JPH10141492A - トルクコンバータのロックアップ制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのロックアップ制御装置

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JPH10141492A
JPH10141492A JP8294913A JP29491396A JPH10141492A JP H10141492 A JPH10141492 A JP H10141492A JP 8294913 A JP8294913 A JP 8294913A JP 29491396 A JP29491396 A JP 29491396A JP H10141492 A JPH10141492 A JP H10141492A
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pressure
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晃 渡辺
Kazutaka Adachi
和孝 安達
Takeshi Ito
健 伊藤
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    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/14Control of torque converter lock-up clutches
    • F16H61/143Control of torque converter lock-up clutches using electric control means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/14Inputs being a function of torque or torque demand
    • F16H59/18Inputs being a function of torque or torque demand dependent on the position of the accelerator pedal
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計者が希望する目標の伝達特性に、フィル
タを用いて差圧指令値を算出し、オーバーシュートを防
止し適切なロックアップ制御を実現する。 【解決手段】 トルクコンバータのロックアップ(L/
U)制御装置であって、L/Uクラッチの前後差圧を増
減圧するL/U増減圧指令を検知する手段、該L/U増
減圧指令の検知信号に基づきL/U目標前後差圧を設定
する手段、該L/U目標前後差圧を入力し、目標とする
動特性で該前後差圧を応答させるロックアップ前後差圧
フィルタによりL/U前後差圧指令値を算出する手段、
及びL/U前後差圧指令値に応じて該前後差圧を調整す
る手段を備える。L/Uクラッチの前後差圧を低下させ
る際に、L/U前後差圧フィルタを用いる構成とできる
ため、たとえL/Uの一気の減圧に際しても、オーバー
シュートがなく不用意にロックアップが解除されるのは
解消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機等に用
いられるトルクコンバータにおけるロックアップ制御装
置に関するものであり、より詳しくは、トルクコンバー
タ入出力要素間の締結圧を設計者の希望する動特性で変
化させることを可能とするトルクコンバータのロックア
ップ締結圧の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種トルクコンバータのロック
アップ制御としては、例えば特開平8−21526号公
報(文献1)に示されるものがある。自動変速機は、そ
の伝動系に挿入したトルクコンバータを、所要のロック
アップ領域での車両運転状態のもとでは、トルクコンバ
ータ入出力要素間が直結されたロックアップ状態にし得
るようにしたロックアップ式のものに切り換えられる傾
向にあるが、上記提案では、このようなロックアップ式
の自動変速機において、ロックアップの締結解除を小さ
な応答遅れで速やかに行わせるロックアップ解除も可能
とするロックアップ制御技術が提供される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、入力要素の
回転を内部作動流体を介して出力要素へ伝達し、ロック
アップクラッチをその両側間の前後差圧により締結する
ことで、入出力要素を直結可能なトルクコンバータにお
いて、ロックアップ前後差圧の増減圧指令時、例えば減
圧指令時に、トルクコンバータのアプライ圧及びトルク
コンバータのリリース圧の差圧をロックアップ解除指令
瞬時に最大差圧から一気にロックアップ解除ショックに
関与しない初期差圧まで低下させ、その後に差圧を一定
の時間変化割合で最小差圧まで低下させると、これはロ
ックアップの減圧に際し有効なロックアップ解除技術と
なる。
【0004】しかしながら、ロックアップ系の油圧配管
等の油圧回路構成によっては、ロックアップ差圧の減衰
特性が悪く、後記でも参照する考察図10に示すよう
に、最大差圧から一気に初期差圧ΔPO まで低下させる
際、オーバーシュートが発生し、ロックアップ解除ショ
ックが発生する差圧になってしまう場合があるという問
題が生じる。本来、一気に短時間に低下させるよう変化
させたいのは、その所定の差圧ΔPO 状態までである
が、それをこえて低下するとき、その時点で不用意にロ
ックアップ解除がなされ、結果、ロックアップ解除ショ
ックの発生の要因となる。また、その一方、そうしたオ
ーバーシュートを避けるために、かかる初期差圧ΔPO
を高めに設定すると、所定時間内に最小差圧まで減圧で
きない問題が生じる。
【0005】本発明は、以上のような考察に基づき、ト
ルクコンバータ入出力要素間の締結圧を設計者の希望す
る動特性で変化させることを可能とするべく改良を加
え、設計者が希望する目標の伝達特性に、フィルタを用
いてロックアップ前後差圧指令値を算出することによ
り、上記問題を良好に解決することのできるトルクコン
バータのロックアップ制御装置を提供しようというもの
である。また、使用するマイクロコンピュータが演算能
力が低いものであっても、すなわち、マイクロコンピュ
ータの演算能力が低く、フィルタの計算が実現できない
場合であっても、同様の目的を達成し得るトルクコンバ
ータのロックアップ制御装置を提供しようというもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によって、以下の
トルクコンバータのロックアップ制御装置が提供され
る。すなわち、本発明によるトルクコンバータのロック
アップ制御装置は、図1に概念を示す如く、入力要素の
回転を内部作動流体を介して出力要素へ伝達し、ロック
アップクラッチを該クラッチの両側間の前後差圧により
締結することで、入出力要素を直結可能なトルクコンバ
ータにおいて、前記前後差圧を増減圧するロックアップ
増減圧指令を検知するロックアップ増減圧指令検知手段
と、該ロックアップ増減圧指令の検知信号に基づき、ロ
ックアップ目標前後差圧を設定するロックアップ目標前
後差圧設定手段と、該ロックアップ目標前後差圧を入力
し、目標とする動特性で該前後差圧を応答させるロック
アップ前後差圧フィルタによりロックアップ前後差圧指
令値を算出するロックアップ前後差圧指令演算手段と、
該ロックアップ前後差圧指令値に応じて該前後差圧を調
整するロックアップ前後差圧調整手段とを具備すること
を特徴とするものである。また、上記において、前後差
圧の目標応答を表したローパスフィルタに、ロックアッ
プ前後差圧指令値を入力としロックアップ前後差圧を出
力とする前記ロックアップ前後差圧調整手段の伝達特性
を近似したローパスフィルタの逆系を掛け合わせたフィ
ルタを、ロックアップ前後差圧フィルタとしたことを特
徴とするものである。
【0007】また、ロックアップ目標前後差圧設定手段
として、ロックアップ増減圧指令の検知信号に基づき、
予め設定した変化波形に従いロックアップ目標前後差圧
を演算するロックアップ目標前後差圧設定手段を具備
し、該ロックアップ目標前後差圧設定値を単位量変化さ
せ該ロックアップ前後差圧フィルタに入力したときのロ
ックアップ前後差圧指令値を所定の設定時間毎に記憶し
ているロックアップ前後差圧基準指令値記憶手段を具備
し、該ロックアップ前後差圧基準指令値記憶手段から記
憶順序に従いそのロックアップ前後差圧基準指令値を取
り出し、該指令値と該ロックアップ目標前後差圧設定値
とを掛け合わせることにより、ロックアップ前後差圧指
令値を算出するロックアップ前後差圧指令演算手段を、
前記ロックアップ前後差圧指令演算手段に代えて具備す
ることを特徴とするものである。
【0008】また、ロックアップ前後差圧指令演算手段
の減圧または増圧波形は、ステップ状波形に限定したこ
とを特徴とするものである。また、ロックアップ系伝達
関数を2次の伝達関数で近似し、ロックアップ前後差圧
指令演算手段のロックアップ前後差圧フィルタは、該ロ
ックアップ系伝達関数の減衰特性を示す粘性定数よりも
設計者が期待する動特性から算出される伝達関数の粘性
定数の方が大きいことを特徴とするものである。また、
ロックアップ前後差圧基準指令値記憶手段の所定の設定
時間は、ロックアップ前後差圧指令演算手段のロックア
ップ前後差圧指令値の演算周期であることを特徴とする
ものである。
【0009】
【発明の効果】トルクコンバータは、入力要素の回転を
内部作動流体を介して出力要素へ伝達し、また、ロック
アップクラッチを該クラッチの両側間の前後差圧により
締結することで入出力要素を直結可能にする。ここで、
かかるロックアップクラッチの前後差圧の制御に際し、
本発明の請求項1記載の如くのロックアップ制御装置と
すれば、たとえロックアップクラッチの前後差圧を低下
させる際でも、そのロックアップ目標前後差圧を入力と
し、目標とする動特性で該前後差圧を応答させるロック
アップ前後差圧フィルタを用いる構成にしたので、これ
により、ロックアップの減圧に際して、前記で考察した
ようなオーバーシュートがないため不用意にロックアッ
プが解除されるという問題を良好に解消することができ
る。
【0010】したがって、前述のロックアップ解除方法
に適用して好適で、本発明非採用の場合なら、ロックア
ップ系の油圧配管等の油圧回路構成によっては、単にか
かるロックアップ解除方法を用いてもロックアップ解除
ショックが発生する差圧になるなどの事態が生ずるのに
対し、本発明によれば、これを確実に回避し得るととも
に、同時に、そうしたオーバーシュートを避けんがた
め、例えば既述の如く初期差圧を高めに設定するとした
場合に生ずるであろう不利も招かず、これらの両立を図
りつつ適切なロックアップ解除制御も実現できる。
【0011】この場合、好ましくは、本発明の請求項2
記載の構成とすると、ロックアップ締結圧のステップ応
答実験等から求めた伝達特性と、設計者が希望する伝達
特性より決定された特性の逆フィルタを用いて差圧指令
値を算出することができ、これにより上記の両立を実現
できるとともに、ロックアップ前後差圧フィルタをデジ
タルフィルタで構成して、本発明は好適に実施でき、十
分な演算能力のマイクロコンピュータを用いる場合の有
用な手段となるなどの効果が更に得られる。
【0012】また、本発明は、請求項3記載の如くの構
成として、好適に実施でき、上記とは異なる手段ながら
も、同様の目的を実現することを可能ならしめる。前者
の態様にあっては、上記したように必要な演算能力のマ
イクロコンピュータをコントローラに用いる場合の態様
として好適であるが、もし、適用するマイクロコンピュ
ータの演算能力が低くて、フィルタの計算が実現できな
いような場合は、かかる後者の態様は有用であって、ロ
ックアップ前後差圧フィルタの入力波形を規制し、ロッ
クアップ前後差圧フィルタをマップとして構成可能で、
安価なコントローラでオーバーシュート除去機能を実現
でき、実用上大いに有効である。よって、フィルタの入
力波形を規定することで、予め出力波形を計算しコント
ローラの記憶装置に格納しておき、入力と記憶値の簡単
な演算によりロックアップ前後差圧指令値を求める態様
でも本発明ロックアップ制御装置は実現でき、これでも
同様な効果が得られる。
【0013】この場合、好ましくは、本発明の請求項4
記載の如くの態様で本発明は実施でき、このようにする
と、ロックアップ制御において、ロックアップ前後差圧
を一気に所定圧まで変化させるような用途を対象とする
場合、特にロックアップ解除ショックに関与しない初期
差圧まで一気に短時間で低下させるようなロックアップ
解除方式を採用しているロックアップ制御に本発明を導
入するとき、これにより適合したものとなり、この点で
効果的なものとなる。
【0014】また、本発明の請求項5記載の如くの態様
で、本発明は好適に実施でき、このようにすると、例え
ば上記の如き一気に短時間で低下させるようなロックア
ップ解除方式に本発明を適用する場合に、ロックアップ
差圧の減衰特性の改善を容易に図ることもできる。
【0015】また、本発明の請求項6記載の如くの構成
として、本発明は好適に実施できる。この場合にあって
は、ロックアップ前後差圧指令値の演算周期をも考慮
し、そのロックアップ前後差圧基準指令値記憶手段の記
憶時のサンプリングを該演算周期に対応させることがで
き、このようにすると、制御時に得るべきロックアップ
前後差圧指令値の演算周期に合わせて予め差圧基準値指
令値を記憶させておいたものを、演算時に演算周期毎に
読み出して適用していくことができる結果、その分、ロ
ックアップ前後差圧指令値の算出は正確で精度の良いも
のとなり、安価、簡易な方法であるにもかかわらず、よ
りきめ細かく制御し得て一層効果的なものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図2は、本発明によるトルクコンバ
ータのロックアップ制御装置を例示するシステム図であ
る。図中、1は無段変速機を含む自動変速機等の伝動系
に挿入されたトルクコンバータを示し、該トルクコンバ
ータ1は、車両に搭載のエンジン(不図示)からの動力
を入力され、内部作動流体としての作動油を介して入出
力要素間での動力伝達を行うものである。トルクコンバ
ータ1は、更に、トルクコンバータ出力要素と共に回転
するロックアップクラッチ2を内蔵し、このロックアッ
プクラッチ2は、トルクコンバータ入力要素に締結され
るとき、トルクコンバータ1を入出力要素間が直結され
たロックアップ状態になし得るものとする。
【0017】ロックアップクラッチ2は、その両側にお
けるトルクコンバータアプライ圧P A 及びトルクコンバ
ータレリーズ圧PR (油圧)との差圧PA −PR に応動
し、レリーズ圧PR がアプライ圧PA よりも高いとロッ
クアップクラッチ2は開放されてトルクコンバータ入出
力要素間を直結せず、レリーズ圧PR がアプライ圧P A
よりも低くなる時ロックアップクラッチ2は締結されて
トルクコンバータ入出力要素間を直結するものとする。
そして、かかる締結に際しロックアップクラッチ2の締
結力、つまりロックアップ容量は、上記の差圧PA −P
R により決定し、この差圧が大きい程ロックアップクラ
ッチ2の締結力が増大してロックアップ容量を増大す
る。
【0018】差圧PA −PR は、周知のロックアップ制
御弁(油圧制御弁)3により制御し、このロックアップ
制御弁3には、アプライ圧PA 及びレリーズ圧PR を向
かい合わせに作用させ、更にアプライ圧PA と同方向に
ばね3aのばね力を、またレリーズ圧PR と同方向にば
ね力を作用させ、同時にレリーズ圧PR と同方向に信号
圧PS を夫々作用させる。ロックアップ制御弁3は、こ
れらによる力が釣り合うよう差圧PA −PR を決定する
が、差圧PA −PR と信号圧PS との関係の一例は、例
えば図3の差圧−信号圧特性(ロックアップ制御弁の動
作特性)に示す通りである。
【0019】ここで、信号圧PS は、ポンプ圧PP を元
圧としてロックアップソレノイド4がロックアップデュ
ーティDに応じて作り出すもので、コントローラ5は、
ロックアップソレノイド4を通じて差圧PA −PR を制
御する。
【0020】ロックアップ制御系は、ここでは、上記ロ
ックアップクラッチ2やロックアップ制御弁3、ロック
アップソレノイド4等の周辺油圧回路を含んで構成され
る。また、コントローラ5はマイクロコンピュータを利
用するものとし、そのハード構成としては、アナログ信
号をデジタル信号に変換する変換部を備える入力検出回
路と、中央演算処理回路(CPU)と、該演算処理回路
により実行されるロックアップ締結,解除制御の用に供
するプログラム及び本発明に従う後述のプログラム等の
制御プログラム、並びに演算結果その他の情報等を記憶
格納する記憶回路(ROM,RAM)と、ロックアップ
ソレノイド4に駆動用の制御信号を送出する出力回路等
を含んで、これを構成することができる。
【0021】コントローラ5には、トルクコンバータ1
の前段における図示しなかったエンジンの運転状態によ
り、コースト状態(惰性走行状態)でエンジンブレーキ
が働いていることを示すコーストスイッチ6からの信号
が入力される。該コーストスイッチ6は、エンジンブレ
ーキが働いている状態のときONとなり、その反対にド
ライブ状態となるとOFFするスイッチである。その
他、コントローラ5には、車両の走行状態やドライバー
の運転状況を示す信号、例えば、車体速度VSPやスロ
ットル開度TVOを示す信号などが入力される。
【0022】また、図中に機能ブロックとして主要機能
を表した如く、コントローラ5は、入力信号によりロッ
クアップ締結や解除を行うロックアップ締結部7と、本
発明に従うロックアップ締結圧制御の要部となる下記機
能を備えるロックアップ締結圧減圧部8を有する。ここ
に、ロックアップ締結部7とロックアップ締結減圧部8
との間でロックアップの締結状態を示すロックアップ容
量(信号データ)9を互いに通信している。
【0023】ロックアップ締結圧減圧部8は、コースト
スイッチ6からの入力情報及びロックアップ締結部7か
らの入力情報等を基に、図4及び図5のフローチャート
に基づいてロックアップ前後差圧の減圧制御を行う。図
4は、ロックアップ減圧プログラムのバックグランド
(メイン)ルーチンを示し、同図において、まず、ステ
ップS11では、今回ループがコースト開始のタイミン
グに当たるか否かをチェックする。具体的には、例えば
コーストスイッチ6からの信号がOFFから今回ONに
変わったかどうかでこれを監視でき、こうして、丁度車
両の走行状態がドライブからコースト状態へ変化した遷
移状態であることを検出する。そして、もし、ドライブ
からコースト状態へ変化した遷移状態である場合(ステ
ップS11の答がYesのとき)には、ステップS12
へ移行する。
【0024】ステップS11からステップS12へ処理
が進められたときは、本ステップS12では、ロックア
ップ締結状態のチェックを行う。その結果、もし、その
答がYesのとき、すなわち、締結状態である場合(完
全締結でなくても良い)には、ステップS13に進み、
コースト状態で必要なロックアップ目標差圧dPr の算
出を行う。そして、続くステップS14では、後述する
ロックアップ前後差圧フィルタの入力となるdPi に上
記ステップS13で算出したロックアップ目標差圧dP
r を代入する。よって、上記ステップS11→S12→
S13の順でプログラムが実行されるとき、かかるステ
ップS14の処理を経て、今回ループでの本メインルー
チンの処理は終了される。なお、ステップS12のチェ
ックの結果、答がNoの場合、上記ステップS13,S
14はスッキプされる。
【0025】また、上記ステップS11にて車両の走行
状態がドライブからコースト状態へ変化した遷移状態で
はないと判断される場合(ステップS11の答がNoの
とき)には、ステップS15側が選択され、更にこのス
テップS15で、現在コースト中であるかのチェック
(例えば、コーストスイッチ6からの信号が前回もON
で、かつ今回もONであるかどうかのチェック)を行
い、コースト中でない(ステップS15の答がNo)な
らば、ステップS16に移行する。ステップS16は、
コースト中でない場合、つまりドライブ状態のときの処
理で、後述する逆フィルタの内部変数をロックアップ締
結部7から得られるロックアップ容量9にて初期化する
(ロックアップ差圧指令値による逆フィルタの初期
化)。これは、ドライブ状態では、ロックアップ前後差
圧フィルタを動作させないためである。ステップS15
でコースト中(ステップS15の答がYes)と判断さ
れるフェーズは、ロックアップ前後差圧フィルタが動作
していることを示す。
【0026】次に、図5のフローチャートは、ロックア
ップ減圧プログラムのサブルーチンであって、ロックア
ップ前後差圧フィルタをデジタルフィルタで構成した場
合の例を示すものである。このプログラムは、所定時間
(ΔT)毎に実行される定時割り込み処理である。ここ
に、図4のフローチャートで示される処理でステップ状
に減圧されたロックアップ目標差圧dPi (ステップS
14)が、図5のロックアップ前後差圧フィルタの入力
となる。ロックアップ締結圧減圧部8では、基本的に、
トルクコンバータ入出力要素間の締結圧を設計者の希望
する動特性で変化させることを可能とすること狙ってお
り、そのため、ロックアップクラッチ2の前後差圧を低
下させる際に、フィルタを用いて差圧指令値を算出する
処理が行われる。
【0027】すなわち、ロックアップ目標差圧を入力
し、目標とする(設計者の希望する)動特性でロックア
ップ前後差圧(PA −PR )を応答させるロックアップ
前後差圧フィルタによりロックアップ差圧指令値を算出
するロックアップ差圧指令演算処理を含み(基本態
様)、更にこの場合において、そのロックアップ前後差
圧フィルタをデジタルフィルタで構成するときは、ロッ
クアップ前後差圧フィルタの定数a0 ,a1 ,a2
び、b1 ,b2 は、オーバーシュート(前記10図の
「オーバーシュート」)がなく、かつ急速に減圧すると
いう条件を満足するように試行錯誤的に算出される。好
適例での定数a0 ,a1 ,a2 及び、b1 ,b2 の算出
方法については後述する。
【0028】定時割り込みが掛かると、まず、図5のス
テップS17が実行される。ステップS17はロックア
ップ前後差圧フィルタの本体で、前記ロックアップ目標
差圧dPi を入力し差圧指令値dPo を算出する。ここ
に、好適例の場合、本フィルタはロックアップ締結圧の
ステップ応答実験等から求めた伝達特性と、設計者が希
望する伝達特性より決定された特性の逆フィルタであ
る。ステップS17の出力の差圧指令値dPo は、ステ
ップS18でロックアップデューティDに変換され、ス
テップS19においてロックアップソレノイド4にロッ
クアップデューティDを出力する。
【0029】本実施例においては、基本の態様では、図
4のステップS11,S12が、ロックアップ前後差圧
を減圧するロックアップ減圧指令を検知するロックアッ
プ減圧指令検知手段に、ステップS13,S14が、そ
のロックアップ減圧指令に基づきロックアップ目標前後
差圧を設定するロックアップ目標前後差圧設定手段に、
それぞれ相当し、また、図5のステップS17が上記逆
フィルタによるロックアップ前後差圧指令演算手段に相
当し、そのロックアップ前後差圧指令値に応じてロック
アップクラッチ2の前後差圧を調整するロックアップ前
後差圧調整手段がステップS18,S19を含んで構成
される。
【0030】ここで、好適例による方法における逆フィ
ルタの算出方法について述べる。なお、好適例の一つ
は、ロックアップ前後差圧フィルタとして、前後差圧の
目標応答を表したローパスフィルタに、ロックアップ前
後差圧調整手段の伝達特性(動特性)を近似したローパ
スフィルタの逆系を掛け合わせたフィルタとするもので
あり(第1の態様)、また、他の一つは、かかる場合に
おいて、ロックアップ系伝達関数を2次の伝達関数で近
似し、ロックアップ前後差圧フィルタは、該ロックアッ
プ系伝達関数の減衰特性を示す粘性定数よりも設計者が
期待する動特性から算出される伝達関数の粘性定数の方
が大きいものとなすものである(第2の態様)。まず、
ロックアップ差圧指令値に対するロックアップ前後差圧
の特性をステップ応答実験によって予め同定したロック
アップ前後差圧の動特性の逆系と、設計者が希望する動
特性からフィルタを構成する。つまり、ロックアップ前
後差圧の動特性GPL(s)は、ステップ応答実験から次
のように2次系で近似できる。
【0031】
【数1】
【0032】そして、オーバーシュートを生じさせない
ための逆フィルタを構成するためには、ロックアップ前
後差圧の動特性がこの実施例では、2次遅れ系であるの
で、設計者が希望する動特性GRL(s)は、次式で表わ
される2次遅れ系とした。
【0033】
【数2】
【0034】したがって、ロックアップ前後差圧のオー
バーシュートを防止する逆フィルタの動特性GL (s)
は、下式で表わされる。
【0035】
【数3】
【0036】また、希望する動特性の減衰率ζRLの決定
方法は、上記第2の態様によるロックアップ制御装置と
する場合では、2次系で近似したロックアップ前後差圧
の動特性における上記ロックアップ前後差圧の減衰率ζ
PLとの間で、ロックアップ系伝達関数の減衰特性を示す
粘性定数よりも、設計者が期待する動特性から算出され
る伝達関数の粘性定数の方が大きくなるよう、下式の条
件に合うよう選べばよい。本実施例装置では、そうする
ものとする。
【数4】 ζRL>ζPL ‥‥‥(4)
【0037】ところで、上記逆フィルタは連続時間系で
表わしたものであるので、これをデジタルコントローラ
で実現するためには、zパラメータを用いて離散化しな
ければならない。GL(s)を連続時間系から離散時間
系でGL(z)とすると下式のようになる。
【0038】
【数5】
【0039】よって、図5のプログラム例では、ステッ
プS17において、ロックアップ目標差圧に基づき、G
L (z)・dPi により差圧指令値が算出され、ロックア
ップ解除に際し、該差圧指令値に応じてロックアップ前
後差圧の調整がされることとなる。
【0040】以上のように、本実施例でのトルクコンバ
ータ2のロックアップ制御装置は、前述した基本態様、
並びにその好適例の第1及び第2の態様の如く、ロック
アップクラッチ2の前後差圧(PA −PR )を低下させ
る際に、ロックアップ前後差圧フィルタを用いる構成に
した。これにより、ロックアップの減圧に際して、図1
0のようにはオーバーシュートがないため不用意にロッ
クアップが解除されるという問題を良好に解消すること
ができる。
【0041】したがって、たとえ、トルクコンバータ2
のアプライ圧PA 及びリリース圧P R の差圧PA −PR
をロックアップ解除指令瞬時に最大差圧から一気にロッ
クアップ解除ショックに関与しない初期差圧まで短時間
で低下させ、その後に差圧P A −PR を一定の時間変化
割合で最小差圧まで低下させるといったロックアップ解
除を採用する場合であっても、適用するロックアップ制
御系の油圧配管等の油圧回路構成によらずに、ロックア
ップ解除ショックが発生する差圧になるなどの既述の事
態は、これを確実に回避し得るとともに、他方、そうし
た事態を避けんがためその初期差圧を高めに設定すると
した場合に生ずるであろう不利、すなわち所定時間内に
最小差圧まで減圧しにくくなるなどの不利も招かず、こ
れらの両立を図りつつ適切なロックアップ解除を実現で
きる。
【0042】また、好適例の第1の態様の場合は、ロッ
クアップ締結圧のステップ応答実験等から求めた伝達特
性と、設計者が希望する伝達特性より決定された特性の
逆フィルタを用いて差圧指令値を算出することができ、
これにより上記の両立を実現できる。また、ロックアッ
プ前後差圧フィルタをデジタルフィルタで構成して実施
できる。更に、十分な演算能力のマイクロコンピュータ
をコントローラ5に用いる場合の有用な手段となるなど
の作用効果が更に得られる。また、好適例の第2の態様
のようにすると、たとえ上記の如き一気に短時間で低下
させるようなロックアップ解除方式に適用する場合で
も、ロックアップ差圧の減衰特性の改善を容易に図るこ
とができる作用効果が更に得られる。
【0043】次に、本発明の他の実施例(第2実施例)
について、図6以下を参照して説明する。本例は、前記
実施例(第1実施例)とは異なる手段ながらも、同様の
狙いを達成するもので、例えば、マイクロコンピュータ
の演算能力が低く、フィルタの計算が実現できない場合
は、フィルタの入力波形を規定することで、予め出力波
形を計算し記憶装置に格納しておき、入力と記憶値の簡
単な演算により差圧指令値を求める方法でも同様な効果
が得られる(第2実施例の基本態様)。また、この場合
において、好ましくは、入力波形(減圧または増圧波
形)はステップ状波形とする(好適例の第1の態様)。
【0044】図6は、本実施例においてコントローラが
実行するバックグランド(メイン)ルーチン、図7はΔ
T毎の定時割り込み(サブ)ルーチンのそれぞれの一例
のフローチャートである。なお、システム構成(図2)
の基本等については、第1実施例と同一である。
【0045】以下、図6,7に基づき、要部を説明する
に、本実施例では、ロックアップ前後差圧フィルタの入
力波形をステップ状信号に限定し、前記フィルタの構成
をマップ引きによるシーケンス制御としたものである。
図6において、まず、ステップS101とステップS1
02は、第1実施例のステップS11とステップS12
と同一である。これらステップでロックアップ減圧指令
が検知されると、既に図7に示されるロックアップ前後
差圧フィルタプログラムが動作しているかのチェックが
次のステップS103で行われる。その内容について
は、ロックアップ前後差圧フィルタシーケンスカウンタ
IFCNT値が0であるかどうかを監視することにより
行うものとする。ここに、該シーケンスカウンタは、後
述のステップS105で値IFCNTMAX にセットされ
るとともに、ステップS106でのIFCNT>0によ
るチェック、及びステップS107実行毎(ΔT毎)に
デクリメントされるダウンカウンタである。ここで、現
在ロックアップ前後差圧フィルタが動作していないと判
断される場合(ロックアップ前後差圧フィルタシーケン
スカウンタIFCNT=0の場合)、第1実施例のステ
ップS13と同一のステップS104にて現在のロック
アップの前後差圧の減圧量、つまりロックアップ目標差
圧(目標差圧変化量DLT)を算出する。
【0046】そして、ステップS105にて、ロックア
ップ前後差圧フィルタシーケンスカウンタIFCNTを
IFCNT=IFCNTMAX とすることにより、ロック
アップ前後差圧フィルタを起動する。ここで、IFCN
MAX は、下記に逆フィルタのゲインマップとして例示
するマップのステップ数の最大値であって、本実施例で
は最大ステップIFCNTMAX 、差圧指令値の演算周期
に対応するステップ間隔ΔTで、一回の減圧にIFCN
MAX ×ΔTの時間を要する。
【0047】図8に示すマップは、本実施例のロックア
ップ前後差圧フィルタのマップを示す。そのマップデー
タは、基本的には、フィルタ入力を単位量変化させロッ
クアップ前後差圧フィルタに入力したとしたときのロッ
クアップ前後差圧指令値(出力)を差圧基準指令値デー
タとして所定時間毎に記憶させておいた記憶値であり、
制御時における差圧指令値算出の際、後記(6)式の如
き計算を実行するため、取り出して使用するのに用いら
れる。ここに、好ましくは、その記憶のための上記所定
時間の設定は、その差圧指令値の演算周期に対応させた
間隔、したがってΔT毎とするのがよい(好適例の第2
の態様)。図8中では、逆フィルタの出力としてのIF
Tがロックアップ前後差圧基準指令値に相当し、かかる
データは、これを制御開始時からの前記フィルタシーケ
ンスカウンタによる時間間隔(ΔT間隔)に対応させて
コントローラ5の記憶回路中の記憶部にマップとして予
め記憶、格納しておくことができる。本ロックアップ前
後差圧フィルタのマップの導出は、好適例の第1の態様
による装置では、前記式(3)または、式(5)の時刻
0で入力0から1となるステップ応答をサンプリング
(ΔT)毎に算出すればよい。そして、これを上記マッ
プデータとして記憶、格納しておけばよい。以上が図6
に示されるフローチャートの説明である。
【0048】次に、前記フィルタが起動されると、図7
のステップS106で前記フィルタの起動チェックによ
りステップS107以下に移行する。前記フィルタ処理
が未起動もしくは完了した場合は、IFCNT=0とな
り、処理は行われない。本プログラム例では、以下のス
テップS107〜S109までが前記フィルタ本体で、
ステップS110〜S111が、第1実施例と同様のロ
ックアップ前後差圧調整手段に相当する。ここに、前記
フィルタ本体では、まず、前記フィルタシーケンスカウ
ンタIFCNTがIFCNT−1によりデクリメントさ
れる。前記フィルタシーケンスカウンタIFCNTは、
時刻を示し、前記フィルタの動作の状況を示すものであ
る。ステップS108では、前記フィルタのゲインマッ
プIFTを前記フィルタシーケンスカウンタIFCNT
によって、IFCNTMAX−IFCNTをインデックス
としてマップ引きを行い、現在の時刻IFCNTにおけ
る前記フィルタのゲインIFT(IFCNTMAX −IF
CNT)を得る。
【0049】ステップS108中に例示したケースで
は、IFCNTMAX を32とし、「32−IFCNT」
をインデックスとしてこれに対応するゲインIFT(3
2−IFCNT)を得ている状態が示されており、こう
して、ステップS106でIFCNT=0が成立するま
で、逐次、ステップS108実行の都度、マップから記
憶順序に従いロックアップ前後差圧基準指令値としての
ゲインIFT(32−IFCNT)を読み出すことにな
る(ここに、読み出されるデータが、最終的に得るべき
制御信号と対応するものとなる(図9中のロックアップ
デューティD波形参照))。
【0050】しかして、本プログラム例では、次のステ
ップS109にて、変化前の前後差圧指令値、すなわち
ここでは減圧する前の前後差圧指令値DP(OLD)に
対して、ステップS108で求めたゲインIFT(IF
CNTMAX −IFCNT)と前記ステップS104で求
めたロックアップ目標減圧量DLT(目標差圧変化量)
により下式のように差圧指令値DPを算出する。
【0051】
【数6】 DP=DLT・IFT(IFCNTMAX −IFCNT)+DP(OLD) ‥‥‥(6) ただし、 DP;前後差圧指令値 DLT;目標差圧変化量(減圧の時<0,増圧の時>
0) IFT;ロックアップ前後差圧フィルタゲインマップ
(本実施例では、全ステップ数がIFCNTMAX ステッ
プ) IFCNT;ロックアップ前後差圧フィルタシーケンス
カウンタ DP(OLD);変化前の前後差圧指令値
【0052】このようにして、ステップS107〜S1
09によると、ゲインマップから読み出した記憶データ
IFT(IFCNTMAX −IFCNT)とロックアップ
目標差圧変化量DLTとを掛け合わせ、ロックアップ前
後差圧指令値DPを算出することができ、したがって、
第1実施例のステップS17の処理に代え、フィルタの
入力波形を規定し、予め出力波形を計算しコントローラ
5の記憶部に格納しておき、入力と記憶値の簡単な演算
で差圧指令値を求めることができる。
【0053】そして、以上で算出された前後差圧指令値
を第1実施例と同様、本実施例におても、ステップS1
10でロックアップデューティDに変換し、ステップS
111でロックアップソレノイド4に出力するロックア
ップデューティD出力処理を実行すればよい。
【0054】かくして本実施例(第2実施例)によるト
ルクコンバータのロックアップ制御装置は、前述した基
本態様、並びにその好適例の第1及び第2の態様の如
く、ロックアップ前後差圧フィルタの入力をステップ状
波形に制限し、ロックアップ前後差圧フィルタをマップ
として構成したから、この方式でも、第1実施例と同様
の効果が得られるほか、安価なコントローラ(5)でオ
ーバーシュート除去機能を実現でき、実用上大いに有効
である。
【0055】図9は、本実施例による効果を示すデータ
の一例である。先に触れた図10のデータは、かかる図
9と対比比較するためのもので、従来の制御方法(ロッ
クアップ前後差圧フィルタ無し、ステップ応答)によっ
たとした場合の油圧波形である。この図10の場合で
は、ロックアップ前後差圧を、図示のような出力ロック
アップデューティDでロックアップ解除指令瞬時に一気
に所要の初期差圧ΔPO まで低下させる際、オーバーシ
ュートが発生し、結果、ロックアップが解除されるのに
対し、図9の油圧波形の場合は、前記図6,7のプログ
ラムによる処理に基づく図9図示のロックアップデュー
ティDの出力により、図10のようなオーバーシュート
は生じないことが分かり、よってロックアップ解除が不
用意にされることもなく、この点からでも本制御は効果
的である。
【0056】したがって、図9の場合は、ロックアップ
前後差圧PA −PR をロックアップ解除指令瞬時に最大
差圧から一気にロックアップ解除ショックに関与しない
初期差圧ΔPO まで低下させて、その後に差圧PA −P
R を一定の時間変化割合で最小差圧まで低下させるよう
なロックアップ解除方式を採用するときでも、第1実施
例同様、十分にその本来の機能を損なわずに、それに適
用できることも分かる。そして、本実施例の場合は、第
1実施例と比較していえば、使用するマイクロコンピュ
ータの演算能力が低くてフィルタの計算が実現できない
場合でも、すなわち、たとえそうしたマイクロコンピュ
ータをコントローラ5に用いる場合であっても、上記マ
ップと簡易な計算でかかるロックアップ解除方式に適用
して同じオーバーシュート除去機能を簡易に実現できる
利点もある。
【0057】また、好適例の第1の態様の如くにステッ
プ状波形に限定すると、上記のように、一気に所定圧ま
で変化させるような用途を対象とする場合、特にロック
アップ解除ショックに関与しない初期差圧ΔPO まで一
気に短時間で低下させるようなロックアップ解除方式を
採用しているロックアップ制御に本実施例を導入すると
き、より適合したものとなるので、この点で効果的であ
る。また、好適例の第2の態様のように、ロックアップ
前後差圧指令値の演算周期をも考慮し、マップ記憶時の
サンプリングをΔT毎として該演算周期に対応させるよ
うにすると、制御時に得るべき差圧指令値の演算周期に
合わせて予め差圧基準値指令値を記憶させておいたもの
を、演算時に演算周期毎に読み出して適用していくこと
ができる結果、その分、差圧指令値の算出は正確で精度
の高い良いものとなり、安価、簡易な方法であるにもか
かわらず、よりきめ細かく制御し得て一層効果的であ
る。
【0058】なお、本実施例でも、既述したように、ロ
ックアップ前後差圧フィルタのマップの導出にあたり、
前記式(3)または式(5)を適用する場合に、その希
望する動特性の減衰率ζRLについて、前記式(4)の条
件に合うよう選ぶことにより、ロックアップ系伝達関数
の減衰特性を示す粘性定数よりも、設計者が期待する動
特性から算出される伝達関数の粘性定数の方が大きいも
のとし、これを基にその応答データを所定時間毎に算出
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトルクコンバータのロックアップ
制御装置を示す概念図である。
【図2】本発明の一実施例に係るトルクコンバータのロ
ックアップ制御装置を例示する制御システム図である。
【図3】同例におけるロックアップ制御弁の動作特性図
である。
【図4】同じく、同例において、コントローラが実行す
るロックアップ減圧プログラムのバックグランド(メイ
ン)ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】同じく、コントローラが実行するロックアップ
減圧プログラムの定時割り込み(サブ)ルーチンを示す
フローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例の要部を示すもので、コン
トローラが実行するロックアップ減圧プログラムのバッ
クグランド(メイン)ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図7】同例において、コントローラが実行するロック
アップ減圧プログラムの定時割り込み(サブ)ルーチン
を示すフローチャートである。
【図8】同じく、同例において適用できる、逆フィルタ
のゲインマップを例示する図である。
【図9】同じく、同例による制御内容の作用効果の説明
に供する、油圧波形等の特性を例示する図である。
【図10】図9と対比して示すための、従来のステップ
状の減圧方法による場合の特性、効果を例示する図であ
る。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 ロックアップクラッチ 3 ロックアップ制御弁 4 ロックアップソレノイド 5 コントローラ 6 コーストスイッチ 7 ロックアップ締結部 8 ロックアップ締結圧減圧部 9 ロックアップ容量信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力要素の回転を内部作動流体を介して
    出力要素へ伝達し、ロックアップクラッチを該クラッチ
    の両側間の前後差圧により締結することで、入出力要素
    を直結可能なトルクコンバータにおいて、 該前後差圧を増減圧するロックアップ増減圧指令を検知
    するロックアップ増減圧指令検知手段と、 該ロックアップ増減圧指令の検知信号に基づき、ロック
    アップ目標前後差圧を設定するロックアップ目標前後差
    圧設定手段と、 該ロックアップ目標前後差圧を入力し、目標とする動特
    性で該前後差圧を応答させるロックアップ前後差圧フィ
    ルタによりロックアップ前後差圧指令値を算出するロッ
    クアップ前後差圧指令演算手段と、 該ロックアップ前後差圧指令値に応じて該前後差圧を調
    整するロックアップ前後差圧調整手段とを具備すること
    を特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前後差圧の目標応答を表したローパスフィルタに、ロッ
    クアップ前後差圧指令値を入力としロックアップ前後差
    圧を出力とする前記ロックアップ前後差圧調整手段の伝
    達特性を近似したローパスフィルタの逆系を掛け合わせ
    たフィルタを、ロックアップ前後差圧フィルタとしたこ
    とを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 ロックアップ目標前後差圧設定手段とし
    て、ロックアップ増減圧指令の検知信号に基づき、予め
    設定した変化波形に従いロックアップ目標前後差圧を演
    算するロックアップ目標前後差圧設定手段を具備し、 該ロックアップ目標前後差圧設定値を単位量変化させ該
    ロックアップ前後差圧フィルタに入力したときのロック
    アップ前後差圧指令値を所定の設定時間毎に記憶してい
    るロックアップ前後差圧基準指令値記憶手段を具備し、 該ロックアップ前後差圧基準指令値記憶手段から記憶順
    序に従いそのロックアップ前後差圧基準指令値を取り出
    し、該指令値と該ロックアップ目標前後差圧設定値とを
    掛け合わせることにより、ロックアップ前後差圧指令値
    を算出するロックアップ前後差圧指令演算手段を、前記
    ロックアップ前後差圧指令演算手段に代えて具備するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載のトルクコ
    ンバータのロックアップ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 ロックアップ前後差圧指令演算手段の減圧または増圧波
    形は、ステップ状波形に限定したことを特徴とするトル
    クコンバータのロックアップ制御装置。
  5. 【請求項5】 ロックアップ系伝達関数を2次の伝達関
    数で近似し、ロックアップ前後差圧指令演算手段のロッ
    クアップ前後差圧フィルタは、該ロックアップ系伝達関
    数の減衰特性を示す粘性定数よりも設計者が期待する動
    特性から算出される伝達関数の粘性定数の方が大きいこ
    とを特徴とする請求項2または請求項3記載のトルクコ
    ンバータのロックアップ制御装置。
  6. 【請求項6】 ロックアップ前後差圧基準指令値記憶手
    段の所定の設定時間は、ロックアップ前後差圧指令演算
    手段のロックアップ前後差圧指令値の演算周期であるこ
    とを特徴とする請求項3または請求項4記載のトルクコ
    ンバータのロックアップ制御装置。
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