JPH10141828A - 車載用保冷庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッテリ着脱の作業性が向上するとともに運
搬車両への搭載位置及び搭載方向の自由度が高く物品収
容能率を上げることができる車載用保冷庫の提供する。 【解決手段】 バッテリ室５の側面にバッテリ室側面扉
５ａを設けるとともにバッテリ室５の前面にバッテリ室
前面扉５ｂを設けたため、バッテリ室５の側方及び前方
からバッテリ１０の着脱作業を行うことができる。ま
た、バッテリ１０のバッテリ室５への固定手段としてバ
ッテリ固定ベルト４ａ及び４ｂ、締め具１５、フック１
３を用いているので、締め具１５の操作部１５ａを操作
することにより容易にバッテリの着脱作業を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、保冷が必要な生鮮
食料品、医薬品等を収容し、トラック等の運搬車両で搬
送される保冷庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の車載用保冷庫として、本
願出願人は特願平８−１０１５３５号に記載された車載
用保冷庫を提案した。

【０００３】この車載用保冷庫は、保冷庫本体内の物品
を保冷する冷却装置の駆動源としてバッテリを用い、該
バッテリを着脱自在に設置し、さらに、前記バッテリを
収容するバッテリ室を保冷庫本体の側壁外面の下部に配
置した構造となっている。この車載用保冷庫によれば、
搬送時間が長時間にわたるときはバッテリを交換しなが
ら配送することができるため、長時間配送が可能にな
る。また、バッテリ室が下位にあるため、重量の重いバ
ッテリを容易に交換でき作業性が向上する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の車
載用保冷庫では、バッテリ室開閉扉（バッテリの出し入
れ用の扉）がバッテリ室側面にのみ設けられているた
め、該車載用保冷庫を運搬車両に搭載する際に、前記バ
ッテリ室開閉扉の側方の空間を該扉の開閉及びバッテリ
着脱作業に十分なだけ確保できない場合があり、かかる
場合バッテリ着脱の作業性が悪くなるという難点があ
る。また、バッテリ室開閉扉がバッテリ室側面にのみ設
けられているため、車載用保冷庫の運搬車両への搭載位
置及び搭載方向が限定され運搬車両の物品収容能率を高
めるのが困難であるという難点がある。

【０００５】さらに、前記従来の車載用保冷庫では、バ
ッテリを着脱するためには、蝶ネジ及び取付棒を操作
し、また、バッテリに固定枠を着脱する必要があり、作
業性が悪いという難点がある。

【０００６】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、バッテリ着脱の作業性が
向上するとともに運搬車両への搭載位置及び搭載方向の
自由度が高く物品収容能率を上げることができる車載用
保冷庫を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、保冷庫本体内の物品を保冷する冷却装置
の駆動源としてバッテリを用いている車載用保冷庫にお
いて、保冷庫本体の側壁外面には、バッテリを収容する
バッテリ室を配置するとともに、該バッテリ室側面及び
前面にはバッテリ出し入れ用の扉を配置し、該バッテリ
室床面には、締め具を用いて長さ調整が可能で一端をバ
ッテリ室床面に引っ掛け自在に掛止したバッテリ固定ベ
ルトを配置し、該バッテリ固定ベルト及び締め具により
バッテリ室床面にバッテリを緊締配置した、ことをその
特徴とする。

【０００８】この発明によれば、バッテリ室側面及び前
面に設けられたバッテリ出し入れ用の扉即ちバッテリ室
側面扉及びバッテリ室前面扉を開閉することにより、バ
ッテリ室側方或いは前方からバッテリをバッテリ室内に
出し入れすることができる。

【０００９】また、バッテリ固定ベルトの締め具を操作
し該バッテリ固定ベルトの長さを調整することにより、
該バッテリ固定ベルトとバッテリ室床面に配置されたバ
ッテリを緊締固定することができる。

【００１０】さらに、バッテリ固定ベルトの一端がバッ
テリ室床面に引っ掛け自在に掛止しているので、バッテ
リ固定ベルトの一端をバッテリ室床面から着脱すること
ができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１乃至図５は本発明に係る保冷
庫の一実施形態を示すもので、図１は保冷庫及び保冷庫
の積載状態を示す斜視図、図２は保冷庫の斜視図、図３
は保冷庫の保冷庫本体を断面で表した正面図、図４は保
冷庫のバッテリ室を一部切り欠いて表した側面図、図５
は運搬車両として小型車両を用いた場合の保冷庫の積載
状態を示す側面図である。

【００１２】この保冷庫１は、図１に示すように、トラ
ック２の荷台に積み込み配送されるもので、直方体形状
に形成され、その長手方向長さが１１００ｍｍ、幅方向
長さが６００ｍｍ、高さ方向長さが７００ｍｍで、全体
に小型のものとなっている。また、この保冷庫１は断熱
壁で構成された保冷庫本体３と、この保冷庫本体３の側
壁３ａの外面に配置された機械室４及びバッテリ室５を
有し、この機械室４を上位に、バッテリ室５を下位に配
置している。この保冷庫本体３は上面が断熱性の蓋体６
で開閉され物品の収納及び取り出しをこの上面開口を通
じて行う。また、保冷庫本体３の底壁３ｂには排水パイ
プ７が連結し、庫内の凝縮水を外に排出する。更に、こ
の保冷庫本体３の内壁面寄りには簀の子８が配置され、
庫内に収納される物品と内壁面との接触を防止し、物品
の過冷却及び内壁面への張り付きを防止している。

【００１３】この保冷庫本体３の側壁３ａの外面には冷
却装置の構成部品であるパイプオンシートタイプの蒸発
器９ａを巻回する一方、この機械室４には同じく、図４
に示すように、冷却装置の構成部品である圧縮機９ｂ、
凝縮器９ｃ及び凝縮器用ファン９ｄが配置されている。
このような冷却装置により、圧縮機９ｂ→凝縮器９ｃ→
図示しない膨張弁→蒸発器９ａ→圧縮機９ｂと冷媒が順
次循環し、保冷庫本体３内を保冷するようになってい
る。なお、この圧縮機９ｂ及び凝縮器用ファン９ｄは後
述する駆動電源がバッテリ１０であることに鑑み、直流
モータを内蔵したもの、或いは、バッテリ１０からの直
流電流をインバータで交流変換し、この変換された交流
電流で駆動する交流モータを内蔵するものとなってい
る。

【００１４】バッテリ室５には圧縮機９ｂ、凝縮器用フ
ァン９ｄ等の駆動電源である充電式のバッテリ１０が設
置されている。また、バッテリ室５の側面には、バッテ
リ出し入れ用のバッテリ室側面扉５ａを設け、該バッテ
リ室側面扉５ａの下縁を軸支して該バッテリ室側面扉５
ａを回動自在に形成している。また、バッテリ室５の前
面には、同じくバッテリ出し入れ用のバッテリ室前面扉
５ｂを設け、該バッテリ室前面扉５ｂの下縁を軸支して
該バッテリ室前面扉５ｂを回動自在に形成している。こ
れにより、バッテリ室側面扉５ａ或いはバッテリ室前面
扉５ｂを開閉して、バッテリ室５の側方或いは前方のど
ちらからもバッテリ１０をバッテリ室５内に収容或いは
取り出すことができる。

【００１５】以下、このバッテリ１０の取付構造を図４
を参照して説明する。

【００１６】バッテリ１０は略直方体形状を呈している
もので、その上面には端子１０ａが設置されている。

【００１７】このバッテリ１０を支持する部材として、
図４に示すようにバッテリ室床面に固着された支持枠１
２及び１２’を用いている。この支持枠１２はバッテリ
１０の前方に、支持枠１２’はバッテリ１０の後方に配
置され、この支持枠１２及び１２’によりバッテリ１０
のがたつきを防止している。また、支持枠１２には掛止
部１２ａが設けられ後述するフック１３を掛止すること
ができる。

【００１８】このバッテリ１０を固定する部材としてバ
ッテリ固定ベルト１４ａ及び１４ｂ、フック１３、締め
具１５、ベルト固定具１６を用いている。フック１３は
バッテリ固定ベルト１４ａの一端に設けられ、支持枠１
２の掛止部１２ａに引っ掛け自在に掛止することができ
る。バッテリ固定ベルト１４ａの他端側は締め具１５に
通し該締め具１５を中心としてバッテリ固定ベルト１４
ａが折り返されるように配置されている。締め具１５に
は操作部１５ａが設けられ、この操作部１５ａを上方に
回動操作することによりバッテリ固定ベルト１４ａは弛
緩し、締め具１５とフック１３の間の長さを調整するこ
とができる。また、該操作部１５ａを下方に回動操作す
ることによりバッテリ固定ベルトの締め具１５とフック
１３の間の長さを固定することができる。

【００１９】ベルト固定具１６は、バッテリ１０の後方
の床面に固定配置されるとともに、バッテリ固定ベルト
１４ｂの一端が繋止されている。また、バッテリ固定ベ
ルト１４ｂの他端は前記締め具１５に繋止している。

【００２０】この構成によれば、バッテリ１０を固定す
るには、まず、バッテリ１０をバッテリ支持枠１２及び
１２’に対応するように配置する。次に、フック１３を
支持枠１２の掛止部１２ａに掛止したのち、締め具１５
の操作部１５ａを上方に回動操作しバッテリ固定ベルト
１４ａを弛緩させた状態で、バッテリ固定ベルト１４ａ
のフック１３が設けられていない一端を引っ張りバッテ
リ１０を緊締させる。最後に、締め具１５の操作部１５
ａを下方に回動操作しバッテリ固定ベルト１４ａを固定
することにより、バッテリ１０がバッテリ室内に緊締固
定される。また、バッテリ１０を取り外すにはこの逆を
行えばよい。

【００２１】なお、上記バッテリ１０の固定及び取り外
しの作業はバッテリ室５の側方及び前方のどちらからも
可能である。

【００２２】このように、本実施形態によれば、バッテ
リ１０を固定する手段としてバッテリ固定ベルト１４ａ
及び１４ｂ、締め具１５及びフック１３を用いているた
め、バッテリ１０の取り付け及び取り外しが容易であ
る。このため、バッテリ１０の交換の作業性を向上させ
ることができる。

【００２３】また、この保冷庫１は全体に小型のものと
なっており、図５に示すように、小型の運搬車両２’に
も積み込むことができる。ここで、このバッテリ室５が
保冷庫１の長手方向の側面に配置されているため、バッ
テリ室５のバッテリ室側面扉５ａ側の幅（６００ｍｍ）
が狭くなっている。これにより、図５に示すように、小
型の運搬車両２’で配送するとき、このバッテリ室側面
扉５ａ側を車両２’の扉２ａと対向させて積み込むこと
ができ、扉２ａを開けた状態で車外からバッテリ１０を
簡単に交換できるとともに、バッテリ室前面扉５ｂを開
閉することにより車内においてもバッテリ１０を簡単に
交換することができる。さらに、バッテリ１０をバッテ
リ室５の側方或いは前方から出し入れすることができる
ため、バッテリ着脱の作業性が向上するとともに運搬車
両２’への搭載位置及び搭載方向の自由度が高く物品収
容能率を上げることができる。このように、本実施形態
に係る保冷庫１は小型車両において特に有効なものとな
っている。

【００２４】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
バッテリ室の側方或いは前方からバッテリをバッテリ室
内に出し入れすることができるため、バッテリ着脱の作
業性が向上するとともに運搬車両への搭載位置及び搭載
方向の自由度が高く物品収容能率を上げることができ
る。また、バッテリ固定ベルトの長さを調整することに
よりバッテリをバッテリ室床面に緊締固定することがで
き、さらに、バッテリ固定ベルトの一端を該バッテリ室
床面から着脱することができるため、バッテリ着脱の作
業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る保冷庫及び保冷庫の
積載状態を示す斜視図

【図２】本発明の一実施形態に係る保冷庫の斜視図

【図３】本発明の一実施形態に係る保冷庫の保冷庫本体
を断面で表した正面図

【図４】本発明の一実施形態に係る保冷庫のバッテリ室
を一部切り欠いて表した側面図

【図５】運搬車両として小型車両を用いた場合の本発明
の一実施形態に係る保冷庫の積載状態を示す側面図

【符号の説明】

１…保冷庫、３…保冷庫本体、３ａ…側壁、５…バッテ
リ室、５ａ…バッテリ室側方扉、５ｂ…バッテリ室前面
扉、１０…バッテリ、１４ａ，１４ｂ…バッテリ固定ベ
ルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 保冷庫本体内の物品を保冷する冷却装置
   の駆動源としてバッテリを用いている車載用保冷庫にお
   いて、 保冷庫本体の側壁外面には、バッテリを収容するバッテ
   リ室を配置するとともに、該バッテリ室側面及び前面に
   はバッテリ出し入れ用の扉を配置し、 該バッテリ室床面には、締め具を用いて長さ調整が可能
   で一端をバッテリ室床面に引っ掛け自在に掛止したバッ
   テリ固定ベルトを配置し、 該バッテリ固定ベルト及び締め具によりバッテリ室床面
   にバッテリを緊締配置した、 ことを特徴とする車載用保冷庫。