JPH10139445A - ガラス溶融方法およびその装置 - Google Patents

ガラス溶融方法およびその装置

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JPH10139445A
JPH10139445A JP29171596A JP29171596A JPH10139445A JP H10139445 A JPH10139445 A JP H10139445A JP 29171596 A JP29171596 A JP 29171596A JP 29171596 A JP29171596 A JP 29171596A JP H10139445 A JPH10139445 A JP H10139445A
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glass
tank
glass melting
furnace
temperature
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JP29171596A
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Tamakazu Yogo
瑞和 余語
Masayuki Tomita
昌之 冨田
Hiroyuki Kubo
裕之 久保
Isamu Shigyo
勇 執行
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Canon Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/02Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture in electric furnaces, e.g. by dielectric heating
    • C03B5/033Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture in electric furnaces, e.g. by dielectric heating by using resistance heaters above or in the glass bath, i.e. by indirect resistance heating
    • C03B5/0332Tank furnaces

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より小型化された連続溶融方式のガラス
溶融装置において、ガラスを溶融する際に、より少ない
消費電力で、泡切れの良い溶融ガラスの連続供給を可能
にしたガラスの加熱・溶融方法およびその装置を提供す
る。 【解決手段】 ガラス溶融炉内にガラス溶融槽を設置し
てガラスを溶融する際に、抵抗発熱体によって炉内雰囲
気とガラス溶融槽とを加熱するようにしたガラス溶融方
法において、ガラス溶融槽を導電性材料で構成し、その
一部分に直接通電加熱することによって直接通電加熱さ
れる部分を、炉内雰囲気よりも高温に制御し、ガラス溶
融槽において、供給側から排出側に掛けて、温度が低下
するような適当な温度勾配を付けることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス溶融炉にお
ける加熱方法、特に、比較的生産量の少ない小型のガラ
ス溶融炉に対して、従来より少ない消費電力で、ガラス
を加熱することができるガラス溶融方法およびその装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス溶融炉でガラスを加熱・溶
融する方法は、るつぼを用いたバッチ式(デイポット
式、デイタンク式を含む)と、ガラス原料を供給しつ
つ、順次、連続して溶融する連続溶融方式との2つに大
別される。通常、前者のバッチ式は溶融量が数百kg以
下と少ない場合に多く用いられ、また、後者の連続溶融
方式は生産量が比較的多い場合、例えば、1日当たり、
数百kg以上のような場合に多く用いられてきた。
【0003】一方、カメラ、ビデオ、光信号読み取り装
置などで用いられる光学素子やレンズを生産するに際し
ては、溶けたガラスから、一度、適当な大きさのブロッ
クを作って、そこから、必要な重量を切り分けて、ガラ
ス素材として加熱し、成形型に供給する方法もあるが、
作ろうとする光学素子の重量相当のガラス塊を、直接溶
融ガラスから取り出し、その後に研削、研磨する方法、
更に進んだ方法としては、所定量の溶融ガラスを直接受
け型に受け、これを成形型に入れて、プレス成形し、光
学素子やレンズを作る方法が、各種、提案されている。
【0004】上述の、所望重量のガラス塊を溶融ガラス
から直接取り出す方法としては、一定の流出量で、ガラ
ス溶融槽から溶融ガラスを流出しておいて、一定の時間
間隔で、受け型に流出ガラスを受ける方法が考えられ
る。この場合、溶融ガラスを一定の流出量で流出するに
は、一般に、溶融ガラスの液面高さを一定に保つ必要が
あるが、それには連続溶融方式が好ましいと言える。
【0005】しかるに、近年、前述の光学機器の小型化
に伴って、そこで用いられる光学素子やレンズの小型化
が進められており、これに対応して、従来より生産量の
少ない小型のガラス連続溶融炉、例えば、1日当たり数
kgから数百kg以下までの生産量で使用できる連続溶
融炉が熱望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような小型溶融炉
の場合、設計が容易で、良好な温度制御が可能であり、
溶融するガラスの種類を、特に制限しないような条件か
ら、加熱方法として、抵抗発熱体を使用することが多
い。これは、炭化珪素(SiC)や二珪化モリブデン
(MoSi2 )などの抵抗発熱体を、炉内に設置したガ
ラス溶融槽の周囲に配置して、電気的にガラス溶融槽の
加熱を、雰囲気の加熱とともに実現する方法である。
【0007】ここで、光学ガラスを溶融する方法を説明
すると、特殊なものを除いて、一般に、固体の原料を加
熱・溶融した後、泡を除いて、更に攪拌・均質化する。
それには、初めに、比較的高い温度でガラス原料を溶か
した後、少し、低い温度に下げて、溶融ガラス中に残留
する細かい泡を消失させる。このため、連続溶融するに
は、前段の高温のガラス清澄槽と、後段の低温の攪拌槽
とを適当な連結通路で連結させた形式のガラス溶融槽を
使用する必要があった。
【0008】このような構成のガラス溶融装置では、抵
抗発熱体による加熱方法において、ガラス溶融炉内の雰
囲気に、高温部と低温部とを設ける必要があり、そのた
めには、その間に隔壁を設けるか、あるいは、炉内容積
に余裕をもたせて、高温のガラス清澄槽と低温の攪拌槽
との距離を、ある程度、物理的に離す必要があった。こ
のため、ガラス溶融炉の炉体が、ある程度以上には小さ
くならず、その分の電力が必要となる。そこで、更なる
消費電力の低減を図ることが望まれていた。
【0009】本発明は、上記事情に基づいて成されたも
ので、その目的とするところは、従来より小型化された
連続溶融方式のガラス溶融装置において、ガラスを溶融
する際に、より少ない消費電力で、泡切れの良い溶融ガ
ラスの連続供給を可能にしたガラスの加熱・溶融方法お
よびその装置を提供することにある。
【0010】この場合、必要に応じて、ガラス流出量
を、可成りの幅で調整可能であるガラス溶融槽を提供す
る必要がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明では、ガラス溶融炉内にガラス溶融槽を設
置してガラスを溶融する際に、抵抗発熱体によって炉内
雰囲気とガラス溶融槽とを加熱するようにしたガラス溶
融方法において、ガラス溶融槽を導電性材料で構成し、
その一部分に直接通電加熱することによって直接通電加
熱される部分を、炉内雰囲気よりも高温に制御し、ガラ
ス溶融槽において、供給側から排出側に掛けて、温度が
低下するような適当な温度勾配を付けることを特徴とす
る。
【0012】また、ガラス溶融炉内にガラス溶融槽を設
置してガラスを溶融する際に、抵抗発熱体によって炉内
雰囲気とガラス溶融槽とを加熱するようにしたガラス溶
融装置において、ガラス溶融槽を導電性材料で構成し、
その一部分に直接通電加熱する加熱手段を設け、該加熱
手段で、直接通電加熱される部分を、炉内雰囲気よりも
高温に制御すると共に、ガラス溶融槽において、供給側
から排出側に掛けて、温度が低下するような適当な温度
勾配を付けるため、前記ガラス溶融槽の所要箇所に温度
センサを設けて、溶融ガラスの温度を検出していること
を特徴とする。
【0013】なお、その好ましい実施の形態としては、
前記ガラス溶融槽は、直接通電加熱を施すガラス清澄槽
と、それに続く連結部分と、溶融ガラスを攪拌する攪拌
槽とから成り、前記連結部分は、攪拌槽の周囲を迂回し
た所要長さのガラス流通路で構成されているのがよい。
【0014】これにより、炉内容積が小さくなって、熱
効率が向上する上に、高温を必要とするガラス清澄槽
を、炉内雰囲気より高い温度で、直接加熱することがで
きるようになり、ガラス流出量が可成りの幅で調節で
き、種々のガラス素材について、このガラス溶融装置を
適用でき、その溶融ガラスも、泡切れの良い状態で提供
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1〜図3を参照して具体的に説明する。図1は、本発明
に係わるガラス溶融装置の概念図であり、符号1はガラ
ス溶融炉で、その炉壁は耐火れんがや断熱材などで作ら
れており、ガラス溶融時の高熱が、炉外にできるだけ漏
れないようになっている。また、炉内に配置されるガラ
ス溶融槽は、ガラス溶融・清澄槽2、連結パイプ3、攪
拌・流出槽4とから構成されていて、いずれも、導電性
の、例えば、白金などの材料で構成されている。
【0016】攪拌・流出槽4には、攪拌棒21が設置さ
れていて、供給された溶融ガラスをそこで攪拌し、均質
化できるようになっている。また、その底部には、白金
製の流出パイプ5が付いていて、この回りに配置したヒ
ーター6で加熱することにより、調温された溶融ガラス
が流出できるようになっている。流出パイプの温度制御
は、熱電対7で温度をモニターして行うが、設定温度を
変えることで、ガラス流出量を種々、設定できる。
【0017】また、ガラス溶融槽と炉壁との間には、炭
化珪素(SiC)で作られたヒーター8〜11が設置さ
れていて、熱電対12、13に対応する2回路を用い
て、炉内雰囲気14を、必要な温度に設定できるように
なっている。詳しくは、熱電対12で測定した温度に基
づいて、ヒーター8、9に電力が供給される。
【0018】また、熱電対13は、ヒーター10、11
に対応している。なお、この時の温度制御に使用される
温度調節器(制御系)と電源とは省略してある。また、
符号15は原料を蓄えるホッパーで、秤量器16で所定
重量を投入するようになっており、秤量された原料は、
導入管17を通して、ガラス溶融・清澄槽2の中に投入
される。
【0019】図2および図3は、ガラス溶融槽(ガラス
溶融・清澄槽2〜攪拌・流出槽4)を、それぞれ、上方
と側面側とから眺めたときの図である。ここで、符号2
2〜27は、直接通電用のリード板で、いずれも白金な
どの導電性金属材料で構成されている。この直接通電に
より、ガラス溶融・清澄槽2の底部が加熱されて、槽内
のガラスが先ず、可成りの高温に加熱されることにな
る。
【0020】この際の槽底部を加熱する方法を詳しく説
明すると、その底部には、温度センサとしての3本の熱
電対28〜30が溶接されていて、その熱電対28はリ
ード板22と23に、熱電対29はリード板24と25
に、熱電対30はリード板26と27に、それぞれ、対
応している。こうして、ガラス溶融・清澄槽の底部を、
溶融ガラスの流出方向に沿って、およそ、3つの部分に
分けて温度検出し、その結果を温度調節器(制御系)に
もたらし、加熱手段としてのリード板22〜27の加
熱、温度制御に供する。
【0021】即ち、熱電対28で測定された温度信号
は、温度調節器31に入力され、設定温度との比較演算
が行われ、この結果に基づいて、電力が電源32からリ
ード板22、23に供給される。他の2組の熱電対と、
リード板についても、同様の制御が行われる。
【0022】続いて、図2および図3において、連結パ
イプ3を説明する。これは、本発明の特徴の一つでもあ
るが、ガラス溶融・清澄槽2から出た後、ガラス攪拌・
流出槽4の外周に沿って、その約4分の3周を迂回する
ように設置され、その終端は、図中、符号33で示すよ
うに、ガラス攪拌・流出槽4の内側に向けて開口してい
る。
【0023】このため、ガラス溶融・清澄槽2を出た溶
融ガラスは、連結パイプ3の中を、矢印34で示される
向きに流れて、終端開口部33からガラス攪拌・流出槽
4の中へ流れ込むことになる。
【0024】なお、ガラス溶融槽は、必要に応じて、溶
融ガラスを十分にドレインできるように、全体として、
それら構成部の底部に、なだらかな傾斜を設けてある。
即ち、図1ないし図3で示されるように、ガラス溶融・
清澄槽2の底部、ガラス攪拌・流出槽4の底部の傾斜に
加えて、連結パイプ3も、溶融ガラスが中を流れるにつ
れて高さが徐々に低くなるように(スパイラル状に)設
置されている。
【0025】このような構成によって、ガラス溶融槽に
は、ガラス供給側から排出側に掛けて、溶融ガラスに適
当な温度勾配を持たせ、その過程で、適当な時間を掛け
て、泡切れを達成し、所望温度で、しかも、品質の高
い、均質性のある溶融ガラスの切り出しを、連続的に実
現することができる。
【0026】
【実施例】次に、本発明のガラス溶融装置の熱効率につ
いて、その構成上のメリットを具体的に説明する。ここ
でのガラス溶融槽の大きさは、例えば、室温において、
ガラス溶融・清澄槽2が約160cm3 、ガラス攪拌・
流出槽4が約500cm3、連結パイプ3が内径:1c
m、長さ:約22cm、とする。また、図1においてA
で示されるガラス溶融清澄槽2とガラス攪拌・流出槽4
との間隔は、2cmになっている。また、炉内寸法は、
図1において、横:41cm、高さ:20cm、奥行
き:30cmであり、その容積を計算すれば、24,6
00cm3 となっている。
【0027】ここで、前述のシステムを使用して、光学
素子用のガラス原料を投入、溶融する方法を具体的に説
明する。なお、ここでは、ガラス原料に、BaO−Si
2−B2 3系のガラスを、一旦、ラフメルトしたもの
を採用した。
【0028】この際の炉内雰囲気14の温度は、熱電対
12、13で検出された結果で、温度調節器により設定
されるが、この温度は、いずれも1,100℃に設定し
た。また、ガラス溶融・清澄槽2については、底部の所
要箇所に溶接した3本の熱電対28〜30の検出結果
で、温度調節器により設定されるが、この温度は、いず
れも1,350℃に設定した。
【0029】ここで、ガラス流出量を2〜20g/分に
設定し、これに合わせて、ガラス溶融・清澄槽2へのガ
ラス原料の投入条件も、2〜20g/分として、6ケ月
間の連続的な溶融、流出を行った。当然、流出量と投入
量は同じ値になる。
【0030】この連続溶融の条件下で、消費電力は次の
ようになった。まず、炉内雰囲気だが、熱電対12に対
応するヒーター8、9で、合計:1,900〜2,00
0ワットであり、熱電対13に対応するヒーター10、
11で、合計:2,070〜2,100ワットであり、
一方、直接通電の消費電力は、図2において、リード板
22、23で、合計:350〜450ワット、リード板
24、25で、260〜300ワット、リード板26、
27で、220〜240ワットである。従って、総消費
電力は、4,800〜5,090ワットとなった。
【0031】以上の実験の結果、連続溶融中に流出され
たガラスには、いずれも泡や、還元で生じる金属異物な
どの欠陥が含まれておらず、更に、屈折率のバラツキ
は、いずれも±0.0005以内であり、光学素子用と
して、良好な均質性を発揮することができた。特に、流
出ガラスに泡が含まれないということは、連結パイプ3
の中を、溶融ガラスが流れる間に、そのガラス温度が、
溶融清澄槽の1,350℃から、炉内雰囲気の1,10
0℃に、確実に下がったことを示している。
【0032】なお、以上の実験の中で、炉内雰囲気は2
回路の抵抗発熱体により、更に、ガラス溶融・清澄槽2
は3回路の白金への直接通電加熱により、温度制御を行
ったが、実際の装置として、これら回路数には、何等、
制限がないことは言うまでもない。
【0033】また、ガラス溶融・清澄槽2は、その底面
部で直接通電による加熱をしたが、必要に応じて、その
側面部で加熱するように、加熱手段の配置を変えてもよ
い。また、連結パイプ3は、ガラス攪拌・均質槽4の外
周を、約4分の3周しているが、これは4分の3周に限
らず、ガラス溶融炉内容積を拡大しない範囲で、流出前
に溶融ガラスから泡を十分、除くことができる時間(長
さ)を持つことができるのであれば、どのような形状、
構成にしても良いことは、勿論である。
【0034】即ち、逆の例として、連結パイプ3が短い
か、あるいは、そのために、ガラス攪拌・流出槽4の外
周に沿えない場合、例えば、ガラス溶融・清澄槽2とガ
ラス攪拌・流出槽4とを、長さ:約2cmの直線状の連
結パイプで接続する場合について、検討した結果によれ
ば、また、そのガラス流出量が4g/分より大きくなっ
た場合に、排出ガラス内に、可成りの泡が混入するよう
になった。 (比較例)本発明のような溶融方法および装置に対比し
て、従来通り、抵抗発熱体による加熱だけで、ガラス溶
融を行った結果について述べる。これは、図4に示した
従来型の構成のガラス溶融炉で、実験された。ここで
の、本発明の実施例との主な違いは、直接通電用のリー
ド板22〜27がなくなり、連結パイプ34の所要長さ
を確保するために、ガラス溶融・清澄槽35とガラス攪
拌・流出槽36との間隔(図4中にA′で示す)を広げ
ている点である。このため、炉内寸法が拡大された。
【0035】なお、ガラス溶融・清澄槽とガラス攪拌・
流出槽とは、前記実施例と同じ大きさの物である。間隔
A′を広げた理由は、ガラス溶融・清澄槽35側の雰囲
気温度(熱電対37と38が測定した結果で制御される
温度が、共に1,350℃)と、ガラス攪拌・流出槽3
6側の雰囲気温度(熱電対39と40が測定した結果で
制御される温度が、共に1,100℃)となるような温
度勾配を連結パイプ34で実現するためである。これ
は、本発明で実現する、良好な泡切れの溶融ガラスを得
るメリットを発揮するためであり、前述の迂回通路長さ
と同じ長さ:31cmを、比較例においても、確保した
のである。
【0036】しかしながら、この比較例では、連結パイ
プ34の長さを確保するために、炉内寸法は、横:70
cm、高さ:20cm、奥行き:30cmに拡大され、
容積を計算すれば、42,000cm3 となり、本発明
の実施例よりも、かなり大きくなっている。なお、炉壁
の厚さや材質は、本発明の実施例と同じにしてある。
【0037】なお、ここでの加熱方法であるが、ガラス
溶融・清澄槽35側とガラス攪拌・流出槽36側の雰囲
気温度を所要値に制御するには、最低でも、符号37〜
40で示すように、4か所の熱電対を温度検出用に用い
る必要があり、また、加熱手段として、4回路の抵抗発
熱体が必要だった。
【0038】しかして、本発明の実施例と同様に、2〜
20g/分の連続溶融を行った。この結果、前記実施例
と同様に、連続溶融中に流出されたガラスは、いずれも
泡などのない光学素子用として良好な品質を有してい
た。従って、泡が含まれないということは、炉内の雰囲
気温度が確実に制御されていたことになる。
【0039】しかしながら、消費電力については、以下
のように、大きくなった。即ち、熱電対37に対応する
ヒーター41、42では、合計:2,500〜2,70
0ワット、また、熱電対38に対応するヒーター43、
44では、合計:2,100〜2,200ワットであ
り、更に、熱電対39に対応するヒーター45では、合
計:100〜110ワット、また、熱電対40に対応す
るヒーター46では、合計:1,080〜1,200ワ
ットであり、総合計で、5,780〜6,210ワット
を必要としていた。これは、炉内容積が大きくなった上
に、ガラス溶融・清澄槽の温度を、雰囲気と共に高温に
しなくてはならないことが、主な原因と考えられる。
【0040】以上をまとめれば、ガラス溶融炉内に導電
性を有するガラス溶融槽を設置してガラスを溶融する際
に、抵抗発熱体によって、炉内雰囲気とガラス溶融槽と
を加熱するが、ガラス溶融・清澄槽に、直接通電による
加熱を行って、炉内雰囲気よりも高温にすることで、ガ
ラス溶融槽における溶融ガラスからの泡ぬきのための温
度勾配を付けることが有効であると言うことができる。
これにより、炉内容積が小さくなる。また、連結パイプ
を所要長さ、確保する際に、ガラス攪拌・流出槽の外側
に迂回させることで、溶融炉の大きさを拡大することな
く、しかも、必要な温度勾配を確保できるので、上述の
効果に加えて、比較的生産量の少ない小型のガラス連続
溶融炉に対して、従来より少ない消費電力で、効率よく
良質な溶融ガラスを得ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上詳述したようになり、ガ
ラス溶融炉内にガラス溶融槽を設置してガラスを溶融す
る際に、抵抗発熱体によって炉内雰囲気とガラス溶融槽
とを加熱するようにしたガラス溶融方法において、ガラ
ス溶融槽を導電性材料で構成し、その一部分に直接通電
加熱することによって直接通電加熱される部分を、炉内
雰囲気よりも高温に制御し、ガラス溶融槽において、供
給側から排出側に掛けて、温度が低下するような適当な
温度勾配を付けることを特徴とする。
【0042】また、本発明は、ガラス溶融炉内にガラス
溶融槽を設置してガラスを溶融する際に、抵抗発熱体に
よって炉内雰囲気とガラス溶融槽とを加熱するようにし
たガラス溶融装置において、ガラス溶融槽を導電性材料
で構成し、その一部分に直接通電加熱する加熱手段を設
け、該加熱手段で、直接通電加熱される部分を、炉内雰
囲気よりも高温に制御すると共に、ガラス溶融槽におい
て、供給側から排出側に掛けて、温度が低下するような
適当な温度勾配を付けるため、前記ガラス溶融槽の所要
箇所に温度センサを設けて、溶融ガラスの温度を検出し
ていることを特徴とする。
【0043】また、前記ガラス溶融槽は、直接通電加熱
を施すガラス清澄槽と、それに続く連結部分と、溶融ガ
ラスを攪拌する攪拌槽とから成り、前記連結部分は、攪
拌槽の周囲を迂回した所要長さのガラス流通路で構成さ
れているとよい。
【0044】従って、炉内容積が小さくなって、熱効率
が向上する上に、高温を必要とするガラス清澄槽を、炉
内雰囲気より高い温度で、直接加熱することができるよ
うになり、ガラス流出量が可成りの幅で調節でき、種々
のガラス素材について、このガラス溶融装置を適用で
き、その溶融ガラスも、泡切れの良い状態で提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す概略側面図である。
【図2】同じく、要部の平面図である。
【図3】同じく、要部の側面図である。
【図4】本発明と対比するための比較例の構成を示す概
略側面図である。
【符号の説明】
1 ガラス溶融炉 2 ガラス溶融・清澄槽 3 連結パイプ 4 ガラス攪拌・流出槽 5 流出パイプ 6 ヒーター 7 熱電対 8〜11 炭化珪素ヒーター 12 熱電対 13 熱電対 14 炉内雰囲気 15 ホッパー 16 秤量器 17 原料導入管 18 投入された原料 19 溶融ガラス 20 流出ガラス 21 攪拌棒 22〜27 リード板 28〜30 熱電対 31 温度調節器 32 電源 33 連結パイプ終端 34 連結パイプ 35 ガラス溶融・清澄槽 36 ガラス攪拌・流出槽 37〜40 熱電対 41〜46 炭化珪素ヒーター
フロントページの続き (72)発明者 執行 勇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス溶融炉内にガラス溶融槽を設置し
    てガラスを溶融する際に、抵抗発熱体によって炉内雰囲
    気とガラス溶融槽とを加熱するようにしたガラス溶融方
    法において、ガラス溶融槽を導電性材料で構成し、その
    一部分に直接通電加熱することによって直接通電加熱さ
    れる部分を、炉内雰囲気よりも高温に制御し、ガラス溶
    融槽において、供給側から排出側に掛けて、温度が低下
    するような適当な温度勾配を付けることを特徴とするガ
    ラス溶融方法。
  2. 【請求項2】 ガラス溶融炉内にガラス溶融槽を設置し
    てガラスを溶融する際に、抵抗発熱体によって炉内雰囲
    気とガラス溶融槽とを加熱するようにしたガラス溶融装
    置において、ガラス溶融槽を導電性材料で構成し、その
    一部分に直接通電加熱する加熱手段を設け、該加熱手段
    で、直接通電加熱される部分を、炉内雰囲気よりも高温
    に制御すると共に、ガラス溶融槽において、供給側から
    排出側に掛けて、温度が低下するような適当な温度勾配
    を付けるため、前記ガラス溶融槽の所要箇所に温度セン
    サを設けて、溶融ガラスの温度を検出していることを特
    徴とするガラス溶融装置。
  3. 【請求項3】 前記ガラス溶融槽は、直接通電加熱を施
    すガラス清澄槽と、それに続く連結部分と、溶融ガラス
    を攪拌する攪拌槽とから成り、前記連結部分は、攪拌槽
    の周囲を迂回した所要長さのガラス流通路で構成されて
    いることを特徴とする請求項2に記載のガラス溶融装
    置。
JP29171596A 1996-11-01 1996-11-01 ガラス溶融方法およびその装置 Pending JPH10139445A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007091537A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Hoya Corp 近赤外光吸収ガラス材ロットおよびそれを用いる光学素子の製造方法
JP2009298665A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Avanstrate Inc 板ガラス製造装置および板ガラス製造方法
CN113772921A (zh) * 2021-10-08 2021-12-10 大城县洪海保温材料有限公司 保温材料熔融装置

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