JPH10137213A - 磁気共鳴画像の取得方法および磁気共鳴画像の処理方法ならびに磁気共鳴画像の取得装置 - Google Patents

磁気共鳴画像の取得方法および磁気共鳴画像の処理方法ならびに磁気共鳴画像の取得装置

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JPH10137213A
JPH10137213A JP8303330A JP30333096A JPH10137213A JP H10137213 A JPH10137213 A JP H10137213A JP 8303330 A JP8303330 A JP 8303330A JP 30333096 A JP30333096 A JP 30333096A JP H10137213 A JPH10137213 A JP H10137213A
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JP
Japan
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magnetic field
magnetic resonance
coil
resonance image
image
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JP8303330A
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English (en)
Inventor
Terutake Ueno
照剛 上野
Norio Iriguchi
紀男 入口
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Siemens KK
Original Assignee
Siemens Asahi Medical Technologies Ltd
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Publication date
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気共鳴映像法の原理を利用して、被検査体の
インピーダンス分布を示す画像を得るための手段を提供
すること。 【解決手段】被検査体に印加する、ある静磁場を発生す
る静磁場発生手段と、該静磁場の方向に対して垂直な方
向を有する高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段
と、被検査体内で励起された原子核スピンの共鳴信号に
基づいて磁気共鳴画像を得るための処理を少なくとも行
う処理手段とを有する装置において、被検査体内のイン
ピーダンス分布画像を得るために、静磁場と同一方向を
有して時間的に変化する磁界を前記被検査体に印加可能
な磁界印加手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴映像法
(エムアールアイ、Magnetic Resonan
ce Imaging、MRI)の原理を利用して、被
検査体のインピーダンスの分布を反映した断層画像(t
omogram)を取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、人体組織の導電率を計測する
ことによって診断が行われていた。例えば、人体内に存
在する腫瘍組織は、その壊滅期においては比較的導電率
が低く、一方、活性期においては比較的導電率が高いこ
とが知られている。したがって、人体組織の導電率の分
布を外部から非侵襲的に計測することは、腫瘍組織の活
性状態等を調べる上で、重要な情報をもたらすものであ
る。このように、被検査体の導電率等のインピーダンス
分布を断層画像として取得することによって、腫瘍組織
の活性状況を判断するための信頼性の高い診断情報が得
られることになる。
【0003】従来、このような診断情報を得るため、人
体に複数の電極を配置して、各電極に電流を流し、流れ
た電流量に応じてインピーダンス分布を求め、求めたイ
ンピーダンス分布を外部モニターに表示する手法が提案
されていたが、人体に複数の電極を配置するため診断効
率が良くなく、また、測定精度も悪かった。
【0004】そこで、各種被検査体に対して、非侵襲的
に断層画像を取得する方法として提案されていた磁気共
鳴映像法(MRI)をインピーダンス分布の検出に応用
することが期待されていた。
【0005】この磁気共鳴映像法は、ある静磁場の中に
被検査体を置き、該静磁場の方向に対して垂直な方向を
有する高周波磁界を印加することによって被検査体内の
原子核スピンを励起し、例えば、励起された原子核スピ
ンの巨視的磁化のフリップ角(Euler nutat
ion angle)が一定となるように前記高周波磁
界を発生させるための電力を与えて磁気共鳴を発生さ
せ、発生させた磁気共鳴による共鳴信号に基づいて、被
検査体の磁気共鳴画像を取得する方法である。なお、こ
のような磁気共鳴映像法(MRI)については、各種の
文献、例えば「ME機器ハンドブック1:コロナ社」等
に記載されているため、ここでは詳細な説明を行うこと
は省略し概要のみを若干説明する。
【0006】そもそも、磁気共鳴周波数(ν=2π
ω0 )は、原子核の種類に固有の物理量であり、磁気共
鳴周波数は、周囲の静磁場の磁束密度(磁界強度
(H0 ))に比例する(ω0 =γ・H0 、γは磁気回転
比)。例えば、人体に多量に含まれる水素原子核
1 H:プロトン)の共鳴周波数は、磁束密度1(T:
テスラ)の静磁場中では約42(MHz)である。
【0007】プロトンは、この共鳴周波数で歳差運動を
行い、歳差運動を行うプロトンが複数集まると、静磁場
の磁界方向に、いわゆる巨視的磁化が発生する。そし
て、静磁場の磁界方向と垂直な磁界方向の磁場を発生す
るRF(radio frequency)コイルに電
力を供給し、歳差運動と同一の周波数の高周波磁界を発
生させたときに、巨視的磁化が基準方向(静磁場の磁界
方向)から傾斜する。
【0008】この傾斜角度は、フリップ角と称され、R
Fコイルへの電力供給量に応じて変化する。傾斜角度が
90°、180°となるような、RFコイルへの供給電
力量は、夫々、90°パルス、180°パルスと称され
る。
【0009】そして、例えば、90°パルスを与えた
後、RFコイルには、90°傾斜した巨視的磁化の作用
によって、ファラデーの電磁誘導の原理に基づき起電力
が発生し、この起電力が磁気共鳴信号となる。この磁気
共鳴信号の一般的な検出は、以下の様にして行われる。
【0010】まず、RFコイルに対して90°パルスを
供給するようにするとともに、スライス位置を決めるた
めのスライス選択傾斜磁場コイルに電力供給を行う。さ
らに、位相エンコード傾斜磁場コイルへ電力供給を行
う。なお、通常、磁気共鳴画像を取得するためには、N
回(Nは整数)の繰り返し動作によって、位相エンコー
ド傾斜磁場コイルへの電力供給量が徐々に変化するよう
にして、徐々に傾斜磁場を変化させていくようにしてい
る。
【0011】さらに、読み出し傾斜磁場コイル(リード
アウトコイル)への電力供給を行いながら、RFコイル
によって検出された共鳴信号を検出し、検出した信号に
対して、2次元(p方向およびr方向)のフーリエ変換
等の公知のアルゴリズムを用いた処理を行うことによっ
て、被検査体の磁気共鳴画像を取得する。
【0012】もちろん、以上の処理は、公知の技術であ
る磁気共鳴映像法の概要の一例を述べたにすぎない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上説明した磁
気共鳴映像法(MRI)は、各種被検査体に対して、非
侵襲的に断層画像を取得する方法としては極めて有効で
あるものの、従来の磁気共鳴映像法では、人体の診断等
を行う上で極めて有効な情報を与える導電率等のインピ
ーダンス分布を反映した画像情報を得ることはできなか
った。
【0014】そこで、本発明は、このような未解決の課
題を解決するためになされたもので、その目的は、磁気
共鳴映像法の原理を利用して、各種の被検査体に対して
非侵襲的に、そのインピーダンス分布を求める手段を提
供する点にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明によれば、ある静磁場中に被検
査体を置き、該静磁場の方向に対して垂直な方向を有す
る高周波磁界を印加することによって前記被検査体内の
原子核スピンを励起し、磁気共鳴を発生させ、発生させ
た磁気共鳴による共鳴信号に基づいて、被検査体の磁気
共鳴画像を取得する方法において、前記静磁場と同一方
向を有して時間的に変化する磁界を印加して、被検査体
内のインピーダンス分布画像を得る、磁気共鳴画像の取
得方法が提供される。
【0016】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1において、前記静磁場と同一方向を有して時間的に
変化する磁界の印加を、原子核スピンの励起時、位相エ
ンコード時、スピンの反転時、および、共鳴信号の検出
時のいずれかに行うようにした、磁気共鳴画像の取得方
法が提供される。もちろん、この磁界の印加を磁気共鳴
画像を取得中、継続しておくようにしてもよい。
【0017】また、請求項3記載の発明によれば、ある
静磁場中に被検査体を置き、該静磁場の方向に対して垂
直な方向を有する高周波磁界を印加することによって前
記被検査体内の原子核スピンを励起し、磁気共鳴を発生
させ、発生させた磁気共鳴による共鳴信号に基づいて、
被検査体の磁気共鳴画像を取得する方法において、前記
静磁場と同一方向を有して時間的に変化する磁界を印加
して得られた磁気共鳴画像と、この磁界の印加を行わな
いで得られた磁気共鳴画像とを取得し、取得した磁気共
鳴画像間で、引き算、割り算を含む画像処理を行う、磁
気共鳴画像の処理方法が提供される。
【0018】また、請求項4記載の発明によれば、被検
査体に印加する、ある静磁場を発生する静磁場発生手段
と、該静磁場の方向に対して垂直な方向を有する高周波
磁場を発生する高周波磁場発生手段と、前記被検査体内
で励起された原子核スピンの、共鳴信号に基づいて磁気
共鳴画像を得るための処理を少なくとも行う処理手段
と、を有する装置において、前記被検査体内のインピー
ダンス分布画像を得るために、前記静磁場と同一方向を
有して時間的に変化する磁界を前記被検査体に印加可能
な磁界印加手段を備えた、磁気共鳴画像の取得装置が提
供される。
【0019】なお、処理手段は、磁界印加手段による被
検査体への磁界印加を、所定のタイミング、例えば、原
子核スピンの励起時、位相エンコード時、スピンの反転
時、および、共鳴信号の検出時のいずれかに行うように
制御するようにしておくのが好ましい。もちろん、磁界
印加手段による被検査体への磁界の印加を、磁気共鳴画
像を取得中、継続しておくようにしてもよい。
【0020】そして、請求項5記載の発明によれば、請
求項4において、前記磁界印加手段は、前記静磁場と同
一方向を有して時間的に変化する磁界を生じるコイルで
構成されてなる、ことを特徴とする磁気共鳴画像の取得
装置が提供される。
【0021】また、請求項6記載の発明によれば、請求
項5において、前記コイルは、被検査体の局所部に装着
可能に構成されてなる、ことを特徴とする磁気共鳴画像
の取得装置が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。なお、本発明の理解の容易化を図
るため、まず原理説明を行い、その後に、本発明の具体
的な実施形態を説明するものとする。
【0023】図1は、静磁場H0 が印加されている場合
に、「ω0 =γH0 (γは磁気回転比)」なる式で定ま
る角周波数ω0 で歳差運動を行う原子核を示している。
RFコイルは、交流電流が供給されるとH1 なる高周波
磁場を発生する。そして、静磁場H0 と同一方向を有し
て時間的に変化する磁界を発生するためのコイルをB C
コイル(磁界印加手段:このコイルが発生する磁界を
「BC 磁界」と称する)としている。
【0024】今、BC コイルに電力を供給して静磁場H
0 の大きさを変化させると、「ω0=γH0 」なる式よ
り、歳差運動の角周波数ω0 が変化することがわかる。
これにより、磁気共鳴画像を得る際の、スライス位置、
位相エンコードされる場所、周波数エンコードされる場
所が変化することになる。
【0025】さて、図2は、2つの導電率の異なる物質
である脂肪と筋肉との特性を比較した説明図である。脂
肪は、導電率σが小さく絶縁体となり、BC 磁界が印加
されても、これを打ち消すような渦電流が流れないた
め、BC 磁界が印加されやすい。これに対して、筋肉
は、導電率σが大きく導電体となり、BC 磁界が印加さ
れると、これを打ち消すような渦電流が流れ、BC 磁界
が印加されにくい。
【0026】ところで、図1にて説明したように、BC
磁界が印加されると、角周波数ω0が変化することによ
り、第1に、スライス位置が変化し、第2に、位相エン
コードされる場所がばらばらになってしまい、第3に、
周波数エンコードされる場所がばらばらになってしま
い、結果として共鳴信号の強度レベルの低下を招いてし
まう。
【0027】したがって、脂肪は、BC 磁界が印加され
ることによって、その共鳴信号の強度レベルが大幅に低
下してしまうことになる。これに対して、筋肉は、BC
磁界が印加されにくく、共鳴信号の強度レベルの低下を
招かない。このように、同一のBC 磁界を印加しても、
導電率の違いによって、共鳴信号が異なることがわか
る。したがって、BC 磁界を印加することによる得られ
る共鳴信号は、被検査体の導電率等のインーダンス分布
を反映することになる。本発明は、この点に着目してな
されたものである。
【0028】そして、「原子核スピンの励起時(90°
パルスを与えているとき)」、「180°パルスを与え
ている期間(スピンの反転時)」、「位相エンコード
時」、および、「共鳴信号の検出時」では、被検査体に
対してBC 磁界を印加すると、原子核スピンは、特に、
その角周波数ω0 が変化することに起因する位相攪乱が
おこりやすい。一方、被検査体には、その導電率の大き
さに応じて、BC 磁界の変化を妨げる向きに渦電流が発
生する。脂肪のように導電率が小さなものでは渦電流の
発生は少ないためBC 磁界は印加されやすく、原子核ス
ピンの位相は攪乱されやすくスライス位置の変化も大き
い。一方、筋肉のように導電率が大きなものでは、渦電
流の発生が大きいためBC 磁界は打ち消されてしまい、
原子核スピンの位相の攪乱は少なく、スライス位置の変
化も少ない。90°パルスと180°パルスのスライス
位置がずれると、位相が攪乱された原子核スピンは、1
80°パルスの影響を受けなくなり、スピンエコーが発
生しなくなくなって、共鳴信号の強度レベルは小さくな
る。このように、BC 磁界を印加することによって、導
電率の大きさを反映した信号強度分布が得られることに
なる。
【0029】なお、時間的に変化する磁界は、例えば、
読み出し傾斜磁場コイルを1(kHz)程度の周波数で
高速スイッチングすることによっても、ある程度得られ
るが、本発明によれば、BC コイルに交流電流を流すこ
とによって、効果的に時間変化する磁界を得ることがで
きる。
【0030】さて、図3は、本発明に係る装置の構成図
である。被検査体50を載置する架台60が配設されて
おり、この回りには、ある方向に静磁場(B0 )を発生
するコイルであるB0 コイル78(静磁場発生手段)
と、RFコイル70(高周波磁場発生手段)と、位相エ
ンコード傾斜磁場コイルとして機能するGP コイル72
と、スライス位置を定めるスライス選択傾斜磁場コイル
として機能するGS コイル76と、読み出し傾斜磁場コ
イル(リードアウトコイル)として機能するGrコイル
74とが設置されている。なお、被検査体50に対する
磁気共鳴画像を得るための各コイルの有効な設置態様
は、公知の技術にて開示されている。そして、本発明の
特徴は、静磁場(B0 )と同一方向を有して時間的に変
化する磁界(BC 磁界)を発生させるコイルであるBC
コイル79(磁界印加手段)を設けている点にある。
【0031】また、B0 コイル78、Gr コイル74、
S コイル76、GP コイル72、および、BC コイル
79の夫々には、B0 電源36、Gr 電源34、GS
源32、GP 電源30、BC 電源38が、電力供給可能
に接続されている。Gr 電源34、GS 電源32、GP
電源30、および、BC 電源38は、与えられた起動信
号に応じて、対応するコイルに電力を供給する。
【0032】RFコイル70には、与えられた起動信号
に応じて起動する出力パワーアンプ42(電力供給手
段)と自身との接続動作、または、検出プリアンプ44
と自身との接続動作を、与えられた制御信号により交互
に行うスイッチング回路40が接続されている。
【0033】出力パワーアンプ42とRFコイル70と
が接続されることによって、出力パワーアンプ42から
RFコイル70への電力供給が可能となり、一方、検出
プリアンプとRFコイル70とが接続されることによっ
て、RFコイル70で得られる磁気共鳴信号が検出プリ
アンプ44で増幅され、さらに、この増幅信号は、中間
アンプ46で増幅されてコンピュータ10に供給される
ようになっている。
【0034】タイミングコントローラ20は、与えられ
た動作開始信号に応じて、Gr 電源34、GS 電源3
2、GP 電源30、BC 電源38、および、出力パワー
アンプ42の起動信号やスイッチング回路40の制御信
号を、所定のタイミングで供給する。
【0035】コンピュータ10(処理手段)には、各種
のコマンドを与えるためのキーボード12と、画像処理
結果等を表示するディスプレイ14が接続されていて、
タイミングコントローラ20への動作開始信号の供給
や、中間アンプ46の出力信号をフーリエ変換して磁気
共鳴画像を求める処理を含む本発明にかかる処理を行
う。コンピュータ10は、例えば、動作プログラムを内
蔵したROM等の記憶媒体、ワークエリアとして機能す
るRAM、および、動作プログラムにしたがって動作を
行うCPU等の電子デバイスにて実現可能である。
【0036】図4は、BC コイル79の具体例を示して
いる。図4において、コイルに図示された矢印は、電流
が流れる方向を示している。図4(a)には、電線を巻
回して構成したコイルを示しており、このコイルは、B
C 電源36から電力供給を受けることによって、静磁場
0 と同一方向を有して時間的に変化する磁界を生じ
る。このように、電線を巻回してBC コイル79を作製
することにより、磁界印加手段を簡易な構成で実現でき
る。
【0037】また、図4(b)に示されるBC コイル7
9(「サーフェス型BC コイル」と称する)は、電線を
巻回して構成したコイルと、コイルの一部に固定され
た、コイルを持つための把持部100とを有している。
コイルの大きさは、被検査体50の局所部に装着可能な
程度である。例えば、被検査体50が人間である場合に
は、コイルの大きさを、人間の頭部の一部に装着可能な
程度にすることが考えられる。
【0038】もちろん、このサーフェス型BC コイル
は、BC 電源36から電力供給を受けることによって、
静磁場B0 と同一方向を有して時間的に変化する磁界を
発生する。オペレータは、把持部100を利用して、被
検査体50の局所部にBC コイル79を簡単に装着でき
るので、被検査体50の検査を行いやすい。なお、BC
コイル79の巻回形状は必ずしも円形でなくても良く、
例えば4角形等の多角形でも良い。
【0039】さて、この装置の動作を、図6のフローチ
ャートと図5の動作タイミングチャートを参照して説明
する。ステップS600において、BC 磁界を印加しな
い通常の磁気共鳴画像を取得する。まず、オペレータ
が、キーボード12を操作して動作開始のコマンドを与
えると、コンピュータ10は、タイミングコントローラ
20に動作開始信号を与える。タイミングコントローラ
20は、スイッチング回路40に制御信号を与えて、R
Fコイル70と出力パワーアンプ42とを接続させ、さ
らに、図5のタイミングチャート(但し、このステップ
S600での処理では、BC 磁界を印加しないので、B
C コイルのタイミングチャートは関係ない)に示すよう
に、出力パワーアンプ42に制御信号を与えて、RFコ
イル70に対して90°パルスを与えるようにするとと
もに、スライス位置を決めるためにGS 電源32に起動
信号を与えて、GS 電源32に、GS コイル76への電
力供給をさせる。
【0040】さらに、GP 電源30に起動信号を与え
て、GP 電源30に、GP コイル72への電力供給をさ
せる。なお、磁気共鳴画像を取得するためには、図5の
タイミングチャートで示される動作を、1回目からN回
目(Nは、例えば256)までN回繰り返す必要があり
(即ち、Trの期間での動作を繰り返す)、GP 電源3
0は、N回の繰り返し動作によって、徐々に、GP コイ
ル72への電力供給量を多くするようにしてある。な
お、実際には、この繰り返しを、さらにM回(Mは、例
えば256)繰り返す。
【0041】さらに、タイミングコントローラ20は、
出力パワーアンプ42に制御信号を与えて、RFコイル
70に対して180°パルスを与えるようにするととも
に、スライス位置を決めるためにGS 電源32に起動信
号を与えて、GS 電源32に、GS コイル76への電力
供給をさせる。
【0042】次に、タイミングコントローラ20は、ス
イッチング回路40に制御信号を与えて、RFコイル7
0と検出プリアンプ44を接続させ、さらに、図5のタ
イミングチャートに示すように、Gr 電源34に起動信
号を与えて、Gr 電源34に、Gr コイル74への電力
供給をさせながら、RFコイル70で検出された共鳴信
号を検出プリアンプ44に導く。検出プリアンプ44で
増幅された信号は、さらに、中間アンプ46で増幅され
てコンピュータ10に送られ、コンピュータ10は、2
次元(p方向およびr方向)のフーリエ変換等の公知の
アルゴリズムを用いた処理を行って、BC 磁界を印加し
ない被検査体50の磁気共鳴画像を取得する。
【0043】次に、ステップS602において、BC
界を印加した被検査体50の磁気共鳴画像を得る。この
処理は、図5に示すような所定のタイミングで、BC
界を被検査体50に印加して磁気共鳴画像を得るよう
に、タイミングコントローラ20が、出力パワーアンプ
42を起動する点に特徴があり、これ以外の点では、ス
テップS600での処理と変わるところがない。なお、
この所定のタイミングとしては、「原子核スピンの励起
時」、「位相エンコード時」、「スピンの反転時」、お
よび、「共鳴信号の検出時」が挙げられ、これらのうち
のいずれかにおいて、BC 磁界を印加するようにしてお
けばよい。もちろん、磁気共鳴画像の取得中、BC 磁界
の印加を継続するのも良い。
【0044】図5では、上記した4種類の所定タイミン
グで、BC 磁界を被検査体50に印加するように示して
いるが、実際には、いずれかのタイミングで、BC 磁界
を被検査体50に印加すればよいので、説明の都合上、
本ステップS602では、「スピンの反転時」にのみB
C 磁界を印加して被検査体50の磁気共鳴画像を得るも
のとして説明する。
【0045】まず、タイミングコントローラ20は、ス
イッチング回路40に制御信号を与えて、RFコイル7
0と出力パワーアンプ42とを接続させ、さらに、図5
のタイミングチャートに示すように、出力パワーアンプ
42に制御信号を与えて、RFコイル70に対して90
°パルスを与えるようにするとともに、スライス位置を
決めるためにGS 電源32に起動信号を与えて、GS
源32に、GS コイル76への電力供給をさせる。
【0046】さらに、GP 電源30に起動信号を与え
て、GP 電源30に、GP コイル72への電力供給をさ
せる。なお、磁気共鳴画像を取得するためには、図5の
タイミングチャートで示される動作を、1回目からN回
目(Nは、例えば256)までN回繰り返す必要があり
(即ち、Trの期間での動作を繰り返す)、GP 電源3
0は、N回の繰り返し動作によって、徐々に、GP コイ
ル72への電力供給量を多くするようにしてある。な
お、実際には、この繰り返しを、さらにM回(Mは、例
えば256)繰り返す。
【0047】さらに、タイミングコントローラ20は、
出力パワーアンプ42に制御信号を与えて、RFコイル
70に対して180°パルスを与えるようにするととも
に、スライス位置を決めるためにGS 電源32に起動信
号を与えて、GS 電源32に、GS コイル76への電力
供給をさせる。そして、同時に、被検査体50にBC
界を印加するために、BC 電源38に起動信号を与え
て、BC 電源38に、B C コイル79への電力供給をさ
せる。これにより、スピンの反転時に、被検査体50に
対して、BC 磁界が印加されることになる。
【0048】次に、タイミングコントローラ20は、ス
イッチング回路40に制御信号を与えて、RFコイル7
0と検出プリアンプ44を接続させ、さらに、図5のタ
イミングチャートに示すように、Gr 電源34に起動信
号を与えて、Gr 電源34に、Gr コイル74への電力
供給をさせながら、RFコイル70で検出された共鳴信
号を検出プリアンプ44に導く。検出プリアンプ44で
増幅された信号は、さらに、中間アンプ46で増幅され
てコンピュータ10に送られ、コンピュータ10は、2
次元(p方向およびr方向)のフーリエ変換等の公知の
アルゴリズムを用いた処理を行って、被検査体50の磁
気共鳴画像を取得する。
【0049】本ステップにおける処理では、所定のタイ
ミング、特に、スピンの反転時にのみBC 磁界を印加す
るものとしたが、本ステップにおける処理の開始時から
終了時まで、BC 磁界を印加したままにしておいても良
い。
【0050】次に、ステップS604において、コンピ
ュータ10は、ステップS600の処理で得られた磁気
共鳴画像(画像Cと称する)と、ステップS602の処
理で得られた磁気共鳴画像(画像Dと称する)とに対し
て、画像の強度分布の比較処理を行う。この処理は、例
えば、画像Cと画像Dとの対応する画素間での引き算処
理や割り算処理を、公知の画像処理アルゴリズムにした
がって行う。そして、コンピュータ10は、画像処理結
果をディスプレイ14に表示して、一連の処理を終了す
る(エンド)。
【0051】これにより、同一の被検査体に対して、B
C 磁界を印加しない画像CとBC 磁界を印加した画像D
とが得られることになり、両者を比較することにより、
被検査体のインピーダンスの分布を反映した画像が得ら
れることになる。具体的には、2つの画像C、画像Dに
対して引き算処理や割り算処理を行うことによって、被
検査体のインピーダンスの分布を表す画像が得られるこ
とになる。
【0052】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、磁気共鳴による共鳴信号に基づいて、被検査体の磁
気共鳴画像を取得する方法において、導電率が大きいほ
どBC磁界の影響を受けず共鳴信号の低下を招かないこ
とに着目して、共鳴信号を得るための静磁場と同一方向
を有して時間的に変化する磁界を印加することによっ
て、被検査体のインピーダンス分布画像を得ることが可
能となる。
【0053】また、共鳴信号を得るための静磁場と同一
方向を有して時間的に変化する磁界を印加して得られた
磁気共鳴画像と、この磁界の印加を行わないで得られた
磁気共鳴画像とを取得し、取得した磁気共鳴画像間で、
引き算、割り算を含む画像処理を行うので、簡易な画像
処理によって、被検査体内のインピーダンス分布画像を
得ることが可能になる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、被検査体の磁気共鳴画像を取得する方法に
おいて、磁気共鳴画像を取得するために被検査体に印加
する静磁場と同一方向を有して時間的に変化する磁界を
印加するので、被検査体内のインピーダンス分布画像を
得ることが可能になるという効果がある。
【0055】また、請求項2に係る発明によれば、請求
項1の効果に加えて、前記静磁場と同一方向を有して時
間的に変化する磁界の印加を、原子核スピンの励起時、
位相エンコード時、スピンの反転時、および、共鳴信号
の検出時のいずれかに行うようにしたので、より明確
な、被検査体内のインピーダンス分布画像を得ることが
可能になるという効果がある。
【0056】また、請求項3に係る発明によれば、被検
査体の磁気共鳴画像を取得する方法において、被検査体
に印加する静磁場と同一方向を有して時間的に変化する
磁界を印加して得られた磁気共鳴画像と、この磁界を印
加を行わないで得られた磁気共鳴画像と間で、引き算、
割り算を含む画像処理を行うので、簡易な画像処理によ
って、被検査体内のインピーダンス分布画像を得ること
が可能になるという効果がある。
【0057】また、請求項4に係る発明によれば、磁界
印加手段が前記静磁場と同一方向を有して時間的に変化
する磁界を被検査体に印加することによって、被検査体
内のインピーダンス分布画像を得ることが可能になると
いう効果がある。
【0058】特に、請求項5に係る発明によれば、請求
項4の効果に加えて、磁界印加手段を、前記静磁場と同
一方向を有して時間的に変化する磁界を生じるコイルで
構成したので、磁界印加手段を簡易な構成で実現でき
る。
【0059】また、請求項6に係る発明によれば、請求
項5の効果に加えて、コイルを、被検査体の局所部に装
着可能としたので、被検査体の検査を行いやすいという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の説明図である。
【図2】本発明の原理の説明図である。
【図3】本発明にかかる装置の構成図である。
【図4】磁界印加手段の構成例を示す説明図である。
【図5】本発明にかかる装置の動作タイミングチャート
である。
【図6】本発明にかかる装置が行う処理を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
10 コンピュータ 12 キーボード 14 ディスプレイ 20 タイミングコントローラ 30 GP 電源 32 GS 電源 34 Gr 電源 36 B0 電源 38 BC 電源 40 スイッチング回路 42 出力パワーアンプ 44 検出プリアンプ 46 中間アンプ 60 架台 70 RFコイル 72 GP コイル 74 Gr コイル 76 GS コイル 78 B0 コイル 79 BC コイル 100 把持部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある静磁場中に被検査体を置き、該静磁
    場の方向に対して垂直な方向を有する高周波磁界を印加
    することによって前記被検査体内の原子核スピンを励起
    し、磁気共鳴を発生させ、発生させた磁気共鳴による共
    鳴信号に基づいて、被検査体の磁気共鳴画像を取得する
    方法において、 前記静磁場と同一方向を有して時間的に変化する磁界を
    印加して、被検査体内のインピーダンス分布画像を得
    る、磁気共鳴画像の取得方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記静磁場と同一方
    向を有して時間的に変化する磁界の印加を、原子核スピ
    ンの励起時、位相エンコード時、スピンの反転時、およ
    び、共鳴信号の検出時のいずれかに行うようにした、磁
    気共鳴画像の取得方法。
  3. 【請求項3】 ある静磁場中に被検査体を置き、該静磁
    場の方向に対して垂直な方向を有する高周波磁界を印加
    することによって前記被検査体内の原子核スピンを励起
    し、磁気共鳴を発生させ、発生させた磁気共鳴による共
    鳴信号に基づいて、被検査体の磁気共鳴画像を取得する
    方法において、 前記静磁場と同一方向を有して時間的に変化する磁界を
    印加して得られた磁気共鳴画像と、この磁界の印加を行
    わないで得られた磁気共鳴画像とを取得し、取得した磁
    気共鳴画像間で、引き算、割り算を含む画像処理を行
    う、磁気共鳴画像の処理方法。
  4. 【請求項4】 被検査体に印加する、ある静磁場を発生
    する静磁場発生手段と、該静磁場の方向に対して垂直な
    方向を有する高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段
    と、前記被検査体内で励起された原子核スピンの共鳴信
    号に基づいて磁気共鳴画像を得るための処理を少なくと
    も行う処理手段と、を有する装置において、 前記被検査体内のインピーダンス分布画像を得るため
    に、前記静磁場と同一方向を有して時間的に変化する磁
    界を前記被検査体に印加可能な磁界印加手段を備えた、
    磁気共鳴画像の取得装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記磁界印加手段
    は、前記静磁場と同一方向を有して時間的に変化する磁
    界を生じるコイルで構成されてなる、ことを特徴とする
    磁気共鳴画像の取得装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記コイルは、被検
    査体の局所部に装着可能に構成されてなる、ことを特徴
    とする磁気共鳴画像の取得装置。
JP8303330A 1996-11-14 1996-11-14 磁気共鳴画像の取得方法および磁気共鳴画像の処理方法ならびに磁気共鳴画像の取得装置 Pending JPH10137213A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100409022C (zh) * 2003-12-29 2008-08-06 中国科学院电工研究所 一种阻抗成像方法及装置
JP2009534162A (ja) * 2006-04-24 2009-09-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 電気特性トモグラフィのための電界シミング
JP2020531150A (ja) * 2017-08-23 2020-11-05 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 可変磁場磁石による磁気共鳴撮像

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