JP2003227566A - 無段変速機のロックアップ制御装置 - Google Patents

無段変速機のロックアップ制御装置

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JP2003227566A
JP2003227566A JP2002024909A JP2002024909A JP2003227566A JP 2003227566 A JP2003227566 A JP 2003227566A JP 2002024909 A JP2002024909 A JP 2002024909A JP 2002024909 A JP2002024909 A JP 2002024909A JP 2003227566 A JP2003227566 A JP 2003227566A
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torque
lockup control
change rate
continuously variable
variable transmission
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JP2002024909A
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Mitsuyoshi Okada
光義 岡田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転者がロックアップ締結ショックを感じにく
く、かつ、ロックアップ締結時間を短縮してロックアッ
プクラッチの耐久性を向上させることができる、無段変
速機のロックアップ制御装置を提供することにある。 【解決手段】ロックアップ制御中の駆動トルク変化率に
応じてロックアップ制御信号の傾きを変化させること
で、運転者がロックアップ締結ショックを感じにくくな
るトルク変化率の大きい領域では、ロックアップ制御信
号の増加割合を大きくし、トルク変化率の小さな領域で
は、ロックアップ制御信号の増加割合を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
の駆動力を無段変速機で変換し、車軸に伝達する動力伝
達機構を有する無段変速機のロックアップ制御装置、及
び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のロックアップ制御装置としては、
例えば、特開平7−71590号公報に記載されている
ように、走行時のスロットル開度TVO,車速VSP,自動変
速機油温TEMPからロックアップ締結時のロックアップ制
御信号の傾きKON を算出し、ロックアップソレノイドに
デューティ信号を送信し、ロックアップコントロールバ
ルブの油圧を制御することで、ロックアップ制御を行っ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、ロックアップ制御信号の傾きは一定
であるので、駆動トルク変化(減少方向)の小さい走行
状態の場合にロックアップさせようとすると、運転者が
ロックアップ締結ショックを感じやすくなるため、当該
傾きを小さく抑えなければならず、その分、ロックアッ
プ締結までの時間が長くかかり、その結果としてロック
アップクラッチの耐久性に影響を及ぼす。
【0004】本発明の目的は、ロックアップ制御中の駆
動トルク変化(減少方向)に応じてロックアップ制御信
号の傾きを変化させることで、運転者がロックアップ締
結ショックを感じにくく、また、ロックアップ締結時間
を短縮してロックアップクラッチの耐久性向上を図ると
ともに、燃費を向上することができる、無段変速機のロ
ックアップ制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ロックアップ制御を開始したら駆動トル
ク変化率を算出していき、当該変化率が大きく、運転者
がロックアップ締結ショックを感じにくくなる領域で
は、ロックアップ制御信号の傾きを大きくするようにし
たものである。また、当該変化率が小さく、運転者がロ
ックアップ締結ショックを感じやすくなる領域では、ロ
ックアップ制御信号の傾きを小さくするようにしたもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5を用いて、本発
明の一実施形態による無段変速機のロックアップ制御装
置の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形
態による無段変速機の全体構成を示すシステム図であ
る。
【0007】エンジン1はエアフローセンサ2で検出さ
れた吸入空気量、及びエンジン回転センサ3で検出され
たエンジン回転数をエンジン制御用コンピュータ25に
取り込み、燃料噴射量,点火時期を演算し、燃料噴射弁
4,点火プラグ5に制御信号を送信することでエンジン
制御が行われる。
【0008】エンジン1の出力はトルクコンバータ入力
軸28からトルクコンバータ7に入力される。トルクコ
ンバータ7からトルクコンバータ出力軸29により出力
される動力は、前進クラッチ23を介して一次側プーリ
9に伝達され、さらにベルト16を介して二次側プーリ
10に伝達される。二次側プーリ10を出た後の動力は
デファレンシャルギア17に伝達され、最終的には駆動
輪18に伝達することで走行する。
【0009】無段変速機制御用コンピュータ26は運転
状態に応じて一次側プーリ9,二次側プーリ10の回転
半径比を個別に変化させ、所望の変速比を自動的に、か
つ、無段階に切り換えていくが、これは以下に示す方法
で行われる。スロットルセンサ24で検出されたスロッ
トル開度TVO ,一次側プーリ回転センサ11で検出され
た一次側プーリ回転数Nin,車速センサ15で検出され
た車速VSP,油温センサ27で検出された油温TATFを無
段変速機制御用コンピュータ26に取り込み、図示して
いないが変速線図により目標変速比itを算出し、変速ソ
レノイド19に変速指令を送信し、油圧制御ユニット2
2でライン圧デューティソレノイド20により制御され
るライン圧を元に調整した油圧を一次側プーリ9,二次
側プーリ10のそれぞれへ供給する。実際の変速比iは
一次側プーリ9に取り付けられた一次側プーリ回転セン
サ11で検出される一次側プーリ回転数Nin 、及び二次
側プーリ10に取り付けられた二次側プーリ回転センサ
12で検出される二次側プーリ回転数Noutの比(i=Ni
n/Nout)で求められ、変速比iが目標変速比it に近づ
き、一致するようにフィードバック制御を行う。
【0010】トルクコンバータ7の内部ではトルクコン
バータ入力軸28(回転数としては、エンジン回転数Ne
と同じ)とトルクコンバータ出力軸29(前進クラッチ
23締結時、回転数としては一次側プーリ回転数Nin と
同じ)が流体で動力伝達される機構となっており、通常
は滑りが生じている。この状態が継続されるとエンジン
1から無段変速機に伝達される動力の伝達ロスが大きく
なる。そこで、無段変速機制御用コンピュータ26は前
記スロットル開度TVO,一次側プーリ回転数Nin,車速VS
P、及び油温TATF からロックアップ制御領域を判定し、
ロックアップ制御条件が成立した場合にはロックアップ
デューティソレノイド21にデューティ信号を出力し、
油圧制御ユニット22を介してロックアップクラッチ8
に油圧を供給することで、前記入力軸28と出力軸29
を直結状態にする。これにより、トルクコンバータ内部
の流体による動力の伝達ロスがなくなり、燃費を向上し
たりすることができる。
【0011】次に、図2を用いて、本実施形態によるト
ルク変化率に応じたロックアップ制御の手段について説
明する。図2はトルク変化率に応じたロックアップ制御
信号算出ブロック図である。
【0012】本実施形態によるトルク変化率に応じたロ
ックアップ制御信号算出手段50は、図1において説明
した無段変速機制御用コンピュータ26の内部に備えら
れており、スロットル開度TVOと一次側プーリ回転数Ni
n,車速VSP、及び油温TATF などに基づきロックアップ
制御信号を算出する。無段変速機制御用コンピュータ2
6はトルク変化に応じたロックアップ制御信号算出手段
50で算出されたロックアップ制御信号をロックアップ
デューティソレノイド21に送信し、油圧制御ユニット
22を介してロックアップクラッチ8に油圧を供給し、
ロックアップ制御を行う。
【0013】トルク変化に応じたロックアップ制御信号
算出手段50は、ロックアップ制御開始判定手段51
と、トルク変化率算出手段52と、ロックアップ制御信
号算出手段53を備えている。
【0014】ロックアップ制御開始判定手段51は、ス
ロットル開度TVO ,一次側プーリ回転数Nin,車速VSP,
油温TATFを用いて、ロックアップ制御を許可しても良い
運転状態であるかを判定する。
【0015】トルク変化率算出手段52は、二次側プー
リトルクセンサ14で検出される二次側プーリ出力トル
クToutから、単位時間Δt当たりのトルク変化率ΔTout
を算出する。
【0016】ロックアップ制御信号算出手段53はロッ
クアップ制御信号LUDutyを式(1)より、 LUDuty=LUDuty(前回値)+k1・ΔTout+C1 …(1) で求める。ここで、k1 はトルク変化率による補正係数
であり、定数であっても良いし、図示していないが、エ
ンジン回転数Ne,一次側プーリ回転数Nin ,二次側プー
リ回転数Nout,車速VSP,スロットル開度TVO,油温
TATF,二次側プーリトルクToutのうち、少なくとも1つ
を用いて関数式、あるいはテーブルにより決定される補
正係数であっても良い。
【0017】また、係数C1は、トルク変化率算出手段5
2におけるトルク変化率ΔToutの算出結果が仮りに0で
あっても、ロックアップ制御信号LUDutyを増加させるこ
とで確実にロックアップクラッチ8を締結させるための
補正項である。係数C1は定数であっても良いし、図示し
ていないが、エンジン回転数Ne,一次側プーリ回転数Ni
n,二次側プーリ回転数Nout,車速VSP,スロットル開度
TVO,油温TATF ,二次側プーリトルクTout のうち、少
なくとも1つを用いて関数式、あるいはテーブルにより
決定される補正係数であっても良い。
【0018】ロックアップ制御信号LUDutyの変化率は、
トルク変化率算出手段52で算出されるΔToutが大きい
ほど、大となる。
【0019】次に図3を用いて、本発明のロックアップ
制御装置におけるロックアップ制御の動作説明をする。
図3はの本発明によるロックアップ制御の動作説明図で
ある。
【0020】まず、の時点でスロットル開度TVOを開
くと車速VSPが上昇し始め、図示していないが、変速線
図に従い、変速比iが変化していく。このとき車両前後
G、及び二次側プーリトルクToutは図3中に示したよう
な特性を示す。エンジン回転数Ne,一次側プーリ回転数
Nin はの時点よりそれぞれ上昇を始めるが、の時
点、これは図2のロックアップ制御開始判定手段51で
ロックアップ制御許可と判定された場合には、ロックア
ップ制御信号LUDutyには、最初に初期デューティINITH
が設定される。二次側プーリトルクToutは図3に示す特
性となるため、次に、図2のトルク変化率算出手段52
で求めたトルク変化率ΔToutから、図2のロックアップ
制御信号算出手段53により、前記式(1)を用いて、
ロックアップ制御信号LUDutyを算出する。したがって、
ロックアップ制御信号LUDutyは図3の実線で示した動き
を呈し、これによりロックアップクラッチ8を次第に締
結させ、エンジン回転数Neと一次側プーリ回転数Ninは
一致する。
【0021】ところで、従来の技術では、の時点でロ
ックアップ制御信号LUDutyに初期デューティINITH を設
定するまでは本発明と同じであるが、その後のロックア
ップ制御信号LUDutyは一定の傾きで増加させる設定にな
っている。
【0022】本発明においての時点からロックアップ
クラッチ8が締結するまでの時間をt1、従来の技術に
おいて同時間をt2とすると、本発明ではトルク変化率
ΔToutが大きい領域でロックアップ制御信号LUDutyの増
加割合も大きくなるため、t1の方がt2 よりも短くな
る。また、このときの車両前後加速度Gを示すと、図2
中に示したG波形のうち、本発明による方法では
(A)、従来の技術による方法では(B)のようにな
る。
【0023】通常、ロックアップクラッチ8が締結する
までの時間が短い、即ち、急激にロックアップをさせる
と締結ショックが大きくなり、運転者に不快感を与え
る。しかしながら、我々は実車を使った数多くのロック
アップ制御試験を通じて、トルク変化率ΔToutの大きい
状態ではΔToutの小さい状態と比較して、同じ挙動でロ
ックアップ制御信号LUDutyを変化させても、運転者が締
結ショックを感じにくくなるということを見出した。
【0024】また一方で、ロックアップクラッチ8が締
結している間はすべりが生じている訳で、図示してはい
ないがロックアップクラッチ8に取り付けられているフ
ェーシング材の磨耗等、耐久性の面では悪影響を及ぼ
す。従来の技術のロックアップ制御装置におけるロック
アップ制御方法においては、上記耐久性の面で不都合が
ないよう、フェーシング材の材質の選定が行われている
が、本発明ではロックアップクラッチ8の締結時間を従
来の技術による場合に比べて短縮できることから、耐久
性を更に向上できるという効果を奏する。
【0025】なお、図2のトルク変化率算出手段52に
は二次側プーリトルクToutを入力し、トルク変化率ΔTo
utを求めたが、本発明はこれに限定されることなく、図
1に示したエンジントルクセンサ6で検出されるエンジ
ントルクTe、または、図1に示した一次側プーリトルク
センサ13で検出される一次側プーリトルクTin 、ある
いは、変速比i(一次側プーリ回転数Nin と二次側プー
リ回転数Noutの比)のいずれかを入力し、各入力値の変
化率Δte,Δtin,Δi のいずれかを用いてロックアッ
プ制御信号LUDutyを算出し、ロックアップクラッチ8を
制御しても同様な効果が得られる。
【0026】この場合のロックアップ制御信号算出手段
53におけるロックアップ制御信号LUDutyは、それぞれ
の場合において式(2)〜(4)より、順番に、 LUDuty=LUDuty(前回値)+k2・ΔTe+C2 …(2) LUDuty=LUDuty(前回値)+k3・ΔTin+C3 …(3) LUDuty=LUDuty(前回値)+k4・Δi+C4 …(4) で求める。
【0027】ここで、k2〜k4はトルク変化率による補
正係数であり、定数であっても良いし、図示していない
が、エンジン回転数Ne,一次側プーリ回転数Nin ,二次
側プーリ回転数Nout,車速VSP,スロットル開度TVO,油
温TATF,エンジントルクTe,一次側プーリトルクTin ,
変速比iのうち、少なくとも1つを用いて関数式、ある
いはテーブルにより決定される補正係数であっても良
い。
【0028】また、係数C2〜C4は、式(2)〜式(4)
で用いるΔTe,ΔTin,Δi の算出結果が仮りに0であ
っても、ロックアップ制御信号LUDutyを増加させること
で確実にロックアップクラッチ8を締結させるための補
正項である。係数C2〜C4は定数であっても良いし、図示
していないが、エンジン回転数Ne,一次側プーリ回転数
Nin,二次側プーリ回転数Nout,車速VSP,スロットル開
度TVO,油温TATF ,エンジントルクTe,一次側プーリト
ルクTin ,変速比iのうち、少なくとも1つを用いて関
数式、あるいはテーブルにより決定される補正係数であ
っても良い。
【0029】ところで、図2に示したトルク変化率算出
手段52に入力される二次側プーリトルクToutの代わり
に図4、あるいは図5のトルク推定を用いて算出したト
ルクを入力しても良い。図4はトルクコンバータの特性
を利用したトルク推定ブロック図である。図4に示すト
ルクコンバータの特性を利用したトルク推定手段100は
図1において説明した無段変速機制御用コンピュータ2
6の中に備えられており、トルクコンバータの特性(ポ
ンプ容量係数やトルク比特性)を用いて、トルクコンバ
ータのタービントルクTt(一次側プーリトルクTin に相
当)、及び二次側プーリトルクToutを推定するものであ
る。無段変速機制御用コンピュータ26は、トルクコン
バータの特性を利用したトルク推定手段100によって
推定された一次側プーリトルクTin 、あるいは二次側プ
ーリトルクToutを、図2のトルク変化率算出手段52に
入力するToutの代わりに入力することで、トルク変化率
に応じて、前記式(1)、あるいは式(3)を用い、ロ
ックアップ制御信号算出手段53で算出したロックアッ
プ制御信号LUDutyをロックアップクラッチ8に送信する
ことで、ロックアップ制御を行う。
【0030】トルクコンバータの特性を利用したトルク
推定手段100は速度比(e)算出手段105と、ポン
プ容量係数(Cp)算出手段110と、トルク比(t)算
出手段115と、エンジン回転数自乗算出手段120
と、ポンプトルク(Tp)算出手段125と、タービント
ルク(Tt)算出手段130(Ttは一次側プーリトルクTi
nと同じ)と、変速比(i)算出手段135と、二次側
プーリトルク(Tout)算出手段140とを備えている。
【0031】速度比(e)算出手段105は、エンジン
回転数Neと一次側プーリ回転数Ninの比から式(5)に
基づいて、 e=Nin/Ne …(5) で速度比eを求める。
【0032】ポンプ容量係数(Cp)算出手段110は、
予め記憶しておいたトルクコンバータのポンプ容量係数
特性(e−Cp特性)を用いて、速度比(e)算出手段1
05によって算出されたトルクコンバータの速度比eか
らポンプ容量係数Cpを算出する。
【0033】また、トルク比(t)算出手段115は、
予め記憶しておいたトルクコンバータのトルク比(e−
t特性)を用いて、速度比(e)算出手段105によっ
て算出されたトルクコンバータの速度比eからトルク比
tを算出する。
【0034】一方、エンジン回転数自乗算出手段120
は、エンジン回転数Neからエンジン回転数の自乗値Ne2
を算出する。
【0035】ポンプトルク(Tp)算出手段125は、ポ
ンプ容量係数Cpとエンジン回転数の自乗値Ne2から式
(6)に基づいて、 Tp=Cp*Ne2 …(6) でポンプトルクTpを求める。
【0036】タービントルク(Tt)算出手段130(Tt
は一次側プーリトルクTinと同じ)は、ポンプトルクTp
とトルク比tから式(7)に基づいて、 Tt=Tp*t …(7) でタービントルクTtを求める。
【0037】さらに、変速比(i)算出手段135は、
一次側プーリ回転数Ninと二次側プーリ回転数Noutの比
から式(8)に基づいて、 i=Nin/Nout …(8) で変速比iを求める。
【0038】最終的に、二次側プーリトルク(Tout)算
出手段140は、タービントルクTtと変速比iから式
(9)に基づいて、 Tout=Tt*i …(9) で二次側プーリトルクToutを求める。
【0039】これに対し、図5はエンジントルク特性を
利用したトルク推定ブロック図である。図5に示すエン
ジントルク特性を利用したトルク推定手段101は図1
において説明した無段変速機制御用コンピュータ26の
中に備えられており、エンジントルク特性(エンジント
ルクマップ)とトルクコンバータの特性(トルク比特
性)を用いて、トルクコンバータのタービントルクTt
(一次側プーリトルクTinに相当)、及び二次側プーリト
ルクToutを推定するものである。無段変速機制御用コン
ピュータ26は、エンジントルク特性を利用したトルク
推定手段101によって推定された一次側プーリトルク
Tin 、あるいは二次側プーリトルクToutを、図2のトル
ク変化率算出手段52に入力するToutの代わりに入力す
ることで、トルク変化率に応じて、前記式(1)、ある
いは式(3)を用い、ロックアップ制御信号算出手段5
3で算出したロックアップ制御信号LUDutyをロックアッ
プクラッチ8に送信することで、ロックアップ制御を行
う。
【0040】エンジントルク特性を利用したトルク推定
手段101は速度比(e)算出手段105と、エンジン
トルク(Te)算出手段112と、トルク比(t)算出手
段115と、ポンプトルク(Tp)算出手段127と、タ
ービントルク(Tt)算出手段130(Ttは一次側プーリ
トルクTinと同じ)と、変速比(i)算出手段135と、
二次側プーリトルク(Tout)算出手段140とを備えて
いる。
【0041】速度比(e)算出手段105は、エンジン
回転数Neと一次側プーリ回転数Ninの比から式(5)に
基づいて、速度比eを求める。
【0042】エンジントルク(Te)算出手段112は、
予め記憶しておいたエンジントルク特性(エンジントル
クマップ)を用いて、エンジン回転数Neとスロットル開
度TVOからエンジントルクTeを算出する。
【0043】また、トルク比(t)算出手段115は、
予め記憶しておいたトルクコンバータのトルク比(e−
t特性)を用いて、速度比(e)算出手段105によっ
て算出されたトルクコンバータの速度比eからトルク比
tを算出する。
【0044】ポンプトルク(Tp)算出手段127は、エ
ンジントルクTeと、予め無段変速機制御用コンピュータ
26で算出したエンジンの補機分のトルクTACCから式
(10)に基づいて、 Tp=Te−TACC …(10) でポンプトルクTpを求める。
【0045】タービントルク(Tt)算出手段130(Tt
は一次側プーリトルクTin と同じ)は、ポンプトルクTp
とトルク比tから式(7)に基づいて、タービントルク
Ttを求める。
【0046】さらに、変速比(i)算出手段135は、
一次側プーリ回転数Nin と二次側プーリ回転数Noutの比
から式(8)に基づいて、変速比iを求める。
【0047】最終的に、二次側プーリトルク(Tout)算
出手段140は、タービントルクTtと変速比iから式
(9)に基づいて、二次側プーリトルクToutを求める。
【0048】なお、図4,図5に示したトルクコンバー
タの特性を利用したトルク推定手段、及びエンジントル
ク特性を利用したトルク推定手段は、無段変速機制御用
コンピュータ26の中に備えられるが、ぞれぞれ個別に
備えてトルク推定を行うばかりでなく、両方を備え、運
転条件(速度比i)に応じて両者を切り換えてトルク推
定を行っても良い。
【0049】したがって、本実施形態においては、ロッ
クアップ制御信号LUDutyを求める際に、トルク変化率の
算出は、図2で説明した二次側プーリトルクTout、また
は、エンジントルクTe,一次側プーリトルクTin 、ある
いは変速比iから導き出される変速比変化率に基づき行
われるばかりでなく、図4に示したトルクコンバータの
特性を利用したトルク推定結果、あるいは、図5に示し
たエンジントルク特性を利用したトルク推定結果を用い
ても行われる。
【0050】以上の説明により、本発明によれば、トル
ク変化率ΔToutの大きい状態ではロックアップ制御信号
LUDutyの増加割合が大きくなるが、運転者に締結ショッ
クを感じにくくすることができ、かつ、ΔToutの小さい
状態ではLUDutyの増加割合が小さくなることで締結ショ
ックを抑えるため、運転者に不快感を与えにくくするこ
とができる。
【0051】加えて、本発明によれば、トルク変化率Δ
Toutの大きい状態ではロックアップ制御信号LUDutyの増
加割合を大きくすることで、ロックアップクラッチ8が
締結している間の、いわゆる、すべりが生じている時間
を短縮でき、その結果として、ロックアップクラッチ8
の耐久性を更に向上できるという効果を得られる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
運転者に対し、ロックアップクラッチの締結ショックに
伴う不快感を与えにくくすることができる。
【0053】また、ロックアップクラッチの締結時間を
短縮することで、ロックアップクラッチの耐久性を向上
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による無段変速機の全体構
成を示すシステム図である。
【図2】本発明の一実施形態によるトルク変化率に応じ
たロックアップ制御信号算出ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による本発明によるロック
アップ制御の動作説明図である。
【図4】本発明の一実施形態によるトルクコンバータの
特性を利用したトルク推定ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態によるエンジントルク特性
を利用したトルク推定ブロック図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…エアフローセンサ、3…エンジン回
転センサ、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…エン
ジントルクセンサ、7…トルクコンバータ、8…ロック
アップクラッチ、9…一次側プーリ、10…二次側プー
リ、11…一次側プーリ回転センサ、12…二次側プー
リ回転センサ、13…一次側プーリトルクセンサ、14
…二次側プーリトルクセンサ、15…車速センサ、16
…ベルト、17…デファレンシャルギア、18…駆動
輪、19…変速ソレノイド、20…ライン圧デューティ
ソレノイド、21…ロックアップデューティソレノイ
ド、22…油圧制御ユニット、23…前進クラッチ、2
4…スロットルセンサ、25…エンジン制御用コンピュ
ータ、26…無段変速機制御用コンピュータ、27…油
温センサ、28…トルクコンバータ入力軸、29…トル
クコンバータ出力軸、50…トルク変化率に応じたロッ
クアップ制御信号算出手段、51…ロックアップ制御開
始判定手段、52…トルク変化率算出手段、53…ロッ
クアップ制御信号算出手段、100…トルクコンバータ
の特性を利用したトルク推定手段、101…エンジントル
ク特性を利用したトルク推定手段、105…速度比
(e)算出手段、110…ポンプ容量係数(Cp)算出手
段、112…エンジントルク(Te)算出手段、115…
トルク比(t)算出手段、120…エンジン回転数自乗
算出手段、125…ポンプトルク(Tp)算出手段、12
7…ポンプトルク(Tp)算出手段、130…タービント
ルク(Tt)算出手段、135…変速比(i)算出手段、
140…二次側プーリトルク(Tout)算出手段。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと無段変速機の中間にトルクコン
    バータを配置し、トルクコンバータに付属したロックア
    ップクラッチを締結させることで、トルクコンバータの
    入力軸と出力軸の回転数を一致させることを特徴とする
    無段変速機のロックアップ制御装置において、トルク変
    化率に応じたロックアップ制御信号算出手段を有し、当
    該ロックアップ制御信号算出手段は、スロットル開度TV
    O ,一次側プーリ回転数Nin,車速VSP,油温TATFより、
    ロックアップ制御開始を判定するロックアップ制御開始
    判定手段,二次側プーリトルクToutを入力し、トルク変
    化率ΔToutを算出するトルク変化率算出手段,前記ロッ
    クアップ制御開始判定の結果、およびトルク変化率ΔTo
    utより、ロックアップ制御信号LUDutyを算出するロック
    アップ制御信号算出手段から成ることを特徴とする、無
    段変速機のロックアップ制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の無段変速機のロックアップ
    制御装置において、上記トルク変化率算出手段は、エン
    ジントルクTe,一次側プーリトルクTin のいずれかを用
    いてロックアップ制御信号LUDutyを算出することを特徴
    とする無段変速機のロックアップ制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の無段変速機のロックアップ
    制御装置において、上記トルク変化率算出手段の代わり
    に、一次側プーリ回転数Nin,二次側プーリ回転数Nout
    の比から求めた変速比iの変速比変化率Δiを算出し、
    この変速比変化率Δiを用いてロックアップ制御信号LU
    Dutyを算出することを特徴とする無段変速機のロックア
    ップ制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の無段変速機のロックアップ
    制御装置において、上記トルク変化率算出手段は、トル
    クコンバータの特性を利用したトルク推定から求めた一
    次側プーリトルクTin ,二次側プーリトルクTout、及び
    エンジントルク特性を利用したトルク推定から求めた一
    次側プーリトルクTin,二次側プーリトルクTout のう
    ち、少なくとも1つを用いてロックアップ制御信号LUDu
    tyを算出することを特徴とする無段変速機のロックアッ
    プ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008039034A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Honda Motor Co Ltd 無段変速機のロックアップ制御装置

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