JPH10139339A - ベルト式動く歩道の移動手すり駆動装置 - Google Patents

ベルト式動く歩道の移動手すり駆動装置

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JPH10139339A
JPH10139339A JP29883596A JP29883596A JPH10139339A JP H10139339 A JPH10139339 A JP H10139339A JP 29883596 A JP29883596 A JP 29883596A JP 29883596 A JP29883596 A JP 29883596A JP H10139339 A JPH10139339 A JP H10139339A
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Mitsuo Yamamoto
満男 山本
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N K K PLANT KENSETSU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 全幅を従来より縮小し、且つ、長い動く歩道
にも適合でき、手すりが傷みにくく、保守点検を容易に
する。 【解決手段】 遊挿フレーム35は、ガイド棒36と支柱31
とで常時平行に遊挿支持され、支柱31に設けた押し下げ
機構により押圧される。戻り側手すり1aは下面の駆動ロ
ーラ29と上面の遊挿フレームに軸支された押えローラ32
によって挟圧される。手すり1(1a)は、スプロケットホ
イール41と内側スプロケットホイール44a の外側とその
隣りのホイール44b の外側スプロケットとを連結する無
端チェーン42a,42b によって駆動ローラに伝達される電
動機付き減速機27の動力によって回転される。 【効果】 反転機構によって駆動ローラが常時手すりの
裏側と接触し、表側と接触する押えローラは、遊挿フレ
ームが常時平行に保持されているため駆動ローラの軸と
押えローラの軸とが常時平行となり十分な手すり駆動力
が得られ、手すり表側が傷つかない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は透明な欄干パネル
を備えるベルト式動く歩道の移動手すり駆動装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来におけるベルト式動く歩道の手すり
駆動機構は、図11に示すように、手すり1を両端の駆
動ホイール62、従動ホイール63により張り渡し、駆動ホ
イール62と無端移動式の踏みベルト4の駆動プーリ5と
をチェーン6により連結し、駆動プーリ5を電動機/減
速機7よりチェーン8を介して回転させることにより、
手すり1は無端移動式で駆動するようになっており、戻
り側手すり1aと運び側踏みベルト4aとは相反する方向に
移動するようになっている。図11は従来の手すり駆動
装置を備えた動く歩道の側面図であり、図11中69は手
すり1の駆動に必要な張力を与えるための緊張装置、68
は戻り側手すり1aの押えローラを示す。
【0003】このように手すり1を介装する駆動ホイー
ル62を踏みベルト4の駆動プーリ5からチェーン6によ
り回転させることにより、手すり1を駆動する方式の動
く歩道では、手すり1がチェーン6により駆動される駆
動ホイール62に介装されているために手すりの欄干パネ
ル61は、これらの駆動装置を外部から遮蔽するために、
不透明板としなければならない。
【0004】しかるに、近年、エスカレータにおいて、
欄干パネルを透明にして内部が透視できるような構造が
出現し、ファッション性からこのような形式のエスカレ
ータが定着しつつある。従って、動く歩道においても高
級化志向から、手すりの欄干パネルを透明にすることが
要望されるようになった。
【0005】図12は従来の欄干パネルを透明としたエ
スカレータの手すり駆動装置を示す部分側面図である。
図12に示すように、従来の透明欄干パネルを有するエ
スカレータは、手すり1が透明板よりなる欄干パネル13
の端部に半円状に配列した多数のガイドローラ12に介装
されると共に、トラスフレーム144 内に設けた駆動ホイ
ール15に介装され、踏段の駆動軸スプロケット16よりチ
ェーン17を介して駆動ホイール15が回転されることによ
って手すり1が駆動するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本願が目的とするよう
な動く歩道においても、手すりの駆動機構を、図12に
示すような透明欄干パネル形エスカレータの場合と同じ
ように、トラスフレーム内に収納すればよいと考えられ
るが、ベルト式動く歩道の場合には、エスカレータと相
違した問題点を有しており、前記の手すり駆動機構をそ
のままベルト式動く歩道に適用することはできない。そ
の理由は、駆動ホイール15およびチェーン17等の点検、
緊張装置の調整という作業に際し、エスカレータの場合
には個々の踏段(ステップ)を取り外すことによって、
作業員がトラスフレーム内に入って保守点検作業を行う
ことが可能であるが、ベルト式動く歩道の場合には、踏
みベルトは連続しているために、これを切断しない限り
トラスフレーム内に作業員が立ち入ることができないと
いう問題を有しているからである。ベルト式動く歩道の
欄干パネルを全てガラス化する場合、従来技術では、前
述の如き不具合が生じるといった問題がある。
【0007】従って、この発明の目的は、上記の問題を
解決し、更に、動く歩道の全幅を従来のタイプより縮小
し、且つ、機長の長い動く歩道にも適合すると共に、コ
ンパクトで保守点検の容易なベルト式動く歩道の移動手
すり駆動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
運び側からインレット(9a)を通過した戻り側で180 度反
転した戻り側手すり(1a)の下方に設けられた電動機付き
減速機(27)と、前記電動機付き減速機(27)の出力軸に取
り付けられたスプロケットホイール(41)と、前記戻り側
手すり(1a)の下面に直列に配設された、前記戻り側手す
り(1a)の裏側と接触する、固定フレーム(30)の軸受ユニ
ット(43)によって軸支された駆動ローラ軸(28)の一方側
に取り付けられた複数個の駆動ローラ(29)と、前記駆動
ローラ軸(28)の他方側に取り付けられた、スプロケット
を内側と外側の2列に有する複数個の2列スプロケット
ホイール(44)と、前記電動機付き減速機(27)の動力を前
記駆動ローラ(29)に伝えるための、前記スプロケットホ
イール(41)および前記2列スプロケットホイール(44)相
互間に掛け回された無端チェーン(42)と、前記戻り側手
すり(1a)の上面で前記戻り側手すり(1a)の表側と接触す
る、直列に配列された複数個の押えローラ(32)と、前記
固定フレーム(30)上に鉛直に設けられたガイド棒(36)
と、前記ガイド棒(36)の通り芯よりも前記押さえローラ
(32)側に偏心させて前記固定フレーム(30)上に鉛直に設
けられた支柱(31)と、前記ガイド棒(36)および前記支柱
(31)に上下に移動自在に遊挿された、前記押えローラ(3
2)の押えローラ軸(33)を軸支する角鋼管製の遊挿フレー
ム(35)と、前記遊挿フレーム(35)を下方に押圧するため
の、前記支柱(31)に設けられた押し下げ機構(40)と、前
記遊挿フレーム(35)と前記固定フレーム(30)との間にお
いて前記ガイド棒(36) に嵌め込まれた、前記遊挿フレ
ーム(35)をその下側で支持するスペーサー(38)とからな
り前記無端チェーン(42)は、前記スプロケットホイール
(41)とその隣りの前記2列スプロケットホイール(44)の
内側(または外側)のスプロケット間に掛け回され、更
に、隣り合わせる前記2列スプロケットホイール(44)相
互間においては、外側と外側(または内側と内側)のス
プロケット同士に掛け回され、次に隣り合わせる前記2
列スプロケットホイール(44)相互間においては、内側と
内側(または外側と外側)のスプロケット同士に掛け回
され、以後、外側と外側、内側と内側に交互に掛け回さ
れてなり、前記押えローラ(32)は、前記押し下げ機構(4
0)によって、前記駆動ローラ(29)との間で前記戻り側手
すり(1a)の表側を挟圧して走行させてなる駆動装置本体
(19)と、前記戻り側手すり(1a)を前記駆動装置本体(19)
に入る前に180 度反転させ、および、前記駆動装置本体
(19)から出た後に再び180 度反転させるための手すり反
転機構(2) とからなることに特徴を有するものである。
【0009】請求項2記載の発明は、運び側からインレ
ット(9a)を通過した戻り側手すり(1a)の下方に設けられ
た電動機付き減速機(27)と、前記電動機付き減速機(27)
の出力軸に取り付けられたスプロケットホイール(41)
と、前記戻り側手すり(1a)の下面に直列に配設された、
前記戻り側手すり(1a)の表側と接触する、固定フレーム
(30)の軸受ユニット(43)によって軸支された駆動ローラ
軸(28)の一方側に取り付けられた複数個の駆動ローラ(2
9)と、前記駆動ローラ軸(28)の他方側に取り付けられ
た、スプロケットを内側と外側の2列に有する複数個の
2列スプロケットホイール(44)と、前記電動機付き減速
機(27)の動力を前記駆動ローラ(29)に伝えるための、前
記スプロケットホイール(41)および前記2列スプロケッ
トホイール(44)相互間に掛け回された無端チェーン(42)
と、前記戻り側手すり(1a)の上面で前記戻り側手すり(1
a)の裏側と接触する、直列に配列された複数個の押えロ
ーラ(32)と、前記固定フレーム(30)上に鉛直に設けられ
たガイド棒(36)と、前記ガイド棒(36)の通り芯よりも前
記押さえローラ(32)側に偏心させて前記固定フレーム(3
0)上に鉛直に設けられた支柱(31)と、前記ガイド棒(36)
および前記支柱(31)に上下に移動自在に遊挿された、前
記押えローラ(32)の押えローラ軸(33)を軸支する角鋼管
製の遊挿フレーム(35)と、前記遊挿フレーム(35)を下方
に押圧するための、前記支柱(31)に設けられた押し下げ
機構(40)と、前記遊挿フレーム(35)と前記固定フレーム
(30)との間において前記ガイド棒(36) に嵌め込まれ
た、前記遊挿フレーム(35)をその下側で支持するスペー
サー(38)とからなり前記無端チェーン(42)は、前記スプ
ロケットホイール(41)と隣りの前記2列スプロケットホ
イール(44)の内側(または外側)のスプロケット間に掛
け回され、更に、隣り合わせる前記2列スプロケットホ
イール(44)相互間においては、外側と外側(または内側
と内側)のスプロケット同士に掛け回され、次に隣り合
わせる前記2列スプロケットホイール(44)相互間におい
ては、内側と内側(または外側と外側)のスプロケット
同士に掛け回され、以後、外側と外側、内側と内側に交
互に掛け回されてなり、前記押えローラ(32)は、前記押
し下げ機構(40)によって、前記駆動ローラ(29)との間で
前記戻り側手すり(1a)の裏側を挟圧して走行させること
に特徴を有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、この発明を図面を参照しな
がら説明する。図1はこの発明に係る移動手すり駆動装
置を備えたベルト式動く歩道の側面図、図2は図1のA
−A線断面図、図3は同じく図1のB−B線断面図、図
4は同じくC−C線断面図、図5は図4の要部を詳細に
示す拡大断面図、図6は図1のF−F線拡大断面図、図
7は図5のD−D線矢視図、図8は図5および図6のE
−E線矢視図、図9は第1手すり反転機構、第4手すり
反転機構を示す断面図、図10は第2手すり反転機構、
第3手すり反転機構、補助の手すり反転機構を示す断面
図である。
【0011】上記目的を達成するためには、手すり駆動
装置本体19をスカートガード20、デッキカバー21内の狭
い空間に収納できることが条件である。機長の長い動く
歩道に対しては、図1に示す如く手すり駆動装置本体19
を複数個配設して対応することとする。
【0012】本発明は、手すり1を駆動するための電動
機付き減速機27を狭い空間に収納するために、戻り側手
すり1aを、手すり駆動装置本体19に入る前に手すり反転
機構2によって180 度反転させて手すり1aの下部空間を
大きくし、更に、手すり駆動装置本体19を通過した後に
再び180 度反転させて元に戻して運び側手すり1bとなる
ようにする。
【0013】踏みベルト4は、動く歩道フレーム14の一
端部に設けた駆動プーリ5に介装されており、この駆動
プーリ5は、同軸上の鎖車(スプロケットホイール)18
が電動機/減速機7よりチェーン8を介して回転される
ことにより踏みベルト4を無端移動式で駆動するように
なっている。踏みベルト4は、上方が運び側踏みベルト
4a、下方が戻り側踏みベルト4bとなっている。
【0014】踏みベルト4は、表面に縦溝を有し、且
つ、横剛性を有する人員輸送用の特殊ベルトである。運
び側踏みベルト4aの下面(即ち、踏みベルト4の裏面)
は、両端部を支える支持ローラ23により支えられてい
る。戻り側踏みベルト4bの下面(踏みベルト4の表面)
は、前記フレーム14下部の支持ローラ25により支持され
ている。26、26は、踏みベルト4の幅方向両端に設けら
れた踏みベルト4の蛇行防止用ローラである。
【0015】手すり1(1a)は、図5に横断面で示すよう
に、その裏側は湾曲部1cを有する溝状に形成されてい
る。なお、手すりは、通常「ハンドレール」と称される
ことが多いが、同じものである。本実施態様では、「手
すり」で説明する。手すり1は、透明板により構成した
欄干パネル13の両端部にそれぞれ半円状に配列した複数
のガイドローラ12に、前記裏側が介装されており、手す
り駆動装置本体19によって踏みベルト4の駆動力を受け
て無端移動式で駆動するようになっている。また、手す
り1は下方が戻り側手すり1a、上方が運び側手すり1bと
なっている。
【0016】戻り側手すり1aにおいては手すり反転機構
2によってインレット9aから最初の駆動装置本体19a ま
での間に180 度反転し(1dは反転部)、最後の駆動装置
本体19b とインレット9bまでの間に再び180 度反転する
(1dは反転部)ようになっている。駆動装置本体19は、
図1に示すように動く歩道の長さに応じてその中間に1
乃至複数箇所設けられる。本実施態様では最初の駆動装
置本体19a 、最後の駆動装置本体19b で表示する。
【0017】駆動装置本体19の設けられている部分以外
の部分における歩道機構は、図2、図3に示すような構
成になっている。即ち、手すり1における戻り側手すり
1aは、透明板よりなる欄干パネル13の下部に設けられた
スカートガード20の内部に導通されるようになってお
り、スカートガード20およびデッキカバー21を取り外す
ことによって、必要に応じて戻り側手すり1aの導通機構
を点検できるようになっている。
【0018】両端のガイドローラ12の下方には、危険防
止のための、手すり用のインレット9a、9bがそれぞれ設
けられている。そして、両インレット9a、9b間には、手
すり1aを180 度反転し、再び、180 度反転して元に戻す
ための手すり反転機構2が設けられている。
【0019】手すり反転機構2は、戻り側手すり1aの表
側と接触させるための手すり押えローラ3および戻り側
手すり1aの裏側と接触させるための受けローラ22を有し
ている。該手すり押えローラ3および受けローラ22は、
戻り側手すり1aを上下から挟圧するために、軸線を水平
にして設けられている。
【0020】第1手すり反転機構2aおよび第2手すり反
転機構2bは、最初の駆動装置本体19a の上流側に配設さ
れ、第3手すり反転機構2dおよび第4手すり反転機構2e
は、最後の駆動装置本体19b の下流側に配設されてい
る。
【0021】図9に示すように、第1反転機構2aは、手
すり押えローラ3を下に、受けローラ22を上にして設け
られている。図10に示すように、第2反転機構2bは、
第1反転機構2aの下流側に設けられており、第1反転機
構2aと第2反転機構2bとの間において、戻り側手すり1a
を180 度反転させるために、手すり押えローラ3を上
に、受けローラ22を下にして設けられている。
【0022】第3反転機構2dは、図10に示すように、
手すり押えローラ3を上に、受けローラ22を下にして設
けられている。第4反転機構2eは、第3反転機構2dの下
流側に設けられており、第3反転機構2dと前記第4反転
機構2eとの間において、戻り側手すり1aを再び180 度反
転させるために、図9に示すように、手すり押えローラ
3を下に、受けローラ22を上にして設けられているま
た、駆動装置本体19a と本体19b との間には、補助の手
すり反転機構2cが複数設けられている。補助の反転機構
2cは、図10に示すように、第2、第3反転機構2b、2d
と同様に、手すり押えローラ3を上に、受けローラ22を
下にして設けられている。
【0023】このような複数の手すり反転機構2a〜2eに
よって、インレット9aで裏側が上面にあった手すり1a
が、180 度反転して駆動装置本体19では表側が上面とな
り、更に、この手すり1aが再び180 度反転して、インレ
ット9bでは裏側が上面にある元の状態となる。
【0024】なお、図示はしないが、本発明装置におい
ては、手すり反転機構2(2a,2b,2c,2d,2e)を設けず、
戻り側手すり1aをそのまま、即ち、上下反転させずに手
すり駆動装置本体19に入るように形成してもよい。反転
機構2を設けない場合には、手すり1は無反転のまま、
駆動装置本体19の各々を通過することになる。これによ
れば、ベルト式動く歩道の移動手すり駆動装置の構成は
より単純となる。ただし、手すりの表側が駆動ローラと
接触するため前記表側が損傷し易く、手すりの美観の保
持期間および手すりの寿命が手すり反転機構を有する場
合よりも短縮される。
【0025】手すり駆動装置本体19において、戻り側手
すり1aの下方には、電動機付き減速機27が設けられてい
る。電動機付き減速機27は、戻り側手すり1aの下部空間
で動く歩道のフレーム14に固定されたブラケット50上に
設置されている。電動機付き減速機27の出力軸にはスプ
ロケットホイール41が取り付けられている。スプロケッ
トホイール41にはスプロケット(チェーン連結部)が単
列設けられている。
【0026】運び側からインレット9aを通過した戻り側
で180 度反転した戻り側手すり1aの下面には、駆動ロー
ラ29が動く歩道の長手方向(図8の左右方向)に直列に
2個配列されている(図1、図8参照)。駆動ローラ29
の各々は、戻り側手すり1aの裏側と接触されている。ま
た、駆動ローラ29の各々は、鋼製の固定フレーム30の軸
受ユニット43によって軸支された(即ち、回転可能に支
持された)駆動ローラ軸28の一方側に取り付けられてい
る。駆動ローラ軸28の各々の他方側には、スプロケット
を内側および外側の2列に有する2列スプロケットホイ
ール44が取り付けられている。2列スプロケットホイー
ル44もスプロケットホイール41と共に前記長手方向に直
列に配列されている。固定フレーム30は、動く歩道のフ
レーム14に固定されている。
【0027】スプロケットホイール41とその隣りの2列
スプロケットホイール44a の内側のスプロケットとは無
端チェーン42a によって掛け回されている。2列スプロ
ケットホイール44a の外側のスプロケットとその隣りの
2列スプロケットホイール44b の外側のスプロケットと
は無端チェーン42b によって掛け回されている。このよ
うに2列スプロケットホイール44a 〜44b に交互に千鳥
状に内側・内側、外側・外側のスプロケットに連結され
た無体チェーン42a 〜42b によって、電動機付き減速機
27の動力が円滑且つ確実に各々の駆動ローラ29に伝達さ
れ、それぞれ、回転する駆動ローラ29上に戻り側手すり
1aを導通可能である。
【0028】駆動ローラ29は、その外周を摩擦係数が大
きく且つ摩耗の小さい弾性体(例えば、ウレタンゴム)
によってカバーされている。本実施態様では駆動ローラ
29および2列スプロケットホイール44を直列に並べその
数は2個としたが、前記個数に限定するものではない。
2個から4個のうちのいずれかの個数が適当である。3
個以上設ける場合も、同様に交互に千鳥状に無体チェー
ン42を連結する。
【0029】図7、図8に示すように、固定フレーム30
には、動く歩道の長手方向両端部、且つ、その位置の幅
方向(図7の上下方向)の2列スプロケットホイール44
側に、ガイド棒36, 36が固定フレーム30を上下に貫通し
て鉛直に設けられている。各ガイド棒36の上部は固定フ
レーム30上に突出している。
【0030】更に、固定フレーム30には、前記長手方向
の中間部に、且つ、その位置の前記幅方向のガイド棒36
の通り芯よりも押えローラ32側に偏心させて、支柱31が
固定フレーム30を上下に貫通して鉛直に設けられてい
る。支柱31の上部は固定フレーム30上に突出している。
【0031】固定フレーム30上の2本のガイド棒36およ
び支柱31の部分には、角鋼管製の四角形の断面を有する
遊挿フレーム35が上下動可能に遊挿支持されている。遊
挿フレーム35のガイド棒36を挿入している部分の孔径
は、該遊挿フレーム35が上下に摺動出来るようにガイド
棒36の直径よりやや大きくなっている。遊挿フレーム35
よりも更に上方に突出した支柱31の上端部にはバネ40が
挿入されている。バネ40の上の支柱31の上端にはナット
37が螺合され、バネ40はナット37により上端を押さえら
れて圧縮され、遊挿フレーム35を下方に押しつけ、かく
して押し下げ機構が構成されている。押し下げ機構には
このようにバネを使用することが好ましい。更に、遊挿
フレーム35と固定フレーム30との間には、遊挿フレーム
(35)をその下側で支持するカラー38がガイド棒36、36の
各々に嵌め込まれている。カラー38は、遊挿フレーム35
と固定フレーム30との間に所定の間隔を設けるスペーサ
ーとして機能する。このように設けられた遊挿フレーム
35には、押えローラ軸33が軸支されており、該押えロー
ラ軸33によって押えローラ32が回転可能に支持されてい
る。
【0032】このように、本発明においては、支柱31が
ガイド棒36の通り芯よりも押さえローラ32側に偏心して
設けられ、そして、遊挿フレーム35と固定フレーム30と
の間のガイド棒36にスペーサー38が嵌め込まれているた
め、バネ40によって下方に押さえ付けられた遊挿フレー
ム35は常時平行状態を保持し、押さえローラ軸33と駆動
ローラ軸28とは常時平行に保持される。従って、押えロ
ーラ32と駆動ローラ29との間で戻り側手すり1aの表裏を
挟圧して走行させるに当たり、バネ40の押圧力によって
戻り側手すり1aの表側(反転機構が無い場合は裏側)と
接触する押えローラ32の各々が、戻り側手すり1aの表面
を駆動ローラ29に対して適切な状態で挟圧することがで
き、また、押さえローラ32が手すり1aに対し平行状態で
ほぼ全面にわたり接触するので、十分な手すり駆動力が
得られ、手すり表面が傷つくことはない。なお、本実施
態様では、支柱が1本、ガイド棒が2本としたが、その
個数は、これに限定されるものではない。
【0033】戻り側手すり1aは、運び側踏みベルト4aの
進行方向とは逆の方向に挟圧移送される。この戻り側手
すり1aは、欄干パネル13の下部のスカートガード20内に
位置しており、欄干パネル上方の運び側手すり1は、運
び側踏みベルト4aと同じ方向に移動する。
【0034】本発明に係る手すり駆動装置本体19は、装
置自体を小型にすることができ、保守点検および補修修
理も手すり駆動装置本体19におけるスカートガード20、
デッキカバー21を外すことによって容易に行うことがで
きるという利点を有する。
【0035】また、手すり1の移送運動は、駆動装置本
体19が備える制御容易な電動機付き減速機27を動力とし
て生ずるため、手すり1の速度を容易に踏みベルト4の
速度と同調させることができ、安全対策の上からも好ま
しい。
【0036】発明者らは、本発明のベルト式動く歩道の
移動手すり駆動装置を開発するに当たり、種々の耐久試
験を比較例として実施したところ、次に示すような問題
を見出した。図13〜図18は、比較例を実施した装置
の構造を示す図面である。図13〜図18に示すよう
に、比較例においては、動く歩道のフレーム14に固定さ
れた手すり駆動装置の固定フレーム30に軸支された駆動
ローラ軸28に取り付けられた駆動ローラ29と、固定フレ
ーム30を上下に貫通して鉛直に設けられたガイド棒36を
上下に摺動する遊挿フレーム35に駆動ローラ29の駆動ロ
ーラ軸28と平行に軸支された押えローラ軸33に取り付け
られた押えローラ32とを設け、この駆動ローラ軸29と押
えローラ32とによって、戻り側手すり1aを上下から挟圧
し駆動するように構成したが、遊挿フレーム35を押圧す
るバネ40が挿入された鉛直の支柱31、31とガイド棒36、
36を図15に示すように前記長手方向に一直線上に配設
した。
【0037】しかしながら、このような構成では、遊挿
フレーム35のガイド棒36を挿入している部分の孔径は、
上下に摺動出来るようにガイド棒36の直径よりやや大き
くなっているため、遊挿フレーム35にバネ40によって下
向きに力を加えると、ガイド棒36の直径と、遊挿フレー
ム35の孔径のクリアランスにより、図17に示す状態か
ら図18に示すように押さえローラ軸33が一方方向に傾
斜してしまい、押さえローラ32は手すり1aに対し、偏っ
た部分接触となり、十分な手すり駆動力が得られないと
同時に、手すり表面を傷つけるといった問題を生じた。
【0038】本願発明の装置によれば、上述したよう
に、遊挿フレーム35が平行状態を保持して下方に押圧さ
れるため、押さえローラ軸33と駆動ローラ軸28とが平行
に保持され、押えローラ32が手すり1aの表面に平行状態
でほぼ全面に接触し、上記の問題が解決されている。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の移動手
すり駆動装置によれば、下記に示す工業上有用な効果が
もたらされる。 (1) 従来タイプの図11の手すり駆動は、駆動ホイール
62に手すり1を巻き付けてその摩擦により手すりを走行
させているが、手すりがスリップしないように手すりに
大きな張力を与える必要がある。動く歩道の機長が長い
場合、或いは高低差が大きい場合には、手すりに与える
張力が大きくなり、手すりの許容限度を超すため、長機
長、高揚程の動く歩道では、手すり強度から製作が出来
ないことになる。これに対し、本発明によれば、手すり
駆動装置本体で手すりに大きな張力を与えることがない
ため、長機長、高揚程の動く歩道に対し手すりの強度に
よる制限がなくなる。また、前述のように、手すり駆動
装置本体で手すりに大きな張力を与える必要がないた
め、それだけ手すりの寿命も長くできる。 (2) 現代のファッション化、高級化志向に適合する全透
明の欄干パネルを有する動く歩道の製作を可能とし、踏
みベルトと同一の速度で確実に手すりが駆動し、そし
て、保守点検等を容易に実施することができる。 (3) 手すり反転機構により手すりの表側が損傷せず美観
が長く保てるため、手すりの寿命が延長する。 (4) 従来タイプ図11の移動手すり駆動装置は、踏みベ
ルトプーリ軸の駆動用スプロケットの外側に手すり駆動
用スプロケットを取り付ける構造であるため、これによ
って動く歩道の機械幅が決まるが、本発明によれば動く
歩道の中間部の任意の位置に独立して設置出来るため、
機械幅を縮小することが可能となる。 (5) 駆動ローラ軸と押さえローラ軸とが平行となり、押
さえローラ、手すりおよび駆動ローラの接触面が均一と
なり、大きな駆動力が得られる。 (6) 偏った接触でなくなったため、手すり表面の傷の発
生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る移動手すり駆動装置を備えたベ
ルト式動く歩道の実施態様を示す側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】図4の要部を詳細に示す拡大断面図である。
【図6】図1のF−F線拡大断面図である。
【図7】図5および図6のD−D線矢視図である。
【図8】図5および図6のE−E線矢視図である。
【図9】第1、第4手すり反転機構を示す断面図であ
る。
【図10】第2、第3および補助の手すり反転機構を示
す断面図である。
【図11】従来の移動手すり駆動装置を備えたベルト式
動く歩道を示す側面図である。
【図12】従来の欄干パネルを透明としたエスカレータ
の手すり駆動装置を示す部分側面図である。
【図13】比較例で実施したベルト式動く歩道の移動手
すり駆動装置の断面図である。
【図14】比較例で実施したベルト式動く歩道の移動手
すり駆動装置の断面図である。
【図15】図13および図14のD−D線矢視図であ
る。
【図16】図13および図14のE−E線矢視図であ
る。
【図17】図13の要部拡大断面図である。
【図18】手すりに押圧を加えたときの状態を示す図1
3の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 手すり(ハンドレール) 1a 戻り側手すり 1b 運び側手すり 1c 手すり湾曲部 1d 手すり反転部 2 手すり反転機構 2a 第1手すり反転機構 2b 第2手すり反転機構 2c 補助の手すり反転機構 2d 第3手すり反転機構 2e 第4手すり反転機構 3 手すり押えローラ 4 踏みベルト 4a 運び側踏みベルト 4b 戻り側踏みベルト 5 駆動プーリ 7 電動機/減速機 6,8,17 チェーン 9, 9a, 9b 手すり用インレット 12 ガイドローラ 13 透明欄干パネル 14 動く歩道フレーム 144 トラスフレーム 15 駆動ホイール 18 スプロケットホイール 19 手すり駆動装置本体 19a 最初の手すり駆動装置本体 19b 最後の手すり駆動装置本体 20 スカートガード 21 デッキカバー 22 受けローラ 23,25 ベルト支持ローラ 26 蛇行防止用ローラ 27 電動機付き減速機 28 駆動ローラ軸 29 駆動ローラ 30 固定フレーム 31 支柱 32 押えローラ 33 押えローラ軸 35 遊挿フレーム 36 ガイド棒 37 ナット 38 カラー(スペーサー) 40 バネ 41 単列スプロケットホイール 42 無端チェーン 43 フランジ形軸受ユニット 44 2列スプロケットホイール 50 減速機取付ブラケット 51 台座 52 ピース 61 不透明欄干パネル 62 駆動ホイール 63 従動ホイール 68 戻り側手すりの押えローラ 69 緊張装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運び側からインレット(9a)を通過した戻
    り側で180 度反転した戻り側手すり(1a)の下方に設けら
    れた電動機付き減速機(27)と、前記電動機付き減速機(2
    7)の出力軸に取り付けられたスプロケットホイール(41)
    と、前記戻り側手すり(1a)の下面に直列に配設された、
    前記戻り側手すり(1a)の裏側と接触する、固定フレーム
    (30)の軸受ユニット(43)によって軸支された駆動ローラ
    軸(28)の一方側に取り付けられた複数個の駆動ローラ(2
    9)と、前記駆動ローラ軸(28)の他方側に取り付けられ
    た、スプロケットを内側と外側の2列に有する複数個の
    2列スプロケットホイール(44)と、前記電動機付き減速
    機(27)の動力を前記駆動ローラ(29)に伝えるための、前
    記スプロケットホイール(41)および前記2列スプロケッ
    トホイール(44)相互間に掛け回された無端チェーン(42)
    と、前記戻り側手すり(1a)の上面で前記戻り側手すり(1
    a)の表側と接触する、直列に配列された複数個の押えロ
    ーラ(32)と、 前記固定フレーム(30)上に鉛直に設けられたガイド棒(3
    6)と、前記ガイド棒(36)の通り芯よりも前記押さえロー
    ラ(32)側に偏心させて前記固定フレーム(30)上に鉛直に
    設けられた支柱(31)と、前記ガイド棒(36)および前記支
    柱(31)に上下に移動自在に遊挿された、前記押えローラ
    (32)の押えローラ軸(33)を軸支する角鋼管製の遊挿フレ
    ーム(35)と、前記遊挿フレーム(35)を下方に押圧するた
    めの、前記支柱(31)に設けられた押し下げ機構(40)と、
    前記遊挿フレーム(35)と前記固定フレーム(30)との間に
    おいて前記ガイド棒(36) に嵌め込まれた、前記遊挿フ
    レーム(35)をその下側で支持するスペーサー(38)とから
    なり前記無端チェーン(42)は、前記スプロケットホイー
    ル(41)とその隣りの前記2列スプロケットホイール(44)
    の内側(または外側)のスプロケット間に掛け回され、
    更に、隣り合わせる前記2列スプロケットホイール(44)
    相互間においては、外側と外側(または内側と内側)の
    スプロケット同士に掛け回され、次に隣り合わせる前記
    2列スプロケットホイール(44)相互間においては、内側
    と内側(または外側と外側)のスプロケット同士に掛け
    回され、以後、外側と外側、内側と内側に交互に掛け回
    されてなり、前記押えローラ(32)は、前記押し下げ機構
    (40)によって、前記駆動ローラ(29)との間で前記戻り側
    手すり(1a)の表側を挟圧して走行させてなる駆動装置本
    体(19)と、 前記戻り側手すり(1a)を前記駆動装置本体(19)に入る前
    に180 度反転させ、および、前記駆動装置本体(19)から
    出た後に再び180 度反転させるための手すり反転機構
    (2) とからなることを特徴とするベルト式動く歩道の移
    動手すり駆動装置。
  2. 【請求項2】 運び側からインレット(9a)を通過した戻
    り側手すり(1a)の下方に設けられた電動機付き減速機(2
    7)と、前記電動機付き減速機(27)の出力軸に取り付けら
    れたスプロケットホイール(41)と、前記戻り側手すり(1
    a)の下面に直列に配設された、前記戻り側手すり(1a)の
    表側と接触する、固定フレーム(30)の軸受ユニット(43)
    によって軸支された駆動ローラ軸(28)の一方側に取り付
    けられた複数個の駆動ローラ(29)と、前記駆動ローラ軸
    (28)の他方側に取り付けられた、スプロケットを内側と
    外側の2列に有する複数個の2列スプロケットホイール
    (44)と、前記電動機付き減速機(27)の動力を前記駆動ロ
    ーラ(29)に伝えるための、前記スプロケットホイール(4
    1)および前記2列スプロケットホイール(44)相互間に掛
    け回された無端チェーン(42)と、前記戻り側手すり(1a)
    の上面で前記戻り側手すり(1a)の裏側と接触する、直列
    に配列された複数個の押えローラ(32)と、 前記固定フレーム(30)上に鉛直に設けられたガイド棒(3
    6)と、前記ガイド棒(36)の通り芯よりも前記押さえロー
    ラ(32)側に偏心させて前記固定フレーム(30)上に鉛直に
    設けられた支柱(31)と、前記ガイド棒(36)および前記支
    柱(31)に上下に移動自在に遊挿された、前記押えローラ
    (32)の押えローラ軸(33)を軸支する角鋼管製の遊挿フレ
    ーム(35)と、前記遊挿フレーム(35)を下方に押圧するた
    めの、前記支柱(31)に設けられた押し下げ機構(40)と、
    前記遊挿フレーム(35)と前記固定フレーム(30)との間に
    おいて前記ガイド棒(36) に嵌め込まれた、前記遊挿フ
    レーム(35)をその下側で支持するスペーサー(38)とから
    なり前記無端チェーン(42)は、前記スプロケットホイー
    ル(41)と隣りの前記2列スプロケットホイール(44)の内
    側(または外側)のスプロケット間に掛け回され、更
    に、隣り合わせる前記2列スプロケットホイール(44)相
    互間においては、外側と外側(または内側と内側)のス
    プロケット同士に掛け回され、次に隣り合わせる前記2
    列スプロケットホイール(44)相互間においては、内側と
    内側(または外側と外側)のスプロケット同士に掛け回
    され、以後、外側と外側、内側と内側に交互に掛け回さ
    れてなり、前記押えローラ(32)は、前記押し下げ機構(4
    0)によって、前記駆動ローラ(29)との間で前記戻り側手
    すり(1a)の裏側を挟圧して走行させることを特徴とする
    ベルト式動く歩道の移動手すり駆動装置。
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