JPH10140127A - 接着剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

接着剤組成物及びその製造方法

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JPH10140127A
JPH10140127A JP8302286A JP30228696A JPH10140127A JP H10140127 A JPH10140127 A JP H10140127A JP 8302286 A JP8302286 A JP 8302286A JP 30228696 A JP30228696 A JP 30228696A JP H10140127 A JPH10140127 A JP H10140127A
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JP
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group
component
silicon
adhesive composition
compound
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JP8302286A
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English (en)
Inventor
Manabu Tsumura
学 津村
Takanao Iwahara
岩原孝尚
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来、半導体実装用接着剤としては、アクリル
系、エポキシ系、ゴム−フェノール樹脂系等が一般的に
広く使用されているが、信頼性の向上が求められてい
た。 【解決手段】主鎖骨格の30重量%以上がケイ素と炭素
からなるケイ素系高分子で、分子末端がビニルシリル基
(CH2=CR’−Si(R)2−)であることを特徴と
する反応性ケイ素系高分子、及び1分子中に少なくとも
2つ以上のSi−H基を有するケイ素化合物、及びヒド
ロシリル化触媒を含有してなる組成物を接着剤として用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性接着材料に関
するものであり、更に詳しくは高い接着力を有する、リ
ジッド配線板、フレキシブルプリント配線板及びリード
フレーム周辺材料等、半導体実装用接着剤として使用さ
れる接着材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、電子機器のより小型、高性能化が
進む中で半導体実装分野でも、小型、薄型、軽量、高密
度のパッケージが求められてきている。この半導体実装
技術の中で、部品同士を接合するための高性能な耐熱性
接着剤の開発が求められるようになってきた。
【0003】例えば、接着テープは、一般にリードフレ
ームメーカーで、リードフレーム上にテーピングされた
後、半導体メーカーでICチップと熱圧着し、さらにチ
ップとリードフレームを超音波をかけながら250℃前
後の温度でワイヤボンディングし、約180℃から20
0℃前後の温度で樹脂封止される。その後、250℃前
後の温度の半田リフローによって実装される。このため
接着テープに電気特性はもちろんのこと、テーピング直
後の十分な室温接着力、ICチップとの接着力及び耐半
田耐熱性などの総合特性が要求される。
【0004】また、リジッド回路基板あるいは柔軟性回
路基板用途の接着剤は、それらの製造工程の酸・塩基等
の化学処理、加熱ラミネーション、半田付け等の熱処理
工程による接着剤の特性低下がないことが要求される。
従来の半導体実装用接着剤としては、アクリル系、エポ
キシ系、ゴム−フェノール樹脂系等が一般的に広く使用
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エポキ
シ系接着剤の場合は耐熱性、耐化学性、寸法安定性は優
れているが接着力と柔軟性が足りない、またキュア時の
発生ガスが基板金属表面を汚染し、接着力低下なパッケ
ージクラックなどの問題点がある。また、アクリル系、
ゴム−フェノール樹脂系接着剤は、イオン性不純物が多
い、加熱硬化に高温長時間を必要とし、生産性が悪いな
ど高信頼性接着剤としての要求を満たしているとはいい
難く満足できる材料が見当たらない。
【0006】したがって、本発明の目的は、半導体実装
用接着剤で、耐熱性の他、接着性及び柔軟性の諸特性が
優れた接着剤組成物及びその製造方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の手段にとって達成された。すなわち、本発明は、主
鎖骨格の30重量%以上がケイ素と炭素からなるケイ素
系高分子で、分子末端がビニルシリル基(CH2=CR'-Si(R)
2-)であることを特徴とする反応性ケイ素系高分子、及
び1分子中に少なくとも2つ以上の Si-H 基を有するケ
イ素化合物、及びヒドロシリル化触媒を含有してなる接
着剤組成物及びその製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】はじめに、該接着剤組成物中の本
発明の反応性ケイ素系高分子((A)成分)について説
明する。本発明の(A)成分である反応性ケイ素系高分
子は、一般的に次のような方法で製造することができ
る。すなわち、HSi(R)2-X-Si(R)2Hもしくは、HSi(R)2H
で示される1分子中に2つの SiH 結合を有するケイ素
化合物((甲)成分)と、CH2=CR'-Si(R)2-Y-Si(R)2-CH
2==CR' もしくは、CH2=CR'-Si(R)2-CH2=CR' で示され
る1分子中に2つのビニルシリル基 (CH2=CR'-Si(R)2-)
を有するケイ素化合物((乙)成分)をモノマーとし
て用いたヒドロシリル化反応によって合成できる。(式
中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基を表し、R’は
水素または1価の有機基を表す。) 具体的には、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、i
−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソアミル、n
−オクチル、n−ノニル、フェニル基、クロル基、トリ
メチルシロキシ基等が挙げられる。
【0009】上記X及びYは、炭素数1から50までの
2価の有機基、2価の有機ケイ素基または酸素原子であ
ってもよく、また有機基は官能基を含んでいてもよい。
XおよびYを具体的に例示すれば、下記に示す構造が挙
げられる。
【0010】
【化1】
【0011】これらのうちで、
【0012】
【化2】
【0013】が好ましい。さらには、
【0014】
【化3】
【0015】が特に好ましい。R’は上述と同じで、具
体的に例示すれば、H、メチル、エチル、フェニル、ト
リメチルシロキシ基などである。 これらのうちで、H
が特に好ましい。上記(乙)成分を過剰に用いることに
より、各分子末端がビニルシリル基(CH2=CR’−
Si(R)2−)である反応性ケイ素系高分子が得られ
る。本発明の反応性ケイ素系高分子の分子量は、粘度・
溶解性の点から、ゲル・パーミエーションクロマトグラ
フ(GPC)におけるポリスチレンスタンダードを用い
た数平均分子量で1000〜50000が好ましく、1
500〜30000がさらに好ましい。分子量分布は5
以下が好ましく。3以下がさらに好ましい。
【0016】本発明の反応性ケイ素系高分子の主鎖骨格
は、基本的には直鎖状であるが。溶解性を損なわない範
囲で分岐構造を有していても構わない。本発明の反応性
ケイ素系高分子の好ましい構造を例示すれば、 CH2=CH−[Si(Ph)(Me)−p−C64−S
i(Ph)(Me)−CH2CH2−]n−Si(Ph)
(Me)−p−C64−Si(Ph)(Me)−CH=
CH2、 CH2=CH−[Si(Ph)(Me)−CH2CH2
SiMe2−p−C64−SiMe2−CH2CH2n−S
i(Ph)(Me)−CH=CH2、 CH2=CH−[SiMe2−m−C64−SiMe2−C
2CH2−SiMe2−p−C64−SiMe2−CH2
2n−SiMe2−m−C64−SiMe2−CH=C
2、 CH2=CH−[SiMe2−p−C64−SiMe2−C
2CH2−SiMe2−m−C64−SiMe2−CH2
2n−SiMe2−p−C64−SiMe2−CH=C
2、 CH2=CH−[SiMe2−p−C64−SiMe2−C
2CH2−Si(Ph)(Me)−m−C64−Si
(Ph)(Me)−CH2CH2n−SiMe2−p−C6
4−SiMe2−CH=CH2、 CH2=CH−[SiMe2−m−C64−SiMe2−C
2CH2−SiMe2−CH2CH2n−SiMe2−m−
64−SiMe2−CH=CH2、 などを挙げることができる。
【0017】本発明の請求項2記載の式(1)で示され
る構造単位を該高分子中に生成させるためには、(甲)
成分として、HSi(R1)(R2)-p-C6H4-Si(R1)(R2)Hで示され
るケイ素化合物、あるいは(乙)成分として、CH2=CH-
Si(R1)(R2)-p-C6H4-Si(R1)(R 2)-CH=CH2で示されるケイ
素化合物(上記式中のR1、R2は式(1)中のR1、R2
と同じ。)のうち少なくとも一方をヒドロシリル化重合
の成分の1つとして用いる必要がある。
【0018】また、式(2)で示される構造単位を該高
分子中に生成させるためには、(甲)成分として、HSiM
e2-p-C6H4-SiMe2Hかつ(乙)成分として、CH2=CH-Si(R
1)(R 2)-CH=CH2で示されるケイ素化合物、あるいは
(甲)成分として、HSi(R1)(R2)-Hかつ(乙)成分とし
て、CH2=CH-SiMe2-p-C6H4-SiMe2-CH=CH2(上記式中の
1、R2は式(1)中のR1、R2と同じ。)のいずれか
の組み合わせを、ヒドロシリル化重合の成分の1つとし
て用いる必要がある。
【0019】さらに、式(3)で示される構造単位を該
高分子中に生成させるためには、(甲)成分として、HS
i(R1)(R2)-m-C6H4-Si(R1)(R2)Hで示されるケイ素化合
物、あるいは(乙)成分として、CH2=CH-Si(R1)(R2)-m
-C6H4-Si(R1)(R2)-CH=CH2で示されるケイ素化合物(上
記式中のR1、R2は式(1)中のR1、R2と同じ。)の
うち少なくとも一方をヒドロシリル化重合の成分の1つ
として用いる必要がある。
【0020】また、通常上記(甲)(乙)両成分は2官
能性化合物であるため、直鎖状のケイ素系高分子が生成
するが、上記(甲)または/及び(乙)成分の一部とし
て1分子中に3個以上のSiH結合またはビニルシリル
基 (CH2=CR'-Si(R)2-) を有するケイ素化合物を併用す
る場合には、直鎖状分子に分岐構造が含まれることにな
るが、得られる反応性ケイ素系高分子の溶解性を損なわ
ない程度であれば問題なく併用することが出来る。
【0021】重合方法は、上記(甲)(乙)両成分と触
媒を用いるが、溶媒は用いても用いなくても良い。反応
温度は−50℃から200℃が好ましいが、さらには0
℃から150℃が好ましい。重合は各種触媒を用いてそ
の反応速度を制御することが出来る。モノマーの組み合
わせの違いによって、反応を促進する触媒の種類は若干
異なるが、いわゆるヒドロシリル化反応に用いられる触
媒としては、白金の錯体、アルミナ、シリカ、カーボン
ブラックなどの単体に固体白金を担持させたもの、塩化
白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン
などの錯体、白金ーオレフィン錯体(例えば、Pt(C
2=CH22(PPh32Pt(CH2=CH22Cl
2);白金ービニルシロキサン錯体(例えば、Ptn(V
iMe2SiOSiMe2Vi)m、Pt[(MeViS
iO)4m)、白金ーホスフィン錯体(例えば、Pt
(PPh34、P(PBu)4)、白金ーホスファイト
錯体(例えば、Pt[P(OPh)34)(式中、Me
はメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phは
フェニル基を表し、m,nは整数を表す)、ジカルボニ
ルジクロロ白金、また、アシュビー(Ashby)の米国特
許第3159601及び、3159662号書中に記載
された白金ー炭化水素複合体、並びに、ラモロー(Lamo
reaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載
された白金アルコラート触媒も挙げられる。さらに、モ
ディク(Modic)の米国特許第3516946号明細書
中に記載された塩化白金ーオレフィン複合体も本発明に
おいて有用である。
【0022】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh3)3、RhCl3、RhAl2O3、RuCl3、IrCl3、FeC
l3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、などが挙げら
れる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上
併用しても構わない。触媒活性の点から、塩化白金酸、
白金ーオレフィン錯体、白金ービニルシロキサン錯体、
白金アセチルアセトナートが好ましい。触媒量としては
とくに制限はないが、ヒドロシリル基1molに対し
て、10-1〜10-8molの範囲で用いるのがよい。さ
らには10-3〜10-6molが好ましい。
【0023】重合に用いる溶媒は、用いなくとも良い
が、用いる場合には、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、
ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、
1,4ージオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル
系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系
溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2ージクロ
ロエタンなどのハロゲン系溶媒を好適に用いることがで
きる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることも
できる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、クロロホ
ルムが好ましい。また、その量はモノマーの合計1mo
lに対して0〜50L使用するのが好ましい。
【0024】(B)成分として用いるケイ素化合物は、
1分子中に2個以上のSiH基を有するケイ素化合物で
あれば特に制限なく用いることができる。例えば、
(B)成分としては、特開平3−95266、特開平3
−200807に開示されている1分子中に少なくとも
2個以上のSiH基を有する化合物である。本発明の
(B)成分としては、オルガノハイドロジェンポリシロ
キサンも用いることが可能である。ここで言うオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンとは、Si原子上に炭化
水素基あるいは水素原子を有するポリシロキサンを指
し、その構造について具体的に示すと、
【0025】
【化4】
【0026】などで示される鎖状、環状のものが挙げら
れる。また、本発明の(B)成分としては、式(4)〜
(9)で表されるヒドロシラン、または芳香環上の3個
以上の水素がSiR2H、SiRH2、SiH3(Rは炭
素数1〜20の1価の有機基を表す。)で置換された芳
香環と該置換基からなるヒドロシランなども好ましく使
用することができる。具体的には。これらの化合物は1
種類でも2種類以上用いても良い。 HSiR2−X−SiR2H (4)、 HSiR2H (5)、 HaSiR(4-a) (6)、 H(a-1)SiR(4-a)−(X)m(SiRH)nSiR
(4-a)(a-1)(7)、 R’−(X)m(SiRH)(n+2)−R’(8)、 [X−SiR(4-a)(a-2)(n+2)(9) (式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基を表し、
R’は水素または1価の有機基を表し、Xは2価の基を
表し、aは3〜4の整数、nは0〜30の整数、mは1
〜31の整数を表す。) 式(4)〜(9)中の1価の有機基としては、例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブ
チル、t−ブチル、イソアミル、n−オクチル、n−ノ
ニル、フェニル基、クロル基、トリメチルシロキシ基等
が挙げられ、メチル基、フェニル基が好ましい。式
(4)、(7)、(8)、(9)中の2価の基:Xは、
具体的には下記に示す構造があげられる。
【0027】
【化5】
【0028】(式中、nは1〜4の整数を表す。)これ
らのうちで、
【0029】
【化6】
【0030】(式中、Meはメチル基を表し、nは前記
と同じ。)が好ましい。さらには、
【0031】
【化7】
【0032】(式中、nは前記と同じ。)が特に好まし
い。(B)成分の好ましい具体例として、
【0033】
【化8】
【0034】(式中、Meは前記と同じ、Phはフェニ
ル基、nは3〜5の整数を表す。)で示す構造をあげる
ことができる。反応性ケイ素系高分子((A)成分)と
1分子中に2個以上のSiH基を有するケイ素化合物
((B)成分)は種々の比で使用することができる。上
記(B)成分は、上記(A)成分の反応性ケイ素系高分
子のビニルシリル基(CH2=CR’−Si(R)2−)
に対し、上記(B)成分のSiH基が0.5〜5の範囲
で使用することが好ましい。更には、0.8〜3の範囲
で使用することが好ましい。
【0035】本発明の接着剤組成物の(C)成分である
ヒドロシリル化触媒は、上記(A)成分の反応性ケイ素
系高分子の製造方法で例示したヒドロシリル化重合の際
に用いたのと同じヒドロシリル化触媒を好適に用いるこ
とができる。好ましい触媒種と使用量は前述と同じであ
る。本発明の接着剤組成物の(D)成分であるシランカ
ップリング剤としては、分子中にエポキシ基、メタクリ
ル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレー
ト基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくと
も1個の官能基と、ケイ素原子結合アルコキシ基を有す
るシランカップリング剤が好ましい。前記官能基につい
ては、中でも、硬化性及び接着性の点から、分子中にエ
ポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。
具体的に例示すると、エポキシ官能基とケイ素原子結合
アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物としては3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシランが挙げられる。また、メタクリル基あるいはア
クリル基とケイ素原子結合アルコキシ基を有する有機ケ
イ素化合物としては3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メ
タクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキ
シメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリ
メトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラ
ンが挙げられる。
【0036】本発明の接着剤組成物の(E)成分である
有機アルミニウム化合物としては、アルコキシシリル基
の加水分解縮合反応の有用な触媒とされるキレート有機
化合物が好ましい。具体例としては、アルミニウムアセ
チルアセトネート等が挙げられる。また、本発明の
(E)成分である有機チタン化合物としては、アルコキ
シシリル基の加水分解縮合反応の有用な触媒とされるT
i−O−C結合を有する有機チタン化合物が好ましい。
具体例としては、テトライソプロポキシチタン、テトラ
ブトキシチタン等のテトラアルコキシチタンのほか、オ
キシ酢酸やエチレングリコール等の残基を有するものな
ど一般的なチタネートカップリング剤を使用することが
できる。
【0037】本発明の接着剤組成物の(F)成分である
多価アルコキシシランとしては、種々のアルコキシシラ
ンが使用できる。具体的にはテトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラ(n−プロピル)シラン、
テトラ(n−ブチル)シランなどのテトラアルコキシシ
ラン及びその縮合体またはメチルトリエトキシシラン、
エチルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン
及びその縮合体が使用できる。
【0038】さらに本発明の接着剤組成物の保存安定性
を改良する目的で、貯蔵安定改良剤を使用することがで
きる。貯蔵安定改良剤は、硬化性組成物の貯蔵安定性を
高める目的で用いる。貯蔵安定改良剤としては、脂肪族
不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イ
オウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸
化物等の貯蔵安定性改良剤を併用してもかまわない。脂
肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパギルア
ルコール、エン−イン化合物、マレイン酸エステル等が
例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフ
ォスフィン、ジオルガノフォスフィン、オルガノフォス
フォン、トリオルガノフォスファイト等が例示される。
有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン、ジ
オルガノスルフィド、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベ
ンゾチアゾールジサルファイト等が例示される。窒素含
有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミ
ン、アリールアミン、尿素、ヒドラジン等が例示され
る。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和
物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物
としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブ
チル等が例示される。貯蔵安定性改良剤は、ベンゾチア
ゾール、チアゾール、ジメチルマレートが好ましく、ジ
メチルマレートが好ましいがこれに限定されるものでは
ない。貯蔵安定性改良剤は、使用する白金触媒1mol
に対し、0〜1000molの範囲で用いるのが好まし
く、10〜500 molの範囲で用いるのがさらに好
ましく、30〜300 molの範囲で用いるのが特に
好ましい。
【0039】本発明の接着剤組成物に無機フィラーを添
加すると、主に半田付け等の熱衝撃の緩和、接着剤の流
動性の防止、接着強度の安定化や向上に効果があるの
で、好ましく使用できる。無機フィラーとしては電気絶
縁性に優れ、微粒子状なものが好ましく、アルミナ、水
酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉
無定型シリカや疎水性超微粉シリカ、タルク、硫酸バリ
ウム等を挙げることができる。
【0040】また更に、本発明の接着剤組成物の特性を
改質する目的で、種々の樹脂を添加することも可能であ
る。樹脂としては、エポキシ樹脂、シアナート樹脂、フ
ェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビ
ニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びポリエステル樹
脂等が例示されるがこれに限定されるものではない。本
発明の接着剤組成物をそのままフィルムに流延あるいは
塗布することも可能であるが、該接着剤組成物を有機溶
剤に溶解して塗布ワニスとすることも可能である。使用
できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例
示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンな
どの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4ー
ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ク
ロロホルム、塩化メチレン、1, 2ージクロロエタン
などのハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶
媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、クロロホルムが好
ましい。使用する溶媒量は、用いる反応性ケイ素系高分
子((A)成分)1gに対し、0〜10 mLの範囲で
用いるのが好ましく、0.5〜5mLの範囲で用いるの
がさらに好ましく、1〜3mLの範囲で用いるのが特に
好ましい。
【0041】具体例として、本発明の接着剤組成物を用
いて、例えば、柔軟性回路基板は以下の様に製造するこ
とができる。本発明の接着剤組成物を厚さ20〜100
μmの高分子樹脂フィルム上に、ロール、リバースロー
ル、カンマコーター等を用いて乾燥後の接着剤塗布厚さ
が20〜100μmとなるように塗布した後、熱風乾燥
器中で予備硬化させる。予備硬化条件は、加熱温度と加
熱時間は接着剤組成物の種類によるが、概ね50〜15
0℃で数秒〜1時間程度の条件が好ましい。前記方法で
製造した接着剤層付きフィルムを、加熱・加圧ロールも
しくは加熱・加圧プレスで銅、アルミニウム、錫等の金
属箔を、50〜200℃、5〜20kgf/cm2の温
度/圧力で接合する。
【0042】このように製造した柔軟性回路基板は10
0〜300℃で1〜24時間加熱を行い、接着剤層の硬
化を促進させる。高分子樹脂フィルムとしては、ポリア
リレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、熱硬化
性ポリイミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、
芳香族ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルファイ
ド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド樹脂
フィルム等が挙げられる。また、上記耐熱性樹脂フィル
ム表面は、化学的処理、コロナ放電処理、低温プラズマ
処理など目的に応じ接着性の改良の処理が施されている
報が好ましい。
【0043】本発明の耐熱性接着材料は、半導体実装用
のリジッド配線板、フレキシブルプリント配線板及びリ
ードフレーム周辺材料として広く用いることが可能であ
り、高い接着強度・耐熱性に優れている。次の実施例は
本発明をより具体的に説明するものであるが、本発明の
範囲を限定するものではない。
【0044】
【実施例】
(1)反応性ケイ素系高分子((A)成分)の合成 1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン 50.70
g(260.8mmol)を トルエン100mL に溶
かし、メチルフェニルジビニルシラン50.00g(2
86.9mmol)と 白金ビニルシロキサン錯体59
1mg(9.71x10-5mmol/mg,Si−vi
nyl基に対し10-4当量使用)のトルエン溶液 16
0mL に3.5時間かけて滴下した(仕込み比:Si
−vinyl基/Si−H基 =1.1)。滴下中内温
が44℃ まで上昇したことが確認された。20時間
後、溶媒留去を行い、高粘性の反応性ケイ素系高分子9
4.3gを製造した。収率:94%。得られた反応性ケ
イ素系高分子は、ゲル・パーミエーションクロマトグラ
フ(GPC)におけるポリスチレンスタンダードを用い
た数平均分子量で2230、重量平均分子量で4890
のものであった。また、1,2−ジブロムエタンを用い
たビニルシリル基(CH2=CH−Si(Me)(P
h)−)の定量の結果、ビニル含有量は0.7684m
mol/mgであった。 (2)接着剤の造液 上記のように製造した反応性ケイ素系高分子と、硬化
剤、接着付与剤及び硬化触媒 として白金ビニルシロキ
サン錯体(Si−vinyl基に対し10-4当量使用)
を、溶剤としてテトラヒドロフランを、反応性ケイ素系
高分子1gに対し1mL用いて所定量混合し、接着剤液
を得た。接着剤の組成を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】(3)接着剤層の作製と接着強度評価 (実施例1)(2)で得られた接着剤液を厚さ20μm
程度になるようにカンマコーターを用いて、ポリフェニ
レンサルファイドフィルム(”トレリナ”東レ(株)
製)上に塗布し、60℃で1分間乾燥した。上記作製フ
ィルムの樹脂塗工面と、200μm用のリードフレーム
用42アロイと重ね合わせ表面温度200℃に加熱した
加圧プレスで圧力6kg/cm2、加熱時間7秒で張り
合わせ、さらに150℃で3時間加熱した。加熱後の接
着力は1.3kg/cmであり接着力の強い重ね合わせ
品が得られた。
【0047】(実施例2)(2)で得られた接着剤液を
厚さ20μm程度になるようにカンマコーターを用い
て、ポリイミドフィルム(”アピカル”25AH、鐘淵
化学工業(株)製)上に塗布し、60℃で1分間乾燥し
た。上記作製フィルムの樹脂塗工面と、ポリイミドフィ
ルム(”ユーピレックス”75S、宇部興産(株)製)
と重ね合わせ、180℃に加熱したロールラミネータで
張り合わせ、さらに150℃で3時間加熱した。接着力
は1.5kg/cmであり接着力の強い重ね合わせ品が
得られた。
【0048】
【発明の効果】本願発明の接着剤組成物は、高い接着強
度・耐熱性を有し、半導体実装用途の接着剤として広く
用いることが可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖骨格の30重量%以上がケイ素と炭
    素からなるケイ素系高分子で、分子末端がビニルシリル
    基(CH2=CR’−Si(R)2−)であることを特徴
    とする反応性ケイ素系高分子((A)成分)、及び1分
    子中に少なくとも2つ以上のSi−H基を有するケイ素
    化合物((B)成分)、及びヒドロシリル化触媒
    ((C)成分)を含有してなる接着剤組成物。(式中、
    Rは炭素数1〜20の1価の有機基を表し、R’は水素
    または1価の有機基を表す。)
  2. 【請求項2】 主鎖骨格に下記式(1)〜(3): −Si(R1)(R2)−p−C64−Si(R1
    (R2)−CH2CH2−(1) −Si(R1)(R2)−CH2CH2−SiMe2−p−C
    64−SiMe2−CH2CH2−(2) −Si(R1)(R2)−m−C64−Si(R1
    (R2)−CH2CH2−(3) のいずれかで示される
    構造単位を30重量%以上有すること、及び各分子末端
    がビニルシリル基(CH2=CR’−Si(R)2−)で
    あることを特徴とする数平均分子量1000以上の反応
    性ケイ素系高分子((A)成分)、及び1分子中に少な
    くとも2つ以上のSi−H基を有するケイ素化合物
    ((B)成分)、及びヒドロシリル化触媒((C)成
    分)を含有してなる接着剤組成物。(式中、R1・R2
    炭素数1〜20の1価の有機基を表し、R’は水素また
    は1価の有機基を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1で用いた(A)〜(C)成分を
    必須成分として用いることの他に、下記(D)、
    (E)、(F)成分を必須成分とする請求項1記載の接
    着剤組成物。 (D)シランカップリング剤 (E)有機アルミニウム化合物及び/あるいは有機チタ
    ン化合物 (F)多価アルコキシシラン及び/あるいはその縮合体
  4. 【請求項4】 請求項2で用いた(A)〜(C)成分を
    必須成分として用いることの他に、上記(D)、
    (E)、(F)成分を必須成分とする請求項2記載の接
    着剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の接着剤層
    の作製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007508408A (ja) * 2003-10-08 2007-04-05 コーロン インダストリーズ インク 高温耐熱性粘着テープ及びその製造方法
JP2016529342A (ja) * 2013-07-03 2016-09-23 ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 高温剥離性接着剤

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