JP3435896B2 - 車両用無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の変速制御装置

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JP3435896B2
JP3435896B2 JP13045095A JP13045095A JP3435896B2 JP 3435896 B2 JP3435896 B2 JP 3435896B2 JP 13045095 A JP13045095 A JP 13045095A JP 13045095 A JP13045095 A JP 13045095A JP 3435896 B2 JP3435896 B2 JP 3435896B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンと無段変速機
構との間に発進機構としてトルクコンバータ特にロック
アップクラッチ付きのトルクコンバータを具える車両用
無段変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンと無段変速機構との間に発進機
構としてスリップ式クラッチを具える車両用無段変速機
の変速制御装置は、特開昭60−191822号公報にて従来か
ら知られており、この装置は、スリップ式クラッチの伝
達トルクがクラッチの滑り回転中はそのクラッチへの制
御信号に依存する点に着目し、スリップ式クラッチの作
動を制御する制御信号に応じて無段変速機構の変速比を
制御することにより、その滑り回転によって減少した無
段変速機構への実質入力トルクに応じて変速比を制御す
ることで制御を容易化しようとするものである。
【0003】ところで、エンジンと無段変速機構との間
に発進機構として、上記従来技術のようなスリップ式ク
ラッチに代えて、ロックアップクラッチ付きのトルクコ
ンバータを具えれば、ロックアップクラッチの解放中は
エンジンからの入力トルクをトルクコンバータで増大さ
せて無段変速機構に伝達できることから車両の発進の際
に良好な加速性能が得られるので好都合である。そし
て、トルクコンバータの入出力回転差がある程度小さく
なったらロックアップクラッチを締結すれば、その後は
動力伝達損失を無くし得るとともに充分なエンジンブレ
ーキも得られるので好都合である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
ックアップクラッチ付きトルクコンバータを発進機構と
して具える無段変速機に、先に述べた従来の変速制御装
置を適用して、ロックアップクラッチの締結の際トルク
コンバータの入出力回転間の滑り回転分を修正した変速
機目標入力回転に応じて無段変速機構の変速比を制御す
ることで、ロックアップクラッチの開放状態およびその
ロックアップクラッチ開放状態からロックアップ状態
(完全締結状態)に至る間の過渡状態においてトルクコ
ンバータの入出力回転の差(滑り回転)がなくなるよう
に制御しようとすると、先に述べた従来の変速制御装置
ではスリップ式クラッチの滑り回転中そのクラッチの制
御信号に応じて変速比を求めて変速制御を行う構成とな
っているため、以下の問題が生ずる。
【0005】すなわち、ロックアップクラッチの制御信
号がロックアップ開放状態を示して一定になっている場
合でも、トルクコンバータの滑り回転は車両の運転状態
に応じて変化する。従ってかかるロックアップ開放状態
においては、ロックアップクラッチの制御信号によって
トルクコンバータの滑り回転を適正に制御することはで
きない。また一般にスリップ式クラッチ(ロックアップ
クラッチ付きトルクコンバータの場合はロックアップク
ラッチ)の滑り回転は、そのクラッチの制御信号のみに
応ずるものではなく、エンジン負荷の大きさによっても
変化する。従ってある代表的なエンジン負荷に適合させ
て求めたクラッチ制御信号と滑り回転との関係を用いた
のでは、変速機構目標入力回転の滑り回転分の修正を全
てのスロットル開度(エンジン負荷)領域で適正化する
ことはできない。
【0006】例えば、上記従来の技術に基づき、図14に
示す如くロックアップクラッチの制御信号(ロックアッ
プソレノイドデューティ比)のみから高スロットル開度
時に適合させた関係を用いて滑り回転分の補正量ΔNin
を求める場合に、図15に示す如き高スロットル開度での
発進の際には、ロックアップ開放状態を維持する時刻0
〜T1間(領域A)では、変速機構目標入力回転を上記関
係から求めた一定の補正量ΔNc分下方修正して変速比制
御に用いることになるが、トルクコンバータの実際の滑
り回転は運転状態に応じて変化するので、エンジン回転
は変動してしまう。しかしながらロックアップ開放状態
からロックアップ状態に至る過渡期である時刻T1〜T2
(領域B)では、図14に示す高スロットル開度時に適合
させた関係によってロックアップソレノイドデューティ
比から求めた補正量ΔNin で変速比を制御するので、ロ
ックアップクラッチの滑り回転の変化に合わせてエンジ
ン回転が滑らかに目標入力回転に一致してゆく。なお、
ロックアップ状態になった時刻T2以後(領域C)は、エ
ンジンはロックアップクラッチによって無段変速機構に
直結されているのでエンジン回転は変速機構目標入力回
転に一致する。
【0007】この一方、図16に示す如き低スロットル開
度での発進の際には、ロックアップ開放状態を維持する
時刻0〜T1間(領域A)では、変速機構目標入力回転を
上記高スロットル開度時に適合させた関係から求めた補
正量ΔNc分下方修正して変速比制御に用いることになる
が、低スロットル開度での滑り回転はもっと少ないので
下方修正が過大になり、修正後の変速機構目標入力回転
が低く制御され過ぎてエンジン回転の滑りが目立ってし
まう。またロックアップ開放状態からロックアップ状態
に至る過渡期である時刻T1〜T2間(領域B)では、上記
高スロットル開度時に適合させた関係によってロックア
ップソレノイドデューティ比から求めた補正量ΔNin で
変速比を制御するが、上記のように低スロットル開度で
の滑り回転はもっと少ないので、領域Bの初期に変速機
構目標入力回転が低く制御され過ぎてエンジン回転の変
動が目立ってしまう。
【0008】それゆえ本発明は、ロックアップ開放状態
および、そのロックアップ開放状態からロックアップ状
態に至る過渡状態で、ロックアップクラッチ付きトルク
コンバータの入出力回転差すなわち滑り回転がなくなる
ように変速比を制御して、ロックアップクラッチの締結
時の不快なショックやエンジン回転変動による違和感を
解消することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明の
第1の変速制御装置は、エンジンと無段変速機構との間
にロックアップクラッチ付きトルクコンバータを具える
車両用無段変速機の変速制御装置において、図1にその
概念を示す如く、エンジン回転を検出するエンジン回転
検出手段と、変速機構入力回転を検出する変速機構入力
回転検出手段と、それら検出したエンジン回転と変速機
構入力回転とからトルクコンバータの滑り回転を検出す
る滑り回転検出手段と、その検出した滑り回転分を減算
する修正を変速機構目標入力回転に加える目標入力回転
修正手段と、変速機構入力回転がその修正後の変速機構
目標入力回転になるよう無段変速機構の変速比を制御す
る変速比制御手段と、を具えることを特徴としている。
【0010】また本発明の第2の変速制御装置は、エン
ジンと無段変速機構との間にトルクコンバータを具える
無段変速機の変速制御装置において、図2にその概念を
示す如く、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手
段と、変速機構入力回転を検出する変速機構入力回転検
出手段と、それら検出したエンジン負荷と変速機構入力
回転とからトルクコンバータの滑り回転を推定する滑り
回転推定手段と、その推定した滑り回転分を減算する修
正を変速機構目標入力回転に加える目標入力回転修正手
段と、変速機構入力回転がその修正後の変速機構目標入
力回転になるよう無段変速機構の変速比を制御する変速
比制御手段と、を具えることを特徴としている。
【0011】さらに本発明の第3の変速制御装置は、エ
ンジンと無段変速機構との間にロックアップクラッチ付
きトルクコンバータを具える無段変速機の変速制御装置
において、図3にその概念を示す如く、ロックアップク
ラッチの作動を制御するロックアップクラッチ制御手段
と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、
その検出したエンジン負荷とロックアップクラッチ制御
手段のロックアップクラッチ制御信号とからトルクコン
バータの滑り回転を推定する滑り回転推定手段と、その
推定した滑り回転分を減算する修正を変速機構目標入力
回転に加える目標入力回転修正手段と、変速機構入力回
転がその修正後の変速機構目標入力回転になるよう無段
変速機構の変速比を制御する変速比制御手段と、を具え
ることを特徴としている。
【0012】
【作用】かかる本発明の第1の変速制御装置にあって
は、エンジン回転検出手段が検出したエンジン回転と変
速機構入力回転検出手段が検出した変速機構入力回転と
から滑り回転検出手段がトルクコンバータの滑り回転を
検出し、目標入力回転修正手段が、その検出した滑り回
転分を減算する修正を変速機構目標入力回転に加える。
そして変速比制御手段が、変速機構入力回転がその修正
後の変速機構目標入力回転になるよう無段変速機構の変
速比を制御する。
【0013】また、本発明の第2の変速制御装置にあっ
ては、エンジン負荷検出手段が検出したエンジン負荷と
変速機構入力回転検出手段が検出した変速機構入力回転
とから滑り回転推定手段がトルクコンバータの滑り回転
を推定し、目標入力回転修正手段が、その推定した滑り
回転分を減算する修正を変速機構目標入力回転に加え
る。そして変速比制御手段が、変速機構入力回転がその
修正後の変速機構目標入力回転になるよう無段変速機構
の変速比を制御する。
【0014】さらに本発明の第3の変速制御装置にあっ
ては、エンジン負荷検出手段が検出したエンジン負荷と
ロックアップクラッチ制御手段のロックアップクラッチ
制御手段とから滑り回転推定手段がトルクコンバータの
滑り回転を推定し、目標入力回転修正手段が、その推定
した滑り回転分を減算する修正を変速機構目標入力回転
に加える。そして変速比制御手段が、変速機構入力回転
がその修正後の変速機構目標入力回転になるよう無段変
速機構の変速比を制御する。
【0015】従って本発明の第1〜第3の変速制御装置
によれば、トルクコンバータの滑り回転を検出し、もし
くは車両の運転状態に基づいてトルクコンバータの滑り
回転を推定し、その検出もしくは推定した滑り回転分を
減算する修正を変速機構目標入力回転に加えて無段変速
機構の変速比を制御するので、ロックアップクラッチの
締結時の不快なショックやエンジン回転変動による違和
感を効果的に解消することができる。
【0016】しかも本発明の第1の変速制御装置によれ
ば、直接検出したトルクコンバータの滑り回転を用いて
フィードバック制御を行っているので、より高い制御精
度を達成することができる。また本発明の第2の変速制
御装置によれば、トルクコンバータの特性から推定した
滑り回転を用いてフィードフォワード制御を行っている
ので、ロックアップクラッチを持たないトルクコンバー
タを用いた場合や、ロックアップクラッチ付きトルクコ
ンバータのロックアップクラッチ開放状態で、制御の時
間遅れの発生を防止することができる。そして本発明の
第3の変速制御装置によれば、ロックアップクラッチの
特性から推定した滑り回転を用いてフィードフォワード
制御を行っているので、ロックアップクラッチ付きトル
クコンバータのロックアップクラッチ開放状態からロッ
クアップ状態に至る間の過渡状態で、制御の時間遅れの
発生を防止することができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図4は、本発明の第1〜第3の変速制御装
置の各々の実施例に用いる共通の車両用無段変速機(CV
T)の構成を示すものであり、この無段変速機では、当該
無段変速機を搭載している車両のエンジン1の動力が、
通常のロックアップクラッチ付きトルクコンバータ2お
よび、遊星歯車組を持つ前後進切り替え機構3を経て、
ハーフトロイダル型の無段変速機構4に伝達される。そ
してその無段変速機構4で適宜変速された出力回転は、
上記車両の図示しない駆動輪に伝達される。
【0018】無段変速機構4には、その無段変速機構の
入力回転を検出する入力回転センサ4aとその無段変速機
構の出力回転を検出する出力回転センサ4bとが設けられ
ており、出力回転センサ4bが検出した出力回転は上記車
両の車速に対応している。またロックアップクラッチ付
きトルクコンバータ2と前後進切り替え機構3と無段変
速機構4とは、それぞれ油圧制御装置5によって制御さ
れる。ここで、ロックアップクラッチ付きトルクコンバ
ータ2は、ロックアップデューティソレノイド5aによっ
てロックアップクラッチの締結度合を制御され、前後進
切り替え機構3は、運転者が操作するセレクタ6で油圧
制御装置5の内部の図示されていない油路が切り替えら
れることによって制御され、無段変速機構4は、ステッ
プモータ5cの回転角に応じて変速比が決まるように構成
された変速比制御油圧サーボ4cによって制御される。
【0019】これらの作動油は、トルクコンバータ2に
併設されエンジン1によって駆動されるオイルポンプ2a
によって供給される。また作動油の圧力は、ライン圧デ
ューティソレノイド5bによって過不足なく制御される。
さらに油圧制御装置5には、ステップモータ5cが最大変
速比の位置にあることを検出するロースイッチ5dと、作
動油の温度を検出する油温センサ5eとが取り付けられて
いる。また、セレクタ6と油圧制御装置5とを接続する
リンケージにはセレクト位置を検出するセレクタスイッ
チ6aが取り付けられている。
【0020】油圧制御装置5の作動を制御する変速機電
子制御装置7は、キースイッチのオン時にのみ通電され
るイグニッション電源9と、キースイッチのオフ時にも
通電されるバッテリ電源10との二種類の電源により給電
される。また変速機電子制御装置7は入力信号として、
入力回転センサ4aからの、無段変速機構の入力回転を示
す信号Nin と、出力回転センサ4bからの、無段変速機構
の出力回転を示す信号Noutと、セレクタスイッチ6aから
の信号SSと、ロースイッチ5dからの信号LSと、油温セン
サ5eからの信号ATF/T との他に、車両側にそれぞれ取り
付けられたブレーキスイッチ12およびパワースイッチ13
からの信号BS, PSと、エンジン電子制御装置8からの、
エンジン回転信号Neおよびスロットル開度信号TVO-とを
供給される。なお、符号GND は変速機電子制御装置7が
接続されたアース端子を示す。
【0021】変速機電子制御装置7は、特には図示しな
いが、各種演算、判断を行うための中央処理ユニット(C
PU) と、そのCPU の制御プログラムおよびその制御プロ
グラムの為のデータテーブル等が格納された読み出し専
用メモリー(ROM) と、演算や判断の結果を一時保存する
ために使われる読み出し書き込み可能メモリー(RAM)
と、CPU の指示に従ってステップモータ5cを駆動するデ
ジタル出力インターフェイス(I/O) ユニットと、CPU の
指示に従ってロックアップデューティソレノイド5aおよ
びライン圧デューティソレノイド5bをデューティ駆動す
るタイマー出力ユニットと、上記ATF/T, TVOのアナログ
電圧信号を数値化するA/Dコンバータユニットと、上
記Ne, Nin, Nout のパルス信号の周期を計測して数値化
するタイマー計測ユニットと、上記LS, PS, BS, SSのデ
ジタル入力信号をTTL レベルに変換するデジタル入力イ
ンターフェイス(I/O) ユニットと、電源装置とを具え、
その電源装置は、車両の電源を定電圧化して当該制御装
置内の各ユニットに供給する機能と、イグニッション電
源9がOFF からONになったときにシステムにリセットを
かける機能と、CPU の状態監視を行って適宜リセットを
かける機能と、イグニッション電源9がOFF の状態でも
RAM の内容が保持されるように電源を供給する機能とを
合わせ持っている。
【0022】図5は、本発明の第1〜第3の変速制御装
置の各々の実施例に用いる制御プログラムの共通のジェ
ネラルフローを示すフローチャートであり、このフロー
チャートに沿って、先ず本発明の第1の変速制御装置の
実施例に用いる制御プログラムについて説明すると、図
5のステップ21では、図6に示す手順で制御用の各変数
を入力する。すなわち図6中、ステップ31で、出力回転
Noutから求めた車速を変数名Vsp として入力し、ステッ
プ32で、スロットル開度を変数名TVO として入力し、ス
テップ33で、エンジン回転を変数名Neとして入力し、ス
テップ34で、変速機構入力回転を変数名Nin として入力
する。そして図5のステップ22では、トルクコンバータ
2の滑り回転Nslpを求める。この滑り回転Nslpを求める
際、この第1の変速制御装置の実施例では、図7に示す
ステップ41の演算処理で、滑り回転Nslp=エンジン回転
Ne−変速機構入力回転Nin として、センサ4a, 4bでそれ
ぞれ検出したエンジン回転および変速機構入力回転から
直接求める。
【0023】図5のステップ23では、図8に示す目標入
力回転マップから変速機構目標入力回転 Nin* を検索す
る。この目標入力回転マップは、車速Vsp と、スロット
ル開度TVO とによる2次元マップとしてあり、車速の上
昇に応じて変速機構目標入力回転も上昇するが、その上
昇程度がスロットル開度が大きい時程大きくなるように
なっている。従って、スロットル開度が大きい時には高
車速まで大きな変速比を維持して変速機構入力回転を上
昇させる一方スロットル開度が小さい時にはある程度車
速が上がったら車速の上昇に応じて変速比を減少させて
変速機構入力回転の上昇を抑えるように変速比を制御す
ることになる。
【0024】図5のステップ24では、図9に示す手順で
トルクコンバータ2の滑り回転に基づき変速機構目標入
力回転 Nin* を修正する。すなわち図9中、ステップ51
で、補正値Δ Nin* をΔ Nin* =−Nslpとして求め、ス
テップ52で、その補正値により変速機構目標入力回転 N
in* を Nin* = Nin* +Δ Nin* として修正する。従っ
て、その修正後の変速機構目標入力回転 Nin* は、図8
のマップで求めた値よりもトルクコンバータ2の滑り回
転Nslp分小さい値になる。
【0025】図5のステップ25では、図10に示す手順で
上記修正後の変速機構目標入力回転から目標変速比を求
めてその目標変速比からステップモータ5cの目標回転角
を求める。すなわち図10中、先ずステップ61で、上記修
正後の変速機構目標入力回転Nin* と、車速Vsp とを入
力し、次いでステップ62で、目標変速比i* をi* =k
* ・ Nin */Vsp として求め(k* は車両諸元等から予
め定めた比例定数)、さらにステップ63で、ステップモ
ータ5cの作動特性等から予め定めた関係Step=f(i* )
を表す一次元の目標回転角マップから、上記目標変速比
* に対応するステップモータ5cの目標回転角Stepを求
める。そして図5のステップ26では、ステップ25で求め
た目標回転角Stepをステップモータ5cへ出力し、その目
標回転角Stepまでステップモータ5cを回転作動させる。
【0026】なお、変速機電子制御装置7は、上記変速
比制御を行っている間、通常のロックアップクラッチ付
きトルクコンバータを具える自動変速機の変速制御装置
と同様に、検出した車速とスロットル開度とを二次元座
標値とする車両の運転状態を表す点が車速とスロットル
開度とを座標軸として予め定めた二次元マップのロック
アップ領域内に入ったか否かの判断を繰り返し行い、上
記運転状態表示点がロックアップ領域内に入ったら、ロ
ックアップデューティソレノイド5aをデューティ駆動し
てロックアップクラッチを徐々に締結してゆく。
【0027】従ってこの実施例の変速制御装置によれ
ば、トルクコンバータ2の滑り回転を検出し、その滑り
回転分の修正を変速機構目標入力回転に加えて無段変速
機構4の変速比を制御するので、図11に示すように、ロ
ックアップ開放状態を維持する時刻0〜T1間(領域A)
でも、ロックアップ開放状態からロックアップ状態に至
る過渡期である時刻T1〜T2間(領域B)でも、エンジン
回転の変動を抑えてエンジン回転を元の変速機構目標入
力回転に良好に一致させて、ロックアップクラッチの締
結時の不快なショックやエンジン回転変動による違和感
を効果的に解消することができる。しかもこの実施例の
変速制御装置によれば、直接検出したトルクコンバータ
2の滑り回転を用いて変速比をフィードバック制御して
いるので、より高い制御精度を達成することができる。
【0028】図12は、車両の発進時の無段変速機の変速
機構目標入力回転 Nin* の変化に対するエンジン回転Ne
および変速機出力トルクToの実際の挙動の一例を、上記
実施例に基づく制御がある場合と無い場合とについてそ
れぞれ示しており、この挙動からも、上述した本発明の
実施例の有利な効果は明らかである。
【0029】次に本発明の第2および第3の変速制御装
置の各々の実施例に用いる制御プログラムについて説明
すると、これらの実施例では、図5のステップ22で滑り
回転Nslpを求める際の処理を除いて、先の実施例の制御
プログラムと同一の処理を行う。すなわち上記ステップ
22でトルクコンバータ2の滑り回転Nslpを求める際、こ
れら第2,第3の変速制御装置の実施例では、図13に示
す手順でその滑り回転Nslpを推定し、この図13の手順で
は、先ずステップ71で、検出した車速とスロットル開度
とを二次元座標値とする車両の運転状態を表す点が上述
した二次元マップのロックアップ領域内に入ったか否か
を判断する。なお、運転状態がロックアップ領域内に入
ったら、先の実施例と同様にこの実施例でも変速機電子
制御装置7がロックアップデューティソレノイド5aをデ
ューティ駆動してロックアップクラッチを徐々に締結し
てゆくので、上記ステップ71での判断は、ロックアップ
デューティソレノイド5aのデューティ比が最小値か否か
で行っても良い。
【0030】しかして上記第2の変速制御装置の実施例
では、上記ステップ71での判断で車両の運転状態がロッ
クアップ領域内に入っていない場合に、ステップ72で、
入力回転Nin とスロットル開度TVO とに応じて予め求め
たトルクコンバータの滑り回転Nslpを表す2次元のマッ
プから、検出した入力回転Nin およびスロットル開度TV
O での滑り回転Nslpを求め、ステップ73で、そのマップ
から求めた滑り回転を変数名Nslpとして記憶して、以
後、先の実施例と同様に、その滑り回転Nslpにより変速
機構目標入力回転を修正し、その修正後の目標入力回転
によって変速比を制御する。
【0031】この一方上記第3の変速制御装置の実施例
では、上記ステップ71での判断で車両の運転状態がロッ
クアップ領域内に入った場合に、ステップ74で、ロック
アップソレノイドデューティ比とスロットル開度TVO と
に応じて予め求めたトルクコンバータの滑り回転Nslpを
表す2次元のマップから、現在のロックアップソレノイ
ドデューティ比および検出したスロットル開度TVO での
滑り回転Nslpを求め、ステップ73で、そのマップから求
めた滑り回転を変数名Nslpとして記憶して、以後、先の
実施例と同様に、その滑り回転Nslpにより変速機構目標
入力回転を修正し、その修正後の目標入力回転によって
変速比を制御する。
【0032】従ってこれらの実施例の変速制御装置によ
れば、トルクコンバータ2の滑り回転を推定し、その滑
り回転分の修正を変速機構目標入力回転に加えて無段変
速機構4の変速比を制御するので、この場合も図11に示
すように、ロックアップ開放状態を維持する時刻0〜T1
間(領域A)でも、ロックアップ開放状態からロックア
ップ状態に至る過渡期である時刻T1〜T2間(領域B)で
も、エンジン回転の変動を抑えてエンジン回転を元の変
速機構目標入力回転に良好に一致させて、ロックアップ
クラッチの締結時の不快なショックやエンジン回転変動
による違和感を効果的に解消することができる。しか
も、上記第2の変速制御装置の実施例によれば、トルク
コンバータの特性から推定した滑り回転を用いてフィー
ドフォワード制御を行っているので、ロックアップクラ
ッチ開放状態において、制御の時間遅れの発生を防止す
ることができる。そして、上記第3の変速制御装置の実
施例によれば、ロックアップクラッチの特性から推定し
た滑り回転を用いてフィードフォワード制御を行ってい
るので、ロックアップクラッチ開放状態からロックアッ
プ状態に至る間の過渡状態において、制御の時間遅れの
発生を防止することができる。
【0033】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、図7に
示す滑り回転計算において、滑り回転Nslpを求めるステ
ップ41の次に、処理の遅れを補償する微分器に相当する
処理を行うステップを加えても良く、このようにすれ
ば、制御の時間遅れの発生をある程度回避することがで
きる。また、本発明の第2の変速制御装置は、ロックア
ップクラッチを持たないトルクコンバータを具える無段
変速機にも適用することができ、その場合にも上記の作
用効果をもたらすことができる。そして、本発明の第2
の変速制御装置はロックアップクラッチ開放状態に適用
される一方、本発明の第3の変速制御装置はロックアッ
プクラッチ開放状態からロックアップ状態に至る間の過
渡状態に適用されるので、一つの変速制御装置にそれら
第2,第3の変速制御装置を同時に適用しても良い。さ
らに、本発明の第1〜第3の変速制御装置は、ベルト式
無段変速機にも適用し得ることはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】かくして本発明の第1〜第3の変速制御
装置によれば、ロックアップクラッチの締結時の不快な
ショックやエンジン回転変動による違和感を効果的に解
消することができる。
【0035】しかも本発明の第1の変速制御装置によれ
ば、より高い制御精度を達成することができる。また本
発明の第2の変速制御装置によれば、ロックアップクラ
ッチを持たないトルクコンバータを用いた場合や、ロッ
クアップクラッチ付きトルクコンバータのロックアップ
クラッチ開放状態で、制御の時間遅れの発生を防止する
ことができる。そして本発明の第3の変速制御装置によ
れば、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータのロ
ックアップクラッチ開放状態からロックアップ状態に至
る間の過渡状態で、制御の時間遅れの発生を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の変速制御装置の構成を示す概念
図である。
【図2】本発明の第2の変速制御装置の構成を示す概念
図である。
【図3】本発明の第3の変速制御装置の構成を示す概念
図である。
【図4】本発明の第1〜第3の変速制御装置の各々の実
施例に用いる共通の車両用無段変速機を示す構成図であ
る。
【図5】本発明の第1〜第3の変速制御装置の各々の実
施例に用いる制御プログラムの共通のジェネラルフロー
を示すフローチャートである。
【図6】図5に示すフローチャート中の変数入力の処理
内容を示すフローチャートである。
【図7】図5に示すフローチャート中の滑り回転計算
の、本発明の第1の変速制御装置の実施例における処理
内容を示すフローチャートである。
【図8】図5に示すフローチャート中の目標入力回転の
検索処理で用いる目標入力回転マップを示す説明図であ
る。
【図9】図5に示すフローチャート中の目標入力回転修
正の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】図5に示すフローチャート中の変速比制御の
処理内容を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の変速制御装置の実施例の、車
両の発進の際の作動特性を示す特性線図である。
【図12】発進時の変速機構目標入力回転の変化に対す
るエンジン回転および変速機出力トルクの実際の挙動の
一例を本発明の第1の変速制御装置の実施例に基づく制
御がある場合と無い場合とについてそれぞれ示す特性線
図である。
【図13】図5に示すフローチャート中の滑り回転計算
の、本発明の第2および第3の変速制御装置の各実施例
における処理内容を示すフローチャートである。
【図14】従来技術に基づいて変速機構目標入力回転の
補正量を求めるための一次元マップを示す説明図であ
る。
【図15】上記従来技術に基づく一次元マップを用いた
場合の変速制御装置の、高スロットル開度での車両の発
進の際の作動特性を示す特性線図である。
【図16】上記従来技術に基づく一次元マップを用いた
場合の変速制御装置の、低スロットル開度での車両の発
進の際の作動特性を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ 3 前後進切り換え機構 4 無段変速機構 5 油圧制御装置 6 セレクタ 7 変速機電子制御装置 8 エンジン電子制御装置 9,10 電源 11 ブレーキスイッチ 12 パワースイッチ Vsp 車速 TVO スロットル開度 Ne エンジン回転 Nin 変速機構入力回転 Nin* 変速機構目標入力回転 Nslp トルクコンバータ滑り回転 Δ Nin* 変速機構目標入力回転補正値
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと無段変速機構との間にロック
    アップクラッチ付きトルクコンバータを具える車両用無
    段変速機の変速制御装置において、 エンジン回転を検出するエンジン回転検出手段と、変速
    機構入力回転を検出する変速機構入力回転検出手段と、
    それら検出したエンジン回転と変速機構入力回転とから
    トルクコンバータの滑り回転を検出する滑り回転検出手
    段と、その検出した滑り回転分を減算する修正を変速機
    構目標入力回転に加える目標入力回転修正手段と、変速
    機構入力回転がその修正後の変速機構目標入力回転にな
    るよう無段変速機構の変速比を制御する変速比制御手段
    と、を具えることを特徴とする、車両用無段変速機の変
    速制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンと無段変速機構の間にトルク
    コンバータを具える車両用無段変速機の変速制御装置に
    おいて、 エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、変速
    機構入力回転を検出する変速機構入力回転検出手段と、
    それら検出したエンジン負荷と変速機構入力回転とから
    トルクコンバータの滑り回転を推定する滑り回転推定手
    段と、その推定した滑り回転分を減算する修正を変速機
    構目標入力回転に加える目標入力回転修正手段と、変速
    機構入力回転がその修正後の変速機構目標入力回転にな
    るよう無段変速機構の変速比を制御する変速比制御手段
    と、を具えることを特徴とする、車両用無段変速機の変
    速制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンと無段変速機構との間にロック
    アップクラッチ付きトルクコンバータを具える車両用無
    段変速機の変速制御装置において、 ロックアップクラッチの作動を制御するロックアップク
    ラッチ制御手段と、エンジン負荷を検出するエンジン負
    荷検出手段と、その検出したエンジン負荷とロックアッ
    プクラッチ制御手段のロックアップクラッチ制御信号と
    からトルクコンバータの滑り回転を推定する滑り回転推
    定手段と、その推定した滑り回転分を減算する修正を
    速機構目標入力回転に加える目標入力回転修正手段と、
    変速機構入力回転がその修正後の変速機構目標入力回転
    になるよう無段変速機構の変速比を制御する変速比制御
    手段と、を具えることを特徴とする、車両用無段変速機
    の変速制御装置。
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