JPH10140045A - 被塗物中の有害物質の放散防止に有効な塗料組成物 - Google Patents

被塗物中の有害物質の放散防止に有効な塗料組成物

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JPH10140045A
JPH10140045A JP31150596A JP31150596A JPH10140045A JP H10140045 A JPH10140045 A JP H10140045A JP 31150596 A JP31150596 A JP 31150596A JP 31150596 A JP31150596 A JP 31150596A JP H10140045 A JPH10140045 A JP H10140045A
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activated carbon
coating composition
powdery
amine compound
coating
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JP31150596A
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Yutaka Matsui
裕 松井
Kunio Matsuno
邦生 松野
Yayoi Mikami
弥生 三上
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Rock Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建材に含まれるホルマリン、DOP(ジオク
チルフタレート)、TCEP(トリクロロエチルホスフ
ェイド)、クロルピリホス、フエニトロチオン、ホキシ
ム、ピリダフエンチオン等々の有害化学物質の空気中へ
の放散を防止し、室内生活環境の悪化を防止し得る塗料
組成物の提供を図る。 【解決手段】 粉状或いは微粒子状活性炭と、アミン化
合物、酸化チタン等の有害物質除去剤を添着してなる活
性炭、セピオライト、ゼオライト等の粉状或いは微粒子
状の多孔質体との少なくとも何れか一方を含有する塗料
組成物であって、被塗物からの有害物質を除去するよう
にした塗料組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、塗装構造及びこの塗
装構造を構成する塗料組成物に関する。さらに詳しく
は、合板等を用いた屋内壁面や所謂ビニールクロスと呼
ばれる塩化ビニル製の壁紙を貼った壁面から室内に放出
され各種の人体に有害な化学物質を防除するために主と
して効果のある塗装構造及びこの塗装構造に用いられる
塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】我々の身の回りでは、様々な化学物質が
使われ日常生活において重要な位置を占めている。しか
し最近になって、日本や欧米等の先進国ではアレルギー
と共に新しいタイプの文明病の一つとして化学物質過敏
症が注目されている。
【0003】また、省エネルギーの観点から換気量を抑
えたビルにおいて化学物質で汚染された室内空気に暴露
されることによって生じる健康障害、所謂シックビル症
候群がかなりの頻度で見られるようになり、その研究が
進んだ結果、壁面からの放出される色々な化学物質によ
って、これらの化学物質の室内濃度が、外気に比べて高
いことが判って来た。さらに一般家庭においても、従
来、日本の住宅は欧米に比して風通しが良かったが、最
近は省エネ対策や工法、建材の変化によって、気密化が
進んでいる。
【0004】上記の室内環境下において、室内の壁面を
構成する建材を観察すると、今日においては、合板を建
材として使うことが一層増えてきているが、合板の接着
剤には尿素/ホルムアルデヒド樹脂が使われており、合
板中に残存するホルマリンが室内に放出されている。こ
のホルマリンは、発がん性物質であり、また、神経障害
を惹き起こすと言われている。
【0005】また、室内の壁紙には前述の塩化ビニル製
の壁紙が多く使われている。より具体的には、壁装材に
は、織物や紙製等、色々な種類があるが、壁装材料協会
の報告によると、平成7年度の壁紙の出荷総計約7億
4,500万m2のうち、塩化ビニル壁紙は約6億6,7
00万m2で、全体の89.5%を占めており、殆ど全て
の家庭で使用されていると言っても過言でない。この塩
化ビニル壁紙は、可塑材としてDOP(ジオクチルフタ
レート)や、有機リン系難燃性可塑材としてTCEP
(トリクロロエチルホスフェイド)等が含まれている。
これらの物質は、いずれも発がん性等の毒性を持ってい
るが、これらの物質も塩化ビニル壁紙から常に室内に放
出されている。また、壁紙の接着剤にも合板と同じ尿素
/ホルムアルデヒド樹脂が使われていて、ここからもホ
ルマリンが放出されている。さらに、床下の木材部分に
は、クロルピリホス、フエニトロチオン、ホキシム、ピ
リダフエンチオン等の有機リン系化合物が塗布されてお
り、これらは人間に対しても強い神経毒性を示す。これ
らの有害化学物質が我々の生活環境の中に徐々に入り込
み、アトピーやアレルギー症状等の惹き起こしている原
因になっているとも言われており、一般人の知らないと
ころで進むこれらの生活環境の悪化は、まことに憂慮す
べき事態に到っていると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本願発明
は、建材に含まれる前述のホルマリン、DOP(ジオク
チルフタレート)、TCEP(トリクロロエチルホスフ
ェイド)、クロルピリホス、フエニトロチオン、ホキシ
ム、ピリダフエンチオン等々の有害化学物質の空気中へ
の放散を防止し、室内生活環境の悪化を防止し得る塗料
組成物を提供せんとする。より望ましくは、室内の空気
中の前述の有害物質の量を、10分の1或いは欧米先進
国の基準値以下に減少させ得る塗料組成物を提供せんと
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者達は、上記の
課題を解決すべくその問題に取り組み、鋭意研究を重ね
た結果、粉状或いは微粒子状活性炭と、アミン化合物、
酸化チタン等の有害物質除去剤を添着してなる活性炭、
セピオライト、ゼオライト等の粉状或いは微粒子状の多
孔質体との少なくとも何れか一方を含有する塗料組成物
であって、被塗物からの有害物質を除去するようにした
塗料組成物を提供することによって、室内の空気中の有
害物質の量を減少させることができることを確認し(最
も効果的には、当該有害物質の量を、10分の1或いは
欧米先進国の基準値以下に減少させ得ることを確認
し)、本願の第1の発明を完成させたものである。
【0008】本願の第2の発明は、粉状或いは微粒子状
の活性炭と、アミン化合物を添着させた粉状或いは微粒
子状の活性炭と、セピオライトにアミン化合物を添着さ
せた粉状或いは微粒子状の無機鉱物系有害物質除去剤
と、ゼオライトに酸化チタンを添着させた粉状或いは微
粒子状の無機鉱物系有害物質除去剤とからなる群中の少
なくも1種を含有する塗料組成物であって、被塗物から
の有害物質を除去するようにした塗料組成物を提供する
ものである。
【0009】また、本願の第3の発明は、第1又は第2
の発明において、酸化チタン、ベンガラ、グラファイ
ト、コバルトグリーン、マンガンブルー等の着色顔料
と、マイカ、MIO(micaceous iron
oxide)等の薄片状の体質顔料を含有することを特
徴とする塗料組成物を提供するものである。
【0010】活性炭は、空気中や水中の悪臭物質を吸着
することによって、消臭剤として使用されたり、また、
空気中や水中の有害物質を除去するものとして広く使用
されているが、室内の生活環境を良好に保つためには、
室内の空気中に一度放散されてしまった有害物質を除去
するのでは、充分な効果が得られず、室内の空気中に放
散させない事が最も必要である。本願発明では、空気中
に放散された有害物質を吸着する除去することを主目的
とするものではなく、活性炭等を含む塗膜を被塗物の表
面側に形成することによって、内側の被塗物から空気中
に放散せんとする有害物質を、活性炭等によって放散前
に除去してしまうものである。
【0011】尚、本願発明の塗料組成物によって塗装を
行う際には、活性炭等を含む本願発明に係る塗料組成物
による塗膜の表面側に、塗料組成物で構成される第2塗
膜をさらに形成すると言うように、少なくとも2層の層
構造とすることによって、外部からの種々の物質が本願
発明の塗料組成物の塗膜の活性炭に吸着されることを制
限し、活性炭等の有害物質の除去能力を内面側の被塗物
からの有害物質に対する除去に主として作用させること
が好ましい。言い換えると、本願発明の塗料組成物の塗
膜のみで有害物質の吸着は可能であるが、さらにその上
に第2塗膜を形成することによって、放散速度が低下
し、第2塗膜下に残留中の有害物質がより確実に活性炭
等にキャッチされ、結果的に本願発明の塗料組成物中の
活性炭等の吸着能力を向上させることができると考えら
れる。
【0012】〔塗膜の種類〕本願発明に係る塗料組成物
は、有機化学物質を室内の空気中に放散しつつある建築
物の屋内部分、例えば、合板壁面、ビニルクロスを接着
剤で貼った壁面、白蟻駆除剤等の殺虫剤又は防腐剤を浸
み込ませた床下の柱や床の表面等に塗膜を形成して、活
性炭や、活性炭又はセピオライトの微粉末にアミン化合
物を添着させた無機鉱物系の有害物質除去剤や、ゼオラ
イトに酸化チタンを添着させた無機鉱物系の有害物質除
去等、後述の剤有害物質除去剤を、均一に、且つ、確実
に固着させることができるものであれば、その塗料の種
類を問わない。例えば硝化綿ラッカー、アルキッド樹脂
塗料、油性ワニス、エポキシ塗料、ポリウレタン塗料、
アクリル樹脂塗料などの溶剤型塗料、また水系のアクリ
ルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、スチレン/
アクリル共重合エマルジョン、酢酸ビニル/アクリル共
重合エマルジョン、及びこれらの混合物等々が用いられ
る。勿論これらの塗料中には本発明に於いて問題とされ
ている有害化学物質は含まれてはならないし、また溶剤
型塗料に於いては出来るだけ低沸点溶剤を使用する。溶
剤による汚染を考慮すると、一般には、溶剤型塗料より
も水系エマルジョンの使用が好ましい。
【0013】尚、本願発明に係る塗装組成物の上に、第
2塗膜を形成するようにして実施する場合、この第2塗
膜を形成する塗料は、従来と同様の塗膜形成可能な樹脂
を含む塗料を使用できるものであり、上記の本願発明に
係る塗料組成物と本質的に同様のものを使用すれば足り
る。
【0014】〔活性炭〕活性炭は、多孔質で1g当た
り、約1,000〜3,000m2 の表面積がある。気
体や色素溶液中に溶質などをその表面によく吸着する性
質を持ち、有害物質の除去には従来から使われている。
大気や水質汚染の除去にはなくてはならなぬものとされ
ている。しかし、その使用方法は粉末活性炭を水中に直
接ばら撒き、或いは粒状活性炭を充填したカラムの中に
空気を通す等の方法で有害物質を除去している。即ち、
空気中や水中に存在する有害物質の除去に専ら使用され
ているが、本願発明では活性炭を塗料組成物中に加え、
これを塗装し、塗膜となったあと、被塗物がその内部に
含有している人体に有害な化学物質の放散や滲み出しを
防止すると言う、有効且つ新しい手段を提供するもので
ある。
【0015】本願発明に用いられる活性炭は、塗膜中に
配位することが可能な大きさであればよく、粉状或いは
微粒子状のものを用いられる。活性炭の製造方法には、
木材類、石炭類、石油ピッチ、等を原料とし空気を断っ
て1,000°C以上の高温下に水蒸気を通してつくる
水蒸気賦活法や、加熱時に塩化亜鉛などの活性化剤を加
えてつくる方法等があるが、何れの方法によるものでも
よい。
【0016】活性炭の配合量は、塗料の総重量の、少な
くとも1重量%以上とする。これより少なくなると、有
害物質の吸着効果が充分に発揮されず、より望ましくは
5重量%以上とする。活性炭の配合量の上限は、塗膜形
成が可能な範囲であれば良く、吸着効果の点からは特に
制限はない。経済面からすると、50重量%を越える必
要はない。
【0017】〔有害物除去剤〕次に、ホルムアルデヒド
などの低級アルデヒドは、活性炭だけでは補足し難たい
化学物質であるが、アミン化合物、酸化チタン等の有害
物質除去剤を添着した活性炭、セピオライト、ゼオライ
ト等の粉状或いは微粒子状多孔質体を用いることによっ
て、低級アルデヒド類を除去、分解して、ホルムアルデ
ヒドなどの有害物質の放散を抑えることが可能であるこ
とが判明した。より望ましくは、セピオライト(珪酸マ
グネシウム系の層状結晶をした鉱物)や活性炭に例えば
2,4ジニトロフェニルヒドラジンなどのヒドラジン誘
導体、モルフォリン、ピペラジンなどのアミン系化合物
を添着させ、アルデヒド類を化学反応によって除去する
無機鉱物系の有害物除去剤、またはゼオライトに超微粒
子の酸化チタンを添着させて、太陽光や蛍光灯の光で低
級アルデヒド類を分解する機能を持った無機鉱物系の有
害物除去剤を用いることができる。これらは、単独でま
たは活性炭と共に併用して用い、有害物質の放散を効率
よく押さえることが可能である。
【0018】〔顔料等〕また本願発明による塗料では、
活性炭及び/又は上記有害物除去剤に加うるに、例えば
酸化チタン、ベンガラ、グラファイト、コバルトグリー
ン、マンガンブルー等の着色顔料及び例えば炭酸カルシ
ウム、タルク、アルミナ、クレー、カオリン、石膏、マ
イカ、コロイダルシリカ、シリカゲルアルミニュームフ
レーク、MIOなどの体質顔料も加えることができる。
特に、体質顔料として、マイカ、MIO(micace
ous iron oxide)等の薄片状の体質顔料
を用いることによって、これらが、有害物質の放散を抑
えるための層を形成し、有害物質の滞留を長期化させる
ことができ、これにより、前述の活性炭や有害物質除去
剤による吸着や分解等の作用を、より有効に発揮させる
ことができる。第2塗膜を形成する塗料組成物には、上
記の顔料等、通常の塗料に用いられる顔料を適宜選択し
て用いれば良い。さらに、本願発明の塗料組成物及び、
第2塗膜を形成する塗料には、他の添加剤や増粘剤等
々、通常の塗料に用いられる配合物を適宜添加して用い
てもよい。
【0019】
【実施例】以下、本願発明の実施例を説明するが、本願
発明は、この実施例に限定して理解されるべきではな
い。
【0020】実施例1 まず、実施例1は、本願発明に係る塗料組成物として、
表1の実施例1の欄に示す第1塗膜用塗料(ニトロセル
ローズラッカー)90重量%に、活性炭(括弧中の商標
名のもの)を10重量%配合し、第1塗膜用塗料を作成
し、この作成した第1塗膜用塗料に、第1塗膜用溶剤を
用いてNV50%に調整し、被塗物の試料に、2回塗装
し、40μの膜厚の第1塗膜を形成した。その上に、第
2塗膜用塗料(アクリルエマルジョン塗料)をNV60
%に調整し、2回塗装して、40μの膜厚の第2塗膜を
形成した。
【0021】実施例2〜6 実施例1と同様に、表1の各実施例の欄に示す配合によ
って、被塗物の試料に、第1塗膜(本願発明に係る塗料
組成物による塗膜)と第2塗膜とを形成した。各実施例
においても第1塗膜用塗料はNV50%に調整し、2回
塗装し、40μの膜厚の第1塗膜を形成し、第2塗膜
は、実施例1と同一とした。尚、各実施例中の活性炭の
商標名は、何れも武田薬品製で、白鷺Cは木粉、30μ
径、表面積1,000m2 /gであり、LPK−424
−2はやし殻、3μ径、表面積1,650m2 /gであ
り、FAC−10は木粉、12〜13μ径、表面積1,
200m2 /gである。
【0022】比較例1〜6 活性炭を含まない他は実施例1〜6と同一条件とした塗
膜を、各被塗物の試料上に形成した。また、コントロー
ルとして、各被塗物上に塗膜を形成しないものを準備し
た。
【0023】
【表1】
【0024】試験方法 実施例1〜6、比較例1〜6及びコントロール1,2か
ら放散される有機リン化合物質(微量化合物質)を、下
記の方法によって採取、分析し、その結果を表1に示
す。尚、表1中のTCEPとは、有機リン酸化合物の1
種のTris(2−chloroethy1)phos
phateを意味、このTCEPの換算量を表1に記載
した。
【0025】〔室内空気中に含有される微量化合物質の
採取と分析方法 表1〕 1)有機リン化合物 奈良県衛生研究所年報、第29号、48〜53ページ
(平成6年)記載の方法に準據して行った。
【0026】(i)有機リン化合物を含んだ空気の採取 ガラス水槽(60リットル) にガラス製のフタをガムテー
プで固定する。ガラス製フタの両端にはシリコンゴム栓
のついた穴があいている。ここに捕集管をつける。ガラ
ス水槽中にビニルクロス片、或いは白蟻駆除剤を浸み込
ませた木片を入れ、25〜30°Cの室温下に24時間
以上放置した後、ガラス水槽中の空気を採取する。
【0027】(ii)カートリッジ捕集GC/FPD分析 市販のSEP−PAK PS−2カートリッジ(Wat
ers製)をアセトン10mlで洗浄し、N2 ガスを通気
して乾燥後、両端を密栓して保存したものを捕集管とし
て使用した。
【0028】捕集管の後に流量計(小島製作所製)、ロ
ーボリュームエアサンプラー(紀本電子製)をシリコン
チューブで接続して空気を5リットル/min で吸引し、
アセトン6mlで溶出、N2 ガスで濃縮してGC/FPD
で定量した。
【0029】(iii)GC/FPDの機器操作条件。 使用機器:島津製作所製、GC−17A AFW型 使用カラム:DB5ms(15m ×0.25mmi.d.×0.25μm) カラム温度:500C(1.5min) −200C/min−150 0C−5 0C
/min−200 0C−300C/min−260 0C(5min) 注入口及び検出器温度:250 0C 注入法:スプリットレス キャリアーガス:He 50kPa
【0030】表1の結果から明らかなように、各実施例
では、上記の有機リン化合物がコントロールや比較例に
比して10分の1以下に、減少させることができるもの
であり、被塗物からの有害物質(有機リン化合物)の放
散を有効に防止し得ることが確認された。
【0031】実施例7〜13 次に、表2に示すように、表2の各実施例の欄に示す配
合によって、実施例1と同様に、被塗物の試料に、第1
塗膜と第2塗膜とを形成した。各実施例においても第1
塗膜用塗料はNV50%に調整し、2回塗装し、40μ
の膜厚の第1塗膜を形成し、第2塗膜は、実施例1と同
一で、第2塗膜用塗料(アクリルエマルジョン塗料)を
NV60%に調整し、2回塗装して、40μの膜厚の第
2塗膜を形成した。尚、各実施例中の活性炭等の商標名
は、何れも武田薬品製で、FAC−10は木粉、12〜
13μ径、表面積1,200m2 /gであり、EDC−
Bはやし殻、6μ径、表面積1,650m2 /gであ
り、GAAは活性炭に、アルデナイトは、セピオライト
にアミン系化合物を添着させた、低級アルデヒド除去用
の無機鉱物系除去剤であり、セブントールN−PC,C
−PCは、ゼオライトに微粉酸化チタンを添着させて、
紫外線によってアルデヒド類などを分解する作用があ
る。
【0032】比較例7〜12 活性炭を含まない他は実施例7〜12と同一条件とした
塗膜を、各被塗物の試料上に形成した。また、コントロ
ールとして、各被塗物上に塗膜を形成しないものを準備
した。
【0033】試験方法 実施例7〜13、比較例7〜12及びコントロール3か
ら放散されるホルムアルデヒドを、下記の方法によって
採取、分析し、その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】〔室内空気中に含有される微量化合物質の
採取と分析方法 表2〕 2)ホルムアルデヒド 横浜国大環境研紀要第22巻、1〜10ページ(1996)
記載の方法に準據して行った。 (i)ホルムアルデヒドを含んだ空気の採取。 前述と同じガラス水槽(60リットル)に合板試料を入
れ、25〜300Cの室温下に24時間以上放置した後、DNP
H(2.4-ジニトロフェニルヒドラジン)をコーティング
したシリカゲルを充填した捕集管(スペルコ(Supe
rco)社製)に反応補足し、アセトニトリルで誘導体
(ヒドラゾン)を溶出させる。空気試料は50リット
ル、加える。アセトニトルは3mlとして溶出液は正確に
2mlまで濃縮した。抽出したホルムアルデヒド誘導体は
SIM法(m/z210) で測定した。 (ii)GC/MSの機器操作条件 使用機器:島津製作所製、GCMS−QP5000Ver2
型 使用カラム:DB−1(30m ×0.32i.d ×0.25μm) カラム温度:140 0C−200C/min−240 0C
【0036】表2の結果から明らかなように、各実施例
では、ホルムアルデヒドがコントロールや比較例に比し
て大幅に減少させることができたものであり、被塗物か
らの有害物質(ホルムアルデヒド)の放散を有効に防止
し得ることが確認された。
【0037】
【発明の効果】本願発明は、建材に含まれる前述のホル
マリン、DOP(ジオクチルフタレート)、TCEP
(トリクロロエチルホスフェイド)、クロルピリホス、
フエニトロチオン、ホキシム、ピリダフエンチオン等々
の有害化学物質の空気中への放散を防止し、室内生活環
境の悪化を防止し得る塗料組成物を提供することができ
たものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉状或いは微粒子状活性炭と、アミン化
    合物、酸化チタン等の有害物質除去剤を添着してなる活
    性炭、セピオライト、ゼオライト等の粉状或いは微粒子
    状の多孔質体との少なくとも何れか一方を含有する塗料
    組成物であって、被塗物からの有害物質を除去するよう
    にしたことを特徴とする被塗物中の有害物質の放散防止
    に有効な塗料組成物。
  2. 【請求項2】 粉状或いは微粒子状の活性炭と、アミン
    化合物を添着させた粉状或いは微粒子状の活性炭と、セ
    ピオライトにアミン化合物を添着させた粉状或いは微粒
    子状の無機鉱物系有害物質除去剤と、ゼオライトに酸化
    チタンを添着させた粉状或いは微粒子状の無機鉱物系有
    害物質除去剤とからなる群中の少なくも1種を含有する
    塗料組成物であって、被塗物からの有害物質を除去する
    ようにしたことを特徴とする被塗物中の有害物質の放散
    防止に有効な塗料組成物。
  3. 【請求項3】 酸化チタン、ベンガラ、グラファイト、
    コバルトグリーン、マンガンブルー等の着色顔料と、マ
    イカ、MIO(micaceous ironoxid
    e)等の薄片状の体質顔料を含有する請求項1又は2記
    載の被塗物中の有害物質の放散防止に有効な塗料組成
    物。
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