下で1時間放置した後、直ちに水
中に投入して冷却したときの塗膜の密着性およびクラッ
クの有無を観察した。結果は、いずれの加熱ローラ材
も、塗膜は十分な密着性を有し、塗膜にクラックは生じ
ていなかった。
【0058】以上のことから明らかなように、上記の加
熱ローラ材の各々における耐熱性絶縁膜は、金属基材に
対する密着性が十分に良好であって高温加熱処理によっ
ても剥離することがなく、また吸湿性を有しないために
高温高湿の環境下においても、金属基材と発熱抵抗膜と
の間に必要な電気絶縁性を確保することができる。
熱ローラ材の各々における耐熱性絶縁膜は、金属基材に
対する密着性が十分に良好であって高温加熱処理によっ
ても剥離することがなく、また吸湿性を有しないために
高温高湿の環境下においても、金属基材と発熱抵抗膜と
の間に必要な電気絶縁性を確保することができる。
【0059】以上の加熱ローラ材の各々を用い、発熱抵
抗膜13が覆われるよう、従来と同様のシリカによる膜
厚70μmの絶縁性保護膜14を当該耐熱性絶縁膜12
の外面上に形成し、その後、更に温度450℃に1時間
加熱する処理を含む工程により膜厚50μmのフッ素系
樹脂による離型層15を形成することにより、本発明の
加熱ローラを作製した。これら実施例1〜3に係る加熱
ローラの各々を電子写真複写機の定着装置の加熱ローラ
として用い、高温高湿度環境下で使用したが、複写回数
が10万回を超える使用においても、いずれの加熱ロー
ラもその動作特性には異常が発生しなかった。
抗膜13が覆われるよう、従来と同様のシリカによる膜
厚70μmの絶縁性保護膜14を当該耐熱性絶縁膜12
の外面上に形成し、その後、更に温度450℃に1時間
加熱する処理を含む工程により膜厚50μmのフッ素系
樹脂による離型層15を形成することにより、本発明の
加熱ローラを作製した。これら実施例1〜3に係る加熱
ローラの各々を電子写真複写機の定着装置の加熱ローラ
として用い、高温高湿度環境下で使用したが、複写回数
が10万回を超える使用においても、いずれの加熱ロー
ラもその動作特性には異常が発生しなかった。
【0060】〈実施例4〜6〉図1に示されている構成
に従い、外径20mm、肉厚1.5mm、長さ304m
mのアルミニウム合金よりなる金属基材11の外周面
に、従来と同様のシリカ又はアルミナを主成分とする材
料による膜厚70μmの耐熱性絶縁膜12を形成し、こ
の耐熱性絶縁膜12の外面上に、銀ペーストよりなる発
熱抵抗膜形成インクをスクリーン印刷法により図3に示
されているパターンに従って付着させ、450℃で15
分間焼結処理を行うことにより、発熱抵抗膜13を形成
して加熱ローラ材を作製した。この加熱ローラ材の表面
に、下記の処方によって調製された3種の絶縁性保護膜
形成用塗布組成物4〜6の各々を、加熱硬化処理後の膜
厚が100μmとなるように塗布し、空気中にて180
℃で30分間加熱硬化処理して絶縁性保護膜14を形成
し、合計3種類の本発明の加熱ローラを作製した。な
お、B成分の水酸基含有オルガノポリシロキサンとして
は「KR−242A」(信越化学工業株式会社製、固形
分濃度50%)を用いた。また、無機物質粉体として用
いたアルミナは、粒状のものであり、マイカは、その粒
子が鱗片状のものであって、そのアスペクト比が平均で
30である。
に従い、外径20mm、肉厚1.5mm、長さ304m
mのアルミニウム合金よりなる金属基材11の外周面
に、従来と同様のシリカ又はアルミナを主成分とする材
料による膜厚70μmの耐熱性絶縁膜12を形成し、こ
の耐熱性絶縁膜12の外面上に、銀ペーストよりなる発
熱抵抗膜形成インクをスクリーン印刷法により図3に示
されているパターンに従って付着させ、450℃で15
分間焼結処理を行うことにより、発熱抵抗膜13を形成
して加熱ローラ材を作製した。この加熱ローラ材の表面
に、下記の処方によって調製された3種の絶縁性保護膜
形成用塗布組成物4〜6の各々を、加熱硬化処理後の膜
厚が100μmとなるように塗布し、空気中にて180
℃で30分間加熱硬化処理して絶縁性保護膜14を形成
し、合計3種類の本発明の加熱ローラを作製した。な
お、B成分の水酸基含有オルガノポリシロキサンとして
は「KR−242A」(信越化学工業株式会社製、固形
分濃度50%)を用いた。また、無機物質粉体として用
いたアルミナは、粒状のものであり、マイカは、その粒
子が鱗片状のものであって、そのアスペクト比が平均で
30である。
【0061】 (1)塗布組成物4(実施例4) 結合剤 A成分:テトラメトキシシラン 7重量部 メチルトリメトキシシラン 18重量部 ジメチルジメトキシシラン 75重量部 B成分:水酸基含有オルガノポリシロキサン 30重量部 水 :(pH2) 13重量部 C成分:チタニウムテトライソプロポキシド 11重量部 D成分:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 9重量部 E成分:2−メチルイミダゾール 0.45重量部 無機物質粉体 アルミナ 172重量部 マイカ 7重量部 溶剤 イソプロパノール 20重量部
【0062】 (2)塗布組成物5(実施例5) 結合剤 A成分:メチルトリメトキシシラン 10重量部 ジメチルジメトキシシラン 90重量部 B成分:水酸基含有オルガノポリシロキサン 40重量部 水 :(pH2) 13重量部 C成分:ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド 11重量部 D成分:β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 9重量部 E成分:アルミニウムアセチルアセトナート 0.45重量部 無機物質粉体 アルミナ 130重量部 マイカ 10重量部 溶剤 イソプロパノール 20重量部
【0063】 (3)塗布組成物6(実施例6) 結合剤 A成分:メチルトリメトキシシラン 15重量部 ジメチルジメトキシシラン 75重量部 フェニルトリメトキシシラン 10重量部 B成分:水酸基含有オルガノポリシロキサン 20重量部 水 :(pH2) 10重量部 C成分:チタニウムテトライソプロポキシド 10重量部 D成分:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 8重量部 E成分:2−メチルイミダゾール 0.4重量部 無機物質粉体 アルミナ 113重量部 マイカ 15重量部 溶剤 イソプロパノール 20重量部
【0064】以上のようにして得られた実施例4〜6に
係る加熱ローラの各々について、下記の項目についてテ
ストを行い、評価した。 (ト)初期電気絶縁性:絶縁性保護膜の外表面全体にア
ルミ箔を巻付け、JIS−C−1303に準じて直流5
00Vにより電気抵抗値を求めた。結果は、いずれの加
熱ローラも、1000MΩ以上であった。 (チ)熱処理後の電気絶縁性:空気中450℃の環境下
で1時間放置した後の電気絶縁性を上記(ト)と同様に
して求めた。結果は、いずれの加熱ローラも、1000
MΩ以上であった。 (リ)高温高湿環境保管後の電気絶縁性:温度60℃、
相対湿度95%の環境下に10日間保管し、取り出して
室温下に24時間放置した後の電気絶縁性を上記(ト)
と同様にして求めた。結果は、いずれの加熱ローラも、
1000MΩ以上であった。 (ヌ)絶縁耐圧性:絶縁性保護膜の表面に、温度450
℃に1時間加熱する処理を含む工程により膜厚50μm
のフッ素系樹脂による離型層を形成し、この離型層の表
面に導電性箔を巻付け、この導電性箔と発熱抵抗膜との
間に電圧を加え、どの程度の電圧まで破壊が起こらない
かによって絶縁耐圧を求めた。結果は、いずれの加熱ロ
ーラも1500V以上の絶縁耐圧を有していた。
係る加熱ローラの各々について、下記の項目についてテ
ストを行い、評価した。 (ト)初期電気絶縁性:絶縁性保護膜の外表面全体にア
ルミ箔を巻付け、JIS−C−1303に準じて直流5
00Vにより電気抵抗値を求めた。結果は、いずれの加
熱ローラも、1000MΩ以上であった。 (チ)熱処理後の電気絶縁性:空気中450℃の環境下
で1時間放置した後の電気絶縁性を上記(ト)と同様に
して求めた。結果は、いずれの加熱ローラも、1000
MΩ以上であった。 (リ)高温高湿環境保管後の電気絶縁性:温度60℃、
相対湿度95%の環境下に10日間保管し、取り出して
室温下に24時間放置した後の電気絶縁性を上記(ト)
と同様にして求めた。結果は、いずれの加熱ローラも、
1000MΩ以上であった。 (ヌ)絶縁耐圧性:絶縁性保護膜の表面に、温度450
℃に1時間加熱する処理を含む工程により膜厚50μm
のフッ素系樹脂による離型層を形成し、この離型層の表
面に導電性箔を巻付け、この導電性箔と発熱抵抗膜との
間に電圧を加え、どの程度の電圧まで破壊が起こらない
かによって絶縁耐圧を求めた。結果は、いずれの加熱ロ
ーラも1500V以上の絶縁耐圧を有していた。
【0065】(ル)耐熱性:空気中450℃の環境下で
1時間放置した後、直ちに空冷により室温にまで冷却し
たときの絶縁性保護膜の密着性およびクラックの有無を
観察した。結果は、いずれの加熱ローラも、絶縁性保護
膜は十分な密着性を有し、当該絶縁性保護膜にクラック
は生じていなかった。 (ヲ)ヒートサイクル試験:200℃の高温で1分間保
持した後、40℃まで冷却する操作を1サイクルとする
条件で、合計50000サイクルのヒートサイクル試験
を行い、試験後の絶縁性保護膜の密着性およびクラック
の有無を観察した。結果は、いずれの加熱ローラも、絶
縁性保護膜は十分な密着性を有し、当該絶縁性保護膜に
クラックは生じていなかった。
1時間放置した後、直ちに空冷により室温にまで冷却し
たときの絶縁性保護膜の密着性およびクラックの有無を
観察した。結果は、いずれの加熱ローラも、絶縁性保護
膜は十分な密着性を有し、当該絶縁性保護膜にクラック
は生じていなかった。 (ヲ)ヒートサイクル試験:200℃の高温で1分間保
持した後、40℃まで冷却する操作を1サイクルとする
条件で、合計50000サイクルのヒートサイクル試験
を行い、試験後の絶縁性保護膜の密着性およびクラック
の有無を観察した。結果は、いずれの加熱ローラも、絶
縁性保護膜は十分な密着性を有し、当該絶縁性保護膜に
クラックは生じていなかった。
【0066】以上のことから明らかなように、上記の加
熱ローラの各々における絶縁性保護膜は、耐熱性絶縁膜
および発熱抵抗膜に対する密着性が十分に良好であって
高温加熱処理によっても剥離することがなく、また吸湿
性を有しないために高温高湿の環境下においても、電気
絶縁性が低下することのないものである。
熱ローラの各々における絶縁性保護膜は、耐熱性絶縁膜
および発熱抵抗膜に対する密着性が十分に良好であって
高温加熱処理によっても剥離することがなく、また吸湿
性を有しないために高温高湿の環境下においても、電気
絶縁性が低下することのないものである。
【0067】上記の加熱ローラの各々における絶縁性保
護膜の表面に、温度450℃に1時間加熱する処理を含
む工程により膜厚50μmのフッ素系樹脂による離型層
15を形成し、これらの加熱ローラを電子写真複写機の
定着装置の加熱ローラとして用い、高温高湿度環境下で
使用したが、複写回数が10万回を超える使用において
も、いずれの加熱ローラもその動作特性には異常が発生
しなかった。
護膜の表面に、温度450℃に1時間加熱する処理を含
む工程により膜厚50μmのフッ素系樹脂による離型層
15を形成し、これらの加熱ローラを電子写真複写機の
定着装置の加熱ローラとして用い、高温高湿度環境下で
使用したが、複写回数が10万回を超える使用において
も、いずれの加熱ローラもその動作特性には異常が発生
しなかった。
【0068】以上、本発明を具体的実施例に従って説明
したが、本発明は種々変更することが可能である。すな
わち、本発明においては、金属基材と発熱抵抗膜との間
に介在される耐熱性絶縁膜、および発熱抵抗膜を覆うよ
う形成される絶縁性保護膜の少なくともいずれか一方が
既述の材質よりなるものであればよく、加熱ローラの具
体的な機械的構成が上記実施例のものに限定されるもの
ではない。例えば、発熱抵抗膜に通電するためには、給
電リング以外の構成を利用することができる。また、例
えば離型層は、当該加熱ローラの用途によっては必須な
ものでないことは勿論である。
したが、本発明は種々変更することが可能である。すな
わち、本発明においては、金属基材と発熱抵抗膜との間
に介在される耐熱性絶縁膜、および発熱抵抗膜を覆うよ
う形成される絶縁性保護膜の少なくともいずれか一方が
既述の材質よりなるものであればよく、加熱ローラの具
体的な機械的構成が上記実施例のものに限定されるもの
ではない。例えば、発熱抵抗膜に通電するためには、給
電リング以外の構成を利用することができる。また、例
えば離型層は、当該加熱ローラの用途によっては必須な
ものでないことは勿論である。
【0069】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、金属基
材の外周面と発熱抵抗膜との間に介在する耐熱性絶縁膜
として、無機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキ
サン樹脂よりなるものを用いることにより、その物性に
より、高温高湿の環境下においても吸湿することがなく
てそれ自体の非常に高い電気絶縁性が損なわれることが
なく、従って金属基材と発熱抵抗膜との間の電気絶縁性
が低下することがなく、しかも当該耐熱性絶縁膜は金属
基材に対する密着性が良好であるため、高い耐湿性およ
び高い耐熱性を有する加熱ローラを提供することができ
る。また、絶縁性保護膜として、無機物質粉体が分散さ
れたオルガノポリシロキサン樹脂よりなるものを用いる
ことにより、その物性により、高温高湿の環境下におい
ても吸湿することがなくてそれ自体の非常に高い電気絶
縁性が損なわれることがなく、従って当該絶縁性保護膜
の電気絶縁性が低下することがなく、しかも当該絶縁性
保護膜は耐熱性絶縁膜および発熱抵抗膜に対する密着性
が良好であるため、高い耐湿性および高い耐熱性を有す
る加熱ローラを提供することができる。
材の外周面と発熱抵抗膜との間に介在する耐熱性絶縁膜
として、無機物質粉体が分散されたオルガノポリシロキ
サン樹脂よりなるものを用いることにより、その物性に
より、高温高湿の環境下においても吸湿することがなく
てそれ自体の非常に高い電気絶縁性が損なわれることが
なく、従って金属基材と発熱抵抗膜との間の電気絶縁性
が低下することがなく、しかも当該耐熱性絶縁膜は金属
基材に対する密着性が良好であるため、高い耐湿性およ
び高い耐熱性を有する加熱ローラを提供することができ
る。また、絶縁性保護膜として、無機物質粉体が分散さ
れたオルガノポリシロキサン樹脂よりなるものを用いる
ことにより、その物性により、高温高湿の環境下におい
ても吸湿することがなくてそれ自体の非常に高い電気絶
縁性が損なわれることがなく、従って当該絶縁性保護膜
の電気絶縁性が低下することがなく、しかも当該絶縁性
保護膜は耐熱性絶縁膜および発熱抵抗膜に対する密着性
が良好であるため、高い耐湿性および高い耐熱性を有す
る加熱ローラを提供することができる。
【0070】請求項2に記載の発明によれば、上記の優
れた耐熱性絶縁膜を確実にかつ容易に実現することがで
きる。また、請求項3に記載の発明によれば、加熱温度
が150〜180℃という中温度領域の温度であって
も、確実にオルガノポリシロキサンワニスの架橋を伴う
硬化を達成することができる。更に、請求項4に記載の
発明によれば、硬化された塗膜において優れた特性が得
られ、非常に高い耐湿性および耐熱性を実現することが
できる。
れた耐熱性絶縁膜を確実にかつ容易に実現することがで
きる。また、請求項3に記載の発明によれば、加熱温度
が150〜180℃という中温度領域の温度であって
も、確実にオルガノポリシロキサンワニスの架橋を伴う
硬化を達成することができる。更に、請求項4に記載の
発明によれば、硬化された塗膜において優れた特性が得
られ、非常に高い耐湿性および耐熱性を実現することが
できる。
【図1】本発明に係る加熱ローラの構成の一例を示す説
明用正面断面図である。
明用正面断面図である。
【図2】図1におけるB−B矢視断面図である。
【図3】加熱ローラを構成する発熱抵抗パターンの展開
図である。
図である。
10 加熱ローラ 11 金属基材 12 耐熱性絶縁膜 13 発熱抵抗膜 131,132 終端電極部 14 絶縁性保護膜 15 離型層 31,32 給電リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 弘人 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 秋山 和寛 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 渡海 博昭 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 藤井 洋治 岡山県岡山市南古都134−132 (72)発明者 南園 広志 岡山県岡山市鉄256−11 (72)発明者 井神 和生 岡山県備前市伊部1935−1−332 (72)発明者 村上 一成 岡山県赤磐郡山陽町桜が丘西9−19−14
Claims (4)
- 【請求項1】 円柱状外周面を有する金属基材と、この
金属基材の外周面を覆うよう形成された耐熱性絶縁膜
と、この耐熱性絶縁膜上に設けられた、通電によって発
熱する発熱抵抗膜と、この発熱抵抗膜を覆うよう形成さ
れた絶縁性保護膜とを有してなり、 前記耐熱性絶縁膜および前記絶縁性保護膜の少なくとも
いずれか一方は、無機物質粉体が分散されたオルガノポ
リシロキサン樹脂よりなることを特徴とする加熱ロー
ラ。 - 【請求項2】 耐熱性絶縁膜および絶縁性保護膜の少な
くともいずれか一方は、無機物質粉体が分散されたオル
ガノポリシロキサンワニスよりなる膜形成用塗布組成物
が硬化して形成された塗膜よりなるものである請求項1
に記載の加熱ローラ。 - 【請求項3】 前記オルガノポリシロキサンワニスは、
アルコキシシランと、反応性水酸基含有オルガノポリシ
ロキサンとの部分共加水分解生成物を含有してなるもの
である請求項2に記載の加熱ローラ。 - 【請求項4】 前記オルガノポリシロキサンワニスは、
請求項3に記載の部分共加水分解生成物に、金属アルコ
キシドを複合化させ、更にエポキシ基含有シランカップ
リング剤と硬化触媒とを添加して得られるものである請
求項3に記載の加熱ローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34573296A JPH10142992A (ja) | 1996-09-12 | 1996-12-25 | 加熱ローラ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-241498 | 1996-09-12 | ||
JP24149896 | 1996-09-12 | ||
JP34573296A JPH10142992A (ja) | 1996-09-12 | 1996-12-25 | 加熱ローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10142992A true JPH10142992A (ja) | 1998-05-29 |
Family
ID=26535291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34573296A Withdrawn JPH10142992A (ja) | 1996-09-12 | 1996-12-25 | 加熱ローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10142992A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001305899A (ja) * | 2000-04-26 | 2001-11-02 | Ricoh Co Ltd | 加熱ローラ |
JP2003251808A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-09-09 | Canon Inc | インクジェット記録ヘッドの流路構成部材及びインクジェット記録ヘッドの製造方法 |
JP2012165009A (ja) * | 2012-04-25 | 2012-08-30 | Ishida Yukio | 配線板の製造法および配線板 |
CN118085808A (zh) * | 2024-03-19 | 2024-05-28 | 佛山市元通胶粘实业有限公司 | 一种耐高温硅酮胶及其制备方法 |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP34573296A patent/JPH10142992A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001305899A (ja) * | 2000-04-26 | 2001-11-02 | Ricoh Co Ltd | 加熱ローラ |
JP2003251808A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-09-09 | Canon Inc | インクジェット記録ヘッドの流路構成部材及びインクジェット記録ヘッドの製造方法 |
JP2012165009A (ja) * | 2012-04-25 | 2012-08-30 | Ishida Yukio | 配線板の製造法および配線板 |
CN118085808A (zh) * | 2024-03-19 | 2024-05-28 | 佛山市元通胶粘实业有限公司 | 一种耐高温硅酮胶及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040302 |